説明

揚重装置

【課題】敷地内に設置でき且つ作業範囲が広い揚重装置を提供する。
【解決手段】第一、第二の走行トロリ7,8に搭載した第一、第二の走行ドラム5,6に対する第一、第二の前進用走行索5a,6a及び第一、第二の後退用走行索5b,6bの繰り出し長さを増減させることにより、第一、第二の桁1,2の長手方向への第一、第二の走行トロリ7,8の位置を調整し、更に、第一の走行トロリ7に搭載した横行ドラム3に対する第一、第二の横行索3a,3bの繰り出し長さを増減させることにより、第一、第二の走行トロリ7,8の間におけるフックブロック10の位置を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は揚重装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
10〜15階建て程度の集合住宅やオフィスビルなどの中規模建物の鉄骨を構築する際には、基礎工事が完了した後にホィールクレーンを招請し、該ホィールクレーンによって複数の柱を立設し、これらの柱に大梁を組み付け、更に、鉄骨の最上部に低床式クレーンを載せ、小梁、外装材などの部材の揚重作業を前記低床式クレーンによって行う場合と、基礎工事が完了した後に敷地内の鉄骨構築範囲(鉄骨を構築する場所)の手前側にタワークレーンを設置し、複数の柱の立設、これらの柱に対する大梁を組み付け、小梁、外装材などの部材の揚重作業を前記タワークレーンによって行う場合とがある。
【0003】
ホィールクレーンに関する先行技術情報としては下記の特許文献1が、タワークレーンに関する先行技術情報としては下記の特許文献2がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−208959号公報
【特許文献2】特開2008−162749号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
市街地における上記中規模建物の新築工事の大半は既存の建物の間で行われ、しかも、間口に対して奥行が深い敷地形状である事例が多い。
【0006】
特許文献1のホィールクレーンを用いて鉄骨を構築する場合には、敷地に隣接する道路の走行車線規制、あるいは通行止めなどの通行制限を要請して、前記道路上にホィールクレーンの駐車場所を確保しなければならず、余裕を持った作業時間を確保することが難しい。
【0007】
敷地内の鉄骨構築範囲の手前側に特許文献2のタワークレーンを設置して鉄骨を構築する場合には、ブーム長を上記形状の敷地の奥行に応じて設定するが、ブームを旋回させるのに際して、隣地上の空中をブーム、吊具、及び吊荷が通過しないように、ブームを起立させる必要があるので、作業を効率良く行うことができない。
【0008】
本発明は上述した実情に鑑みてしたもので、敷地内に設置でき且つ作業範囲が広い揚重装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の揚重装置は、
二本の柱によって支持される第一の桁と、
二本の柱によって支持され且つ前記第一の桁に相対する第二の桁と、
順方向に回転するときに第一の横行索を巻き取るとともに第二の横行索を繰り出し且つ逆方向に回転するときに前記第一の横行索を繰り出すとともに前記第二の横行索を巻き取る横行ドラムと、
順方向に回転するときに巻上索を巻き取り且つ逆方向に回転するときに前記巻上索を繰り出す巻上ドラムと、
前記横行ドラムを搭載し且つ第一の桁上を往復移動可能な第一の走行トロリと、
前記巻上ドラムを搭載し且つ第二の桁上を往復移動可能な第二の走行トロリと、
該第二の走行トロリに枢支した転向用シープと、
前記第一、第二の桁の間に配置され且つ案内用シープを枢支した横行トロリと、
フックブロックとを備え、
前記横行ドラムから繰り出した第一の横行索を横行トロリに係合させ、
前記横行ドラムから繰り出した第二の横行索を転向用シープに巻き掛けたうえ、横行トロリに係合させ、
前記巻上ドラムから繰り出した巻上索を案内用シープに巻き掛けたうえ、フックブロックに係合させている。
【0010】
請求項2に記載の揚重装置は、
第一の走行トロリが第一の桁上を転動可能な車輪を装備し、
第二の走行トロリが第二の桁上を転動可能な車輪を装備している。
【0011】
請求項3に記載の揚重装置は、
順方向に回転するときに第一の前進用走行索を巻き取るとともに第一の後退用走行索を繰り出し且つ逆方向に回転するときに前記第一の前進用走行索を繰り出すとともに前記第一の後退用走行索を巻き取る第一の走行ドラムを、第一の走行トロリに搭載し、
順方向に回転するときに第二の前進用走行索を巻き取るとともに第二の後退用走行索を繰り出し且つ逆方向に回転するときに前記第二の前進用走行索を繰り出すとともに前記第二の後退用走行索を巻き取る第二の走行ドラムを、第二の走行トロリに搭載し、
前記第一の前進用走行索を第一の桁の一端部、または当該第一の桁の一端側の柱に係合させるとともに、前記第一の後退用走行索を第一の桁の他端部、または当該第一の桁の他端側の柱に係合させ、
前記第二の前進用走行索を第二の桁の一端部、または当該第二の桁の一端側の柱に係合させるとともに、前記第二の後退用走行索を第二の桁の他端部、または当該第二の桁の他端側の柱に係合させている。
【発明の効果】
【0012】
本発明の揚重装置によれば、下記のような優れた作用効果を奏し得る。
【0013】
(1)請求項1〜3に記載の揚重装置のいずれにおいても、揚重装置の構成要素である第一、第二の桁、横行ドラム、巻上ドラム、第一、第二の走行ドラム、第一、第二の走行トロリ、横行トロリ、及びフックブロックが、第一、第二の桁を支持する四本の柱を結ぶ線分により囲まれる平面的に閉じた空間の外方に突出しないので、揚重作業を前記空間内で完結することができる。
【0014】
(2)請求項1〜3に記載の揚重装置のいずれにおいても、第一、第二の桁の長手方向へ移動可能な第一、第二の走行トロリに位置を調整し、横行ドラムに対する第一、第二の横行索の繰り出し長さを増減させて、第一、第二の走行トロリの間におけるフックブロックの位置を調整するので、敷地内の鉄骨構築範囲の全域にわたってフックブロックを移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の揚重装置の一例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施例を図面に基づき説明する。
【0017】
図1は本発明の揚重装置の一例を示すもので、第一、第二の桁1,2と、横行ドラム3と、巻上ドラム4と、第一、第二の走行ドラム5,6と、第一、第二の走行トロリ7,8と、横行トロリ9と、フックブロック10とを備えている。
【0018】
第一の桁1は、新築すべき建物の幅方向に延び、敷地内の鉄骨構築範囲の手前側に位置している。この第一の桁1の一端部は柱1aに支持され、第一の桁1の他端部は柱1bに支持されている。
【0019】
第二の桁2は、前記第一の桁1に相対するように平行に延び、敷地内の鉄骨構築範囲の奥側に位置している。この第二の桁2の一端部は柱2aに支持され、第二の桁2の他端部は柱2bに支持されている。
【0020】
つまり、上記柱1a,1b,2a,2bは、鉄骨構築範囲を取り囲むように、敷地内の四隅に立設されている。
【0021】
横行ドラム3には、第一の横行索3aと第二の横行索3bとが周方向に逆回りに巻き付けられている。この横行ドラム3は、電動モータ(図示せず)によって前記第一の桁1の長手方向に延びる軸を中心に駆動される。
【0022】
横行ドラム3が順方向に回転するときには、前記第一の横行索3aを巻き取るとともに前記第二の横行索3bを繰り出し、横行ドラム3が逆方向に回転するときには、前記第一の横行索3aを繰り出すとともに前記第二の横行索3bを巻き取るようになっている。
【0023】
巻上ドラム4には、巻上索4aが巻き付けられている。この巻上ドラム4は、電動モータ(図示せず)によって前記第二の桁2の長手方向に延びる軸を中心に駆動される。
【0024】
巻上ドラム4が順方向に回転するときには、前記巻上索4aを巻き取り、巻上ドラム4が逆方向に回転するときには、前記巻上索4aを繰り出すようになっている。
【0025】
第一の走行ドラム5には、第一の前進用走行索5aと第一の後退用横行索5bとが周方向に逆回りに巻き付けられている。この第一の走行ドラム5は、電動モータ(図示せず)によって前記第一の桁1の長手方向に対して水平に直交する軸を中心に駆動される。
【0026】
第一の走行ドラム5が順方向に回転するときには、前記第一の前進用走行索5aを巻き取るとともに第一の後退用走行索5bを繰り出し、第一の走行ドラム5が逆方向に回転するときには、前記第一の前進用走行索5aを繰り出すとともに前記第一の後退用走行索5bを巻き取るようになっている。
【0027】
第二の走行ドラム6には、第二の前進用走行索6aと第二の後退用走行索6bとが周方向に逆回りに巻き付けられている。この第二の走行ドラム6は、電動モータ(図示せず)によって前記第二の桁2の長手方向に対して水平に直交する軸を中心に駆動される。
【0028】
第二の走行ドラム6が順方向に回転するときには、前記第二の前進用走行索6aを巻き取るとともに第二の後退用走行索6bを繰り出し、第二の走行ドラム6が逆方向に回転するときには、前記第二の前進用走行索6aを繰り出すとともに前記第二の後退用走行索6bを巻き取るようになっている。
【0029】
第一の走行トロリ7は、その前後端部に枢支されて前記第一の桁1の上面を転動可能な走行用の車輪7aと、該車輪7aごとに第一の桁1を幅方向に挟持して前記第一の桁1の側面を転動可能な左右の転倒防止用の車輪(図示せず)を有している。
【0030】
第一の走行トロリ7には、先に述べた横行ドラム3と第一の走行ドラム5とが搭載されている。この第一の走行ドラム5に巻き付けられた第一の前進用走行索5aの繰り出し端は、第一の桁1の一端側の柱1aに係止され、同第一の走行ドラム5に巻き付けられた第一の後退用走行索5bの繰り出し端は、第一の桁1の他端部の柱1bに係止されている。なお、第一の前進用走行索5aを第一の桁1の一端部に係止し、第一の後退用走行索5bの繰り出し端を第一の桁1の他端部に係止するようにしてもよい。
【0031】
第二の走行トロリ8は、その前後端部に枢支されて前記第二の桁2の上面を転動可能な走行用の車輪8aと、該車輪8aごとに第二の桁2を幅方向に挟持して前記第二の桁2の側面を転動可能な一対の転倒防止用の車輪(図示せず)と、前記第二の桁2の長手方向に延びる軸を中心に回転可能な転向用シーブ8bを有している。
【0032】
第二の走行トロリ8には、先に述べた巻上ドラム4と第二の走行ドラム6とが搭載されている。この第二の走行ドラム6に巻き付けられた第二の前進用走行索6aの繰り出し端は、第二の桁2の一端側の柱2aに係止され、同第二の走行ドラム6に巻き付けられた第二の後退用走行索6bの繰り出し端は、第二の桁2の他端部の柱2bに係止されている。なお、第二の前進用走行索6aを第二の桁2の一端部に係止し、第二の後退用走行索6bの繰り出し端を第二の桁2の他端部に係止するようにしてもよい。
【0033】
横行トロリ9は、第一、第二の桁1,2の間に配置されている。横行トロリ9の第一の桁1側の端部には、該第一の桁1の長手方向に延びる軸を中心に回転可能な横行用シーブ9a、及び案内用シーブ9bが枢支され、横行トロリ9の第二の桁2側の端部には、該第二の桁2の長手方向に延びる軸を中心に回転可能な横行用シーブ9c、及び案内用シーブ9dが枢支されている。
【0034】
フックブロック10は、案内用シーブ9b,9dの回転中心軸と平行な軸を中心に回転可能な昇降用シーブ10aと、吊荷が係合可能なフック10bとを有している。
【0035】
横行ドラム3に巻き取られ、また同横行ドラム3から繰り出される第一の横行索3aは、横行トロリ9の横行用シーブ9aに巻き掛けられ、繰り出し端が第一の走行トロリ7に係止されている。
【0036】
横行ドラム3から繰り出され、また同横行ドラム3に巻き取られる第一の横行索3bは、第二の走行トロリ8の転向用シーブ8b、横行トロリ9の横行用シーブ9cに巻き掛けられ、繰り出し端が第二の走行トロリ8に係止されている。
【0037】
巻上ドラム4に巻き取られ、また同巻上ドラム4から繰り出される巻上索4aは、横行トロリ9の案内用シーブ9b、フックブロック10の昇降用シーブ10a、横行トロリ9の案内用シーブ9dに巻き掛けられ、繰り出し端が第一の走行トロリ7に係止されている。
【0038】
図1に示す揚重装置において、フックブロック10を第一、第二の桁1,2の長手方向の一端側へ向けて移動させる場合には、第一、第二の走行ドラム5,6を順方向に回転させ、第一、第二の前進用走行索5a,6aを第一、第二の走行ドラム5,6に巻き取って第一、第二の前進用走行索5a,6aの繰り出し長さを縮めるとともに、第一、第二の後退用走行索5b,6bを第一、第二の走行ドラム5,6から繰り出して第一、第二の後退用走行索5b,6bの繰り出し長さを延ばす。第一、第二の走行トロリ7,8は第一、第二の桁1,2の一端側に向けて移動し、これに追従してフックブロック10も第一、第二の桁1,2の一端側に向けて移動する。
【0039】
反対に、フックブロック10を第一、第二の桁1,2の長手方向他端側へ向けて移動させる場合には第一、第二の走行ドラム5,6を逆方向に回転させ、第一、第二の前進用走行索5a,6aを第一、第二の走行ドラム5,6から繰り出して第一、第二の前進用走行索5a,6aの繰り出し長さを延ばすとともに、第一、第二の後退用走行索5b,6bを第一、第二の走行ドラム5,6に巻き取って第一、第二の後退用走行索5b,6bの繰り出し長さを縮める。第一、第二の走行トロリ7,8は第一、第二の桁1,2の他端側に向けて移動し、これに追従してフックブロック10も第一、第二の桁1,2の他端側に向けて移動する。
【0040】
図1に示す揚重装置において、フックブロック10を第二の桁2側から第一の桁1側へ向けて移動させる場合には、横行ドラム3を順方向に回転させ、第一の横行索3aを横行ドラム3に巻き取って第一の横行索3aの繰り出し長さを縮めるとともに、第二の横行索3bを横行ドラム3から繰り出して第二の横行索3bの繰り出し長さを延ばす。横行用シーブ9aは第一の走行トロリ7側に近づき、横行用シーブ9cは第二の走行トロリ8から離れ、フックブロック10が第一の桁1に向けて移動する。
【0041】
反対に、フックブロック10を第一の桁1側から第二の桁2側へ向けて移動させる場合には、横行ドラム3を逆方向に回転させ、第一の横行索3aを横行ドラム3から繰り出して第一の横行索3aの繰り出し長さを延ばすとともに、第二の横行索3bを横行ドラム3に巻き取って第二の横行索3bの繰り出し長さを縮める。横行用シーブ9cは第二の走行トロリ8側に近づき、横行用シーブ9aは第一の走行トロリ7から離れ、フックブロック10が第二の桁2に向けて移動する。
【0042】
図1に示す揚重装置において、フックブロック10を上昇させる場合には、巻上ドラム4を順方向に回転させ、巻上索4aを巻上ドラム4に巻き取って巻上索4aの繰り出し長さを縮める。昇降用シーブ10aは横行トロリ9に近づき、フックブロック10が上昇する。
【0043】
反対に、フックブロック10を下降させる場合には、巻上ドラム4を逆方向に回転させ、巻上索4aを巻上ドラム4から繰り出して巻上索4aの繰り出し長さを延ばす。昇降用シーブ10aは横行トロリ9から離れ、フックブロック10が下降する。
【0044】
図1に示す揚重装置では、揚重装置の構成要素である第一、第二の桁1,2、横行ドラム3、巻上ドラム4、第一、第二の走行ドラム5,6、第一、第二の走行トロリ7,8、横行トロリ9、及びフックブロック10が、敷地内の四隅に立設した柱1a,1b,2b,2aを結ぶ線分により囲まれる平面的に閉じた空間の外方に突出しないので、揚重作業を敷地内で完結することができる。
【0045】
第一、第二の走行ドラム5,6に対する第一、第二の前進用走行索5a,6a及び第一、第二の後退用走行索5b,6bの繰り出し長さを増減させて、第一、第二の桁1,2の長手方向への第一、第二の走行トロリ7,8に位置を調整し、横行ドラム3に対する第一、第二の横行索3a,3bの繰り出し長さを増減させて、第一、第二の走行トロリ7,8の間におけるフックブロック10の位置を調整するので、該フックブロック10を敷地の鉄骨構築範囲の全域にわたって移動させることができる。
【0046】
揚重作業中の第一、第二の走行トロリ7,8の上下方向位置は、第一、第二の桁1,2の剛性が高いため、著しく変化することはないが、揚重作業中の横行トロリ9の上下方向位置は、第一、第二の横行索3a,3bの延びの影響を受けて下がるが、このとき、巻上ドラム4に巻上索4aを巻き取ることによりフックブロック10を上昇させれば、吊荷を所定の高さに位置させることができる。
【0047】
図1では、第一、第二の走行トロリ7,8と横行トロリ9との間における第一、第二の横行索3a,3bを2条掛けとしているが、シーブを増設して第一、第二の横行索3a,3bを4条掛け、あるいは6条掛けとしてもよい。
【0048】
第一、第二の桁1,2を支持する柱1a,1b,2a,2bを、クライミングクレーンのポストと同様に部材を上方へ接続延長する様式とし、柱1a,1b,2a,2bの伸長に応じて第一、第二の桁1,2を上方に迫り上げるようにしてもよい。
【0049】
また、第一、第二の桁1,2を支持する柱1a,1b,2a,2bを、建屋内の四隅に立設し、第一、第二の桁1,2上を移動可能な第一、第二の走行トロリ7,8に、前述の横行ドラム3、巻上ドラム4、及び第一、第二の走行ドラム5,6を搭載し、横行トロリ9とフックブロック10とを組み合わせれば、天井クレーンと同等の機能を発揮することができる。
【0050】
なお、本発明の揚重装置は、上述した実施例のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0051】
1 第一の桁
1a 柱
1b 柱
2 第二の桁
2a 柱
2b 柱
3 横行ドラム
3a 第一の横行索
3b 第二の横行索
4 巻上ドラム
4a 巻上索
5 第一の走行ドラム
5a 第一の前進用走行索
5b 第一の後退用走行索
6 第二の走行ドラム
6a 第二の前進用走行索
6b 第二の後退用走行索
7 第一の走行トロリ
7a 車輪
8 第二の走行トロリ
8a 車輪
8b 転向用シーブ
9 横行トロリ
9b 案内用シーブ
9d 案内用シーブ
10 フックブロック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二本の柱によって支持される第一の桁と、
二本の柱によって支持され且つ前記第一の桁に相対する第二の桁と、
順方向に回転するときに第一の横行索を巻き取るとともに第二の横行索を繰り出し且つ逆方向に回転するときに前記第一の横行索を繰り出すとともに前記第二の横行索を巻き取る横行ドラムと、
順方向に回転するときに巻上索を巻き取り且つ逆方向に回転するときに前記巻上索を繰り出す巻上ドラムと、
前記横行ドラムを搭載し且つ第一の桁上を往復移動可能な第一の走行トロリと、
前記巻上ドラムを搭載し且つ第二の桁上を往復移動可能な第二の走行トロリと、
該第二の走行トロリに枢支した転向用シープと、
前記第一、第二の桁の間に配置され且つ案内用シープを枢支した横行トロリと、
フックブロックとを備え、
前記横行ドラムから繰り出した第一の横行索を横行トロリに係合させ、
前記横行ドラムから繰り出した第二の横行索を転向用シープに巻き掛けたうえ、横行トロリに係合させ、
前記巻上ドラムから繰り出した巻上索を案内用シープに巻き掛けたうえ、フックブロックに係合させたことを特徴とする揚重装置。
【請求項2】
第一の走行トロリが第一の桁上を転動可能な車輪を装備し、
第二の走行トロリが第二の桁上を転動可能な車輪を装備した請求項1に記載の揚重装置。
【請求項3】
順方向に回転するときに第一の前進用走行索を巻き取るとともに第一の後退用走行索を繰り出し且つ逆方向に回転するときに前記第一の前進用走行索を繰り出すとともに前記第一の後退用走行索を巻き取る第一の走行ドラムを、第一の走行トロリに搭載し、
順方向に回転するときに第二の前進用走行索を巻き取るとともに第二の後退用走行索を繰り出し且つ逆方向に回転するときに前記第二の前進用走行索を繰り出すとともに前記第二の後退用走行索を巻き取る第二の走行ドラムを、第二の走行トロリに搭載し、
前記第一の前進用走行索を第一の桁の一端部、または当該第一の桁の一端側の柱に係合させるとともに、前記第一の後退用走行索を第一の桁の他端部、または当該第一の桁の他端側の柱に係合させ、
前記第二の前進用走行索を第二の桁の一端部、または当該第二の桁の一端側の柱に係合させるとともに、前記第二の後退用走行索を第二の桁の他端部、または当該第二の桁の他端側の柱に係合させた請求項1あるいは請求項2のいずれかに記載の揚重装置。

【図1】
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