説明

携帯型決済端末

【課題】非接触通信媒体を用いた決済が可能な携帯型決済端末において、暗証番号の漏洩を効果的に防止し得る構成を、装置構成の大型化を抑えて実現することを目的とする。
【解決手段】携帯型決済端末1は、情報を表示する表示部13側に翳されたICカードCと非接触通信可能な無線リーダ部20を備えている。また、所定の配列で配置された複数の入力キー11aの配列と対応する配列をなし、各入力キー11aに対応する位置にそれぞれ番号を割り当ててなる番号配列表Tを生成すると共に、生成された番号配列表Tの番号配列を変更可能に構成されている。そして、無線リーダ部20がICカードCと通信している間に入力キー11aにより入力された入力情報を、番号配列表Tにおける当該入力キー11aに対応する番号に変換することで変換入力情報を生成し、この変換入力情報の照合を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型決済端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、ICカードや携帯端末などに搭載した非接触通信用ICと非接触通信を行う決済端末が広く提供されている。この決済端末では、決済処理時に本人確認を必要とする場合があり、一般的には、利用者が入力する暗証番号を照合することで本人確認を行っている。この暗証番号の入力時には、利用者以外の者に暗証番号が漏洩することを防ぐ必要があり、従来では、暗証番号入力機器の周囲に「かざし」(おおい)を設けることで対応していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−99372公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在では、様々な場所で決済処理を行うことが要求されており、このような事情から、様々な場所に持ち運びが可能な携帯型決済端末も提供されている。この種の携帯型決済端末でも、上述の決済端末と同様、決済処理時に暗証番号の入力を必要とする場合が多く、暗証番号の漏洩を防止し得る構成が求められている。
【0005】
このような問題を解決しようとする技術としては、例えば特許文献1のようなものが提供されている。この特許文献1の携帯型決済端末では、外装ケースに対してかざし部を備えたカバーを取り付けており、暗証番号の入力時には、かざし部を延出させて表示部付近をある程度隠すことができるようになっている。しかしながら、このようなカバーを取り付けると、装置構成が大型化してしまい、携帯性を大きく損なうものとなってしまう。また、かざし部を設けたとしても、キーを操作する指が露出してしまうため、キー位置を基に指の動きから暗証番号を想定される虞がある。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、非接触通信媒体を用いた決済が可能な携帯型決済端末において、暗証番号の漏洩を効果的に防止し得る構成を、装置構成の大型化を抑えて実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、情報を表示する表示手段と、前記表示手段側に翳された非接触通信媒体と非接触通信可能な通信手段と、所定の配列で配置された複数の入力キーと、それら複数の入力キーの配列と対応する配列をなし、各入力キーに対応する位置にそれぞれ番号を割り当ててなる番号配列表を生成すると共に、生成された番号配列表の番号配列を変更可能な配列表生成手段と、前記配列表生成手段によって生成された前記番号配列表を前記表示手段に表示させる表示制御手段と、前記通信手段が前記非接触通信媒体と通信している間に前記入力キーによって入力操作がなされた場合に、その入力キーによる入力情報を、その入力操作の直近に前記表示手段に表示された前記番号配列表における当該入力キーに対応する番号に変換することで変換入力情報を生成する変換入力手段と、前記変換入力手段によって生成された前記変換入力情報の照合を行う照合手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の携帯型決済端末において、前記配列表生成手段は、前記通信手段による前記非接触通信媒体との非接触通信が所定の終了状態となる毎に、前記番号配列表の番号配列を変更することを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の携帯型決済端末において、前記配列表生成手段は、前記通信手段による前記非接触通信媒体との非接触通信が所定の終了状態となる毎に、前記番号配列表の番号配列を変更することを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の携帯型決済端末において、前記表示制御手段は、前記通信手段が前記非接触通信媒体と非接触通信を行っているときに、前記表示手段による前記番号配列表の表示を非表示状態に切り替えることを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の携帯型決済端末において、前記表示制御手段は、前記通信手段による前記非接触通信媒体との非接触通信が中断した場合、その中断前に前記表示手段に表示されていた番号配列と同一の番号配列表を、その中断が所定の終了時間に達するまで前記表示手段に表示させることを特徴とする。
【0012】
請求項6の発明は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の携帯型決済端末において、前記通信手段と前記非接触通信媒体とで行われる非接触通信の継続時間を計測する計測手段を備え、前記変換入力手段は、前記計測手段によって計測される前記継続時間が所定時間経過した場合に前記変換入力情報の生成を中止することを特徴とする。
【0013】
請求項7の発明は、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の携帯型決済端末において、前記通信手段と前記非接触通信媒体との間で非接触通信が開始された後、前記照合手段による照合が終了する前に前記通信手段が前記非接触通信媒体とは異なる他の媒体を認識した場合、前記変換入力手段は、前記非接触通信媒体についての前記変換入力情報の生成を中止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明に係る携帯型決済端末は、情報を表示する表示手段側に翳された非接触通信媒体と非接触通信可能な通信手段を備えている。また、所定の配列で配置された複数の入力キーの配列と対応する配列をなし、各入力キーに対応する位置にそれぞれ番号を割り当ててなる番号配列表を生成すると共に、生成された番号配列表の番号配列を変更可能な配列表生成手段を備えており、配列表生成手段によって生成された番号配列表を表示制御手段により表示手段に表示するように構成されている。そして、通信手段が非接触通信媒体と通信している間に入力キーによって入力操作がなされた場合に、変換入力手段によりその入力キーによる入力情報を、その入力操作の直近に表示手段に表示された番号配列表における当該入力キーに対応する番号に変換することで変換入力情報を生成し、この変換入力情報の照合を照合手段により行うようにしている。
この構成では、まず、携帯型決済端末の利用者(非接触通信媒体の保有者)は表示手段に表示された番号配列表を視認し、当該非接触通信媒体の暗証番号(例えば4桁の番号)に対応する番号の配置を覚えることができる。その上で、この番号配列表が表示されている表示手段側に非接触通信媒体を翳した状態で、番号配列表に対応している各入力キーを介して暗証番号を入力することができる。このようにすると、番号配列表を視認し難くした状態で、この番号配列表とは配列が異なる入力キーを介して暗証番号を入力することができるので、例えば、利用者以外の者(不正利用者)がキー位置を基に利用者の指の動き等から暗証番号を想定することが困難となり、暗証番号の漏洩を効果的に防止することができる。
更に、番号配列表が表示されている表示手段側に非接触通信媒体が翳された状態で暗証番号が入力可能となるため、入力時には、かざし部などのカバーを設けなくとも表示手段を隠すことができる。従って、入力時に番号配列表が視認されにくい構成を装置構成の大型化を抑えて実現できる。
【0015】
請求項2の発明では、配列表生成手段は、照合手段によって変換入力情報の照合が行われる毎に、番号配列表の番号配列を変更するようにしている。このようにすると、万が一利用者以外の者が番号配列表の番号配列を盗み見たとしても、次回以降の照合の際には異なる番号配列表が用いられるため、次回以降の照合の際に暗証番号を推測することが極めて困難となる。
【0016】
請求項3の発明では、配列表生成手段は、通信手段による非接触通信媒体との非接触通信が所定の終了状態となる毎に、番号配列表の番号配列を変更するようにしている。このように、非接触通信が所定の終了状態となるタイミング毎に番号配列表の番号配列を変更することで、利用者以外の者が番号配列表の番号配列を盗み見て記憶したとしてもその記憶された番号配列とは異なる番号配列が次に表示されるので、利用者以外の者により暗証番号が想定され難くなり、暗証番号の漏洩を効果的に防止することができる。
【0017】
請求項4の発明では、表示制御手段は、通信手段が非接触通信媒体と非接触通信を行っているときに、表示手段による番号配列表の表示を非表示状態に切り替えるようにしている。このようにすると、番号配列表が非接触通信中に第三者によって盗み見られることを確実に防止することができる。従って、第三者が指の操作を番号配列表と対応付けることが極めて困難となり、暗証番号の漏洩を効果的に防止し得る。
【0018】
請求項5の発明では、表示制御手段は、通信手段による非接触通信媒体との非接触通信が中断した場合、その中断前に表示手段に表示されていた番号配列と同一の番号配列表を、その中断が所定の終了時間に達するまで表示手段に表示させるようにしている。この構成によれば、非接触通信媒体を当該携帯型決済端末から取り外すことで、非接触通信の中断前に表示されていた番号配列と同一の番号配列表が表示されるので、利用者は再度番号配列表を確認でき、確実に暗証番号を入力することができる。また、所定の終了時間に達すると、表示手段に番号配列表が表示されなくなるので、セキュリティ性を確保して、暗証番号の漏洩を効果的に防止し得る。
【0019】
請求項6の発明では、通信手段と非接触通信媒体とで行われる非接触通信の継続時間を計測する計測手段を備え、変換入力手段は、計測手段によって計測される継続時間が所定時間経過した場合に変換入力情報の生成を中止するようにしている。この構成によれば、非接触通信媒体が表示手段側に翳された状態で、所定時間内に入力操作が終了しなかった場合や入力操作がなされなかった場合などには、変換入力情報の生成が中止されるので、より高いセキュリティ性を確保することができる。
【0020】
請求項7の発明では、通信手段と非接触通信媒体との間で非接触通信が開始された後、照合手段による照合が終了する前に通信手段が非接触通信媒体とは異なる他の媒体を認識した場合、変換入力手段は、非接触通信媒体についての変換入力情報の生成を中止するようにしている。この構成によれば、当該携帯型決済端末に翳した非接触通信媒体を取り外し、他の媒体を携帯型決済端末に認識させることで、変換入力情報の生成を容易且つ迅速に中止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1(A)は、第1実施形態に係る携帯型決済端末を概略的に例示する平面図であり、図1(B)は、図1(A)の携帯型決済端末の左側面図である。
【図2】図2は、図1の携帯型決済端末の電気的構成を例示するブロック図である。
【図3】図3は、本実施形態に係る携帯型決済端末で行われるメイン処理の流れを例示するフローチャートである。
【図4】図4は、図3のメイン処理における暗号番号入力処理の流れを例示するフローチャートである。
【図5】図5は、表示部に番号配列表が表示された状態を示す説明図である。
【図6】図6(A)は、表示部にICカードが翳された状態を例示する平面図であり、図6(B)は、図6(A)の左側面図である。
【図7】図7は、暗証番号が入力される様子を説明する説明図である。
【図8】図8は、番号配列表の番号配列が変更された様子を示す説明図である。
【図9】図9は、第2実施形態に係る携帯型決済端末のメイン処理における暗号番号入力処理の流れを例示するフローチャートである。
【図10】図10は、第3実施形態に係る携帯型決済端末のメイン処理における暗号番号入力処理の流れを例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[第1実施形態]
以下、本発明の携帯型決済端末を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1(A)は、第1実施形態に係る携帯型決済端末を概略的に例示する平面図であり、図1(B)は、図1(A)の携帯型決済端末の左側面図である。図2は、図1の携帯型決済端末の電気的構成を例示するブロック図である。
【0023】
(全体構成)
本実施形態に係る携帯型決済端末1は、例えば、図1(A)(B)のような外観をなし、様々な場所へ携帯されて使用される。この携帯型決済端末1は、バーコードや二次元コードなどの情報コードを読み取る情報コードリーダとしての機能と、無線タグを読み取る無線タグリーダとしての機能とを備え、読み取りを二方式で行いうる構成をなしている。
【0024】
図1に示すように、携帯型決済端末1は、長手状のケース2によって外郭が構成されている。ケース2は、各種部品(各種電気部品等)を収容するものであり、例えば樹脂材料などからなる複数のケース体(例えば、上ケース及び下ケースの2つのケース体)によって構成され、これらが結合した箱状形態をなしている。また、ケース2の長手方向一端側には、情報コードを読み取るための読取口3が形成されている。読取口3は、光を取り込みうる開口形態をなしており、その開口が透明部材(例えば透明の樹脂部材)によって閉塞された構成をなしている。
【0025】
そして、図1に示すように、ケース2から露出する形態で様々な部品が取り付けられている。例えば、携帯型決済端末1の上面側にはLED表示部や所定の配列でそれぞれ配置された数字キー11aや機能キー11b等の入力キーを複数有するキー操作部11が設けられている。また、携帯型決済端末1の側部には、読取指示用のトリガスイッチ7が設けられている。その他にも、電源スイッチ、報知用のLED、スピーカなどが設けられている。
【0026】
更に、携帯型決済端末1の上面側には、後述する番号配列表などの情報を表示する表示部13が設けられている。また、表示部13の周囲には無線リーダ部20が設けられており、非接触通信媒体や無線タグを読み取り可能に構成されている。なお、情報を表示する表示部13は、「表示手段」の一例に相当する。
【0027】
なお、本実施形態では、表示部13と平行な方向であってケース2の長手方向(図1のX軸方向)と直交する方向(図1のY軸方向)を幅方向としている。さらに、表示部13と直交する方向を上下方向(図1のZ軸方向)とし、キー操作部11が設けられている側を上方側、それとは反対側を下方側としている。
【0028】
(電気的構成)
次に、電気的構成について説明する。
図2に示すように、携帯型決済端末1のケース2内には、携帯型決済端末1全体を制御する制御部8が設けられている。この制御部8は、マイコンを主体として構成されるものであり、CPU、システムバス、入出力インタフェース等を有しており、メモリ14とともに情報処理装置を構成し得るもので情報処理機能を有している。また、制御部8には、トリガスイッチ7、表示部13、キー操作部11、外部インタフェース17などが接続されている。
【0029】
トリガスイッチ7やキー操作部11は、制御部8に対して操作信号を与える構成をなしており、制御部8は、これらからの操作信号を受けて操作信号の内容に応じた動作を行うようになっている。また、表示部13は、制御部8によって制御される構成をなしており、それぞれ、制御部8からの指令を受けて動作する構成をなしている。外部インタフェース17は、外部(例えばホスト装置)との間でのデータ通信を行うためのインタフェースとして構成されており、制御部8と協働して通信処理を行う構成をなしている。また、ケース2内には、電源となるバッテリ15や電源部16が設けられており、これらによって制御部8や各種電気部品に電力が供給されるようになっている。
【0030】
また、制御部10には、無線リーダ処理部20及び情報コード読取部30がそれぞれ接続されている。無線リーダ処理部20は、発振器、変調器、復調器、整合回路などを備えた構成をなしており、アンテナ25及び制御部8と協働して公知のRFIDリーダライタとして機能している。また、情報コード読取部30は、受光センサ、結像レンズ、照明部などを備えた構成をなしており、これらと制御部8とが協働して公知のコードリーダとして機能している。なお、非接触通信媒体と非接触通信可能な無線リーダ処理部20は、「通信手段」の一例に相当する。
【0031】
次に、上述のように構成される携帯型決済端末1において、実施される決済処理について、図3〜図8を用いて説明する。ここでは、記録媒体としてICカードCを用いた場合を例に挙げて説明する。
【0032】
図3は、本実施形態に係る携帯型決済端末1で行われるメイン処理の流れを例示するフローチャートである。図4は、図3のメイン処理における暗号番号入力処理の流れを例示するフローチャートである。図5は、表示部に番号配列表が表示された状態を示す説明図である。図6(A)は、表示部にICカードが翳された状態を例示する平面図であり、図6(B)は、図6(A)の左側面図である。図7は、暗証番号が入力される様子を説明する説明図である。図8は、番号配列表の番号配列が変更された様子を示す説明図である。
【0033】
まず、携帯型決済端末1の管理者(売り手)等によってキー操作部11が操作されて決済処理が開始されると、図3のステップS1において、制御部8により番号配列表T(図5参照)が生成される。この番号配列表Tは、数字および「*」「#」の記号を含めたテンキーをランダムに配列されて構成されており、公知の技術を用いて生成される。なお、この番法配列表Tの番号配列は、所定のタイミング(詳細は後述する)で変更されるようになっている。
【0034】
そして、ステップS2において、暗証番号入力処理(図4)が行われる。この暗証番号入力処理では、まず、ステップS1にて生成された番号配列表Tが図5に示すように、表示部13に表示される(ステップS11)。この番号配列表Tは、数字キー11a(テンキー)の配列と対応する配列をなしており、各数字キー11aに対応する位置にそれぞれ番号が割り当てられている。例えば、この図5の例では、番号配列表Tの「1」は数字キー11aの「7」のキーに対応し、番号配列表Tの「2」は数字キー11aの「2」のキーに対応し、番号配列表Tの「3」は数字キー11aの「1」のキーに対応している。そして、ICカードCの利用者(ICカードCによって支払いを行うICカードCの保有者)は、この番号配列表Tを確認して、暗証番号に対応する番号の配置を確認(記憶)する。例えば、暗証番号が4桁の番号の「3076」であった場合、利用者は、番号配列表TにおいてA1(「3」の配置)、A2(「0」の配置)、A3(「7」の配置)、A4(「6」の配置)の位置を覚える。なお、番号配列表を生成する制御部8は、「配列表生成手段」の一例に相当する。また、番号配列表を表示部13に表示させる制御部8は、「表示制御手段」の一例に相当する。
【0035】
番号配列表Tにおける暗証番号の配置を覚えた利用者は、図6に示すように、ICカードCを表示部13に翳す。そして、ICカードCを携帯型決済端末1の無線リーダ処理部20と通信させる。このように表示部13上にICカードCを翳すことで、番号配列表T全体を隠すことができ、より高いセキュリティ性を確保することができる。なお、表示部13上にICカードCを置いて、携帯型決済端末1の無線リーダ処理部20と通信させることもできる。そして、本実施形態では、ICカードCが表示部13に翳されて、無線リーダ処理部20がICカードCと非接触通信を行っているときに、表示部13による番号配列表Tの表示が非表示状態に切り替えられる。
【0036】
そして、ステップS12にて、無線リーダ処理部20により受信したICカードCの情報(カード種別や有効期限等の情報)をもとに、ICカードCが読み取り可能か否かが判定される。ここで、ICカードCが読み取り不可(S12でNo)と判断された場合には、当該暗証番号入力処理の中止信号を制御部8へ送信する中止キー(機能キー11bの所定のキー)が押されるまでは、ステップS14でNoとの判定が繰り返される。そして、ICカードCが読み取り不可(S12でNo)と判断されて、中止キーが押されると(ステップS14でYes)、暗証番号入力処理が中止されて終了する。一方、ステップS12にて、読み取り可能と判定された場合には(S12でYes)、ステップS13にてイベント(キー操作部11の操作)待ちが行われる。
【0037】
ステップS13にてイベント待ち(いずれのキー操作部11も操作されていない状態)をしているときに、キー操作部11の操作が行われると、この発生したイベントが検出されると共に発生したイベントが何であるか判断される。ステップS13にて、発生したイベントが中止キーの押下動作(入力操作)であると判断された場合には、当該暗証番号入力処理を中止し終了する。一方、利用者により、数字キー11aが押されると、ステップS13にて、発生したイベントが数字キー11aの押下動作(入力操作)であると判断される。例えば、暗証番号が4桁の番号の「3076」であった場合、具体的に、図7に示すように、利用者は、A1(番号配列表Tの「3」の配置)に対応するa1(「1」)の位置の数字キー11a、A2(番号配列表Tの「0」の配置)に対応するa2(「5」)の位置の数字キー11a、A3(番号配列表Tの「7」の配置)に対応するa3(「8」)の位置の数字キー11a、A4(番号配列表Tの「6」の配置)に対応するa4(「9」)の位置の数字キー11aを順に押していく。
【0038】
そして、数字キー11aの押圧動作がステップS13にて検出されると、ステップS15にて、この数字キー11aによる入力情報を、この入力操作の直近に表示部13に表示された番号配列表(即ち、ICカードCが翳される直前に表示された番号配列表T)における当該数字キー11aに対応する番号に変換し、変換入力情報を生成する。なお、変換入力情報を生成する制御部8は、「変換入力手段」の一例に相当する。
【0039】
利用者により数字キー11aが押され、制御部8により変換入力情報が生成されると、ステップS16にて、指定桁数の入力が完了したか否かが判定される。例えば、暗証番号が4桁に指定されているとき、数字キー11aが4つすべて押されていない場合には、ステップS16にてNoと判定され、ステップS12からの処理が繰り返される。このとき、例えば、利用者が番号配列表Tにおける暗証番号の配置を忘れてしまった場合などには、ICカードCを表示部13から取り外し、ICカードCと無線リーダ処理部20との非接触通信を中断させる。そして、ICカードCと無線リーダ処理部20との非接触通信が中断されると、制御部8は、この非接触通信の中断前に表示部13に表示されていた番号配列と同一の番号配列表Tを、その中断が所定の終了時間に達するまで(例えば、中断されてから30秒経過するまで)表示部13に表示させる。このように、ICカードCを表示部13から取り外すと、表示部13に番号配列表Tが表示されるので、利用者は再度番号配列表を確認できる。
【0040】
そして、数字キー11aが4つ押されて、指定桁数の入力が完了したと判定されると(S16でYes)、図3のステップS3からの処理がなされる。ステップS3では、暗証番号の入力が完了したか否かが判定される。ここでは、指定桁数の暗証番号の入力を行った後に、機能キー11bに設けられる確定キー(図示略)を押すことで、指定桁数の入力が完了するように構成されている。確定キーがまだ押されていない状態では、ステップS3にてNoとの判定が繰り返される。
【0041】
確定キーが押されて、ステップS3にて暗証番号の入力が完了したと判定されると(S3でYes)、入力された暗証番号(変換入力情報)がICカードCに予め設定されている暗証番号と一致しているか否かがステップS4にて判定される。このとき、入力された暗証番号がICカードCに予め設定されている暗証番号と一致しないと判定されると(S4でNo)、ステップS1からの処理が繰り返されることとなる。入力された暗証番号がICカードCに予め設定されている暗証番号と一致していると判定されると(S4でYes)、所定の決済処理(ICカードCに記憶されている残金額より商品の金額を減算する処理等)が行われ、ICカードCと無線リーダ処理部20との非接触通信が終了する。なお、変換入力情報の照合を行う制御部8は、「照合手段」の一例に相当する。
【0042】
そして、ICカードCと無線リーダ処理部20との非接触通信が終了すると、図8に示すように、番号配列表Tが変更される。例えば、暗証番号が4桁の番号の「3076」であった場合、図8の例では、B1(番号配列表Tの「3」の配置)はb1(「2」)の位置の数字キー11a、B2(番号配列表Tの「0」の配置)はb2(「8)の位置の数字キー11a、B3(番号配列表Tの「7」の配置)はb3(「6」)の位置の数字キー11a、B4(番号配列表Tの「6」の配置)はb1(「4」)の位置の数字キー11aに対応するように変更される。なお、この番号配列表Tの番号配列の変更は、変換入力情報の照合が行われる毎に行うようにしてもよい。変換入力情報の照合が行われる毎に番号配列表Tの番号配列の変更を行うことで、よりセキュリティ性を高めることができる。
【0043】
以上説明したように、本第1実施形態に係る携帯型決済端末1は、情報を表示する表示部13側に翳されたICカードCと非接触通信可能な無線リーダ部20を備えている。また、所定の配列で配置された複数の数字キー11aの配列と対応する配列をなし、各数字キー11aに対応する位置にそれぞれ番号を割り当ててなる番号配列表Tを生成すると共に、生成された番号配列表Tの番号配列を変更可能な配列表生成手段(制御部8)を備えており、配列表生成手段によって生成された番号配列表Tを表示制御手段(制御部8)により表示部13に表示するように構成されている。そして、無線リーダ部20がICカードCと通信している間に数字キー11aによって入力操作がなされた場合に、変換入力手段(制御部8)によりその数字キー11aによる入力情報を、その入力操作の直近に表示部13に表示された番号配列表Tにおける当該数字キー11aに対応する番号に変換することで変換入力情報を生成し、この変換入力情報の照合を照合手段(制御部8)により行うようにしている。
この構成では、まず、携帯型決済端末の利用者(ICカードCの保有者)は表示部13に表示された番号配列表Tを視認し、当該ICカードCの暗証番号(例えば4桁の番号)に対応する番号の配置を覚えることができる。その上で、この番号配列表Tが表示されている表示部13側にICカードCを翳した状態で、番号配列表Tに対応している各数字キー11aを介して暗証番号を入力することができる。このようにすると、番号配列表Tを視認し難くした状態で、この番号配列表Tとは配列が異なる数字キー11aを介して暗証番号を入力することができるので、例えば、利用者以外の者(不正利用者)がキー位置を基に利用者の指の動き等から暗証番号を想定することが困難となり、暗証番号の漏洩を効果的に防止することができる。
更に、番号配列表Tが表示されている表示部13側にICカードCが翳された状態で暗証番号が入力可能となるため、入力時には、かざし部などのカバーを設けなくとも表示部13を隠すことができる。従って、入力時に番号配列表Tが視認されにくい構成を装置構成の大型化を抑えて実現できる。
【0044】
また、配列表生成手段は、照合手段によって変換入力情報の照合が行われる毎に、番号配列表Tの番号配列を変更するようにすることができる。このようにすると、万が一利用者以外の者が番号配列表Tの番号配列を盗み見たとしても、次回以降の照合の際には異なる番号配列表Tが用いられるため、次回以降の照合の際に暗証番号を推測することが極めて困難となる。
【0045】
また、配列表生成手段は、無線リーダ部20によるICカードCとの非接触通信が所定の終了状態となる毎に、番号配列表Tの番号配列を変更するようにしている。このように、非接触通信が所定の終了状態となるタイミング毎に番号配列表Tの番号配列を変更することで、利用者以外の者が番号配列表Tの番号配列を盗み見て記憶したとしてもその記憶された番号配列とは異なる番号配列が次に表示されるので、利用者以外の者により暗証番号が想定され難くなり、暗証番号の漏洩を効果的に防止することができる。
【0046】
また、表示制御手段は、無線リーダ部20がICカードCと非接触通信を行っているときに、表示部13による番号配列表Tの表示を非表示状態に切り替えるようにしている。このようにすると、番号配列表Tが非接触通信中に第三者によって盗み見られることを確実に防止することができる。従って、第三者が指の操作を番号配列表Tと対応付けることが極めて困難となり、暗証番号の漏洩を効果的に防止し得る。
【0047】
また、表示制御手段は、無線リーダ部20によるICカードCとの非接触通信が中断した場合、その中断前に表示部13に表示されていた番号配列と同一の番号配列表Tを、その中断が所定の終了時間に達するまで表示部13に表示させるようにしている。この構成によれば、ICカードCを当該携帯型決済端末1から取り外すことで、非接触通信の中断前に表示されていた番号配列と同一の番号配列表Tが表示されるので、利用者は再度番号配列表Tを確認でき、確実に暗証番号を入力することができる。また、所定の終了時間に達すると、表示部13に番号配列表Tが表示されなくなるので、セキュリティ性を確保して、暗証番号の漏洩を効果的に防止し得る。
【0048】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る携帯型決済端末1の制御部8にて主に行われるメイン処理について図9に示すフローチャートを用いて説明する。本第2実施形態では、無線リーダ処理部20がICカードCと非接触通信を開始した後、このICカードCとは異なる他の媒体を認識した場合に変換入力情報の生成を中止する点が、上記第1実施形態にて述べた携帯型決済端末1と主に異なる。したがって、第1実施形態の携帯型決済端末1と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0049】
以下、本第2実施形態に係る携帯型決済端末1にて行われるメイン処理における暗号番号入力処理について図9を主に用いて説明する。なお、本第2実施形態では、第1実施形態で説明した図3のメイン処理と同様の処理を行うので、適宜、図3を参照して説明する。
まず、上述の第1実施形態と同様に、図3のステップS1にて、制御部8により番号配列表T(図5参照)が生成される。そして、ステップS2において、暗証番号入力処理(図9)が行われる。
【0050】
この暗証番号入力処理では、まず、ステップS1にて生成された番号配列表TがステップS211にて表示部13に表示される。そして、ステップS212にて、無線リーダ処理部20により受信したICカードCの情報(カード種別や有効期限等の情報)をもとに、ICカードCが読み取り可能か否かが判定される。ここで、ICカードCが読み取り不可(S212でNo)と判断された場合には、当該暗証番号入力処理の中止信号を制御部8へ送信する中止キー(機能キー11bの所定のキー)が押されるまでは、ステップS214でNoとの判定が繰り返される。そして、ICカードCが読み取り不可(S212でNo)と判断されて、中止キーが押されると(ステップS214でYes)、暗証番号入力処理が中止されて終了する。一方、ステップS212にて、読み取り可能と判定された場合には(S212でYes)、ステップS213にてイベント(キー操作部11の操作)待ちが行われる。
【0051】
ステップS213にてイベント待ち(いずれのキー操作部11も操作されていない状態)をしているときに、キー操作部11の操作が行われると、この発生したイベントが検出されると共に発生したイベントが何であるか判断される。ステップS213にて、発生したイベントが中止キーの押下動作(入力操作)であると判断された場合には、当該暗証番号入力処理を中止し終了する。一方、利用者により、数字キー11aが押されると、ステップS213にて、発生したイベントが数字キー11aの押下動作(入力操作)であると判断される。
【0052】
数字キー11aの押圧動作がステップS213にて検出されると、ステップS215にて、この数字キー11aによる入力情報を、この入力操作の直近に表示部13に表示された番号配列表(即ち、ICカードCが翳される直前に表示された番号配列表T)における当該数字キー11aに対応する番号に変換し、変換入力情報を生成する。
【0053】
そして、ステップS216にて、ステップS212にて読み取られたICカードCが決済カード(このとき表示部13に翳されているICカード)と同一か否かが判定される。ここで、ステップS212にて読み取られたICカードCが決済カードと同一でないと判定されれば(S216でNo)、指定桁数の入力が完了したか否かにかかわらず、当該処理が終了する。このステップS216では、例えば、利用者が誤って意図しないICカードCで決済を行おうとした場合(利用者がICカードCを複数所有している場合などに、所望のICカードCとは異なるICカードCを誤って選んで決済しようとした場合)、管理者(売り手)等が予め保有する中止用カードを無線リーダ処理部20に読み取らせることで、当該処理を確実に中断することができる。
【0054】
ステップS216にて、ステップS212にて読み取られたICカードCが決済カードと同一と判定されれば(S216でYes)、ステップS217にて、指定桁数の入力が完了したか否かが判定される。そして、指定桁数の入力が完了したと判定されると(S217でYes)、図3のステップS3からの処理がなされる。ステップS3では、暗証番号の入力が完了したか否かが判定される。
【0055】
ステップS3にて暗証番号の入力が完了したと判定されると(S3でYes)、入力された暗証番号(変換入力情報)がICカードCに予め設定されている暗証番号と一致しているか否かがステップS4にて判定される。そして、入力された暗証番号がICカードCに予め設定されている暗証番号と一致していると判定されると(S4でYes)、所定の決済処理が行われ、ICカードCと無線リーダ処理部20との非接触通信が終了する。
【0056】
以上説明したように、本第2実施形態に係る携帯型決済端末1は、無線リーダ部20とICカードCとの間で非接触通信が開始された後、照合手段による照合が終了する前に無線リーダ部20がICカードCとは異なる他の媒体を認識した場合、変換入力手段は、ICカードCについての変換入力情報の生成を中止するようにしている。この構成によれば、当該携帯型決済端末1に翳したICカードCを取り外し、他の媒体(中止用カード)を携帯型決済端末1に認識させることで、変換入力情報の生成を容易且つ迅速に中止することができる。
【0057】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る携帯型決済端末1の制御部8にて主に行われるメイン処理について図10に示すフローチャートを用いて説明する。本第3実施形態では、無線リーダ処理部20とICカードCとで行われる非接触通信の継続時間が所定時間経過した場合に変換入力情報の生成を中止する点が、上記第1実施形態にて述べた携帯型決済端末1と主に異なる。したがって、第1実施形態の携帯型決済端末1と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0058】
以下、本第3実施形態に係る携帯型決済端末1にて行われるメイン処理における暗号番号入力処理について図10を主に用いて説明する。なお、本第3実施形態では、第1実施形態で説明した図3のメイン処理と同様の処理を行うので、適宜、図3を参照して説明する。
まず、上述の第1実施形態と同様に、図3のステップS1にて、制御部8により番号配列表T(図5参照)が生成される。そして、ステップS2において、暗証番号入力処理(図9)が行われる。
【0059】
この暗証番号入力処理では、まず、ステップS1にて生成された番号配列表TがステップS311にて表示部13に表示される。そして、番号配列表Tが表示部13に表示された後、ステップ312にて計測処理がなされる。このステップ312では、無線リーダ処理部20とICカードCとで行われる非接触通信の継続時間を公知の時計回路、タイマ回路などによって構成されるタイマ(図示略)により計測するようにしている。そして、ICカードCが表示部13に翳されて、無線リーダ処理部20と通信が開始されると、タイマにより計測が開始される。なお、無線リーダ処理部20とICカードCとで行われる非接触通信の継続時間を計測するタイマは、「計測手段」の一例に相当する。
【0060】
そして、ステップS313にて無線リーダ処理部20により受信したICカードCの情報(カード種別や有効期限等の情報)をもとに、ICカードCが読み取り可能か否かが判定される。ここで、ICカードCが読み取り不可(S313でNo)と判断された場合には、当該暗証番号入力処理の中止信号を制御部8へ送信する中止キー(機能キー11bの所定のキー)が押されるまでは、ステップS315でNoとの判定が繰り返される。そして、ICカードCが読み取り不可(S313でNo)と判断されて、中止キーが押されると(ステップS315でYes)、暗証番号入力処理が中止されて終了する。一方、ステップS313にて、読み取り可能と判定された場合には(S313でYes)、ステップS314にてイベント(キー操作部11の操作)待ちが行われる。
【0061】
ステップS314にてイベント待ち(いずれのキー操作部11も操作されていない状態)をしているときに、キー操作部11の操作が行われると、この発生したイベントが検出されると共に発生したイベントが何であるか判断される。ステップS314にて、発生したイベントが中止キーの押下動作(入力操作)であると判断された場合には、当該暗証番号入力処理を中止し終了する。一方、利用者により、数字キー11aが押されると、ステップS314にて、発生したイベントが数字キー11aの押下動作(入力操作)であると判断される。
【0062】
数字キー11aの押圧動作がステップS314にて検出されると、ステップS316にて、この数字キー11aによる入力情報を、この入力操作の直近に表示部13に表示された番号配列表(即ち、ICカードCが翳される直前に表示された番号配列表T)における当該数字キー11aに対応する番号に変換し、変換入力情報を生成する。
【0063】
そして、ステップS317にて、ステップS312の計測処理にて計測されていた無線リーダ処理部20とICカードCとで行われる非接触通信の継続時間が所定時間経過したか否かについて判定される。ここで、所定時間は、例えば30秒に設定されており、この時間を経過すると、ステップS317でYesと判定されて、変換入力情報の生成が中止されて、当該暗証番号入力処理が終了する。このように、所定時間内に指定桁数の入力が完了しなかった場合には、変換入力情報の生成が中止されることとなる。
【0064】
一方、ステップS317にて所定時間が経過していないと判定された場合には(S317でYes)、ステップS317にて、指定桁数の入力が完了したか否かが判定される。そして、指定桁数の入力が完了したと判定されると(S318でYes)、図3のステップS3からの処理がなされる。ステップS3では、暗証番号の入力が完了したか否かが判定される。
【0065】
ステップS3にて暗証番号の入力が完了したと判定されると(S3でYes)、入力された暗証番号(変換入力情報)がICカードCに予め設定されている暗証番号と一致しているか否かがステップS4にて判定される。そして、入力された暗証番号がICカードCに予め設定されている暗証番号と一致していると判定されると(S4でYes)、所定の決済処理が行われ、ICカードCと無線リーダ処理部20との非接触通信が終了する。
【0066】
以上説明したように、本第3実施形態に係る携帯型決済端末1は、無線リーダ部20とICカードCとで行われる非接触通信の継続時間を計測するタイマを備え、変換入力手段は、タイマによって計測される継続時間が所定時間経過した場合に変換入力情報の生成を中止するようにしている。この構成によれば、ICカードCが表示部13側に翳された状態で、所定時間内に入力操作が終了しなかった場合や入力操作がなされなかった場合などには、変換入力情報の生成が中止されるので、より高いセキュリティ性を確保することができる。
【0067】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
上記実施形態では、記録媒体としてICカードを用いた場合を例に挙げて説明したが、非接触通信用ICを搭載した携帯端末などの記録媒体であっても当該携帯型決済端末1を用いて決済することができる。
【0068】
上記実施形態では、番号配列表Tが数字の配列からなる例を示したが、暗証番号がアルファベットやひらがな等である場合には、番号配列表Tには、アルファベットやひらがな等をランダムに配列したものを用いることができる。
【0069】
上記実施形態の構成に加えて、番号配列表Tを用いず暗証番号を入力する機能が付加されていてもよい。例えば、視覚の弱い利用者等が暗証番号を入力する場合には、番号配列表Tを用いない通常の操作(キー操作部11のみの操作)が可能となるように構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1…携帯型決済端末
2…ケース
3…読取口
7…トリガスイッチ
8…制御部(配列表生成手段、表示制御手段、変換入力手段、照合手段)
11…キー操作部
11a…数字キー(入力キー)
11b…機能キー(入力キー)
13…表示部(表示手段)
14…メモリ
17…外部インタフェース
20…無線リーダ部(通信手段)
T…番号配列表
C…ICカード(非接触通信媒体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を表示する表示手段と、
前記表示手段側に翳された非接触通信媒体と非接触通信可能な通信手段と、
所定の配列で配置された複数の入力キーと、
それら複数の入力キーの配列と対応する配列をなし、各入力キーに対応する位置にそれぞれ番号を割り当ててなる番号配列表を生成すると共に、生成された番号配列表の番号配列を変更可能な配列表生成手段と、
前記配列表生成手段によって生成された前記番号配列表を前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
前記通信手段が前記非接触通信媒体と通信している間に前記入力キーによって入力操作がなされた場合に、その入力キーによる入力情報を、その入力操作の直近に前記表示手段に表示された前記番号配列表における当該入力キーに対応する番号に変換することで変換入力情報を生成する変換入力手段と、
前記変換入力手段によって生成された前記変換入力情報の照合を行う照合手段と、
を備えたことを特徴とする携帯型決済端末。
【請求項2】
前記配列表生成手段は、前記照合手段によって前記変換入力情報の照合が行われる毎に、前記番号配列表の番号配列を変更することを特徴とする請求項1に記載の携帯型決済端末。
【請求項3】
前記配列表生成手段は、前記通信手段による前記非接触通信媒体との非接触通信が所定の終了状態となる毎に、前記番号配列表の番号配列を変更することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の携帯型決済端末。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記通信手段が前記非接触通信媒体と非接触通信を行っているときに、前記表示手段による前記番号配列表の表示を非表示状態に切り替えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の携帯型決済端末。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記通信手段による前記非接触通信媒体との非接触通信が中断した場合、その中断前に前記表示手段に表示されていた番号配列と同一の番号配列表を、その中断が所定の終了時間に達するまで前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の携帯型決済端末。
【請求項6】
前記通信手段と前記非接触通信媒体とで行われる非接触通信の継続時間を計測する計測手段を備え、
前記変換入力手段は、前記計測手段によって計測される前記継続時間が所定時間経過した場合に前記変換入力情報の生成を中止することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の携帯型決済端末。
【請求項7】
前記通信手段と前記非接触通信媒体との間で非接触通信が開始された後、前記照合手段による照合が終了する前に前記通信手段が前記非接触通信媒体とは異なる他の媒体を認識した場合、前記変換入力手段は、前記非接触通信媒体についての前記変換入力情報の生成を中止することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の携帯型決済端末。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−60528(P2012−60528A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−203442(P2010−203442)
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】