説明

接続アセンブリ

フレキシブルコンテナ(2)の口に接続するための接続アセンブリを開示する。該接続アセンブリは、外径の周りに内部フランジ(5)を有する内部リング(4)と、内部フランジ(5)と係合する大きさに形成された凹部(7)を内径の周りに有する外部リング(6)と、を含み、内部リング(4)と外部リング(5)が、内部リング(4)と外部リング(5)との間にフレキシブルコンテナ(2)の口を捕らえるべく相互に係合するよう適応される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブルコンテナ用の接続アセンブリに関する。また本発明は接続アセンブリを含むフレキシブルコンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
フレキシブルコンテナは、例えば5kgの医薬品から30,000kgを超えるプラスチックグラニュール及び乾燥粉末化又は粒状化された食料品の充填まで、幅広い用途で使用されている。
【0003】
フレキシブルコンテナへの充填及びフレキシブルコンテナからの排出の少なくとも一方を行うための装置にフレキシブルコンテナを接続する際、困難が生じることが多々ある。詳細には、コンテナ内の内容物が外界から汚染されないようにし、また同様に、コンテナへの充填操作及びコンテナからの排出操作の少なくとも一方の操作中に内容物が外へ漏れないように密封することが必要である。
【0004】
密封するための1つの方法は、コンテナの開口部の周りに単一のリングを溶接することである。このリングが、充填装置及び排出装置の少なくとも一方への取り付けを行うことのできる、強固な接続を形成する。しかし、単一のリングを正確に溶接して取り付けることは困難であると同時に時間がかかり、またそれが全てのコンテナ材料に適しているわけではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記を鑑み、本発明は、複数のパーツから構成されるフレキシブルコンテナ用の接続アセンブリを提供するものである。かかる接続アセンブリは、フレキシブルコンテナに簡単に取り付けることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の第1の態様によれば、フレキシブルコンテナの口に接続される接続アセンブリが提供される。この接続アセンブリは、外径の周りに内部フランジを有する内部リングと、前記内部フランジと係合する大きさに形成された凹部を内径の周りに有する外部リングと、を有し、前記内部リングと前記外部リングは、相互に係合してそれらの間に前記口を捕らえるように適応される。
【0007】
「リング」という用語は、内径の範囲を定める全ての部材を含むものとして使用する。したがって、この用語の範囲には楕円形及び円形の部材ばかりでなく、正方形、長方形及び多角形の部材も含まれる。
【0008】
この構成によれば、堅固な接続アセンブリを単純且つ簡単にフレキシブルコンテナに取り付けることができる。幾つかのパーツを用いて接続を形成することで、コンテナに直接溶接された従来のシステムと異なり、コンテナへの取り付けが単純化される。接続アセンブリはコンテナと質の高い密封を形成することができ、乾燥したバルク材を運搬するコンテナとの使用に特に適している。
【0009】
内部リングは外部リングとスナップ係合するように適応させることができる。
【0010】
好ましくは、外部リングはその外径の周りに外部フランジを有し、接続アセンブリは、内部フランジ及び外部フランジと当接する大きさに形成されたシーリングリングをさらに含む。
【0011】
アセンブリは、外部リングとシーリングリングとを共に締め付けるためのクランプリングをさらに含む。これにより、シーリングフランジと外部フランジとの接続を容易に外すことができる。クランプリングは、相対的に移動するようヒンジで連結された少なくとも2つのパーツと、かかる少なくとも2つのパーツを締め付けるためのクランプ機構とを有し得る。これらパーツをヒンジで連結することで、クランプ機構は半径方向(すなわちリング面において)又は垂直方向(すなわちリング面に垂直)に締付けを行う。
【0012】
好ましくは、かかる装置は、内部リング及び外部リングに対してシーリングリングを正確に位置させるための手段をさらに含む。このことで、アセンブリはさらに単純化される。これは、内部リングの内径にガイド凹部を備えると共に、シーリングリングの内径にガイド凸部を備え、シーリングリングを正確に位置させるようにガイド凸部をガイド凹部内に位置させるアセンブリによって達成される。
【0013】
好ましくは、かかる装置は内部フランジと凹部との間に配置されたOリングをさらに含んでもよい。そのようにすることで、より効果的な密封が得られる。
【0014】
アセンブリは、外部フランジ上にリップをさらに含むことが好ましい。これにより、密封が一層効果的なものとなる。リップは例えばOリングの形態をとり得る。Oリングは外部リングと一体形成する、すなわち、外部フランジの一体部分として形成できる。または、Oリングはリップを形成する別個の部分とし、これを外部フランジに接着あるいはその他の方法で取り付けてもよい。
【0015】
アセンブリは、少なくとも内部リングの隙間を覆う薄膜をさらに含むことが好ましい。従って、アセンブリをコンテナとの所定の位置に置いた際に、この薄膜により、アセンブリにおける隙間を通ってコンテナの内容物が漏れること、及びコンテナ内に汚染物が侵入することが阻止される。
【0016】
本発明の第2の態様によれば、本発明の第1の態様による上記接続アセンブリを有するフレキシブルコンテナが提供される。該コンテナの開口は内部リングの内径によって定められ、コンテナ材料で内部リングを覆うことで、コンテナ材料が凹部と内部フランジとの間に捕捉される。これにより、アセンブリがコンテナに強固に固定される。外部フランジとシーリングフランジを共に締め付ける構成とすることもでき、又は接続アセンブリを所定の位置に確実に位置させるよう、その他の方法で取り付けることもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
添付の図面を参照して本発明を説明するが、この説明は一例にすぎず、発明を制限するものではない。
【0018】
図中、同様の部分には同じ参照番号を付して示す。
【0019】
図1−Aは、本発明の第1の実施形態による接続アセンブリを示し、この接続アセンブリはフレキシブルコンテナ2の所定の位置に取り付けられている。フレキシブルコンテナ2は内部リング4の周りを包んでいる。内部リング4はその外径にフランジ5を有し、フランジ5は外部リング6における対応する凹部7と係合する。外部リング6はまた、その外径にフランジ8を有する。図1−Bは、外部リング6内の所定の位置に配置する内部リング4を示し、フランジ5と凹部7との間にフレキシブルコンテナ2が捕らえられた様子を示している。
【0020】
最終的なアセンブリを図1−Cに示す。シーリングリング10は内部リング4のフランジ5及び外部リング6のフランジ8と当接するシーリングフランジ12を有する。機械的に締め付けを行って、外部リング6のフランジ8に対してシーリングフランジ12を押圧させる。したがって、フレキシブルコンテナ2は接続アセンブリに強固に取り付けられる。
【0021】
シーリングリング10は、他の装置へ接続してコンテナへの充填又はコンテナからの排出を行うシャンク14を含む。
【0022】
図2−Aから図2−Cは、本発明の第2の実施形態を示す。かかる実施形態の構成は第1の実施形態と同様であるため、以下では説明を省略する。本実施形態は内部リングの内径に形成されたガイド凹部16を含む。シーリングリングは、ガイド凹部16と係合する、対応する凸部又は差込部18を有する。こうすることで、シーリングリングが内部リング及び外部リングに対して確実に正確に配置されるため、組み立てプロセスが単純化される。さらに、フレキシブルコンテナが接続アセンブリ内に一層強固に取り付けられ、密封が向上するという更なる利点がある。
【0023】
図3−Aから図3−Dは、本発明の第3の実施形態の断面図を示す。かかる実施形態の構成は第1の実施形態の構成と同じであるため、以下では説明を省略する。本実施形態では、密封をさらに向上させるために2つのリップが提供される。これらのリップの一方あるいは両方はOリングの形態であり得る。図3−Bは、内部リングのフランジと外部リングの凹部との間に配置される、取り外し可能なOリングシール20を示す。一体成形したOリングシール22を外部リング上に位置させることで、シーリングフランジとの密封が向上する。
【0024】
本実施形態では、Oリングシール22を外部リングと1つの部品として一体形成する。しかし、Oリングシール22を別個の部品として形成し、外部リングに接着してもよい。さらに、Oリングシール22を2つではなく1つのみ備えるのでも良いことが別の実施形態から理解されよう。
【0025】
上記第1から第3の実施形態では、内部リング、外部リングをプラスチックで構成するが、金属等、他の材料を使用してもよいことが代替的な実施形態から理解されよう。
【0026】
図4−Aから図4−Dは、第1から第3の実施形態の接続アセンブリと共に使用するためのメカニカルクランプの実施形態を示す。クランプは第1の部品30と第2の部品32を有し、これらはヒンジ34によって旋回するように接続されて、リング面において相対的に移動する。第1の部品30と第2の部品32は略「V」型の断面を有し、この「V」内にシーリングフランジと外部フランジの両方を含むような大きさに形成される。オーバセンタクランプ36を第1の部品30に取り付けて、第2の部品32におけるクランプ面38と係合させる。
【0027】
クランプを使用するには、接続アセンブリを上記のように位置させ、シーリングリング及び外部リング上にクランプを位置させて、クランプを閉じる。このように使用することで、接続アセンブリをコンテナに固定することができる。
【0028】
別の代替的な実施形態では、クランプの形状を略「C」型の形状とし、この「C」の範囲内にシーリングフランジと外部フランジの両フランジを含む大きさに形成することができる。
【0029】
一つの代替的な実施形態(図示せず)では、溶接によって外部リングを内部リングに取り付ける。この場合、クランプは不要である。
【0030】
一つの代替的な実施形態では、内部リングの隙間を覆うように薄膜を延在させて、コンテナの内容物を保持する。
【0031】
上記全ての実施形態において、アセンブリの種々の構成部分をリングとして説明した。リングは円形である必要があるが、楕円形又は多角形であってもよいことは、代替的な実施形態から理解されよう。
【0032】
実施形態のコンテナは単純なバックであってもよい。または代替的に、バルクコンテナライナ、又は柔軟性があり不浸透性の薄膜を用いる任意の他のコンテナであってもよい。この例として、ポリエチレンバッグ、小粒状物質用バック、樽、FIBC(大型のバッグ)、オクタビン(オクタゴン型の容器)及びISOコンテナライナを挙げる。本発明の実施形態は、5kgの小型のバックから3,000kgもの運搬を行うコンテナまで、あらゆるサイズのコンテナと共に使用するよう、拡大可能である。
【0033】
接続アセンブリを有するコンテナの排出方法について説明する。典型的にコンテナは、その内容物が誤って放出されないことを確実にするために、接続アセンブリに制限を有する。接続アセンブリに薄膜が存在する場合、内容物を利用するには、まずその薄膜を破らなければならない。
【0034】
クランプ機構をシーリングリングのシャンク14に取り付けるが、これはオペレータの力のみによって、又は空気圧、もしくはモータ等その他の手段による駆動によって、機械的に行うことができる。
【0035】
コンテナの制限を解除することにより、コンテナの内容物を装置の排出体積まで排出することができる。排出装置は、密閉により流体連通させる真空ポンプを含む。製品の大部分が排出体積まで排出されると、真空ポンプを使用して、わずかに残っている製品がコンテナから取り出される。また、真空ポンプによりコンテナを収縮させることで、コンテナをより容易に折り畳むことができる。代替的に、コンテナの収縮又は崩壊を防ぐように作用する真空開放バルブを存在させてもよい。
【0036】
一実施形態では、薄膜が存在する場合に、薄膜に自動的に穴をあけるための鋭利な端面を排出装置に設ける。
【0037】
この方法によれば、容易にコンテナから排出を行うことができる。コンテナが内部リングを覆っているため、製品が接続アセンブリに捕えられることもなく、また製品が接続アセンブリと接触することもない。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1−A】本発明の第1の実施形態による接続アセンブリの断面図。
【図1−B】本発明の第1の実施形態による接続アセンブリの断面図。
【図1−C】本発明の第1の実施形態による接続アセンブリの断面図。
【図2−A】本発明の第2の実施形態による接続アセンブリの断面図。
【図2−B】本発明の第2の実施形態による接続アセンブリの断面図。
【図2−C】本発明の第2の実施形態による接続アセンブリの断面図。
【図3−A】本発明の第3の実施形態による接続アセンブリの断面図。
【図3−B】本発明の第3の実施形態による接続アセンブリの断面図。
【図3−C】本発明の第3の実施形態による接続アセンブリの断面図。
【図3−D】本発明の第3の実施形態による接続アセンブリの断面図。
【図4−A】本発明によって接続アセンブリを機械的に締め付ける方法を示す平面図。
【図4−B】本発明によって接続アセンブリを機械的に締め付ける方法を示す平面図。
【図4−C】本発明によって接続アセンブリを機械的に締め付ける方法を示す平面図。
【図4−D】本発明によって接続アセンブリを機械的に締め付ける方法を示す平面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレジシブルコンテナの口に接続するための接続アセンブリであって、
外径の周りに内部フランジを有する内部リングと、
前記内部フランジと係合する大きさに形成された凹部を内径の周りに有する外部リングと、を備え、
前記内部リングと前記外部リングとが、前記内部リングと前記外部リングとの間に前記口を捕らえるべく相互に係合するよう適応されることを特徴とする接続アセンブリ。
【請求項2】
前記内部リングが、前記外部リングとスナップ係合するように適合されることを特徴とする請求項1に記載の接続アセンブリ。
【請求項3】
前記外部リングがその外径の周りに外部フランジを有し、
前記接続アセンブリが、前記内部リング及び前記外部フランジと当接する大きさに形成されたシーリングリングをさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の接続アセンブリ。
【請求項4】
前記外部リングと前記シーリングリングを共に締め付けるためのクランプリングをさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の接続アセンブリ。
【請求項5】
前記クランプリングが、相対移動するようにヒンジで接続された少なくとも2つの部分と、前記少なくとも2つの部分を共に締め付けるためのクランプ機構と、を備えることを特徴とする請求項4に記載の接続アセンブリ。
【請求項6】
前記内部リングがその内径にガイド凹部を有し、前記ガイド凹部が、前記シーリングリングにおけるガイド凸部と当接して前記内部リングと前記シーリングリングを正確に位置させるように適合されることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1つに記載の接続アセンブリ。
【請求項7】
前記内部フランジと前記凹部との間に配置されるOリングをさらに備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の接続アセンブリ。
【請求項8】
前記外部フランジ上のリップをさらに備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の接続アセンブリ。
【請求項9】
少なくとも前記内部リングの前記開口を覆う薄膜をさらに備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の接続アセンブリ。
【請求項10】
前記フレキシブルコンテナの前記開口が前記内部リングの前記内径によって範囲を定められ、前記フレキシブルコンテナの前記材料が前記内部リングを覆うことで前記凹部と前記内部フランジとの間に捕えられることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の接続アセンブリを有するフレキシブルコンテナ。
【請求項11】
添付の図面を参照する、明細書中に記載するものと略同様の接続アセンブリ。
【請求項12】
添付の図面を参照する、明細書中に記載のものと略同様の接続アセンブリを有する、フレキシブルコンテナ。

【図1−A】
image rotate

【図1−B】
image rotate

【図1−C】
image rotate

【図2−A】
image rotate

【図2−B】
image rotate

【図2−C】
image rotate

【図3−A】
image rotate

【図3−B】
image rotate

【図3−C】
image rotate

【図3−D】
image rotate

【図4−A】
image rotate

【図4−B】
image rotate

【図4−C】
image rotate

【図4−D】
image rotate


【公表番号】特表2007−501747(P2007−501747A)
【公表日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−523050(P2006−523050)
【出願日】平成16年8月11日(2004.8.11)
【国際出願番号】PCT/GB2004/003457
【国際公開番号】WO2005/016789
【国際公開日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(506048980)イーズィー−ドック システムズ リミテッド (1)
【Fターム(参考)】