説明

提出物催促支援システム

【課題】研修に関連した提出物の提出を受講者に十分促すとともに、研修主催者の研修開催に関する労力を軽減することが可能な提出物催促支援システムを提供する。
【解決手段】研修ごとに提出物の内容や提出期限などの提出物情報を記憶した提出物情報データベース12aと、研修の受講者M2ごとに研修に関する提出物の提出状況や過去の研修に関する提出物の提出状況などの提出履歴と受講者M2の連絡先とを記憶した受講者情報データベース13aと、提出物情報データベース12aの提出物情報と受講者情報データベース13aの提出履歴とに基づいて催促の要否を判断し催促を要する受講者M2に対して提出物情報と提出履歴とに基づく催促情報を受講者M2の連絡先に送信する催促手段15とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、研修に関連した提出物の提出を催促する提出物催促支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
企業などにおいては、業務遂行に必要な技能取得や、知識向上などを目的として講習会や勉強会などの社内教育(研修)が、年間を通して広く行われている。社内研修の計画、実行には、例えば、研修の企画・立案から告知、受講者の募集、選定など色々な作業を伴うので円滑に効率よく計画、実行する必要がある。こうした研修では、受講者の理解をより深めるために、研修内容に関連する課題(提出物)が事前に課せられることがあり、受講者は期限内に提出物を提出する必要がある。
【0003】
従来から、研修に関連する作業をスムーズに行うために、第1の期日が到来したら研修情報を案内し、第2の期日が到来したら受講者を確定し、第3の期日が到来したら最終案内を行う研修支援方法に関する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、会議を最適な条件で円滑に運営するための会議の運営方法に関する技術が知られている(例えば、特許文献2参照。)。さらに、参加者に対して有効なイベント情報を提供するために、イベント開催情報を、有用性に関する数値情報とともに表示するイベント開催情報提供システムに関する技術(例えば、特許文献3参照。)や、所定の期限までに学習課題を報告しない生徒に報告の提出を催促し、かつグループ内の他の生徒や指導者に当該生徒への催促を指示する自主学習支援システムに関する技術が知られている(例えば、特許文献4参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−293940号公報
【特許文献2】特開2005−174162号公報
【特許文献3】特開2007−65812号公報
【特許文献4】特開2001−312203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、主催者から何日か前に提出物の提出について再度連絡しても、受講者によっては提出物の提出期限を渡過したり、未提出となってしまう場合がある。そのため、研修主催者は受講者の提出物の提出状況を確認し、状況に応じて提出を催促する必要があり、受講者数が多い場合には手間と時間を要し、研修主催者に多大な負担を与えていた。
【0006】
そこで、この発明は、研修に関連した提出物の提出を受講者に十分促すとともに、研修主催者の研修開催に関する労力を軽減することが可能な提出物催促支援システムの提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題を解決するために、請求項1の発明は、研修に関連した提出物の提出を催促する提出物催促支援システムであって、研修ごとに、提出物の内容や提出期限などの提出物情報を記憶した提出物情報データベースと、研修の受講者ごとに、当該研修に関する提出物の提出状況や過去の研修に関する提出物の提出状況などの提出履歴と、当該受講者の連絡先とを記憶した受講者情報データベースと、提出物情報データベースの提出物情報と受講者情報データベースの提出履歴とに基づいて催促の要否を判断し、催促を要する受講者に対して、提出物情報と提出履歴とに基づく催促情報を、当該受講者の連絡先に送信する催促手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、提出物情報データベースの提出物情報と提出履歴データベースの提出履歴とに基づいて、受講者ごとに提出物の催促の要否を判断し、催促を要する受講者に対して、提出を催促する催促情報を作成し、受講者情報データベースの受講者連絡先に催促情報を送信する。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の提出物催促支援システムにおいて、受講者のスケジュールや在席状況などの業務情報を記憶した業務情報データベースを備え、催促手段は、提出物情報と提出履歴と業務情報とに基づく催促情報を、受講者の連絡先に送信する、ことを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の提出物催促支援システムにおいて、受講者情報データベースに、受講者の上司や同僚などの受講者関係者の連絡先を記憶し、催促手段は、催促情報を、催促を要する受講者の受講者関係者の連絡先に送信する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、提出物情報と提出履歴とに基づいて、受講者ごとに催促の要否を判断するので、未提出の受講者ごとに提出履歴に応じた効果的な催促ができる。つまり、同一の研修の受講者であっても、過去の研修に関する提出物の提出履歴などに応じて、提出物の催促の要否判断ができるので、未提出者の提出履歴などを勘案した効果的な催促ができ、催促作業の効率を高めることが可能となる。
【0012】
また、提出履歴に基づいて催促の要否を判断して催促情報を送信し、人による作業が介在しないので、催促漏れを防止することができる。これにより、催促作業に要する労力を軽減でき、研修主催者側の業務処理時間を短縮することができる。
【0013】
さらに、提出履歴から全受講者の提出状況を正確に把握できるので、次回以降の研修および提出物の企画・立案に反映させることができる。つまり、例えば、提出率が低い場合は難易度を下げたり、期限超過率が高い(遅延が多い)場合は期限に余裕をもたせたりするなどして、提出物の提出率を改善することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、催促手段は、提出物情報と提出履歴と業務情報とに基づく催促情報を受講者の連絡先に送信するので、受講者の在席状況などに応じて効率的に催促できる。つまり、例えば、受講者が在席中の場合に限って催促情報を送信することができるので、催促の連絡漏れや連絡ミスを防止することができる。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、催促手段は、催促を要する受講者の関係者の連絡先に催促情報を送信するので、受講者本人のみに送信する場合よりも効果的な催促ができる。また、未提出者が離席中などの場合でも、受講者関係者の連絡先に催促情報を送信することができ、催促の連絡漏れや連絡ミスを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明の実施の形態に係る提出物催促支援システムの概略構成ブロック図である。
【図2】図1の提出物催促支援システムの提出物情報データベースのデータ構成図である。
【図3】図1の提出物催促支援システムの受講者情報データベースのデータ構成図である。
【図4】図1の提出物催促支援システムの業務情報データベースのデータ構成図である。
【図5】主催者と受講者との間における提出物および催促の授受を示す概略図である。
【図6】図1の提出物催促支援システムの催促タスクによる処理を示すフローチャートである。
【図7】図6の催促タスクの催促要否判断・送信先選定の条件テーブルを示し、図7(a)は提出物の提出状況などを条件とするテーブルであり、図7(b)は在席状況やスケジュールなどを条件とするテーブルであり、図7(c)は提出期限日超過を条件とする場合を示すテーブルである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0018】
図1は、この発明の実施の形態に係る提出物催促支援システム1の概略構成ブロック図である。この提出物催促支援システム1は、研修に関連した提出物Tの提出を催促するシステムであり、主として、通信部11、提出物情報記憶部12、受講者情報記憶部13、業務情報記憶部14、催促タスク(催促手段)15、および、これらの制御を行う制御部16とを備えている。また、提出物催促支援システム1は研修管理支援サーバ(図示略)に備えられ、クライアント端末機2、3、4と通信網NWを介して有線または無線で通信可能に接続されている。ここで、この実施の形態では、主催者をM1、受講者をM2、受講者関係者としての上司をM3とした場合を一例として説明し、クライアント端末機2は研修の主催者M1が保有しており、クライアント端末機3は研修の受講者M2が保有している。そして、クライアント端末機4は受講者M2の関係者としての上司M3が保有している。
【0019】
ここで、研修とは、企業などにおける研修や学校や塾などの教育機関における授業などを意味し、提出物とは、研修や授業などの課題や宿題やレポートなどを意味している。
【0020】
通信部11は、通信網NWを介して各端末機2、3、4と通信するための通信装置であり、後述する催促情報を受講者M2の端末機3、上司M3の端末機4に送信したり、催促処理の結果を主催者M1の端末機2に送信したりするものである。また、この実施の形態では、主催者M1、受講者M2、上司M3との連絡方法としては、電子メールによる通信や電話による通信も可能であり、通信部11は、インターネット接続装置や音声認識機能や音声案内機能などを備えた自動音声応答装置(IVR:Interactive
Voice Response Unit)などを備えている。
【0021】
提出物情報記憶部12は、研修ごとに、提出物Tの内容や提出期限などの提出物情報データベース12aを格納するものである。図2に示すように、提出物情報データベース12aには、研修ごとに、つまり、研修を識別する研修ID121ごとに、研修情報122、提出物情報123、代替提出物情報124およびその他125が記憶されている。ここで、研修情報122とは、研修に関連した情報であり、研修情報122には、研修名称122a、開催日時122b、開催場所122c、研修内容122dが含まれる。研修名称122aには、研修の名称が記憶され、開催日時122bには、研修の開催日時が記憶されている。開催場所122cには、研修の開催場所の会議室名などが記憶され、研修内容122dには、研修の内容が記憶されている。
【0022】
提出物情報データベース12aにおける提出物情報123とは、研修に関する提出物Tの情報である。図2に示すように、提出物情報123には、提出内容123a、提出期限日123b、催促開始日123が含まれる。提出内容123aには、提出物Tの内容が記憶され、提出期限日123bには、提出物Tの提出締切日である提出期限日が記憶され、催促開始日123cには、未提出者に対して催促を開始する日が記憶されている。提出物Tがない場合には、提出物情報123はすべて「NULL」が記憶されている。
【0023】
提出物情報データベース12aにおける代替提出物情報124とは、例えば提出物Tの難易度を下げたり、量を減らすなどして提出しやすいように調節した提出物(代替提出物)Tに関連した情報である。図2に示すように、代替提出物情報124には、代替内容124aと代替提出期限日124bが含まれている。代替内容124aには、代替提出物の内容が記憶されており、代替提出期限日124bには、代替提出物の提出期限日が記憶されている。代替提出物がない場合には、代替内容124aと代替提出期限日124bとのいずれにも「NULL」が記憶されている。この提出物情報123と代替提出物情報124とは、後述する催促タスク15において、必要に応じて、催促情報の一部として受講者M2などに送信されるものである。この提出物情報データベース12aは、研修が企画・立案された場合に主催者M1によって追加され、変更があった場合などに更新される。
【0024】
受講者情報記憶部13は、研修に関する提出物Tの提出状況や過去の研修に関する提出物Tの提出状況などの提出履歴と、受講者M2の連絡先と、受講者M2の上司や同僚などの受講者関係者の連絡先などとを記憶した受講者情報データベース13aを格納するものである。図3に示すように、受講者情報データベース13aには、研修の受講者(社員)M2ごとに、つまり、受講者M2を識別する社員ID131と研修を識別する研修ID132ごとに、受講者氏名133、提出日134、催促履歴135、連絡先136およびその他137が記憶されている。提出日134には、当該研修に関する提出物Tを提出した提出日が記憶され、催促履歴135には、催促履歴を記憶したメモリアドレスが記憶されている。そして、催促日1351には、受講者M2に催促情報を送信した日付が記憶され、関係者催促日1352には、関係者に催促情報を送信した日付が記憶されている。また、連絡先136は、連絡先を記憶したメモリアドレスが記憶されている。そして、連絡先1361には受講者M2の連絡先(メールアドレスや電話番号)が記憶され、関係者連絡先1362には受講者関係者である上司M3や同僚などの連絡先が記憶されている。ここで、この受講者情報データベース13aは、受講者M2が研修の受講を申込みした場合に追加され、申込みの変更・取消があった場合に更新・削除される。また、提出日134は受講者M2によって提出時に記憶され、催促日1351、関係者催促日1352は後述するようにして催促タスク15によって記憶されるようになっている。
【0025】
業務情報記憶部14は、受講者M2のスケジュールや在席状況などの業務状況を記憶した業務情報データベース14aを格納するものである。図4に示すように、業務情報データベース14aには、受講者(社員)M2ごとに、つまり、受講者M2を識別する社員ID141ごとに、スケジュール142と、在席状況143とを記憶している。スケジュール142には、スケジュールを記憶したメモリアドレスが記憶されている。そして、スケジュール日時1421には、スケジュールの日時が記憶され、スケジュール内容1422には、スケジュールの内容が記憶され、その他1423が記憶されている。また、在席状況143には、現在の在席状況を示す「在席」、「離席」、「休暇」、「出張」などが記憶され、このデータは各受講者(各社員)M2によって常に最新状態に更新されるようになっている。
【0026】
催促手段としての催促タスク15は、提出物情報データベース12aの提出物情報と、受講者情報データベース13aの提出履歴と、業務情報データベース14aのスケジュール情報とに基づいて、催促の要否を判断し、催促を要する受講者M2に対して、提出物情報と提出履歴とに基づく催促情報を、受講者M2の連絡先などに送信する機能を有している。催促タスク15は、毎日所定の時刻に制御部16によって起動され、または、主催者M1の起動操作によって任意に起動される。
【0027】
次に、このような構成の提出物催促支援システム1における情報の処理手段および作用について説明する。
【0028】
図1に示すように、まず、研修が企画・立案されて開催が決定すると、主催者M1が、研修名称や開催日時などの研修情報122と、提出物情報123とを提出物情報データベース12aに登録し、研修情報122と提出物情報123とを記載した受講者募集案内を、受講対象の部署などに送信したり、社内掲示板で掲示したりして受講者募集を告知する。そして、受講者募集案内を受信した部署などでは受講者M2を選定し、社員IDや連絡先情報などの受講者情報を受講者情報データベース13aに登録する。登録された受講者情報は主催者M1に通知され、主催者M1は、受講者M2に開催日時122bや事前課題である提出物情報123などの研修案内を送信する。受講者M2は、図5に示すように、提出物Tを作成して提出し、提出日134を更新する。
【0029】
そして、毎日所定の時刻に制御部16によって催促タスク15が起動され、提出物情報データベース12aの提出物情報と受講者情報データベース13aの提出履歴とに基づいて催促の要否を判断する。ここで、催促を要する受講者M2に対しては、提出物情報と提出履歴とに基づく催促情報K1を送信し、後述する催促タスク15によって所定の条件に該当する場合には、提出物情報と提出履歴と業務情報とに基づく催促情報K2を当該受講者M2の連絡先または上司M3の連絡先に送信する。そして、主催者M1にはこうした催促処理の結果K3(催促結果)が通知される。その後、主催者M1は、通知された催促結果K3を確認し、例えば、離席中で催促情報を送信できなかった受講者M2などには、個別に催促情報K4を連絡する。
【0030】
図6は、催促タスク15における処理手順を示している。図6に示すように、ステップS11で受講者情報データベース13aから最初の受講者情報を取得する。そして、ステップS12に進み、当該受講者M2の当該研修の提出物Tが未提出であるか、すなわち、提出日134が「NULL」であるか否かを判断する。ここで、提出済みと判断した場合(「NO」の場合)は、ステップS17に進む。ステップS12において未提出と判断した場合(「YES」の場合)は、ステップS13に進み、催促の要否判断および催促情報の送信先を選定する。ステップS13における催促の要否判断および催促情報の送信先の選定は、例えば、図7(a)〜(c)に示すパターン(テーブル)に基づいて判断、選定される。ここで、テーブルの指定は、例えば、設定画面などから主催者M1やシステム管理者などが任意に指定でき、催促タスク15の起動時にパラメータとして引き渡される。そして、指定されたテーブルに記憶されている条件にしたがって、次のように催促の要否と催促情報の送信先が選定される。
【0031】
ステップS13において、図7(a)のテーブルが指定された場合は、提出物情報と提出履歴とから催促の要否判断と送信先を選定する。すなわち、当該受講者M2の過去の研修の提出物Tの提出状況などを条件とする。具体的には、条件は「催促開始日が到来したか否か」と「提出日の超過回数が0より大きいか否か」であり、「提出日の超過回数」は、当該受講者M2の提出日134が当該提出物Tの提出期限日123bを超過した回数である。そして、いずれの条件も満たす場合、すなわち、「催促開始日が到来」かつ「提出日の超過回数が0より大きい」場合(図7の符号a1の場合)に、受講者M2および上司M3に催促情報の送信が必要(催促要)となる。ここで、受講者M2に送信する催促情報K1は、例えば、「課題の提出期限日は○月○日です。早めに提出してください。」というメッセージであり、上司M3に送信する催促情報K2は、例えば、「Aさんの課題の提出期限日は○月○日です。提出するように指示をお願いします。」というメッセージである。また、上記以外の場合(一方の条件でも満たさない場合)には催促不要となる。
【0032】
また、ステップS13において、図7(b)のテーブルが指定された合は、提出物情報と提出履歴と業務情報から催促の要否判断と送信先を選定する。すなわち、当該受講者M2の在席状況やスケジュールなどを条件とする。具体的には、条件は、「催促回数が0か否か」と「関係者催促回数が0か否か」と「催促開始日が到来したか否か」と「スケジュールが空か否か」と「在席か否か」である。「催促回数」は、当該受講者M2の催促日1351が「NULL」以外のデータ数であり、「関係者催促回数」は、当該受講者M2の関係者催促日1352が「NULL」以外のデータ数である。また、「スケジュールが空か否か」の判断は、当該受講者M2のスケジュール日時1431が現在時刻と重なるものがあるか否かで判断し、「在席か否か」の判断は、当該受講者M2の在席状況143で判断する。そして、「催促回数が0」かつ「関係者催促回数が0」かつ「催促開始日が到来」かつ「スケジュールが空」かつ「在席」の場合(図7の符号b1の場合)には、受講者M2に催促情報の送信が必要(催促要)となる。また、「催促回数が0」かつ「関係者催促回数が0」かつ「催促開始日が到来」かつ「スケジュールが空ではない」場合(図7の符号b2の場合)には、上司M3に催促情報の送信が必要(催促要)となる。ここで、催促情報は図7(a)のテーブルと同様となる。また、b1またはb2に該当しない場合には催促不要となる。
【0033】
また、ステップS13において、図7(c)のテーブルが指定された場合は、提出物情報と提出履歴から催促の要否判断と送信先を選定する。すなわち、提出期限日を超過していることを条件する。具体的には、条件は、「提出期限日が到来しているか否か」であり、提出期限日123bを超過している場合(図7の符号c1の場合)、受講者M2および上司M3に催促情報の送信が必要(催促要)となる。ここで、催促情報とは、代替提出物情報124が設定されていない場合には、受講者M2に送信する催促情報は、例えば、「課題の提出期限日を過ぎています。早く提出してください。」というメッセージであり、上司M3に送信する催促情報K2は、例えば、「Aさんの課題の提出期限日を過ぎています。提出するように指示をお願いします。」というメッセージである。また、代替提出物情報124が設定されている場合には、催促情報は代替提出物情報124を含み、受講者M2に送信する催促情報K1は、例えば、「課題の提出期限が過ぎています。△月△日までに提出できない場合は、以下の課題を提出してください。・・・」というメッセージであり、上司M3に送信する催促情報は、例えば、「Aさんの課題の提出期限が過ぎています。△月△日までに以下の課題を提出するように指示をお願いします。・・・」というメッセージである。また、提出期限日123bを超過していない場合には催促不要となる。
【0034】
そして、ステップS14で催促不要と判断された場合(「NO」の場合)は、ステップS17に進む。ステップS14で催促要と判断された場合(「YES」の場合)は、ステップS15に進んで催促情報を選定した送信先に送信し、ステップS16で催促日1351や関係者催促日1352を更新する。
【0035】
次に、ステップS17に進み、すべての受講者情報に対する催促処理が終了したか否かを判断し、ここで終了していないと判断した場合(「NO」の場合)は、ステップS18に進み次の受講者情報を取得し、ステップS12に戻る。ステップS17で終了したと判断した場合(「YES」の場合)は、ステップS19に進み、主催者M1に催促情報の送信先などの催促結果を通知し、このタスクの処理を終了する。
【0036】
以上のように、この提出物催促支援システム1によれば、提出物情報と提出履歴とに基づいて、受講者M2ごとに提出物Tの催促の有無を判断するので、未提出者ごとに提出履歴に応じた効果的な催促ができる。つまり、同一の研修の受講者M2であっても、例えば、過去の研修に関する提出物Tの提出状況である提出履歴などに応じて、催促の要否判断ができる。このように、未提出者の提出履歴などを勘案した効果的な催促ができるので、催促の効率を高めることが可能となる。
【0037】
また、提出履歴に基づいて催促の要否を判断して催促情報K1を送信し、人による作業が介在しないので、催促漏れを防止することができる。これにより、催促作業に要する労力を軽減でき、研修主催者側の業務処理時間を短縮することができる。さらに、提出履歴から全受講者M2の提出状況を正確に把握できるので、次回以降の研修および提出物Tの企画・立案に反映させることができる。つまり、例えば、提出率が低い場合は難易度を下げたり、期限超過率が高い(遅延が多い)場合は期限に余裕をもたせたりするなどして、提出率を改善することが可能となる。さらに、主催者M1は、報告された催促結果を確認することで、催促を送信した受講者M2や、離席中などで送信できなかった受講者M2を確認できるので、催促業務に要する時間と手間を大幅に削減することができる。
【0038】
また、催促タスク15は、提出物情報と提出履歴と業務情報とに基づく催促情報K1を受講者M2の連絡先に送信するので、受講者M2の在席状況などに応じて効率的に催促できる。つまり、例えば、受講者M2が在席中の場合に限って催促情報を送信することができるので、催促の連絡漏れや連絡ミスを防止し、確実に催促することができる。
【0039】
さらに、催促タスク15は、未提出者ごとに提出履歴などに応じて、例えば、図7(a)におけるa1、(b)におけるb2、(c)におけるc1などの場合には、催促を要する受講者M2の上司M3の連絡先にも催促情報K2を送信するので、未提出者ごとに提出履歴などに応じた効果的な催促ができる。つまり、また、例えば、提出遅延が多数ある受講者M2には、受講者関係者である上司M3などに催促情報K2を送信することで、受講者M2のみに送信する場合よりも効果的な催促ができる。また、例えば、未提出者が離席中の場合には、受講者関係者の連絡先に催促情報K2を送信することができるので、催促の連絡漏れや連絡ミスを防止し、確実に催促することができる。
【0040】
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、上記の実施の形態では、受講者M2が提出日134を登録しているが、提出物Tの提出情報を所定のフォルダに格納したり送信したことを検知して、提出日134を登録するようにしてもよい。また、受講者M2の在席状況はデータベースを参照して判断するようにして説明したが、クライアント端末機の操作状態を遠隔で監視することで、在席状況を判断できるようにしてもよい。また、催促の要否判断と送信先を選定は、図7(a)〜(c)のテーブルを組み合わせて判断するようにしてもよい。さらに、社内研修を例として説明したが、学習塾や大学の講義などの宿題やレポートなどの提出物に適用することが可能である。この場合は、受講者M2は、学生や生徒などであり、上司M3は、担当教師や講師などである。
【符号の説明】
【0041】
1 提出物催促支援システム
12a 提出物情報データベース
13a 受講者情報データベース
14a 業務情報データベース
15 催促タスク(催促手段)
16 通信部
K1 催促情報
K2 催促情報
K3 催促結果
M1 主催者
M2 受講者
M3 上司(受講者関係者)
T 提出物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
研修に関連した提出物の提出を催促する提出物催促支援システムであって、
研修ごとに、提出物の内容や提出期限などの提出物情報を記憶した提出物情報データベースと、
研修の受講者ごとに、当該研修に関する提出物の提出状況や過去の研修に関する提出物の提出状況などの提出履歴と、当該受講者の連絡先とを記憶した受講者情報データベースと、
前記提出物情報データベースの提出物情報と前記受講者情報データベースの提出履歴とに基づいて催促の要否を判断し、催促を要する受講者に対して、前記提出物情報と提出履歴とに基づく催促情報を、当該受講者の連絡先に送信する催促手段と、
を備えることを特徴とする提出物催促支援システム。
【請求項2】
前記受講者のスケジュールや在席状況などの業務情報を記憶した業務情報データベースを備え、
前記催促手段は、前記提出物情報と提出履歴と業務情報とに基づく催促情報を、前記受講者の連絡先に送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の提出物催促支援システム。
【請求項3】
前記受講者情報データベースに、前記受講者の上司や同僚などの受講者関係者の連絡先を記憶し、
前記催促手段は、前記催促情報を、前記催促を要する受講者の受講者関係者の連絡先に送信する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の提出物催促支援システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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