説明

搬送装置

【課題】装置全体の重量を抑制しつつ比較的簡易に被搬送物の昇降を制御する。
【解決手段】昇降用モータ26が回転軸15を回転させると、その駆動力を駆動力伝達機構30が昇降体4へと伝達し、昇降体4を昇降させる。昇降体4はリニアスライダ18を有しており、各棚91との間でカセット95を般出入する。回転軸15にはウォームホイール102が固定されている。ウォームホイール102にはウォーム101が噛み合っており、ウォーム用モータ103がウォーム101を回転させることができる。昇降体4を昇降させる際には、ウォームホイール102の回転に応じてウォーム用モータ103がウォーム101を回転させる。昇降体4を保持させる際には、ウォーム101及びウォームホイール102がセルフロックすることにより、昇降体4の重量を保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、昇降体を昇降させる搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
鉛直方向に配列された複数の棚を有する保管装置に荷を保管する場合に、搬送装置を用いて棚に荷(被搬送物)を搬入したり、棚から荷を搬出したりすることがある。特許文献1は、かかる搬送装置の一例である。特許文献1には、ラックに設けられた複数の格納位置に物品を搬出入する移載装置が開示されている。この移載装置は昇降レールに沿って走行する走行台車上に設置されており、昇降駆動部が昇降レールごと走行台車と移載装置とを昇降させるようになっている。昇降駆動部は、昇降レールを吊り下げるロープやベルトなどの吊持材と吊持材を巻き取る巻き取りドラムとを有している。吊持材の一端には他端に吊り下げられた昇降レールの重量とバランスを取るためのカウンターウェイトが吊り下げられている。
【0003】
【特許文献1】特開平10−279023号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のようにカウンターウェイトを用いると、荷に応じた重量を有するカウンターウェイトを用いる必要があるため、荷の重量が増すとカウンターウェイトの重量も増大することとなる。カウンターウェイトの重量が増大すると、昇降駆動部のフレームを強化したり、昇降駆動に伴う振動を抑制したりする必要があり、装置全体が大型化し、コストも増大する。
【0005】
一方で、カウンターウェイトを用いない場合には、昇降体を一定の高さに保持する際に例えば昇降体を駆動するモータに昇降体の重量と釣り合うような一定のトルクを継続的に出力又は保持させる必要があり、モータ及びその制御装置がおおがかりになるおそれがある。
【0006】
本発明の目的は、装置全体の重量を抑制しつつ比較的簡易に被搬送物の昇降を制御する搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0007】
本発明の搬送装置は、鉛直方向に配列された複数の棚のそれぞれに被搬送物を搬入すると共に、前記複数の棚のそれぞれから被搬送物を搬出するものである。そして、被搬送物を支持する鉛直方向に移動可能な昇降体と、昇降用モータと、前記昇降用モータの駆動軸の回転と前記昇降体の鉛直方向に関する移動とが互いに連動し合うように前記駆動軸の回転トルクを鉛直方向の駆動力に変換して前記昇降体へ伝達する駆動力伝達機構と、前記昇降用モータの駆動軸と連動して回転するウォームホイール、及び、前記ウォームホイールと噛み合うウォームを有するセルフロック可能なウォーム伝達装置と、前記ウォームを回転駆動するウォーム用モータと、前記昇降体を昇降させる際には前記ウォームホイールが回転可能な状態を取り、前記昇降体に高さを保持させる際には前記ウォーム伝達装置がセルフロックした状態を取るように、前記昇降用モータの回転及びウォーム用モータの回転をそれぞれ制御するモータ回転制御手段とを備えている。
【0008】
本発明の搬送装置によると、昇降用モータの駆動を停止してもウォーム伝達装置が昇降体の重量を保持するように構成することができる。したがって、カウンターウェイトを用いたり昇降用モータに昇降体の重量を保持させたりする必要がないため、重量を抑制し、且つ、簡易に昇降体の高さを保持できる搬送装置が実現する。
【0009】
また、本発明においては、前記モータ回転制御手段が、前記昇降体を昇降させる際に、前記ウォームホイールと前記ウォームとの噛み合わせ箇所において前記ウォームホイールの歯が前記ウォームの歯の移動方向に関して前記ウォームの歯に後方から追い付くことがないように、前記昇降用モータの回転及びウォーム用モータの回転をそれぞれ制御することが好ましい。ウォームホイールの歯がウォームの歯へと追い付くと、ウォーム伝達装置がセルフロックしてウォームホイールが円滑に回転しなくなるおそれがある。上記によると、このような状態を回避することができ、ウォームホイールを円滑に回転させることができるようになる。
【0010】
また、本発明においては、前記モータ回転制御手段が、前記昇降体が移動している状態から前記昇降体の高さが保持された状態になる際に、前記ウォームホイールの回転が所定の回転数以下になった状態において前記ウォーム伝達装置がセルフロックするように前記昇降用モータの回転及びウォーム用モータの回転をそれぞれ制御することが好ましい。これによると、回転数が大きい段階でセルフロックするのが回避される。したがって、ウォーム伝達装置に過大な負荷がかかるのを回避することができる。
【0011】
また、本発明においては、前記モータ回転制御手段が、前記昇降体が降下している状態から前記昇降体の高さが保持された状態になる際に、前記ウォーム用モータ及び昇降用モータにそれぞれ回転を停止させて前記昇降用モータに前記昇降体の重量を一旦保持させた後に、前記昇降体が徐々に降下して前記ウォーム伝達装置がセルフロックするように、前記ウォーム用モータの回転及び昇降用モータの回転を制御してもよい。これによると、ウォームやウォームホイールの回転数が大きい段階でセルフロックするのが回避されるため、ウォーム伝達装置に過大な負荷がかかるのを回避することができる。
【0012】
また、本発明の別の観点によると、本発明の搬送装置は、被搬送物を支持する鉛直方向に移動可能な昇降体と、前記昇降用モータの駆動軸の回転と前記昇降体の鉛直方向に関する移動とが互いに連動し合うように前記駆動軸の回転トルクを鉛直方向の駆動力に変換して前記昇降体へ伝達する駆動力伝達機構と、鉛直方向に沿った雄ねじ軸と、前記雄ねじ軸が貫通しており前記昇降体に固定された雌ねじナットとを有する台形ねじと、前記雄ねじ軸を回転駆動する台形ねじ用モータと、前記昇降体を昇降させる際には前記雌ねじナットが前記雄ねじ軸に沿って移動し、前記昇降体に高さを保持させる際には前記台形ねじがセルフロックするように、前記昇降用モータの回転及び前記台形ねじ用モータの回転を制御するモータ回転制御手段とを備えている。
【0013】
上記別の観点によると、昇降用モータの駆動を停止しても台形ねじがウォーム機構と同様にセルフロック機能を有するので、昇降体の重量を保持するように搬送装置を構成することができる。したがって、カウンターウェイトを用いたり昇降用モータに昇降体の重量を保持させたりする必要がないため、重量を抑制し、且つ、簡易に昇降体の高さを保持できる搬送装置が実現する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
【0015】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態にかかるスタッカクレーン1(搬送装置)の側面図であり、図2はスタッカクレーン1の正面図である。
【0016】
スタッカクレーン1は、例えば液晶表示装置の製造工場に設置され、製造途中の液晶基板を収容するカセット95を搬送する装置である。スタッカクレーン1は、カセット95が載置される複数の棚91を有する保管装置90に隣接して設置されている。保管装置90の棚91は、図1に示すように鉛直方向に関して配列されている。各棚91は、図1の手前から奥へと向かう方向に沿って長く延びており、複数のカセット95を載置できるように構成されている。
【0017】
スタッカクレーン1は、リニアスライダ18及びリニアスライダ18が載置された昇降体4を有している。リニアスライダ18の上面にはカセット95が載置される。リニアスライダ18は、図1の左右方向に伸縮可能に構成されている。これによって、上面に載置されたカセット95を棚91へと搬入したり、棚91に載置されたカセット95を棚91からすくい取って搬出したりする。
【0018】
スタッカクレーン1は、図2に示すように鉛直方向に延びたフレーム2L及び2Rを有している。フレーム2L及び2Rは、スタッカクレーン1の図2において左端及び右端にそれぞれ設置されており、図2の左右方向に関して互いに対称な位置関係を有するように配置されている。フレーム2L及び2Rの上端にはフレーム3が固定されており、フレーム2L及び2Rの下端にはフレーム17が固定されている。スタッカクレーン1の下端には走行車輪7が設置されている。走行車輪7は、図2の左右方向に関して走行可能にフレーム17に支持されている。走行車輪7は、工場の床面に敷設されたレール121上に配置されている。レール121は、スタッカクレーン1に隣接する保管装置90の棚91が延びた方向に沿って敷設されている。走行車輪7は、走行用モータ19によって駆動される。これによって、スタッカクレーン1は、レール121上をレール121に沿って走行することができるようになっている。
【0019】
スタッカクレーン1の上端には複数の天井ガイドローラ10が設置されている。各天井ガイドローラ10は、天井に敷設されたレール122に下方から当接するようにフレーム3に支持されている。フレーム3には天井ガイドローラ10のそれぞれについてガイド用モータ11が設置されており、ガイド用モータ11の駆動輪と天井ガイドローラ10とがタイミングベルト12でそれぞれ接続されている。これによって、ガイド用モータ11は天井ガイドローラ10をレール122に沿って走行するように駆動する。
【0020】
フレーム2L及び2Rには、昇降体4を昇降させる昇降ユニット20L及び20Rが設置されている。なお、昇降ユニット20Lと昇降ユニット20Rとは互いに同じ構成を有している。このため、以下においては主に昇降ユニット20Rの構成について説明し、昇降ユニット20Lの説明については適宜省略する。
【0021】
昇降ユニット20Rは、図1に示すように、昇降用モータ26と、昇降用モータ26の駆動力を昇降体4へと伝達する駆動力伝達機構30とを有している。駆動力伝達機構30は、ギア24、25、スプロケット5、6及び無端チェーン8を有している。スプロケット5は回転軸15に固定されており、回転軸15はフレーム2Rの上端付近に回転可能に支持されている。スプロケット6は回転軸16に固定されており、回転軸16はフレーム2Rの下端付近に回転可能に支持されている。無端チェーン8はスプロケット5及び6の周囲に巻き掛けられている。これによって、スプロケット5及び6同士が互いに連動して回転するようになっている。
【0022】
無端チェーン8においてスプロケット5及び6間で鉛直方向に延びた領域のうち、昇降体4に近い方の領域には固定部材9が固定されている。この固定部材9は、昇降体4の図2において右端に固定されている。また、昇降体4の図2において左端は昇降ユニット20L側の固定部材9に固定されている。昇降体4は、これら2つの固定部材9によって左右から挟まれつつ支持されている。
【0023】
ギア24は、図2に示すようにスプロケット5の回転軸15の右端付近に固定されている。ギア25は昇降用モータ26の駆動軸27に固定されている。ギア24とギア25とは互いに噛み合っており、駆動軸27が回転するとその逆方向に回転軸15が回転する。回転軸15が回転するとスプロケット5が回転し、これに応じて無端チェーン8がスプロケット5及び6の周囲を走行する。さらに無端チェーン8がスプロケット5及び6の周囲を走行するのに応じて固定部材9が鉛直方向に移動する。これによって、固定部材9に固定された昇降体4が昇降する。
【0024】
以上のとおり、駆動力伝達機構30は、昇降用モータ26の回転トルクを鉛直方向に関する駆動力に変換して昇降体4に作用させ、昇降体4を昇降させることができる。また、駆動力伝達機構30は、昇降用モータ26の駆動軸27の回転を昇降体4へと伝達するのみならず、昇降体4の鉛直方向に関する移動を駆動軸27側へと伝達するものでもある。例えば、昇降用モータ26が作動していないときに昇降体4が上下移動すると、固定部材9、無端チェーン8、及びスプロケット5を通じて回転軸15が回転し、さらにギア24及び25を通じて駆動軸27が回転する。つまり、駆動力伝達機構30は、昇降体4と駆動軸27とを互いに連動させ合う機構でもある。
【0025】
ところで、リニアスライダ18から棚91へとカセット95を搬入する際は、昇降体4の位置を一定の高さに保持する必要がある。その方法として、例えば昇降体4、リニアスライダ18及びカセット95の総重量と釣り合うような一定のトルクを昇降用モータ26に出力させることにより、昇降体4が重力に従って落下しないようにすることが考えられる。しかし、このような一定のトルクを昇降用モータ26に継続的に出力させる制御は困難である。
【0026】
そこで、本実施形態には保持モジュール100が設置されている。保持モジュール100は、図1に示すようにウォーム101とウォームホイール102とからなるウォームギア(ウォーム伝達装置)によって構成されている。図3は、保持モジュール100の正面拡大図である。ウォーム101とウォームホイール102とは互いに噛み合うように構成されている。ウォーム101は概略的に円筒形状を有しており、円筒の側面に沿って連続的な螺旋状に延びるように形成された歯101aを有している。ウォームホイール102は概略的に円筒形状を有している。ウォームホイール102は、平面視においてその軸方向とウォーム101側の軸方向とが交差するように配置されている。ウォームホイール102の側面には、ウォーム歯101aと噛み合うように複数の歯102aが形成されている。ウォームホイール歯102aはウォームホイール102の円筒の周方向に沿って配列されている。
【0027】
ウォームホイール102は回転軸15に固定されている。ウォーム101はウォーム用モータ103の駆動軸に固定されており、ウォーム用モータ103によって回転駆動される。ウォーム101はウォームホイール102と噛み合うように配置されている。ウォーム101及びウォームホイール102からなるウォームギアは、例えばウォームホイール102に回転軸15からの負荷が掛かっていない状態でウォーム101に回転トルクを作用させると、その駆動力がウォームホイール102に伝達され、ウォームホイール102が回転するように構成されている。
【0028】
その一方で、このウォームギアは、セルフロック機能を有するように構成されている。つまり、例えばウォーム用モータ103を作動させずにウォームホイール102側からウォーム101にトルクを作用させても、ウォーム101が回転しないように構成されている。つまり、ウォーム歯101aとウォームホイール歯102aとの間に作用する摩擦力やウォーム用モータ103の保持力に抗してウォーム101を回転させるのに必要なトルクをウォームホイール102側から作用させるのは極めて困難になるように構成されている。
【0029】
例えば、ウォームホイール102を図3の時計回りに回転させることは、スプロケット5を図2の時計回りに回転させることに対応する。つまり、昇降体4を上昇させる方向に回転軸15を回転させる場合、ウォームホイール102は図3の時計回りに回転する。また、ウォームホイール102を図3の反時計回りに回転させることは、スプロケット5を図2の反時計回りに回転させることに対応する。つまり、昇降体4を降下させる方向に回転軸15を回転させる場合、ウォームホイール102は図3の反時計回りに回転する。以下、ウォームホイール102の回転方向を「上昇方向」及び「降下方向」と呼称する。「上昇方向」は、図3において時計回りの回転方向に相当し、「降下方向」は、図3において反時計回りの回転方向に相当する。
【0030】
図4は、図3においてウォーム101とウォームホイール102との噛み合せ部分の拡大図である。ウォーム用モータ103を作動させずにウォームホイール102を上昇方向に回転させた場合、図4(a)のように歯102aが歯101aに当接する。しかし、保持モジュール100のウォームギアは、ウォームホイール102側から駆動力を作用させる場合に、上記の通りウォーム歯101a及びウォームホイール歯102a間の摩擦力やウォーム用モータ103の保持力に抗してウォーム101を回転させるのに必要な駆動力が極めて大きくなるように構成されている。このため、ウォーム101を回転させることができず、ウォームホイール102が停止する。
【0031】
同様に、ウォーム用モータ103を作動させずにウォームホイール102を降下方向に回転させても、図4(b)のように歯102aが歯101aに当接し、ウォーム101がウォームホイール102の回転を阻止するようになっている。本実施形態において保持モジュール100は、カセット95を支持した状態の昇降体4を一定の高さに保持できるように調整されている。つまり、昇降体4が重力に従って落下しようとしても、ウォーム101がウォームホイール102を停止させると共に昇降体4の重量を保持し、昇降体4を一定の高さに保持することができるようになっている。
【0032】
これに対して、ウォーム用モータ103を以下のように作動させた場合に、ウォーム101及びウォームホイール102をそれぞれ円滑に回転させることができる。ウォームホイール102を上昇方向に回転させる場合、図4(a)のようにウォームホイール歯102aが左方からウォーム歯101aに追い付くと、ウォームホイール102の回転がウォーム101によって阻止される。
【0033】
そこで、ウォーム用モータ103を作動してウォーム101を図3の方向Aに回転させる。これによってウォーム歯101aは、図4において右方向aへと移動する。このとき、ウォーム101及びウォームホイール102の回転速度は、ウォームホイール歯102aが左方(ウォーム歯101aの移動方向aに関してウォーム歯101aの後方)からウォーム歯101aに追い付かないように、つまり、図4(a)のような状態にならないような速度に調整する。例えば、ウォーム歯101aとウォームホイール歯102aとが図4(b)に示されるような位置関係に保持されるようにウォーム101及びウォームホイール102を回転させる。
【0034】
これによって、ウォームホイール歯102aはウォーム歯101aに左方から当接することなく、ウォームホイール102は上昇方向に円滑に回転するようになる。このとき、ウォーム歯101aも図4(b)において右方のウォームホイール歯102aから負荷を受けないように、ウォーム101の回転速度とウォームホイール102の回転速度とが調整されることが好ましい。これによると、ウォーム用モータ103がウォーム101を回転させるのに必要な電力が小さくなる。
【0035】
また、ウォームホイール102を降下方向に回転させた場合、図4(b)のようにウォームホイール歯102aが右方からウォーム歯101aに追い付くと、ウォームホイール102の回転がウォーム101によって阻止される。
【0036】
そこで、ウォーム用モータ103を作動してウォーム101を図3の方向Bに回転させる。これによってウォーム歯101aは、図4において右方向bへと移動する。このとき、ウォーム101及びウォームホイール102の回転速度は、ウォームホイール歯102aが右方(ウォーム歯101aの移動方向bに関してウォーム歯101aの後方)からウォーム歯101aに追い付かないように、つまり、図4(b)のような状態にならないような速度に調整する。例えば、ウォーム歯101aとウォームホイール歯102aとが図4(a)に示されるような位置関係に保持されるようにウォーム101及びウォームホイール102を回転させる。
【0037】
これによって、ウォームホイール歯102aはウォーム歯101aに右方から当接することなく、ウォームホイール102は降下方向に円滑に回転するようになる。このとき、ウォーム歯101aも図4(a)において左方のウォームホイール歯102aから負荷を受けないように、ウォーム101の回転速度とウォームホイール102の回転速度とが調整されることが好ましい。これによると、ウォーム用モータ103がウォーム101を回転させるのに必要な電力が小さくなる。
【0038】
以下、スタッカクレーン1の制御系について説明する。図5は、スタッカクレーン1の制御系の構成を示すブロック図である。スタッカクレーン1は、制御部110を有している。制御部110は、プロセッサ回路やメモリ回路などのハードウェアと、プロセッサ回路を各種制御部として機能させるプログラム等のソフトウェアとから構築されている。
【0039】
制御部110は、走行制御部111、昇降制御部112(モータ回転制御手段)及び移載制御部113を有している。走行制御部111は、走行用モータ19及びガイド用モータ11を制御し、スタッカクレーン1全体を図2の左右方向に沿って走行させる。これによって、走行制御部111は、保管装置90において図2の左右方向に関してカセット95を般出入する目標の位置にリニアスライダ18が配置されるように、スタッカクレーン1を移動させる。
【0040】
昇降制御部112は、昇降ユニット20L及び20Rの各ウォーム用モータ103及び昇降用モータ26を制御し、昇降体4を鉛直方向に関して移動させる。ここで、昇降制御部112は、昇降ユニット20L及び20Rの各昇降用モータ26を同期させ、図2において固定部材9の高さが等しくなるようにこれらのモータを制御する。これによって、昇降体4が水平姿勢を保ったまま鉛直方向に移動する。そして、昇降制御部112は、保管装置90においてカセット95を般出入する目標の棚の高さにリニアスライダ18が配置されるように、昇降体4を移動させる。
【0041】
カセット95を般出入する目標の棚の高さにおいて図2の左右方向に関して目標の位置にリニアスライダ18が配置されると、移載制御部113は、リニアスライダ18を制御し、目標の棚の目標の位置との間でカセット95を般出入する。
【0042】
以下、昇降制御部112の制御内容についてより詳細に説明する。まず、昇降体4を上昇させるときの制御内容について説明する。昇降制御部112が昇降用モータ26を作動させて昇降体4を上昇させ始めると、回転軸15の回転に伴ってウォームホイール102が上昇方向に回転し始める。そこで、昇降制御部112は、ウォーム用モータ103も作動させて図3のA方向にウォーム101を回転させ始める。そして、昇降制御部112は、ウォーム歯101aとウォームホイール歯102aとの位置関係が図4(b)の関係になるように回転速度を調整しつつ、昇降用モータ26及びウォーム用モータ103の回転を加速する。その後、昇降制御部112は、図4(b)の位置関係を保つようにウォーム101の回転の速さとウォームホイール102の回転の速さとを等しいものに保持する。つまり、上記の通り、図4(b)においてウォームホイール歯102aがウォーム歯101aに左方から追い付くことがないようにウォーム101及びウォームホイール102を回転させる。
【0043】
これによって、昇降用モータ26の回転トルクがウォームホイール102からウォーム101へと伝達されることがなく、ウォームホイール102を上昇方向に円滑に回転させることができる。したがって、昇降体4を円滑に上昇させることができる。
【0044】
このとき、昇降制御部112は、ウォームホイール102からの負荷がウォーム101へと伝達されないように昇降用モータ26及びウォーム用モータ103を制御することが好ましい。これによると、ウォーム用モータ103がウォーム101を回転させるのに必要な電力が小さくて済む。
【0045】
次に、昇降体4を上昇させている状態から昇降体4の高さを保持する状態に移行する際の制御内容について説明する。昇降制御部112は、図4(b)の状態を保ちつつ、昇降用モータ26を減速させ、その回転を停止する。ここで、昇降制御部112は、ウォーム用モータ103も昇降用モータ26と共に減速させる。そして、昇降制御部112は、ウォーム101及びウォームホイール102の回転数が十分に小さくなったところでウォーム101とウォームホイール102とがセルフロックするように、ウォーム用モータ103及び昇降用モータ26の回転を制御する。例えば、ウォームホイール102の回転数が毎分10回転以下に落ちたところでセルフロックするように、ウォーム用モータ103及び昇降用モータ26の回転を制御する。
【0046】
昇降用モータ26が停止すると、回転軸15には昇降体4側からの負荷のみがかかることとなり、ウォームホイール102は図4において降下方向に回転しようとする。しかし、かかる負荷はウォーム101及びウォームホイール102間の摩擦力やウォーム用モータ103の保持力によって支えられる。したがって、ウォームギアがセルフロックした状態を保持することができ、昇降体4は一定の高さに保持される。
【0047】
次に、昇降体4の高さを保持した状態から昇降体4を降下させる状態に移行する際の制御内容について説明する。まず、昇降制御部112は、昇降体4の高さを保持した状態から、昇降用モータ26を駆動して昇降体4を降下させ始める。すると、ウォームホイール102は図4の降下方向に回転し始める。そこで、昇降制御部112は、ウォーム用モータ103も作動させて図3のB方向にウォーム101を回転させ始める。そして、昇降制御部112は、ウォーム歯101aとウォームホイール歯102aとの位置関係が図4(b)の関係から図4(a)の関係に変化するように回転速度を調整しつつ、昇降用モータ26及びウォーム用モータ103の回転を加速する。その後、昇降制御部112は、図4(a)の位置関係を保つようにウォーム101の回転の速さとウォームホイール102の回転の速さとを等しいものに保持する。これによって、ウォームホイール102はウォーム101からの負荷を受けることなく、降下方向に円滑に回転することができる。したがって、昇降体4を円滑に降下させることができる。
【0048】
このとき、昇降制御部112は、昇降体4を上昇させるときと同様、ウォームホイール102からの負荷がウォーム101へと伝達されないように昇降用モータ26及びウォーム用モータ103を制御することが好ましい。これによると、ウォーム用モータ103がウォーム101を回転させるのに必要な電力が小さくて済む。
【0049】
次に、昇降体4を降下させている状態から昇降体4の高さを保持する状態に移行する際の制御内容について説明する。昇降体4を降下させているときには、ウォーム101とウォームホイール102とは図4(a)に示される状態を取っている。一方、昇降体4の高さを保持するためには、ウォーム101及びウォームホイール102に図4(b)の状態を取らせる必要がある。そこで、昇降体4を降下させている状態で、図4(a)の状態から図4(b)の状態に移行するために、例えば以下の3つの制御方法のいずれかを取ることができる。
【0050】
第1の制御方法において、昇降制御部112は、昇降用モータ26を減速させる前にウォーム用モータ103を減速させ始め、ウォーム101及びウォームホイール102を図4(b)の状態にする。すると、ウォーム歯101aとウォームホイール歯102aとが噛み合い、ウォーム101の減速に合わせてウォームホイール102が減速し、やがて停止する。この場合、ウォームホイール102が減速していない状態で急激にウォーム歯101aとウォームホイール歯102aとが噛み合うため、互いの歯に過大な負荷が掛かるおそれがある。
【0051】
第2の制御方法は以下の通りである。まず、昇降制御部112は、昇降用モータ26を減速させると共にウォーム用モータ103を減速させる。ここで、それぞれの減速は、ウォーム用モータ103が昇降用モータ26よりも若干早く減速するように調整される。したがって、ウォーム101がウォームホイール102より早く減速するため、ウォーム101及びウォームホイール102の位置関係は、図4(a)の状態から図4(b)の状態へと徐々に移行する。
【0052】
なおかつ、昇降制御部112は、ウォーム101及びウォームホイール102の回転数が十分に小さくなったタイミングでウォーム101及びウォームホイール102が図4(b)の状態になるように、昇降用モータ26及びウォーム用モータ103の減速を調整する。例えば、ウォームホイール102の回転数が毎分10回転以下に落ちたところで図4(b)の状態になるように、昇降用モータ26及びウォーム用モータ103を減速させる。これによって、回転数が大きい段階でウォーム歯101aとウォームホイール歯102aとが噛みあって互いの歯に過剰な負荷が掛かるのを防止することができる。その後、ウォーム101及びウォームホイール102が図4(b)の状態になると、昇降制御部112は昇降用モータ26を停止する。
【0053】
第3の制御方法は以下の通りである。まず、昇降制御部112は、ウォーム用モータ103及び昇降用モータ26を同様に減速させ、これらをほぼ同時に停止させる。そして、ウォーム101及びウォームホイール102の回転がそれぞれ停止すると、昇降用モータ26に一旦昇降体4の重量を保持させる。ここで、ウォーム101及びウォームホイール102は図4(a)の状態を保持している。そして、昇降制御部112は、昇降用モータ26に供給する電流制限を徐々に低下させる。すると、昇降体4が落下し始め、それに伴ってウォームホイール102が降下方向に回転する。これによって、昇降制御部112は、ウォーム歯101aとウォームホイール歯102aとが図4(b)のように噛み合い、ウォームホイール102が停止するようにウォーム用モータ103及び昇降用モータ26を制御する。このように、ウォーム101及びウォームホイール102を停止させた後に徐々にウォームホイール102を回転させてウォーム歯101aとウォームホイール歯102aとを噛み合わせることにより、互いの歯に過剰な負荷が掛かるのを防止することができる。
【0054】
[第2の実施形態]
以下、第2の実施形態のスタッカクレーン200について説明する。なお、第2の実施形態において第1の実施形態と同じ構成については同じ符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0055】
スタッカクレーン200は、図6において左右に1つずつ設けられた一対のボールねじ215を有している。ボールねじ215の上端はフレーム3に回転可能に支持されている。ボールねじ215の下端は昇降用モータ226の駆動軸に固定されている。昇降用モータ226はフレーム17の上面に固定されている。ボールねじ215にはそれぞれナット202が設置されている。ナット202には鉛直方向に沿った貫通孔が形成されている。この貫通孔内の表面には、ボールねじ215に切られた歯と噛み合うような歯が切られている。ボールねじ215はナット202の貫通孔内のねじと噛み合うようにナット202を貫通している。左右一対のナット202は互いに同じ高さに配置されており、各ナット202には昇降体4が固定されている。ボールねじ215の歯とナット202の歯との間の摩擦力は小さいため、ボールねじ215が停止している状態においては、ナット202は重力に従って落下しようとするようになっている。
【0056】
図6の左右方向に関してボールねじ215の外側には、一対の台形ねじ201が設置されている。台形ねじ201は、雄ねじ軸204と雌ねじナット205とを有している。雄ねじ軸204の上端はフレーム3に回転可能に支持されている。雄ねじ軸204の下端は台形ねじ用モータ203の駆動軸に固定されている。台形ねじ用モータ203はフレーム17に固定されている。図7は、図6の左側の台形ねじ201における雄ねじ軸204及び雌ねじナット205の噛み合わせ箇所の断面図である。雄ねじ軸204には縦断面が台形形状を有する歯204aが切られている。雌ねじナット205には鉛直方向に沿った貫通孔が形成されている。この貫通孔内の表面には、雄ねじ軸204側の歯204aと噛み合うような歯205aが切られている。雄ねじ204は雌ねじナット205の貫通孔内のねじと噛み合うように雌ねじナット205を貫通している。左右一対の雌ねじナット205は互いに同じ高さに配置されており、各雌ねじナット205にはナット202が固定されている。
【0057】
台形ねじ201は、雄ねじ軸204を回転させることによって、雌ねじナット205を雄ねじ軸204に沿って移動させることができるように構成されている。その一方で、雌ねじナット205側に大きい駆動力をかけて鉛直方向に移動させようとしても、雄ねじ軸204を回転させることができないように構成されている。例えば、昇降用モータ226の駆動を停止すると、昇降体4の落下に伴って雌ねじナット205が降下しようとする。しかし、図7(b)に示すように上方から歯205aが歯204aに当接し、歯204a及び205a間の摩擦力や台形ねじ用モータ203の保持力によって、カセット95を支持した状態の昇降体4の重量を保持できるようになっている。
【0058】
そこで、雌ねじナット205を鉛直方向に円滑に移動させるためには、雄ねじ軸204を回転させる必要がある。例えば、雌ねじナット205を上昇させるためには、例えば雄ねじ軸204と雌ねじナット205とが互いに図7(b)に示す位置関係を有するように、雌ねじナット205の上昇に応じて雄ねじ軸204を回転させる。また、雌ねじナット205を降下させるためには、例えば雄ねじ軸204と雌ねじナット205とが互いに図7(a)に示す位置関係を有するように、雌ねじナット205の降下に応じて雄ねじ軸204を回転させる。これによって、雌ねじナット205を鉛直方向に円滑に移動させることができるようになっている。
【0059】
以上の通り、本実施形態は、昇降体4を昇降させる際には、昇降用モータ226を駆動しつつ、雌ねじナット205に連動して雄ねじ軸204が回転するように台形ねじ用モータ203を駆動する。一方で、昇降用モータ226を停止した場合には、雌ねじナット205と雄ねじ軸204との間の摩擦力や台形ねじ用モータ203の保持力によって、雌ねじナット205の高さが保持されるようになっている。これによって、昇降体4の高さを保持することができる。
【0060】
なお、雌ねじ205とナット202とが固定されておらず、雌ねじナット205がナット202を下方から支持するように構成されていてもよい。
【0061】
<その他の変形例>
以上は、本発明の好適な実施形態についての説明であるが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、課題を解決するための手段に記載された範囲の限りにおいて様々な変更が可能なものである。
【0062】
第1の実施形態は、駆動力伝達機構30とウォーム機構100とで構成され、第2の実施形態は、ボールねじ機構と台形ねじ201で構成されているが、これらの組合せは自在である。例えば、駆動力伝達機構30と台形ねじ201の構成とすることは可能であり、また、ボールねじ機構とウォーム機構100とで構成することも可能である。
【0063】
また、第1の実施形態において、昇降体4を上昇させている状態から昇降体4の高さを保持した状態に移行する際に、昇降制御部112は、図4(b)の状態を保ちつつ昇降用モータ26及びウォーム用モータ103を減速させている。しかし、減速中に図4(b)の状態からウォーム歯101aをウォームホイール歯102aから左方へと一旦離隔させ、昇降用モータ26を停止する直前で再び図4(b)の状態にした後に、ウォームホイール102の回転を停止させてもよい。
【0064】
また、第1の実施形態においては、ウォームホイール102が回転軸15に固定されている。しかし、ウォームホイール102が回転軸15に連動して回転するようになっていればウォームホイール102が回転軸15に固定されていなくてもよい。例えば、さらに別のギアを介してウォームホイール102が回転軸15に連動して回転するようになっていてもよい。
【0065】
また、ウォーム用モータ103や台形ねじ用モータ203に電磁ブレーキが設けられていてもよい。この場合、万が一、保持モジュール100のウォームギアや台形ねじ201が昇降体4の重量を支えられない事態が生じても、電磁ブレーキが作動してウォーム101や雄ねじ軸204の回転を停止させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の一実施形態である第1の実施形態に係るスタッカクレーンの側面図である。
【図2】図1のスタッカクレーンの正面図である。
【図3】図1に示す保持モジュール100付近の正面拡大図である。
【図4】図3においてウォームとウォームホイールとの噛み合せ部分の拡大図である。
【図5】図1のスタッカクレーンの制御系の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の別の実施形態である第2の実施形態に係るスタッカクレーンの正面図である。
【図7】図6の左側の台形ねじにおける雄ねじ軸及び雌ねじナットの噛み合わせ箇所の断面図である。
【符号の説明】
【0067】
1 スタッカクレーン
4 昇降体
20L,20R 昇降ユニット
26 昇降用モータ
90 保管装置
91 棚
95 カセット
100 保持モジュール
101 ウォーム
101a ウォーム歯
102 ウォームホイール
102a ウォームホイール歯
103 ウォーム用モータ
110 制御部
112 昇降制御部
200 スタッカクレーン
203 台形ねじ用モータ
204 雄ねじ軸
205 雌ねじナット
226 昇降用モータ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉛直方向に配列された複数の棚のそれぞれに被搬送物を搬入すると共に、前記複数の棚のそれぞれから被搬送物を搬出する搬送装置であって、
被搬送物を支持する鉛直方向に移動可能な昇降体と、
昇降用モータと、
前記昇降用モータの駆動軸の回転と前記昇降体の鉛直方向に関する移動とが互いに連動し合うように前記駆動軸の回転トルクを鉛直方向の駆動力に変換して前記昇降体へ伝達する駆動力伝達機構と、
前記昇降用モータの駆動軸と連動して回転するウォームホイール、及び、前記ウォームホイールと噛み合うウォームを有するセルフロック可能なウォーム伝達装置と、
前記ウォームを回転駆動するウォーム用モータと、
前記昇降体を昇降させる際には前記ウォームホイールが回転可能な状態を取り、前記昇降体に高さを保持させる際には前記ウォーム伝達装置がセルフロックした状態を取るように、前記昇降用モータの回転及びウォーム用モータの回転をそれぞれ制御するモータ回転制御手段とを備えていることを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
前記モータ回転制御手段が、
前記昇降体を昇降させる際に、前記ウォームホイールと前記ウォームとの噛み合わせ箇所において前記ウォームホイールの歯が前記ウォームの歯の移動方向に関して前記ウォームの歯に後方から追い付くことがないように、前記昇降用モータの回転及びウォーム用モータの回転をそれぞれ制御することを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記モータ回転制御手段が、前記昇降体が移動している状態から前記昇降体の高さが保持された状態になる際に、前記ウォームホイールの回転が所定の回転数以下になった状態において前記ウォーム伝達装置がセルフロックするように前記昇降用モータの回転及びウォーム用モータの回転をそれぞれ制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記モータ回転制御手段が、
前記昇降体が降下している状態から前記昇降体の高さが保持された状態になる際に、前記ウォーム用モータ及び昇降用モータにそれぞれ回転を停止させて前記昇降用モータに前記昇降体の重量を一旦保持させた後に、前記昇降体が徐々に降下して前記ウォーム伝達装置がセルフロックするように、前記ウォーム用モータの回転及び昇降用モータの回転を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の搬送装置。
【請求項5】
鉛直方向に配列された複数の棚のそれぞれに被搬送物を搬入すると共に、前記複数の棚のそれぞれから被搬送物を搬出する搬送装置であって、
被搬送物を支持する鉛直方向に移動可能な昇降体と、
前記昇降用モータの駆動軸の回転と前記昇降体の鉛直方向に関する移動とが互いに連動し合うように前記駆動軸の回転トルクを鉛直方向の駆動力に変換して前記昇降体へ伝達する駆動力伝達機構と、
鉛直方向に沿った雄ねじ軸と、前記雄ねじ軸が貫通しており前記昇降体に固定された雌ねじナットとを有する台形ねじと、
前記雄ねじ軸を回転駆動する台形ねじ用モータと、
前記昇降体を昇降させる際には前記雌ねじナットが前記雄ねじ軸に沿って移動し、前記昇降体に高さを保持させる際には前記台形ねじがセルフロックするように、前記昇降用モータの回転及び前記台形ねじ用モータの回転を制御するモータ回転制御手段とを備えていることを特徴とする搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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