携帯型表示装置ならびにその動作制御方法およびその動作プログラム
【目的】小さい表示画面でも画像化された文書を見やすくする。
【構成】画像化された文書40において,上下方向に隣接する第1の領域41,第2の領域42および第3の領域43が決定される。第2の領域42の大きさは,拡大されることにより,第1の領域41および第3の領域43のそれぞれの大きさと同じとなる。第1の領域41および第3の領域43内の画像部分については等倍で,携帯電話の表示画面に表示され,第2の領域42内の画像部分については拡大されて携帯電話の表示画面に表示される。スクロールされた場合には,第2の領域42が右方向に移動し,その移動後の第2の領域42内の画像部分が拡大されて表示画面に表示される。第2の領域42内の画像部分が拡大されているので見やすい。
【構成】画像化された文書40において,上下方向に隣接する第1の領域41,第2の領域42および第3の領域43が決定される。第2の領域42の大きさは,拡大されることにより,第1の領域41および第3の領域43のそれぞれの大きさと同じとなる。第1の領域41および第3の領域43内の画像部分については等倍で,携帯電話の表示画面に表示され,第2の領域42内の画像部分については拡大されて携帯電話の表示画面に表示される。スクロールされた場合には,第2の領域42が右方向に移動し,その移動後の第2の領域42内の画像部分が拡大されて表示画面に表示される。第2の領域42内の画像部分が拡大されているので見やすい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は,携帯型表示装置ならびにその動作制御方法およびその動作プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆるスマートフォンと呼ばれる携帯端末では,通話ができるだけでなく,画像や画像化された文書などを読むことができる。そのような携帯端末では表示画面が小さいので,画像や文書を読む場合にはスクロールする必要がある。このために,ユーザの読む速度に応じて自動でスクロールするものがある(特許文献1)。また,ユーザが指定した文字を拡大するものもある(特許文献2)。
【0003】
しかしながら,依然として小さい表示画面では文書を読みづらい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】2001-282414号公報
【特許文献2】2008-250948号公報
【発明の概要】
【0005】
この発明は,小さい表示画面でも画像化された文書を読みやすくすることを目的とする。
【0006】
この発明による携帯型表示装置は,文書を画像で表わした文書画像において,上下方向に隣接する第1の領域,第2の領域および第3の領域であって,所与の拡大率で第2の領域を拡大することにより第2の領域が第1の領域および第3の領域と同じ大きさとなる第1の領域,第2の領域および第3の領域を決定する領域決定手段,上記領域決定手段によって決定された第1の領域,第2の領域および第3の領域にそれぞれ含まれる部分を抽出する抽出手段,上記抽出手段によって抽出された部分のうち,第2の領域に含まれる部分を,上記所与の拡大率で拡大する拡大手段,上記抽出手段によって抽出された第1の領域の部分および第3の領域の部分ならびに上記拡大手段によって拡大された第2の領域の部分を,上記文書画像における位置関係と同じ位置関係で表示画面に表示する表示装置,スクロール指令に応じて上記第2の領域をスクロール方向である横方向に移動し,かつスクロール停止指令に応じて第2の領域の移動を停止するように上記領域決定手段を制御する第1の領域決定制御手段,ならびに上記抽出手段による抽出処理,上記拡大手段による拡大処理,上記表示装置による表示処理および上記第1の領域決定制御手段による処理を繰り返す制御手段を備えていることを特徴とする。
【0007】
この発明は,上記携帯型表示装置に適した動作制御方法も提供している。すなわち,この方法は,領域決定手段が,文書を画像で表わした文書画像において,上下方向に隣接する第1の領域,第2の領域および第3の領域であって,所与の拡大率で第2の領域を拡大することにより第2の領域が第1の領域および第3の領域と同じ大きさとなる第1の領域,第2の領域および第3の領域を決定し,抽出手段が,上記領域決定手段によって決定された第1の領域,第2の領域および第3の領域にそれぞれ含まれる部分を抽出し,拡大手段が,上記抽出手段によって抽出された部分のうち,第2の領域に含まれる部分を,上記所与の拡大率で拡大し,表示装置が,上記抽出手段によって抽出された第1の領域の部分および第3の領域の部分ならびに上記拡大手段によって拡大された第2の領域の部分を,上記文書画像における位置関係と同じ位置関係で表示画面に表示し,領域決定制御手段が,スクロール指令に応じて上記第2の領域をスクロール方向である横方向に移動し,かつスクロール停止指令に応じて第2の領域の移動を停止し,制御手段が,上記抽出手段による抽出処理,上記拡大手段による拡大処理,上記表示装置による表示処理および上記第1の領域決定制御手段による処理を繰り返すものである。
【0008】
この発明は,上記携帯型表示装置の動作制御方法を実施するのに適したコンピュータが読み取り可能なプログラムも提供している。そのようなプログラムを格納した記録媒体を提供するようにしてもよい。
【0009】
この発明によると,文書を画像で表わした文書画像において,上下方向に隣接する第1の領域,第2の領域および第3の領域であって,第2の領域を所与の拡大率で拡大することにより第2の領域が,第1の領域および第3の領域と同じ大きさとなる第1の領域,第2の領域および第3の領域が決定される。決定された第1の領域,第2の領域および第3の領域にそれぞれ含まれる部分が抽出される。抽出された部分のうち,第2の領域に含まれる部分が所与の拡大率で拡大される。抽出された第1の領域の部分および第3の領域の部分ならびに拡大された第2の領域の部分が表示画面に表示される。スクロール指令に応じて,第2の領域がスクロール方向である横方向に移動させ,スクロール停止指令に応じて第2の領域の移動が停止させられる。スクロール指令に応じて,第2の領域が移動すると,その移動後の第2の領域に含まれる部分が抽出されるので,その抽出された部分は拡大されて表示されることとなる。第2の領域の部分は第1の領域の部分および第3の領域の部分に比べて拡大されてスクロールされることとなるので,比較的小さい表示画面であっても,第2の領域の部分は見やすいものとなる。
【0010】
上記表示画面に形成されているタッチ・パネル,および上記表示画面に表示されている第2の領域の部分に対応する上記タッチ・パネルの部分がタッチされたことに応じてスクロール停止指令を発生し,上記表示画面に表示されている第2の領域の部分に対応する上記タッチ・パネルの部分にタッチされていないことに応じてスクロール指令を発生する第1の指令発生手段をさらに備えてもよい。
【0011】
上記抽出手段によりスクロール方向の文書画像の端部が抽出されたことに応じて,スクロール方向と逆方向の文書画像の端部であって,下方向にずらされた位置に第1の領域,第2の領域および第3の領域を決定するように上記領域決定手段を制御する第2の領域決定制御手段をさらに備えてもよい。
【0012】
好ましくは,上記表示画面に形成されているタッチ・パネル,および上記表示画面に表示されている第2の領域の部分に対応する上記タッチ・パネルの部分において,上記タッチ・パネルにタッチしている物体がタッチ・パネル上をなぞる方向に応じて決定される方向へのスクロール指令を発生する第2の指令発生手段をさらに備える。
【0013】
上記抽出手段によって抽出された第1の領域の部分および第3の領域の部分ならびに上記拡大手段によって拡大された第2の領域の部分が表示画面に表示されていることによりスクロール指令を発生する第3の指令発生手段をさらに備えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】携帯電話の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】画像化された文書を閲覧する処理手順を示すフローチャートである。
【図3】画像化された文書を閲覧する処理手順を示すフローチャートである。
【図4】文書画像の一例である。
【図5】表示画面の一例である。
【図6】表示画面の一例である。
【図7】文書画像の一例である。
【図8】表示画面の一例である。
【図9】表示画面の一例である。
【図10】文書画像の一例である。
【図11】表示画面の一例である。
【実施例】
【0015】
図1は,この発明の実施例を示すもので,いわゆるスマートフォンと呼ばれる携帯電話(携帯型表示装置)の電気的構成を示すブロック図である。
【0016】
携帯電話1の全体の動作は,制御装置2によって統括される。
【0017】
携帯電話1には,他の携帯電話との通信,インターネットへのアクセス等のための通信装置10およびアンテナ11が設けられている。アンテナ11を介して後述する動作を行うプログラム12が携帯電話1にダウンロードされる。ダウンロードされたプログラム12が携帯電話1にインストールされることにより,携帯電話1は後述する動作を行う。もっとも,携帯電話1にメモリ・カード・リーダ(図示略)などが設けられている場合には,メモリ・カードに格納されたプログラムを,メモリ・カード・リーダを用いて読み取り,読み取られたプログラムを携帯電話1にインストールするようにしてもよい。
【0018】
さらに,携帯電話1には,表示画面に文書,画像などを表示するための表示装置3が設けられている。表示装置3の表示画面には,タッチ・パネル4が形成されている。表示画面上に形成されているタッチ・パネル4をタッチすることにより,ユーザは,携帯電話1に様々な指令を与えることができる。
【0019】
携帯電話1には,プログラム,所定のデータが格納されるメモリ5も含まれている。さらに,携帯電話1には,スピーカ8およびマイクロフォン9も含まれている。音声信号は,増幅回路7によって増幅されてスピーカ8に与えられることによりスピーカ8から音声が出力される。また,マイクロフォン9から入力した音声を表わす音声信号は,増幅回路7によって増幅されて制御装置2に入力する。
【0020】
この実施例による携帯電話1では,画像化された文書(文書画像という)を表示装置3の表示画面に表示できる。文書画像を表示する場合,表示画面は小さいので表示画面に文書のすべてを表示してしまうと文書を読みづらい。このために,文書画像の一部が表示画面に表示される。すると,表示画面に表示されている部分以外の部分を見る場合にはスクロールする必要がある。この実施例では,文書画像をスクロールしながら見る場合に見やすくするものである。
【0021】
図2および図3は,携帯電話1において文書画像を閲覧する処理手順を示すフローチャートである。図4は,画像化された文書の一例である。
【0022】
図4に示す文書画像40は,テキスト・データによって表わされるものではなく,画像ファイルによって表わされるものである。文書画像40を表わす画像ファイルはメモリ5に記憶されており,メモリ5から読み出されることにより,表示装置3の表示画面に表示される。
【0023】
まず,文書画像40において,上下方向に隣接する第1の領域41,第2の領域42および第3の領域43が決定される(図2ステップ20)。第1の領域41と第3の領域43との間に挟まれた第2の領域42は,所与の拡大率で拡大することにより第1の領域41および第3の領域43の大きさと同じとなるものである。その拡大率は,タッチ・パネル4を用いて設定可能なものでもよいし,あらかじめ定められたものでもよい。第1の領域41,第2の領域42および第3の領域43を合わせた領域(表示領域ということにする)45内の部分が表示装置3の表示画面に表示される。第1の領域41の大きさと第3の領域43の大きさとは等しいが,第2の領域42は,所与の拡大率で拡大することにより第1の領域41および第3の領域43の大きさと同じとなるものであるから,第2の領域42の大きさは,第1の領域41(第3の領域43)の大きさよりも小さい。
【0024】
最初に決定される抽出領域45の位置は,文書画像40のどの位置でもよいが,好ましくは,文書画像40の左端の位置となろう。文書画像40の左上に抽出領域45が位置決めされる場合には,第2の領域42の左上の原点が文書の左上の原点(文書の最初の文字)となることが好ましい。もっとも,抽出領域45を移動させる指令をタッチ・パネル4から与えることにより,所望の位置に抽出領域45を移動できるのはいうまでもない。
【0025】
第1の領域41から第3の領域43が決定されると,文書画像40から第1の領域41,第2の領域42および第3の領域43のそれぞれの領域内の部分(画像部分)が抽出される(図2ステップ21)。抽出された第1の領域41,第2の領域42および第3の領域43のそれぞれの領域内の画像部分のうち,第1の領域41および第3の領域43のそれぞれの領域内の画像部分が表示装置3の表示画面に表示される(図2ステップ22)。
【0026】
図5は,表示画面50の一例である。
【0027】
表示画面50は,上下方向に三分割されており,第1の表示領域51,第2の表示領域52および第3の表示領域53が規定されている。これらの第1の表示領域51から第3の表示領域53を示す枠は,表示画面50上にそれぞれの領域ごとに形成されていないが,文書画像40を閲覧する場合にはそのような枠が形成されるようにしてもよい。
【0028】
第1の表示領域51には,文書画像40において第1の領域41内の画像部分が等倍で表示される。同様に,第3の表示領域53には,文書画像40において第3の領域43内の画像部分が等倍で表示される。第2の表示領域52には,文書画像40において第2の領域42内の画像部分が表示されるが,第2の領域42は所定の拡大率で拡大することにより第1の領域41(第3の領域43)と同じ大きさとなるものである。第2の領域42内の画像部分が,その拡大率で拡大されて第2の表示領域52に表示される(図2ステップ23,24)。
【0029】
図6は,表示画面50の一例である。
【0030】
上述のように,第1の表示領域51および第3の表示領域53には,文書画像40における第1の領域41および第3の領域43内の画像部分が等倍でそれぞれ表示される。
【0031】
これに対して,第2の表示領域52には,上述のように文書画像40における第2の領域42内の画像部分が,第2の領域42の大きさが第2の表示領域52の大きさとなるような拡大率で拡大されて表示される。第2の表示領域52に表示されている文字は,第1の表示領域51および第3の表示領域53に表示されている文字よりも相対的に大きいので見やすい。
【0032】
図3を参照して,第2の表示領域52(第2の領域42の部分)上がタッチされなければ(ステップ25でNO),スクロール処理のためにスクロール指令が発生し(ステップ26),第2の表示領域52上がタッチされると(ステップ25でYES),スクロール処理の停止のためにスクロール停止指令が発生する(ステップ31)。
【0033】
このように,第2の表示領域52上がタッチされずに(ステップ25でNO),スクロール指令が発生すると(ステップ26),第2の領域42が右方向に移動させられる(ステップ27)。右方向への移動により第2の領域42の右辺が文書画像40の右端部とならなければ(ステップ28でNO),図2ステップ21に戻り,第1の領域41から第3の領域43内の画像部分が表示画面50の第1の表示領域51から第3の表示領域53に表示される(ステップ21〜24)。
【0034】
図7を参照して,第2の領域42が右方向に移動して符号42Aで示す位置に移動したものとする。すると,その符号42Aで示す位置にある第2の領域42内の画像部分が抽出され,その抽出された画像部分が拡大されて表示画面50における第2の表示領域52に表示される。
【0035】
図8は,表示画面50の一例である。
【0036】
上述したように,第2の表示領域52には,図7の符号42Aで示す位置に移動した第2の領域42内の画像部分が拡大されて表示されている。これによりスクロール処理が行われたこととなる。第1の表示領域51および第3の表示領域53に表示されている画像部分は,第2の表示領域52の右方向へのスクロールでは変わらない。
【0037】
第2の領域42が右方向に移動したことにより(図3ステップ27),図7に符号42Bで示すように,第2の領域42の右辺が文書画像40の右端となったものとする(図3ステップ28でYES)。
【0038】
図9は,表示画面50の一例である。
【0039】
第2の領域42の右辺が文書画像40の右端となると,表示画面50の第2の領域52には,文書画像40の右端部の部分が表示される。図7に符号42Bで示すように,第2の領域42はそれ以上右側に移動しても新たに表示する部分が無くなるので,図4に示すように第2の領域42が文書画像40の左端部に戻され,かつ第1の領域41から第3の領域43を含む抽出領域45全体が一行分下方向にずらされる(図3ステップ29)。
【0040】
図10は,文書画像40と抽出領域45との関係を示している。
【0041】
上述したように,抽出領域45が一行分,下方向にずらされることにより,抽出領域45は,符号45Cに移動する。すると,表示画面50には,符号45Cに移動した抽出領域45内の画像部分が表示されることとなる。
【0042】
図11は,表示画面50の一例である。
【0043】
図10に示したように,抽出領域45が一行分,下方向にずらされることにより,符号45Cの位置に移動した抽出領域45内の画像部分が第1の表示領域51,第2の表示領域52および第3の表示領域53に表示されることとなる。上述のように,第2の表示領域52内の画像部分は,第1の表示領域51および第3の表示領域53内の画像部分に比べて拡大されている。
【0044】
上述したスクロール処理により,文書画像40の右端部が表示されると,一行分,下方向にずれた文書画像40の左端部が表示画面50に表示されることとなる。文書画像40を読んでいる場合に文章が連続して表示画面50に表示されるので,文章が読みやすくなる。
【0045】
上述の実施例においては,第2の表示領域52上にタッチされていないとスクロール処理が行われているので,表示画面50に文書画像40の抽出領域45内の画像部分が表示されていることによりスクロール指令が発生することとなるが,その逆に第2の表示領域52上にタッチされたことによりスクロール処理が行われるようにしてもよい。たとえば,タッチ・パネル4上にタッチしている指,タッチ・ペンなどの物体がタッチ・パネル4上をなぞる方向に応じて,その方向へのスクロール指令が発生するようにしてもよい。タッチ・パネル4上において,指,タッチ・ペンなどが左方向に移動することにより,左方向(または右方向)に上述した第2の領域42が移動してスクロール処理が行われる。また,タッチ・パネル4上において,指,タッチ・ペンなどが右方向に移動することにより,右方向(または左方向)に上述した第2の領域42が移動してスクロール処理が行われる。
【0046】
さらに,上述した実施例では,第1の領域41,第2の領域42および第3の領域43のそれぞれの領域に表示される文章は4行であるが,4行に限らず1行でもよいし,その他の行数でもよい。
【0047】
上述の実施例においては,メモリ5に文書画像40を表わす画像ファイルが記憶されており,その画像ファイルによって表わされる文書画像40の一部がスクロールされて表示画面50に表示されているが,文書画像40を表わす画像ファイルは携帯電話1に記憶されていずにサーバ・コンピュータ(図示略)に格納されていてもよい。そのような場合には,携帯電話1からサーバ・コンピュータに抽出領域45内の画像部分の送信を要求し,その要求に応じて,画像部分を表わすファイルがサーバ・コンピュータから携帯電話1に送信されることとなろう。サーバ・コンピュータから送信されたファイルが携帯電話1において受信されることにより,表示画面50上に抽出領域45内の画像部分が表示される。上述したようにスクロール処理が行われた場合には,発生したスクロール指令が携帯電話1からサーバ・コンピュータに送信され,サーバ・コンピュータにおいて,第2の領域42が移動させられる。その移動後の第2の領域42に含まれる画像部分を表わすファイルがサーバ・コンピュータから携帯電話1に送信されて,上述のように,携帯電話2の表示画面50にスクロールされた画像が表示されることとなろう。
【符号の説明】
【0048】
1 携帯電話(携帯型表示装置)
2 制御装置(抽出手段,拡大手段,第1の領域決定制御手段,制御手段)
3 表示装置
4 タッチ・パネル
【技術分野】
【0001】
この発明は,携帯型表示装置ならびにその動作制御方法およびその動作プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆるスマートフォンと呼ばれる携帯端末では,通話ができるだけでなく,画像や画像化された文書などを読むことができる。そのような携帯端末では表示画面が小さいので,画像や文書を読む場合にはスクロールする必要がある。このために,ユーザの読む速度に応じて自動でスクロールするものがある(特許文献1)。また,ユーザが指定した文字を拡大するものもある(特許文献2)。
【0003】
しかしながら,依然として小さい表示画面では文書を読みづらい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】2001-282414号公報
【特許文献2】2008-250948号公報
【発明の概要】
【0005】
この発明は,小さい表示画面でも画像化された文書を読みやすくすることを目的とする。
【0006】
この発明による携帯型表示装置は,文書を画像で表わした文書画像において,上下方向に隣接する第1の領域,第2の領域および第3の領域であって,所与の拡大率で第2の領域を拡大することにより第2の領域が第1の領域および第3の領域と同じ大きさとなる第1の領域,第2の領域および第3の領域を決定する領域決定手段,上記領域決定手段によって決定された第1の領域,第2の領域および第3の領域にそれぞれ含まれる部分を抽出する抽出手段,上記抽出手段によって抽出された部分のうち,第2の領域に含まれる部分を,上記所与の拡大率で拡大する拡大手段,上記抽出手段によって抽出された第1の領域の部分および第3の領域の部分ならびに上記拡大手段によって拡大された第2の領域の部分を,上記文書画像における位置関係と同じ位置関係で表示画面に表示する表示装置,スクロール指令に応じて上記第2の領域をスクロール方向である横方向に移動し,かつスクロール停止指令に応じて第2の領域の移動を停止するように上記領域決定手段を制御する第1の領域決定制御手段,ならびに上記抽出手段による抽出処理,上記拡大手段による拡大処理,上記表示装置による表示処理および上記第1の領域決定制御手段による処理を繰り返す制御手段を備えていることを特徴とする。
【0007】
この発明は,上記携帯型表示装置に適した動作制御方法も提供している。すなわち,この方法は,領域決定手段が,文書を画像で表わした文書画像において,上下方向に隣接する第1の領域,第2の領域および第3の領域であって,所与の拡大率で第2の領域を拡大することにより第2の領域が第1の領域および第3の領域と同じ大きさとなる第1の領域,第2の領域および第3の領域を決定し,抽出手段が,上記領域決定手段によって決定された第1の領域,第2の領域および第3の領域にそれぞれ含まれる部分を抽出し,拡大手段が,上記抽出手段によって抽出された部分のうち,第2の領域に含まれる部分を,上記所与の拡大率で拡大し,表示装置が,上記抽出手段によって抽出された第1の領域の部分および第3の領域の部分ならびに上記拡大手段によって拡大された第2の領域の部分を,上記文書画像における位置関係と同じ位置関係で表示画面に表示し,領域決定制御手段が,スクロール指令に応じて上記第2の領域をスクロール方向である横方向に移動し,かつスクロール停止指令に応じて第2の領域の移動を停止し,制御手段が,上記抽出手段による抽出処理,上記拡大手段による拡大処理,上記表示装置による表示処理および上記第1の領域決定制御手段による処理を繰り返すものである。
【0008】
この発明は,上記携帯型表示装置の動作制御方法を実施するのに適したコンピュータが読み取り可能なプログラムも提供している。そのようなプログラムを格納した記録媒体を提供するようにしてもよい。
【0009】
この発明によると,文書を画像で表わした文書画像において,上下方向に隣接する第1の領域,第2の領域および第3の領域であって,第2の領域を所与の拡大率で拡大することにより第2の領域が,第1の領域および第3の領域と同じ大きさとなる第1の領域,第2の領域および第3の領域が決定される。決定された第1の領域,第2の領域および第3の領域にそれぞれ含まれる部分が抽出される。抽出された部分のうち,第2の領域に含まれる部分が所与の拡大率で拡大される。抽出された第1の領域の部分および第3の領域の部分ならびに拡大された第2の領域の部分が表示画面に表示される。スクロール指令に応じて,第2の領域がスクロール方向である横方向に移動させ,スクロール停止指令に応じて第2の領域の移動が停止させられる。スクロール指令に応じて,第2の領域が移動すると,その移動後の第2の領域に含まれる部分が抽出されるので,その抽出された部分は拡大されて表示されることとなる。第2の領域の部分は第1の領域の部分および第3の領域の部分に比べて拡大されてスクロールされることとなるので,比較的小さい表示画面であっても,第2の領域の部分は見やすいものとなる。
【0010】
上記表示画面に形成されているタッチ・パネル,および上記表示画面に表示されている第2の領域の部分に対応する上記タッチ・パネルの部分がタッチされたことに応じてスクロール停止指令を発生し,上記表示画面に表示されている第2の領域の部分に対応する上記タッチ・パネルの部分にタッチされていないことに応じてスクロール指令を発生する第1の指令発生手段をさらに備えてもよい。
【0011】
上記抽出手段によりスクロール方向の文書画像の端部が抽出されたことに応じて,スクロール方向と逆方向の文書画像の端部であって,下方向にずらされた位置に第1の領域,第2の領域および第3の領域を決定するように上記領域決定手段を制御する第2の領域決定制御手段をさらに備えてもよい。
【0012】
好ましくは,上記表示画面に形成されているタッチ・パネル,および上記表示画面に表示されている第2の領域の部分に対応する上記タッチ・パネルの部分において,上記タッチ・パネルにタッチしている物体がタッチ・パネル上をなぞる方向に応じて決定される方向へのスクロール指令を発生する第2の指令発生手段をさらに備える。
【0013】
上記抽出手段によって抽出された第1の領域の部分および第3の領域の部分ならびに上記拡大手段によって拡大された第2の領域の部分が表示画面に表示されていることによりスクロール指令を発生する第3の指令発生手段をさらに備えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】携帯電話の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】画像化された文書を閲覧する処理手順を示すフローチャートである。
【図3】画像化された文書を閲覧する処理手順を示すフローチャートである。
【図4】文書画像の一例である。
【図5】表示画面の一例である。
【図6】表示画面の一例である。
【図7】文書画像の一例である。
【図8】表示画面の一例である。
【図9】表示画面の一例である。
【図10】文書画像の一例である。
【図11】表示画面の一例である。
【実施例】
【0015】
図1は,この発明の実施例を示すもので,いわゆるスマートフォンと呼ばれる携帯電話(携帯型表示装置)の電気的構成を示すブロック図である。
【0016】
携帯電話1の全体の動作は,制御装置2によって統括される。
【0017】
携帯電話1には,他の携帯電話との通信,インターネットへのアクセス等のための通信装置10およびアンテナ11が設けられている。アンテナ11を介して後述する動作を行うプログラム12が携帯電話1にダウンロードされる。ダウンロードされたプログラム12が携帯電話1にインストールされることにより,携帯電話1は後述する動作を行う。もっとも,携帯電話1にメモリ・カード・リーダ(図示略)などが設けられている場合には,メモリ・カードに格納されたプログラムを,メモリ・カード・リーダを用いて読み取り,読み取られたプログラムを携帯電話1にインストールするようにしてもよい。
【0018】
さらに,携帯電話1には,表示画面に文書,画像などを表示するための表示装置3が設けられている。表示装置3の表示画面には,タッチ・パネル4が形成されている。表示画面上に形成されているタッチ・パネル4をタッチすることにより,ユーザは,携帯電話1に様々な指令を与えることができる。
【0019】
携帯電話1には,プログラム,所定のデータが格納されるメモリ5も含まれている。さらに,携帯電話1には,スピーカ8およびマイクロフォン9も含まれている。音声信号は,増幅回路7によって増幅されてスピーカ8に与えられることによりスピーカ8から音声が出力される。また,マイクロフォン9から入力した音声を表わす音声信号は,増幅回路7によって増幅されて制御装置2に入力する。
【0020】
この実施例による携帯電話1では,画像化された文書(文書画像という)を表示装置3の表示画面に表示できる。文書画像を表示する場合,表示画面は小さいので表示画面に文書のすべてを表示してしまうと文書を読みづらい。このために,文書画像の一部が表示画面に表示される。すると,表示画面に表示されている部分以外の部分を見る場合にはスクロールする必要がある。この実施例では,文書画像をスクロールしながら見る場合に見やすくするものである。
【0021】
図2および図3は,携帯電話1において文書画像を閲覧する処理手順を示すフローチャートである。図4は,画像化された文書の一例である。
【0022】
図4に示す文書画像40は,テキスト・データによって表わされるものではなく,画像ファイルによって表わされるものである。文書画像40を表わす画像ファイルはメモリ5に記憶されており,メモリ5から読み出されることにより,表示装置3の表示画面に表示される。
【0023】
まず,文書画像40において,上下方向に隣接する第1の領域41,第2の領域42および第3の領域43が決定される(図2ステップ20)。第1の領域41と第3の領域43との間に挟まれた第2の領域42は,所与の拡大率で拡大することにより第1の領域41および第3の領域43の大きさと同じとなるものである。その拡大率は,タッチ・パネル4を用いて設定可能なものでもよいし,あらかじめ定められたものでもよい。第1の領域41,第2の領域42および第3の領域43を合わせた領域(表示領域ということにする)45内の部分が表示装置3の表示画面に表示される。第1の領域41の大きさと第3の領域43の大きさとは等しいが,第2の領域42は,所与の拡大率で拡大することにより第1の領域41および第3の領域43の大きさと同じとなるものであるから,第2の領域42の大きさは,第1の領域41(第3の領域43)の大きさよりも小さい。
【0024】
最初に決定される抽出領域45の位置は,文書画像40のどの位置でもよいが,好ましくは,文書画像40の左端の位置となろう。文書画像40の左上に抽出領域45が位置決めされる場合には,第2の領域42の左上の原点が文書の左上の原点(文書の最初の文字)となることが好ましい。もっとも,抽出領域45を移動させる指令をタッチ・パネル4から与えることにより,所望の位置に抽出領域45を移動できるのはいうまでもない。
【0025】
第1の領域41から第3の領域43が決定されると,文書画像40から第1の領域41,第2の領域42および第3の領域43のそれぞれの領域内の部分(画像部分)が抽出される(図2ステップ21)。抽出された第1の領域41,第2の領域42および第3の領域43のそれぞれの領域内の画像部分のうち,第1の領域41および第3の領域43のそれぞれの領域内の画像部分が表示装置3の表示画面に表示される(図2ステップ22)。
【0026】
図5は,表示画面50の一例である。
【0027】
表示画面50は,上下方向に三分割されており,第1の表示領域51,第2の表示領域52および第3の表示領域53が規定されている。これらの第1の表示領域51から第3の表示領域53を示す枠は,表示画面50上にそれぞれの領域ごとに形成されていないが,文書画像40を閲覧する場合にはそのような枠が形成されるようにしてもよい。
【0028】
第1の表示領域51には,文書画像40において第1の領域41内の画像部分が等倍で表示される。同様に,第3の表示領域53には,文書画像40において第3の領域43内の画像部分が等倍で表示される。第2の表示領域52には,文書画像40において第2の領域42内の画像部分が表示されるが,第2の領域42は所定の拡大率で拡大することにより第1の領域41(第3の領域43)と同じ大きさとなるものである。第2の領域42内の画像部分が,その拡大率で拡大されて第2の表示領域52に表示される(図2ステップ23,24)。
【0029】
図6は,表示画面50の一例である。
【0030】
上述のように,第1の表示領域51および第3の表示領域53には,文書画像40における第1の領域41および第3の領域43内の画像部分が等倍でそれぞれ表示される。
【0031】
これに対して,第2の表示領域52には,上述のように文書画像40における第2の領域42内の画像部分が,第2の領域42の大きさが第2の表示領域52の大きさとなるような拡大率で拡大されて表示される。第2の表示領域52に表示されている文字は,第1の表示領域51および第3の表示領域53に表示されている文字よりも相対的に大きいので見やすい。
【0032】
図3を参照して,第2の表示領域52(第2の領域42の部分)上がタッチされなければ(ステップ25でNO),スクロール処理のためにスクロール指令が発生し(ステップ26),第2の表示領域52上がタッチされると(ステップ25でYES),スクロール処理の停止のためにスクロール停止指令が発生する(ステップ31)。
【0033】
このように,第2の表示領域52上がタッチされずに(ステップ25でNO),スクロール指令が発生すると(ステップ26),第2の領域42が右方向に移動させられる(ステップ27)。右方向への移動により第2の領域42の右辺が文書画像40の右端部とならなければ(ステップ28でNO),図2ステップ21に戻り,第1の領域41から第3の領域43内の画像部分が表示画面50の第1の表示領域51から第3の表示領域53に表示される(ステップ21〜24)。
【0034】
図7を参照して,第2の領域42が右方向に移動して符号42Aで示す位置に移動したものとする。すると,その符号42Aで示す位置にある第2の領域42内の画像部分が抽出され,その抽出された画像部分が拡大されて表示画面50における第2の表示領域52に表示される。
【0035】
図8は,表示画面50の一例である。
【0036】
上述したように,第2の表示領域52には,図7の符号42Aで示す位置に移動した第2の領域42内の画像部分が拡大されて表示されている。これによりスクロール処理が行われたこととなる。第1の表示領域51および第3の表示領域53に表示されている画像部分は,第2の表示領域52の右方向へのスクロールでは変わらない。
【0037】
第2の領域42が右方向に移動したことにより(図3ステップ27),図7に符号42Bで示すように,第2の領域42の右辺が文書画像40の右端となったものとする(図3ステップ28でYES)。
【0038】
図9は,表示画面50の一例である。
【0039】
第2の領域42の右辺が文書画像40の右端となると,表示画面50の第2の領域52には,文書画像40の右端部の部分が表示される。図7に符号42Bで示すように,第2の領域42はそれ以上右側に移動しても新たに表示する部分が無くなるので,図4に示すように第2の領域42が文書画像40の左端部に戻され,かつ第1の領域41から第3の領域43を含む抽出領域45全体が一行分下方向にずらされる(図3ステップ29)。
【0040】
図10は,文書画像40と抽出領域45との関係を示している。
【0041】
上述したように,抽出領域45が一行分,下方向にずらされることにより,抽出領域45は,符号45Cに移動する。すると,表示画面50には,符号45Cに移動した抽出領域45内の画像部分が表示されることとなる。
【0042】
図11は,表示画面50の一例である。
【0043】
図10に示したように,抽出領域45が一行分,下方向にずらされることにより,符号45Cの位置に移動した抽出領域45内の画像部分が第1の表示領域51,第2の表示領域52および第3の表示領域53に表示されることとなる。上述のように,第2の表示領域52内の画像部分は,第1の表示領域51および第3の表示領域53内の画像部分に比べて拡大されている。
【0044】
上述したスクロール処理により,文書画像40の右端部が表示されると,一行分,下方向にずれた文書画像40の左端部が表示画面50に表示されることとなる。文書画像40を読んでいる場合に文章が連続して表示画面50に表示されるので,文章が読みやすくなる。
【0045】
上述の実施例においては,第2の表示領域52上にタッチされていないとスクロール処理が行われているので,表示画面50に文書画像40の抽出領域45内の画像部分が表示されていることによりスクロール指令が発生することとなるが,その逆に第2の表示領域52上にタッチされたことによりスクロール処理が行われるようにしてもよい。たとえば,タッチ・パネル4上にタッチしている指,タッチ・ペンなどの物体がタッチ・パネル4上をなぞる方向に応じて,その方向へのスクロール指令が発生するようにしてもよい。タッチ・パネル4上において,指,タッチ・ペンなどが左方向に移動することにより,左方向(または右方向)に上述した第2の領域42が移動してスクロール処理が行われる。また,タッチ・パネル4上において,指,タッチ・ペンなどが右方向に移動することにより,右方向(または左方向)に上述した第2の領域42が移動してスクロール処理が行われる。
【0046】
さらに,上述した実施例では,第1の領域41,第2の領域42および第3の領域43のそれぞれの領域に表示される文章は4行であるが,4行に限らず1行でもよいし,その他の行数でもよい。
【0047】
上述の実施例においては,メモリ5に文書画像40を表わす画像ファイルが記憶されており,その画像ファイルによって表わされる文書画像40の一部がスクロールされて表示画面50に表示されているが,文書画像40を表わす画像ファイルは携帯電話1に記憶されていずにサーバ・コンピュータ(図示略)に格納されていてもよい。そのような場合には,携帯電話1からサーバ・コンピュータに抽出領域45内の画像部分の送信を要求し,その要求に応じて,画像部分を表わすファイルがサーバ・コンピュータから携帯電話1に送信されることとなろう。サーバ・コンピュータから送信されたファイルが携帯電話1において受信されることにより,表示画面50上に抽出領域45内の画像部分が表示される。上述したようにスクロール処理が行われた場合には,発生したスクロール指令が携帯電話1からサーバ・コンピュータに送信され,サーバ・コンピュータにおいて,第2の領域42が移動させられる。その移動後の第2の領域42に含まれる画像部分を表わすファイルがサーバ・コンピュータから携帯電話1に送信されて,上述のように,携帯電話2の表示画面50にスクロールされた画像が表示されることとなろう。
【符号の説明】
【0048】
1 携帯電話(携帯型表示装置)
2 制御装置(抽出手段,拡大手段,第1の領域決定制御手段,制御手段)
3 表示装置
4 タッチ・パネル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
文書を画像で表わした文書画像において,上下方向に隣接する第1の領域,第2の領域および第3の領域であって,所与の拡大率で第2の領域を拡大することにより第2の領域が第1の領域および第3の領域と同じ大きさとなる第1の領域,第2の領域および第3の領域を決定する領域決定手段,
上記領域決定手段によって決定された第1の領域,第2の領域および第3の領域にそれぞれ含まれる部分を抽出する抽出手段,
上記抽出手段によって抽出された部分のうち,第2の領域に含まれる部分を,上記所与の拡大率で拡大する拡大手段,
上記抽出手段によって抽出された第1の領域の部分および第3の領域の部分ならびに上記拡大手段によって拡大された第2の領域の部分を,上記文書画像における位置関係と同じ位置関係で表示画面に表示する表示装置,
スクロール指令に応じて上記第2の領域をスクロール方向である横方向に移動し,かつスクロール停止指令に応じて第2の領域の移動を停止するように上記領域決定手段を制御する第1の領域決定制御手段,ならびに
上記抽出手段による抽出処理,上記拡大手段による拡大処理,上記表示装置による表示処理および上記第1の領域決定制御手段による処理を繰り返す制御手段,
を備えた携帯型表示装置。
【請求項2】
上記表示画面に形成されているタッチ・パネル,および
上記表示画面に表示されている第2の領域の部分に対応する上記タッチ・パネルの部分がタッチされたことに応じてスクロール停止指令を発生し,上記表示画面に表示されている第2の領域の部分に対応する上記タッチ・パネルの部分にタッチされていないことに応じてスクロール指令を発生する第1の指令発生手段,
をさらに備えた請求項1に記載の携帯型表示装置。
【請求項3】
上記抽出手段によりスクロール方向の文書画像の端部が抽出されたことに応じて,スクロール方向と逆方向の文書画像の端部であって,下方向にずらされた位置に第1の領域,第2の領域および第3の領域を決定するように上記領域決定手段を制御する第2の領域決定制御手段,
をさらに備えた請求項1または2に記載の携帯型表示装置。
【請求項4】
上記表示画面に形成されているタッチ・パネル,および
上記表示画面に表示されている第2の領域の部分に対応する上記タッチ・パネルの部分において,上記タッチ・パネルにタッチしている物体がタッチ・パネル上をなぞる方向に応じて決定される方向へのスクロール指令を発生する第2の指令発生手段,
をさらに備えた請求項1に記載の携帯型表示装置。
【請求項5】
上記抽出手段によって抽出された第1の領域の部分および第3の領域の部分ならびに上記拡大手段によって拡大された第2の領域の部分が表示画面に表示されていることによりスクロール指令を発生する第3の指令発生手段,
をさらに備えた請求項1に記載の携帯型表示装置。
【請求項6】
領域決定手段が,文書を画像で表わした文書画像において,上下方向に隣接する第1の領域,第2の領域および第3の領域であって,所与の拡大率で第2の領域を拡大することにより第2の領域が第1の領域および第3の領域と同じ大きさとなる第1の領域,第2の領域および第3の領域を決定し,
抽出手段が,上記領域決定手段によって決定された第1の領域,第2の領域および第3の領域にそれぞれ含まれる部分を抽出し,
拡大手段が,上記抽出手段によって抽出された部分のうち,第2の領域に含まれる部分を,上記所与の拡大率で拡大し,
表示装置が,上記抽出手段によって抽出された第1の領域の部分および第3の領域の部分ならびに上記拡大手段によって拡大された第2の領域の部分を,上記文書画像における位置関係と同じ位置関係で表示画面に表示し,
領域決定制御手段が,スクロール指令に応じて上記第2の領域をスクロール方向である横方向に移動し,かつスクロール停止指令に応じて第2の領域の移動を停止するように上記決定手段を制御,
制御手段が,上記抽出手段による抽出処理,上記拡大手段による拡大処理,上記表示装置による表示処理および上記第1の領域決定制御手段による処理を繰り返す,
携帯型表示装置の動作制御方法。
【請求項7】
携帯型表示装置のコンピュータを制御するコンピュータが読み取り可能なプログラムであって,
文書を画像で表わした文書画像において,上下方向に隣接する第1の領域,第2の領域および第3の領域であって,所与の拡大率で第2の領域を拡大することにより第2の領域が第1の領域および第3の領域と同じ大きさとなる第1の領域,第2の領域および第3の領域を決定させ,
決定された第1の領域,第2の領域および第3の領域にそれぞれ含まれる部分を抽出させ,
抽出された部分のうち,第2の領域に含まれる部分を,上記所与の拡大率で拡大させ,
抽出された第1の領域の部分および第3の領域の部分ならびに拡大された第2の領域の部分を,上記文書画像における位置関係と同じ位置関係で表示画面に表示させ,
スクロール指令に応じて第2の領域をスクロール方向である横方向に移動させ,かつスクロール停止指令に応じて第2の領域の移動を停止させ,
上記抽出処理,上記拡大処理,上記表示処理および第2の領域の移動およびその移動の停止処理を繰り返すように携帯型表示装置のコンピュータを制御する動作プログラム。
【請求項1】
文書を画像で表わした文書画像において,上下方向に隣接する第1の領域,第2の領域および第3の領域であって,所与の拡大率で第2の領域を拡大することにより第2の領域が第1の領域および第3の領域と同じ大きさとなる第1の領域,第2の領域および第3の領域を決定する領域決定手段,
上記領域決定手段によって決定された第1の領域,第2の領域および第3の領域にそれぞれ含まれる部分を抽出する抽出手段,
上記抽出手段によって抽出された部分のうち,第2の領域に含まれる部分を,上記所与の拡大率で拡大する拡大手段,
上記抽出手段によって抽出された第1の領域の部分および第3の領域の部分ならびに上記拡大手段によって拡大された第2の領域の部分を,上記文書画像における位置関係と同じ位置関係で表示画面に表示する表示装置,
スクロール指令に応じて上記第2の領域をスクロール方向である横方向に移動し,かつスクロール停止指令に応じて第2の領域の移動を停止するように上記領域決定手段を制御する第1の領域決定制御手段,ならびに
上記抽出手段による抽出処理,上記拡大手段による拡大処理,上記表示装置による表示処理および上記第1の領域決定制御手段による処理を繰り返す制御手段,
を備えた携帯型表示装置。
【請求項2】
上記表示画面に形成されているタッチ・パネル,および
上記表示画面に表示されている第2の領域の部分に対応する上記タッチ・パネルの部分がタッチされたことに応じてスクロール停止指令を発生し,上記表示画面に表示されている第2の領域の部分に対応する上記タッチ・パネルの部分にタッチされていないことに応じてスクロール指令を発生する第1の指令発生手段,
をさらに備えた請求項1に記載の携帯型表示装置。
【請求項3】
上記抽出手段によりスクロール方向の文書画像の端部が抽出されたことに応じて,スクロール方向と逆方向の文書画像の端部であって,下方向にずらされた位置に第1の領域,第2の領域および第3の領域を決定するように上記領域決定手段を制御する第2の領域決定制御手段,
をさらに備えた請求項1または2に記載の携帯型表示装置。
【請求項4】
上記表示画面に形成されているタッチ・パネル,および
上記表示画面に表示されている第2の領域の部分に対応する上記タッチ・パネルの部分において,上記タッチ・パネルにタッチしている物体がタッチ・パネル上をなぞる方向に応じて決定される方向へのスクロール指令を発生する第2の指令発生手段,
をさらに備えた請求項1に記載の携帯型表示装置。
【請求項5】
上記抽出手段によって抽出された第1の領域の部分および第3の領域の部分ならびに上記拡大手段によって拡大された第2の領域の部分が表示画面に表示されていることによりスクロール指令を発生する第3の指令発生手段,
をさらに備えた請求項1に記載の携帯型表示装置。
【請求項6】
領域決定手段が,文書を画像で表わした文書画像において,上下方向に隣接する第1の領域,第2の領域および第3の領域であって,所与の拡大率で第2の領域を拡大することにより第2の領域が第1の領域および第3の領域と同じ大きさとなる第1の領域,第2の領域および第3の領域を決定し,
抽出手段が,上記領域決定手段によって決定された第1の領域,第2の領域および第3の領域にそれぞれ含まれる部分を抽出し,
拡大手段が,上記抽出手段によって抽出された部分のうち,第2の領域に含まれる部分を,上記所与の拡大率で拡大し,
表示装置が,上記抽出手段によって抽出された第1の領域の部分および第3の領域の部分ならびに上記拡大手段によって拡大された第2の領域の部分を,上記文書画像における位置関係と同じ位置関係で表示画面に表示し,
領域決定制御手段が,スクロール指令に応じて上記第2の領域をスクロール方向である横方向に移動し,かつスクロール停止指令に応じて第2の領域の移動を停止するように上記決定手段を制御,
制御手段が,上記抽出手段による抽出処理,上記拡大手段による拡大処理,上記表示装置による表示処理および上記第1の領域決定制御手段による処理を繰り返す,
携帯型表示装置の動作制御方法。
【請求項7】
携帯型表示装置のコンピュータを制御するコンピュータが読み取り可能なプログラムであって,
文書を画像で表わした文書画像において,上下方向に隣接する第1の領域,第2の領域および第3の領域であって,所与の拡大率で第2の領域を拡大することにより第2の領域が第1の領域および第3の領域と同じ大きさとなる第1の領域,第2の領域および第3の領域を決定させ,
決定された第1の領域,第2の領域および第3の領域にそれぞれ含まれる部分を抽出させ,
抽出された部分のうち,第2の領域に含まれる部分を,上記所与の拡大率で拡大させ,
抽出された第1の領域の部分および第3の領域の部分ならびに拡大された第2の領域の部分を,上記文書画像における位置関係と同じ位置関係で表示画面に表示させ,
スクロール指令に応じて第2の領域をスクロール方向である横方向に移動させ,かつスクロール停止指令に応じて第2の領域の移動を停止させ,
上記抽出処理,上記拡大処理,上記表示処理および第2の領域の移動およびその移動の停止処理を繰り返すように携帯型表示装置のコンピュータを制御する動作プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−79141(P2012−79141A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−224589(P2010−224589)
【出願日】平成22年10月4日(2010.10.4)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月4日(2010.10.4)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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