説明

携帯充電器

【課題】 使い勝手が良く、コネクタへの負荷を軽減できる携帯充電器を提供する。
【解決手段】 携帯充電器1は、本体ケース2にその裏面に露出して取付けられた太陽電池31と、この電池で充電される二次電池25と、本体ケース2に着脱される携帯電話51に二次電池25の電力を供給するコネクタ21とを備える。本体ケース2は、長方形の機器載置壁9、側壁6、及び機器載置壁9の長手方向一端部に設けられかつコネクタ21が取付けられたコネクタ取付け部11を備える。この本体ケース2の側壁6間は上方に開放され、機器載置壁9の長手方向他端は開放されている。機器載置壁9は携帯電話51が着脱自在に載置されるフラットな表面を有する。側壁6を機器載置壁9の両側縁に沿って夫々設ける。これら側壁6が機器載置壁9に載置された受止め可能な保持部6dを有していて、この保持部6dを機器載置壁9との間に携帯電話51の側縁を挟むように設けたことを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯式情報端末機器例えば携帯電話等とともに携帯することが可能であって、太陽光で発電した電力を前記携帯電話等に供給する携帯充電器に関する。
【背景技術】
【0002】
上面のみが開放されたケース本体の長手方向一端部に電源供給ユニットを設け、このユニットにケース本体の長手方向他端に向けてコネクタを突設するとともに、電源供給ユニットが有した二次電池に充電するための太陽電池をケース本体の裏面に固着した構成の携帯端末用ケースが、従来技術として知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この携帯端末用ケースでは、携帯電話などの携帯端末がその操作面を上側にしてケース本体に収容されるので、この携帯端末とともに携帯端末用ケースを携帯できるとともに、この携帯中に操作面を操作することが可能である。そして、前記収容状態では、携帯端末とコネクタとが嵌合して接続されているから、太陽光を受ける太陽電池により発電されて二次電池に蓄えられた電力を、ケース本体に収容された携帯端末に供給することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−110195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の携帯端末用ケースはその上面のみが開放された構成である。この構成では、携帯端末をケース本体内に出し入れする方向が垂直方向であるのに対して、コネクタに携帯端末を着脱する方向は水平方向である。したがって、携帯端末を着脱するために、携帯端末を動かす方向を、略直角に変える面倒がある。これとともに、ケース本体に収容された状態で、携帯端末をケース本体の長手方向に沿って水平に移動させる際に、ケース本体の壁が邪魔になる。したがって、特許文献1の携帯端末用ケースは、コネクタに携帯端末を着脱する際の使い勝手がよくない、という課題がある。
【0006】
更に、特許文献1の携帯端末用ケースは、ケース本体内に対する携帯端末の保持を、専らコネクタとの接続部のみに依存した構成である。そのため、コネクタに片持ち状態で支持された携帯端末がその厚み方向に動くことが可能である。こうした動きが過大である場合、コネクタに過負荷が掛かり易く、耐久性上問題があるという課題がある。
【0007】
したがって、本発明の目的は、使い勝手が良く、かつ、コネクタに対する負荷を軽減できる携帯充電器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明は、本体ケースにその裏面に露出して取付けられた太陽電池と、この電池で充電される二次電池と、本体ケースに着脱される携帯式の情報端末機器に二次電池の電力を供給するコネクタとを備えた携帯充電器において、本体ケースが、情報端末機器が着脱自在に載置されるフラットな表面を有した長方形の機器載置壁、この機器載置壁の両側縁に沿って夫々設けられた側壁、及び機器載置壁の長手方向一端部に設けられかつコネクタが取付けられたコネクタ取付け部を備えていて、この本体ケースの側壁間を上方に開放するとともに機器載置壁の長手方向他端を開放し、かつ、機器載置壁に載置された情報端末機器の側縁を受止め可能な保持部を、機器載置壁との間に側縁を挟むように側壁の夫々に設けたことを特徴としている。
【0009】
本発明の携帯充電器が備える本体ケースは、その機器載置壁の長手方向一端部に設けられたコネクタ取付け部に対して、本体ケースの長手方向に向かい合う壁がなく、機器載置壁の長手方向他端が開放されている。そのため、機器載置壁上に載せられた携帯電話等の携帯式情報端末機器をコネクタに容易に着脱できるので、使い勝手がよい。更に、本体ケースに情報端末機器が充電可能にセットされた状態では、情報端末機器の側縁が機器載置壁と側壁の保持部とで挟まれるように配置されるので、本体ケースの側壁間を通って情報端末機器が外れることが防止されるとともに、コネクタに接続された情報端末機器の厚み方向の過大な動きを原因とする過負荷がコネクタに与えられることを抑制できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の携帯充電器によれば、使い勝手が良く、かつ、コネクタに対する負荷を軽減できる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】(A)(B)は本発明の一実施形態に係る携帯充電器を夫々異なる方向から見て示す斜視図である。
【図2】図1の携帯充電器を分解した状態を裏側から見て示す斜視図である。
【図3】図1の携帯充電器を分解した状態をこの充電器にセットされる携帯電話とともに表側から見て示す斜視図である。
【図4】図1の携帯充電器を裏返した状態で示す斜視図である。
【図5】図1の携帯充電器をそれに携帯電話がセットされた状態で示す斜視図である。
【図6】図5中F6−F6線に沿って示す断面図である。
【図7】図5中F7−F7線に沿って示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について、図1〜図7を参照して詳細に説明する。
【0013】
図1〜図7中符号1は携帯充電器(以下充電器と略称する。)を示し、図3及び図5〜図7中符号51は充電器1に着脱することが可能な充電対象物である情報端末機器例えば携帯電話を示している。
【0014】
図示の携帯電話51は例えば「iPhone4」(Apple inc.の商品名)と称される平面視略長方形状の携帯電話である。この携帯電話51は、金属製のフレーム52に正面パネル53と裏面パネル54(図6及び図7参照)を装着してなる外装組立を備えており、フレーム52は正面パネル53及び裏面パネル54の外周面に外側から重なっている。外装組立には、図示しないが機器側二次電池が内蔵されているとともに、この機器側二次電池を電源として動作され携帯電話51に備わった様々な機能を実現する各種の部品が内蔵されている。
【0015】
携帯電話51の使用時に手元側に位置されるフレーム52の一端にコネクタ接続口55(図3参照)が開口されている。これとともに、携帯電話51の使用時に手先側に位置されるフレーム52の他端部に複数の操作部材56〜59(図7参照)が設けられていて、そのうちの操作部材57〜59は外装組立の側方に臨んで配設されている。更に、図3及び図5に示すように正面パネル53には、タッチ操作をすることが可能なパネル状のディスプレイ60と、このディスプレイ60の下側に位置する送話口61と、ディスプレイ60の上側に位置する受話口62が設けられている。なお、外装組立に内蔵されたカメラの受光部(図示しない)が裏面パネル54にこれを貫通するように取付けられている。
【0016】
図6及び図7に示すように充電器1は、硬質合成樹脂製の本体ケース2と、コネクタ21と、二次電池25と、太陽電池31と、基板組立35等を具備している。
【0017】
本体ケース2は、第1ケース部材3と第2ケース部材8をねじ止めして形成されている。
【0018】
図2及び図3に示すように第1ケース部材3は、長方形の開口4を有しているとともに、この開口4の長手方向の片側近傍に受光口5を有している。受光口5はテーパ状に形成されている。
【0019】
第1ケース部材3はその幅方向両側に夫々第1ケース部材3の長手方向一端から他端にわたる側壁6を一体に有している。これら側壁6は、第1ケース部材3の長手方向に延びて互に平行に設けられていて、第1ケース部材3の幅方向に相対向している。夫々の側壁6は、一端側部位6aと他端側部位6bとこれらにわたる中間部位からなる斜状部位6cを有している。
【0020】
側壁6の長手方向一端部を占める一端側部位6aの高さは、他端側部位6b及び斜状部位6cより高い。この一端側部位6aに保持部6dが設けられている。保持部6dは側壁6の長手方向に延びて形成され、例えば一端側部位6aの上縁から折れ曲がっている。夫々の側壁6が有した保持部6dは、互に近付く方向に突出されているとともに、後述する機器載置壁9の長手方向の全長より短い。
【0021】
側壁6の長手方向他端部を占める他端側部位6bの高さは、一端側部位6a及び斜状部位6cより低い。側壁6の長手方向中間部を占める斜状部位6cは斜状に形成されている。言い換えれば、斜状部位6cの上辺が、後述する機器載置壁9の開放された長手方向他端に近付く程、機器載置壁9の表面に近付くように斜状に形成されている。
【0022】
第2ケース部材8は、平面視長方形で表面がフラットな機器載置壁9と、この機器載置壁9の幅方向両側に一体に連続して設けられた側板10と、これら機器載置壁9及び側板10の長手方向一端に一体に連続して設けられたコネクタ取付け部11とを有している。
【0023】
機器載置壁9の表面には携帯電話51が着脱可能に載置される。第2ケース部材8の側板10を通る位置での幅方向の断面は図6に示すように略H字状である。図7に示すようにコネクタ取付け部11は、機器載置壁9から上向きに直角に折れ曲がった起立部位、及びこの起立部位の上端から機器載置壁9とは反対向きに折れ曲がった水平状のカバー部位を有している。この第2ケース部材8は第1ケース部材3にねじ止めされている。
【0024】
機器載置壁9は、第1ケース部材3の側壁6間に配置されて、第1ケース部材3の長手方向一端部を除いて第1ケース部材3を上方から覆っている。機器載置壁9の他端(コネクター取付け部と反端側の端)は、図7に示すように第1ケース部材3の長手方向他端3aで裏側から支持されている。図6に示すように側板10は側壁6の内面に接しており、この側板10の上縁は保持部6dの下方に対向するように位置されている。機器載置壁9の表面に対して側板10の上縁及び保持部6dは夫々平行である。図7に示すようにコネクタ取付け部11は第1ケース部材3の長手方向一端部3bを上方から覆っていて、第1ケース部材3がその長手方向一端に有した起立端壁12で裏側から支持されている。
【0025】
以上のように第1ケース部材3と第2ケース部材8を組立ててなる本体ケース2の側板10間は、図1(A)(B)に示すように上方に開放されている。これとともに、図1(A)(B)及び図7に示すように機器載置壁9の長手方向他端が開放されている。
【0026】
なお、図1(A)(B)等に示すように機器載置壁9の長手方向他端部に通孔13が開口されている。この通孔13は受光口5の奥端に連続している。充電器1に携帯電話51がセットされた状態で、この携帯電話51が有したカメラの受光部は、通孔13に対向して配置され、それにより、前記セット状態でも前記カメラを使用可能となっている。
【0027】
コネクタ21は、コネクタ取付け部11にその内側からねじ止めされたコネクタ押え22(図2及び図3参照)を用いて取付けられている。コネクタ21は、コネクタ取付け部11の起立部位をその高さ方向中間位置で貫通し、機器載置壁9の開放された長手方向他端に向けて突出されている。このコネクタ21には、充電器1にセットされた携帯電話51のコネクタ接続口55が着脱可能に嵌合される。
【0028】
二次電池25には例えばリチウム・ポリマー電池を好適に使用できるが、これには限定されない。二次電池25は図2及び図3に示すように四角い板状に形成されている。この二次電池25は、例えば図6及び図7に示すように機器載置壁9の裏面に接するように本体ケース2に内蔵されている。二次電池25は、側板10と、図2に示した第2ケース部材8のリブ14とによって位置決めされている。
【0029】
太陽電池31は四角いパネル状に形成されていて、二次電池25に重なるように第2ケース部材8の裏側に配設されている。この太陽電池31は、開口4の縁と二次電池25とで挟持されている。そして、太陽電池31は本体ケース2の裏面に露出して設けられている。
【0030】
基板組立35は、充電のため等に必要とする所定の電気部品等を回路基板に搭載して形成されていて、第2ケース部材8の長手方向一端部の裏側に配置されている。この基板組立35に、コネクタ21、二次電池25、及び太陽電池31等が夫々電気的に接続されている。太陽電池31が太陽光を受けて発電した電力は基板組立35を経由して二次電池25に蓄えられ、この二次電池25の電力は基板組立35を経由してコネクタ21に供給される。
【0031】
更に、図2及び図3に示すように基板組立35には、外部直流電源が着脱可能に接続される受電コネクタ36、充電表示ランプ37、及び充電切換えスイッチ38等が取付けられている。受電コネクタ36はコネクタ取付け部11の外部に開放されたコネクタ挿入口に連続して配設されている。充電表示ランプ37は図1(A)等に示すコネクタ取付け部11の表示窓39を通して外部から視認可能である。充電切換えスイッチ38のスイッチ摘みは使用者により外部から任意にオン・オフ操作ができるようにコネクタ取付け部11の外部に臨んで設けられている。この充電切換えスイッチ38のオン状態では二次電池25からコネクタ21への電力供給が可能であり、オフ状態では二次電池25からコネクタ21への電力供給が遮断される。
【0032】
以上説明した充電器1の構成によれば、本体ケース2は、その機器載置壁9の長手方向一端部に設けられたコネクタ取付け部11に対して、本体ケース2の長手方向に向かい合う壁がなく、機器載置壁9の長手方向他端が開放されている。そのため、以下の手順で充電器1に携帯電話51を容易にセットできる。
【0033】
まず、携帯電話51を機器載置壁9の長手方向他端部上に接触させる。この場合、機器載置壁9に対して上方向から垂直に携帯電話51を載せる手間を要さずに、機器載置壁9の端部に対して斜め上方又は側方向から携帯電話51を接触させることができ、その際に本体ケース2の一部が邪魔になることがない。しかも、側壁6の他端側部位6bの高さは機器載置壁9の表面に近い高さであるとともに、側壁6の斜状部位6cは他端側部位6b側ほど低くなる斜状であるので、これら他端側部位6b及び斜状部位6cが、前記接触のための操作の邪魔になり難く、又、この段階では側壁6の保持部6dとは干渉しない。
【0034】
引き続いて、機器載置壁9の表面に対する携帯電話51の接触状態を維持しつつ、この携帯電話51を機器載置壁9の表面と平行となるように伏せた上で、携帯電話51を、機器載置壁9の表面に沿って滑らせるようにコネクタ取付け部11に向けて押込んで、機器載置壁9に載置させる。この押込みの進行に伴って、携帯電話51のフレーム52が側壁6の保持部6dの真下に入り込んで近接し、かつ、この状態を維持しながら携帯電話51が押込まれる。こうした押込みによって、携帯電話51のコネクタ接続口55がコネクタ21に嵌合される。
【0035】
この場合、携帯電話51の幅方向の移動は、その幅方向両側面と第2ケース部材8の側板10の上部との接触により抑制され、携帯電話51の上下方向(厚み方向)の移動は本体ケース2の機器載置壁9と側壁6の保持部6dとによって抑制される。その結果、コネクタ接続口55がコネクタ21に対して位置決めされた状態で携帯電話51が押込まれるので、コネクタ21へのコネクタ接続口55の接続が円滑である。又、以上のセット操作中に使用者の手指が本体ケース2の側壁6に触れることがあっても、側壁6が斜状部位6cを有していることにより、手指に角が当たって痛みを与えることがなく、安心して取扱うことができる。
【0036】
以上のように携帯電話51を機器載置壁9に接触させた上でこの機器載置壁9をガイドにして携帯電話51を押込むという一連の簡単な手順で、コネクタ21に携帯電話51が機械的かつ電気的に接続された状態に携帯電話51を充電器1にセットできる。セットが完了した状態を図5〜図7に示す。セットされた充電器1の上面と、コネクタ取付け部11のカバー部位の上面と、側壁6の一端側部位6aの上端とは、略同じ高さで略面一に連続するように配置されている。
【0037】
携帯電話51は以上のセット完了状態で充電器1とともに携帯することができる。この場合、図5に示すように携帯電話51の正面パネル53の正面の略全体が露出されているので、セット状態のままで携帯電話51を使用できる。
【0038】
しかも、セット完了状態では、受話口62が設けられている携帯電話51の端部が、その両側面を含めて側壁6で覆われることなく露出された状態にある。それにより、携帯電話51の長手方向の端面に位置された操作部材56が露出された状態にあるだけではなく、図5に示すように携帯電話51の側面の操作部材57〜59も露出された状態にある。この後者の露出は、本体ケース2の側壁6が斜状部位6c及び低い他端側部位6bを有していることで実現されている。そのため、セット完了状態のままで操作部材56〜59も操作して携帯電話51を使用できる。
【0039】
又、携帯電話51が充電器1にセットされた状態又はセットされていない状態で、充電器1の二次電池25に充電をするには、図4に示すように充電器1を裏返して太陽電池31が太陽光を受光できるようにすればよい。こうした受光状態で太陽電池31が発電した電力を溜めた二次電池の電力を、携帯電話51に供給するには、前記セット完了状態で切換えスイッチ38をオン操作すればよく、それにより、コネクタ21を介して二次電池25の電力が携帯電話51に供給される。
【0040】
充電器1ごと携帯電話51が携帯される場合等において、コネクタ21に片持ち支持された状態にある携帯電話51がその厚み方向に過大に動くことがあると、それに伴ってコネクタ21に機械的な過負荷が作用する。しかし、携帯電話51が充電器1にセットされた状態では、図6に示すように携帯電話51の側縁、つまり、フレーム52の側部の上縁が、これに至近距離で対向されている側壁6の保持部6dで覆われており、携帯電話51の裏面は機器載置壁9で支持されている。即ち、携帯電話51の側縁は、機器載置壁9と側壁6の保持部6dとで挟まれるように配設されている。
【0041】
そのため、携帯中に、本体ケース2の開放された側壁6間を通って携帯電話51が外れることは、この携帯電話51の側縁をなしたフレーム52が保持部6dで受止められることで防止される。
【0042】
これとともに、コネクタ21に接続された携帯電話51がその厚み方向に過大に動くことが保持部6dによって防止されるので、コネクタ21に過負荷が与えられることを抑制できる。それに伴い、コネクタ21が斜めに変形する恐れや、コネクタ21が貫通しているコネクタ取付け部11の起立部位にクラックが入って適正にコネクタ21を支持することができなくなる等の恐れを解消できる。
【0043】
又、既述のように携帯電話51が充電器1にセットされた状態では、受話口62が設けられている携帯電話51の端部は、その両側面を含めて、側壁6で覆われることなく露出された状態にある。これとともに、本体ケース2は、その機器載置壁9の長手方向一端部に設けられたコネクタ取付け部11に向かい合う壁がなく、機器載置壁9の長手方向他端が開放されている。
【0044】
そのため、充電器1から携帯電話51を外す際には、受話口62が設けられている携帯電話51の端部を掴むことができ、それにより、携帯電話51を容易に掴んでコネクタ取付け部11から離れる方向に引き動かすことができる。この場合、本体ケース2に邪魔されることがない。したがって、前記引き動かしに伴い、コネクタ21から携帯電話51を容易に離脱させることができるとともに、引き続いてこの離脱方向を変更することなくそのまま連続して携帯電話51を機器載置壁9に沿って引き動かすことにより、この携帯電話51を充電器1から外すことができる。
【0045】
以上のように一実施形態の充電器1によれば、機器載置壁9上に載せられた携帯電話51をコネクタ21に容易に着脱できるので、使い勝手がよいとともに、本体ケース2に携帯電話51がセットされた状態で、携帯電話51がその厚み方向に過大に動くことを抑制できるに伴い、コネクタ21に対する負荷を軽減できる、という効果がある。
【0046】
なお、本発明は前記一実施形態には限定されない。例えば、一実施形態では、携帯電話(携帯式の情報機器端末)51の周部に段差を作るフレーム52を保持部6dで受止め可能としたが、フレームがない構成の情報端末機器が着脱される場合、この情報端末機器の周側部上面を側縁として利用して、この側縁を側板6の保持部6dで受止め可能として実施することができる。更に、情報機器端末の側縁が、情報機器端末の上面より下がった位置に段差を有している場合、これを受止め可能に配置される保持部は、側壁の上縁を形成することには制約されず、この側壁の高さ方向中間位置に設けてもよい。
【0047】
又、前記一実施形態で説明した側壁6は、本体ケース2の長手方向全長にわたり連続しているので、側壁6が使用者の指で押された場合に互に近付くように変形し難い。しかも、他端側部位6bは低いので、より一層変形が抑制される。これにより、相対向した側壁6の他端側部位6bが使用者の指で押されることに伴って側壁6の相互間隔が狭められ難いので、機器載置壁9の長手方向他端部上に携帯電話51を載せる際の支障となる恐れがない利点がある。
【0048】
しかし、本発明は、側壁6の高さが低い他端側部位6bを省略する代わりに、斜状部位6cの先端を機器載置壁9の長手方向中間部に接するように設け、或いは、斜状部位6cを機器載置壁9の長手方向他端にまで延長して設けて、実施することも可能である。この場合、前記斜状部位6cが有する斜状の縁は、斜辺であってもよく、或いは円弧状の辺で形成しても良い。
【符号の説明】
【0049】
1…携帯充電器、2…本体ケース、6…側壁、6a…一端側部位、6b…他端側部位、6c…斜状部位、6d…保持部、9…機器載置壁、11…コネクタ取付け部、21…コネクタ、25…二次電池、31…太陽電池、51…携帯電話(情報端末機器)、52…フレーム(情報端末機器の側縁)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯式の情報端末機器が着脱自在に載置されるフラットな表面を有した長方形の機器載置壁、この機器載置壁の長手方向一端部に設けられたコネクタ取付け部、前記機器載置壁に載置された前記情報端末機器の側縁を前記機器載置壁との間に挟むように設けられて前記側縁を受止め可能な保持部を有して前記機器載置壁の両側縁に沿って夫々設けられた側壁を備え、かつ、前記側壁間が上方に開放されているとともに前記機器載置壁の長手方向他端が開放されている本体ケースと、
前記コネクタ取付け部に前記機器載置壁の長手方向他端に向けて突出して取付けられたコネクタと、
前記本体ケースに内蔵され前記情報端末機器に前記コネクタを介して電力を供給可能な二次電池と、
前記本体ケースにこのケースの裏面に露出して取付けられ前記二次電池を充電する太陽電池と、
を具備したことを特徴とする携帯充電器。
【請求項2】
前記コネクタ取付け部側に位置された前記側壁の一端側部位が高く形成され、かつ、この一端側部位に前記保持部が設けられていて、前記機器載置壁の開放された長手方向他端側に位置された前記側壁の他端側部位が、前記情報端末機器の側面の一部を露出させるように低く形成されているとともに、これら一端側部位と他端側部位とにわたる前記側壁の斜状部位が、前記機器載置壁の開放された長手方向他端に近づく程前記機器載置壁の表面に近付くように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の携帯充電器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−60717(P2012−60717A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−199374(P2010−199374)
【出願日】平成22年9月6日(2010.9.6)
【出願人】(592074441)東京コイルエンジニアリング株式会社 (62)
【出願人】(507161891)株式会社StrapyaNext (9)
【Fターム(参考)】