説明

揉み玉駆動機構

【課題】簡易な構造のマッサージ機構を提供する。
【解決手段】一対の揉み玉31と、各揉み玉31を支持する支持部材33は、各支持部材33の回転中心としての叩き駆動軸53によって、各支持部材33に対して回転可能な状態で取り付けられる一対の支持アーム32とともに支持される。各支持部材33は、ばね66による復元力が付与される。ばね66は、使用者の着座側に向かう叩き駆動軸53まわりの各支持部材33の回転方向を順方向として、各揉み玉31に付与される力により順方向に回転する各支持部材33に対して復元力を付与する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の揉み玉と、複数の揉み玉を支持する支持部材と、支持部材の回転中心としての回転軸とを有する揉み玉駆動機構に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のマッサージ機構は、叩きマッサージ動作および揉みマッサージ動作を揉み玉に行わせる個別のモーター、揉み玉を背もたれの高さ方向に移動させるためのモーター、および揉み玉を使用者の体に押し付けるためのモーターを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−14467号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記マッサージ機構では、多数のモーターを有するため、構造が複雑になる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、簡易な構造のマッサージ機構を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
・本発明の揉み玉駆動機構は、複数の揉み玉と、前記複数の揉み玉を支持する支持部材と、前記支持部材の回転中心としての回転軸とを有する揉み玉駆動機構において、前記支持部材に対して復元力を付与する弾性部材を備え、この弾性部材は、前記回転軸まわりの前記支持部材の回転方向について、使用者の着座側に向かう回転方向を逆方向とし、この逆方向とは反対の回転方向を順方向として、前記複数の揉み玉に付与される力により前記支持部材が前記順方向に回転することにともない弾性変形することを特徴とする。
【0006】
・この揉み玉駆動機構の一実施形態は、前記支持部材と一体的に回転する第1歯車と、前記第1歯車と噛み合う第2歯車と、前記第2歯車を回転可能に支持する支持軸とを備え、前記弾性部材は、前記支持軸に前記復元力を付与することが好ましい。
【0007】
・この揉み玉駆動機構の一実施形態は、前記支持部材に対して回転可能な状態で取り付けられる複数のアームと、前記支持部材に対する前記複数のアームの回転中心としてのアーム回転軸と、前記複数の揉み玉を前記アーム中心軸まわりで揺動させるためのクランク機構とを備え、前記複数のアームは、前記複数の揉み玉のそれぞれを支持し、前記回転軸は、前記クランク機構を駆動することが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、簡易な構造の揉み玉駆動機構を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態の揉み玉駆動機構について、その正面側の斜視構造を示す斜視図。
【図2】同実施形態の揉み玉駆動機構について、その揉み駆動機構およびその周辺の斜視構造を示す斜視図。
【図3】同実施形態の揉み玉駆動機構について、制御回路が取り外された状態の背面側の斜視構造を示す斜視図。
【図4】同実施形態の揉み玉駆動機構について、図1のA−A線に沿う断面構造を示す断面図。
【図5】同実施形態の揉み玉駆動機構について、その側面構造を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施形態)
図1を参照して、揉み玉駆動機構1の構成について説明する。
椅子型マッサージ機の背もたれ(図示略)は、同マッサージ機に着座した使用者の背中をマッサージするための揉み玉駆動機構1と、揉み玉駆動機構1を制御する制御回路70と、使用者が揉み玉駆動機構1の動作を指定するための操作部80とを有する。
【0011】
制御回路70は、操作部80から出力される信号に基づいて高さ変更モーター21、揉み駆動モーター41(図2参照)、および叩き駆動モーター51(図3参照)にそれぞれ電流を供給する。操作部80は、使用者による操作に応じて高さ変更モーター21、揉み駆動モーター41、および叩き駆動モーター51に供給する電流を指示する信号を生成する。
【0012】
ここで、揉み玉駆動機構1についての各方向を以下のように定義する。
(A)揉み玉駆動機構1の正面視かつ幅方向Xにおいて、左側から右側に向かう方向を「右方向X1」とし、右側から左側に向かう方向を「左方向X2」とする。
(B)揉み玉駆動機構1の正面視かつ高さ方向Yにおいて、下側から上側に向かう方向を「上方向Y1」とし、上側から下側に向かう方向を「下方向Y2」とする。
(C)揉み玉駆動機構1の正面視かつ奥行方向Zにおいて、背面側から正面側に向かう方向を「前方向Z1」とし、正面側から背面側に向かう方向を「後方向Z2」とする。
【0013】
揉み玉駆動機構1は、この機構1の本体を構成するフレーム10と、背もたれに対するフレーム10の高さ位置を変更するための高さ変更機構20と、一対の揉み玉31により使用者をマッサージする揉み玉支持機構30とを有する。またこの他に、揉み玉駆動機構1は、各揉み玉31を揉みマッサージ動作させる揉み駆動機構40と、各揉み玉31を叩きマッサージ動作させる叩き駆動機構50と、揉み玉支持機構30を前方向Z1に押し戻すための回転機構60とを有する。
【0014】
高さ変更機構20の構成について説明する。
高さ変更機構20は、背もたれ内のラックシャフトに噛み合う高さ変更歯車24と、高さ変更歯車24の回転軸としての高さ変更軸23と、高さ変更軸23を回転させるための高さ変更モーター21とを有する。またこの他に、高さ変更モーター21の回転を減速して高さ変更軸23に伝達する高さ変更駆動機構22を有する。
【0015】
高さ変更モーター21および高さ変更駆動機構22は、フレーム10に固定されている。高さ変更軸23は、フレーム10に対する回転が可能な状態でフレーム10により支持されている。高さ変更軸23の中心軸は、フレーム10の幅方向Xと平行する。高さ変更歯車24は、高さ変更軸23に固定されている。
【0016】
高さ変更機構20の動作について説明する。
(A)制御回路70は、高さ方向Yにおいて使用者のマッサージ部位を変更するための信号を操作部80から受信したとき、この信号に応じた電流を高さ変更モーター21に供給する。
(B)高さ変更モーター21は、制御回路70からの電流の供給を受けて回転する。
(C)高さ変更駆動機構22は、高さ変更モーター21の回転を高さ変更軸23に伝達する。
(D)高さ変更軸23は、高さ変更駆動機構22から伝達された回転により高さ変更歯車24を回転させる。
(E)高さ変更歯車24は、背もたれのラックシャフトと噛み合わされた状態において高さ変更軸23とともに回転することにより、フレーム10を背もたれに対して上方向Y1または下方向Y2に移動させる。
【0017】
揉み玉支持機構30の構成について説明する。
揉み玉支持機構30は、使用者に接触する一対の揉み玉31と、各揉み玉31を個別に支持する一対の支持アーム32と、各支持アーム32を個別に支持する一対の支持部材33とを有する。各揉み玉31は、使用者に適度な刺激を与えることのできる硬さを有する。各支持アーム32は、揉み玉駆動機構1の幅方向Xの中心に対して左右対称の箇所に位置する。各支持アーム32の先端部分は、それぞれの支持アーム32に対する回転が可能な状態で揉み玉31を支持している。
【0018】
各支持部材33は、叩き駆動機構50の叩き駆動軸53(図4参照)に対する回転が可能な状態で叩き駆動軸53により支持されている。各支持アーム32は、揉み駆動機構40の揉み駆動軸44(図2参照)に対する回転が可能な状態で揉み駆動軸44により支持されている。揉み駆動軸44は、各支持部材33に対する回転が可能な状態で各支持部材33により支持されている。すなわち各支持部材33は、揉み駆動軸44を介して各支持アーム32を回転可能な状態で支持している。また、各支持アーム32を介して各揉み玉31を支持している。
【0019】
図2を参照して、揉み駆動機構40について説明する。
揉み駆動機構40は、各支持アーム32を支持する揉み駆動軸44と、揉み駆動軸44と一体的に回転するウォームホイール43と、ウォームホイール43に噛み合わされるウォーム42と、ウォーム42を回転させる揉み駆動モーター41とを有する。またこの他に、揉み駆動軸44の回転を揉み玉31の揉みマッサージ動作に変換する3つの傾斜リング、すなわち内側傾斜リング45、右側傾斜リング46、および左側傾斜リング47を有する。
【0020】
揉み駆動モーター41は、フレーム10に固定されている。ウォーム42は、揉み駆動モーター41の出力軸に固定されている。ウォームホイール43は、揉み駆動軸44に固定されている。各支持アーム32は、揉み駆動軸44に対する回転および揉み駆動軸44に対する軸方向への移動が可能な状態で揉み駆動軸44により支持されている。各支持アーム32の基端部分は、揉み駆動軸44まわりの各支持アーム32の回転を規制するロッド55に連結されている。
【0021】
内側傾斜リング45は、各支持アーム32の間において揉み駆動軸44に固定されている。内側傾斜リング45の右側面は、右側の支持アーム32の外面に接触し、かつ同外面に対して傾斜している。内側傾斜リング45の左側面は、左側の支持アーム32の外面に接触し、かつ同外面に対して傾斜している。
【0022】
右側傾斜リング46は、右側の支持アーム32の右隣りの位置において揉み駆動軸44に固定されている。右側傾斜リング46の左側面は、右側の支持アーム32の外面に接触し、かつ同外面に対して傾斜している。
【0023】
左側傾斜リング47は、左側の支持アーム32の左隣りの位置において揉み駆動軸44に固定されている。左側傾斜リング47の右側面は、左側の支持アーム32の外面に接触し、かつ同外面に対して傾斜している。
【0024】
内側傾斜リング45の右側面および右側傾斜リング46の左側面は、互いに平行する傾斜を有し、かつ右側の支持アーム32を両側から挟み込む関係を有する。右側の支持アーム32は、内側傾斜リング45および右側傾斜リング46の回転にともない奥行方向Zに対する傾斜度合が変化する。すなわち、幅方向Xにおける支持アーム32の先端部分の位置が変化する。
【0025】
内側傾斜リング45の左側面および左側傾斜リング47の右側面は、互いに平行する傾斜を有し、かつ左側の支持アーム32を両側から挟み込む関係を有する。左側の支持アーム32は、内側傾斜リング45および左側傾斜リング47の回転にともない奥行方向Zに対する傾斜度合が変化する。すなわち、幅方向Xにおける支持アーム32の先端部分の位置が変化する。
【0026】
揉み駆動機構40の動作について説明する。
(A)図1の制御回路70は、揉み玉31による揉みマッサージ動作の実行を指示するための信号を図1の操作部80から受信したとき、この信号に応じた電流を揉み駆動モーター41に供給する。
(B)揉み駆動モーター41は、制御回路70からの電流の供給を受けて回転する。
(C)ウォーム42は、揉み駆動モーター41の出力軸とともに回転する。
(D)ウォームホイール43は、ウォーム42との噛み合いにより回転する。
(E)揉み駆動軸44は、ウォームホイール43とともに回転する。
(F)内側傾斜リング45、右側傾斜リング46、および左側傾斜リング47は、揉み駆動軸44とともに回転する。
(G)右側の支持アーム32は、揉み駆動軸44まわりの回転が右側のロッド55により規制されているため、内側傾斜リング45および右側傾斜リング46の回転にともない各傾斜リング45,46との接触位置が変化する。そして、各傾斜リング45,46との接触位置の変化にともない、揉み駆動軸44による支持箇所を中心として幅方向Xに揺動する。
(H)左側の支持アーム32は、揉み駆動軸44まわりの回転が左側のロッド55により規制されているため、内側傾斜リング45および左側傾斜リング47の回転にともない各傾斜リング45,47との接触位置が変化する。そして、各傾斜リング45,47との接触位置の変化にともない、揉み駆動軸44による支持箇所を中心として幅方向Xに揺動する。
(I)各揉み玉31は、各支持アーム32の揺動にともない揉みマッサージ動作する。
【0027】
図3および図4を参照して、叩き駆動機構50の構成について説明する。
図4に示されるように、叩き駆動機構50は、各支持アーム32を揉み駆動軸44まわりで振動させる一対のロッド55と、各ロッド55の長手方向Mにおいてロッド55を往復直線運動させる一対のクランク機構54とを有する。
【0028】
図3に示されるように、叩き駆動機構50は、各ロッド55および各クランク機構54の他に、クランク機構54を回転させる叩き駆動軸53と、叩き駆動軸53を回転させる叩き駆動モーター51と、叩き駆動モーター51の回転を叩き駆動軸53に伝達するベルト伝達機構52とを有する。
【0029】
叩き駆動モーター51は、フレーム10に固定されている。叩き駆動軸53は、フレーム10および各支持部材33に対する回転が可能な状態でフレーム10および各支持部材33により支持されている。叩き駆動軸53の回転中心は、フレーム10の幅方向Xと平行する。
【0030】
ベルト伝達機構52は、叩き駆動モーター51の回転を受ける第1プーリー(図示略)と、叩き駆動軸53と一体的に回転する第2プーリー52Aと、第1プーリーの回転を第2プーリー52Aに伝達するベルト52Bとを有する。第1プーリーは、叩き駆動モーター51の出力軸に固定されている。第2プーリー52Aは、叩き駆動軸53の端部に固定されている。ベルト52Bは、第1プーリーおよび第2プーリー52Aのそれぞれに巻き掛けられている。
【0031】
ここで、叩き駆動機構50についての各方向を以下のように定義する。
(A)揉み玉駆動機構1の右方向X1からの側面視かつロッド55の長手方向Mにおいて、支持アーム32とロッド55との連結部分からクランク機構54とロッド55との連結部分に向かう方向を「クランク機構方向M1」とし、クランク機構54とロッド55との連結部分から支持アーム32とロッド55との連結部分に向かう方向を「支持アーム方向M2」とする。
(B)揉み玉駆動機構1の右方向X1からの側面視かつ揉み駆動軸44まわりの支持アーム32の第1回転方向Jにおいて、時計回り方向を「第1順方向J1」とし、反時計回り方向を「第1逆方向J2」とする。
【0032】
図4を参照して、叩き駆動機構50の動作について説明する。
(A)制御回路70は、揉み玉31による叩きマッサージ動作の実行を指示するための信号を操作部80から受信したとき、この信号に応じた電流を叩き駆動モーター51に供給する。
(B)叩き駆動モーター51は、制御回路70からの電流の供給を受けて回転する。
(C)図3のベルト伝達機構52は、叩き駆動モーター51の回転を叩き駆動軸53に伝達する。
(D)各クランク機構54は、叩き駆動軸53の回転にともない回転する。
(E)各ロッド55は、各クランク機構54の回転にともない長手方向Mにおいて往復直線運動を行う。
(F)各支持アーム32は、各ロッド55の往復直線運動にともない揉み駆動軸44まわりで揺動する。すなわち、各ロッド55が支持アーム方向M2に移動するとき、第1逆方向J2に回転し、各ロッド55がクランク機構方向M1に移動するとき、第1順方向J1に回転する。
(G)各揉み玉31は、各支持アーム32の第1順方向J1および第1逆方向J2の揺動にともない叩きマッサージ動作する。
【0033】
図3〜図5を参照して、回転機構60の構成について説明する。
図3に示されるように、回転機構60は、各支持部材33とともに回転する一対の第1歯車61と、各第1歯車61と噛み合わされる一対の第2歯車62とを有する。またこの他に、各第2歯車62の回転中心としての回転駆動軸63と、回転駆動軸63と一体的に回転する回転部材64と、回転部材64を覆うカバー65とを有する。
【0034】
図5に示されるように、回転機構60は、回転駆動軸63および回転部材64等の他に、回転部材64を介して回転駆動軸63に復元力を付与するばね66と、ばね66の端部を取り付けるためのばね基礎67とを有する。
【0035】
回転部材64は、円筒形状を有する側壁64Aと、側壁64Aにおける第2歯車62側の開口部分を閉塞する底壁64Bと、回転駆動軸63を中心とした扇形状を有する受け部材64Cとを有する。底壁64Bは、回転駆動軸63を中心とした円弧形状の開口部64Dを有する。
【0036】
ばね基礎67は、開口部64Dを介してフレーム10に固定されている。ばね66の一方の端部は、ばね基礎67に固定されている。ばね66の他方の端部は、受け部材64Cに固定されている。
【0037】
図4に示されるように、各第1歯車61は、各支持部材33の一部分として形成され、かつ叩き駆動軸53を中心軸とする円弧形状を有する。図3に示されるように、回転駆動軸63は、フレーム10に対する回転が可能な状態でフレーム10により支持されている。回転駆動軸63の回転中心線の方向は、幅方向Xに平行する。回転部材64は、回転駆動軸63の端部に固定されている。カバー65は、回転部材64に対する回転が可能な状態でフレーム10に固定されている。
【0038】
ここで、図4に示される回転機構60についての各方向を以下のように定義する。
(A)揉み玉駆動機構1の右方向X1からの側面視かつ叩き駆動軸53まわりの支持部材33の第2回転方向Kにおいて、時計回り方向を「第2順方向K1」とし、反時計回り方向を「第2逆方向K2」とする。
(B)揉み玉駆動機構1の右方向X1からの側面視かつ回転駆動軸63の軸まわりの第3回転方向Lにおいて、時計回り方向を「第3順方向L1」とし、反時計回り方向を「第3逆方向L2」とする。
【0039】
図4および図5を参照して、回転機構60の動作について説明する。
(A)使用者は、椅子型マッサージ機に着座しているとき、各揉み玉31を第2順方向K1に押す力を背中により付与する(図4)。
(B)各支持アーム32、各支持部材33、および各第1歯車61は、各揉み玉31の第2順方向K1への回転にともない一体的に回転する(図4)。
(C)各第2歯車62は、各第1歯車61の第2順方向K1への回転にともない回転駆動軸63と一体的に第3逆方向L2に回転する(図4)。
(D)回転部材64は、回転駆動軸63と一体的に第3逆方向L2に回転する(図5)。
(E)ばね66は、回転部材64(受け部材64C)の第3逆方向L2への回転にともない受け部材64Cとばね基礎67との間で圧縮される(図5)。
(F)ばね66は、受け部材64Cおよびばね基礎67により圧縮されているとき、第3順方向L1へ回転させようとする復元力を回転部材64に付与する(図5)。
(G)回転部材64は、ばね66の復元力を回転駆動軸63に伝達する(図5)。
(H)回転駆動軸63は、第3順方向L1に作用する回転力を各第2歯車62に伝達する(図4)。
(I)各第2歯車62は、第3順方向L1に作用する回転力を各第1歯車61に伝達する(図4)。
(J)各第1歯車61は、各第2歯車62から伝達された回転力を第2逆方向K2の回転力に変換する(図4)。
(K)各支持部材33は、第2逆方向K2に作用する回転力を各支持アーム32に伝達する(図4)。
(L)各支持アーム32は、第2逆方向K2に作用する回転力を各揉み玉31に伝達する(図4)。
(M)各揉み玉31は、各支持アーム32から伝達された回転力により使用者の背中に押し付けられる(図4)。そして、使用者が椅子型マッサージ機から離席したとき、第2回転方向Kにおいて最大限に第2逆方向K2へ回転する。
【0040】
(実施形態の効果)
本実施形態の揉み玉駆動機構1は以下の効果を奏する。
(1)揉み玉駆動機構1は、各支持部材33の回転中心としての回転駆動軸63に対して復元力を付与するばね66を備える。ばね66は、各揉み玉31に付与される力により各支持部材33が第2順方向K1に回転することにともない弾性変形する。
【0041】
この構成によれば、第2順方向K1への各揉み玉31の回転量に応じたばね66の復元力が各揉み玉31に作用する。このため、ばね66の復元力に応じた回転力により各揉み玉31が使用者に押し当てられる。このため、各揉み玉31を使用者に押し付けるためのモーターを省略することが可能になる。
【0042】
(2)揉み玉駆動機構1は、各支持部材33と一体的に回転する一対の第1歯車61と、各第1歯車61に噛み合う一対の第2歯車62と、各第2歯車62を回転可能に支持する回転駆動軸63とを有する。ばね66は、回転駆動軸63に復元力を付与する。
【0043】
この構成によれば、1つのばね66の復元力が回転部材64および回転駆動軸63を介して各揉み玉31を支持する各支持部材33に伝達されるため、各揉み玉31を個別のばねにより使用者に押し付ける構成と比較して、ばねの数が少なくなる。
【0044】
(3)揉み玉駆動機構1は、各支持部材33に対して回転可能な状態で取り付けられる一対の支持アーム32と、各支持部材33に対する各支持アーム32の回転中心としての揉み駆動軸44と、各揉み玉31を揉み駆動軸44まわりで揺動させるためのクランク機構54とを有する。各支持アーム32は、各揉み玉31のそれぞれを支持する。クランク機構54は叩き駆動軸53から伝達される回転力により各支持アーム32を揺動させる。
【0045】
この構成によれば、叩き駆動軸53は、各揉み玉31を押し付けるための各支持部材33の回転軸、および各揉み玉31を叩きマッサージ動作させるための回転力を各支持部材33に入力する回転軸としての役割を担う。このため、前者の回転軸としての役割を担う回転軸と、後者の回転軸としての役割を担う回転軸とを個別に有する構成と比較して、揉み玉駆動機構1の構成が簡略化される。
【0046】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態以外の実施形態を含む。以下、本発明のその他の実施形態としての上記実施形態の変形例を示す。なお、以下の各変形例は、互いに組み合わせることもできる。
【0047】
・上記実施形態(図1)の揉み玉支持機構30は、2つの揉み玉31を有する。一方、変形例の揉み玉支持機構30は、3つ以上の揉み玉31を有する。
・上記実施形態(図5)の回転機構60は、弾性部材としてばね66を有する。一方、変形例の回転機構60は、弾性部材としてゴムまたはその他の弾性部材を有する。
【0048】
・上記実施形態(図5)の回転機構60は、受け部材64Cを介して回転駆動軸63に復元力を付与するばね66を有する。一方、変形例の回転機構60は、ばね66および受け部材64Cに準じた機能を有する別の構成として、各支持部材33を連結する連結部材と、この連結部材に復元力を付与するばねとを有する。
【0049】
・本発明は、椅子型マッサージ機の背もたれ内に位置する揉み玉駆動機構1以外の他の揉み玉駆動機構に適用することもできる。他の揉み玉駆動機構としては、椅子型マッサージ機のアームレストまたはフットレスト内に位置する揉み玉駆動機構が挙げられる。要するに、マッサージ動作を行う複数の揉み玉と、複数の揉み玉を支持する支持部材と、支持部材の回転中心としての回転軸とを有する揉み玉駆動機構であれば、いずれの揉み玉駆動機構に対しても本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0050】
1…揉み玉駆動機構、31…揉み玉、32…支持アーム(アーム)、33…支持部材、44…揉み駆動軸(アーム回転軸)、53…叩き駆動軸(回転軸)、54…クランク機構、61…第1歯車、62…第2歯車、63…回転駆動軸(支持軸)、66…ばね(弾性部材)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の揉み玉と、前記複数の揉み玉を支持する支持部材と、前記支持部材の回転中心としての回転軸とを有する揉み玉駆動機構において、
前記支持部材に対して復元力を付与する弾性部材を備え、
この弾性部材は、前記回転軸まわりの前記支持部材の回転方向について、使用者の着座側に向かう回転方向を逆方向とし、この逆方向とは反対の回転方向を順方向として、前記複数の揉み玉に付与される力により前記支持部材が前記順方向に回転することにともない弾性変形する
ことを特徴とする揉み玉駆動機構。
【請求項2】
請求項1に記載のマッサージ機構において、
前記支持部材と一体的に回転する第1歯車と、
前記第1歯車と噛み合う第2歯車と、
前記第2歯車を回転可能に支持する支持軸とを備え、
前記弾性部材は、前記支持軸に前記復元力を付与する
ことを特徴とする揉み玉駆動機構。
【請求項3】
請求項1または2に記載のマッサージ機構において、
前記支持部材に対して回転可能な状態で取り付けられる複数のアームと、前記支持部材に対する前記複数のアームの回転中心としてのアーム回転軸と、前記複数の揉み玉を前記アーム回転軸まわりで揺動させるためのクランク機構とを備え、
前記複数のアームは、前記複数の揉み玉のそれぞれを支持し、
前記回転軸は、前記クランク機構を駆動する
ことを特徴とする揉み玉駆動機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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