揺動型運動装置
【課題】揺動運動中における骨盤底筋の筋活動を意識させることが可能な揺動型運動装置を提供する。
【解決手段】使用者の骨盤底筋Kの筋活動を計測する骨盤底筋センサ21と、この骨盤底筋センサ21による計測情報を使用者に報知する表示部15aとが備えられる。骨盤底筋センサ21は、使用者の膣に挿入して使用され、座部13の上面13aには、座部13の揺動運動中における骨盤底筋センサ21との干渉をさけるべく、座部13の幅方向内側部位が凹形状をなす溝部20が形成される。
【解決手段】使用者の骨盤底筋Kの筋活動を計測する骨盤底筋センサ21と、この骨盤底筋センサ21による計測情報を使用者に報知する表示部15aとが備えられる。骨盤底筋センサ21は、使用者の膣に挿入して使用され、座部13の上面13aには、座部13の揺動運動中における骨盤底筋センサ21との干渉をさけるべく、座部13の幅方向内側部位が凹形状をなす溝部20が形成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、座部を揺動運動させることで使用者に運動負荷を付与する揺動型運動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
揺動型運動装置においては、例えば特許文献1にて示されるように、座部が所定パターンで揺動運動し、その座部に着座した使用者に乗馬を模した運動負荷等が付与されるように構成されるものがある。また、この揺動型運動装置では、座部の左右両側に膨縮動作可能なエアバッグが設けられており、このエアバッグを前記揺動運動と連動させて膨縮動作させることで、使用者の大腿部(内腿)を中心とした脚部の鍛錬や股関節の柔軟性向上のための運動を行うことができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−344683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、高齢者や出産後の女性においては尿失禁等の症状が多く見られ、骨盤の中の膀胱や子宮を支えている骨盤底筋を鍛えることが尿失禁の症状を緩和できることが知られている。しかしながら、上記の揺動型運動装置では骨盤底筋の筋活動を使用者に対して意識させることが難しく骨盤底筋を効果的に鍛えることが難しい。このため揺動運動中において使用者に対して骨盤底筋の筋活動を意識させることが可能な揺動型運動装置の開発が望まれている。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、揺動運動中における骨盤底筋の筋活動を意識させることが可能な揺動型運動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、使用者が着座可能な座部と、該座部を揺動運動させる運動機構とを備えた揺動型運動装置にであって、前記使用者の骨盤底筋の筋活動を計測する骨盤底筋計測手段と、該骨盤底筋計測手段による計測情報を使用者に報知する報知手段とを備えたことをその要旨とする。
【0007】
この発明では、使用者の骨盤底筋の筋活動を計測する骨盤底筋計測手段と、この骨盤底筋計測手段による計測情報を使用者に報知する報知手段とが備えられる。このような構成とすることで、骨盤底筋の筋活動の計測情報を使用者に対して報知することができるため、骨盤底筋の筋活動を意識させることができる。これにより、骨盤底筋を効果的に鍛えることが可能となる。また、筋活動の計測情報を報知することで、使用者の運動に対するモチベーションの維持や向上に寄与することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の揺動型運動装置において、前記報知手段は、前記骨盤底筋計測手段による前記計測情報が所定の閾値以上であれば報知することをその要旨とする。
【0009】
この発明では、骨盤底筋計測手段による計測情報が所定の閾値以上であれば報知手段により使用者に対して報知される。このような構成とすることで、骨盤底筋の筋活動が高い時に報知することが可能となるため、使用者に対して骨盤底筋の筋活動を意識するタイミングを知らせて効果的な骨盤底筋の鍛錬を行うことができ、尿失禁の症状の緩和させることが可能となる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の揺動型運動装置において、前記報知手段は、前記座部の揺動運動時に前記計測情報を常時報知することをその要旨とする。
この発明では、座部の揺動運動時において骨盤底筋計測手段による計測情報が報知手段により常時報知される。このような構成とすることで、使用者に対してリアルタイムに骨盤底筋の筋活動の状態を報知することができる。このため、使用者のモチベーションの維持や向上に寄与することができる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の揺動型運動装置において、前記骨盤底筋計測手段による前記計測情報を履歴情報として複数記憶可能な計測情報記憶手段を備え、前記報知手段は前記計測情報記憶手段により記憶された前記履歴情報を報知可能に構成されたことをその要旨とする。
【0012】
この発明では、骨盤底筋計測手段による計測情報を履歴情報として複数記憶可能な計測情報記憶手段が備えられ、計測情報記憶手段により記憶された履歴情報が報知手段により報知可能に構成される。このように、履歴情報を報知することで、現時点までどの程度骨盤底筋の訓練を行ったか使用者に報知することができ、使用者のモチベーションの維持や向上に寄与することができる。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の揺動型運動装置において、前記報知手段は、前記運動機構による前記座部の揺動運動終了後に該揺動運動の計測情報及び前記履歴情報を報知することをその要旨とする。
【0014】
この発明では、揺動運動終了後に、この揺動運動の計測情報と、計測情報記憶手段に記憶された履歴情報とが報知手段により報知される。このように新しい計測情報と、履歴情報つまり過去の計測情報とを報知することで、使用者に対してこれまでの運動の成果を知らせることができ、使用者のモチベーションの維持や向上に寄与できる。また、運動の内容と尿失禁との関連性を知ることができる。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載の揺動型運動装置において、前記使用者の排尿に関する情報を入力可能な入力手段と、前記入力手段により入力された入力情報を記憶する入力情報記憶手段とを備え、前記報知手段は、前記計測情報記憶手段の前記履歴情報と前記入力情報記憶手段の前記入力情報とを対応させて報知することをその要旨とする。
【0016】
この発明では、使用者の尿失禁回数などの排尿に関する情報を入力可能な入力手段と、入力手段により入力された入力情報を記憶する入力情報記憶手段とが備えられる。計測情報記憶手段の履歴情報と入力情報記憶手段に記憶された入力情報とが対応されて報知手段により報知される。このように、排尿に関する情報と履歴情報とを例えば日時に基づいて対応させることで、使用者は運動による尿失禁の緩和を容易に知ることができ、モチベーションの維持や向上に寄与することができる。
【0017】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の揺動型運動装置において、前記座部の揺動運動の際に前記骨盤底筋以外に作用する筋肉の筋活動状態及び前記使用者の姿勢状態の少なくとも一方の状態情報を検出する使用者状態検出手段を少なくとも1つ備え、前記報知手段は、前記骨盤底筋計測手段による計測情報と前記使用者状態検出手段により検出された使用者の状態情報とを同時に表示して報知を行うことをその要旨とする。
【0018】
この発明では、座部の揺動運動の際に骨盤底筋以外に作用する筋肉の筋活動状態及び使用者の姿勢状体の少なくとも一方の状態情報を検出する使用者状態検出手段が少なくとも1つ備えられる。骨盤底筋計測手段による計測情報と使用者状態検出手段による使用者の状態情報とが報知手段により同時に表示されることで使用者に対して報知が行われる。このような構成とすることで、使用者に対して骨盤底筋を含む2つ以上の筋肉に対して意識させることや、骨盤底筋と運動姿勢を意識させることができ、より効果的に筋力アップを図ることが可能となる。
【0019】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の揺動型運動装置において、前記骨盤底筋計測手段は、前記使用者の膣若しくは肛門内に挿入して使用されるものであり、前記座部の上面は、その幅方向内側部位が凹形状をなすよう形成されたことをその要旨とする。
【0020】
この発明では、骨盤底筋計測手段は、使用者の膣若しくは肛門内に挿入して使用され、座部の上面は、その幅方向内側部位が凹形状をなすよう形成される。このような構成とすることで、膣や肛門内に挿入される骨盤底筋計測手段が座部の揺動運動時において座部と接触することを抑えることができ、快適な運動を行いつつ骨盤底筋の筋活動を計測することが可能となる。
【0021】
請求項9に記載の発明は、前記骨盤底筋計測手段は、前記使用者の膣若しくは肛門内に挿入して使用されるとともに骨盤底筋の筋活動を計測する計測本体部と、該計測本体部から出力される前記計測情報を無線により送信する送信部と、該送信部から送信される前記計測情報を受信する受信部とを有し、前記報知手段は、前記受信部にて得られた前記計測情報を使用者に報知することをその要旨とする。
【0022】
この発明では、骨盤底筋計測手段は、使用者の膣若しくは肛門内に挿入して使用されるとともに骨盤底筋の筋活動を計測する計測本体部と、この計測本体部から出力される計測情報を無線により送信する送信部と、この送信部から送信される計測情報を受信する受信部とが備えられる。受信部にて得られた計測情報が報知手段により使用者に報知される。ここで、使用者の膣若しくは肛門内に使用される計測本体部からの計測情報の信号を有線にて送信する場合と比較すると、本構成のように無線により信号を送信することで、着座した使用者の身体と座部との間にリード線等の部材を省略することができるため、リード線が使用者の身体に接触することで違和感を与えるといったことを抑えて快適な運動を行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、揺動運動中における骨盤底筋の筋活動を意識させることが可能な揺動型運動装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】(a)は本実施形態における揺動型運動装置の斜視図であり、(b)は揺動型運動装置の側面図であり、(c)は座部の断面図である。
【図2】骨盤底筋センサの使用例について説明するための説明図である。
【図3】揺動型運動装置の電気的構成を説明するためのブロック図である。
【図4】操作部について説明するための上面図である。
【図5】別例における骨盤底筋センサについて説明するためのブロック図である。
【図6】(a)(b)は、別例における筋活動量と失禁回数について説明するための説明図である。
【図7】別例における操作部について説明するための上面図である。
【図8】別例における圧力センサについて説明するための説明図である。
【図9】各種センサにおける一動作例について説明するための説明図である。
【図10】別例における座部について説明するための説明図である。
【図11】別例における座部について説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1(a)(b)は、本実施形態の揺動型運動装置の概略構成を示し、図1(c)は座部の断面を示す。揺動型運動装置10は、床面に設置される基台11に揺動駆動装置12を介して座部13が揺動可能に組み付けられ、モータを駆動源とした揺動駆動装置12の駆動に基づいて、座部13が前後方向及び左右方向の揺動を組み合わせた例えば乗馬を模した揺動パターンを含む各種の揺動パターンにて揺動するものである。
【0026】
揺動型運動装置10には、座部13に跨って着座した使用者が把持する手綱14と使用者が操作する操作部15とが座部13の上面13a前部に設けられている。操作部15には揺動型運動装置10の状態表示や後述する骨盤底筋センサ21等の各センサからの運動レベルが表示される表示部15aと、揺動運動等の一連の動作を開始及び停止させるスタート・ストップスイッチ等のスイッチ部15bが設けられている。そして、使用者によるスイッチ部15bの押圧操作により、操作部15と電気的に接続される制御部23(図3参照)に対して各種制御信号が操作部15から出力されるようになっている。
【0027】
図1(a)〜(c)に示すように座部13の上面13aには、その幅方向(左右方向)内側部位が前後方向にかけて下方向に凹形状を成す溝部20が形成されている。また座部13の溝部20には、使用者の骨盤底筋Kの筋活動(筋電位)を計測する計測手段としての骨盤底筋センサ21が設けられている。尚、骨盤底筋Kとは、図2に示すように尾骨B1と恥骨B2との間においてハンモック状をなし、使用者の膀胱Z等を支える筋である。
【0028】
図2示すように、骨盤底筋センサ21は、リード線22を介して座部13及び基台11内部に収容される制御部23(図3参照)と電気的に接続され、使用者の膣Xに挿入して使用されるものである。尚、膣Xに限らず肛門Y等に挿入しても略同様に骨盤底筋Kの筋活動を測定することが可能である。そして、前記骨盤底筋センサ21にて計測された計測情報は前記制御部23に出力され、この制御部23と電気的に接続されるメモリ24にその計測情報が記憶されるようになっている。そして、揺動駆動装置12による座部13の揺動運動終了時に、制御部23は、その揺動運動の際の骨盤底筋Kの筋活動情報(計測情報)をメモリ24から参照して、操作部15の表示部15aに表示するようになっている。因みに、本実施形態では図4に示すように、操作部15の表示部15aに骨盤底筋の筋活動情報が時間経過に伴って変化する線グラフにより可視化されるようになっている。このように、骨盤底筋Kの筋活動の情報(計測情報)を使用者に対して報知することができるため、使用者に対して骨盤底筋Kの筋活動を意識させることができる。これにより、骨盤底筋Kを効果的に鍛えることが可能となる。また、筋活動の情報(計測情報)を報知することで、例えば、使用者の運動に対するモチベーションの維持や向上に寄与することができる。
【0029】
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)使用者の骨盤底筋Kの筋活動を計測する骨盤底筋センサ21と、この骨盤底筋センサ21による計測情報を使用者に報知する表示部15aとが備えられる。このような構成とすることで、骨盤底筋Kの筋活動の情報(計測情報)を使用者に対して報知することができるため、骨盤底筋Kの筋活動を意識させることができる。これにより、骨盤底筋Kを効果的に鍛えることが可能となる。また、筋活動の情報(計測情報)を報知することで、使用者の運動に対するモチベーションの維持や向上に寄与することができる。
【0030】
(2)骨盤底筋センサ21は、使用者の膣Xに挿入して使用され、座部13の上面13aには、その幅方向内側部位が凹形状をなす溝部20が形成される。このような構成とすることで、膣X内に挿入される骨盤底筋センサ21が座部13の揺動運動時において座部13と接触(干渉)することを抑えることができ、快適な運動を行いつつ骨盤底筋Kの筋活動を計測することが可能となる。
【0031】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、骨盤底筋Kの筋活動情報を揺動運動終了時に時間経過に伴って変化する線グラフにて表示するように構成したが、これに限らない。例えば、表示部15aにおいて棒グラフ等の他の図形や数値で報知したり、図3に破線で示すようにLED30を用いて点灯・点滅制御にて報知したり、スピーカ31やブザー32から音を出力することで報知を行う構成を採用してもよい。尚、骨盤底筋Kの筋活動の強弱はLED30による光の強弱、スピーカ31やブザー32から出力される音の強弱や音の高さ(周波数の違い)によって報知することで対応可能である。尚、スピーカ31やブザー32等を利用して音により使用者に対して骨盤底筋Kの筋活動情報を報知することで、表示部15a等を見る必要が無くなり、容易に報知することができる。
【0032】
・上記実施形態では骨盤底筋Kの筋活動情報を揺動運動終了時に報知する構成としたが、常時(リアルタイムで)報知する構成を採用してもよい。このような構成とすることで、使用者に対してリアルタイムに骨盤底筋Kの筋活動の状態を報知することができるため、使用者のモチベーションの維持や向上に寄与することができる。
【0033】
・上記実施形態では、特に言及していないが、例えば閾値を設定し、骨盤底筋センサ21から得られる計測情報が閾値以上の場合に視覚的な表示や音による報知などを行う構成を採用してもよい。このような構成とすることで、骨盤底筋Kの筋活動が高い時(閾値以上)に報知することが可能となるため、使用者に対して骨盤底筋の筋活動を意識するタイミングを知らせて効果的な骨盤底筋の鍛錬を行うことができ、尿失禁の症状の緩和させることが可能となる。尚、閾値は使用者によって変更可能としてもよく、このような構成とすることで使用者個々の体力や筋力に合った運動を行うことができる。
【0034】
・上記実施形態では、リード線22を介して、つまり有線にて骨盤底筋センサ21が制御部23と電気的に接続される構成としたが、これに限らない。例えば、図5に示すように、センサ本体部21aと、送信部21bと、受信部21cとで骨盤底筋センサ21を構成してもよい。具体的には、使用者の膣Xや肛門Yに挿入されて骨盤底筋Kの筋活動を計測するセンサ本体部21aから送信部21bに対して筋活動の情報(計測情報)を出力する。そして、送信部21bから例えば座部13に設けられる受信部21cに対して無線通信にて前記計測情報を出力し、受信部21cを介して制御部23に前記計測情報が送信される構成である。このように、無線通信を利用してリード線22を省略した構成とすることで、使用者の身体と座部13との間に生じうる違和感の発生を抑えた状態で快適な運動を行うことができる。
【0035】
・上記実施形態では特に言及していないが、例えば、毎回の運動に伴って計測される計測情報を履歴情報として日にちと対応させてメモリ24内に記憶させ、表示部15aにおいてメモリ24に記憶された履歴情報の確認を行えるような構成を採用してもよい。更に例えば、図6(a)に示すように骨盤底筋センサ21による計測情報を例えば日毎に積算してその積算した計測情報を例えば揺動運動終了後に表示することで、これまでの骨盤底筋の筋活動量を使用者に報知することができ、使用者のモチベーションの維持や向上に寄与することができる。尚、例えば骨盤底筋センサ21を使用した運動を実施しない場合には、制御部23により適宜メモリ24内の積算した計測情報をリセットする構成を採用してもよい。
【0036】
・上記実施形態では特に言及していないが、例えば図7に示すように操作部15に使用者の排尿に関する情報である尿失禁の回数を入力可能な入力スイッチ15c,15dを設け、この入力スイッチ15c,15dにて入力される尿失禁の回数をメモリ24にて記憶するよう構成してもよい。このような構成において、例えば図6(a)(b)に示すように骨盤底筋の例えば各日の筋活動量(履歴情報)を表示部15aに表示するとともに、各日毎に尿失禁の回数を表示部15aに表示することで、骨盤底筋の筋活動量と尿失禁の関連性を知ることができ、使用者に対して運動の効果を容易に報知することができる。
【0037】
・上記実施形態では特に言及していないが、骨盤底筋センサ21に加えて例えば図8に示すように揺動運動の際に骨盤底筋以外の筋肉に作用する筋活動状態及び使用者の運動姿勢状態の少なくとも一方を検出する各種センサ40〜42を設ける構成を採用してもよい。例えば、座部13の上面13aに圧力センサ40を前後左右に複数(図8では前後の圧力センサ40のみ図示)設けることで、使用者による座部13の圧分布を計測して使用者の体重移動を検出することで使用者の運動姿勢状態を検出する構成を採用してもよい。また、座部13における使用者の左右の両内股が接する部位に圧力センサ41を設け、使用者の脚部による挟み込み力を検出する構成を採用してもよい。また、座部13の左右両側に吊り下げ配置される鐙43の足掛け部44の上面44aに圧力センサ42を設け、使用者の足部による踏み込み力を検出する構成を採用してもよい。また、上記圧力センサ40〜42以外のセンサを用いた構成や、上記圧力センサ40〜42の内の2つ以上を用いた構成を採用してもよい。
【0038】
また、上記各種センサ40〜42の内の例えば鐙43の踏み込み力を検出する圧力センサ42と、座部13の圧分布を検出する圧力センサ40と、前記骨盤底筋センサ21とを用い、図9に示すように各種センサ21,40,42による各計測値を同時に表示部15aに表示するように構成してもよい。このような構成とすることで、例えばどの筋肉に作用しているのか報知することができ、その際に例えば使用者が知ることで筋肉に対して意識が届き、より好適な筋力アップ等の運動効果を作用させることが可能となる。
【0039】
・上記実施形態では、座部13の上面13aに溝部20を形成したが、溝部20を省略した構成を採用してもよい。
・上記実施形態では特に言及していないが、骨盤底筋の筋活動を計測しない場合には、例えば図10又は図11に示すように座部13の上面13a全体を覆うクッションカバー部材50,51を設け、溝部20による揺動運動時の違和感を抑える構成を採用してもよい。また、図10及び図11に示すようにクッションカバー部材50,51の下面50a,51aに前記座部13の溝部20と嵌合される凸部50b,51bを設けることで、座部13の揺動運動においてクッションカバー部材50,51のズレを抑えることができる。また、図11に示すようにクッションカバー部材51の左右両端から下方に突出する突出部51cにて座部13側面13bを覆うことで、クッションカバー部材51のズレをより抑えることが可能となる。
【符号の説明】
【0040】
10…揺動型運動装置、12…揺動駆動装置(運動機構)、13…座部、13a…上面、15a…表示部(報知手段)、15c,15d…入力スイッチ(入力手段)、21…骨盤底筋センサ(骨盤底筋計測手段)、21a…センサ本体部(計測本体部)、21b…送信部、21c…受信部、24…メモリ(計測情報記憶手段及び入力情報記憶手段)、30…LED(報知手段)、31…スピーカ(報知手段)、32…ブザー(報知手段)、40〜42…圧力センサ(使用者状態検出手段)、K…骨盤底筋、X…膣、Y…肛門。
【技術分野】
【0001】
本発明は、座部を揺動運動させることで使用者に運動負荷を付与する揺動型運動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
揺動型運動装置においては、例えば特許文献1にて示されるように、座部が所定パターンで揺動運動し、その座部に着座した使用者に乗馬を模した運動負荷等が付与されるように構成されるものがある。また、この揺動型運動装置では、座部の左右両側に膨縮動作可能なエアバッグが設けられており、このエアバッグを前記揺動運動と連動させて膨縮動作させることで、使用者の大腿部(内腿)を中心とした脚部の鍛錬や股関節の柔軟性向上のための運動を行うことができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−344683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、高齢者や出産後の女性においては尿失禁等の症状が多く見られ、骨盤の中の膀胱や子宮を支えている骨盤底筋を鍛えることが尿失禁の症状を緩和できることが知られている。しかしながら、上記の揺動型運動装置では骨盤底筋の筋活動を使用者に対して意識させることが難しく骨盤底筋を効果的に鍛えることが難しい。このため揺動運動中において使用者に対して骨盤底筋の筋活動を意識させることが可能な揺動型運動装置の開発が望まれている。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、揺動運動中における骨盤底筋の筋活動を意識させることが可能な揺動型運動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、使用者が着座可能な座部と、該座部を揺動運動させる運動機構とを備えた揺動型運動装置にであって、前記使用者の骨盤底筋の筋活動を計測する骨盤底筋計測手段と、該骨盤底筋計測手段による計測情報を使用者に報知する報知手段とを備えたことをその要旨とする。
【0007】
この発明では、使用者の骨盤底筋の筋活動を計測する骨盤底筋計測手段と、この骨盤底筋計測手段による計測情報を使用者に報知する報知手段とが備えられる。このような構成とすることで、骨盤底筋の筋活動の計測情報を使用者に対して報知することができるため、骨盤底筋の筋活動を意識させることができる。これにより、骨盤底筋を効果的に鍛えることが可能となる。また、筋活動の計測情報を報知することで、使用者の運動に対するモチベーションの維持や向上に寄与することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の揺動型運動装置において、前記報知手段は、前記骨盤底筋計測手段による前記計測情報が所定の閾値以上であれば報知することをその要旨とする。
【0009】
この発明では、骨盤底筋計測手段による計測情報が所定の閾値以上であれば報知手段により使用者に対して報知される。このような構成とすることで、骨盤底筋の筋活動が高い時に報知することが可能となるため、使用者に対して骨盤底筋の筋活動を意識するタイミングを知らせて効果的な骨盤底筋の鍛錬を行うことができ、尿失禁の症状の緩和させることが可能となる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の揺動型運動装置において、前記報知手段は、前記座部の揺動運動時に前記計測情報を常時報知することをその要旨とする。
この発明では、座部の揺動運動時において骨盤底筋計測手段による計測情報が報知手段により常時報知される。このような構成とすることで、使用者に対してリアルタイムに骨盤底筋の筋活動の状態を報知することができる。このため、使用者のモチベーションの維持や向上に寄与することができる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の揺動型運動装置において、前記骨盤底筋計測手段による前記計測情報を履歴情報として複数記憶可能な計測情報記憶手段を備え、前記報知手段は前記計測情報記憶手段により記憶された前記履歴情報を報知可能に構成されたことをその要旨とする。
【0012】
この発明では、骨盤底筋計測手段による計測情報を履歴情報として複数記憶可能な計測情報記憶手段が備えられ、計測情報記憶手段により記憶された履歴情報が報知手段により報知可能に構成される。このように、履歴情報を報知することで、現時点までどの程度骨盤底筋の訓練を行ったか使用者に報知することができ、使用者のモチベーションの維持や向上に寄与することができる。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の揺動型運動装置において、前記報知手段は、前記運動機構による前記座部の揺動運動終了後に該揺動運動の計測情報及び前記履歴情報を報知することをその要旨とする。
【0014】
この発明では、揺動運動終了後に、この揺動運動の計測情報と、計測情報記憶手段に記憶された履歴情報とが報知手段により報知される。このように新しい計測情報と、履歴情報つまり過去の計測情報とを報知することで、使用者に対してこれまでの運動の成果を知らせることができ、使用者のモチベーションの維持や向上に寄与できる。また、運動の内容と尿失禁との関連性を知ることができる。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載の揺動型運動装置において、前記使用者の排尿に関する情報を入力可能な入力手段と、前記入力手段により入力された入力情報を記憶する入力情報記憶手段とを備え、前記報知手段は、前記計測情報記憶手段の前記履歴情報と前記入力情報記憶手段の前記入力情報とを対応させて報知することをその要旨とする。
【0016】
この発明では、使用者の尿失禁回数などの排尿に関する情報を入力可能な入力手段と、入力手段により入力された入力情報を記憶する入力情報記憶手段とが備えられる。計測情報記憶手段の履歴情報と入力情報記憶手段に記憶された入力情報とが対応されて報知手段により報知される。このように、排尿に関する情報と履歴情報とを例えば日時に基づいて対応させることで、使用者は運動による尿失禁の緩和を容易に知ることができ、モチベーションの維持や向上に寄与することができる。
【0017】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の揺動型運動装置において、前記座部の揺動運動の際に前記骨盤底筋以外に作用する筋肉の筋活動状態及び前記使用者の姿勢状態の少なくとも一方の状態情報を検出する使用者状態検出手段を少なくとも1つ備え、前記報知手段は、前記骨盤底筋計測手段による計測情報と前記使用者状態検出手段により検出された使用者の状態情報とを同時に表示して報知を行うことをその要旨とする。
【0018】
この発明では、座部の揺動運動の際に骨盤底筋以外に作用する筋肉の筋活動状態及び使用者の姿勢状体の少なくとも一方の状態情報を検出する使用者状態検出手段が少なくとも1つ備えられる。骨盤底筋計測手段による計測情報と使用者状態検出手段による使用者の状態情報とが報知手段により同時に表示されることで使用者に対して報知が行われる。このような構成とすることで、使用者に対して骨盤底筋を含む2つ以上の筋肉に対して意識させることや、骨盤底筋と運動姿勢を意識させることができ、より効果的に筋力アップを図ることが可能となる。
【0019】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の揺動型運動装置において、前記骨盤底筋計測手段は、前記使用者の膣若しくは肛門内に挿入して使用されるものであり、前記座部の上面は、その幅方向内側部位が凹形状をなすよう形成されたことをその要旨とする。
【0020】
この発明では、骨盤底筋計測手段は、使用者の膣若しくは肛門内に挿入して使用され、座部の上面は、その幅方向内側部位が凹形状をなすよう形成される。このような構成とすることで、膣や肛門内に挿入される骨盤底筋計測手段が座部の揺動運動時において座部と接触することを抑えることができ、快適な運動を行いつつ骨盤底筋の筋活動を計測することが可能となる。
【0021】
請求項9に記載の発明は、前記骨盤底筋計測手段は、前記使用者の膣若しくは肛門内に挿入して使用されるとともに骨盤底筋の筋活動を計測する計測本体部と、該計測本体部から出力される前記計測情報を無線により送信する送信部と、該送信部から送信される前記計測情報を受信する受信部とを有し、前記報知手段は、前記受信部にて得られた前記計測情報を使用者に報知することをその要旨とする。
【0022】
この発明では、骨盤底筋計測手段は、使用者の膣若しくは肛門内に挿入して使用されるとともに骨盤底筋の筋活動を計測する計測本体部と、この計測本体部から出力される計測情報を無線により送信する送信部と、この送信部から送信される計測情報を受信する受信部とが備えられる。受信部にて得られた計測情報が報知手段により使用者に報知される。ここで、使用者の膣若しくは肛門内に使用される計測本体部からの計測情報の信号を有線にて送信する場合と比較すると、本構成のように無線により信号を送信することで、着座した使用者の身体と座部との間にリード線等の部材を省略することができるため、リード線が使用者の身体に接触することで違和感を与えるといったことを抑えて快適な運動を行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、揺動運動中における骨盤底筋の筋活動を意識させることが可能な揺動型運動装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】(a)は本実施形態における揺動型運動装置の斜視図であり、(b)は揺動型運動装置の側面図であり、(c)は座部の断面図である。
【図2】骨盤底筋センサの使用例について説明するための説明図である。
【図3】揺動型運動装置の電気的構成を説明するためのブロック図である。
【図4】操作部について説明するための上面図である。
【図5】別例における骨盤底筋センサについて説明するためのブロック図である。
【図6】(a)(b)は、別例における筋活動量と失禁回数について説明するための説明図である。
【図7】別例における操作部について説明するための上面図である。
【図8】別例における圧力センサについて説明するための説明図である。
【図9】各種センサにおける一動作例について説明するための説明図である。
【図10】別例における座部について説明するための説明図である。
【図11】別例における座部について説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1(a)(b)は、本実施形態の揺動型運動装置の概略構成を示し、図1(c)は座部の断面を示す。揺動型運動装置10は、床面に設置される基台11に揺動駆動装置12を介して座部13が揺動可能に組み付けられ、モータを駆動源とした揺動駆動装置12の駆動に基づいて、座部13が前後方向及び左右方向の揺動を組み合わせた例えば乗馬を模した揺動パターンを含む各種の揺動パターンにて揺動するものである。
【0026】
揺動型運動装置10には、座部13に跨って着座した使用者が把持する手綱14と使用者が操作する操作部15とが座部13の上面13a前部に設けられている。操作部15には揺動型運動装置10の状態表示や後述する骨盤底筋センサ21等の各センサからの運動レベルが表示される表示部15aと、揺動運動等の一連の動作を開始及び停止させるスタート・ストップスイッチ等のスイッチ部15bが設けられている。そして、使用者によるスイッチ部15bの押圧操作により、操作部15と電気的に接続される制御部23(図3参照)に対して各種制御信号が操作部15から出力されるようになっている。
【0027】
図1(a)〜(c)に示すように座部13の上面13aには、その幅方向(左右方向)内側部位が前後方向にかけて下方向に凹形状を成す溝部20が形成されている。また座部13の溝部20には、使用者の骨盤底筋Kの筋活動(筋電位)を計測する計測手段としての骨盤底筋センサ21が設けられている。尚、骨盤底筋Kとは、図2に示すように尾骨B1と恥骨B2との間においてハンモック状をなし、使用者の膀胱Z等を支える筋である。
【0028】
図2示すように、骨盤底筋センサ21は、リード線22を介して座部13及び基台11内部に収容される制御部23(図3参照)と電気的に接続され、使用者の膣Xに挿入して使用されるものである。尚、膣Xに限らず肛門Y等に挿入しても略同様に骨盤底筋Kの筋活動を測定することが可能である。そして、前記骨盤底筋センサ21にて計測された計測情報は前記制御部23に出力され、この制御部23と電気的に接続されるメモリ24にその計測情報が記憶されるようになっている。そして、揺動駆動装置12による座部13の揺動運動終了時に、制御部23は、その揺動運動の際の骨盤底筋Kの筋活動情報(計測情報)をメモリ24から参照して、操作部15の表示部15aに表示するようになっている。因みに、本実施形態では図4に示すように、操作部15の表示部15aに骨盤底筋の筋活動情報が時間経過に伴って変化する線グラフにより可視化されるようになっている。このように、骨盤底筋Kの筋活動の情報(計測情報)を使用者に対して報知することができるため、使用者に対して骨盤底筋Kの筋活動を意識させることができる。これにより、骨盤底筋Kを効果的に鍛えることが可能となる。また、筋活動の情報(計測情報)を報知することで、例えば、使用者の運動に対するモチベーションの維持や向上に寄与することができる。
【0029】
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)使用者の骨盤底筋Kの筋活動を計測する骨盤底筋センサ21と、この骨盤底筋センサ21による計測情報を使用者に報知する表示部15aとが備えられる。このような構成とすることで、骨盤底筋Kの筋活動の情報(計測情報)を使用者に対して報知することができるため、骨盤底筋Kの筋活動を意識させることができる。これにより、骨盤底筋Kを効果的に鍛えることが可能となる。また、筋活動の情報(計測情報)を報知することで、使用者の運動に対するモチベーションの維持や向上に寄与することができる。
【0030】
(2)骨盤底筋センサ21は、使用者の膣Xに挿入して使用され、座部13の上面13aには、その幅方向内側部位が凹形状をなす溝部20が形成される。このような構成とすることで、膣X内に挿入される骨盤底筋センサ21が座部13の揺動運動時において座部13と接触(干渉)することを抑えることができ、快適な運動を行いつつ骨盤底筋Kの筋活動を計測することが可能となる。
【0031】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、骨盤底筋Kの筋活動情報を揺動運動終了時に時間経過に伴って変化する線グラフにて表示するように構成したが、これに限らない。例えば、表示部15aにおいて棒グラフ等の他の図形や数値で報知したり、図3に破線で示すようにLED30を用いて点灯・点滅制御にて報知したり、スピーカ31やブザー32から音を出力することで報知を行う構成を採用してもよい。尚、骨盤底筋Kの筋活動の強弱はLED30による光の強弱、スピーカ31やブザー32から出力される音の強弱や音の高さ(周波数の違い)によって報知することで対応可能である。尚、スピーカ31やブザー32等を利用して音により使用者に対して骨盤底筋Kの筋活動情報を報知することで、表示部15a等を見る必要が無くなり、容易に報知することができる。
【0032】
・上記実施形態では骨盤底筋Kの筋活動情報を揺動運動終了時に報知する構成としたが、常時(リアルタイムで)報知する構成を採用してもよい。このような構成とすることで、使用者に対してリアルタイムに骨盤底筋Kの筋活動の状態を報知することができるため、使用者のモチベーションの維持や向上に寄与することができる。
【0033】
・上記実施形態では、特に言及していないが、例えば閾値を設定し、骨盤底筋センサ21から得られる計測情報が閾値以上の場合に視覚的な表示や音による報知などを行う構成を採用してもよい。このような構成とすることで、骨盤底筋Kの筋活動が高い時(閾値以上)に報知することが可能となるため、使用者に対して骨盤底筋の筋活動を意識するタイミングを知らせて効果的な骨盤底筋の鍛錬を行うことができ、尿失禁の症状の緩和させることが可能となる。尚、閾値は使用者によって変更可能としてもよく、このような構成とすることで使用者個々の体力や筋力に合った運動を行うことができる。
【0034】
・上記実施形態では、リード線22を介して、つまり有線にて骨盤底筋センサ21が制御部23と電気的に接続される構成としたが、これに限らない。例えば、図5に示すように、センサ本体部21aと、送信部21bと、受信部21cとで骨盤底筋センサ21を構成してもよい。具体的には、使用者の膣Xや肛門Yに挿入されて骨盤底筋Kの筋活動を計測するセンサ本体部21aから送信部21bに対して筋活動の情報(計測情報)を出力する。そして、送信部21bから例えば座部13に設けられる受信部21cに対して無線通信にて前記計測情報を出力し、受信部21cを介して制御部23に前記計測情報が送信される構成である。このように、無線通信を利用してリード線22を省略した構成とすることで、使用者の身体と座部13との間に生じうる違和感の発生を抑えた状態で快適な運動を行うことができる。
【0035】
・上記実施形態では特に言及していないが、例えば、毎回の運動に伴って計測される計測情報を履歴情報として日にちと対応させてメモリ24内に記憶させ、表示部15aにおいてメモリ24に記憶された履歴情報の確認を行えるような構成を採用してもよい。更に例えば、図6(a)に示すように骨盤底筋センサ21による計測情報を例えば日毎に積算してその積算した計測情報を例えば揺動運動終了後に表示することで、これまでの骨盤底筋の筋活動量を使用者に報知することができ、使用者のモチベーションの維持や向上に寄与することができる。尚、例えば骨盤底筋センサ21を使用した運動を実施しない場合には、制御部23により適宜メモリ24内の積算した計測情報をリセットする構成を採用してもよい。
【0036】
・上記実施形態では特に言及していないが、例えば図7に示すように操作部15に使用者の排尿に関する情報である尿失禁の回数を入力可能な入力スイッチ15c,15dを設け、この入力スイッチ15c,15dにて入力される尿失禁の回数をメモリ24にて記憶するよう構成してもよい。このような構成において、例えば図6(a)(b)に示すように骨盤底筋の例えば各日の筋活動量(履歴情報)を表示部15aに表示するとともに、各日毎に尿失禁の回数を表示部15aに表示することで、骨盤底筋の筋活動量と尿失禁の関連性を知ることができ、使用者に対して運動の効果を容易に報知することができる。
【0037】
・上記実施形態では特に言及していないが、骨盤底筋センサ21に加えて例えば図8に示すように揺動運動の際に骨盤底筋以外の筋肉に作用する筋活動状態及び使用者の運動姿勢状態の少なくとも一方を検出する各種センサ40〜42を設ける構成を採用してもよい。例えば、座部13の上面13aに圧力センサ40を前後左右に複数(図8では前後の圧力センサ40のみ図示)設けることで、使用者による座部13の圧分布を計測して使用者の体重移動を検出することで使用者の運動姿勢状態を検出する構成を採用してもよい。また、座部13における使用者の左右の両内股が接する部位に圧力センサ41を設け、使用者の脚部による挟み込み力を検出する構成を採用してもよい。また、座部13の左右両側に吊り下げ配置される鐙43の足掛け部44の上面44aに圧力センサ42を設け、使用者の足部による踏み込み力を検出する構成を採用してもよい。また、上記圧力センサ40〜42以外のセンサを用いた構成や、上記圧力センサ40〜42の内の2つ以上を用いた構成を採用してもよい。
【0038】
また、上記各種センサ40〜42の内の例えば鐙43の踏み込み力を検出する圧力センサ42と、座部13の圧分布を検出する圧力センサ40と、前記骨盤底筋センサ21とを用い、図9に示すように各種センサ21,40,42による各計測値を同時に表示部15aに表示するように構成してもよい。このような構成とすることで、例えばどの筋肉に作用しているのか報知することができ、その際に例えば使用者が知ることで筋肉に対して意識が届き、より好適な筋力アップ等の運動効果を作用させることが可能となる。
【0039】
・上記実施形態では、座部13の上面13aに溝部20を形成したが、溝部20を省略した構成を採用してもよい。
・上記実施形態では特に言及していないが、骨盤底筋の筋活動を計測しない場合には、例えば図10又は図11に示すように座部13の上面13a全体を覆うクッションカバー部材50,51を設け、溝部20による揺動運動時の違和感を抑える構成を採用してもよい。また、図10及び図11に示すようにクッションカバー部材50,51の下面50a,51aに前記座部13の溝部20と嵌合される凸部50b,51bを設けることで、座部13の揺動運動においてクッションカバー部材50,51のズレを抑えることができる。また、図11に示すようにクッションカバー部材51の左右両端から下方に突出する突出部51cにて座部13側面13bを覆うことで、クッションカバー部材51のズレをより抑えることが可能となる。
【符号の説明】
【0040】
10…揺動型運動装置、12…揺動駆動装置(運動機構)、13…座部、13a…上面、15a…表示部(報知手段)、15c,15d…入力スイッチ(入力手段)、21…骨盤底筋センサ(骨盤底筋計測手段)、21a…センサ本体部(計測本体部)、21b…送信部、21c…受信部、24…メモリ(計測情報記憶手段及び入力情報記憶手段)、30…LED(報知手段)、31…スピーカ(報知手段)、32…ブザー(報知手段)、40〜42…圧力センサ(使用者状態検出手段)、K…骨盤底筋、X…膣、Y…肛門。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者が着座可能な座部と、該座部を揺動運動させる運動機構とを備えた揺動型運動装置にであって、
前記使用者の骨盤底筋の筋活動を計測する骨盤底筋計測手段と、該骨盤底筋計測手段による計測情報を使用者に報知する報知手段とを備えたことを特徴とする揺動型運動装置。
【請求項2】
請求項1に記載の揺動型運動装置において、
前記報知手段は、前記骨盤底筋計測手段による前記計測情報が所定の閾値以上であれば報知することを特徴とする揺動型運動装置。
【請求項3】
請求項1に記載の揺動型運動装置において、
前記報知手段は、前記座部の揺動運動時に前記計測情報を常時報知することを特徴とする揺動型運動装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の揺動型運動装置において、
前記骨盤底筋計測手段による前記計測情報を履歴情報として複数記憶可能な計測情報記憶手段を備え、
前記報知手段は前記計測情報記憶手段により記憶された前記履歴情報を報知可能に構成されたことを特徴とする揺動型運動装置。
【請求項5】
請求項4に記載の揺動型運動装置において、
前記報知手段は、前記運動機構による前記座部の揺動運動終了後に該揺動運動の計測情報及び前記履歴情報を報知することを特徴とする揺動型運動装置。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の揺動型運動装置において、
前記使用者の排尿に関する情報を入力可能な入力手段と、前記入力手段により入力された入力情報を記憶する入力情報記憶手段とを備え、
前記報知手段は、前記計測情報記憶手段の前記履歴情報と前記入力情報記憶手段の前記入力情報とを対応させて報知することを特徴とする揺動型運動装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の揺動型運動装置において、
前記座部の揺動運動の際に前記骨盤底筋以外に作用する筋肉の筋活動状態及び前記使用者の姿勢状態の少なくとも一方の状態情報を検出する使用者状態検出手段を少なくとも1つ備え、
前記報知手段は、前記骨盤底筋計測手段による計測情報と前記使用者状態検出手段により検出された使用者の状態情報とを同時に表示して報知を行うことを特徴とする揺動型運動装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の揺動型運動装置において、
前記骨盤底筋計測手段は、前記使用者の膣若しくは肛門内に挿入する挿入型センサを用いるものであり、
前記座部の上面は、前記挿入型センサとの干渉抑制するために凹形状をなすよう形成されたことを特徴とする揺動型運動装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の揺動型運動装置において、
前記骨盤底筋計測手段は、前記使用者の膣若しくは肛門内に挿入して使用されるとともに骨盤底筋の筋活動を計測する計測本体部と、該計測本体部から出力される前記計測情報を無線により送信する送信部と、該送信部から送信される前記計測情報を受信する受信部とを有し、
前記報知手段は、前記受信部にて得られた前記計測情報を使用者に報知することを特徴とする揺動型運動装置。
【請求項1】
使用者が着座可能な座部と、該座部を揺動運動させる運動機構とを備えた揺動型運動装置にであって、
前記使用者の骨盤底筋の筋活動を計測する骨盤底筋計測手段と、該骨盤底筋計測手段による計測情報を使用者に報知する報知手段とを備えたことを特徴とする揺動型運動装置。
【請求項2】
請求項1に記載の揺動型運動装置において、
前記報知手段は、前記骨盤底筋計測手段による前記計測情報が所定の閾値以上であれば報知することを特徴とする揺動型運動装置。
【請求項3】
請求項1に記載の揺動型運動装置において、
前記報知手段は、前記座部の揺動運動時に前記計測情報を常時報知することを特徴とする揺動型運動装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の揺動型運動装置において、
前記骨盤底筋計測手段による前記計測情報を履歴情報として複数記憶可能な計測情報記憶手段を備え、
前記報知手段は前記計測情報記憶手段により記憶された前記履歴情報を報知可能に構成されたことを特徴とする揺動型運動装置。
【請求項5】
請求項4に記載の揺動型運動装置において、
前記報知手段は、前記運動機構による前記座部の揺動運動終了後に該揺動運動の計測情報及び前記履歴情報を報知することを特徴とする揺動型運動装置。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の揺動型運動装置において、
前記使用者の排尿に関する情報を入力可能な入力手段と、前記入力手段により入力された入力情報を記憶する入力情報記憶手段とを備え、
前記報知手段は、前記計測情報記憶手段の前記履歴情報と前記入力情報記憶手段の前記入力情報とを対応させて報知することを特徴とする揺動型運動装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の揺動型運動装置において、
前記座部の揺動運動の際に前記骨盤底筋以外に作用する筋肉の筋活動状態及び前記使用者の姿勢状態の少なくとも一方の状態情報を検出する使用者状態検出手段を少なくとも1つ備え、
前記報知手段は、前記骨盤底筋計測手段による計測情報と前記使用者状態検出手段により検出された使用者の状態情報とを同時に表示して報知を行うことを特徴とする揺動型運動装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の揺動型運動装置において、
前記骨盤底筋計測手段は、前記使用者の膣若しくは肛門内に挿入する挿入型センサを用いるものであり、
前記座部の上面は、前記挿入型センサとの干渉抑制するために凹形状をなすよう形成されたことを特徴とする揺動型運動装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の揺動型運動装置において、
前記骨盤底筋計測手段は、前記使用者の膣若しくは肛門内に挿入して使用されるとともに骨盤底筋の筋活動を計測する計測本体部と、該計測本体部から出力される前記計測情報を無線により送信する送信部と、該送信部から送信される前記計測情報を受信する受信部とを有し、
前記報知手段は、前記受信部にて得られた前記計測情報を使用者に報知することを特徴とする揺動型運動装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−130815(P2011−130815A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−290466(P2009−290466)
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
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