説明

接触分解ガソリン中の硫黄分を低減させる触媒添加剤

本発明は、接触分解ガソリン留分の硫黄分を低減させる新規な添加剤組成物に関する。当該添加剤組成物は、第IV族の第1の金属が取り込まれ、第II族の金属が含浸された多孔質のクレーからなる担体を含む。第1の金属はジルコニウムであり、第2の金属は亜鉛であることが好ましい。硫黄分低減添加剤は、炭化水素原料ストックをガソリンまたは他の液体生成物に変換するための流動接触分解処理において、流動化された通常の接触分解触媒と組み合わされた、分離粒子の形態で使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は流動接触分解処理において生成されるガソリン中の硫黄分の低減に関し、特に、触媒含有添加剤の使用により硫黄分を減らすための方法および組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
流動接触分解(FCC)は、1420万b/d以上の膨大な許容量を有する、ガソリン製造のための最大の精製処理である。当該処理は、真空留出物、残留物および脱アスファルト油のような重原料を、オレフィンや芳香族化合物に富む軽生成物に変換する。FCC触媒は、典型的には粉体の固体酸であり、特には、ゼオライト(合成Y-フォージャサイト(faujasite))、珪酸アルミニウム、処理されたクレー(カオリン)、ボーキサイトおよびシリカアルミナである。商用のFCC触媒におけるゼオライトの割合は通常5−40重量%またはそれ以上であり、その平衡(balance)は無定形シリカ−アルミナ基質である。FCC処理に対する添加量は、通常、触媒の10%以下であり、オクタンを高めるためや、金属不動態化剤、SOx還元剤、CO酸化、そして、近年はガソリンの硫黄分を減らすために使用されている。
【0003】
ガソリンおよび排出ガスの硫黄分の含有量を対象とする厳しい環境基準が世界中で実施されている。ガソリン中の硫黄分は、燃焼ガスにおける硫黄酸化物の放出を増加させ、車両の触媒コンバーターの動作を抑制し、また、エンジン部品の腐食を促進する。米国と欧州連合のガソリン中の硫黄の上限は、まもなく精製所平均として30ppmで設定されるだろう。さらに、多くの国において2007年の“硫黄分を含有しない燃料”(<10ppm)の導入が提案された。さらに、最近、多くのアジアの国々が、輸送燃料中において許容される硫黄分の基準を低くした。
【0004】
多数の見解がガソリンにおける硫黄分を減らすために利用可能である。主な見解は、FCC原料を水素処理すること、ナフサ生成物を水素処理すること、FCCガソリンの沸点を下げること、およびFCC触媒において硫黄分を減らす添加剤を使用することである。最初の2つの意見は、大きな資本を必要とする。3つめの意見に関する不利益は、沸点を低くすることは、ガソリンの収量を低下させることに加えてオクタン価も減少させてしまうことである。環境的観点から、最後の見解が、新たな処理を必要とすることなくガソリン留分を選択的に脱硫することができるため、もっとも所望されている。FCC添加剤または触媒により硫黄分を低減させることは、標準的な液体選択的ガソリン水素処理やHDS法以上の経済的利益を提供すると報告されている(Lesemann and Schult [2003])。
【0005】
FCC処理における使用のために、硫黄分を低減させることに効果がある様々な触媒物質が開発されている。硫黄分を低減させる成分は、FCC触媒とは別に添加されたり、FCC硫黄低減触媒の一部として添加される。しかしながら、ガソリン中の硫黄分の度合いは未だ十分に低くなっておらず、したがって、許容できるものではない。
【0006】
FCCガソリン分解生成物中における硫黄分を低減させるための添加触媒が、参照により引用される米国特許第5376608号明細書においてWormbecherにより、また、参照により引用される米国特許第5525210号明細書においてKimにより、提案されている。それらは、硫黄分が低減されたガソリンの製造のためにアルミナ担持ルイス酸の分解添加触媒を使用する。また、ルイス酸は、酸化アルミニウムに沈着した、Zn、Cu、Ni、Ag、CdおよびGaを含む成分や化合物を備えるようにしてもよいことが開示されている。しかしながら、当該システムは特筆すべき商業的成功を達成していない。
【0007】
他の組成物が参照により引用されるZiebarthによる米国特許第6036847号明細書等において開示されている。それは、2.7重量%の硫黄分の真空軽油(VGO)原料の分解において、アルミナおよびチタニアに担持されたZnを含む10重量%の組成物を添加剤として使用する。結果として、アルミナに担持されたルイス酸成分およびチタニアに含まれた成分の組み合わせは、それぞれの成分を単独で使用する場合よりも、多くの硫黄分が低減した。
【0008】
他の添加剤が、参照により引用される米国特許第6497811号明細書においてMystadらにより開示される。それは、ルイス酸が含浸されたハイドロタルサイト材料と、付加的であるFCC−触媒との組成物を含む。ルイス酸は、遷移金属の成分や化合物からなる群から選択され、好ましくはZn、Cu、Ni、Co、FeおよびMnからなる群から選択され、より好適にはZnである。
【0009】
他の添加剤が、参照により引用される米国特許第6482315号明細書においてRoberieらにより開示される。それは、アルミナ、シリカ、クレー、およびそれらの混合物からなる群から選択される難溶性の無機酸化物に担持されたバナジウムを含む組成物を使用する。2重量%のバナジウム含有添加剤を使用することにより、ガソリン中の硫黄分の33%の低減が達成された。
【0010】
Andersson, Pら、Bweltran Fら、により様々な論文が発表されているが、本発明の観念のうちの一般的な方法のみにしか、関連していない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、FCCガソリンの硫黄分の含有量を低減させるための組成物を備える。当該組成物は、触媒担体およびルイス酸からなる。担体物質は、例えば、Al2O3、クレー、またはそれらの混合物のような、非晶質または無機酸化物であることが好ましい。硫黄分を低減させるための組成物は、低硫黄分ガソリン生成および液体分解生成物を生成するためにFCCユニット中の炭化水素原料を分解するための、通常はゼオライトYのようなファージャサイトである、通常の流動接触分解触媒と組み合わせて、分離添加剤(separate additive)として用いられる。
【0012】
本発明の組成物は、多孔質の担体物質であって、(a)細孔構造内に存在する周期表第4族(group IV)の第1の金属成分と、担体表面に沈着(deposited)している周期表第2族(group II)の第2の金属成分とを有する。
【0013】
当該組成物は、ルイス酸成分が含浸(impregnated)されている、ジルコニウムが取り込まれたモンモリロナイトクレー(zirconium incorporated montmorillonite clay)を含む担体から製造されることが最適である。
【0014】
本発明の目的は、FCC処理において従来使用されているFCC触媒の硫黄分低減活性と比較したときに、硫黄分の度合いが大きく低減されたガソリンを提供する、硫黄分を減らすための組成物および同じ用途のための方法を提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、添加剤を含まない通常のFCC触媒(対照)、およびFCC触媒/商用の添加剤の混合物(比較例)を用いて得られた、ガソリン留分生成物の硫黄分の含有量と変換割合との関係を表す図表である。
【図2】図2は、対照(非添加)、比較例の添加剤、および新規な組成物の基材(クレー)を用いて得られたガソリン留分生成物の硫黄分の含有量と変換割合との関係を表す図表である。
【図3】図3は、亜鉛が含浸された基材、対照物質、および比較例の添加剤を用いて得られたガソリン留分生成物の硫黄分の含有量と変換割合との関係を表す図表である。
【図4】図4は、基材に取り込まれたジルコニウム、対照物質、および比較例の添加剤を用いて得られたガソリン留分生成物の硫黄分の含有量と変換割合との関係を表す図表である。
【図5】図5は、新規の組成物、対照物質、および比較例を用いて得られたガソリン留分生成物の硫黄分の含有量と変換割合との関係を表す図表である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明によれば、添加剤を含む触媒組成物の使用により、FCCガソリンの硫黄分の含有量を低い度合いにまで低減することができる。FCC触媒は粉体から製造されるのが好ましく、通常、50−100ミクロンの範囲の平均粒径と、0.5−1.0kg/Lの範囲のかさ密度を有する。本発明の触媒組成物の粒径、密度および物理的強度は、当該組成物が物理的に混合される通常のFCC触媒と同一であることが好ましい。
【0017】
分解触媒粒子は、水素の不存在下で炭化水素の分解について触媒活性を有する、添加された、少なくとも1つの分解触媒成分を含む。分解触媒成分は、ゼオライト、非ゼオライトモレキュラーシーブ(non-zeolite molecular sieve)、触媒活性を有する無定形シリカアルミナ種、またはそれらの組み合わせを備えることが好ましい。分解触媒成分は、Y、USY(参照により引用される、3,293,192に記載される)、REY、RE−USY(参照により引用される。米国特許3,607,368号および3,676,368号に記載される)、およびそれらの混合物からなる群から選択されるY−タイプゼオライトが最適である。分解触媒粒子は、クレー、改質クレー、アルミナなどのような1つ以上の基質成分を含むようにしてもよい。分解触媒粒子はまた、無機酸化物のゾルまたはゲルのようなバインダーを含むようにしてもよい。分解触媒粒子は、好ましくは少なくとも5重量%、より好ましくはおよそ5から50重量%の分解触媒成分を含む。
【0018】
特許請求の範囲に記載した組成物の担体は、150−350m/gの範囲の表面積を有するモンモリロナイトクレーであることが好ましい。クレーは吸着された水を物理的に除くために、550℃で空気中でか焼(calcine)された。55O℃のか焼の結果、表面積が大きく増加することはなかった。
【0019】
クレー物質は、それ自体がかなりのガソリン留分中における硫黄分を低減する機能を有する。しかしながら、ベンゾチオフェン留分における低減は、極わずかである。クレーへのルイス酸成分の含浸が、全体的な硫黄分の低減機能またはベンゾチオフェンの低減のいずれも大きく増加させなかったことが観察された。
【0020】
好ましい第4族(Group IV)の金属であるジルコニウムをクレー物質の細孔に取り込ませることにより、表面積が約15%から25%増加した。ルイス酸を含む、ジルコニウムが取り込まれたクレー物質の含浸により、接触分解されるガソリン留分の硫黄分の含有量が大きく低減されたことが観察された。ガソリンの硫黄分の含有量を低減させるために、好ましくは第2族(group II)金属を含むルイス酸、より好ましくは亜鉛化合物を含むルイス酸を用いる。
【0021】
本発明およびそれの利点をさらに説明するために、以下の具体的な実施例を示す。実施例は、特許請求の範囲に記載した発明の具体的な説明として示すものである。しかしながら、発明が、実施例において述べられた具体的な構成に制限されていないことは理解されるに違いない。実施例は、接触分解ガソリン留分における硫黄分の低減のための具体的な組成物の調製および触媒の評価を示す。
【実施例】
【0022】
FCC触媒/添加剤の混合物のミクロ活性試験(MAT)評価は、55から75%の変換を得るために、反応温度が510℃、また、触媒のインジェクションタイムが30秒で油比(oil ratio)が3から5である、ASTM法D−3907に従って行った。使用した原料は、アラビアンライト原油由来の真空軽油である。当該原料の硫黄分は、2.5重量%であった。当該原料の他の特性は表1に示す。ガソリン留分の硫黄分の含有量は、GC−SCDを用いて測定した。比較のために、ガソリン留分の硫黄分は71%変換レベルで計算された。
【0023】
例1
通常のFCC触媒を使用して得られたガソリン留分の硫黄分の含有量
焼結された(steamed)、通常の商用FCCのゼオライト触媒(任意のFCC触媒サプライヤーから利用可能な、典型的な低RE-USYタイプ)は、ASTM D 3907に従ったMATについて評価された。図1は、添加剤のない通常の触媒だけで得られたパーセント変換に対するガソリンの硫黄分の含有量のプロット(対照)を示す。当該硫黄分の含有量は、対照として得られる。
【0024】
例2
商用として利用可能な添加剤組成物を用いた硫黄分の低減
例えばAlbemarle、CCIC、Englehard、Grace DavisonまたはIntercatのような、典型的な触媒サプライヤーから通常使用できる商用の硫黄分低減添加剤(表において比較添加剤と)が、例1における通常のFCC触媒、いわゆる低RE−USYに添加され(10重量%)、例1と同じ条件下、MATについて試験された。本例のガソリン留分中の硫黄分の含有量は、対照である図1中の硫黄分と比較される。71%の変換で、ベンゾチオフェンを含んで達成された全体的な硫黄分の低減は16%だった。表2は、すべての添加剤についてのガソリン留分の硫黄分の含有量を記載する。
【0025】
例3
特許請求の範囲に記載した新規な組成物の基底物質がFCCナフサの硫黄分の含有量を大きく低減することについて
担体の硫黄分低減能を測定するために、モンモリロナイトクレーが通常の触媒(任意のFCC触媒サプライヤーから利用可能な典型的なRE-USYタイプ)と混合され、MATについて評価された。図2において示す、得られた結果は、対照と比較された。 モンモリロナイトクレーは大きな硫黄分低減能を有している。ガソリン留分生成物の硫黄分の含有量は、21%低減された(表2)。
【0026】
例4
亜鉛含浸クレーの使用により得られた結果
組成物は、単純湿潤法(incipient wetness method)に従って例3に示したクレーに2%の亜鉛を含浸させることにより、調製された。10重量%で当該組成物が例1で示したものと同じ商用の触媒(任意のFCC触媒サプライヤーから利用可能な典型的なRE-USYタイプ)に混合され、MATについて試験された。図3は、例4の組成物により得られたガソリンの硫黄分の含有量と、対照の触媒および例3の組成物の使用により得られたガソリンの硫黄分の含有量とを比較する。当該組成物の硫黄分の低減能は、例3の組成物と同様であった。71%の変換において、対照の触媒と比較して、ガソリン生成物の硫黄分は、21%低減された。
【0027】
例5
クレーの細孔へのジルコニウムの取り込みの効果
Zr-クレー組成物は、イオン交換によりモンモリロナイトクレーの細孔に2%のジルコニウムを取り込ませることにより、調製された。およそ2重量%のジルコニウムが取り込まれた。当該組成物は、1:10の割合で、商用のゼオライト触媒(任意のFCC触媒サプライヤーから利用可能な典型的なRE-USYタイプ)に混合された。
【0028】
図4は、対照の触媒およびZr−クレー/触媒混合物の変換に対する、ガソリン留分の硫黄分の含有量を示す。商用FCCの触媒に添加されたZr/クレーの組成物を用いて行なわれたMATテストでは、分解ガソリン留分の硫黄分が17%低減(71%の変換)された。それは、例2の比較添加剤を用いて得られた結果と同程度であった。
【0029】
例6
ジルコニウムが取り込まれたモンモリロナイトクレーに含浸された亜鉛の適用の結果
組成物は、単純湿潤法により例5に記載した組成物(Zrが取り込まれたクレー)に2重量%の亜鉛が含浸されることにより、調製された。10重量%で当該物質が任意のFCC触媒サプライヤーから利用可能な、典型的なRE−USYタイプに混合され、例1に記載したものと同じ条件下でMATについて試験された。
【0030】
図5は、当該物質を用いて得られたガソリンの硫黄分の含有量と、例1および2の組成物を用いて得られたそれとの比較を示している。本例の組成物(ジルコニウムが取り込まれたクレーに亜鉛を含浸させたもの)を用いた場合、ガソリンの硫黄分の含有量が28%低減された(表2)。本発明の添加剤組成物が、先行技術の比較添加剤よりも優れていることが理解される。
【0031】
例7
亜鉛が含浸された、ジルコニウムが取り込まれたモンモリロナイトクレーからなる組成物(硫黄化合物の分布)
接触分解ガソリンは、メルカプタン、飽和物質(saturates)、チオフェンおよびベンゾチオフェンのような、様々な硫黄化合物を含んでいる。例6において得られたガソリン留分生成物の硫黄化合物の分布は、GC-SCDを使用して決定された。それについては表3において示す。本発明の組成物は、様々な種類の硫黄化合物について、異なる低減結果を示す。本発明の組成物を用いた場合に、硫黄分低減は、飽和物質およびC2-C4チオフェンに対してが最も有効であった。
【0032】
例8
新規な添加剤の使用はガソリンの収量に影響を与えない。
表4は、71%の変換で、通常の触媒、すなわち低RE-USYR(登録商標)、比較添加剤および本発明の添加剤組成物を用いてえら得たガソリン、ガス、LCO、HCOおよびコークスの生成物の収量を示す。ガソリン収量およびコークス収量は、本発明の添加剤組成物の使用によってそれぞれ影響されず、それぞれ50%および3.1%であった。
【0033】
【表1】

【0034】
【表2】

【0035】
【表3】

【0036】
【表4】

【0037】
本発明の修正は、以上に示した教示の観点に照らして可能である。しかしながら、以下に続く本発明の特許請求の範囲によって決定されるその観点から逸脱することなく、他の修正を行ってもよいことが、理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分解処理において分解触媒とともに用いる硫黄分低減剤であって、多孔質の担体を含み、前記担体は、(a)担体物質の細孔構造内に存在する周期表第IV族(Group IV of Periodic table)の第1の金属成分と、(b)担体物質の表面に沈着した周期表第II族(Group II of Periodic table)の第2の金属成分とを有する添加剤。
【請求項2】
前記担体物質がモンモリロナイトクレーである請求項1に記載の添加剤。
【請求項3】
前記周期表第IV族の第1の金属成分が前記担体物質の細孔に取り込まれている請求項1に記載の添加剤。
【請求項4】
前記周期表第II族の第2の金属成分が前記担体物質の表面に含浸されている請求項1に記載の添加剤。
【請求項5】
前記担体物質の細孔に取り込まれている前記周期表第IV族の第1の金属成分がジルコニウムである請求項3に記載の添加剤。
【請求項6】
前記担体物質の表面に含浸されている前記周期表第II族の第2の金属成分が亜鉛である請求項4に記載の添加剤。
【請求項7】
前記硫黄分低減添加剤が、前記添加剤の全重量に基づき約1重量%から約5重量%のジルコニウムを含有する請求項5に記載の添加剤。
【請求項8】
前記硫黄分低減添加剤が、前記添加剤の全重量に基づき約1重量%から約10重量%の亜鉛を含有する請求項6に記載の添加剤。
【請求項9】
前記硫黄分低減添加剤の割合が、前記分解触媒の約10重量%から約20重量%である請求項1に記載の添加剤。
【請求項10】
分解処理から得られたガソリン留分の硫黄分の含有量を低減させる処理であって、
炭化水素原料を、硫黄分低減添加剤組成物と組み合わせた通常の分解触媒と接触させることを備え、
前記添加剤組成物は、周期表第IV族の成分が取り込まれているとともに、周期表の第II族から選択されたルイス酸化合物が含浸されている処理。
【請求項11】
前記硫黄分低減添加剤は、分離粒子(separate particle)として添加される請求項10に記載の処理。
【請求項12】
前記担体物質がモンモリロナイトクレーである請求項10に記載の処理。
【請求項13】
前記周期表第IV族の第1の金属成分が、前記担体物質の細孔に取り込まれている請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記周期表第II族の第2の金属成分が、前記担体物質の表面に含浸されている請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記担体の細孔に取り込まれている前記周期表第IV族の第1の金属成分がジルコニウムである請求項13に記載の処理。
【請求項16】
前記担体物質の表面に含浸された周期表第II族の第2の金属成分が亜鉛である請求項14に記載の処理。
【請求項17】
前記硫黄分低減添加剤が、前記添加剤の全重量に基づき約1重量%から約5重量%のジルコニウムを含有する請求項15に記載の処理。
【請求項18】
前記硫黄分低減添加剤が、前記添加剤の全重量に基づき約1重量%から約10重量%の亜鉛を含有する請求項16に記載の処理。
【請求項19】
前記硫黄分低減添加剤の割合が、前記分解触媒の約10重量%から約20重量%である請求項10に記載の処理。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−542845(P2009−542845A)
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−518191(P2009−518191)
【出願日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際出願番号】PCT/US2007/014655
【国際公開番号】WO2008/002504
【国際公開日】平成20年1月3日(2008.1.3)
【出願人】(599130449)サウジ アラビアン オイル カンパニー (15)
【Fターム(参考)】