説明

搬送機構および記録装置

【課題】 製造コストの低減を図り、被記録材を高精度に搬送する。
【解決手段】 記録部によって記録されたシート材Pを搬送する搬送機構であって、記録部に対してシート材Pの搬送方向の下流側に設けられシート材Pを搬送する排紙ローラ40、41と、この排紙ローラ40、41に従動して回転し、シート材Pに当接する歯先が外周部に設けられた複数の拍車421とを備える。そして、複数の拍車421は、回転軸方向に並列配置され、同期回転するように互いに係合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録用紙やフィルム等の被記録材に記録を行う際等に被記録材を搬送するための搬送機構、および被記録材にインクを吐出して記録を行う記録装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
インクジェット記録装置は、複数枚の記録用紙をトレイ上に積載している自動給紙装置から記録用紙を給紙し、給紙された記録用紙上の記録領域を往復移動可能に支持されたキャリッジ上に装着された記録ヘッドから、記録用紙上に液体のインクを吐出して画像を記録し、一行分の画像の記録を終了した後に記録用紙を所定量だけ送り、この動作を画像データの記録を全て終了するまで繰り返すことによって、画像を形成している。
【0003】
記録ヘッドの下流側で排紙ローラと記録用紙を挟持して搬送する拍車は、その等ピッチで配列された複数の歯先形状を有する円形状の金属シート部材と、この金属シート部材を回転可能に支持する一体成形されたモールド部材とを有している。拍車は、その歯先形状が、記録物からのインクの転写がないように鋭利な形状で形成されており、拍車の中央部に挿入されるバネ軸を回転中心として、記録用紙の動きに連動して回転することで、記録用紙の搬送を行う。
【0004】
一対の拍車と排紙ローラによる搬送力は、記録用紙後端がLFローラから抜け出たときの搬送精度に対して特に影響を与える。したがって、高い搬送精度を確保するためには、排紙ローラに対して拍車を押し付けるバネ軸による押圧力を大きくすることが望ましい。しかしながら、バネ軸による押圧力を大きくするのに伴って、拍車の歯先形状が記録用紙表面に深く押し付けられることになるため、記録用紙表面に穴状の跡を発生させることや、記録用紙の表面層が拍車でめくれてしまい、記録後の記録用紙表面が傷となってしまうこと等の問題があった。
【0005】
そこで、1個の拍車を1本のバネ軸で支持する従来の搬送方式に代えて、2個の拍車を1本のバネ軸で支持する従来の他の搬送方式が提案されている(特許文献1参照。)。この搬送方式によれば、バネ軸による押圧力を大きくすることで拍車に対向する排紙ローラへの押圧を大きくした場合であっても、2個の拍車を用いることにより、拍車1個当たりの押圧力を分散することが可能になり、より一層高い搬送力を得るとともに、記録用紙表面の損傷を抑えることが可能にされている。
【特許文献1】特開平10−114442号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来の搬送方式には、次のような問題があった。
【0007】
2個の拍車は、それぞれ独立して回転可能に支持されているため、記録用紙の先端が拍車に当接開始するタイミングや、記録用紙の浮き上がりやコックリングによって記録中に左右の各拍車の回転角度がずれることで、歯先の位相差が生じてしまい、各拍車の歯先に作用する押圧力が均等に分散されず、一方の拍車の押圧力が他方の拍車よりも大きくなってしまう場合がある。その結果、記録用紙に拍車の歯先による傷(めくれ)が発生するという問題がある。
【0008】
この対策として、2枚の金属シート部材を1つのモールド部材で支持するようにインサート成形する方法が提案されている。しかしながら、このようなインサート成形する場合には、成形用金型の構造が複雑化し、製造コストがかさんでしまうという不都合があった。
【0009】
そこで、本発明は、製造コストの低減を図り、被記録材を高精度に搬送することができる搬送機構およびこの搬送機構を備える記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した目的を達成するため、本発明に係る搬送機構は、記録部によって記録された被記録材を搬送する搬送機構であって、記録部に対して被記録材の搬送方向の下流側に設けられ被記録材を搬送する搬送ローラと、この搬送ローラに従動して回転し、被記録材に当接する突起が外周部に設けられた複数の従動ローラとを備える。そして、複数の従動ローラは、回転軸方向に並列配置され、同期回転するように互いに係合される。
【0011】
以上のように構成された本発明に係る搬送機構によれば、複数の従動ローラが、回転軸方向に並列配置されて同期回転するように互いに係合されることで一体化され、複数の従動ローラが回転軸回りに一体的に回転されることで、記録部による記録時に各従動ローラの突起の位相差が生じることが防止され、各従動ローラの突起に作用する押圧力が均等に分散される。このため、被記録材に対して従動ローラを押圧する押圧力を大きくした場合であっても、突起によって被記録材を損傷させることなく、良好な搬送精度が確保される。また、この搬送機構によれば、インサート成形に比較して成型用金型の構造の簡素化が図られるので、製造コストが低減される。
【発明の効果】
【0012】
上述したように本発明によれば、回転軸方向に並列配置され、同期回転するように互いに係合される複数の従動ローラを備えることによって、製造コストの低減を図り、被記録材を高精度に搬送することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の具体的な実施形態について、図面を参照して説明する。
【0014】
(第1の実施形態)
本実施形態を図1〜図9に沿って説明する。図1は本実施形態のインクジェット記録装置の斜視図、図2は本実施形態のインクジェット記録装置の機構部の斜視図、図3は本実施形態のインクジェット記録装置の断面図、図4〜図9は本実施形態の拍車結合体の構成を詳細に説明するための図である。
【0015】
本実施形態のインクジェット記録装置は、記録装置1、給紙装置2、送紙部3、キャリッジ部5、排紙部4、Uターン・自動両面搬送部8、クリーニング部6、記録ヘッド、外装部9、を備えて構成されている。以下、これらの各部を項目に分けて概略を順次説明する。
【0016】
(A)給紙部
給紙部2は、シート材Pを積載する圧板21、シート材Pを給紙する給紙ローラ28、シート材Pを分離する分離ローラ241、シート材Pを積載位置に戻すための戻しレバー、等がベースに取り付けられて構成されている。
【0017】
積載されたシート材Pを保持するための給紙トレイ26が、ベースまたは外装に取り付けられている。給紙トレイ26は、多段式で使用時に引き出されて用いられる。
【0018】
給紙ローラ28は、断面円弧の棒状に形成されている。用紙基準側に1つの給紙ローラゴムが設けられており、この給紙ローラゴムよってシート材Pを給紙する。給紙ローラ28の駆動力は、給紙部2に設けられたクリーニング部6と共用のモーターから駆動伝達ギア、遊星ギアによって伝達される。
【0019】
圧板21には、シート材Pの積載位置を規制するための可動サイドガイド23が移動可能に設けられている。圧板21は、ベースに結合された回転軸を中心に回転可能で、圧板バネにより給紙ローラ28に付勢される。給紙ローラ28と対向する圧板21には、積載最下位近くのシート材Pの重送を防止するために、人工皮革等の比較的摩擦係数が大きい材質からなる分離シートが設けられている。圧板21は、圧板カムによって、給紙ローラ28に対して当接、離間されるように構成されている。
【0020】
さらに、ベースには、シート材Pを一枚ずつ分離するための分離ローラ241を取り付けた分離ローラホルダがベースに設けられた回転軸を中心に回転可能で、分離ローラバネにより給紙ローラ28に付勢される。分離ローラ241には、クラッチバネが取り付けられ、所定以上の負荷が作用したときに、分離ローラ241が取り付けられた部分が回転するように構成されている。分離ローラ241は、分離ローラリリースシャフトとコントロールカムによって、給紙ローラ28に対して当接、離間されるように構成されている。これらの圧板21、戻しレバー、分離ローラ241の位置はASF(オートシートフィーダ)センサによって検知されている。
【0021】
また、シート材Pを積載位置に戻すための戻しレバーは、ベースに回転可能に取り付けられ、解除方向に戻しレバーバネによって付勢されている。シート材Pを戻すときには、コントロールカムによって回転するように構成されている。
【0022】
通常の待機状態では、圧板28が圧板カムによってリリースされ、分離ローラ241がコントロールカムによってリリースされ、戻しレバーがシート材Pを戻し、積載時にシート材Pが奥に入らないように積載口を塞ぐような積載位置に設けられている。この状態から、給紙が始まると、モーター駆動によって、まず、分離ローラ241が給紙ローラ28に当接する。そして、戻しレバーがリリースされ、圧板21が給紙ローラ28に当接する。この状態で、シート材Pの給紙が開始される。シート材Pは、ベースに設けられた前段分離部で制限され、シート材Pの所定枚数のみが給紙ローラ28と分離ローラ241によって構成されるニップ部に送出される。送出されたシート材Pはこのニップ部で分離され、最上位のシート材Pのみが搬送される。
【0023】
シート材Pが後述の搬送ローラ36、ピンチローラ37まで到達したときに、圧板21が圧板カムによってリリースされ、分離ローラ28がコントロールカムによってリリースされる。戻しレバーは、コントロールカムによって積載位置に戻される。このとき、給紙ローラ28と分離ローラ241によって構成されるニップ部に到達していたシート材Pを積載位置まで戻すことができる。
【0024】
(B)送紙部
曲げ起こした板金からなるシャーシ11に送紙部3が取り付けられている。送紙部3は、シート材Pを搬送する搬送ローラ36およびPE(紙端)センサとを有している。搬送ローラ36は、金属軸の外周表面にセラミックスの微小粒がコーティングされてなり、両軸の金属部分を軸受けで受け、シャーシ11に取り付けられている。搬送ローラ36には、回転時の負荷を与えて安定した搬送を行うために、軸受けと搬送ローラ36との間に搬送ローラテンションバネが設けられており、搬送ローラ36を付勢することで所定の負荷を与えている。
【0025】
搬送ローラ36には、従動する複数のピンチローラ37が当接して設けられている。ピンチローラ37は、ピンチローラホルダに保持され、ピンチローラバネによって付勢することで、ピンチローラ37が搬送ローラ36に圧接されて、シート材Pの搬送力を生み出している。ピンチローラホルダの回転軸は、シャーシ11の軸受けに回転自在に支持されている。さらに、シート材Pが搬送されてくる送紙部3の入口には、シート材Pを案内するペーパーガイドフラッパー33およびプラテン34が配設されている。また、ピンチローラホルダには、シートPの先端、後端の検出をPEセンサに伝えるためのPEセンサレバーが設けられている。プラテン34は、シャーシ11に取り付けられて位置決めされている。ペーパーガイドフラッパー33は、搬送ローラ36と嵌合され、摺動する軸受け部を中心に回転可能で、シャーシ11に当接することで位置決めされる。
【0026】
以上の構成において、送紙部3に送出されたシート材Pは、ピンチローラホルダおよびペーパーガイドフラッパー33に案内されて、搬送ローラ36とピンチローラ37とのローラ対に送られる。このとき、PEセンサレバ−35が、搬送されてきたシート材Pの先端を検知することで、シート材Pの記録位置を求めている。また、シート材Pは、搬送モーター35によって一対のローラ36,37が回転されることで、プラテン34上に沿って搬送される。プラテン34上には、搬送基準面になるリブが形成されており、シート材Pと記録ヘッドとのギャップを管理すると共に、後述する排紙部4と合わせて、シート材Pの波打を制御することで、波打が大きくなることを抑制するように構成されている。
【0027】
搬送ローラ36の駆動力は、DCモーターである搬送モーター35の回転力が、タイミングベルトを介して搬送ローラ36の回転軸に設けられたプーリーに伝達されている。また、搬送ローラ36の回転軸には、搬送ローラ36による搬送量を検出するために、150〜300lpiのピッチでマーキングが形成されたコードホイールが設けられており、マーキングを読み取るエンコーダーセンサがコードホイールに隣接する位置のシャーシ11に取り付けられている。
【0028】
また、搬送ローラ36のシート材Pの搬送方向における下流側には、画像情報に基づいて画像を記録する記録部を構成する記録ヘッドが設けられている。記録ヘッドとしては、各色インクタンク別体の交換可能なインクタンクが搭載されたインクジェット記録ヘッドが用いられている。この記録ヘッドは、ヒータ等によりインクに熱を与えることが可能にされている。そして、この熱によりインクが膜沸騰され、この膜沸騰による気泡の生長または収縮によって生じる圧力変化によって記録ヘッドのノズルからインクが吐出されてシート材P上に画像が形成される。
【0029】
(C)キャリッジ部
キャリッジ部5は、記録ヘッドが取り付けられるキャリッジ50を有している。そして、キャリッジ50は、シート材Pの搬送方向に対して直交する方向に往復走査させるためのガイドシャフト52、およびキャリッジ50の後端を保持して記録ヘッドとシート材Pとの隙間を維持するガイドレールとによって支持されている。このガイドシャフト52はシャーシ11に取り付けられている。ガイドレールはシャーシ11に一体に形成されている。
【0030】
また、キャリッジ50は、シャーシ11に取り付けられたキャリッジモーター54によってタイミングベルト541を介して駆動される。このタイミングベルト541は、アイドルプーリーによって張設、支持されている。タイミングベルト541は、ゴム等からなるダンパーを介してキャリッジ50に結合されており、キャリッジモーター54等の振動を減衰することで、画像ムラ等を低減している。そして、キャリッジ50の位置を検出するための150〜300lpiのピッチでマーキングが形成されたコードストリップがタイミングベルト541と平行に設けられている。さらに、コードストリップを読み取るエンコーダーセンサがキャリッジ50に搭載されたキャリッジ基板に設けられている。このキャリッジ基板には、記録ヘッドと電気的な接続を行うためのコンタクトも設けられている。また、キャリッジ50には、回路基板から記録ヘッドにヘッド信号を伝えるためのフレキシブル基板57が設けられている。
【0031】
記録ヘッドをキャリッジ50に固定するために、キャリッジ50には、記録ヘッドを押し付けて位置決めするための突き当て部と、固定するためのヘッド押圧手段とが設けられている。ヘッド押圧手段は、ヘッドセットレバー51に搭載され、ヘッドセットレバー51を回転支点中心に回してセットする際に、記録ヘッドに作用するように構成されている。
【0032】
また、ガイドシャフト52の両端には、偏心カムが設けられており、クリーニング部6のメインカムによって、ギア列を介して偏心カムまで駆動力を伝達することで、ガイドシャフト52をシート材Pの厚み方向に平行な上下方向に昇降させることができる。このことによって、キャリッジ50を昇降させ、厚みが異なるシート材Pに対しても最適なギャップを構成して対応することができる。
【0033】
さらに、キャリッジ50には、記録ヘッドから吐出されたインクのシート材P上での着弾ズレを自動補正するための自動レジ調整センサが取り付けられている。この自動レジ調整センサは、反射型の光センサであり、発光素子より発光され、シート材P上の所定の記録パターンへの反射光を受光することで、最適なレジストレーション調整値を求める。
【0034】
上述した構成において、シート材Pに画像形成するときは、画像形成する行位置(シート材Pの搬送方向の位置)に一対のローラ36、37がシート材Pを搬送すると共に、キャリッジモーター54によりキャリッジ50を画像形成する列位置(シート材Pの搬送方向と垂直な位置)に移動させて、記録ヘッドを画像形成位置に対向させる。その後、上述のように、回路基板からの信号に基づいて記録ヘッドがシート材Pに向けてインクを吐出して画像が形成される。
【0035】
(D)排紙部
排紙部4は、2本の排紙ローラ40、41と、これら排紙ローラ40、41に所定の押圧力で当接、従動して回転可能に設けられた複数の拍車結合体(従動ローラ)42と、搬送ローラ36の駆動力を排紙ローラ40、41に伝達するためのギア列とを有して構成されている。
【0036】
排紙ローラ40、41は、プラテン34に取り付けられ、記録ヘッドに対してシート材Pの搬送方向の下流側にそれぞれ配置されている。排紙ローラ40は、金属軸の外周表面に複数のゴム部が設けられて構成されている。排紙ローラ40は、搬送ローラ36からの駆動力がアイドラギアを介して伝達されることで回転駆動される。また、排紙ローラ41は、排紙ローラ40に対してシート材Pの搬送方向の下流側に配置されており、樹脂製の軸に、エラストマーからなる弾性体が複数取り付けられて構成されている。排紙ローラ41の駆動力は、排紙ローラ40からアイドラギアを介して伝達される。
【0037】
拍車結合体42は、詳細については後述するが、図4および図5に示すように、2つの拍車421が一体に嵌合されてなり、拍車ホルダ43に回転自在に支持されている。各拍車421は、例えばステンレス等の金属材料によって薄板状に形成され外周部に歯先が設けられた金属シート部材47がモールド部材48と一体成形されてなる。拍車結合体42は、一体に嵌合された各モールド部材48が、軸状のコイルバネからなるバネ軸44を介して拍車ホルダ43に支持され、このバネ軸44の弾性力によって、排紙ローラ40、41に対して押圧されている。
【0038】
複数の拍車結合体42には、排紙ローラ40、41のゴム部、弾性体に対応する位置に設けられて主にシート材Pの搬送力を生じさせる役割の拍車結合体群と、これらの拍車結合体群の間で排紙ローラ40、41のゴム部、弾性体が無い位置に設けられて主にシート材Pが記録されるときの浮き上がりを抑える役割の拍車結合体群とが含まれている。
【0039】
排紙ローラ40と排紙ローラ41との間の搬送経路には、シート材Pの両端を持ち上げ、排紙ローラ40、41の先でシート材Pを保持し、先出のシート材P上の記録面(印字面)を擦ることでダメージを与えることを防止するための紙端サポートが設けられている。先端にコロが設けられた樹脂部材が紙端サポートバネによって付勢され、コロを所定圧でシート材Pに押し付けることで、シート材Pの両端を持ち上げ、こしを作ることで、保持できるように構成されている。
【0040】
以上の構成によって、キャリッジ部5で画像形成されたシート材Pは、排紙ローラ41と拍車42とのニップ部に挟まれて搬送され、排紙トレイ46に排出される。排紙トレイ46は、フロントカバー95の内部に収納されるように構成されており、使用時に引き出されて使用される。排紙トレイ46は、図1に示すように、排紙方向の先端に向かって高さが上がり、更にその両端の高さが大きく構成され、排出されたシート材Pの積載性向上、印字面の擦れ防止を可能としている。
【0041】
(E)Uターン・自動両面搬送部
シート材Pは、記録装置1の底面側に設けられたカセット81内に収納されている。このシート材Pを分離給紙するために、シート材Pを積載し、給紙ローラ821に当接させる圧板822がカセット81に設けられている。シート材Pを給紙する給紙ローラ821、シート材Pを分離する分離ローラ、シート材Pを積載位置に戻すための戻しレバー、圧板822への加圧・制御手段、等が記録装置1のUターンベースに取り付けられて構成されている。
【0042】
カセット81は、2段階に収縮可能に構成されており、シート材Pのサイズに応じて使い分けることができる。小サイズ紙の使用時あるいはカセット81の非使用時には、カセット81を収縮させ、外装部9の内部に収納することが可能にされている。
【0043】
給紙ローラ821は、断面円弧の棒状をしている。用紙基準側に1つの給紙ローラゴムが設けられており、この給紙ローラゴムによってシート材Pを給紙する。給紙ローラ821への駆動は、Uターン・自動両面搬送部5に設けられたUターン・自動両面用モーターから駆動伝達ギア、遊星ギア、等によって伝達される。
【0044】
圧板822には、可動サイドガイドが移動可能に設けられており、シート材Pの積載位置を規制している。圧板822は、カセット81に結合された回転軸に回転可能にされており、Uターンベースに設けられた、圧板バネ等からなる加圧・制御手段によって給紙ローラ821に付勢されている。給紙ローラ821と対向する圧板822の部位には、積載最下位近くのシート材Pの重送を防止する人工皮革等の摩擦係数の大きい材質からなる分離シートが設けられている。圧板822は、圧板カムによって、給紙ローラ821に対して当接、離間するように構成されている。
【0045】
さらに、Uターンベースには、シート材Pを一枚ずつ分離するための分離ローラが取り付けられた分離ローラホルダが、分離ベースに設けられた回転軸に回転可能にされており、分離ローラバネによって給紙ローラ821に付勢されている。分離ローラは、クラッチバネに取り付けられ、所定以上の負荷が作用したときに、分離ローラが取り付けられた部分が回転されるように構成されている。分離ローラは、分離ローラリリースシャフトとコントロールカムによって、給紙ローラ821に対して当接、離間するように構成されている。これらの圧板822、戻しレバー、分離ローラの位置はUターンセンサによって検知される。
【0046】
また、シート材Pを積載位置に戻すための戻しレバーは、Uターンベースに回転可能に取り付けられ、解除方向に戻しレバーバネで付勢されている。シート材Pを戻すときは、コントロールカムによって回転されるように構成されている。
【0047】
通常の待機状態では、圧板822が圧板カムによってリリースされ、分離ローラがコントロールカムによってリリースされ、戻しレバーがシート材Pを戻し、積載時にシート材Pが奥に入らないように、積載口を塞ぐような積載位置に設けられている。この状態から、給紙が始まると、モーター駆動によって、まず、分離ローラが給紙ローラ821に当接される。そして、戻しレバーがリリースされ、圧板822が給紙ローラ821に当接される。この状態で、シート材Pの給紙が開始される。シート材Pは、ベースに設けられた前段規制手段で制限され、シート材Pの所定枚数のみが給紙ローラ821と分離ローラによって構成されるニップ部に送出される。送出されたシート材Pは、このニップ部で分離され、最上位のシート材Pのみが搬送される。
【0048】
分離・搬送されたシート材Pが後述するUターン中間ローラ(1)86、Uターンピンチローラ861まで到達したときに、圧板822が圧板カムによってリリースされ、分離ローラがコントロールカムによってリリースされる。戻しレバーは、コントロールカムよって積載位置に戻される。このとき、給紙ローラ821と分離ローラとがなすニップ部に到達していたシート材Pを積載位置まで戻すことができる。
【0049】
給紙部分よりも下流側には、給紙・搬送されたシート材Pを搬送するために、Uターン中間ローラ(1)86、Uターン中間ローラ(2)87の2本の搬送ローラが設けられている。これら各中間ローラ86,87は、金属軸の芯金の4〜6箇所にゴム硬度40〜80°のEPDM(エチレン−プロピレン三量体)が取り付けられて構成されている。このゴム部に対応した位置に、シート材Pを挟持するためのUターンピンチローラ861、871がばね軸に取り付けられ、Uターン中間ローラ(1)86、Uターン中間ローラ(2)87に付勢されている。また、搬送パスの内側を構成するインナーガイド881、搬送パスの外側を構成するアウターガイド882が設けられている。
【0050】
上述の給紙部2との紙パスの合流点はフラッパーで構成され、互いのパスの合流がスムーズに行くように構成されている。シート材Pの先端が、上述の搬送ローラ36とピンチローラ37に送られる際に、停止した一対のローラのニップ部に当接され、レジ取り作業が行われる。
【0051】
上述の搬送ローラ36とピンチローラ37で搬送されながら記録されたシート材Pは、搬送ローラ36とピンチローラ37を抜ける。自動両面記録の際は、シート材Pの後端が再度搬送ローラ36とピンチローラ37に挟み込まれ、搬送される。このとき、ピンチローラ37は、昇降機構によって、上昇されている部分にシート材Pが送り込まれるので、スムーズに搬送することができる。
【0052】
再度送り込まれたシート材Pは、両面ローラ891と両面ピンチローラに挟持され、搬送される。そして、シート材Pは、両面ガイドにガイドされ、搬送される。両面用の紙搬送パスは、所定量を過ぎたときに、上述のUターン搬送時の紙パスに合流するように構成されている。したがって、その後の、紙パスの構成および動作は、上述の説明と同様である。
【0053】
(F)クリ−ニング部
クリーニング部6は、記録ヘッドのクリーニングを行うポンプ60と、記録ヘッドのノズルの乾燥を抑えるためのキャップ61、記録ヘッドのノズル周辺のフェース面をクリーニングするブレード、等を有して構成されている。
【0054】
クリーニング部6の主な駆動力は、上述の回復モーターから伝達される。回復モーターは、一方向に回転することでポンプ60を作動させ、他方向に回転することでブレードの動作、キャップ61の昇降動作を作動させるようにワンウェイクラッチが設けられている。
【0055】
ポンプ60は、2本のチューブ67をポンプコロでしごくことで負圧を発生させるように構成され、キャップ61からポンプ60までの間が弁等を介して接続されている。キャップ61を記録ヘッドに密着させた状態でポンプ60を作用させることで、記録ヘッドから不要なインク等を吸引して除去するように構成されている。キャップ61部分には、吸引後の記録ヘッドのフェース面のインク残りを削減するために、キャップ吸収体が設けられている。そのため、ここにインクが残り固着して弊害が出ないように、キャップ61を開けた状態で、キャップ61内に残っているインクを吸引するようにされている。ポンプ60によって吸引された廃インクは、後述する下ケース99に設けられた廃インク吸収体に吸収・保持される。
【0056】
ブレード動作、キャップ61昇降動作、等の一連の動作は、回転軸上に複数のカムが設けられたメインカムによって制御される。それぞれの部位のカム、アームがメインカムに作用して、所定の動作を行う。メインカムの位置は、フォトインタラプタ等の位置検出センサで検出される。キャップ61の下降時に、ブレードがキャリッジ5の走査方向に直交する方向に移動し、記録ヘッドのフェース面をクリーニングする。ブレードは、記録ヘッドのノズル近傍をクリーニングするものと、フェース面全体をクリーニングするものとを含み、複数設けられている。そして、ブレードは、最も奥に移動した際に、ブレードクリーナーに当接することで、ブレード自身へ付着したインク等を除去することができる。
【0057】
弁の開閉動作の駆動力伝達・制御は、排紙ローラ40によって行っている。弁の選択を行うことで、全色の一括吸引と色別の個別吸引とに必要に応じて対応することが可能に構成されている。弁の位置の検出は、弁位置検出センサによって行われている。
【0058】
(G)外装部
上述した各ユニットはシャーシ11にそれぞれ組み込まれ、記録装置1の機構部分を構成し、この機構部分の周囲を覆うように外装が取り付けられている。外装は、主に、下ケース99、上ケース98、アクセスカバー97、コネクタカバー、フロントカバー95、サイドカバー93、を有して構成されている。
【0059】
フロントカバー93には、排紙トレイ46が収納可能に構成され、非使用時に排紙口を塞ぐように構成されている。フロントカバー95の開閉状態は、センサ(不図示)によって検出されるように構成されている。
【0060】
上ケース98には、アクセスカバー97が回動可能に設けられている。上ケース98の上面の一部には開口部が設けられており、この開口部の位置で、インクタンク71および記録ヘッドが交換可能にされている。さらに、アクセスカバー97の開閉を検知するための、ドアスイッチレバー、LEDの光を伝達・表示するLEDガイド982、回路基板のスイッチ素子を作動させるキースイッチ983等が上ケース98に設けられている。さらに、上ケース98には、給紙トレイ26が回動可能に取り付けられている。給紙部2が使用されないときには、給紙トレイ26を収納することで、給紙部2のカバーを兼ねるように構成されている。
【0061】
また、上ケース98と下ケース99は、弾性を有する嵌合爪で取り付けられている。その間のコネクタ部分が設けられている部分がコネクタカバーによって覆われている。サイドカバー93は、記録装置1の左側面および右側面から上ケース98と下ケース99を覆うように取り付けられている。
【0062】
次に、本発明の要部である拍車結合体について、図4〜図10を参照して詳細に説明する。
【0063】
図4および図5に本実施形態の拍車結合体を示す。図4および図5に示すように、上述の排紙部4が備える拍車結合体42は、2つの拍車421が一体に嵌合されて構成されており、排紙ローラ40,41の軸方向に沿って複数配置されている。
【0064】
各拍車421は、シート材Pに当接される金属シート部材47と、この金属シート部材47を支持するモールド部材48とを有している。
【0065】
金属シート部材47は、外周部に亘って等ピッチで配列された鋭利な歯先を有しており、歯先形状がエッチングやプレス等の加工によって形成されている。なお、図4では、金属シート部材47の歯先形状を簡略化するために外周部の一部のみを図示するが、実際には360度の全周に亘って、歯先円が所望の直径φDになるように配置されている。
【0066】
モールド部材48は、図6および図7に示すように、金属シート部材47と一体成形されて形成されており、金属シート部材47の歯先円と同心円状にされた軸穴部48aが形成されている。
【0067】
この軸穴部48aには、後述するバネ軸44が挿通され、このバネ軸44の軸回りに拍車結合体42が回転すると共に、搬送されるシート材Pの厚みに応じてバネ軸44が撓むのに伴って、拍車結合体42をシート材Pの厚み方向に移動させる。
【0068】
モールド部材48には、一側面上に、2つの円柱状の凸部101a,101bが軸穴部48aを間に挟む位置にそれぞれ設けられている。同様に、モールド部材48の一側面には、各凸部101a,101bにそれぞれ嵌合される2つの長穴状の凹部102a,102bが軸穴部48aを間に挟む位置にそれぞれ設けられている。
【0069】
これら凸部101a,101bと凹部102a,102bは、モールド部材48の一側面上に、軸穴部48aの中心を通る直線上にそれぞれ位置して設けられており、互いに嵌合関係にある直径寸法と長穴寸法に形成されている。また、凸部101a,101bの先端の角部には、凹部102a,102b内への挿入を容易にするためのC面形状が面取りされて形成されている。図示しないが、凹部102a,102bの開口縁部にも同様にC面形状が面取りされて形成されてもよい。
【0070】
図6に示すように、凸部101a,101bと凹部102a,102bがそれぞれの中心と回転中心とを結んだ直線の位相差θが90度になるように配置されており、これにより、図8に示すように、2個の拍車421,421’の側面を向かい合わせて90度軸回りにずらした状態で一体に組み立てることで、2個の拍車421,421’の各歯先を同一位相に配置することが可能になる。もちろん、2個の拍車421、421’の歯先が同一位相になるのであれば、凸部101a,101bと凹部102a,102bは、それぞれの中心と回転中心とを結んだ線の位相差θが90度以外であってもよい。
【0071】
このとき、一体化された拍車421,421’は、凸部101a,101bおよび凹部102a,102bがそれぞれ嵌合され、それぞれの軸穴部48a、48a’の軸回りに一体的に回転することが可能である。
【0072】
図4および図5に示すように、拍車結合体42は、各拍車421,421’が一体的に回転されて、排紙ローラ40,41と共にシート材Pを狭持してシート材Pを搬送方向に移動させる。また、図4に示すように、拍車結合体42は、回転中心が排紙ローラ40,41の回転中心に対してシート材Pの搬送方向の上流側へオフセットされて配置されており、これによってシート材Pの浮き上がりが抑えられている。
【0073】
拍車結合体42は、拍車421,421’が、軸穴部48a内に挿通されたバネ軸44を介して拍車ホルダ43に支持されている。拍車ホルダ43は、バネ軸44の両端部を支持しており、バネ軸44方向(スラスト方向)に対する拍車結合体42の移動を規制するための一組の規制壁43a,43bが対向する位置に設けられている。なお、拍車ホルダ43には、一組の規制壁43a,43bが、複数の各拍車結合体42に対応する複数箇所にそれぞれ設けられている。
【0074】
したがって、拍車ホルダ43は、拍車421,421’と排紙ローラ40,41とがなすニップ部にシート材Pが挿入されたとき、シート材Pの厚みに応じてバネ軸44を弾性変形させてシート材Pに対する押圧力を拍車421,421’に発生させると共に、規制壁43a,43bによって拍車421,421’のバネ軸44の軸方向(スラスト方向)に対する移動を規制している。
【0075】
このため、拍車421,421’は、各モールド部材48の各側面が、拍車ホルダ43の規制壁43a,43bの端面と摺擦しながら回転する。ところで、従来の構成では、一体化されない2個の拍車を、同様に拍車ホルダに1本のバネ軸で支持する場合に、拍車のモールド部材を成形する射出成形時のゲート口跡に残る突起等が拍車ホルダ43の規制壁の端面に引っ掛かることを避けるために、各拍車のゲート口跡を互いに内側に向けて配置されている。しかしながら、このように拍車を配置することで、各拍車のゲート口跡が拍車ホルダ43の壁端部と摺擦することが回避されるが、各拍車の互いのゲート口跡が摺擦してしまう。このようにゲート口跡が摺接することで、各拍車が回転しているときに、互いの拍車の回転に対して回転動作を阻害してしまうおそれがある。
【0076】
そこで、本実施形態のような一体化される拍車421,421’の形状では、射出成形時のゲート口跡を、一体化するための嵌合手段をなす凸部101a,101bの先端面、または凹部102a,102bの底面に設けることにより、一体化された拍車結合体の外周面にゲート口跡が存在せず、拍車241、241’の回転動作を常に阻害することがない位置にゲート口跡を配置することが可能になる。
【0077】
また、図9は、拍車421,421’と、スラスト方向の移動を規制している拍車ホルダ43との関係を模式的に示す図である。図7に示すように、拍車421のモールド部材48の軸方向の厚みをt、モールド部材48の側面から凸部101a,101bの先端のC面形状までのストレート部分の嵌合長さ(嵌合量)をh、スラスト方向に対して拍車結合体42の移動を規制する規制量(換言すれば、拍車ホルダ43の各規制壁43a,43bの対向間の距離)をLとしたとき、
h> L−(2×t) ・・・式1
を満たすように各寸法が設定されている。
【0078】
式1を満たすように各寸法が形成されることで、拍車421,421’の回転中に、シート材P等によってスラスト方向に対して互いに離れる方向に力が作用して移動される場合であっても、凸部101a,101bが凹部102a,102b内から外れることなく、凸部101a,101bと凹部102a,102bとの嵌合状態が良好に維持され、各拍車421,421’が一体的に良好に回転することが可能にされている。
【0079】
以上の構成によれば、歯先を有する金属シート部材47と、この金属シート部材47を支持するモールド部材48とを有する拍車421を用いて、同一形状の2個の拍車421,421’を歯先の位相が同位相になるように位置決めされて一体化された拍車結合体42を形成することが可能である。このように、各拍車421,421’の歯先が同位相にされ一体化された拍車結合体42を備えることによって、シート材Pに対して拍車421を押圧するバネ軸44による押圧力を大きくした場合であっても、各拍車421,421’の歯先に作用する押圧力が均等に分散されるので、シート材P表面に傷を発生させることなく、シート材Pを高精度に搬送することができる。
【0080】
また、同一形状の2個の拍車421、421’が嵌合されて一体化された拍車結合体42を備えることにより、形状が異なる2個の拍車を一体化する場合と比較して製造工程での管理が容易である。また、一体成形によって2枚の金属シート部材を1つのモールド部材で支持する構成と比較して、拍車結合体42の製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本実施形態に係るインクジェット記録装置を示す斜視図である。
【図2】インクジェット記録装置の構成を示す斜視図である。
【図3】インクジェット記録装置を示す断面図である。
【図4】拍車結合体を示す側面図である。
【図5】拍車結合体を示す正面図である。
【図6】拍車を説明するための図である。
【図7】拍車を説明するための断面図である。
【図8】各拍車を嵌合する状態を説明するための図である。
【図9】拍車結合体の各拍車がスラスト方向に移動したときでも嵌合状態が保たれている状態を説明するための図である。
【符号の説明】
【0082】
1 記録装置
4 排紙部
40,41 排紙ローラ
42 拍車結合体
421 拍車
43 拍車ホルダ
43a,43b 規制壁
44 バネ軸
47 金属シート部材
48 モールド部材
48a 軸穴部
101a,101b 凸部
102a,102b 凹部
P シート材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録部によって記録された被記録材を搬送する搬送機構であって、
前記記録部に対して被記録材の搬送方向の下流側に設けられ被記録材を搬送する搬送ローラと、
前記搬送ローラに従動して回転し、被記録材に当接する突起が外周部に設けられた複数の従動ローラとを備え、
前記複数の従動ローラは、回転軸方向に並列配置され、同期回転するように互いに係合されていることを特徴とする搬送機構。
【請求項2】
前記従動ローラは、外周部に歯先が形成された円形状の金属シート部材と、前記金属シート部材を支持するモールド部材とを有する拍車であり、
前記モールド部材は、複数の前記金属シート材の前記歯先の位相が同位相となるように前記複数の拍車を一体に嵌合するための嵌合手段を有する請求項1に記載の搬送機構。
【請求項3】
前記複数の拍車が一体に嵌合されてなる拍車結合体は、弾性を有する前記回転軸に回転自在に支持されている請求項2に記載の搬送機構。
【請求項4】
前記回転軸は、コイルバネである請求項3に記載の搬送機構。
【請求項5】
前記嵌合手段は、互いに嵌合する凹部と凸部とを有し、該凹部および該凸部が、前記拍車の一側面上にそれぞれ設けられている請求項2に記載の搬送機構。
【請求項6】
前記複数の拍車は、外形形状が等しい請求項5に記載の搬送機構。
【請求項7】
2つの前記拍車が一体に嵌合されてなる拍車結合体の前記回転軸方向の移動を規制する規制部を有し、前記拍車結合体を回転自在に支持する支持手段を備え、
前記規制部によって前記回転軸方向に対する前記拍車結合体の移動を規制する規制量をL、前記モールド部材の前記回転軸方向の厚みをt、前記嵌合手段における前記回転軸方向の嵌合量hとすれば、
h>L−2t
を満たしている請求項5に記載の搬送機構。
【請求項8】
前記拍車結合体は、2つの前記拍車が前記嵌合手段によって一体に嵌合された状態で、前記モールド部材の射出成形時のゲート跡が前記拍車結合体の外周面以外に位置されている請求項7に記載の搬送機構。
【請求項9】
前記ゲート跡は、前記凸部の先端面または前記凹部の底面に位置されている請求項8に記載の搬送機構。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれか1項に記載の搬送機構を備え、被記録材にインクを吐出して記録を行う記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−44855(P2006−44855A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−226771(P2004−226771)
【出願日】平成16年8月3日(2004.8.3)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】