説明

携帯型電子機器およびその認証方法、該機器用収容器、通信システム、制御プログラム、および該プログラムを記録した記録媒体

【課題】 非接触IC用リーダを利用して、ユーザなどに手間および負担をかけることなく、非接触ICを用いた認証を行う。
【解決手段】 非接触IC用リーダ/ライタ12を備える携帯電話機1では、非接触IC情報登録部60は、非接触ICカード50に記憶されているID番号をリーダ/ライタ12を介して受け取り、受け取ったID番号を記憶部27のロック関連レコード70に記憶させる。ロック解除のために認証を行う場合には、ロック解除部62は、非接触ICカード50に記憶されているID番号をリーダ/ライタ12を介して受け取り、受け取ったID番号と、ロック関連レコード70に記憶されたID番号とを照合することにより、非接触ICのID番号による認証を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触IC用リーダを備える携帯型電子機器およびその認証方法、該機器用収容器、通信システム、制御プログラム、および該プログラムを記録した記録媒体に関するものである。特に、本発明は、非接触IC用リーダを用いて認証を行う携帯型電子機器などに関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)などの携帯型電子機器における認証としては、パスワードによる認証や、指紋情報などの生体情報による認証が知られている。また、近時では、「遠隔ダイヤルロック」と呼ばれるロック機能にて利用されるような、着信番号、着信回数、コール数などの着信情報を利用した認証が知られている。
【0003】
しかしながら、パスワードによる認証の場合、短いパスワードは、他人に類推され易く、また反復入力することにより他人に特定され易い。一方、長いパスワードは、ユーザが忘れ易く、またユーザにとって記憶し続けることが負担になる。
【0004】
また、生体情報による認証の場合、他人がなりすますことが著しく困難であるので、非常に高いセキュリティレベルを維持できる。しかしながら、この場合、生体情報を検知するための検知手段を新たに設ける必要がある。
【0005】
また、着信情報を利用した認証の場合、基地局からの電波が届かない領域にいたり、電波の送信を停止している状態であったりすると、着信できないので認証を行うことができない。
【0006】
ところで、近時では、非接触ICを搭載した携帯電話機が市販され始めている。この携帯電話機を用いれば、改札処理や決済処理を瞬時に行うことができるので、今後さらなる普及が予想される。また、近い将来には、外部の非接触ICから情報を読み出すことのできる非接触IC用リーダ/ライタを搭載した携帯電話機が市販されることが予想されている。そこで、非接触ICを用いて携帯型電子機器の認証を行うことが考えられる。
【0007】
従来の非接触ICを用いた認証としては、下記の特許文献1・2が挙げられる。特許文献1に記載の情報記録メディア用セキュリティ装置では、非接触型ICカードチップをCD−ROMに埋め込み、RFリーダライタをCD機器に取り付けておき、非接触型ICカードチップ内のメモリに記憶させたパスワードの照合により、CD機器のセキュリティ機能を向上させている。
【0008】
また、特許文献2に記載の認証システムでは、顧客ごとに個別に発行されたバンクカードを用いて、顧客がATMより取引者に取引きを申し入れる際に、セキュアチップを認証ツールとして用いた認証を行っている。このセキュアチップは、バンクカードとは異なる認証ツールであって、常備性を有する物品に取り付けられている。ホストコンピュータは、バンクカードを用いた認証とは別個の認証を行う必要があると判断した場合、セキュアチップへのアクセスをATMに指示している。ATMは、セキュアチップに格納され、セキュアチップごとに個別に付与されたSC識別情報に基づいて認証を行うために、非接触のデータキャリアシステムを介して、セキュアチップにアクセスしている。
【特許文献1】特開2000−57296号公報(2000年2月25日公開)
【特許文献2】特開2002−318093号公報(2002年10月31日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載の情報記録メディア用セキュリティ装置では、RFリーダライタ側で、非接触型ICカードチップ内のメモリに記憶させたパスワードを保持する必要があるが、このパスワードを、上記非接触ICカードチップが埋め込まれたCD−ROMから読み込むのでは、そのCD−ROMが真正品であるか否かが不明となる。このため、上記パスワードは、上記セキュリティ装置の製造時に予め記録しておくか、別の情報記録メディアから読み出す必要がある。
【0010】
一方、特許文献2に記載の認証では、セキュアチップは、バンクカードと同様に、顧客ごとに個別に発行されている(同文献の段落[0016])。このため、非接触IC用リーダ/ライタを搭載した携帯電話機で、特許文献2の記載に従って非接触IC(セキュアチップ)を用いた認証を行う場合、携帯電話機のユーザがセキュアチップを作成するか、或いは携帯電話機の製造業者または携帯電話サービスの提供業者が、携帯電話機ごとにセキュアチップを作成してユーザに発行する必要があり、コストおよび手間が著しく増加することになる。
【0011】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、非接触IC用リーダを利用して、ユーザ、製造業者、サービス提供業者などに手間および負担をかけることなく、非接触ICを用いた認証を行うことのできる携帯型電子機器などを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明に係る携帯型電子機器は、非接触IC用リーダを備える携帯型電子機器であって、情報を記憶する記憶手段と、外部の非接触ICに記憶されている識別情報を上記非接触IC用リーダを介して受け取り、受け取った識別情報を上記記憶手段に記憶させることにより、上記識別情報を登録する登録手段と、外部の非接触ICに記憶されている識別情報を上記非接触IC用リーダを介して受け取り、受け取った識別情報と、上記登録手段が登録した識別情報とを照合することにより、非接触ICの識別情報による認証を行う認証手段とを備えることを特徴としている。
【0013】
ここで、識別情報としては、非接触ICごとに一意に割り当てられるID番号を利用することが望ましいが、非接触ICに固定された情報であって、非接触ICを識別できるものであれば、任意の情報を利用できる。例えば、製造メーカの情報のみでは、非接触ICを識別できる可能性が低いため、識別情報として利用し難い。一方、製造メーカの情報と、製造年月日とを組み合わせた情報では、非接触ICを識別できる可能性が高くなるので、識別情報として利用することができる。
【0014】
上記の構成によると、登録手段が、外部の非接触ICに記憶されている識別情報を受け取って記憶手段に記憶させることにより上記識別情報を登録している。そして、認証を行う場合には、認証手段が、外部の非接触ICに記憶されている識別情報と、登録手段が登録した識別情報とを照合している。したがって、本発明に係る携帯型電子機器は、認証に利用する非接触ICの識別情報を登録できるので、既存の非接触ICを利用でき、非接触ICを新たに作成する必要はない。したがって、ユーザ、製造業者、サービス提供業者などに対して、非接触ICを新たに作成する手間および負担をかけることなく、非接触ICを用いた確実な認証を行うことができる。
【0015】
本発明に係る携帯型電子機器では、上記登録手段は、複数の上記非接触ICに記憶されている識別情報を上記記憶手段に記憶させることにより、複数の上記識別情報を登録することが望ましい。
【0016】
さらに、上記認証手段は、上記受け取った識別情報が、上記登録手段が登録した複数の識別情報の何れかと一致するか否かを調べることにより、上記認証を行ってもよい。この場合、ユーザは、登録された全ての非接触ICを携帯型電子機器と共に持ち運ぶ必要が無く、ユーザの利便性が向上する。
【0017】
また、上記認証手段は、複数の上記非接触ICに記憶されている識別情報を上記非接触IC用リーダを介して受け取り、受け取った複数の識別情報が、上記登録手段が登録した複数の識別情報とそれぞれ一致するか否かを調べることにより、上記認証を行ってもよい。この場合、登録された全ての非接触ICを照合する必要があるので、セキュリティを向上させることができる。
【0018】
また、上記認証手段は、複数の上記非接触ICに記憶されている識別情報を上記非接触IC用リーダを介して受け取り、受け取った複数の識別情報が、上記登録手段が登録した複数の識別情報とそれぞれ一致し、かつ、受け取った複数の識別情報の順番が、登録した複数の識別情報の順番と一致するか否かを調べることにより、上記認証を行ってもよい。この場合、登録された全ての非接触ICを順番通りに照合する必要があるので、セキュリティをさらに向上させることができる。
【0019】
本発明に係る携帯型電子機器では、ユーザからの情報の入力を受け付ける入力手段をさらに備えており、上記記憶手段は、暗証番号を記憶しており、上記認証手段は、上記非接触ICの識別情報による認証を行う非接触IC認証手段と、ユーザから上記入力手段を介して暗証番号を受け取り、受け取った暗証番号と、上記記憶手段が記憶する暗証番号とを照合することにより、暗証番号による認証を行う暗証番号認証手段と、上記非接触IC認証手段と上記暗証番号認証手段とを切り替える認証切替手段とを備えることが好ましい。この場合、非接触ICの識別番号による認証と、暗証番号による認証とを切り替えて行うことができるので、ユーザが登録された非接触ICを保持していない場合の最後の手段として暗証番号による認証を行うことができ、ユーザの利便性が向上する。なお、上述のように、暗証番号は、認証の最後の手段であるので、上記従来の問題点に鑑みて、桁数の多いものが望ましい。
【0020】
本発明に係る携帯型電子機器では、自機器に対しロックを行うロック手段と、上記認証手段が認証した場合に、上記ロックを解除するロック解除手段とをさらに備えることが好ましい。この場合、ロック解除に本発明の非接触ICによる認証を利用でき、携帯型電子機器のセキュリティを向上させることができる。
【0021】
なお、ロックを行う対象としては、種々のものが考えられ、別々にロック可能であってもよいし、全体にロックを行うものであってもよい。ロックを行う対象の例としては、キー操作、アドレス帳へのアクセス、送信または受信した電子メールへのアクセス、カメラ付き携帯電話機における撮影画像へのアクセス、非接触IC用リーダにて非接触IC用の電子マネーを利用している場合における非接触IC用リーダの記憶部へのアクセスなどが挙げられる。
【0022】
ところで、例え携帯型電子機器にロックを行う機能を有していても、ロックを行うことなく携帯型電子機器の紛失または盗難に遭った場合には、セキュリティを維持できない。そこで、上記ロック手段は、上記認証手段が所定期間に認証を行わなかった場合、自機器に対し自動的にロックを行う自動ロック手段を備えてもよい。これにより、携帯型電子機器に対しロックを行うことなく紛失または盗難に遭った場合でも、所定期間経過後に自動的にロックすることができる。
【0023】
さらに、上記自動ロック手段は、上記認証手段が所定期間に認証を行わなかった場合、上記認証手段が認証を行い、認証した場合以外の場合に自動的にロックを行うことが好ましい。この場合、携帯型電子機器は、自動的にロックを行う前に、認証のために非接触ICの読取りをユーザに要求することになるので、ユーザが携帯型電子機器を操作中に、ユーザの知らないうちにロックが行われることを防止できる。
【0024】
また、上記ロック手段は、所定時刻に上記認証手段に認証を行わせて認証できなかった場合、自機器に対し自動的にロックを行う自動ロック手段を備えてもよい。これにより、携帯型電子機器に対しロックを行うことなく紛失または盗難に遭った場合でも、所定時刻経過後に自動的にロックすることができる。
【0025】
なお、本発明は、電話帳、電子メールの送受信データなどの個人情報を記憶し、非接触ICを利用した電子決済が行われる携帯電話機に適用することが好ましい。
【0026】
本発明に係る携帯型電子機器用収容器は、非接触IC用リーダを備える携帯型電子機器を収容する収容器であって、上記携帯型電子機器を収容したときに上記非接触IC用リーダと通信可能な位置に、識別情報を有する非接触ICが設けられていることを特徴としている。また、本発明に係る通信システムは、所定時刻に上記認証手段に認証を行わせて認証できなかった場合、自機器に対し自動的にロックを行う自動ロック手段を備えた携帯型電子機器と、上記携帯型電子機器用収容器とを備える構成である。
【0027】
携帯型電子機器の場合、深夜など該機器を利用しないときには、収容器に載置して、充電などを行う。したがって、収容器に非接触ICを設け、所定時刻に該非接触ICによる認証ができなかった場合に自動的にロックすることができる。通常、ユーザは収容器を持ち歩かないので、携帯型電子機器を持ち歩いている最中に紛失または盗難に遭った場合でも、確実にロックすることができる。
【0028】
本発明に係る携帯型電子機器の認証方法は、非接触IC用リーダを備える携帯型電子機器の認証方法であって、外部の非接触ICに記憶されている識別情報を、上記非接触IC用リーダを介して受け取って登録する登録ステップと、外部の非接触ICに記憶されている識別情報を上記非接触IC用リーダを介して受け取り、受け取った識別情報と、上記登録ステップにて登録された識別情報とを照合することにより、非接触ICの識別情報による認証を行う認証ステップとを含むことを特徴としている。
【0029】
上記の方法によると、登録ステップにて、外部の非接触ICに記憶されている識別情報を受け取って登録する。そして、認証を行う場合には、認証ステップにて、外部の非接触ICに記憶されている識別情報と、登録した識別情報とを照合している。したがって、認証に利用する非接触ICの識別情報を登録できるので、既存の非接触ICを利用でき、非接触ICを新たに作成する必要はない。したがって、ユーザ、製造業者、サービス提供業者などに対して、非接触ICを新たに作成する手間および負担をかけることなく、非接触ICを用いた確実な認証を行うことができる。
【0030】
なお、上記携帯型電子機器における登録手段および認証手段を、制御プログラムによりコンピュータ上で実行させることができる。さらに、上記制御プログラムをコンピュータ読取り可能な記録媒体に記憶させることにより、任意のコンピュータ上で上記制御プログラムを実行させることができる。
【発明の効果】
【0031】
以上のように、本発明に係る携帯型電子機器は、認証に利用する非接触ICの識別情報を登録できるので、既存の非接触ICを利用でき、ユーザ、製造業者、サービス提供業者などに対して、非接触ICを新たに作成する手間および負担をかけることなく、非接触ICを用いた確実な認証を行うことができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本発明の実施の形態について説明すれば以下の通りである。なお、本実施の形態では、本発明の携帯型電子機器として、FeliCa(登録商標)に代表される非接触ICと通信を行うための非接触IC用リーダ/ライタを搭載した携帯電話機について説明する。
【0033】
〔実施の形態1〕
まず、本発明の一実施形態について図1〜図10に基づいて説明する。図2および図3は、本発明の一実施形態である携帯電話機1の外観を示している。
【0034】
本実施形態の携帯電話機1は、本体2に開閉自在な蓋体3を備えたいわゆるクラムシェル型であり、図2は蓋体3が閉じた状態(クラムシェル閉状態)を示し、図3は蓋体3が開いた状態(クラムシェル開状態)を示している。本体2と蓋体3とは2軸ヒンジ状に連結している。このため、本実施形態の携帯電話機1は、蓋体3を裏返して閉じることができる。なお、本願では、本体2に関して、クラムシェル閉状態で蓋体3に覆われ、クラムシェル開状態で露出する側を前側とし、蓋体3と連結する側を上側とする。
【0035】
本体2には、図3に示されるように、前面にメイン操作ボタン群4が設けられている。メイン操作ボタン群4は、携帯電話機1における各種設定や機能切替を行うための機能ボタン群5と、数字や文字などの記号を入力するための入力ボタン群6とから構成されている。
【0036】
具体的には、機能ボタン群5は、携帯電話の電源のON/OFFを切替る電源ボタン、撮影モードを起動させるカメラボタン、メールモードを起動させるメールボタン、選択対象を上下左右方向に移動させるための十字ボタン、該十字ボタンの中央に配置されており種々の選択を決定する決定ボタン、或る機能の実行中に他の機能を実行するためのタスク切替えボタンなどを含んでいる。また、入力ボタン群6は、テンキーである。
【0037】
さらに、本体2の側面には、ヘッドホンや各種の外部機器を接続するための各種コネクタ7が設けられている。なお、図には示していないが、本体2の側面には、蓋体3を閉じた状態で操作可能なサイドキーが設けられている。さらに、本体2の左側後部には、携帯電話機1が基地局と無線通信を行うためのアンテナ8が上方に延在可能に設けられている。
【0038】
蓋体3には、図3に示されるように、一方の面にサイズの大きなメイン画面10が設けられ、図2に示されるように、他方の面にサイズの小さなサブ画面11が設けられている。また、蓋体3の内部には、図2に示されるように、非接触ICと通信を行うための非接触IC用リーダ/ライタ12が搭載されている。
【0039】
なお、図には示していないが、本体2および蓋体3の内部の適所には、通話などのためのイヤホンおよびマイクホンや、報知などのためのスピーカが設けられている。また、本体2以外にも、蓋体3の適所に操作キーを設けることもできる。
【0040】
次に、携帯電話機1の詳細な構成について図1、および図4〜図6に基づいて説明する。図4は、携帯電話機1の概略構成を示している。携帯電話機1は、リーダ/ライタ12、アンテナ部20、無線処理部21、音声処理部22、音声入力部23、音声出力部24、データ処理部25、操作部(入力手段)26、記憶部(記憶手段)27、メイン表示部28、サブ表示部29、電源部30、および制御部31を備える構成である。
【0041】
リーダ/ライタ12は、非接触ICを備えた非接触ICカード50に対し、無線通信を行ってデータの読み書きを行うものである。なお、リーダ/ライタ12および非接触ICカード50の詳細な構成は後述する。
【0042】
アンテナ部20は、電波を外部に送り出すとともに外部から電波を受け取るためのものである。具体的には、アンテナ部20は、800MHz帯または1.5GHz帯の携帯電話機用電波を送受するアンテナ8、共振回路などを備える構成である。
【0043】
無線処理部21は、音声処理部22またはデータ処理部25から受信したデータを無線送信に適した形式に変換し、変換した無線信号をアンテナ部20を介して外部に送信するものである。また、無線処理部21は、外部からアンテナ部20を介して受信した無線信号を元の形式に変換し、変換したデータを音声処理部22またはデータ処理部25に送信するものである。具体的には、無線処理部21では、チャネルコーデック処理、ベースバンド信号処理、データの変復調処理、RF(Radio Frequency)処理などが行われる。
【0044】
音声処理部22は、音声入力部23からの音声信号を所定の音声データに変換して無線処理部21に送信するとともに、無線処理部21からの音声データを音声信号に変換して音声出力部24に送信するものである。具体的には、音声処理部22は、A/D変換器、D/A変換器、アンプ、音声コーデック回路などを備える構成である。
【0045】
音声入力部23は、外部から入力された音波を、電気信号である音声信号に変換して音声処理部22に送信するものである。具体的には、音声入力部23はマイクロホンを備える構成である。
【0046】
音声出力部24は、音声処理部22からの音声信号を音波に変換して外部に出力するものである。具体的には、音声出力部24は、スピーカおよびイヤホンを備える構成である。通常、携帯電話機1では、通話を行う場合にはイヤホンが利用され、着信の報知を行う場合にはスピーカが利用される。
【0047】
なお、電話機の場合、音声入力部23に入力するユーザの音声が音声出力部24から聞こえることが望ましい。このため、音声処理部22は、音声入力部23からの音声信号を所定の音量レベルに調整した後、音声出力部24に送信することが望ましい。
【0048】
データ処理部25は、制御部31からのデータを所定形式のデータに符号化して無線処理部21に送信するとともに、無線処理部21からのデータを復号化して制御部31に送信するものである。データ処理部25で行われるデータの符号化/復号化(コーデック)方式の例としては、MPEG(Moving Picture Experts Group)−4、およびITU−T勧告H.263が挙げられる。
【0049】
操作部26は、携帯電話機1の表面に設けられたメイン操作ボタン群4などの入力デバイスをユーザが操作することにより、操作データを作成して制御部31に送信するものである。入力デバイスとしては、図3に示されるようなボタンスイッチの他にタッチパネルなどが挙げられる。
【0050】
記憶部27は、各種データおよびプログラムを記憶するものである。記憶部27の例としては、制御部31が動作する際に必要なプログラム、通信制御データ等の固定データを記憶する読出し専用の半導体メモリであるROM(Read Only Memory)と、通信に関するデータ、演算に使用するデータ及び演算結果等を一時的に記憶するいわゆるワーキングメモリとしてのRAM(Random Access Memory)とが挙げられる。
【0051】
メイン表示部28およびサブ表示部29は、制御部31から画像データを受信し、受信した画像データに基づいて画像を表示するものである。具体的には、メイン表示部28およびサブ表示部29は、PDP(Plasma Display Panel)、LCD、EL(Electroluminescence)ディスプレイなどの表示素子と、受信した画像データに基づいて表示素子を駆動するドライバ回路とを備える構成である。なお、画像には、絵や図形の他、文字も含まれ、また、静止画および動画も含まれる。
【0052】
電源部30は、携帯電話機1内の各種構成に適当な電力を供給するものである。電源部30は、例えば、リチウムイオン電池などの充電可能な2次電池、電源回路などによって構成される。なお、2次電池の代わりに燃料電池を用いることもできる。
【0053】
制御部31は、携帯電話機1内の各種構成を統括的に制御するものである。制御部31の機能は、例えばRAMやフラッシュメモリなどの記憶装置に記憶されたプログラムをCPU(Central Processing Unit)が実行することによって実現される。
【0054】
次に、リーダ/ライタ12の構成について図5に基づいて説明する。図5は、リーダ/ライタ12の概略構成を示している。図示のように、リーダ/ライタ12は、I/F部40、制御部41、記憶部42、無線処理部43、およびアンテナ部44を備える構成である。
【0055】
I/F部40は、リーダ/ライタ12の制御部41からのデータ信号を適当な形式に変換して携帯電話機1の制御部31に送信するとともに、携帯電話機1の制御部31からのデータ信号を適当な形式に変換してリーダ/ライタ12の制御部41に送信するものである。
【0056】
制御部41は、リーダ/ライタ12内の各種構成を統括的に制御するものである。制御部41の機能は、例えばRAMやフラッシュメモリなどの記憶装置に記憶されたプログラムをCPUが実行することによって実現される。
【0057】
特に、制御部41は、携帯電話機1の制御部31からのデータをI/F部40を介して受信し、受信したデータに基づいて、記憶部42および無線処理部43を制御して、記憶部42にデータを記憶したり、非接触ICカード50にデータを送信したりする。また、制御部41は、非接触ICカード50からのデータをアンテナ部44および無線処理部43を介して受信したり、記憶部42からデータを読み出したりして、受信したデータ、または読み出したデータをI/F部40を介して携帯電話機1の制御部31に送信する。
【0058】
記憶部42は、記憶部27と同様に、各種データおよびプログラムを記憶するものである。
【0059】
無線処理部43は、制御部41から受信したデータを無線送信に適した形式に変換し、変換した無線信号をアンテナ部44を介して外部に送信するとともに、外部からアンテナ部44を介して受信した無線信号を元の形式に変換し、変換したデータを制御部41に送信するものである。具体的には、無線処理部43では、A/D(Analog to Digital)変換処理、D/A(Digital to Analog)変換処理、データの変復調処理、RF処理などが行われる。
【0060】
アンテナ部44は、135kHz以下、13.56MHz帯などの変動磁界を利用して、電磁誘導方式でデータを送受するものである。具体的には、アンテナ部44は、電気信号を変動磁界に変換して外部に送り出すとともに、外部から変動磁界を受け取って電気信号に変換するコイルアンテナ、共振回路などを備える構成である。
【0061】
なお、リーダ/ライタ12の制御部41および記憶部42は、携帯電話機1の制御部31および記憶部27に統合してもよい。
【0062】
次に、非接触ICカード50の構成について図6に基づいて説明する。図6は、非接触ICカード50の概略構成を示している。図示のように、非接触ICカード50は、アンテナ部51と非接触IC52とを備える構成である。
【0063】
アンテナ部51は、リーダ/ライタ12からの変動磁界を、電磁誘導により非接触IC52を動作させる電力源として受け取るものである。また、アンテナ部51は、上記変更磁界を利用して、電磁誘導方式でデータを送受するものである。具体的には、アンテナ部51は、外部から変動磁界を受け取って電気信号に変換するとともに、電気信号を変動磁界に変換して外部に送り出すコイルアンテナ、共振回路などを備える構成である。
【0064】
非接触IC52は、リーダ/ライタ12からアンテナ部51を介して受信した信号に基づいて、リーダ/ライタ12からのデータを記憶したり、記憶されたデータをアンテナ部51を介してリーダ/ライタ12に送信したりするものである。図6に示されるように、非接触IC52は、搬送波整流部53、無線処理部54、制御部55、および記憶部56を備える構成である。
【0065】
搬送波整流部53は、アンテナ部51が変動磁界をコイルアンテナにて受け取ることにより発生する誘起電圧を整流回路にて整流し、電源回路にて所定の電圧に調整した後、非接触IC52の各部に供給するものである。搬送波整流部53には、ブリッジダイオード、電圧調整用コンデンサなどが使用される。
【0066】
無線処理部54は、外部からアンテナ部51を介して受信した無線信号を元の形式に変換し、変換したデータを制御部55に送信するとともに、制御部55から受信したデータを無線送信に適した形式に変換し、変換した無線信号をアンテナ部51を介して外部に送信するものである。具体的には、無線処理部54では、A/D変換処理、D/A変換処理、データの変復調処理、RF処理などが行われる。
【0067】
制御部55は、非接触IC52内の各種構成を統括的に制御するものである。制御部55の機能は、例えばRAMやフラッシュメモリなどの記憶装置に記憶されたプログラムをCPUが実行することによって実現される。
【0068】
特に、制御部55は、リーダ/ライタ12からのデータをアンテナ部51および無線処理部54を介して受信し、受信したデータを記憶部56に記憶したり、受信したデータに基づいて、記憶部56に記憶されたデータを読み出して、無線処理部54およびアンテナ部51を介してリーダ/ライタ12に送信したりする。
【0069】
記憶部56は、記憶部27・42と同様に、各種データおよびプログラムを記憶するものである。特に、記憶部56が記憶するデータとしては、非接触ICカード50を識別する識別情報や電子マネー情報などが挙げられる。なお、非接触IC52は、リーダ/ライタ12が発生させる変動磁界を電力源としているため、ROMなどの不揮発性メモリや、SRAM(Static RAM)、FeRAM(強誘電体メモリ)などの消費電力の少ない揮発性メモリを利用することが望ましい。
【0070】
なお、図5および図6を参照すると、リーダ/ライタ12および非接触IC52は、アンテナ部、無線処理部、制御部、および記憶部を備える類似の構成となっている。すなわち、リーダ/ライタ12は、非接触ICとして機能することもできる。この場合、リーダ/ライタ12が、非接触ICに関する情報を記憶部に記憶しておき、外部のリーダ/ライタが、上記非接触ICに関する情報にアクセスすることが可能である。
【0071】
次に、本実施形態における制御部31および記憶部27の構成を図1および図7に基づいて説明する。図1は、制御部31および記憶部27の概略構成を示している。図示のように、制御部31は、非接触IC情報登録部(登録手段)60、ロック制御部(ロック手段)61、およびロック解除部(認証手段、ロック解除手段)62を備える構成である。また、記憶部27は、ロック関連レコード70を記憶している。
【0072】
非接触IC情報登録部60は、リーダ/ライタ12を制御して、外部の非接触ICカード50から、該非接触ICカード50に記憶された識別情報を取得し、取得した識別情報を記憶部27のロック関連レコード70に記憶することにより、非接触ICカード50の識別情報の登録を行うものである。なお、上記登録は、複数の非接触ICカード50に対して行うこともできる。
【0073】
本実施形態では、上記識別情報としては、非接触ICカード50ごとに一意に割り当てられたID番号を使用している。しかしながら、ID番号以外にも、例えば、製造メーカの番号と製造年月日との組合せなど、非接触ICカード50の記憶部に固定された情報であって、非接触ICカード50を識別できるものであれば、任意の情報を利用できる。
【0074】
ロック制御部61は、携帯電話機1における各種のロックを行うように制御するものである。ロックを行う対象としては、様々なものが考えられ、例えば、キー操作、電話帳へのアクセス、送信または受信した電子メールへのアクセス、カメラ付き携帯電話機における撮影画像へのアクセス、リーダ/ライタ12にて非接触IC用の電子マネーを利用している場合におけるリーダ/ライタ12の記憶部42へのアクセスなどが挙げられる。ロック制御部61は、上記対象ごとにロックを行ってもよいし、上記対象の全てに一括してロックを行ってもよい。
【0075】
ロック解除部62は、操作部26にてロック解除の操作が行われたときに、認証を行った上で、ロック制御部61にロック解除を指示するものである。本実施形態では、上記認証は、リーダ/ライタ12を制御して非接触ICカード50から識別情報を読み出し、読み出した識別情報が、記憶部27のロック関連レコード70に記憶されている識別情報と一致するか否かを判断することにより行われる。
【0076】
なお、非接触ICカード50を紛失した場合などに備えて、ロック解除部62は、暗証番号で上記認証が可能であることが望ましい。この場合、暗証番号に関する上述の問題点や、本実施形態における暗証番号による認証が、ロック解除の最後の手段であることに鑑みて、暗証番号は、10桁以上の長い桁数であることが望ましい。このような桁数の長い暗証番号は、ユーザが記憶し続けることが困難であるから、携帯電話機1と共に持ち運ぶことが少ない携帯電話機1の取扱説明書などに記載または貼付されればよい。
【0077】
なお、複数の非接触ICカード50における識別情報が、記憶部27のロック関連レコード70に記憶されている場合、種々の認証条件が考えられる。このため、ユーザによって何れかの認証条件が設定されることが望ましい。
【0078】
上記認証条件の一例としては、非接触ICカード50から読み出した識別情報が、ロック関連レコード70に記憶されている複数の識別情報の何れか1つと一致するか否かを判断することが挙げられる。この場合、登録された全ての非接触ICカード50を携帯電話機1と共に持ち運ぶ必要が無いので、ユーザの利便性が向上する。
【0079】
また、上記認証条件の別の例としては、複数の非接触ICカード50から読み出した複数の識別情報が、ロック関連レコード70に記憶されている複数の識別情報の全てと一致するか否かを判断することが挙げられる。この場合、登録された全ての非接触ICカード50を照合する必要があるので、セキュリティを向上させることができる。
【0080】
さらに、複数の識別情報の読出し順序が、複数の識別情報の記憶順序と一致するか否かを判断することを上記認証条件に追加することもできる。この場合、登録された全ての非接触ICを順番通りに照合する必要があるので、セキュリティをさらに向上させることができる。
【0081】
また、上記認証条件の他の例としては、複数の非接触ICカード50から読み出した複数の識別情報が、ロック関連レコード70に記憶されている複数の識別情報の一部と一致するか否かを判断することや、さらに、複数の識別情報の読出し順序が、複数の識別情報の記憶順序の一部と一致するか否かを判断することが挙げられる。
【0082】
上記の構成によると、非接触IC情報登録部60が、非接触ICカード50に記憶されているID番号を受け取って記憶部27のロック関連レコード70に記憶させることにより上記ID番号を登録している。そして、ロック制御部61により携帯電話機1がロック状態となっているときに、ユーザが操作部26を操作してロック解除の指示を行うと、ロック解除部62は、非接触ICカード50に記憶されているID番号と、ロック関連レコード70に記憶されたID番号とを照合することにより認証を行い、認証に成功した場合には、ロック解除を行う。したがって、本実施形態の携帯電話機1は、認証に利用する非接触ICのID番号を登録できるので、既存の非接触ICを利用でき、非接触ICを新たに作成する必要はない。したがって、ユーザ、製造業者、サービス提供業者などに対して、非接触ICを新たに作成する手間および負担をかけることなく、非接触ICを用いた確実な認証を行うことができる。
【0083】
次に、上記記憶部27におけるロック関連レコード70の詳細な構成と、上記制御部31における処理動作とを図7〜図10に基づいて説明する。図7は、記憶部27のロック関連レコード70の構成を示している。図示のように、ロック関連レコード70は、非接触ICの登録数、非接触ICの登録最大値、複数ID登録時の解除条件、暗証番号、および1または複数の非接触ICのID番号を順に含む構成である。なお、ロック関連レコード70は、携帯電話機1の電源がオフとなっても保持されるように、不揮発性メモリに記憶されることが望ましい。
【0084】
非接触ICの登録数は、登録されている非接触ICのID番号の数を示している。なお、非接触ICのID番号が未登録である場合には、非接触ICの登録数に「0」が格納される。これにより、非接触ICの登録数を参照することにより、非接触ICのID番号が未登録であるか否かを判断できる。
【0085】
非接触ICの登録最大値は、非接触ICの登録数の最大値を示している。この値は、固定であってもよいし、ユーザが設定可能であっても良い。非接触ICの登録最大値により、記憶部27に確保すべきロック関連レコード70の記憶領域を判別できる。
【0086】
複数ID登録時の解除条件は、複数の非接触ICのID番号を登録している場合のロック解除条件(認証条件)を示しており、各ロック解除条件に対応する数値が格納される。これにより、ユーザがロック解除条件を設定することができる。
【0087】
例えば、非接触ICカード50から読み出した識別情報が、ロック関連レコード70に記憶されている複数の識別情報の何れか1つと一致することを上記ロック解除条件とする場合には、複数ID登録時の解除条件に「0」が格納される。また、複数の非接触ICカード50から読み出した複数の識別情報が、ロック関連レコード70に記憶されている複数の識別情報の全てと一致することを上記ロック解除条件とする場合には、複数ID登録時の解除条件に「1」が格納される。また、複数の非接触ICカード50から読み出した複数の識別情報が、ロック関連レコード70に記憶されている複数の識別情報の全てと一致し、かつ順番も一致することを上記ロック解除条件とする場合には、複数ID登録時の解除条件に「2」が格納される。
【0088】
暗証番号は、暗証番号によるロック解錠で利用されるものである。上述のように、本実施形態では、暗証番号は、非接触ICカード50によるロック解除が不可能である場合に最後のロック解除手段として利用されるので、桁数の長い番号が格納されることになる。なお、暗証番号は、デフォルト状態で設定されていてもよいし、ユーザが設定してもよい。
【0089】
非接触ICのID番号は、非接触ICカード50から読み出したID番号である。例えば、東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)の出改札システムで使用されるICカードである「Suica(商標)」では、17桁のカードIDが利用されている。
【0090】
図8は、鍵となる非接触IC情報(非接触ICのID番号)の登録処理の流れを示している。この処理は、携帯電話機1の購入時や、ユーザが上記登録処理を実行する操作を行ったときに行われる。
【0091】
まず、暗証番号の確認および/または登録の処理を行う(ステップS10(以下「S10」と略称することがある。他のステップについても同様である。))。具体的には、非接触IC情報登録部60は、ロック関連レコード70に予め記憶されている暗証番号を読み出して、メイン表示部28に送信することにより、暗証番号をメイン画面10に表示する。また、非接触IC情報登録部60は、ユーザが操作部26を操作することにより、操作部26から新規の暗証番号を取得し、取得した暗証番号をロック関連レコード70に記憶する。
【0092】
次に、非接触IC情報登録部60は、メイン表示部28または音声出力部24を制御して、登録したい非接触ICカード50をリーダ/ライタ12の付近に配置するようにユーザに指示する表示または音声を出力する。次に、非接触IC情報登録部60は、リーダ/ライタ12を制御して、非接触ICカード50から、ロック解除の鍵となる非接触ICのID番号を読み取る(S11)。
【0093】
次に、非接触IC情報登録部60は、読み取った非接触ICのID番号をロック関連レコード70に記憶して登録するともに、ロック関連レコード70における非接触ICの登録数を+1増加する(S12)。次に、非接触IC情報登録部60は、増加した非接触ICの登録数が、ロック関連レコード70における非接触ICの登録最大数と一致するか否かを判断する(S13)。一致する場合には(S13にてYES)、非接触ICのID番号をこれ以上登録できないので、非接触IC情報の登録処理を終了する。一方、一致しない場合には(S13にてNO)、次のステップS14に進む。
【0094】
次に、非接触IC情報登録部60は、メイン表示部28または音声出力部24を制御して、ユーザに次の登録を行うか否かを問い合せる(S14)。ユーザが操作部26を操作して、次の登録を行わない場合には(S14にてNO)、非接触IC情報の登録処理を終了する。一方、次の登録を行う場合には(S14にてYES)、次のステップS15に進。
【0095】
次に、非接触IC情報登録部60は、ロック関連レコード70における非接触ICの登録数を参照して、次の登録が2番目の登録であるか否かを判断する(S15)。これは、上述のように、複数の非接触ICのID番号が登録されている場合には、種々のロック解除条件が選択可能であるからである。2番目の登録ではない場合には(S15にてNO)、ステップS11に戻って上記動作を繰り返す。一方、2番目の登録である場合には(S15にてYES)、次にステップS16に進む。
【0096】
次に、非接触IC情報登録部60は、メイン表示部28または音声出力部24を制御して、ユーザに対し、ロック解除条件を、「非接触ICカード50から読み出した識別情報が、ロック関連レコード70に記憶されている複数の識別情報の何れか1つと一致すること」、「複数の非接触ICカード50から読み出した複数の識別情報が、ロック関連レコード70に記憶されている複数の識別情報の全てと一致すること」、および、「複数の非接触ICカード50から読み出した複数の識別情報が、ロック関連レコード70に記憶されている複数の識別情報の全てと一致し、かつ順番も一致すること」の中から選択するように指示する(S16)。そして、ユーザが操作部26を操作して選択したロック解除条件に対応する番号を、ロック関連レコード70における複数ID登録時の解除条件に記憶する。その後、上記ステップS11に戻り、ユーザが所望する回数だけ、非接触ICのID番号の登録を繰り返す。
【0097】
図9は、ロック処理の流れを示している。図示のように、まず、ユーザが操作部26を操作して、ロックの実行を携帯電話機1に指示する(S20)。このとき、ロック制御部61は、ロック関連レコード70を参照して、非接触ICの登録数が0以外であるか否か、すなわち、非接触ICのID番号が登録されているか否かを判断する(S21)。
【0098】
上記登録数が0以外である、すなわち非接触ICのID番号が既に登録されている場合には(S21でYES)、ステップS22に進む。一方、上記登録数が0である、すなわち非接触ICのID番号が未登録である場合には(S21でNO)、非接触IC情報登録部60に対し、非接触IC情報の登録処理(図8のS10〜S16)を実行するように指示する。その後、ステップS22に進む。
【0099】
次に、装置(携帯電話機1)の動作モードをロック状態とし(S22)、その後、上記ロック処理を終了する。このとき、上述のように、携帯電話機1における種々の機能を個別にまたは一括してロック状態とすることができる。
【0100】
図10は、ロック解除処理の流れを示している。図示のように、まず、ユーザが操作部26を操作して、ロック解除の実行を携帯電話機1に指示すると、ロック解除部62は、メイン表示部28を制御して、メイン画面10にロック解除メニューを表示する(S30)。このロック解除メニューには、暗証番号による認証と、非接触ICのID番号による認証との何れを利用するかを選択させる画像を含んでいる。
【0101】
次に、ロック解除部62は、ユーザが操作部26を操作することにより、暗証番号による認証と、非接触ICのID番号による認証との何れを選択したかを判断する(S31)。暗証番号による認証を選択した場合には、ロック解除部62は、メイン表示部28または音声出力部24を制御して、表示画面または音声により、ユーザに暗証番号の入力を要求する。ユーザが操作部26を操作して、暗証番号が入力されると(S32)、ロック解除部62は、入力された暗証番号が、ロック関連レコード70に記憶している暗証番号と一致するか否かを判断する(S33)。
【0102】
暗証番号が一致した場合には(S33にてYES)、ロック解除部62は、ロック制御部61に指示して、装置のロック解除を行う(S40)。その後、ロックの解除処理を終了する。
【0103】
一方、暗証番号が一致しない場合には(S33にてNO)、ロック解除部62は、メイン表示部28を制御して、ロック解除に失敗した旨をメイン画面10に表示する(S34)。その後、ステップS32に戻って、暗証番号による認証処理を繰り返す。
【0104】
一方、ステップS31にて非接触ICのID番号による認証を選択した場合には、ロック解除部62は、メイン表示部28または音声出力部24を制御して、ロック解除の鍵となる非接触ICカード50をリーダ/ライタ12の付近に配置するようにユーザに指示する。次に、ロック解除部62は、リーダ/ライタ12を制御して、非接触ICカード50から、非接触ICのID番号を読み取る(S35)。
【0105】
次に、読み取った非接触ICのID番号を用いて、上記ステップS16にて選択された解除条件に一致するか否かを判断する(S36)。解除条件に一致した場合には(S36にてYES)、ロック解除部62は、ロック制御部61に指示して、装置のロック解除を行う(S40)。その後、ロックの解除処理を終了する。
【0106】
一方、解除条件に一致しない場合には(S36にてNO)、ロック関連レコード70に記憶された非接触ICの登録数だけ、非接触ICのID番号の読取りが完了したか否かを判断する(S37)。この判断処理は、登録した非接触ICのID番号を複数個利用して認証を行う場合のためのものである。上記読取りが未完了である場合には(S37にてNO)、未だ読み込むべき非接触ICのID番号が存在すると判断して、ステップS35に戻る。
【0107】
一方、上記読取りが完了している場合には(S37にてYES)、ロック解除部62は、メイン表示部28を制御して、ロック解除に失敗した旨をメイン画面10に表示する(S38)。次に、ステップS30と同様に、ロック解除メニューをメイン画面10に表示し(S39)、その後、ステップS31に戻る。これは、非接触ICのID番号による認証に失敗した場合、ユーザが暗証番号による認証に切り替えることを所望する可能性があるからである。
【0108】
なお、ステップS33にて暗証番号の不一致が所定回数繰り返された場合や、ステップS36にて解除条件の不一致が所定回数繰り返された場合には、正規のユーザが操作を行っているのではないと判断して、ロック解除を所定期間不能としたり、ユーザによるロック解除を不能として、サービスセンタにてロック解除を可能としたりすることが望ましい。
【0109】
〔実施の形態2〕
次に、本発明の別の実施形態について、図11〜図16に基づいて説明する。本実施形態の携帯電話機1は、図1〜図10に示される携帯電話機1に比べて、制御部の構成と、記憶部に記憶するデータとが異なり、その他の構成は同様である。なお、上記実施形態で説明した構成および処理と同様の機能を有する構成および処理には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0110】
本実施形態の携帯電話機1は、所定周期の間に認証を行わなかった場合に、自動的にロックを行うものである。これにより、ユーザがロック操作を行うことなく、携帯電話機1を紛失したり、盗まれたりしたときでも、第三者が携帯電話機1の所定機能を利用できないようにするため、自動的にロックを行うことができる。
【0111】
図11は、本実施形態の携帯電話機1における制御部31および記憶部27の概略構成を示している。本実施形態の制御部31は、図1に示される制御部31に比べて、自動ロック周期登録部63、自動ロック設定部64、自動ロックチェック部(自動ロック手段)65、および自動ロック延期部66を新たに追加している点が異なり、その他の構成は同様である。また、本実施形態では、新たに追加された自動ロック設定部64および自動ロックチェック部65が、カレンダクロック32を利用している。また、本実施形態の記憶部27は、図1に示される記憶部27に比べて、自動ロック関連レコード71を新たに追加している点が異なり、その他の構成は同様である。
【0112】
カレンダクロック32は、現在の日時を表すものであり、携帯電話機1の主電源をオフにしても、専用の電池で稼働し続けるものである。カレンダクロック32の日時の設定は、ユーザが操作部26を操作することにより行ってもよいし、タイムサーバから正確な時刻情報を取得して自動的に設定してもよい。
【0113】
自動ロック周期登録部63は、自動ロックチェック部65が自動ロックのチェック処理を行う周期を、ユーザから操作部26を介して取得し、取得した周期を記憶部27の自動ロック関連レコード71に記憶することにより、上記周期の登録を行うものである。以下では、上記自動ロックのチェック処理を行う周期を「自動ロックチェック周期」と称する。
【0114】
この自動ロックチェック周期は、24時間や48時間程度であることが望ましい。上記時間よりも長いと、携帯電話機1を自由に操作できる期間が長くなり、セキュリティに悪影響を及ぼすことになる。一方、上記時間よりも短いと、非接触ICのID番号による認証処理の頻度が増加するので、ユーザにとって煩雑となる。
【0115】
自動ロック設定部64は、ユーザが操作部26を操作して自動ロックの開始を指示すると、現在の日時を自動ロック関連レコード71に最新のチェック日時として記憶するものである。これにより、現在の日時から自動ロックチェック周期を経過した後に、自動ロックチェック部65が自動ロックのチェック処理を開始することになる。なお、自動ロックの開始が指示されたときに、自動ロック設定部64は、非接触ICのID番号による認証処理を行ってもよい。
【0116】
自動ロックチェック部65は、自動ロック関連レコード71から、自動ロックチェック周期および最新のチェック日時を読み出し、最新のチェック日時から自動ロックチェック周期を経過すると、下記の自動ロックのチェック処理を実行するものである。
【0117】
すなわち、自動ロックチェック部65は、非接触ICカード50の読取りメニューをメイン画面10に表示し、読取り操作が行われる場合には、ロック解除部62における非接触ICのID番号による認証処理と同様の認証処理を行う。認証に成功した場合にはロックを行わず、最新のチェック日時を現在の日時に更新する。これにより、自動ロックチェック部65は、次の自動ロックチェック周期が経過するまで待機することになる。一方、認証に失敗した場合や、読取り操作以外の操作が行われた場合には、自動ロックチェック部65は、ロックを行うようにロック制御部61に指示する。なお、ロックが行われた場合のロック解除は、ロック解除部62が実行する。
【0118】
自動ロック延期部66は、自動ロックのチェック処理が始まる前に、自動ロックチェック部65における認証処理と同様の認証処理を行い、認証に成功した場合に、最新のチェック日時を現在の日時に更新するものである。これにより、自動ロックのチェック処理を開始する時刻を延期することができる。
【0119】
次に、上記記憶部27における自動ロック関連レコード71の詳細な構成と、上記制御部31における自動ロックに関する処理動作とを図12〜図16に基づいて説明する。
【0120】
図12は、記憶部27の自動ロック関連レコード71の構成を示している。図示のように、自動ロック関連レコード71は、自動ロックチェック周期と、最新のチェック日時とを含む構成である。なお、自動ロック関連レコード71は、ロック関連レコード70と同様に、不揮発性メモリに記憶されることが望ましい。
【0121】
自動ロックチェック周期は、上述のように、自動ロックチェック部65が自動ロックのチェック処理を行う周期を示しており、分単位の数値で記憶されている。なお、自動ロックチェック周期が未登録である場合には、自動ロックチェック周期に「0」が格納される。
【0122】
最新のチェック日時は、上述のように、自動ロック設定部64による自動ロックの開始日時、または、非接触ICのID番号による認証処理を行った最新の日時を示しており、分単位の数値で記憶されている。なお、最新のチェック日時が未登録である場合には、最新のチェック日時に「0」が格納される。また、一般のコンピュータ上では、日時を1970年1月1日からの経過秒数で表しているので、最新のチェック日時も、上記経過秒数を分単位で表すことが望ましい。
【0123】
図13は、自動ロックチェック周期の登録処理の流れを示している。図示のように、まず、ユーザが操作部26を操作して、自動ロックチェック周期登録メニューを選択する(S50)。すると、自動ロック周期登録部63は、ロック関連レコード70を参照して、非接触ICの登録数が0以外であるか否か、すなわち、非接触ICのID番号が登録されているか否かを判断する(S51)。
【0124】
上記登録数が0以外である、すなわち非接触ICのID番号が既に登録されている場合には(S51でYES)、ステップS52に進む。一方、上記登録数が0である、すなわち非接触ICのID番号が未登録である場合には(S51でNO)、非接触IC情報登録部60に対し、非接触IC情報の登録処理(図8のS10〜S16)を実行するように指示する。その後、ステップS52に進む。
【0125】
次に、自動ロック周期登録部63は、メイン表示部28または音声出力部24を制御して、自動ロックチェック周期の入力を指示する(S52)。次に、自動ロック周期登録部63は、ユーザから操作部26を介して取得した自動ロックチェック周期を自動ロック関連レコード71の所定データ領域に記憶して登録する(S53)。
【0126】
また、自動ロック関連レコード71における最新のチェック日時を0に更新する(S54)。これは、最新のチェック日時が未登録であることを明確にするためである。その後、自動ロックチェック周期の登録処理を終了する。
【0127】
図14は、自動ロックの開始処理の流れを示している。図示のように、まず、ユーザが操作部26を操作して、自動ロックの開始の設定が行われる(S60)。すると、自動ロック設定部64は、自動ロックチェック周期が設定済(登録済)であるか否か、すなわち、自動ロック関連レコード71に記憶されている自動ロックチェック周期が0以外であるか否かを判断する(S61)。
【0128】
自動ロックチェック周期が登録済である場合には(S61でYES)、ステップS62に進む。一方、自動ロックチェック周期が未登録である場合には(S61でNO)、自動ロック周期登録部63に対し、自動ロックチェック周期の登録処理(図13のS50〜S54)を実行するように指示する。その後、ステップS62に進む。
【0129】
次に、自動ロック設定部64は、現在の日時を最新のチェック日時として、自動ロック関連レコード71に記録して登録する(S62)。その後、自動ロックの開始処理を終了する。
【0130】
図15は、自動ロックのチェック処理の流れを示している。図示のように、まず、自動ロックチェック部65は、1分イベントを取得するまで待機する(S70)。この1分イベントは、携帯電話機1における時刻管理部(図示せず)から、各アプリケーションに対し1分ごとに通知するメッセージであり、各アプリケーションは、1分イベントを取得することにより、実行を開始することが多い。なお、1分イベントは、或るアプリケーションの実行に用いられることにより、他のアプリケーションに届かない場合がある。
【0131】
1分イベントを取得すると、自動ロックチェック部65は、携帯電話機1がロック状態であるか否かを判断する(S71)。この判断は、自動ロックチェック部65がロック制御部61に問い合せたり、ロック状態か否かを示すフラグが設けられていれば、該フラグを参照したりすることにより可能である。携帯電話機1が既にロック状態である場合には、改めて携帯電話機1をロック状態にする必要がないので、ステップS70に戻って上記処理動作を繰り返す。一方、携帯電話機1がロック状態ではない場合には、次のステップS72に進む。
【0132】
次に、自動ロックチェック部65は、最新のチェック日時が設定済(登録済)であるか否か、すなわち、自動ロック関連レコード71に記憶された最新のチェック日時が0以外であるか否かを判断する(S72)。最新のチェック日時が未登録である場合には、自動ロック設定部64が自動ロックの開始処理を実行していないので、ステップS70に戻って上記処理動作を繰り返す。一方、最新のチェック日時が登録済である場合には(S72でYES)、次のステップS73に進む。
【0133】
次に、自動ロックチェック部65は、カレンダクロック32から現在の日時を取得し(S73)、取得した現在の日時と、自動ロック関連レコード71に記憶された最新のチェック日時との差分を計算する(S74)。
【0134】
次に、自動ロックチェック部65は、計算した差分が、自動ロック関連レコード71に記憶された自動ロックチェック周期以上であるか否かを判断する(S75)。上記差分が上記自動ロックチェック周期未満である場合には(S75にてNO)、自動ロックの開始日時または前回のチェック日時から自動ロックチェック周期を未だ経過していないので、ステップS70に戻って上記動作を繰り返す。一方、上記差分が上記自動ロックチェック周期以上である場合には(S75にてYES)、次のステップS76に進む。
【0135】
次に、自動ロックチェック部65は、メイン表示部28を制御して、メイン画面10に非接触ICの読取りメニューを表示し(S76)、ユーザが操作部26を操作して、非接触ICカード50の読取り以外の操作が行われたか否かを判断する(S77)。これにより、ユーザが何らかの操作を行うまで待機することになり、ユーザの知らないうちにロック状態となっていた事態を回避することができる。
【0136】
非接触ICカード50の読取り以外の操作が行われた場合には(S77にてYES)、自動ロックチェック部65は、認証を行う意思が無いとみなし、ロック制御部61に指示して、携帯電話機1の動作モードをロック状態とする(S79)。その後、自動ロックのチェック処理を終了する。なお、ロック解除は、図10に示されるロックの解除処理をロック解除部62が行うことにより実行される。
【0137】
一方、非接触ICカード50の読取り操作が行われた場合には(S77にてNO)、自動ロックチェック部65は、図10に示されるステップS31〜S39と同様の認証処理を行い、認証に成功した場合には(S33にてYES、またはS36にてYES)、携帯電話機1の動作モードをロック状態とすること無く、現在の日時を最新のチェック日時として、自動ロック関連レコード71に記録して登録する(S78)。その後、ステップS70に戻って、自動ロックのチェック処理を継続する。
【0138】
なお、上記ステップS76〜S78を省略して、上記差分が上記自動ロックチェック周期以上である場合(S75にてYES)、すなわち、自動ロックの開始日時または前回のチェック日時から自動ロックチェック周期を経過した場合には、必ず携帯電話機1の動作モードをロック状態としてもよい(S79)。
【0139】
図16は、自動ロックの延期処理を示している。図示のように、まず、自動ロック延期部66は、メイン表示部28を制御して、メイン画面10に自動ロック延期用の非接触ICの読取りメニューを表示する(S80)。次に、自動ロック延期部66は、ロック関連レコード70を参照して、非接触ICの登録数が0以外であるか否かを判断する(S81)。
【0140】
上記登録数が0以外である場合には(S81にてYES)、非接触ICのID番号が既に登録されているので、次のステップS82に進む。一方、上記登録数が0である場合には(S81にてNO)、非接触ICのID番号が未登録であるので、非接触IC情報登録部60に対し、非接触IC情報の登録処理(図8のS10〜S16)を実行するように指示し、それから、自動ロック周期登録部63に対し、自動ロックチェック周期の登録処理(図13のS50〜S54)を実行するように指示する。その後、自動ロックが未だ開始されていないので、自動ロックの延期処理を終了する。
【0141】
次に、自動ロック延期部66は、自動ロックチェック周期が設定済(登録済)であるか否か、すなわち、自動ロック関連レコード71に記憶されている自動ロックチェック周期が0以外であるか否かを判断する(S82)。自動ロックチェック周期が未登録である場合には(S61でNO)、自動ロック周期登録部63に対し、自動ロックチェック周期の登録処理(図13のS50〜S54)を実行するように指示する。その後、自動ロックが未だ開始されていないので、自動ロックの延期処理を終了する。
【0142】
一方、自動ロックチェック周期が登録済である場合には(S82でYES)、自動ロック延期部66は、図10に示されるステップS31〜S39と同様の認証処理を行い、認証に成功した場合には(S33にてYES、またはS36にてYES)、携帯電話機1の動作モードをロック状態とすること無く、現在の日時を最新のチェック日時として、自動ロック関連レコード71に記録して登録する(S83)。その後、自動ロックの延期処理を終了する。
【0143】
〔実施の形態3〕
次に、本発明の他の実施形態について、図17〜図21に基づいて説明する。本実施形態の携帯電話機1は、図11〜図16に示される携帯電話機1に比べて、制御部の構成と、記憶部に記憶するデータとが異なり、その他の構成は同様である。なお、上記実施形態で説明した構成および処理と同様の機能を有する構成および処理には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0144】
本実施形態の携帯電話機1では、携帯電話機1を収容して充電する充電器80に、非接触ICカード50を設けておき、所定の時刻を経過すると、携帯電話機1が充電器80の非接触ICカード50とのアクセスを行って、非接触ICのID番号による認証を行い、アクセスできない場合、または認証に失敗した場合には、携帯電話機1を自動的にロック状態とするものである。
【0145】
このため、充電器80に設けられる非接触ICカード50は、携帯電話機1を充電器80に収容したときに、携帯電話機1のリーダ/ライタ12によってアクセス可能な位置に配置される。また、記憶部27に記憶されるロック関連レコード70は、非接触ICの登録数が1となっているか、或いは、複数ID登録時のロック解除条件が、非接触ICカード50から読み出した非接触ICのID番号がロック関連レコード70に記憶されている複数の非接触ICのID番号の何れか1つと一致する条件となっている。
【0146】
上記の構成によると、これにより、ユーザがロック操作を行うことなく、携帯電話機1を紛失したり、盗まれたりしたときでも、第三者が携帯電話機1の所定機能を利用できないようにするため、所定時刻経過後に自動的にロックを行うことができる。
【0147】
ところで、携帯電話機1の場合、深夜など携帯電話機1を利用しないときには、充電器80に載置して、充電などを行う。したがって、充電器80に非接触ICカード50を設け、所定時刻に非接触ICカード50による認証ができなかった場合に自動的にロックすることができる。通常、ユーザは、携帯電話機1を収容するクレードル型の充電器80を持ち歩かないので、携帯電話機1を持ち歩いている最中に、他の非接触ICカード50と共に紛失または盗難に遭った場合でも、確実にロックすることができる。
【0148】
図17は、本実施形態の携帯電話機1における制御部31および記憶部27と、充電器80(携帯型電子機器収容器)との概略構成を示している。本実施形態の制御部31は、図11に示される制御部31に比べて、自動ロック周期登録部63に代えて自動ロック時刻登録部67が設けられ、自動ロック延期部66が省略されている。また、本実施形態の制御部31における自動ロック設定部68および自動ロックチェック部(自動ロック手段)69は、図11に示される自動ロック設定部64および自動ロックチェック部65と比べて、機能が同様であるが、処理動作が異なっている。また、本実施形態の記憶部27に記憶される自動ロック関連レコード72は、図11に示される自動ロック関連レコード71に比べて、構成が異なっている。なお、制御部31および記憶部27におけるその他の構成は同様である。
【0149】
自動ロック時刻登録部67は、自動ロックチェック部69が自動ロックのチェック処理を行う時刻を、ユーザから操作部26を介して取得し、取得した時刻を記憶部27の自動ロック関連レコード72に記憶することにより、上記時刻の登録を行うものである。以下では、上記自動ロックのチェック処理を行う時刻を「自動ロックチェック時刻」と称する。なお、この自動ロックチェック時刻は、例えば深夜など、ユーザが携帯電話機1を充電器80に配置する時間帯の中から設定されることが望ましい。
【0150】
自動ロック設定部68は、ユーザが操作部26を操作して自動ロックの開始を指示すると、現時点以前であって、時刻が自動ロックチェック時刻である最新の日時(以下、「現時点以前の最新の自動ロックチェック日時」と称する。)を、自動ロック関連レコード72に最新のチェック日時として記憶するものである。例えば、自動ロックチェック時刻が3時であり、10月1日20時にユーザが自動ロックの開始を指示した場合、現時点以前の最新の自動ロックチェック日時は10月1日3時となり、この日時を最新のチェック日時として自動ロック関連レコード72に記憶することになる。
【0151】
これにより、現時点以後の自動ロックチェック時刻を経過した後に、自動ロックチェック部69が自動ロックのチェック処理を開始することになる。なお、自動ロックの開始が指示されたときに、自動ロック設定部68は、非接触ICのID番号による認証処理を行ってもよい。
【0152】
自動ロックチェック部69は、自動ロック関連レコード72から、自動ロックチェック時刻および最新のチェック日時を読み出し、最新のチェック日時から24時間を経過すると、リーダ/ライタ12を制御して、非接触ICカード50へのアクセスを行って、非接触ICのID番号による認証処理を行う。認証に成功した場合には、ロックを行わず最新のチェック日時を、現時点以前の最新の自動ロックチェック日時に更新する。これにより、自動ロックチェック部69は、次の自動ロックチェック時刻が経過するまで待機することになる。一方、非接触ICカード50へのアクセスが不能であった場合や、認証に失敗した場合には、自動ロックチェック部69は、ロックを行うようにロック制御部61に指示する。なお、ロックが行われた場合のロック解除は、ロック解除部62が実行する。
【0153】
次に、上記記憶部27における自動ロック関連レコード72の詳細な構成と、上記制御部31における自動ロックに関する処理動作とを図18〜図21に基づいて説明する。
【0154】
図18は、記憶部27の自動ロック関連レコード72の構成を示している。図示のように、自動ロック関連レコード72は、自動ロックチェック時刻、自動ロックチェック時刻が登録済か否かを示すチェック時刻登録フラグ、自動ロックのチェック機能が有効か否かを示すチェック有効フラグ、および最新のチェック日時を含む構成である。なお、自動ロック関連レコード72は、ロック関連レコード70と同様に、不揮発性メモリに記憶されることが望ましい。
【0155】
自動ロックチェック時刻は、上述のように、自動ロックチェック部69が自動ロックのチェック処理を行う時刻を示しており、分単位の数値で記憶されている。また、最新のチェック日時は、上述のように、自動ロック設定部68による自動ロックの開始日時以前の最新の自動ロックチェック日時、または、非接触ICのID番号による認証処理を行った日時以前の最新の自動ロックチェック日時を示しており、分単位の数値で記憶されている。なお、最新のチェック日時が未登録である場合には、最新のチェック日時に「0」が格納される。また、一般のコンピュータ上では、日時を1970年1月1日からの経過秒数で表しているので、最新のチェック日時も、上記経過秒数を分単位で表すことが望ましい。
【0156】
図19は、自動ロックチェック時刻の登録処理の流れを示している。図示のように、まず、ユーザが操作部26を操作して、自動ロックチェック時刻登録メニューを選択する(S90)。すると、自動ロック時刻登録部67は、ロック関連レコード70を参照して、非接触ICの登録数が0以外であるか否か、すなわち、非接触ICのID番号が登録されているか否かを判断する(S91)。
【0157】
上記登録数が0以外である、すなわち非接触ICのID番号が既に登録されている場合には(S91でYES)、ステップS92に進む。一方、上記登録数が0である、すなわち非接触ICのID番号が未登録である場合には(S91でNO)、非接触IC情報登録部60に対し、非接触IC情報の登録処理(図8のS10〜S16)を実行するように指示する。その後、ステップS92に進む。
【0158】
次に、自動ロック時刻登録部67は、メイン表示部28または音声出力部24を制御して、自動ロックチェック時刻の入力を指示する(S92)。次に、自動ロック時刻登録部67は、ユーザから操作部26を介して取得した自動ロックチェック時刻を自動ロック関連レコード72の所定データ領域に記憶して登録する(S93)。
【0159】
また、自動ロック時刻登録部67は、自動ロック関連レコード72におけるチェック時刻登録フラグをオン(登録済)に設定し、チェック有効フラグをオフ(無効)に設定する(S94)。その後、自動ロックチェック時刻の登録処理を終了する。
【0160】
図20は、自動ロックの開始処理の流れを示している。図示のように、まず、ユーザが操作部26を操作して、自動ロックの開始の設定が行われる(S100)。すると、自動ロック設定部68は、自動ロック関連レコード72のチェック時刻登録フラグを参照して、自動ロックチェック時刻が設定済(登録済)であるか否かを判断する(S101)。
【0161】
自動ロックチェック時刻が登録済である場合には(S101でYES)、ステップS102に進む。一方、自動ロックチェック時刻が未登録である場合には(S101でNO)、自動ロック時刻登録部67に対し、自動ロックチェック時刻の登録処理(図19のS90〜S94)を実行するように指示する。その後、ステップS102に進む。
【0162】
次に、自動ロック設定部68は、最新のチェック日時を、現時点(自動ロックの開始日時)以前の最新の自動ロックチェック日時に設定し、自動ロック関連レコード72に記録する(S102)。また、自動ロック関連レコード72におけるチェック有効フラグをオン(有効)に設定する(S103)。その後、自動ロックの開始処理を終了する。
【0163】
図21は、自動ロックのチェック処理の流れを示している。図示のように、まず、自動ロックチェック部69は、1分イベントを取得するまで待機する(S110)。1分イベントを取得すると、自動ロックチェック部69は、携帯電話機1がロック状態であるか否かを判断する(S111)。携帯電話機1が既にロック状態である場合には、改めて携帯電話機1をロック状態にする必要がないので、ステップS110に戻って上記処理動作を繰り返す。一方、携帯電話機1がロック状態ではない場合には、次のステップS112に進む。
【0164】
次に、自動ロックチェック部69は、カレンダクロック32から現在の日時を取得し(S112)、取得した現在の時刻が、自動ロック関連レコード72に設定された自動ロックチェック時刻を経過しているか否かを判断する(S113)。経過していない場合には(S113にてNO)、ステップS110に戻って上記動作を繰り返す。一方、経過している場合には(S113にてYES)、次にステップS114に進む。
【0165】
次に、自動ロックチェック部69は、取得した現在の日時と、自動ロック関連レコード72に記憶された最新のチェック日時との差分を計算し(S114)、計算した差分が、24時間以上であるか否かを判断する(S115)。上記差分が上記自動ロックチェック周期未満である場合には(S115にてNO)、ステップS110に戻って上記動作を繰り返す。一方、上記差分が上記自動ロックチェック周期以上である場合には(S115にてYES)、次のステップS116に進む。
【0166】
次に、自動ロックチェック部69は、リーダ/ライタ12を制御して、非接触ICカード50から非接触ICのID番号を読み取り(S116)、読み取った非接触ICのID番号がロック解除条件に一致するか否かを判断する(S117)。一致する場合には(S117にてYES)、携帯電話機1の動作モードをロック状態とすること無く、最新のチェック日時を、現時点以前の最新の自動ロックチェック日時として、自動ロック関連レコード72に記録して登録する(S118)。その後、ステップS110に戻って、自動ロックのチェック処理を継続する。
【0167】
一方、一致しない場合、或いは非接触ICのID番号を読み取りできなかった場合には(S117にてNO)、自動ロックチェック部69は、ロック制御部61に指示して、携帯電話機1の動作モードをロック状態とする(S119)。その後、自動ロックのチェック処理を終了する。なお、ロック解除は、図10に示されるロックの解除処理をロック解除部62が行うことにより実行される。
【0168】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0169】
例えば、上記実施形態では、携帯電話機1に本発明を適用した場合について説明している。しかしながら、本発明はそれに留まるものではなく、非接触ICカード50の読み取り機能を有するものであれば、PHS(Personal Handy-phone System)、PDA、モバイルPC(Personal Computer)、ポータブルDVD(Digital Versatile Disk)などの任意の携帯型電子機器に適用することができる。
【0170】
また、上記実施形態では、非接触ICカード50を利用しているが、アンテナ51と非接触IC52とを備えるものであれば、例えば、非接触ICタグや、非接触ICカード機能を備えた別の携帯電話機など、任意の形状のものを利用できる。
【0171】
また、上記実施形態における無線処理部43およびアンテナ部44は、上記電磁誘導方式の代わりにマイクロ波方式で、860MHz帯〜960MHz帯、2.45GHz帯などの電波を送受するものであってもよい。この場合、非接触ICカード50のアンテナ部および無線処理部も上記マイクロ波方式に対応している必要がある。
【0172】
また、携帯電話機1の制御部31は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0173】
すなわち、携帯電話機1は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM、上記プログラムを展開するRAM、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである携帯電話機1の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記携帯電話機1に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0174】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フレキシブルディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0175】
また、携帯電話機1を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された搬送波あるいはデータ信号列の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0176】
以上のように、本発明に係る携帯型電子機器は、認証に利用する非接触ICの識別情報をユーザが登録できることにより、該識別情報を有する既存の媒体を利用できるので、例えば、非接触ICを搭載したクレジットカード、定期券、電子マネーカードなど、認証に利用可能な識別情報を有する非接触ICを搭載した任意の媒体から、識別情報を読み出す機能を有する電子機器に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0177】
【図1】本発明の一実施形態である携帯電話機における制御部および記憶部の概略構成を示すブロック図である。
【図2】上記携帯電話機を閉じた状態での外観を示す斜視図である。
【図3】上記携帯電話機を開いた状態での外観を示す斜視図である。
【図4】上記携帯電話機の概略構成を示すブロック図である。
【図5】上記携帯電話機におけるリーダ/ライタの概略構成を示すブロック図である。
【図6】上記リーダ/ライタと無線通信を行う非接触ICカードの概略構成を示すブロック図である。
【図7】上記記憶部に記憶されるロック関連レコードの構成を示すメモリマップである。
【図8】上記制御部が実行する非接触IC情報の登録処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】上記制御部が実行するロック処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】上記制御部が実行するロック解除処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】本発明の別の実施形態である携帯電話機における制御部および記憶部の概略構成を示すブロック図である。
【図12】上記記憶部に記憶される自動ロック関連レコードの構成を示すメモリマップである。
【図13】上記制御部が実行する自動ロックチェック周期の登録処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】上記制御部が実行する自動ロックの開始処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】上記制御部が実行する自動ロックのチェック処理の流れを示すフローチャートである。
【図16】上記制御部が実行する自動ロックの延期処理の流れを示すフローチャートである。
【図17】本発明の他の実施形態である携帯電話機における制御部および記憶部の概略構成を示すブロック図である。
【図18】上記記憶部に記憶される自動ロック関連レコードの構成を示すメモリマップである。
【図19】上記制御部が実行する自動ロックチェック時刻の登録処理の流れを示すフローチャートである。
【図20】上記制御部が実行する自動ロックの開始処理の流れを示すフローチャートである。
【図21】上記制御部が実行する自動ロックのチェック処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0178】
1 携帯電話機(携帯型電子機器)
12 リーダ/ライタ(非接触IC用リーダ)
26 操作部(入力手段)
27 記憶部(記憶手段)
50 非接触ICカード(非接触IC)
60 非接触IC情報登録部(登録手段)
61 ロック制御部(ロック手段)
62 ロック解除部(認証手段、ロック解除手段)
65・69 自動ロックチェック部(自動ロック手段)
80 充電器(携帯型電子機器収容器)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非接触IC用リーダを備える携帯型電子機器であって、
情報を記憶する記憶手段と、
外部の非接触ICに記憶されている識別情報を上記非接触IC用リーダを介して受け取り、受け取った識別情報を上記記憶手段に記憶させることにより、上記識別情報を登録する登録手段と、
外部の非接触ICに記憶されている識別情報を上記非接触IC用リーダを介して受け取り、受け取った識別情報と、上記登録手段が登録した識別情報とを照合することにより、非接触ICの識別情報による認証を行う認証手段とを備えることを特徴とする携帯型電子機器。
【請求項2】
上記識別情報は、上記非接触ICごとに一意に割り当てられたID番号であることを特徴とする請求項1に記載の携帯型電子機器。
【請求項3】
上記登録手段は、複数の上記非接触ICに記憶されている識別情報を上記記憶手段に記憶させることにより、複数の上記識別情報を登録することを特徴とする請求項1に記載の携帯型電子機器。
【請求項4】
上記認証手段は、上記受け取った識別情報が、上記登録手段が登録した複数の識別情報の何れかと一致するか否かを調べることにより、上記認証を行うことを特徴とする請求項3に記載の携帯型電子機器。
【請求項5】
上記認証手段は、複数の上記非接触ICに記憶されている識別情報を上記非接触IC用リーダを介して受け取り、受け取った複数の識別情報が、上記登録手段が登録した複数の識別情報とそれぞれ一致するか否かを調べることにより、上記認証を行うことを特徴とする請求項3に記載の携帯型電子機器。
【請求項6】
上記認証手段は、複数の上記非接触ICに記憶されている識別情報を上記非接触IC用リーダを介して受け取り、受け取った複数の識別情報が、上記登録手段が登録した複数の識別情報とそれぞれ一致し、かつ、受け取った複数の識別情報の順番が、登録した複数の識別情報の順番と一致するか否かを調べることにより、上記認証を行うことを特徴とする請求項3に記載の携帯型電子機器。
【請求項7】
ユーザからの情報の入力を受け付ける入力手段をさらに備えており、
上記記憶手段は、暗証番号を記憶しており、
上記認証手段は、
上記非接触ICの識別情報による認証を行う非接触IC認証手段と、
ユーザから上記入力手段を介して暗証番号を受け取り、受け取った暗証番号と、上記記憶手段が記憶する暗証番号とを照合することにより、暗証番号による認証を行う暗証番号認証手段と、
上記非接触IC認証手段と上記暗証番号認証手段とを切り替える認証切替手段とを備えることを特徴とする請求項1に記載の携帯型電子機器。
【請求項8】
自機器に対しロックを行うロック手段と、
上記認証手段が認証した場合に、上記ロックを解除するロック解除手段とをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の携帯型電子機器。
【請求項9】
上記ロック手段は、上記認証手段が所定期間に認証を行わなかった場合、自機器に対し自動的にロックを行う自動ロック手段を備えることを特徴とする請求項8に記載の携帯型電子機器。
【請求項10】
上記自動ロック手段は、上記認証手段が所定期間に認証を行わなかった場合、上記認証手段が認証を行い、認証した場合以外の場合に自動的にロックを行うことを特徴とする請求項9に記載の携帯型電子機器。
【請求項11】
上記ロック手段は、所定時刻に上記認証手段に認証を行わせて認証できなかった場合、自機器に対し自動的にロックを行う自動ロック手段を備えることを特徴とする請求項8に記載の携帯型電子機器。
【請求項12】
携帯電話機であることを特徴とする請求項1に記載の携帯型電子機器。
【請求項13】
非接触IC用リーダを備える携帯型電子機器を収容する収容器であって、
上記携帯型電子機器を収容したときに上記非接触IC用リーダと通信可能な位置に、識別情報を有する非接触ICが設けられていることを特徴とする携帯型電子機器用収容器。
【請求項14】
請求項11に記載の携帯型電子機器と、請求項13に記載の収容器とを備えた通信システム。
【請求項15】
非接触IC用リーダを備える携帯型電子機器の認証方法であって、
外部の非接触ICに記憶されている識別情報を、上記非接触IC用リーダを介して受け取って登録する登録ステップと、
外部の非接触ICに記憶されている識別情報を上記非接触IC用リーダを介して受け取り、受け取った識別情報と、上記登録ステップにて登録された識別情報とを照合することにより、非接触ICの識別情報による認証を行う認証ステップとを含むことを特徴とする携帯型電子機器の認証方法。
【請求項16】
請求項1ないし12の何れか1項に記載の携帯型電子機器を動作させるための制御プログラムであって、コンピュータを上記登録手段および上記認証手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項17】
請求項16に記載の制御プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2006−113719(P2006−113719A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−298754(P2004−298754)
【出願日】平成16年10月13日(2004.10.13)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】