説明

推薦情報提供システム、推薦情報提供方法および推薦情報提供プログラム

【課題】複数のユーザが集まって行先を決定する際に、全員が過去に利用したことのない店舗やイベント等についての推薦情報を検索することができる行先推薦情報検索システム、方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】ユーザ携帯端末11は、ユーザ携帯端末12のカードIDを読み取り、検索画面において入力および選択された検索条件情報と、ユーザ携帯端末11,12のカードIDとを情報サーバ30に送信する。情報サーバ30は、検索条件情報において、「検索オプション」の「履歴有りは除く」が選択されている場合に、各カードIDに基づいて利用者情報データベース42を検索し、各ユーザの利用履歴として、各カードIDに対応する店舗IDを抽出する。そして、推薦情報データベース31の推薦情報のうち、抽出された店舗IDに対応しない情報を対象として、検索条件情報に基づいて検索を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ネットワークを介して、イベント情報やレストラン情報等の推薦情報を提供する推薦情報提供システム、推薦情報提供方法および推薦情報提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットの普及に伴い、推薦情報としてイベントや飲食店等に関する情報が提供されることが一般的となってきている。ユーザは、携帯電話機やパーソナルコンピュータで目的や行先を入力して検索を行うことにより、検索結果として表示される推薦情報を利用することができる。
【0003】
ユーザ側の希望や好みにあったイベント情報やレストラン情報等の行先情報が外出先で得られる情報提供サービスが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、ユーザが所持する通信端末の現在位置や、ユーザの趣味や興味に対応した行先情報が提供されることが記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2004−133548号公報(段落0020−0040)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載された方式では、過去に利用したことのない店舗等についての情報を得たい場合であっても、利用したことがあるか否かに関わらず、検索条件に合致するすべての情報が提供される。そのため、例えば、複数のユーザが集まって行先を決定する際、あるユーザが検索された行先情報が示す飲食店等を利用したことがある場合には、行先がなかなか決まらなかったり、利用したことがある飲食店を再度利用することになることがある。
【0006】
そこで、本発明は、複数のユーザが集まって行先を決定する際に、全員が過去に利用したことのない店舗やイベント等についての推薦情報を検索することができる推薦情報提供システム、推薦情報提供方法および推薦情報提供プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による推薦情報提供システムは、通信端末装置によって送信された検索条件に基づいてサービス提供箇所の推薦情報を検索して送信するサーバ装置を備えた推薦情報提供システムであって、通信端末装置は、他の通信端末装置から、その通信端末装置を識別可能な端末識別情報を受信する他端末識別情報受信手段と、通信端末装置を識別可能な端末識別情報、識別情報受信手段が受信した他の通信端末装置を識別可能な端末識別情報、検索条件および除外条件を含む検索依頼情報をサーバ装置に送信する検索条件送信手段とを備え、サーバ装置は、サービス提供箇所を示すデータに対応付けて推薦情報を記憶する推薦情報記憶手段と、端末識別情報ごとに、その端末識別情報で識別される通信端末装置のユーザが過去に利用したサービス提供箇所を示すデータを含む利用履歴情報を記憶する利用履歴情報記憶手段と、通信端末装置から検索依頼情報を受信すると、検索依頼情報に含まれる端末識別情報に対応する利用履歴情報から、除外条件に合致しないサービス提供箇所を示すデータを抽出する利用履歴情報検索手段と、利用履歴情報検索手段が抽出したデータに対応し、かつ、受信した検索依頼情報に含まれる検索条件に合致する推薦情報を推薦情報記憶手段から読み出し、読み出した推薦情報を通信端末装置もしくは他の通信端末装置、または通信端末装置および他の通信端末装置に送信する推薦情報送信手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
通信端末装置は、端末識別情報にもとづく決済が可能な通信端末装置であって、利用履歴情報記憶手段に記憶される利用履歴情報を管理する利用履歴情報管理手段を備え、利用履歴情報管理手段は、サービス提供箇所での通信端末装置による決済に応じて、利用履歴情報を更新するように構成されていてもよい。
【0009】
本発明による他の態様の推薦情報提供システムは、通信端末装置によって送信された検索条件に基づいてサービス提供箇所の推薦情報を検索して送信するサーバ装置を備えた推薦情報提供システムであって、通信端末装置は、当該通信端末装置を識別可能な端末識別情報にもとづく決済が可能な通信端末装置であり、通信端末装置の端末識別情報、検索条件および除外条件を含む検索依頼情報をサーバ装置に送信する検索条件送信手段とを含み、サーバ装置は、サービス提供箇所を示すデータに対応付けて推薦情報を記憶する推薦情報記憶手段と、端末識別情報ごとに、その端末識別情報で識別される通信端末装置のユーザが過去に利用したサービス提供箇所を示すデータを含む利用履歴情報を記憶する利用履歴情報記憶手段と、通信端末装置から検索依頼情報を受信すると、検索依頼情報に含まれる端末識別情報に対応する利用履歴情報から、除外条件に合致しないサービス提供箇所を示すデータを抽出する利用履歴情報検索手段と、利用履歴情報検索手段が抽出したデータに対応し、かつ、受信した検索依頼情報に含まれる検索条件に合致する推薦情報を推薦情報記憶手段から読み出し、読み出した推薦情報を通信端末装置に送信する推薦情報送信手段とを含み、利用履歴情報記憶手段に記憶される利用履歴情報を管理する利用履歴情報管理手段を備え、利用履歴情報管理手段は、サービス提供箇所での通信端末装置による決済に応じて、利用履歴情報を更新することを特徴とする。そのような構成によれば、決済行為に伴って自動的に利用履歴情報が更新される。
【0010】
例えば、サービス提供箇所は店舗であって、サービス提供箇所を示すデータは店舗IDであり、除外条件は、利用履歴情報に店舗IDが含まれることである。
【0011】
本発明による推薦情報提供方法は、通信端末装置によって送信された検索条件に基づいてサービス提供箇所の推薦情報を検索して送信する推薦情報提供方法であって、サービス提供箇所を示すデータに対応付けて推薦情報を推薦情報記憶手段に記憶し、通信端末装置を識別可能な端末識別情報ごとに、その端末識別情報で識別される通信端末装置のユーザが過去に利用したサービス提供箇所を示すデータを含む利用履歴情報を記憶し、通信端末装置から、通信端末装置の端末識別情報、他の通信端末装置の端末識別情報、検索条件および除外条件を含む検索依頼情報を受信すると、検索依頼情報に含まれる端末識別情報に対応する利用履歴情報から、除外条件に合致しないサービス提供箇所を示すデータを抽出し、抽出したデータに対応し、かつ、受信した検索依頼情報に含まれる検索条件に合致する推薦情報を推薦情報記憶手段から読み出し、読み出した推薦情報を通信端末装置もしくは他の通信端末装置、または通信端末装置および他の通信端末装置に送信することを特徴とする。
【0012】
推薦情報提供方法は、端末識別情報にもとづく決済が可能な通信端末装置によって送信された検索条件に基づいて推薦情報を検索して送信する推薦情報提供方法であって、サービス提供箇所での通信端末装置による決済に応じて、利用履歴情報を更新するように構成されていてもよい。
【0013】
本発明による推薦情報提供プログラムは、サービス提供箇所を示すデータに対応付けて推薦情報を推薦情報記憶手段に記憶し、通信端末装置を識別可能な端末識別情報ごとに、その端末識別情報で識別される通信端末装置のユーザが過去に利用したサービス提供箇所を示すデータを含む利用履歴情報を記憶し、通信端末装置によって送信された検索条件に基づいてサービス提供箇所の推薦情報を検索して送信するサーバ装置に搭載される推薦情報検索プログラムであって、サーバ装置に、通信端末装置から、通信端末装置の端末識別情報、他の通信端末装置の端末識別情報、検索条件および除外条件を含む検索依頼情報を受信する処理と、検索依頼情報に含まれる端末識別情報に対応する利用履歴情報から、除外条件に合致しないサービス提供箇所を示すデータを抽出する処理と、抽出したデータに対応し、かつ、受信した検索依頼情報に含まれる検索条件に合致する推薦情報を推薦情報記憶手段から読み出し、読み出した推薦情報を通信端末装置もしくは他の通信端末装置、または通信端末装置および他の通信端末装置に送信する処理とを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、行先に関する推薦情報を検索する際に、過去に利用した行先に関する推薦情報を検索対象から除外して検索することができる。また、複数の通信端末装置の端末識別情報について、過去に利用した行先に関する推薦情報を検索対象外とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の一形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明による推薦情報提供システムの一実施の形態を示すブロック図である。図1に示す推薦情報提供システムは、第1のユーザが用いるユーザ携帯端末11と、第1のユーザの同行者である第2のユーザが用いるユーザ携帯端末12と、店舗に設置されユーザの支払い処理を行う店舗端末20と、行先として推薦される店舗やサービスに関する推薦情報を提供する情報サーバ30と、店舗端末20と連携して決済処理を行うカード決済サーバ40とを備える。ユーザ携帯端末11,12、店舗端末20、情報サーバ30およびカード決済サーバ40は、ネットワーク50を介して通信可能に接続される。
【0016】
以下、ユーザ携帯端末11,12として、携帯電話機を例示する。なお、以下の説明では、ユーザ携帯端末11について説明するが、ユーザ携帯端末12も同様に動作可能である。
【0017】
図2は、ユーザ携帯端末の例を示すブロック図である。図2に示すユーザ携帯端末11は、CPU101と、通信部102と、表示部103と、入力キー104と、記憶部105と、ICカードリーダライタ部106と、GPS(Global Positioning System )受信部107とを含む。
【0018】
CPU101は、ユーザ携帯端末11の各部の制御を行う制御装置である。CPU101は、通話、ネットワーク接続などの各種の制御を実行する。また、CPU101は、記憶部105が記憶する推薦情報検索アプリケーションを実行する。推薦情報検索アプリケーションは、ユーザによって指定された目的や行先等を示す情報を情報サーバ30に送信し、推薦情報の検索を依頼するアプリケーションである。
【0019】
通信部102は、アンテナ(図示せず。)を介して、無線通信基地局と無線通信を行う。表示部103は、例えば液晶表示装置や有機EL(Electroluminescence )ディスプレイ装置等のディスプレイ装置によって実現され、情報を表示する。入力キー104は、情報を入力するためのテンキー、スクロールキーおよび決定キーなどの複数のキーであって、項目を選択したり、数字や文字等を入力するためのキーである。
【0020】
記憶部105には、ユーザ携帯端末11の各種設定を行うための設定アプリケーションなどの、CPU101によって実行される各種の制御用プログラムが予め格納されている。また、記憶部105は、推薦情報検索アプリケーションを格納する。
【0021】
ICカードリーダライタ部106は、ICカード(図示せず。)と、リーダライタ用アンテナ(図示せず。)とを含む。ICカードは、ユーザ携帯端末11を一意に特定可能な情報であるカードIDを有する。ICカードリーダライタ部106は、リーダライタ用アンテナを介して、他のユーザ携帯端末(例えば、ユーザ携帯端末12)に含まれるICカードが有するカードIDを読み取る機能を有する。
【0022】
GPS受信部107は、測地衛星からの電波を受信し、ユーザ携帯端末11の位置や移動方向等を算出する機能を有する。
【0023】
図3は、推薦情報検索アプリケーションを使用した場合に表示される画面の例を示す説明図である。図3(a)には、推薦情報検索アプリケーションにおける検索画面を例示する。検索画面は、情報サーバ30が推薦情報を検索する際の検索条件をユーザに選択させる画面である。図3(a)に例示するように、検索画面には、「目的」、「行先」および「検索オプション」を入力・選択するための項目が設けられる。本実施の形態では、「検索オプション」として、「履歴有りは除く」の選択項目が設けられる。ユーザが「履歴有りは除く」を選択することにより、過去に利用したことがある店舗やサービスに関する推薦情報以外の推薦情報が、情報サーバ30によって検索される。
【0024】
図3(b)には、検索結果を示す電子メールの表示例を示す。電子メールには、検索結果として、情報サーバ30によって検索された推薦情報が記載される。電子メールには、推薦情報のうちの一部の項目のみが記載されてもよい。図3(b)には、検索された店舗やイベントの名称が記載される場合を例示する。また、電子メールがHTMLメールである場合には、検索された店舗やイベントの名称に対し、それぞれの詳細な情報を示す推薦詳細情報へのリンクが付与されていてもよい。図3(c)には、推薦詳細情報の表示例を示す。
【0025】
店舗端末20は、クレジットカード会社とクレジット決済サービス提供に関する契約を結んでいる店舗に設置される端末であって、各店舗を一意に識別可能な店舗IDを記憶する。店舗端末20は、ユーザ携帯端末11に含まれるICカードが有するカードIDを読み取る機能を有し、ユーザ携帯端末11とICカード通信を行う。店舗端末20は、ユーザがICカードを含むユーザ携帯端末11を用いて、例えばDCMX(登録商標)等のクレジット決済を行う際に、ユーザ携帯端末11のカードIDを受信する。そして、店舗端末20は、ユーザ携帯端末11のカードIDとあわせて、支払金額や支払い回数等の決済情報と店舗IDとを、ネットワーク50を介してカード決済サーバ40に送信する。
【0026】
カード決済サーバ40は、クレジット決済処理を行うサーバ装置である。カード決済サーバ40には、店舗情報データベース41と、利用者情報データベース42とが接続される。なお、図1には、カード決済サーバ40に店舗情報データベース41および利用者情報データベース42が接続されている場合を例示するが、カード決済サーバ40が店舗情報データベース41および利用者情報データベース42を内蔵してもよい。
【0027】
店舗情報データベース41は、店舗情報を格納するデータベースである。利用者情報データベース42は、利用者情報を格納するデータベースである。カード決済サーバ40は、店舗端末20から送信されたユーザ携帯端末11のカードID、決済情報および店舗IDを受信して、クレジット決済処理を行う。
【0028】
図4は、店舗情報データベース41に格納される店舗情報201の例を示す説明図である。店舗情報201は、各店舗がクレジットカード会社とクレジット決済サービス提供に関する契約を結ぶ際等に、店舗IDに対応付けて登録される情報である。図4に示すように、店舗情報201は、店舗等を一意に識別可能な「店舗ID」、店舗名やイベント名等を示す「名称」、店舗等の大まかな所在地を示す「地域」、店舗等の大まかな種類を示す「種別1」、種別1におけるさらに細かい種類を示す「種別2」、店舗等の所在地、電話番号、ホームページのアドレス等の詳細な情報を示す「詳細情報」の各情報を含む。
【0029】
図5は、利用者情報データベース42に格納される利用者情報202の例を示す説明図である。利用者情報202は、ユーザがクレジット決済を行った場合にカード決済サーバ40によって登録される情報であって、カードIDに対応付けて登録される情報である。図5に示すように、利用者情報202は、クレジット決済を行ったユーザ携帯端末の「カードID」、「メールアドレス」、決済を行った「利用年月日」、「品目」、「金額」、「店舗ID」、店舗名やイベント名等を示す「名称」、店舗の大まかな所在地を示す「地域」の各情報を含む。以下、「利用年月日」、「品目」および「金額」を含む情報を決済情報と表記する。
【0030】
利用者情報202に含まれる各情報のうち、「カードID」、「店舗ID」および決済情報は、ユーザがクレジット決済を行った場合に店舗端末20から送信される情報に基づいて登録される。「名称」および「地域」は、店舗情報データベース41に格納されている店舗情報において「店舗ID」に対応する情報が登録される。「メールアドレス」は、ユーザが決済サービス利用契約時に登録した情報に基づいて登録される。
【0031】
情報サーバ30は、ユーザ携帯端末11によって指定された目的や行先をキーとして推薦情報を検索し、検索結果を示す電子メールを生成してユーザ携帯端末11に送信するサーバ装置である。情報サーバ30には、推薦情報を格納する推薦情報データベース31が接続される。また、情報サーバ30は、カード決済サーバ40に接続された店舗情報データベース41および利用者情報データベース42を参照することができる。なお、図1には、情報サーバ30に推薦情報データベース31が接続されている場合を例示するが、情報サーバ30が推薦情報データベース31を内蔵してもよい。
【0032】
図6は、推薦情報データベース31に格納される推薦情報203の例を示す説明図である。推薦情報203は、例えば、店舗やイベントの関係者等が情報サーバ30の運用会社等に対し、自店舗等の情報をユーザに提供する対象とするよう申請することによって登録される情報であって、店舗IDに対応付けて登録される情報である。図6に示すように、推薦情報203は、「店舗ID」、推薦情報203の有効期間を示す「掲載期間」、店舗名やイベント名等を示す「名称」、店舗等の大まかな所在地を示す「地域」、店舗等の大まかな種類を示す「種別1」、種別1におけるさらに細かい種類を示す「種別2」、店舗等から適宜指定される関連情報である「付加情報」の各情報を含む。「店舗ID」、「名称」、「地域」、「種別1」、「種別2」の各情報は、店舗情報201に含まれる情報と同じ情報である。「付加情報」は、例えば、店舗等のセールスコメントや、キャンペーン等を行っている場合のクーポン情報や、「種別1」がイベントの場合、チケット販売サイトへのリンク情報などである。なお、推薦情報203の内容を含み、店舗ID毎に異なるURLが付与されたwebページが、推薦詳細情報として保存されていてもよい。
【0033】
本発明において、情報サーバ30は、ユーザ携帯端末11から、目的や行先とともに、過去に利用したことのある店舗等を検索対象に含めるか否かを指定する「検索オプション」を受信し、検索対象に含めないと指定された場合には、各ユーザの利用履歴として、利用者情報202からユーザ携帯端末11のカードIDに対応する店舗IDを抽出する。そして、抽出した店舗IDに対応する推薦情報203を除外した上で、目的や行先をキーとして推薦情報203を検索する。
【0034】
本実施の形態において、検索条件送信手段は、CPU101および通信部102によって実現される。推薦情報記憶手段は、推薦情報データベース31によって実現される。利用履歴情報記憶手段は、利用者情報データベース42によって実現される。推薦情報検索手段および推薦情報送信手段は、通信機能を備えた情報サーバ30によって実現される。他端末識別情報受信手段は、ICカードリーダライタ部106によって実現される。なお、推薦情報データベース31と店舗情報データベース41とが一つのデータベースで実現されていてもよい。その場合、例えば、店舗情報データベース41に推薦情報が格納される。
【0035】
情報サーバ30は、コンピュータで実現可能であり、情報サーバ30の機能は、コンピュータに搭載されるCPUが、それらの機能を実現するためのプログラムを実行することによって実現される。
【0036】
次に、図面を参照して本実施の形態の動作について説明する。まず、クレジット決済処理においてカード決済サーバ40が利用者情報202を更新する処理について説明する。図7は、クレジット決済処理の例を示すフローチャートである。
【0037】
ユーザがICカードを含むユーザ携帯端末11を用いてクレジット決済を行う際に、店舗端末20は、ユーザ携帯端末11のICカードリーダライタ部106に含まれるICカードが有するカードIDを受信する。そして、店舗端末20は、ユーザ携帯端末11の「カードID」と、決済情報(例えば、「利用年月日」、「品目」および「金額」)と、「店舗ID」とを、ネットワーク50を介してカード決済サーバ40に送信する(ステップS11)。
【0038】
カード決済サーバ40は、店舗端末20から「カードID」、決済情報および「店舗ID」を受信し、決済処理を行う(ステップS12)。カード決済サーバ40は、利用者情報データベース42における利用者情報202として、受信した「カードID」に対応する領域に、決済情報(「利用年月日」、「品目」、「金額」)と「店舗ID」とを追加登録する(ステップS13)。また、カード決済サーバ40は、受信した「店舗ID」に基づいて店舗情報データベース41に格納される店舗情報201を検索し、対応する「名称」および「地域」を利用者情報202として登録する(ステップS14)。なお、カード決済サーバ40は、決済処理としてステップS12およびステップS13のみを実行し、ステップS14の処理を、サーバ負荷の軽いタイミングで行うようにしてもよい。
【0039】
次に、情報サーバ30が推薦情報203を検索する処理について説明する。図8は、推薦情報203を検索する処理の例を示すフローチャートである。
【0040】
ユーザ携帯端末11において、記憶部105に格納された推薦情報検索アプリケーションがユーザによって起動されると、ICカードリーダライタ部106が他のユーザ携帯端末に含まれるICカードが有するカードIDを読み取ることができるように起動される。ここで、第2のユーザが用いるユーザ携帯端末12がユーザ携帯端末11に近付けられると、ユーザ携帯端末11のICカードリーダライタ部106は、ユーザ携帯端末12のカードIDを読み取る(ステップS21)。
【0041】
ユーザ携帯端末11のCPU101は、表示部103に検索画面を表示する(図3(a)参照。)。CPU101は、検索画面を表示することにより、入力・選択項目である「目的」、「行先」および「検索オプション」の入力および選択をユーザに促す。図3(a)に例示する検索画面では、「目的」として、「食事」、「ショッピング」、「イベント」のうちの1つまたは複数が選択され、「行先」として地域を示す名称が入力され、「検索オプション」として「履歴有りは除く」が選択される。なお、「行先」および「検索オプション」の入力および選択は任意であって、必須ではない。図3(a)には、「目的」として「食事」および「イベント」が選択され、「行先」として「東京23区」が入力され、「検索オプション」として「履歴有りは除く」が選択された場合を例示する。
【0042】
検索画面において、入力・選択項目の入力および選択がなされ、決定ボタンが押下されると、ユーザ携帯端末11は、検索画面において入力および選択された内容と、自端末(ユーザ携帯端末11)および他端末(ユーザ携帯端末12)のカードIDとを情報サーバ30に送信する(ステップS22)。検索画面において入力および選択された内容は、情報サーバ30が推薦情報を検索する際の検索条件となる。以下、検索画面において入力および選択された内容を示す情報を、検索条件情報と表記する。ユーザ携帯端末11の通信部102から、自端末のカードID、他端末のカードID、「目的」と「行先」を示すデータ、および「履歴有りは除く」を示すデータが送信されるが、それらは、通信端末装置を識別可能な端末識別情報、他の通信端末装置を識別可能な端末識別情報、検索条件および除外条件の一例である。
【0043】
情報サーバ30は、ユーザ携帯端末11によって送信された検索条件情報と、ユーザ携帯端末11,12のカードIDとを受信する(ステップS23)。情報サーバ30は、検索条件情報において、「検索オプション」の「履歴有りは除く」が選択されているか否かを判断し(ステップS24)、選択されている場合には(Yes)、各カードIDに基づいて利用者情報データベース42の利用者情報202を検索し、各ユーザの利用履歴として、各カードIDに対応する店舗IDを抽出する(ステップS25)。そして、情報サーバ30は、推薦情報データベース31の推薦情報203から、ステップS25において抽出された店舗IDに対応する情報を推薦対象から除外する(ステップS26)。具体的には、情報サーバ30は、推薦情報データベース31の推薦情報203のうち、ステップS25において抽出された店舗IDに対応しない情報を、推薦対象情報として抽出する。ステップS24において、「履歴有りは除く」が選択されていない場合には(No)、ステップS27に移行する。
【0044】
例えば、ユーザ携帯端末11のカードIDが「ABC」であって、図5に例示する利用者情報202が登録されている場合、ステップS25において、カードID「ABC」に対応する店舗IDとして「A1」「A2」「B1」が検索される。また、図6に例示するように、店舗IDが「A3」「B1」「D1」「D2」である推薦情報203が登録されている場合、ステップS26では、ステップS25において抽出された店舗IDに対応する情報として、店舗IDが「B1」である推薦情報203が除外され、推薦対象情報として、店舗IDが「A3」「D1」「D2」である推薦情報203が抽出される。
【0045】
次に、情報サーバ30は、ステップS23において受信した検索条件情報の「目的」および「地域」に基づいて、ステップS26において抽出した推薦対象情報を検索する(ステップS27)。ここで、情報サーバ30は、検索条件情報の「目的」として選択された内容で、推薦情報203の「種別1」を検索し、検索条件情報の「行先」として選択された内容で、推薦情報203の「地域」を検索する。
【0046】
なお、検索条件情報の「目的」として選択される内容と、推薦情報203の「種別1」として登録される内容とが異なる場合には、予め定められた対応関係に基づいて検索を行ってもよい。例えば、検索条件情報の「目的」として選択された内容が「食事」である場合には、推薦情報203の「種別1」において「飲食店」と登録されている推薦情報を検索し、検索条件情報の「目的」として選択された内容が「ショッピング」である場合には、推薦情報203の「種別1」において「ショップ」と登録されている推薦情報を検索してもよい。同様に、検索条件情報の「行先」として入力される内容と、推薦情報203の「地域」として登録される内容とが異なる場合には、予め定められた対応関係に基づいて検索を行ってもよい。例えば、検索条件情報の「行先」として入力された内容が「東京23区」である場合には、推薦情報203の「地域」において「新宿」「池袋」「渋谷」等と登録されている推薦情報を検索してもよい。
【0047】
例えば、推薦対象情報として抽出された店舗IDが「A3」「D1」「D2」である推薦情報203のうち、「種別1」が「飲食店」または「イベント」であって、「地域」が「新宿」「池袋」「渋谷」である推薦情報が検索される。したがって、図6に示す例では、ステップS27において、店舗IDが「A3」「D1」である推薦情報が検索される。
【0048】
情報サーバ30は、ステップS27において検索された推薦情報203に基づいて、電子メールを作成し、ステップS23において受信した各カードIDが示すユーザ携帯端末11,12に送信する(ステップS28)。情報サーバ30は、利用者情報202を参照して、受信した各カードIDに対応するメールアドレスを宛先メールアドレスとして設定し、電子メールを送信する。
【0049】
ユーザ携帯端末11,12は、情報サーバ30によって送信された電子メールを受信して、表示部103に表示する(ステップS29)。電子メールには、情報サーバ30によって検索された推薦情報が検索結果として記載される。図3(b)には、店舗IDが「A3」「D1」である推薦情報の「名称」として、「焼肉××」および「大恐竜展」が表示される場合を例示する。また、図3(b)に示す例では、「名称」とともに「地域」が記載されている。
【0050】
また、電子メールがHTMLメールであって、検索された店舗やイベントの名称に対し、推薦詳細情報へのリンクが付与されている場合、店舗等の名称が選択されると、ユーザ携帯端末11,12は、情報サーバ30に推薦詳細情報へのアクセス要求を送信する(ステップS30)。情報サーバ30は、推薦詳細情報へのアクセス要求を受信すると(ステップS31)、ステップS30で選択された店舗IDに対応する推薦詳細情報を送信する(ステップS32)。
【0051】
ユーザ携帯端末11,12は、情報サーバ30によって送信された推薦詳細情報を受信して、表示部103に表示する(ステップS33)。例えば、図3(b)に例示する電子メールにおいて、店舗の名称「焼肉××」が選択されると、図3(c)に例示する推薦詳細情報が表示される。図3(c)には、推薦詳細情報として、推薦情報203の「種別2」、「付加情報」および店舗情報201の「詳細情報」が表示される場合を例示する。
【0052】
ユーザ携帯端末11,12がナビゲーションアプリケーションを実行可能である場合、ユーザ携帯端末11,12は、推薦詳細情報の表示画面に設けられた登録ボタンが押下された場合に、「詳細情報」として表示される所在地をナビゲーションアプリケーションにおける目的地として設定し(ステップS34)、一連の処理を終了する。図3(c)には、推薦詳細情報の表示画面に「ナビに登録」という登録ボタンが設けられている場合を例示する。
【0053】
以上に説明したように、本実施の形態によれば、過去に利用した店舗やサービス等についての情報を除外して、目的や行先に応じた推薦情報を検索することができる。また、複数のユーザが集まって行先を決定する場合であっても、全員が過去に利用したことがない店舗等についての推薦情報を検索することができる。
【0054】
なお、上記の実施の形態では、各ユーザの利用履歴として、ユーザがクレジット決済を行った場合にカード決済サーバによって登録される利用者情報を例示したが、ユーザによって適宜所定のフォーマットに入力され、情報サーバ等に登録される履歴情報であってもよい。また、2名のユーザが行先を決定する場合を例示したが、3名以上であってもよく、また1名であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、携帯電話機などの通信端末装置および通信ネットワークを利用して店舗等のサービス提供箇所の推薦情報を得る用途に効果的に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明による推薦情報提供システムの一実施の形態を示すブロック図である。
【図2】ユーザ携帯端末の例を示すブロック図である。
【図3】推薦情報検索アプリケーションを使用した場合に表示される画面の例を示す説明図である。
【図4】店舗情報データベースに格納される店舗情報の例を示す説明図である。
【図5】利用者情報データベースに格納される利用者情報の例を示す説明図である。
【図6】推薦情報データベースに格納される推薦情報の例を示す説明図である。
【図7】クレジット決済処理の例を示すフローチャートである。
【図8】推薦情報を検索する処理の例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0057】
11,12 ユーザ携帯端末
20 店舗端末
30 情報サーバ
40 カード決済サーバ
50 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信端末装置によって送信された検索条件に基づいてサービス提供箇所の推薦情報を検索して送信するサーバ装置を備えた推薦情報提供システムであって、
前記通信端末装置は、
他の通信端末装置から、その通信端末装置を識別可能な端末識別情報を受信する他端末識別情報受信手段と、
当該通信端末装置を識別可能な端末識別情報、前記識別情報受信手段が受信した他の通信端末装置を識別可能な端末識別情報、検索条件および除外条件を含む検索依頼情報を前記サーバ装置に送信する検索条件送信手段とを備え、
前記サーバ装置は、
サービス提供箇所を示すデータに対応付けて推薦情報を記憶する推薦情報記憶手段と、
端末識別情報ごとに、その端末識別情報で識別される通信端末装置のユーザが過去に利用したサービス提供箇所を示すデータを含む利用履歴情報を記憶する利用履歴情報記憶手段と、
前記通信端末装置から検索依頼情報を受信すると、検索依頼情報に含まれる端末識別情報に対応する利用履歴情報から、除外条件に合致しないサービス提供箇所を示すデータを抽出する利用履歴情報検索手段と、
前記利用履歴情報検索手段が抽出したデータに対応し、かつ、受信した検索依頼情報に含まれる検索条件に合致する推薦情報を前記推薦情報記憶手段から読み出し、読み出した推薦情報を前記通信端末装置もしくは前記他の通信端末装置、または前記通信端末装置および前記他の通信端末装置に送信する推薦情報送信手段と
を備えたことを特徴とする推薦情報提供システム。
【請求項2】
通信端末装置は、端末識別情報にもとづく決済が可能な通信端末装置であって、
利用履歴情報記憶手段に記憶される利用履歴情報を管理する利用履歴情報管理手段を備え、
前記利用履歴情報管理手段は、サービス提供箇所での前記通信端末装置による決済に応じて、利用履歴情報を更新する
請求項1記載の推薦情報提供システム。
【請求項3】
通信端末装置によって送信された検索条件に基づいてサービス提供箇所の推薦情報を検索して送信するサーバ装置を備えた推薦情報提供システムであって、
前記通信端末装置は、
当該通信端末装置を識別可能な端末識別情報にもとづく決済が可能な通信端末装置であり、
当該通信端末装置の端末識別情報、検索条件および除外条件を含む検索依頼情報を前記サーバ装置に送信する検索条件送信手段とを含み、
前記サーバ装置は、
サービス提供箇所を示すデータに対応付けて推薦情報を記憶する推薦情報記憶手段と、
端末識別情報ごとに、その端末識別情報で識別される通信端末装置のユーザが過去に利用したサービス提供箇所を示すデータを含む利用履歴情報を記憶する利用履歴情報記憶手段と、
前記通信端末装置から検索依頼情報を受信すると、検索依頼情報に含まれる端末識別情報に対応する利用履歴情報から、除外条件に合致しないサービス提供箇所を示すデータを抽出する利用履歴情報検索手段と、
前記利用履歴情報検索手段が抽出したデータに対応し、かつ、受信した検索依頼情報に含まれる検索条件に合致する推薦情報を前記推薦情報記憶手段から読み出し、読み出した推薦情報を前記通信端末装置に送信する推薦情報送信手段とを含み、
前記利用履歴情報記憶手段に記憶される利用履歴情報を管理する利用履歴情報管理手段を備え、
前記利用履歴情報管理手段は、サービス提供箇所での前記通信端末装置による決済に応じて、利用履歴情報を更新する
ことを特徴とする推薦情報提供システム。
【請求項4】
サービス提供箇所は店舗であって、サービス提供箇所を示すデータは店舗IDであり、
除外条件は、利用履歴情報に店舗IDが含まれることである
請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の推薦情報提供システム。
【請求項5】
通信端末装置によって送信された検索条件に基づいてサービス提供箇所の推薦情報を検索して送信する推薦情報提供方法であって、
サービス提供箇所を示すデータに対応付けて推薦情報を推薦情報記憶手段に記憶し、
通信端末装置を識別可能な端末識別情報ごとに、その端末識別情報で識別される通信端末装置のユーザが過去に利用したサービス提供箇所を示すデータを含む利用履歴情報を記憶し、
前記通信端末装置から、当該通信端末装置の端末識別情報、他の通信端末装置の端末識別情報、検索条件および除外条件を含む検索依頼情報を受信すると、検索依頼情報に含まれる端末識別情報に対応する利用履歴情報から、除外条件に合致しないサービス提供箇所を示すデータを抽出し、抽出したデータに対応し、かつ、受信した検索依頼情報に含まれる検索条件に合致する推薦情報を前記推薦情報記憶手段から読み出し、読み出した推薦情報を前記通信端末装置もしくは前記他の通信端末装置、または前記通信端末装置および前記他の通信端末装置に送信する
ことを特徴とする推薦情報提供方法。
【請求項6】
端末識別情報にもとづく決済が可能な通信端末装置によって送信された検索条件に基づいて推薦情報を検索して送信する推薦情報提供方法であって、
サービス提供箇所での前記通信端末装置による決済に応じて、利用履歴情報を更新する
請求項5記載の推薦情報提供方法。
【請求項7】
サービス提供箇所を示すデータに対応付けて推薦情報を推薦情報記憶手段に記憶し、通信端末装置を識別可能な端末識別情報ごとに、その端末識別情報で識別される通信端末装置のユーザが過去に利用したサービス提供箇所を示すデータを含む利用履歴情報を記憶し、通信端末装置によって送信された検索条件に基づいてサービス提供箇所の推薦情報を検索して送信するサーバ装置に搭載される推薦情報検索プログラムであって、
前記サーバ装置に、
前記通信端末装置から、当該通信端末装置の端末識別情報、他の通信端末装置の端末識別情報、検索条件および除外条件を含む検索依頼情報を受信する処理と、
検索依頼情報に含まれる端末識別情報に対応する利用履歴情報から、除外条件に合致しないサービス提供箇所を示すデータを抽出する処理と、
抽出したデータに対応し、かつ、受信した検索依頼情報に含まれる検索条件に合致する推薦情報を前記推薦情報記憶手段から読み出し、読み出した推薦情報を前記通信端末装置もしくは前記他の通信端末装置、または前記通信端末装置および前記他の通信端末装置に送信する処理と
を実行させるための推薦情報検索プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−83879(P2008−83879A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−261705(P2006−261705)
【出願日】平成18年9月27日(2006.9.27)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】