携帯型バーコードリーダ
【課題】バーコード印刷面上のバーコードの読み取りが行えるうえ、バーコード読み取り用光線が目に入るのを防ぐことが可能な携帯型のバーコードリーダを提供する。
【解決手段】郵便物Ｐのバーコード印刷面Ｐａに紫外線を照射する投光部１０と、投光部１０を動作させて紫外線を照射させる読み取りスイッチ２０と、バーコード印刷面Ｐａで反射して戻る紫外線を受けてバーコードＢＣを読み取る受光部３０を備え、投光部１０が発する紫外線の光路ＵＶがバーコード印刷面Ｐａを向く状態では、読み取りスイッチ２０の操作によって投光部１０が発する紫外線をバーコード印刷面Ｐａに照射可能とすると共に、投光部１０が発する紫外線の光路ＵＶがバーコード印刷面Ｐａを向いていない状態では、紫外線の光路ＵＶを遮断する光路制御機構６０を設けた。
【解決手段】郵便物Ｐのバーコード印刷面Ｐａに紫外線を照射する投光部１０と、投光部１０を動作させて紫外線を照射させる読み取りスイッチ２０と、バーコード印刷面Ｐａで反射して戻る紫外線を受けてバーコードＢＣを読み取る受光部３０を備え、投光部１０が発する紫外線の光路ＵＶがバーコード印刷面Ｐａを向く状態では、読み取りスイッチ２０の操作によって投光部１０が発する紫外線をバーコード印刷面Ｐａに照射可能とすると共に、投光部１０が発する紫外線の光路ＵＶがバーコード印刷面Ｐａを向いていない状態では、紫外線の光路ＵＶを遮断する光路制御機構６０を設けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、郵便物や宅配物のバーコード印刷面に可視光やレーザ光などの光線を照射して該バーコード印刷面上のバーコードを読み取るのに用いる携帯型バーコードリーダに係わり、特に、紫外線を照射してバーコードを読み取るのに好適な携帯型バーコードリーダに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、広く使用されている携帯型バーコードリーダとしては、郵便物や宅配物のバーコード印刷面に可視光やレーザ光などの光線を照射する投光部と、この投光部を動作させて光線を照射させる読み取りスイッチと、前記投光部から照射されてバーコード印刷面で反射して戻る光線を受けてバーコードを読み取る受光部を備えたものがあり、このバーコードリーダでは、その読み取り窓をバーコード印刷面上のバーコードに向けて光線を照射して、情報を取得するようになっている（例えば、特許文献１参照）。
【特許文献１】特開平08-077288号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
ところが、上記した携帯型バーコードリーダにおいて、読み取りスイッチを操作する操作者の判断で光線の照射が行われるようになっているので、例えば、読み取り窓を上方に向けた状態で読み取りスイッチが操作された場合には、読み取り窓を通して照射される光線に眩惑されるなどといった事態を招きかねないという問題があり、この問題を解決することが従来の課題となっていた。
【０００４】
本発明は、上記した従来の課題に着目してなされたもので、バーコード印刷面上のバーコードの読み取りが行えるのは勿論のこと、バーコード読み取り用光線が目に入るのを防ぐことが可能な携帯型バーコードリーダを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
本発明の請求項１に係る発明は、郵便物や宅配物のバーコード印刷面に光線を照射する投光部と、この投光部を動作させて光線を照射させる読み取りスイッチと、前記投光部から照射されてバーコード印刷面で反射して戻る光線を受けてバーコードを読み取る受光部を備えた携帯型バーコードリーダにおいて、前記投光部が発する光線の光路が前記バーコード印刷面を向く状態では、前記読み取りスイッチの操作によって前記投光部が発する光線を該バーコード印刷面に照射可能とすると共に、前記投光部が発する光線の光路が前記バーコード印刷面を向いていない状態では、該光線の光路を遮断する、又は、前記投光部を不作動状態とする光路制御機構を設けた構成としたことを特徴としており、この携帯型バーコードリーダの構成を前述した従来の課題を解決するための手段としている。
【０００６】
また、本発明の請求項２に係る携帯型バーコードリーダにおいて、前記光路制御機構は、前記投光部が発する光線の光路と直交する方向の軸回りに回動して、前記投光部が発する光線の光路が前記バーコード印刷面を向く状態で該光線の光路を開放すると共に、前記投光部が発する光線の光路が前記バーコード印刷面を向いていない状態で該光線の光路を遮断する開閉体を具備している構成としている。
【０００７】
さらに、本発明の請求項３に係る携帯型バーコードリーダにおいて、前記光路制御機構の開閉体は、前記投光部の姿勢の変化に応じて、光路開放位置と光路遮断位置との間を自重により回動する構成としている。
ここで、光路制御機構の開閉体には、投光部が、例えば、紫外線を発する場合において、紫外線の３６５ｎｍ程度の波長をカットする板状のフィルタを採用することができ、この際、開閉体には錘を装着して回動し易くすることが望ましい。
【０００８】
本発明に係る携帯型バーコードリーダにおいて、投光部が発する光線の光路がバーコード印刷面を向く状態では、すなわち、光線が通る読み取り窓を下方に向ける通常のバーコード読み取り状態では、光路制御機構が光線の光路を開放するので（光路制御機構の開閉体が開き方向に回動して光線の光路を開放するので）、この状態で読み取りスイッチの操作を行えば、投光部が発する光線をバーコード印刷面に照射し得ることとなり、バーコード印刷面で反射して戻る光線を受光部が受けることで、バーコードの読み取りが成されることとなる。
【０００９】
一方、投光部が発する光線の光路がバーコード印刷面を向いていない状態では、例えば、光線が通る読み取り窓が上方を向いている状態では、光路制御機構が光線の光路を遮断するので（光路制御機構の開閉体が閉じ方向に回動して光線の光路を遮断するので）、バーコード読み取り用光線が目に入ることが回避されることとなる。
つまり、従来と同様に、バーコード印刷面上のバーコードの読み取りが行えるようにしたうえで、バーコード読み取り用光線が目に入るのを防ぎ得ることとなる。
【００１０】
さらにまた、本発明の請求項４に係る携帯型バーコードリーダにおいて、前記光路制御機構は、前記投光部が発する光線の光路が前記バーコード印刷面を向く姿勢を検出して前記投光部を作動可能とすると共に、前記投光部が発する光線の光路が前記バーコード印刷面を向いていない姿勢を検出して前記投光部を作動不能とするセンサを具備している構成としている。
【００１１】
このような構成を成す携帯型バーコードリーダにおいて、投光部が発する光線の光路がバーコード印刷面を向く状態では、すなわち、光線が通る読み取り窓を下方に向ける通常のバーコード読み取り状態では、投光部の姿勢を光路制御機構のセンサが検出して投光部を作動可能とするので、この状態で読み取りスイッチの操作を行えば、投光部が発する光線をバーコード印刷面に照射し得ることとなり、バーコード印刷面で反射して戻る光線を受光部が受けることで、バーコードの読み取りが成されることとなる。
【００１２】
一方、投光部が発する光線の光路がバーコード印刷面を向いていない状態では、例えば、光線が通る読み取り窓が上方を向いている状態では、この投光部の姿勢を光路制御機構のセンサが検出して投光部から光線が照射されないようにするので、バーコード読み取り用光線が目に入ることが回避されることとなる。
【発明の効果】
【００１３】
本発明に係る携帯型バーコードリーダは、上記した構成としているので、バーコード印刷面上のバーコードの読み取りが行えるのは言うまでもなく、バーコード読み取り用光線が目に入るのを確実に防止することができるという非常に優れた効果がもたらされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１４】
以下、本発明に係る携帯型バーコードリーダを図面に基づいて説明する。
図１〜図４は、本発明に係る携帯型バーコードリーダの一実施形態を示している。
図１及び図２に示すように、この携帯型バーコードリーダ１は、波長が３６５ｎｍ程度の紫外線を発する複数の紫外線ＬＥＤ１１を具備して郵便物Ｐのバーコード印刷面Ｐａに紫外線を照射する投光部１０と、この投光部１０の複数の紫外線ＬＥＤ１１を点灯させて紫外線を照射させる読み取りスイッチ２０と、バーコード印刷面Ｐａで反射して戻る紫外線を受ける受光部３０と、受光した反射紫外線を光電変換する光電変換部４０と、この光電変換部４０から出力されたアナログ信号に対してＡ／Ｄ変換，２値化，バー情報化及びコード化の各処理を順次行ってバーコードＢＣを読み取る制御部５０を備えている。
【００１５】
これらの投光部１０，読み取りスイッチ２０，受光部３０，光電変換部４０及び制御部５０を装備したケース２には、投光部１０の複数の紫外線ＬＥＤ１１で発せられた紫外線及びバーコード印刷面Ｐａで反射した紫外線をそれぞれ通過させる読み取り窓２ａが設けてあり、この読み取り窓２ａを通して戻る紫外線は、ケース２に収容された方向変換用ミラー３，バンドパスフィルタ４及びレンズ５を介して受光部３０に到達するようになっている。
【００１６】
上記投光部１０の複数の紫外線ＬＥＤ１１は、バーコードＢＣの幅に合わせて並べて配置してあり、これらの紫外線ＬＥＤ１１で発せられた紫外線は、図示しない拡散レンズで拡散されてバーコード印刷面ＰａのバーコードＢＣに均等に照射されるようになっている。
この場合、投光部１０の読み取り窓２ａ側には、光路制御機構６０が設けてある。この光路制御機構６０は、図３にも示すように、板状を成すＵＶカットフィルタ（開閉体）６１を具備していて、このＵＶカットフィルタ６１の図示上辺両端に設けた支軸６１ａ，６１ａをケース２の側壁に設けたボス部２ｂ，２ｂに回動自在に支持させると共に、ＵＶカットフィルタ６１の図示下辺に錘６２を装着した構成を成している。
【００１７】
この光路制御機構６０において、投光部１０の複数の紫外線ＬＥＤ１１が発する紫外線の光路ＵＶがバーコード印刷面Ｐａに向く図１に示す状態では、ＵＶカットフィルタ６１が開き方向（図示反時計方向）に自重により回動して紫外線の光路ＵＶを開放し、一方、投光部１０の複数の紫外線ＬＥＤ１１が発する紫外線の光路ＵＶがバーコード印刷面Ｐａに向いていない図４に示す状態では、ＵＶカットフィルタ６１が閉じ方向（図示反時計方向）に自重により回動して紫外線の光路ＵＶを遮断するようになっている。
【００１８】
このような構成の携帯型バーコードリーダ１において、投光部１０の複数の紫外線ＬＥＤ１１が発する紫外線の光路ＵＶをバーコード印刷面Ｐａに向けた状態では、すなわち、読み取り窓２ａを下方に向ける通常のバーコード読み取り状態では、光路制御機構６０のＵＶカットフィルタ６１が開き方向（図示反時計方向）に回動して紫外線の光路ＵＶを開放するので、この状態で読み取りスイッチ２０の操作を行えば、投光部１０の複数の紫外線ＬＥＤ１１が発する紫外線をバーコード印刷面Ｐａに照射し得ることとなって、このバーコード印刷面Ｐａで反射して戻る紫外線を受光部３０が受けることで、バーコードＢＣの読み取りが成されることとなる。
【００１９】
一方、投光部１０の複数の紫外線ＬＥＤ１１が発する紫外線の光路ＵＶがバーコード印刷面Ｐａを向いていない状態では、すなわち、読み取り窓２ａが上方を向いている状態では、光路制御機構６０のＵＶカットフィルタ６１が閉じ方向に回動して紫外線の光路ＵＶを遮断するので、バーコード読み取り用の紫外線が目に入ることが回避されることとなる。
【００２０】
つまり、従来と同様に、バーコード印刷面Ｐａ上のバーコードＢＣの読み取りが行えるようにしたうえで、バーコード読み取り用の紫外線が目に入るのを防止し得ることとなる。
また、この実施形態の携帯型バーコードリーダ１では、光路制御機構６０のＵＶカットフィルタ６１に錘６２を装着するようにしているので、ＵＶカットフィルタ６１の回動が確実且つスムーズに行われることとなって、紫外線が目に入るのを寄り確実に防止し得ることとなる。
【００２１】
上記した実施形態による携帯型バーコードリーダ１では、光路制御機構６０が板状を成すＵＶカットフィルタ（開閉体）６１を具備していて、このＵＶカットフィルタ６１をケース２の側壁間に回動自在に架設した構成を成している場合を示しているが、本発明に係る携帯型バーコードリーダの構成は、この構成に限定されない。
例えば、投光部１０が発する光線の光路がバーコード印刷面Ｐａを向く姿勢を検出して投光部１０を作動可能とすると共に、投光部１０が発する光線の光路がバーコード印刷面Ｐａを向いていない姿勢を検出して投光部１０を作動不能とするセンサを具備した光路制御機構とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【００２２】
【図１】本発明に係る携帯型バーコードリーダの一実施形態を示すバーコード読み取り状態における側面方向からの簡略断面説明図である。
【図２】図１に示した携帯型バーコードリーダのバーコード読み取り状態における正面方向からの簡略断面説明図である。
【図３】図１に示した携帯型バーコードリーダの光路制御機構におけるＵＶカットフィルタの正面説明図である。
【図４】図１に示した携帯型バーコードリーダの読み取り窓を上方に向けた状態における側面方向からの簡略断面説明図である。
【符号の説明】
【００２３】
１ 携帯型バーコードリーダ
１０ 投光部
２０ 読み取りスイッチ
３０ 受光部
６０ 光路制御機構
６１ ＵＶカットフィルタ（開閉体）
ＢＣ バーコード
Ｐ 郵便物
Ｐａ バーコード印刷面
ＵＶ 紫外線の光路（光線の光路）
【技術分野】
【０００１】
本発明は、郵便物や宅配物のバーコード印刷面に可視光やレーザ光などの光線を照射して該バーコード印刷面上のバーコードを読み取るのに用いる携帯型バーコードリーダに係わり、特に、紫外線を照射してバーコードを読み取るのに好適な携帯型バーコードリーダに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、広く使用されている携帯型バーコードリーダとしては、郵便物や宅配物のバーコード印刷面に可視光やレーザ光などの光線を照射する投光部と、この投光部を動作させて光線を照射させる読み取りスイッチと、前記投光部から照射されてバーコード印刷面で反射して戻る光線を受けてバーコードを読み取る受光部を備えたものがあり、このバーコードリーダでは、その読み取り窓をバーコード印刷面上のバーコードに向けて光線を照射して、情報を取得するようになっている（例えば、特許文献１参照）。
【特許文献１】特開平08-077288号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
ところが、上記した携帯型バーコードリーダにおいて、読み取りスイッチを操作する操作者の判断で光線の照射が行われるようになっているので、例えば、読み取り窓を上方に向けた状態で読み取りスイッチが操作された場合には、読み取り窓を通して照射される光線に眩惑されるなどといった事態を招きかねないという問題があり、この問題を解決することが従来の課題となっていた。
【０００４】
本発明は、上記した従来の課題に着目してなされたもので、バーコード印刷面上のバーコードの読み取りが行えるのは勿論のこと、バーコード読み取り用光線が目に入るのを防ぐことが可能な携帯型バーコードリーダを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
本発明の請求項１に係る発明は、郵便物や宅配物のバーコード印刷面に光線を照射する投光部と、この投光部を動作させて光線を照射させる読み取りスイッチと、前記投光部から照射されてバーコード印刷面で反射して戻る光線を受けてバーコードを読み取る受光部を備えた携帯型バーコードリーダにおいて、前記投光部が発する光線の光路が前記バーコード印刷面を向く状態では、前記読み取りスイッチの操作によって前記投光部が発する光線を該バーコード印刷面に照射可能とすると共に、前記投光部が発する光線の光路が前記バーコード印刷面を向いていない状態では、該光線の光路を遮断する、又は、前記投光部を不作動状態とする光路制御機構を設けた構成としたことを特徴としており、この携帯型バーコードリーダの構成を前述した従来の課題を解決するための手段としている。
【０００６】
また、本発明の請求項２に係る携帯型バーコードリーダにおいて、前記光路制御機構は、前記投光部が発する光線の光路と直交する方向の軸回りに回動して、前記投光部が発する光線の光路が前記バーコード印刷面を向く状態で該光線の光路を開放すると共に、前記投光部が発する光線の光路が前記バーコード印刷面を向いていない状態で該光線の光路を遮断する開閉体を具備している構成としている。
【０００７】
さらに、本発明の請求項３に係る携帯型バーコードリーダにおいて、前記光路制御機構の開閉体は、前記投光部の姿勢の変化に応じて、光路開放位置と光路遮断位置との間を自重により回動する構成としている。
ここで、光路制御機構の開閉体には、投光部が、例えば、紫外線を発する場合において、紫外線の３６５ｎｍ程度の波長をカットする板状のフィルタを採用することができ、この際、開閉体には錘を装着して回動し易くすることが望ましい。
【０００８】
本発明に係る携帯型バーコードリーダにおいて、投光部が発する光線の光路がバーコード印刷面を向く状態では、すなわち、光線が通る読み取り窓を下方に向ける通常のバーコード読み取り状態では、光路制御機構が光線の光路を開放するので（光路制御機構の開閉体が開き方向に回動して光線の光路を開放するので）、この状態で読み取りスイッチの操作を行えば、投光部が発する光線をバーコード印刷面に照射し得ることとなり、バーコード印刷面で反射して戻る光線を受光部が受けることで、バーコードの読み取りが成されることとなる。
【０００９】
一方、投光部が発する光線の光路がバーコード印刷面を向いていない状態では、例えば、光線が通る読み取り窓が上方を向いている状態では、光路制御機構が光線の光路を遮断するので（光路制御機構の開閉体が閉じ方向に回動して光線の光路を遮断するので）、バーコード読み取り用光線が目に入ることが回避されることとなる。
つまり、従来と同様に、バーコード印刷面上のバーコードの読み取りが行えるようにしたうえで、バーコード読み取り用光線が目に入るのを防ぎ得ることとなる。
【００１０】
さらにまた、本発明の請求項４に係る携帯型バーコードリーダにおいて、前記光路制御機構は、前記投光部が発する光線の光路が前記バーコード印刷面を向く姿勢を検出して前記投光部を作動可能とすると共に、前記投光部が発する光線の光路が前記バーコード印刷面を向いていない姿勢を検出して前記投光部を作動不能とするセンサを具備している構成としている。
【００１１】
このような構成を成す携帯型バーコードリーダにおいて、投光部が発する光線の光路がバーコード印刷面を向く状態では、すなわち、光線が通る読み取り窓を下方に向ける通常のバーコード読み取り状態では、投光部の姿勢を光路制御機構のセンサが検出して投光部を作動可能とするので、この状態で読み取りスイッチの操作を行えば、投光部が発する光線をバーコード印刷面に照射し得ることとなり、バーコード印刷面で反射して戻る光線を受光部が受けることで、バーコードの読み取りが成されることとなる。
【００１２】
一方、投光部が発する光線の光路がバーコード印刷面を向いていない状態では、例えば、光線が通る読み取り窓が上方を向いている状態では、この投光部の姿勢を光路制御機構のセンサが検出して投光部から光線が照射されないようにするので、バーコード読み取り用光線が目に入ることが回避されることとなる。
【発明の効果】
【００１３】
本発明に係る携帯型バーコードリーダは、上記した構成としているので、バーコード印刷面上のバーコードの読み取りが行えるのは言うまでもなく、バーコード読み取り用光線が目に入るのを確実に防止することができるという非常に優れた効果がもたらされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１４】
以下、本発明に係る携帯型バーコードリーダを図面に基づいて説明する。
図１〜図４は、本発明に係る携帯型バーコードリーダの一実施形態を示している。
図１及び図２に示すように、この携帯型バーコードリーダ１は、波長が３６５ｎｍ程度の紫外線を発する複数の紫外線ＬＥＤ１１を具備して郵便物Ｐのバーコード印刷面Ｐａに紫外線を照射する投光部１０と、この投光部１０の複数の紫外線ＬＥＤ１１を点灯させて紫外線を照射させる読み取りスイッチ２０と、バーコード印刷面Ｐａで反射して戻る紫外線を受ける受光部３０と、受光した反射紫外線を光電変換する光電変換部４０と、この光電変換部４０から出力されたアナログ信号に対してＡ／Ｄ変換，２値化，バー情報化及びコード化の各処理を順次行ってバーコードＢＣを読み取る制御部５０を備えている。
【００１５】
これらの投光部１０，読み取りスイッチ２０，受光部３０，光電変換部４０及び制御部５０を装備したケース２には、投光部１０の複数の紫外線ＬＥＤ１１で発せられた紫外線及びバーコード印刷面Ｐａで反射した紫外線をそれぞれ通過させる読み取り窓２ａが設けてあり、この読み取り窓２ａを通して戻る紫外線は、ケース２に収容された方向変換用ミラー３，バンドパスフィルタ４及びレンズ５を介して受光部３０に到達するようになっている。
【００１６】
上記投光部１０の複数の紫外線ＬＥＤ１１は、バーコードＢＣの幅に合わせて並べて配置してあり、これらの紫外線ＬＥＤ１１で発せられた紫外線は、図示しない拡散レンズで拡散されてバーコード印刷面ＰａのバーコードＢＣに均等に照射されるようになっている。
この場合、投光部１０の読み取り窓２ａ側には、光路制御機構６０が設けてある。この光路制御機構６０は、図３にも示すように、板状を成すＵＶカットフィルタ（開閉体）６１を具備していて、このＵＶカットフィルタ６１の図示上辺両端に設けた支軸６１ａ，６１ａをケース２の側壁に設けたボス部２ｂ，２ｂに回動自在に支持させると共に、ＵＶカットフィルタ６１の図示下辺に錘６２を装着した構成を成している。
【００１７】
この光路制御機構６０において、投光部１０の複数の紫外線ＬＥＤ１１が発する紫外線の光路ＵＶがバーコード印刷面Ｐａに向く図１に示す状態では、ＵＶカットフィルタ６１が開き方向（図示反時計方向）に自重により回動して紫外線の光路ＵＶを開放し、一方、投光部１０の複数の紫外線ＬＥＤ１１が発する紫外線の光路ＵＶがバーコード印刷面Ｐａに向いていない図４に示す状態では、ＵＶカットフィルタ６１が閉じ方向（図示反時計方向）に自重により回動して紫外線の光路ＵＶを遮断するようになっている。
【００１８】
このような構成の携帯型バーコードリーダ１において、投光部１０の複数の紫外線ＬＥＤ１１が発する紫外線の光路ＵＶをバーコード印刷面Ｐａに向けた状態では、すなわち、読み取り窓２ａを下方に向ける通常のバーコード読み取り状態では、光路制御機構６０のＵＶカットフィルタ６１が開き方向（図示反時計方向）に回動して紫外線の光路ＵＶを開放するので、この状態で読み取りスイッチ２０の操作を行えば、投光部１０の複数の紫外線ＬＥＤ１１が発する紫外線をバーコード印刷面Ｐａに照射し得ることとなって、このバーコード印刷面Ｐａで反射して戻る紫外線を受光部３０が受けることで、バーコードＢＣの読み取りが成されることとなる。
【００１９】
一方、投光部１０の複数の紫外線ＬＥＤ１１が発する紫外線の光路ＵＶがバーコード印刷面Ｐａを向いていない状態では、すなわち、読み取り窓２ａが上方を向いている状態では、光路制御機構６０のＵＶカットフィルタ６１が閉じ方向に回動して紫外線の光路ＵＶを遮断するので、バーコード読み取り用の紫外線が目に入ることが回避されることとなる。
【００２０】
つまり、従来と同様に、バーコード印刷面Ｐａ上のバーコードＢＣの読み取りが行えるようにしたうえで、バーコード読み取り用の紫外線が目に入るのを防止し得ることとなる。
また、この実施形態の携帯型バーコードリーダ１では、光路制御機構６０のＵＶカットフィルタ６１に錘６２を装着するようにしているので、ＵＶカットフィルタ６１の回動が確実且つスムーズに行われることとなって、紫外線が目に入るのを寄り確実に防止し得ることとなる。
【００２１】
上記した実施形態による携帯型バーコードリーダ１では、光路制御機構６０が板状を成すＵＶカットフィルタ（開閉体）６１を具備していて、このＵＶカットフィルタ６１をケース２の側壁間に回動自在に架設した構成を成している場合を示しているが、本発明に係る携帯型バーコードリーダの構成は、この構成に限定されない。
例えば、投光部１０が発する光線の光路がバーコード印刷面Ｐａを向く姿勢を検出して投光部１０を作動可能とすると共に、投光部１０が発する光線の光路がバーコード印刷面Ｐａを向いていない姿勢を検出して投光部１０を作動不能とするセンサを具備した光路制御機構とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【００２２】
【図１】本発明に係る携帯型バーコードリーダの一実施形態を示すバーコード読み取り状態における側面方向からの簡略断面説明図である。
【図２】図１に示した携帯型バーコードリーダのバーコード読み取り状態における正面方向からの簡略断面説明図である。
【図３】図１に示した携帯型バーコードリーダの光路制御機構におけるＵＶカットフィルタの正面説明図である。
【図４】図１に示した携帯型バーコードリーダの読み取り窓を上方に向けた状態における側面方向からの簡略断面説明図である。
【符号の説明】
【００２３】
１ 携帯型バーコードリーダ
１０ 投光部
２０ 読み取りスイッチ
３０ 受光部
６０ 光路制御機構
６１ ＵＶカットフィルタ（開閉体）
ＢＣ バーコード
Ｐ 郵便物
Ｐａ バーコード印刷面
ＵＶ 紫外線の光路（光線の光路）
【特許請求の範囲】
【請求項１】
郵便物や宅配物のバーコード印刷面に光線を照射する投光部と、
この投光部を動作させて光線を照射させる読み取りスイッチと、
前記投光部から照射されてバーコード印刷面で反射して戻る光線を受けてバーコードを読み取る受光部
を備えた携帯型バーコードリーダにおいて、
前記投光部が発する光線の光路が前記バーコード印刷面を向く状態では、前記読み取りスイッチの操作によって前記投光部が発する光線を該バーコード印刷面に照射可能とすると共に、前記投光部が発する光線の光路が前記バーコード印刷面を向いていない状態では、該光線の光路を遮断する、又は、前記投光部を不作動状態とする光路制御機構を設けた
ことを特徴とする携帯型バーコードリーダ。
【請求項２】
前記光路制御機構は、前記投光部が発する光線の光路と直交する方向の軸回りに回動して、前記投光部が発する光線の光路が前記バーコード印刷面を向く状態で該光線の光路を開放すると共に、前記投光部が発する光線の光路が前記バーコード印刷面を向いていない状態で該光線の光路を遮断する開閉体を具備している請求項１に記載の携帯型バーコードリーダ。
【請求項３】
前記光路制御機構の開閉体は、前記投光部の姿勢の変化に応じて、光路開放位置と光路遮断位置との間を自重により回動する請求項２に記載の携帯型バーコードリーダ。
【請求項４】
前記光路制御機構は、前記投光部が発する光線の光路が前記バーコード印刷面を向く姿勢を検出して前記投光部を作動可能とすると共に、前記投光部が発する光線の光路が前記バーコード印刷面を向いていない姿勢を検出して前記投光部を作動不能とするセンサを具備している請求項１に記載の携帯型バーコードリーダ。
【請求項１】
郵便物や宅配物のバーコード印刷面に光線を照射する投光部と、
この投光部を動作させて光線を照射させる読み取りスイッチと、
前記投光部から照射されてバーコード印刷面で反射して戻る光線を受けてバーコードを読み取る受光部
を備えた携帯型バーコードリーダにおいて、
前記投光部が発する光線の光路が前記バーコード印刷面を向く状態では、前記読み取りスイッチの操作によって前記投光部が発する光線を該バーコード印刷面に照射可能とすると共に、前記投光部が発する光線の光路が前記バーコード印刷面を向いていない状態では、該光線の光路を遮断する、又は、前記投光部を不作動状態とする光路制御機構を設けた
ことを特徴とする携帯型バーコードリーダ。
【請求項２】
前記光路制御機構は、前記投光部が発する光線の光路と直交する方向の軸回りに回動して、前記投光部が発する光線の光路が前記バーコード印刷面を向く状態で該光線の光路を開放すると共に、前記投光部が発する光線の光路が前記バーコード印刷面を向いていない状態で該光線の光路を遮断する開閉体を具備している請求項１に記載の携帯型バーコードリーダ。
【請求項３】
前記光路制御機構の開閉体は、前記投光部の姿勢の変化に応じて、光路開放位置と光路遮断位置との間を自重により回動する請求項２に記載の携帯型バーコードリーダ。
【請求項４】
前記光路制御機構は、前記投光部が発する光線の光路が前記バーコード印刷面を向く姿勢を検出して前記投光部を作動可能とすると共に、前記投光部が発する光線の光路が前記バーコード印刷面を向いていない姿勢を検出して前記投光部を作動不能とするセンサを具備している請求項１に記載の携帯型バーコードリーダ。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図２】
【図３】
【図４】
【公開番号】特開２００９−２５１７８８（Ｐ２００９−２５１７８８Ａ）
【公開日】平成２１年１０月２９日（２００９．１０．２９）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００８−９７０５１（Ｐ２００８−９７０５１）
【出願日】平成２０年４月３日（２００８．４．３）
【出願人】（３９００３５８８４）株式会社ウェルキャット (18)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２１年１０月２９日（２００９．１０．２９）
【国際特許分類】
【出願日】平成２０年４月３日（２００８．４．３）
【出願人】（３９００３５８８４）株式会社ウェルキャット (18)
【Ｆターム（参考）】
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