換気システム
【課題】換気効率を高めるとともに、快適な空調を維持し、設備を省力化する。
【解決手段】所定の運転モードにおいて給気ダクト4を通じて空調機3からの調和空気を供給するとともに、排気ダクト5を通じて室内空気を外部に排気する局所換気装置2と、排気装置7と、排気ダクト5に設けられる局所換気用開閉弁8と、排気装置7に設けられる通常排気用開閉弁9とから構成され、局所換気用開閉弁8を閉状態、通常排気用開閉弁9を開状態とし、前記調和空気を空気吹出口22から吹き出すとともに、排気装置7によって室内空気を外部に排気する通常運転モードと、局所換気用開閉弁8を開状態、通常排気用開閉弁9を閉状態とし、前記調和空気を空気吹出口22から吹き出すと同時に、空気吸込口23から室内空気を吸い込んで外部に排気することにより、空気吸込口23の下空間に空気吸込口23に向かって渦流Tを形成する局所換気モードとに任意に切り替え可能とする。
【解決手段】所定の運転モードにおいて給気ダクト4を通じて空調機3からの調和空気を供給するとともに、排気ダクト5を通じて室内空気を外部に排気する局所換気装置2と、排気装置7と、排気ダクト5に設けられる局所換気用開閉弁8と、排気装置7に設けられる通常排気用開閉弁9とから構成され、局所換気用開閉弁8を閉状態、通常排気用開閉弁9を開状態とし、前記調和空気を空気吹出口22から吹き出すとともに、排気装置7によって室内空気を外部に排気する通常運転モードと、局所換気用開閉弁8を開状態、通常排気用開閉弁9を閉状態とし、前記調和空気を空気吹出口22から吹き出すと同時に、空気吸込口23から室内空気を吸い込んで外部に排気することにより、空気吸込口23の下空間に空気吸込口23に向かって渦流Tを形成する局所換気モードとに任意に切り替え可能とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、局所的な換気を効果的に行うために空気吸込口に向かう渦流の発生機構を備えた換気システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、調理加熱によって発生する熱や汚染空気、タバコの煙など、特定の発生源の空気を局所的に換気する局所換気装置が知られている。この種の換気装置として、例えば下記特許文献1には、給気ダクトからの流入空気が旋回方向に導入される給気チャンバーと、この給気チャンバーの内側に同心状に設けられ、排気ダクトを介して空気を排出する排気チャンバーと、この排気チャンバーと上記給気チャンバーとの間に形成され、上記給気ダクトから導入された空気を旋回状態で流す流路長の長い還流型の通風路と、該還流型の通風路中に設けられ、旋回状態で流れる空気流を整流する整流板と、上記給気チャンバーの下端側開口面に設けられ、旋回流生成ステータを介して旋回方向に空気を吹き出す空気吹出口と、上記排気チャンバーの下端側開口面に設けられ、上記排気チャンバー内に所定局所領域の空気を旋回渦流状態で吸引する空気吸込口とを備えてなる換気装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3327247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の換気装置では、給気ファンから送給される螺旋状の旋回渦流の中央空間に空気吸込口に向かう渦流を形成することにより局所的に汚染空気を換気するものであるため、室内空調用として室内に別途設けられる空調機が稼働中の場合、換気装置の螺旋状の旋回渦流と空調機の給気流とが干渉して対流を生じ、旋回渦流の生成に障害が出て、換気効率が低下するおそれがあった。
【0005】
また、病院などの医療施設においては、患者のおむつ交換などの処置を行う間、臭気が拡散しないように局所換気装置が設置されるケースが増加してきているが、局所換気装置の渦流生成に障害が出ないように、局所換気中は室内空調を停止するなどの措置を講じる場合には、室内の温度変化が生じ、不快感を生じるおそれがあった。
【0006】
さらに、かかる局所換気装置と空調装置とを併設する場合は、それぞれの装置毎にダクトや配管、電源設備が必要となり、設備コストが嵩んでいた。
【0007】
そこで本発明の主たる課題は、換気効率を高めるとともに、快適な空調を維持し、設備を省力化した換気システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、給気ダクトを通じて空調機からの調和空気が供給される給気チャンバと、この給気チャンバの下縁側周囲に設けられ略同一周回方向の斜め下方に向けて空気を吹き出す空気吹出口と、前記給気チャンバの中央部に設けられ、排気ダクトを通じて室内空気を外部に排気する空気吸込口とからなる局所換気装置と、室内空気を外部に排気する排気装置と、前記排気ダクトに設けられる局所換気用開閉弁と、前記排気装置に設けられる通常排気用開閉弁とから構成される換気システムであって、
前記局所換気用開閉弁を閉状態、前記通常排気用開閉弁を開状態とし、前記調和空気を前記空気吹出口から吹き出すとともに、前記排気装置によって室内空気を外部に排気する通常運転モードと、
前記局所換気用開閉弁を開状態、前記通常排気用開閉弁を閉状態とし、前記調和空気を前記空気吹出口から吹き出すと同時に、前記空気吸込口から室内空気を吸い込んで外部に排気することにより、前記空気吸込口の下空間に空気吸込口に向かう渦流を形成する局所換気モードとに任意に切り替え可能としたことを特徴とする換気システムが提供される。
【0009】
上記請求項1記載の発明は、本発明に係る換気システムの第1形態例であり、通常運転モードでは、局所換気装置によって空調機の調和空気が室内に給気され、排気装置によって室内空気が外部に排気される一般的な室内空調及び換気が行われ、局所換気モードでは、同様に局所換気装置によって調和空気が室内に給気されるとともに、排気装置による排気に代えて、局所換気装置の空気吸込口から室内空気を吸い込み外部に排気する換気が行われる。前記局所換気モードでは、前記調和空気を空気吹出口から吹き出すと同時に空気吸込口から室内空気を吸い込むことにより、空気吸込口に向かって連続する渦流が発生する。このように、本発明に係る換気システムでは、空気吹出口からの吹出空気として空調機からの調和空気が使用されるため、別途空調機による室内空調を行う必要がなく、局所換気装置の旋回流と空調機の給気流とが干渉することによって渦流の生成に障害が出て換気効率が低下するというおそれがなくなる。
【0010】
また、局所換気モードにおいても空調機からの調和空気の供給が連続して行われるため、室内の温度変化が抑えられ、不快感を生じることがなくなる。さらに、局所換気装置の給気として空調機の調和空気を使用しているため、ダクトや配管、電源設備が省力化できる。
【0011】
請求項2に係る本発明として、給気ダクトを通じて空調機からの調和空気が供給される給気チャンバと、この給気チャンバの下縁側周囲に設けられ略同一周回方向の斜め下方に向けて空気を吹き出す空気吹出口と、前記給気チャンバの中央部に設けられ、排気ダクトを通じて室内空気を外部に排気する空気吸込口とからなる局所換気装置と、前記空調機からの調和空気を供給する給気装置と、前記給気ダクトに設けられる局所換気用開閉弁と、前記給気装置に設けられる通常給気用開閉弁とから構成される換気システムであって、
前記局所換気用開閉弁を閉状態、前記通常給気用開閉弁を開状態とし、前記調和空気を前記給気装置から吹き出すとともに、前記空気吸込口から室内空気を吸い込んで外部に排気する通常運転モードと、
前記局所換気用開閉弁を開状態、前記通常給気用開閉弁を閉状態とし、前記調和空気を前記空気吹出口から吹き出すと同時に、前記空気吸込口から室内空気を吸い込んで外部に排気することにより、前記空気吸込口の下空間に空気吸込口に向かう渦流を形成する局所換気モードとに任意に切り替え可能としたことを特徴とする換気システムが提供される。
【0012】
上記請求項2記載の発明は、本発明に係る換気システムの第2形態例である。本第2形態例では、上記第1形態例に係る換気システムと比較して、給気及び排気の流路構成が異なっている。すなわち、通常運転モードでは、給気装置によって空調機の調和空気が室内に給気され、局所換気装置によって室内空気が外部に排気される一方、局所換気モードでは、給気装置による給気に代えて、局所換気装置によって空調機の調和空気が室内に給気されるとともに、局所換気装置の空気吸込口から室内空気を吸い込み外部に排気する換気が行われる。
【発明の効果】
【0013】
以上詳説のとおり本発明によれば、換気効率を高めるとともに、快適な空調を維持し、設備を省力化した換気システムが提供できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る換気システム1を配置した室内の外観図である。
【図2】第1形態例に係る換気システム1Aによる通常運転モードの流路構成図である。
【図3】第1形態例に係る換気システム1Aによる局所換気モードの流路構成図である。
【図4】第2形態例に係る換気システム1Bによる通常運転モードの流路構成図である。
【図5】第2形態例に係る換気システム1Bによる局所換気モードの流路構成図である。
【図6】局所換気装置2の上面図である。
【図7】そのVII−VII線矢視図である。
【図8】局所換気装置2の下面図である。
【図9】局所換気装置2の側面図である。
【図10】空気吹出口22部分の拡大図である。
【図11】給気用ガイド36の給気の流れを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。本発明に係る換気システム1は、例えば図1に示されるように、病院などの医療施設において、病室の各ベッド上方にそれぞれ局所換気装置2を設け、ベッド上で患者のおむつ交換などの処置を行う間、そのベッドに対応する局所換気装置2から旋回流Nを吹き出すと同時に室内空気を吸い込むことによって局所換気装置2の下空間に局所換気装置2に向かう渦流Tを形成し、排泄物などの臭気を室内に拡散させないよう個別的な局所換気を行うためのものである。他方、本換気システム1は、従来より使用されている調理加熱器具の使用時に発生する熱や汚染空気の換気用、タバコの煙の排煙用としても同様に使用することができる。
【0016】
〔第1形態例に係る換気システム1A〕
本換気システム1Aについて、図2及び図3に基づいて詳述する。図2及び図3は、図1に示されるように対象室に複数設けられる局所換気装置2の内、1つの局所換気装置2の部分を抜き出した流路構成図である。
【0017】
本換気システム1Aは、図2及び図3に示されるように、所定の運転モードにおいて給気ダクト4を通じて空調機3からの調和空気を供給するとともに、排気ダクト5を通じて室内空気を外部に排気する局所換気装置2と、排気ダクト6を通じて室内空気を外部に排気する排気装置7と、前記局所換気装置2の排気ダクト5に設けられる局所換気用開閉弁8と、前記排気装置7の排気ダクト6に設けられる通常排気用開閉弁9と、前記排気ダクト5、6の下流側に設けられる排気ファン10と、この排気ファン10の前段に設けられるフィルター11とから主に構成されるものである。図示例では、前記排気ダクト5、6が前記開閉弁8、9の後段で合流する構成とされ、この合流した排気ダクトの部分に前記排気ファン10及びフィルター11が設けられている。
【0018】
前記局所換気装置2は、給気ダクト4を通じて空調機3からの調和空気が供給される給気チャンバ21と、この給気チャンバ21の下縁側周囲に設けられ略同一周回方向の斜め下方に向けて空気を吹き出す空気吹出口22と、前記給気チャンバ21の中央部に設けられ、前記排気ダクト5を通じて室内空気を外部に排気する空気吸込口23とから主に構成されている。この局所換気装置2については、後段で詳説する。
【0019】
そして本換気システム1Aの運転においては、図2に示されるように、局所換気用開閉弁8を閉状態、通常排気用開閉弁9を開状態とし、前記調和空気を空気吹出口22から吹き出すとともに、排気装置7によって室内空気を外部に排気する通常運転モードと、図3に示されるように、局所換気用開閉弁8を開状態、通常排気用開閉弁9を閉状態とし、前記調和空気を空気吹出口22から吹き出すと同時に、空気吸込口23から室内空気を吸い込んで外部に排気することにより、空気吸込口23の下空間に空気吸込口23に向かう渦流を形成する局所換気モードとに任意に切り替え可能となっている。この運転モードの切り換えは、図示しない切換スイッチによって局所換気用開閉弁8及び通常排気用開閉弁9の開閉状態を切り換えることにより任意のタイミングで行われるようになっている。
【0020】
前記通常運転モードでは、局所換気装置2によって空調機3の調和空気が室内に給気され、排気装置7によって室内空気が外部に排気されるので、一般的な室内空調及び換気が行われる。
【0021】
一方、前記局所換気モードでは、排気装置7による排気が停止され、局所換気装置2の空気吸込口23から室内空気を吸い込み外部に排気する換気が行われる。このように、局所換気装置2において、前記調和空気を空気吹出口22から吹き出すと同時に、空気吸込口23から室内空気を吸い込んで外部に排気することにより、図3に示されるように、前記空気吹出口22からの吹出空気により旋回流Nが発生して遠心力が生じ、かつ前記空気吸込口23からの吸込みにより空気吸込口23の下空間であって前記旋回流Nの中央部に負圧が形成され、空気吸込口23に向かって連続する渦流Tが発生する。このため、局所換気装置2の下空間において局所的な換気が効率よく行われるようになる。
【0022】
このように本換気システムでは、空気吹出口22からの吹出空気として空調機3からの調和空気を使用しているため、別途空調機による室内空調を行う必要がなく、旋回流Nと空調機の給気流とが干渉することによって渦流Tの生成に障害が出て、換気効率が低下するというおそれもなくなる。また、局所換気モードにおいても空調機3からの調和空気の供給が連続して行われるため、室内の温度変化が抑えられ、不快感を生じることがなくなる。さらに、局所換気装置2の給気として空調機3の調和空気を使用しているため、ダクトや配管、電源設備が省力化できる。
【0023】
〔第2形態例に係る換気システム1B〕
第2形態例に係る換気システム1Bは、上記第1形態例に係る換気システム1Aと比較して、給気及び排気の流路構成が異なっている。具体的には、図4及び図5に示されるように、前記局所換気装置2と、給気ダクト13を通じて空調機3からの調和空気を室内に供給する給気装置12と、前記局所換気装置2の給気ダクト4に設けられる局所換気用開閉弁14と、前記給気装置12の給気ダクト13に設けられる通常給気用開閉弁15と、前記排気ダクト5の下流側に設けられる排気ファン10及びフィルター11とから主に構成されるものである。
【0024】
そして本換気システム1Bの運転では、図4に示されるように、局所換気用開閉弁14を閉状態、通常給気用開閉弁15を開状態とし、前記調和空気を給気装置12から吹き出すとともに、空気吸込口23から室内空気を吸い込んで外部に排気する通常運転モードと、図5に示されるように、局所換気用開閉弁14を開状態、通常給気用開閉弁15を閉状態とし、前記調和空気を空気吹出口22から吹き出すと同時に、空気吸込口23の下空間に空気吸込口23に向かって渦流を形成する局所換気モードとに任意に切り替え可能となっている。
【0025】
本形態例では、通常運転モードにおいて給気装置12から調和空気が室内に供給されるため、快適な空調が可能となる。
【0026】
〔局所換気装置2〕
次に、前記局所換気装置2について図6〜図11に基づいて詳説する。
【0027】
局所換気装置2は、図6〜図9に示されるように、略円筒状の外周部接線方向から接続する給気ダクト4を通じて円周方向に空調機3の調和空気が供給される給気チャンバ21を形成するケーシング30と、このケーシング30の下縁側周囲にほぼ周回するスリット状の空気吹出口22を形成するとともに、その中央部に円形状の開口である空気吸込口23が形成された略円盤状の下プレート31と、この下プレート31の中央部に形成された前記空気吸込口23を覆う網目状のネットカバー32と、前記給気チャンバ21の中央部に設けられるとともに、前記排気ダクト5が接続され、前記空気吸込口23から吸い込まれた室内空気と給気チャンバ21内の空気とを区画する隔壁33とから主に構成されている。また、図示例では局所換気装置2が天井埋込型とされるため、前記ケーシング30の下端外縁から外側に延在して天井材との隙間を覆うフェース板30aが備えられている。
【0028】
前記空気吹出口22は、図10に示されるように、ケーシング30の下端部内縁と下プレート31の外周縁との間にスリット状の隙間を形成するように、前記下プレート31がケーシング30に取付けられることによって設けられている。図示例では、ケーシング30の下端内縁からL字形に屈曲する取付金具34、34…によって下プレート31が円周方向に4箇所に亘って固定されている。
【0029】
ここで、図10に示されるように、前記下プレート31は、前記ケーシング30の下端縁より若干上部側位置に固定されることにより、前記空気吹出口22及び空気吸込口23の外周に、前記ケーシング30の下端部が下方に突出した段差が設けられている。これにより、空気吹出口22からの吹出流及び空気吸込口23への吸込流の拡散が抑制できるようになっている。
【0030】
一方、前記空気吹出口22からの調和空気が略同一円周方向の斜め下方に向けた吹出流となるように、前記給気チャンバ21内に仕切板35及び複数の給気用ガイド36、36…が配設されている。具体的には、図11に示されるように、給気チャンバ21内が前記仕切板35によって、給気ダクト4から空気が供給される領域と、空気吹出口22によって空気を吹き出す領域とに上下に仕切られ、空気が供給される領域には、供給された空気の同一周回方向に開口部を有するとともに、続けて斜め下方に向けた流路が形成された給気用ガイド36が設けられている。そして、前記給気用ガイド36の流路先端部の前記仕切板35に貫通口が設けられることにより、空気吹出口22から略同一周回方向の斜め下方に向けた空気が吹き出されるようになっている。
【0031】
〔他の形態例〕
(1)上記形態例では、空気吹出口22は給気チャンバ21の下縁側周囲にスリット状に設けられるようにしたが、吹出ノズルを周方向に間隔を空けて複数配設するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0032】
1・1A・1B…換気システム、2…局所換気装置、3…空調機、4…給気ダクト、5・6…排気ダクト、7…排気装置、8…局所換気用開閉弁、9…通常排気用開閉弁、10…排気ファン、11…フィルター、21…給気チャンバ、22…空気吹出口、23…空気吸込口、30…ケーシング、31…下プレート、32…ネットカバー、33…隔壁、34…取付金具、35…仕切板、36…給気用ガイド
【技術分野】
【0001】
本発明は、局所的な換気を効果的に行うために空気吸込口に向かう渦流の発生機構を備えた換気システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、調理加熱によって発生する熱や汚染空気、タバコの煙など、特定の発生源の空気を局所的に換気する局所換気装置が知られている。この種の換気装置として、例えば下記特許文献1には、給気ダクトからの流入空気が旋回方向に導入される給気チャンバーと、この給気チャンバーの内側に同心状に設けられ、排気ダクトを介して空気を排出する排気チャンバーと、この排気チャンバーと上記給気チャンバーとの間に形成され、上記給気ダクトから導入された空気を旋回状態で流す流路長の長い還流型の通風路と、該還流型の通風路中に設けられ、旋回状態で流れる空気流を整流する整流板と、上記給気チャンバーの下端側開口面に設けられ、旋回流生成ステータを介して旋回方向に空気を吹き出す空気吹出口と、上記排気チャンバーの下端側開口面に設けられ、上記排気チャンバー内に所定局所領域の空気を旋回渦流状態で吸引する空気吸込口とを備えてなる換気装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3327247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の換気装置では、給気ファンから送給される螺旋状の旋回渦流の中央空間に空気吸込口に向かう渦流を形成することにより局所的に汚染空気を換気するものであるため、室内空調用として室内に別途設けられる空調機が稼働中の場合、換気装置の螺旋状の旋回渦流と空調機の給気流とが干渉して対流を生じ、旋回渦流の生成に障害が出て、換気効率が低下するおそれがあった。
【0005】
また、病院などの医療施設においては、患者のおむつ交換などの処置を行う間、臭気が拡散しないように局所換気装置が設置されるケースが増加してきているが、局所換気装置の渦流生成に障害が出ないように、局所換気中は室内空調を停止するなどの措置を講じる場合には、室内の温度変化が生じ、不快感を生じるおそれがあった。
【0006】
さらに、かかる局所換気装置と空調装置とを併設する場合は、それぞれの装置毎にダクトや配管、電源設備が必要となり、設備コストが嵩んでいた。
【0007】
そこで本発明の主たる課題は、換気効率を高めるとともに、快適な空調を維持し、設備を省力化した換気システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、給気ダクトを通じて空調機からの調和空気が供給される給気チャンバと、この給気チャンバの下縁側周囲に設けられ略同一周回方向の斜め下方に向けて空気を吹き出す空気吹出口と、前記給気チャンバの中央部に設けられ、排気ダクトを通じて室内空気を外部に排気する空気吸込口とからなる局所換気装置と、室内空気を外部に排気する排気装置と、前記排気ダクトに設けられる局所換気用開閉弁と、前記排気装置に設けられる通常排気用開閉弁とから構成される換気システムであって、
前記局所換気用開閉弁を閉状態、前記通常排気用開閉弁を開状態とし、前記調和空気を前記空気吹出口から吹き出すとともに、前記排気装置によって室内空気を外部に排気する通常運転モードと、
前記局所換気用開閉弁を開状態、前記通常排気用開閉弁を閉状態とし、前記調和空気を前記空気吹出口から吹き出すと同時に、前記空気吸込口から室内空気を吸い込んで外部に排気することにより、前記空気吸込口の下空間に空気吸込口に向かう渦流を形成する局所換気モードとに任意に切り替え可能としたことを特徴とする換気システムが提供される。
【0009】
上記請求項1記載の発明は、本発明に係る換気システムの第1形態例であり、通常運転モードでは、局所換気装置によって空調機の調和空気が室内に給気され、排気装置によって室内空気が外部に排気される一般的な室内空調及び換気が行われ、局所換気モードでは、同様に局所換気装置によって調和空気が室内に給気されるとともに、排気装置による排気に代えて、局所換気装置の空気吸込口から室内空気を吸い込み外部に排気する換気が行われる。前記局所換気モードでは、前記調和空気を空気吹出口から吹き出すと同時に空気吸込口から室内空気を吸い込むことにより、空気吸込口に向かって連続する渦流が発生する。このように、本発明に係る換気システムでは、空気吹出口からの吹出空気として空調機からの調和空気が使用されるため、別途空調機による室内空調を行う必要がなく、局所換気装置の旋回流と空調機の給気流とが干渉することによって渦流の生成に障害が出て換気効率が低下するというおそれがなくなる。
【0010】
また、局所換気モードにおいても空調機からの調和空気の供給が連続して行われるため、室内の温度変化が抑えられ、不快感を生じることがなくなる。さらに、局所換気装置の給気として空調機の調和空気を使用しているため、ダクトや配管、電源設備が省力化できる。
【0011】
請求項2に係る本発明として、給気ダクトを通じて空調機からの調和空気が供給される給気チャンバと、この給気チャンバの下縁側周囲に設けられ略同一周回方向の斜め下方に向けて空気を吹き出す空気吹出口と、前記給気チャンバの中央部に設けられ、排気ダクトを通じて室内空気を外部に排気する空気吸込口とからなる局所換気装置と、前記空調機からの調和空気を供給する給気装置と、前記給気ダクトに設けられる局所換気用開閉弁と、前記給気装置に設けられる通常給気用開閉弁とから構成される換気システムであって、
前記局所換気用開閉弁を閉状態、前記通常給気用開閉弁を開状態とし、前記調和空気を前記給気装置から吹き出すとともに、前記空気吸込口から室内空気を吸い込んで外部に排気する通常運転モードと、
前記局所換気用開閉弁を開状態、前記通常給気用開閉弁を閉状態とし、前記調和空気を前記空気吹出口から吹き出すと同時に、前記空気吸込口から室内空気を吸い込んで外部に排気することにより、前記空気吸込口の下空間に空気吸込口に向かう渦流を形成する局所換気モードとに任意に切り替え可能としたことを特徴とする換気システムが提供される。
【0012】
上記請求項2記載の発明は、本発明に係る換気システムの第2形態例である。本第2形態例では、上記第1形態例に係る換気システムと比較して、給気及び排気の流路構成が異なっている。すなわち、通常運転モードでは、給気装置によって空調機の調和空気が室内に給気され、局所換気装置によって室内空気が外部に排気される一方、局所換気モードでは、給気装置による給気に代えて、局所換気装置によって空調機の調和空気が室内に給気されるとともに、局所換気装置の空気吸込口から室内空気を吸い込み外部に排気する換気が行われる。
【発明の効果】
【0013】
以上詳説のとおり本発明によれば、換気効率を高めるとともに、快適な空調を維持し、設備を省力化した換気システムが提供できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る換気システム1を配置した室内の外観図である。
【図2】第1形態例に係る換気システム1Aによる通常運転モードの流路構成図である。
【図3】第1形態例に係る換気システム1Aによる局所換気モードの流路構成図である。
【図4】第2形態例に係る換気システム1Bによる通常運転モードの流路構成図である。
【図5】第2形態例に係る換気システム1Bによる局所換気モードの流路構成図である。
【図6】局所換気装置2の上面図である。
【図7】そのVII−VII線矢視図である。
【図8】局所換気装置2の下面図である。
【図9】局所換気装置2の側面図である。
【図10】空気吹出口22部分の拡大図である。
【図11】給気用ガイド36の給気の流れを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。本発明に係る換気システム1は、例えば図1に示されるように、病院などの医療施設において、病室の各ベッド上方にそれぞれ局所換気装置2を設け、ベッド上で患者のおむつ交換などの処置を行う間、そのベッドに対応する局所換気装置2から旋回流Nを吹き出すと同時に室内空気を吸い込むことによって局所換気装置2の下空間に局所換気装置2に向かう渦流Tを形成し、排泄物などの臭気を室内に拡散させないよう個別的な局所換気を行うためのものである。他方、本換気システム1は、従来より使用されている調理加熱器具の使用時に発生する熱や汚染空気の換気用、タバコの煙の排煙用としても同様に使用することができる。
【0016】
〔第1形態例に係る換気システム1A〕
本換気システム1Aについて、図2及び図3に基づいて詳述する。図2及び図3は、図1に示されるように対象室に複数設けられる局所換気装置2の内、1つの局所換気装置2の部分を抜き出した流路構成図である。
【0017】
本換気システム1Aは、図2及び図3に示されるように、所定の運転モードにおいて給気ダクト4を通じて空調機3からの調和空気を供給するとともに、排気ダクト5を通じて室内空気を外部に排気する局所換気装置2と、排気ダクト6を通じて室内空気を外部に排気する排気装置7と、前記局所換気装置2の排気ダクト5に設けられる局所換気用開閉弁8と、前記排気装置7の排気ダクト6に設けられる通常排気用開閉弁9と、前記排気ダクト5、6の下流側に設けられる排気ファン10と、この排気ファン10の前段に設けられるフィルター11とから主に構成されるものである。図示例では、前記排気ダクト5、6が前記開閉弁8、9の後段で合流する構成とされ、この合流した排気ダクトの部分に前記排気ファン10及びフィルター11が設けられている。
【0018】
前記局所換気装置2は、給気ダクト4を通じて空調機3からの調和空気が供給される給気チャンバ21と、この給気チャンバ21の下縁側周囲に設けられ略同一周回方向の斜め下方に向けて空気を吹き出す空気吹出口22と、前記給気チャンバ21の中央部に設けられ、前記排気ダクト5を通じて室内空気を外部に排気する空気吸込口23とから主に構成されている。この局所換気装置2については、後段で詳説する。
【0019】
そして本換気システム1Aの運転においては、図2に示されるように、局所換気用開閉弁8を閉状態、通常排気用開閉弁9を開状態とし、前記調和空気を空気吹出口22から吹き出すとともに、排気装置7によって室内空気を外部に排気する通常運転モードと、図3に示されるように、局所換気用開閉弁8を開状態、通常排気用開閉弁9を閉状態とし、前記調和空気を空気吹出口22から吹き出すと同時に、空気吸込口23から室内空気を吸い込んで外部に排気することにより、空気吸込口23の下空間に空気吸込口23に向かう渦流を形成する局所換気モードとに任意に切り替え可能となっている。この運転モードの切り換えは、図示しない切換スイッチによって局所換気用開閉弁8及び通常排気用開閉弁9の開閉状態を切り換えることにより任意のタイミングで行われるようになっている。
【0020】
前記通常運転モードでは、局所換気装置2によって空調機3の調和空気が室内に給気され、排気装置7によって室内空気が外部に排気されるので、一般的な室内空調及び換気が行われる。
【0021】
一方、前記局所換気モードでは、排気装置7による排気が停止され、局所換気装置2の空気吸込口23から室内空気を吸い込み外部に排気する換気が行われる。このように、局所換気装置2において、前記調和空気を空気吹出口22から吹き出すと同時に、空気吸込口23から室内空気を吸い込んで外部に排気することにより、図3に示されるように、前記空気吹出口22からの吹出空気により旋回流Nが発生して遠心力が生じ、かつ前記空気吸込口23からの吸込みにより空気吸込口23の下空間であって前記旋回流Nの中央部に負圧が形成され、空気吸込口23に向かって連続する渦流Tが発生する。このため、局所換気装置2の下空間において局所的な換気が効率よく行われるようになる。
【0022】
このように本換気システムでは、空気吹出口22からの吹出空気として空調機3からの調和空気を使用しているため、別途空調機による室内空調を行う必要がなく、旋回流Nと空調機の給気流とが干渉することによって渦流Tの生成に障害が出て、換気効率が低下するというおそれもなくなる。また、局所換気モードにおいても空調機3からの調和空気の供給が連続して行われるため、室内の温度変化が抑えられ、不快感を生じることがなくなる。さらに、局所換気装置2の給気として空調機3の調和空気を使用しているため、ダクトや配管、電源設備が省力化できる。
【0023】
〔第2形態例に係る換気システム1B〕
第2形態例に係る換気システム1Bは、上記第1形態例に係る換気システム1Aと比較して、給気及び排気の流路構成が異なっている。具体的には、図4及び図5に示されるように、前記局所換気装置2と、給気ダクト13を通じて空調機3からの調和空気を室内に供給する給気装置12と、前記局所換気装置2の給気ダクト4に設けられる局所換気用開閉弁14と、前記給気装置12の給気ダクト13に設けられる通常給気用開閉弁15と、前記排気ダクト5の下流側に設けられる排気ファン10及びフィルター11とから主に構成されるものである。
【0024】
そして本換気システム1Bの運転では、図4に示されるように、局所換気用開閉弁14を閉状態、通常給気用開閉弁15を開状態とし、前記調和空気を給気装置12から吹き出すとともに、空気吸込口23から室内空気を吸い込んで外部に排気する通常運転モードと、図5に示されるように、局所換気用開閉弁14を開状態、通常給気用開閉弁15を閉状態とし、前記調和空気を空気吹出口22から吹き出すと同時に、空気吸込口23の下空間に空気吸込口23に向かって渦流を形成する局所換気モードとに任意に切り替え可能となっている。
【0025】
本形態例では、通常運転モードにおいて給気装置12から調和空気が室内に供給されるため、快適な空調が可能となる。
【0026】
〔局所換気装置2〕
次に、前記局所換気装置2について図6〜図11に基づいて詳説する。
【0027】
局所換気装置2は、図6〜図9に示されるように、略円筒状の外周部接線方向から接続する給気ダクト4を通じて円周方向に空調機3の調和空気が供給される給気チャンバ21を形成するケーシング30と、このケーシング30の下縁側周囲にほぼ周回するスリット状の空気吹出口22を形成するとともに、その中央部に円形状の開口である空気吸込口23が形成された略円盤状の下プレート31と、この下プレート31の中央部に形成された前記空気吸込口23を覆う網目状のネットカバー32と、前記給気チャンバ21の中央部に設けられるとともに、前記排気ダクト5が接続され、前記空気吸込口23から吸い込まれた室内空気と給気チャンバ21内の空気とを区画する隔壁33とから主に構成されている。また、図示例では局所換気装置2が天井埋込型とされるため、前記ケーシング30の下端外縁から外側に延在して天井材との隙間を覆うフェース板30aが備えられている。
【0028】
前記空気吹出口22は、図10に示されるように、ケーシング30の下端部内縁と下プレート31の外周縁との間にスリット状の隙間を形成するように、前記下プレート31がケーシング30に取付けられることによって設けられている。図示例では、ケーシング30の下端内縁からL字形に屈曲する取付金具34、34…によって下プレート31が円周方向に4箇所に亘って固定されている。
【0029】
ここで、図10に示されるように、前記下プレート31は、前記ケーシング30の下端縁より若干上部側位置に固定されることにより、前記空気吹出口22及び空気吸込口23の外周に、前記ケーシング30の下端部が下方に突出した段差が設けられている。これにより、空気吹出口22からの吹出流及び空気吸込口23への吸込流の拡散が抑制できるようになっている。
【0030】
一方、前記空気吹出口22からの調和空気が略同一円周方向の斜め下方に向けた吹出流となるように、前記給気チャンバ21内に仕切板35及び複数の給気用ガイド36、36…が配設されている。具体的には、図11に示されるように、給気チャンバ21内が前記仕切板35によって、給気ダクト4から空気が供給される領域と、空気吹出口22によって空気を吹き出す領域とに上下に仕切られ、空気が供給される領域には、供給された空気の同一周回方向に開口部を有するとともに、続けて斜め下方に向けた流路が形成された給気用ガイド36が設けられている。そして、前記給気用ガイド36の流路先端部の前記仕切板35に貫通口が設けられることにより、空気吹出口22から略同一周回方向の斜め下方に向けた空気が吹き出されるようになっている。
【0031】
〔他の形態例〕
(1)上記形態例では、空気吹出口22は給気チャンバ21の下縁側周囲にスリット状に設けられるようにしたが、吹出ノズルを周方向に間隔を空けて複数配設するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0032】
1・1A・1B…換気システム、2…局所換気装置、3…空調機、4…給気ダクト、5・6…排気ダクト、7…排気装置、8…局所換気用開閉弁、9…通常排気用開閉弁、10…排気ファン、11…フィルター、21…給気チャンバ、22…空気吹出口、23…空気吸込口、30…ケーシング、31…下プレート、32…ネットカバー、33…隔壁、34…取付金具、35…仕切板、36…給気用ガイド
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給気ダクトを通じて空調機からの調和空気が供給される給気チャンバと、この給気チャンバの下縁側周囲に設けられ略同一周回方向の斜め下方に向けて空気を吹き出す空気吹出口と、前記給気チャンバの中央部に設けられ、排気ダクトを通じて室内空気を外部に排気する空気吸込口とからなる局所換気装置と、室内空気を外部に排気する排気装置と、前記排気ダクトに設けられる局所換気用開閉弁と、前記排気装置に設けられる通常排気用開閉弁とから構成される換気システムであって、
前記局所換気用開閉弁を閉状態、前記通常排気用開閉弁を開状態とし、前記調和空気を前記空気吹出口から吹き出すとともに、前記排気装置によって室内空気を外部に排気する通常運転モードと、
前記局所換気用開閉弁を開状態、前記通常排気用開閉弁を閉状態とし、前記調和空気を前記空気吹出口から吹き出すと同時に、前記空気吸込口から室内空気を吸い込んで外部に排気することにより、前記空気吸込口の下空間に空気吸込口に向かう渦流を形成する局所換気モードとに任意に切り替え可能としたことを特徴とする換気システム。
【請求項2】
給気ダクトを通じて空調機からの調和空気が供給される給気チャンバと、この給気チャンバの下縁側周囲に設けられ略同一周回方向の斜め下方に向けて空気を吹き出す空気吹出口と、前記給気チャンバの中央部に設けられ、排気ダクトを通じて室内空気を外部に排気する空気吸込口とからなる局所換気装置と、前記空調機からの調和空気を供給する給気装置と、前記給気ダクトに設けられる局所換気用開閉弁と、前記給気装置に設けられる通常給気用開閉弁とから構成される換気システムであって、
前記局所換気用開閉弁を閉状態、前記通常給気用開閉弁を開状態とし、前記調和空気を前記給気装置から吹き出すとともに、前記空気吸込口から室内空気を吸い込んで外部に排気する通常運転モードと、
前記局所換気用開閉弁を開状態、前記通常給気用開閉弁を閉状態とし、前記調和空気を前記空気吹出口から吹き出すと同時に、前記空気吸込口から室内空気を吸い込んで外部に排気することにより、前記空気吸込口の下空間に空気吸込口に向かう渦流を形成する局所換気モードとに任意に切り替え可能としたことを特徴とする換気システム。
【請求項1】
給気ダクトを通じて空調機からの調和空気が供給される給気チャンバと、この給気チャンバの下縁側周囲に設けられ略同一周回方向の斜め下方に向けて空気を吹き出す空気吹出口と、前記給気チャンバの中央部に設けられ、排気ダクトを通じて室内空気を外部に排気する空気吸込口とからなる局所換気装置と、室内空気を外部に排気する排気装置と、前記排気ダクトに設けられる局所換気用開閉弁と、前記排気装置に設けられる通常排気用開閉弁とから構成される換気システムであって、
前記局所換気用開閉弁を閉状態、前記通常排気用開閉弁を開状態とし、前記調和空気を前記空気吹出口から吹き出すとともに、前記排気装置によって室内空気を外部に排気する通常運転モードと、
前記局所換気用開閉弁を開状態、前記通常排気用開閉弁を閉状態とし、前記調和空気を前記空気吹出口から吹き出すと同時に、前記空気吸込口から室内空気を吸い込んで外部に排気することにより、前記空気吸込口の下空間に空気吸込口に向かう渦流を形成する局所換気モードとに任意に切り替え可能としたことを特徴とする換気システム。
【請求項2】
給気ダクトを通じて空調機からの調和空気が供給される給気チャンバと、この給気チャンバの下縁側周囲に設けられ略同一周回方向の斜め下方に向けて空気を吹き出す空気吹出口と、前記給気チャンバの中央部に設けられ、排気ダクトを通じて室内空気を外部に排気する空気吸込口とからなる局所換気装置と、前記空調機からの調和空気を供給する給気装置と、前記給気ダクトに設けられる局所換気用開閉弁と、前記給気装置に設けられる通常給気用開閉弁とから構成される換気システムであって、
前記局所換気用開閉弁を閉状態、前記通常給気用開閉弁を開状態とし、前記調和空気を前記給気装置から吹き出すとともに、前記空気吸込口から室内空気を吸い込んで外部に排気する通常運転モードと、
前記局所換気用開閉弁を開状態、前記通常給気用開閉弁を閉状態とし、前記調和空気を前記空気吹出口から吹き出すと同時に、前記空気吸込口から室内空気を吸い込んで外部に排気することにより、前記空気吸込口の下空間に空気吸込口に向かう渦流を形成する局所換気モードとに任意に切り替え可能としたことを特徴とする換気システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−12932(P2011−12932A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−159706(P2009−159706)
【出願日】平成21年7月6日(2009.7.6)
【出願人】(591224869)クリフ株式会社 (8)
【出願人】(598169011)有限会社 隆計画 (2)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月6日(2009.7.6)
【出願人】(591224869)クリフ株式会社 (8)
【出願人】(598169011)有限会社 隆計画 (2)
[ Back to top ]