説明

揺動玩具

【課題】 電池等の電源を必要とせず、単純な機構の駆動手段を使用することによって、安価で、長時間の揺動運動が得られる揺動玩具を提供すること。
【解決手段】 上部に水溜部を備え、該水溜部の底部に孔が形成された台座と、該台座に揺動自在に設置され、下方にアームが延設され、そのアームの先端に落水受けを有する揺動体とを備え、前記水溜部に蓄えた水を前記孔から前記揺動体の前記落水受けに落下させ、それによって前記揺動体を揺動させるようにしたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、揺動玩具に関するもので、詳しくは、揺動体、例えば花模型と葉模型をそれぞれ揺動自在に配設し、それらを揺動させることによって躍動感のある植木鉢玩具を得ることができる揺動玩具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
揺動玩具としては、揺動体として葉模型を植木鉢(台座)に揺動自在に配設し、それらを駆動手段で揺動させることによって躍動感のある植木鉢玩具を得るようにしたものがある(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1に開示されている植木鉢玩具の駆動手段では、葉模型と台座に磁石をそれぞれ配設し、葉模型を初期停止位置から偏奇させると、その揺動体に働く重力作用と磁石の反発作用との協働によって葉模型を揺動させるようにしている。
【特許文献1】特開2005−152514号公報(図1および図2参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の駆動手段では、駆動手段の要素として永久磁石を使用した場合には、重力(慣性力)と磁力とのバランスをとるための調整が難しく、調整が良好であっても、長時間に亘る揺動運動は得られず、また、駆動手段の要素として電磁石を使用した場合には、電源が必要なばかりでなく、磁励タイミングを合わせる手段が必要になり、装置が複雑になってしまう。
【0005】
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたもので、電池等の電源を必要とせず、単純な機構の駆動手段を使用することによって、安価で、長時間の揺動運動が得られる揺動玩具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の揺動玩具は、上部に水溜部を備え、該水溜部の底部に孔が形成された台座と、該台座に揺動自在に設置され、下方にアームが延設され、該アームの先端に落水受けを有する揺動体とを備え、前記水溜部に蓄えた水を前記孔から前記揺動体の該落水受けに落下させ、それによって前記揺動体を揺動させるようにしたことを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の揺動玩具は、請求項1の発明において、複数の前記揺動体の軸を互いに平行に配置するとともに、それらの軸をリンクによって互いに連結し、一方の軸の回動運度に、他方の軸の回動運動を同期させたことを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の揺動玩具は、請求項1または2の発明において、前記揺動体の軸よりも下方の部位にウェイトを配設したことを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の揺動玩具は、請求項1〜3のいずれかの発明において、前記揺動体を、花模型と、該花模型を挟むようにして左右に配置した葉模型とによって構成したことを特徴とする。これに代えて、揺動体を葉模型のみ又は花模型のみで構成してもよい。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、台座の水溜部に溜めた水によって、揺動体を揺動させるので、駆動手段が単純で安価であり、しかも、水溜部の水が無くなるまでの間は、揺動体の揺動運動が保障されるので、長時間の揺動運動が得られる。
【0011】
請求項2の発明によれば、複数の揺動体が互いに同期して揺動されるので、例えば、左右対称に揺動体が配置されるような場合には、それらの揺動体が同期して揺動するので、見栄えが良くなる。
【0012】
請求項3の発明によれば、ウェイトによって、慣性力が増大するので、滑らかな運動が保障される。
【0013】
請求項4の発明によれば、例えば、左右の揺動体が同期して揺動するので、見栄えのよい揺動玩具が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、本発明に係る揺動玩具を、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明に係る揺動玩具として植木鉢玩具を示した斜視図、図2はその植木鉢玩具の一部を省略して示した分解斜視図、図3は図1におけるA−A線断面図、図4は図1におけるB−B線断面図である。
【0015】
図示した植木鉢玩具(揺動玩具)1は、花模型2を中央にして、左右に葉模型3,3を配置した植木鉢玩具で、それらの花模型2および葉模型3,3を台座4に揺動自在に配設し、それらの花模型2および葉模型3,3を水によって揺動させるものである。
【0016】
台座4は、上部に開口する水溜容器5を備えている。該水溜容器5は、上部に開口する台座本体6に収容され、該台座本体6の上部開口縁に嵌着させることによって、台座本体6に保持される。
【0017】
水溜容器5は、中央に矩形状の孔7を有し、該孔の周縁に周壁8が立設されている。周壁8の相対向する壁には、軸受け9,10,10がそれぞれ形成されている。また、水溜容器5の底壁5aには、3つの細孔11,12,12が後述する位置に形成されている。
一方、花模型2および葉模型3,3は、互いに平行に配置された軸13,14,14にそれぞれ固着され、それらの軸13,14,14の端部は、軸受け9,10,10にそれぞれ嵌挿されている。
【0018】
花模型2および葉模型3,3は、軸13,14,14の下方にアーム15,16,16を備えており、該アーム15,16,16の先端は、軸13,14,14に対してほぼ垂直方向に延びている。そして、それらのアーム15,16,16の先端には、平板状の落水受け17,18,18が形成されている。また、アーム15,16,16には、ウェイト19,20,20がそれぞれ設置されている。
また、葉模型3,3の落水受け18,18は、それぞれの軸14,14から同距離に位置されており、それぞれの軸14,14はリンク機構21によって互いに連結されている。リンク機構21は、一方の軸14に一端が固着され、先端に溝22を備えたリンク21aと、他方の軸14に一端が固着され、先端にピン23を備えたリンク21bとによって構成され、ピン23が溝22に挿嵌されている。
【0019】
また、この植木鉢玩具1では、タンク24を備えている。このタンク24は、水溜容器5から落下した水を受止めて溜めるものである。そして、このタンク24には、台座本体6が収容される。
【0020】
さらに、この植木鉢玩具1では、水溜容器5の開口を覆うカバー25を備えている。このカバー25は、直径方向に2分割され、中央部に孔26を有している。そして、このカバー25は、それぞれを水溜容器5の開口にねじ止めし、水溜容器5の孔7を覆う。この状態では、水溜容器5とカバー25との間に環状の隙間が形成される。そして、その隙間から水溜容器5内に水を注入するようになっている。
【0021】
このように構成された植木鉢玩具1では、図1に示すように、花模型2を中央にして葉模型3,3が左右に配置され、花模型2は左右に揺動され、葉模型3,3は上下に揺動される。
水を水溜容器5内に注入すると、その水は水溜容器5のそれぞれの細孔11.12,12から花模型2の落水受け17および葉模型3,3の落水受け18,18に落下する。すると、その水の重力により、花模型2および葉模型3,3がそれぞれ揺動される。その際、ウェイト19,20は、花模型2および葉模型3,3の運動に慣性力を増大させ、それによって花模型2および葉模型3,3の運動を滑らかにする。
また、この植木鉢1では、葉模型3,3が互いにリンク機構21によって連結されているので、葉模型3,3が同期して上下に揺動する。
【0022】
花模型2および葉模型3の落水受け17,18,18に落下した水は、花模型2および葉模型3,3の揺動に伴って、台座本体6の底部に落下し、タンク14に溜められる。
【0023】
なお、上記実施の形態では、揺動玩具として、花模型2および葉模型3,3を揺動させる植木鉢玩具1を示したが、例えば、人形模型,動物模型等の他の模型を採用することもできる。人形模型又は動物人形模型とする場合、頭部を揺動体とし、胴部を台座とすることができる。また、人形模型又は動物模型の下側にベースを設け、人形模型又は動物模型を揺動体とし、ベースを台座とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係る揺動玩具として植木鉢玩具を示した斜視図である。
【図2】その植木鉢玩具の一部を省略して示した分解斜視図である。
【図3】図1におけるA−A線断面図である。
【図4】図1におけるB−B線断面図である。
【符号の説明】
【0025】
1 植木鉢玩具(揺動玩具)
2 花模型(揺動体)
3 葉模型(揺動体)
4 台座
5 水溜容器
6 台座本体
7 孔
8 周壁
9,10 軸受け
11,12 細孔
13,14 軸
15,16 アーム
17,18 落水受け
19,20 ウェイト
21 リンク機構
21a,21b リンク
22 溝
23 ピン
24 タンク
25 カバー
26 孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部に水溜部を備え、該水溜部の底部に孔が形成された台座と、該台座に揺動自在に設置され、下方にアームが延設され、そのアームの先端に水滴受けを有する揺動体とを備え、
前記水溜部に蓄えた水を前記孔から前記揺動体の前記落水受けに落下させ、それによって前記揺動体を揺動させるようにしたことを特徴とする揺動玩具。
【請求項2】
複数の前記揺動体の軸を互いに平行に配置するとともに、それらの軸をリンクによって互いに連結し、一方の軸の回動運動に、他方の軸の回動運動を同期させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の揺動玩具。
【請求項3】
前記揺動体の軸よりも下方の部位にウェイトを配設したことを特徴とする請求項1または2に記載の揺動玩具。
【請求項4】
前記揺動体を、花模型と、該花模型を挟むようにして左右に配置した葉模型とによって構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の揺動玩具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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