説明

推進システムの航空機構造要素への連結

【課題】ファンおよびナセルの径を増大させ、一方ではターボジェット本体の横断方向寸法を低減できる航空推進システムを提供すること。
【解決手段】航空機推進システム(110)は、二次流が流れる流路を画定するナセルにより囲まれたバイパスターボジェットエンジンと、エンジンを航空機の翼(132)に連結するための連結手段とを備え、さらにエンジンの長手方向軸(135)に実質的に平行なパイロン(134)と、パイロンからエンジンを懸架する懸架手段とを備え、パイロンは、エンジンの長手方向軸を含む鉛直面(150)およびナセルの上部から角度的にオフセットされ、二次流の流れ経路の外側に位置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機用の推進システムに関する。推進システムは、二次(バイパス)空気流の流路を画定するナセル内部に装着されるバイパスターボジェットエンジンと、エンジンを航空機の翼などの航空機の構造要素に連結するための連結手段とを備える。
【背景技術】
【0002】
推進システムは、動作の種々の段階でエンジンにより生成された力を翼に移動する手段により航空機の翼に連結される。
【0003】
推進システムを連結するための連結手段は、通常、パイロンとして知られている非常に堅牢で重量のある部品を備え、この部品は航空機のターボジェットエンジンと翼との間に配置される。パイロンは、エンジンの長手方向軸を含む鉛直面で実質的に延在し、エンジンと航空機との間で伝達される力の全てを通すエンジン懸架手段を含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ターボジェットエンジンの騒音公害や燃費を低減するために、製造業者はこのようなエンジンのバイパス比を増加させる、すなわち一次流の流量に対する二次流の流量の割合を増加させる傾向にある。このために、1つの解決策は、ファンおよびナセルの径を増大させ、一方ではターボジェット本体の横断方向寸法を低減することにある。
【0005】
それでもやはり、ファンおよびナセルの径を増大させると、推進システムの横断方向のサイズを増大させてしまう。確実に航空機の十分な地上高を保つために、推進システムは航空機の翼により接近して移動される必要がある。このことにより、推進システムと翼との間に位置するパイロンに利用できる空間を低減することができる。パイロンが占める空間は、十分に剛性があり頑丈な構造物を収容する必要があるので、比較的大きい。典型的には、パイロンは、チタン製であり、比較的重い。パイロンは、通常、ターボジェットファンの下流側に配置され、少なくとも部分的に二次流の流路まで延在し、このことにより上記二次流の流れを妨げる。二次流の流路を通るパイロンの一部は、流線型のプロファイルになるように、また妨害する乱流の量およびパイロンから下流側の抗力を制限するようにフェアリングされる必要がある。
【0006】
本発明の特定の目的は、これらの問題を解決する、簡単で効果的で安価な解決策を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このために、本発明は、二次流が流れる流路を画定するナセルにより囲まれるバイパスターボジェットエンジンと、エンジンを航空機の構造物要素の下、特に航空機の翼の下で連結するための連結手段とを備え、連結手段は、二次流の流路外側で径方向に位置しエンジンの長手方向軸に実質的に並行な面にあるパイロンと、パイロンからエンジンを懸架するための手段とを備えており、パイロンの面はエンジンの長手方向軸を含む鉛直面から角度的にオフセットである、航空機推進システムを提供する。システムにおいて、パイロンからエンジンを懸架するための手段は、エンジンのケーシングの上部にあるヒンジ手段にパイロンを連結する、2つの平行で実質的に水平な横断方向梁を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明では、エンジンの連結手段は、推進システムと航空機の翼との間に位置する空間を開放するようにエンジンの片側に対してオフセットである1つのパイロンを備える。一例として、パイロンは、エンジンの長手方向軸周りに30°から60°の範囲の角度、例えば約45°の角度でオフセットされ、この角度はエンジンの長手方向軸に垂直な面で測定される。
【0009】
パイロンが位置する側面空間は、推進システムと航空機の構造要素との間に位置する容積より大きい容積の空間である。このことにより、上記側面空間内でパイロンを着脱するのが容易になる。パイロンがエンジンの片側に対してオフセットされているという事実も、推進システムと翼との間の空気の流れにおいて乱流を制限することにつながる。推進システムは、十分な地上高を有するように、航空機の翼により接近して移動されてもよい。パイロンは、二次流の外側に位置し、そのため、上記二次流の流れを妨げない。したがって、ターボジェットの性能を改善する。また、パイロンはターボジェットの高温の構造物から離間され、その結果、動作時に、先行技術よりも低い温度に曝されることになる。ひいては、複合材料などの軽量で堅牢な材料でパイロンを製造することができる。この構成を支持する別の理由は、航空機の飛行を音速に近い速度にするために、パイロンは内側にオフセットされているので翼の湾曲がパイロンをより短くし、これによりパイロンの重量が低減されるということに結び付けられる。結局、パイロンから下流側の妨害抗力の低減は、推進システムにより引き起こされる騒音公害を制限することにつながる。
【0010】
本発明の特徴によれば、エンジンを懸架するための手段は、エンジンのケーシングの上部にあるヒンジ手段にパイロンを連結する2つの平行で実質的に水平な横断方向梁を備える。
【0011】
エンジン懸架梁は、エンジン側に位置するパイロンから実質的に長手方向鉛直面まで延在する。梁の両端部は、エンジンケーシングの上部にあるリンクヒンジ手段により連結される。リンクヒンジ手段は、推進システムの重心と共に、好ましくは長手方向鉛直面の近くにある。このことにより、エンジンが取り外される、および/または設置されるメンテナンス操作または検査操作の間にエンジンが傾いてしまうリスクを抑えることができる。
【0012】
パイロンは、ヒンジ手段によりエンジンの中間ケーシングの上部に連結される上流側横断方向梁と、ヒンジ手段によりエンジンの排気ケーシングの上部に連結される下流側横断方向梁を担持し得る。
【0013】
一例として、上流側横断方向梁を中間ケーシングの上部にヒンジ連結する手段は、梁の自由端部に連結される第1のリンクと、梁の中間部に連結される第2のリンクと、梁の中間部とパイロンとの間の梁に連結される第3のリンクとの3つのリンクを備える。リンクは、有利には、ボールソケット継手を介して上流側梁および中間ケーシングにヒンジ連結される。
【0014】
上流側横断方向梁を中間ケーシングに連結するリンクヒンジ手段は、有利には、エンジンの軸に対して横断方向および鉛直方向に働く力を吸収し、またエンジンの軸周りに働くトルクを吸収するように設計されている。
【0015】
一例として、下流側横断方向梁は下流側横断方向梁の自由端部でV字型の形状で2つのリンクに連結され、2つのリンクは排気ケーシングにヒンジ連結される。これらのリンクは、二次流の流路を通り、二次流における乱流およびヘッドロスを制限するために、少なくとも部分的にフェアリングされる。これらのリンクは、ボールソケット継手を介して下流側横断方向梁および排気ケーシングにヒンジ連結される。
【0016】
下流側横断方向梁と排気ケーシングとの間のリンクヒンジ手段は、有利には、エンジンの軸に対して横断方向および鉛直方向に働く力を吸収するように設計されている。
【0017】
パイロンはさらに、エンジンからの推力を吸収する剛性傾斜アーム支持手段を含んでもよい。アームは、パイロンからエンジンに向かって延在し、その自由端部でクロスバーに連結される。クロスバーは、その両端部がリンクを介して中間ケーシングに連結される。
【0018】
一例として、これら2つのリンクと中間ケーシングとの間の連結点は、エンジンの長手方向軸周りに約90°から180°の角度で互いに離間している。この角度は、エンジンの長手方向軸に対して垂直な面で測定される。これらの連結点は、好ましくはエンジンの長手方向軸とパイロンとを含む傾斜面に対して互いに対称である。支持アームは、この面の実質的に径方向に延在してもよい。
【0019】
有利には、支持アームは、流体搬送パイプや電気ケーブルなどの設備を通すための流線形ダクトの一部を形成する。支持アームは、二次流の流路を通って延在し、少なくとも部分的に流線形の形状を呈してもよい。
【0020】
非限定的な例として示され添付図面を参照した以下の説明を読めば、本発明はより理解され、また本発明の他の特徴や利点が明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】先行技術の航空機推進システムの概略側面図である。
【図2】本発明の航空機推進システムの概略背面図である。
【図3】下流側からおよび片側から見た、ナセルが部分的に切り取られた状態の図2の推進システムの概略斜視図である。
【図4】下流側からおよび片側から見た、ナセルが完全に切り取られた状態の図2の推進システムの別の概略斜視図である。
【図5】図4の一部の拡大図である。
【図6】下流側からおよび片側から見た、図2の推進システムのエンジンの上流側懸架手段の概略斜視図である。
【図7】下流側からおよび片側から見た、図2の推進システムのエンジンの下流側懸架手段の概略斜視図である。
【図8】下流側からおよび片側から見た、図2の推進システムのエンジンからの推力を吸収するための手段の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1に概略的に示される航空機推進システム10は、ホイールがファンケーシング18内部で回転駆動される前部ファン16を有するバイパスターボジェット14を内部に装着した略円筒形のナセル12を備える。ファンケーシング18は、その下流側端部で中間ケーシング19の環状円筒状外壁に連結される。ケーシング18、19は、ナセル12を担持する。
【0023】
ファンから下流側では、ファン16により吸入された空気流20は、初めに、上流側から下流側に向かって圧縮機、燃焼チャンバ、タービンを備えるターボジェット14を通過する一次流22と、次に、ターボジェット本体14とナセル12との間を流れ、推力の大部分を送出する二次流24とに分流され、さらに推力はタービンから排出された燃焼ガスにより送出される。
【0024】
二次流24の流路は、ナセル12の内壁26より外側で、ターボジェット本体を囲み、中間ケーシング19のハブ(図示せず)からタービンからの出口に位置する排気ケーシング30まで延在する円筒状シェル28より内側に画定される。
【0025】
本発明の実施において、推進システム10は、通常、ターボジェットの長手方向軸35を含む鉛直面に実質的に延在して、ターボジェット本体14と航空機の翼32との間にある空間46を占めるパイロン34により翼32の下に連結される。この長手方向鉛直面は、図1の断面に相当する。
【0026】
パイロン34は、チタンなどの剛性材料製である。パイロンは上流側端部に、ターボジェット14を懸架するための懸架手段36、38を含み、この懸架手段を介してエンジンと航空機との間で伝達される全ての力が通り、パイロンの下流側端部は、締結手段40、42により航空機の翼32に連結される。
【0027】
上述したように、ターボジェットのバイパス比、すなわち一次流22の流量に対する二次流24の流量の割合を増大させると、ファンケーシング18およびナセル12の径が大きくなる。確実に航空機が十分な地上高44を保持するように、ターボジェットのエンジンは翼32により接近して移動される。このことにより、エンジンと翼との間にある空間46の量を低減し、同様に、エンジンを取り付けるためのパイロン34に割り当てられる上記空間の一部を増大することになる。
【0028】
図示された例では、パイロン34の上流側端部は、二次流24の流路まで延在し、パイロン34と中間ケーシング19のハブとの間に延在する上流側懸架手段36と、パイロンと排気ケーシング30との間に延在する下流側懸架手段38とを介してターボジェット14に締結されている。
【0029】
二次流24の流路を通るパイロン34の上流側端部は、二次流の流れを過剰に妨げないようにフェアリングされなければならない。それでも、パイロン34は、この二次流において大きな乱流やヘッドロスを引き起こし、ターボジェットの性能を低下させる。さらに、ターボジェット14と航空機の翼32との間にある狭い空間46を通過する空気は、パイロン34の周りを流れる必要がある。このことにより、航空機の翼32の下で大きな抗力を発生させてしまう。
【0030】
本発明は、ターボジェットの軸35周りの長手方向鉛直面に対して角度的にオフセットされ、二次流の流路の外側に上記流れを妨げるのを避けるように位置するパイロンにより、先行技術のこれらの問題を少なくとも一部解決するものであり、ひいてはターボジェットの性能を改善し、動作時にターボジェットが発する騒音のレベルを低減するものである。
【0031】
図2から図8に示された例では、図1に関して上述した要素は、その符号に100を足した符号で示されている。
【0032】
パイロン134は、軸135周りに30°から60°の範囲、例えば長手方向鉛直面150およびナセルの上部から離れる約45°に等しい角度αでオフセットされる。この角度は、軸135に垂直な面で測定される。パイロンは、航空機の翼132の下で適切な手段140、142により締結され、航空機の胴体152の方に向かって配置される。
【0033】
パイロン134は、ナセル112の内壁126の外側、あるいはナセル112の全く外側に配置され、二次流124の空気に曝されない。したがって、パイロンは、熱抵抗が小さく、先行技術のパイロンで使用される材料よりも軽量である材料製とすることができる。一例として、パイロン134は、複合材料製である。
【0034】
パイロンは、ターボジェット114が上流側および下流側懸架手段により取り付けられる上流側横断方向梁154と下流側横断方向梁156とを有する。
【0035】
上流側横断方向梁154と下流側横断方向梁156とは、実質的に平行であり、実質的に水平面で航空機の胴体152から遠いパイロン134の側面部から長手方向鉛直面150に位置するこれら横断方向梁の自由端部に向かって延在する。
【0036】
上流側横断方向梁154の自由端部は、第1のリンク158の一端部にヒンジ連結され、第1のリンクの他端部は、エンジンの中間ケーシング119の環状円筒状外壁の上部に担持されるフォーク160のピンにヒンジ連結される。梁154はさらに、その中央部で第2のリンク162の端部にヒンジ連結され、第2のリンクの他端部は、中間ケーシング119の外壁に担持されるフォーク164のピンでヒンジ連結される。梁154の中央部とパイロン134との間に位置する梁154の中間部は、第3のリンク163により、中間ケーシング119の外壁に担持されるフォーク164に連結される。
【0037】
図示された例では、リンク158、162、163は短く、共通の横断方向の面内に位置するが、互いに異なる方向に配向される。リンク158、162、163は、好ましくは梁154およびフォーク160、164の両側にボールソケット継手を介してヒンジ連結される。
【0038】
パイロン134は、上流側横断方向梁154を介してエンジンの中間ケーシング119の外壁に連結されるが、先行技術のパイロン34は、中間ケーシングのハブに連結される。
【0039】
長手方向軸OXはエンジンの長手方向軸135に平行で下流側を指し、鉛直軸OYは鉛直に上流側を指し、横断方向軸OZはエンジンの側部の一方への方向(すなわち、航空機の胴体への方向)を水平に指し、軸OX、OY、OZは互いに垂直である直交基準系OXYZが定義されている。
【0040】
横断方向梁154と、リンク158、162、163と、これらのヒンジ手段は、横断方向OZ、鉛直方向OYの力を吸収し、エンジンの軸周りのトルクを吸収するように設計されている。
【0041】
下流側横断方向梁156の自由端部は、V字型で2つのリンク168、168’の両端部に連結される連結部166にヒンジ連結される。連結部166は略三角形であり、下流側横断方向梁156は、好ましくはボールソケット継手を使用して、連結部にその頂点で連結される。2つのリンクのうちの1つ168は、その一端部で連結部166の第2の頂点にピボット継手などを介して連結され、他方のリンク168’は、その一端部で連結部166の第3の頂点に固定して連結される。
【0042】
リンク168、168’の他端部はそれぞれ、エンジンの排気ケーシング130に担持される各フォーク172のピンにヒンジ連結される各ラグ170を有する。梁156と連結部166との間の連結、およびリンク168と排気ケーシング130との間の継手は、ボールソケット継手である。
【0043】
リンク168、168’は、共通の横断方向の面内にあり、逆V字型を形成するように、互いに対して傾斜している。
【0044】
これらのリンク168、168’は、二次流124の流路を通り、二次流において乱流やヘッドロスを制限するために、流線形の形状にされる。図示された例では、リンク168、168’の下流側部分174は、下流側を指す縁部を有する隆線形である。
【0045】
梁156、連結部166、リンク168、168’、これらのヒンジ手段または連結手段は、横断方向OZ、鉛直方向OYの力を吸収するように設計される。
【0046】
上述したことからわかるように、上流側横断方向梁154および下流側横断方向梁156の自由端部は、長手方向鉛直面150に位置する(図2)。上流側横断方向梁154の自由端部を中間ケーシング119のフォーク160に連結するリンク158は、この鉛直面150に延在する。排気ケーシング130を下流側横断方向梁156に連結するリンク168、168’は鉛直面150に対して互いに対称であり、排気ケーシング上のこれらの締結ポイント(フォーク172)は、同様にこの鉛直面に対して対称である。エンジンの重心は、長手方向鉛直面150にある。したがって、ターボジェット114が取り外されている、および/または設置されている間、エンジンの片方または他方に対する傾斜がかなり制限され、そのために、メンテナンス操作を行う操作者が怪我をするリスク、または推進システムの部品を損傷するリスクがほとんどない。
【0047】
パイロン134はまた、エンジンの推力を吸収する手段を支持する剛性アーム178を備える。支持アーム178は、パイロン134の中央部からターボジェットの本体114の方に向かって、排気ケーシング130からわずかに上流側で、エンジンの軸に対して横断方向に、実質的に径方向に延在する。
【0048】
アーム178は、その自由端部でクロスバー180の中央部にヒンジ連結される。クロスバーは、その両端部がそれぞれのリンク182の一端部にヒンジ連結される。リンク182は上流側に延在し、それらの他端部は適切な手段を介して中間ケーシング119のハブにヒンジ連結される。
【0049】
リンク182および中間ケーシング119のハブ上のこれらのリンクの連結ポイントは、エンジンの長手方向軸135とパイロン134とを含む面に対して対称である。これらの連結ポイントは、エンジンの長手方向軸135周りに約90°から180°の角度で互いに離間する。この角度は、軸135に垂直な面で測定される。
【0050】
支持アーム178は、電気ケーブルや流体搬送パイプ(オイル、燃料などを搬送するためのパイプ)などの設備を通すためのダクト(図示せず)の一部を形成する。このダクトは、二次流の流路を通り、上記二次流の乱流を制限するために流線形の形状でフェアリングされる。クロスバー180およびリンク182は、エンジンの本体を囲む円筒状エンベロープ(図1の符号28)内部で径方向に配置され、このため、これらは二次流に曝されない。
【符号の説明】
【0051】
10、110 航空機推進システム
12、112 ナセル
14 バイパスターボジェット
16 前部ファン
18 ファンケーシング
19、119 中間ケーシング
20 空気流
22、122 一次流
24、124 二次流
26、126 内壁
28 円筒状シェル、円筒状エンベロープ
30、130 排気ケーシング
32、132 翼
34、134 パイロン
35、135 長手方向軸
36、38 懸架手段
40、42、140、142 締結手段
44 地上高
46 空間
114 ターボジェット
150 長手方向鉛直面
152 胴体
154 上流側横断方向梁
156 下流側横断方向梁
158 第1のリンク
160、164、172 フォーク
162 第2のリンク
163 第3のリンク
166 連結部
168、168’、182 リンク
170 ラグ
174 下流側部分
178 剛性アーム
180 クロスバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次流が流れる流路を画定するナセルにより囲まれたバイパスターボジェットエンジンと、
航空機の構造要素の下、特に航空機の翼の下でエンジンを連結するための連結手段とを備え、該連結手段が、二次流の流路の外側で径方向に位置し、エンジンの長手方向軸に実質的に平行な面にあるパイロンと、パイロンからエンジンを懸架するための手段とを備えており、
パイロンの面が、エンジンの長手方向軸を含む鉛直面から角度的にオフセットされる、航空機推進システムであって、
パイロンからエンジンを懸架するための手段が、エンジンのケーシングの上部のヒンジ手段にパイロンを連結する2つの平行な実質的に水平な横断方向梁を備えることを特徴とする、推進システム。
【請求項2】
パイロンが、エンジンの長手方向軸周りに、長手方向鉛直面およびナセルの上部から離れる約30°から60°の角度でオフセットされることを特徴とする、請求項1に記載の推進システム。
【請求項3】
パイロンが、エンジンの中間ケーシングの上部にヒンジ手段により連結される上流側横断方向梁と、エンジンの排気ケーシングの上部にヒンジ手段により連結される下流側横断方向梁とを担持することを特徴とする、請求項1に記載の推進システム。
【請求項4】
中間ケーシングの上部に連結される上流側横断方向梁のヒンジ手段が、梁の自由端部に連結される第1のリンクと、梁の中間部に連結される第2のリンクと、その中間部とパイロンとの間の梁に連結される第3のリンクとの3つのリンクを備えることを特徴とする、請求項3に記載の推進システム。
【請求項5】
下流側横断方向梁が、排気ケーシングの上部にヒンジ連結される2つのリンクに、下流側横断方向梁の自由端部でV字型の形状で連結されることを特徴とする、請求項3に記載の推進システム。
【請求項6】
リンクが、二次流を通す流路を通り、少なくとも部分的にフェアリングされることを特徴とする、請求項5に記載の推進システム。
【請求項7】
少なくともいくつかのリンクが、ボールソケット継手を介して横断方向梁およびケーシングにヒンジ連結されることを特徴とする、請求項4に記載の推進システム。
【請求項8】
パイロンが、エンジンの推力を吸収する手段を支持する剛性傾斜アームを備え、アームが、パイロンからエンジンの方向へ延在し、アームの自由端部で、2つのリンクを介して中間ケーシングに連結される両端部を有するクロスバーに連結されることを特徴とする、請求項1に記載の推進システム。
【請求項9】
支持アームが、エンジンの長手方向軸に対して実質的に径方向に延在することを特徴とする、請求項8に記載の推進システム。
【請求項10】
2つのリンクと中間ケーシングとの間の連結ポイントが、エンジンの長手方向軸周りに、約90°から180°の角度で互いに離間することを特徴とする、請求項8に記載の推進システム。
【請求項11】
2つのリンクの連結ポイントが、エンジンの長手方向軸とパイロンとを含む傾斜面に対して互いに対称であることを特徴とする、請求項10に記載の推進システム。
【請求項12】
支持アームが、流体搬送パイプおよび電気ケーブルなどの設備を通すための流線形ダクトの一部を形成することを特徴とする、請求項8に記載の推進システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−173271(P2009−173271A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−4281(P2009−4281)
【出願日】平成21年1月13日(2009.1.13)
【出願人】(505277691)スネクマ (567)