説明

携帯型電子機器および消費電力制御方法

【課題】充電しながら運用しても、ユーザが気づかぬうちに、バッテリ電力が減ることを防止できる携帯型電子機器および消費電力制御方法を提供する。
【解決手段】携帯型電子機器において、二次電池を充電する充電手段と、二次電池から消費される消費電流を検出する消費電流検出手段と、二次電池を充電する充電電流を検出する充電電流検出手段と、充電電流が前記消費電流よりも予め設定した値以上大きくない場合に、この状態をユーザに報知する報知手段とを具備するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば携帯電話機や携帯型パーソナルコンピュータなどの携帯型電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、携帯電話機やノート型パーソナルコンピュータなどの携帯型電子機器においては、充電式のバッテリを駆動電力として用いている。また、充電しながらその運用が可能なものもある。
また近時、携帯型電子機器は、動画像の再生や、地上ディジタル放送の受信などの機能を備えるようになった。これらの機能は、プロセッサに高い負荷を与えるため、その消費電力も大きい。
【0003】
このため、消費電力が充電能力を上回ると、充電を行っているにもかかわらず、ユーザが認識できないうちに、バッテリに蓄積される電力が減っていたり、最悪な場合には、枯渇してしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−095157号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の携帯型電子機器では、充電しながら運用すると、ユーザが気づかぬうちに、バッテリ電力が減ってしまうという問題があった。
課題は、上記の問題を解決すべくなされたもので、充電しながら運用しても、ユーザが気づかぬうちに、バッテリ電力が減ることを防止できる携帯型電子機器および消費電力制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、二次電池を充電する充電手段と、二次電池から消費される消費電流を検出する消費電流検出手段と、二次電池を充電する充電電流を検出する充電電流検出手段と、充電電流が前記消費電流よりも予め設定した値以上大きくない場合に、この状態をユーザに報知する報知手段を具備して構成するようにした。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施形態に係わる携帯型電子機器の構成を示す回路ブロック図。
【図2】図1に示した携帯型電子機器の消費電力テーブルの一例を示す図。
【図3】図1に示した携帯型電子機器の消費電力制御を説明するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。
図1は、実施形態に係わる携帯型電子機器の構成を示すブロック図である。以下の説明では、携帯型電子機器の一例として、多機能型の携帯電話機、いわゆるスマートフォンを例に挙げて説明する。
【0009】
図1に示すように、上記携帯型電子機器は、主な構成要素として、制御部100と、無線通信部10と、表示入力部20と、操作部21と、モーションセンサ部22と、通話部30と、電源部40と、記憶部50と、放送受信部60と、GPS受信部70と、ディジタルカメラ80と、赤外線通信部90とを備える。
【0010】
主な機能としては、基地局装置BSおよび移動通信網MNを介して、音声通信を行う音声通信機能と、さらにインターネットNWを介してサーバSVとデータ通信するデータ通信機能、放送局BCから送信される地上ディジタル放送信号を受信する放送受信機能と、自己の位置を測位する測位機能、他の携帯電話機MSと赤外線通信を行う赤外線通信機能などを備えるとともに、これらを利用したアプリケーションソフトウェアを実行する機能を備える。その他、Bluetooth(登録商標)や、非接触型の近距離無線通信により、クレジット決済を行う機能や、交通機関の利用や商品購入代金の支払いを行う電子マネー機能などを備える。
【0011】
無線通信部10は、制御部100の指示にしたがって、移動通信網MNに収容された基地局装置BSと無線通信を行うものであって、これにより音声データや電子メールデータなどの送受信、Webデータやストリーミングデータなどの受信を行う。
【0012】
表示入力部20は、制御部100の制御により、画像(静止画像および動画像)や文字情報などを表示して視覚的にユーザに情報を伝達するとともに、表示した情報に対するユーザ操作を検出する、いわゆるタッチパネルであって、表示パネル20aと、操作パネル20bを備える。その他、充電状態を示すLED(Light Emitting Diode)ランプなどを備える。
【0013】
表示パネル20aは、LCD(Liquid Crystal Display)などを表示デバイスとして用いたものであり、バックライトを備え、視認性を向上させている。操作パネル20bは、表示パネル20aに表示される画像を視認可能な透明素材からなり、表示パネル20aの表示面上に載置され、ユーザの指や尖筆によって操作された座標を検出するためのデバイスである。
【0014】
なお、制御部100は、操作パネル20bから通知された座標に基づき、この座標に対応する表示パネル20a上に表示しているアイコンやソフトウェアキーを検出し、これに対する操作として認識する。操作は、ワンクリック、ダブルクリック、ドラッグ、その他、多点接触によるアクションなどを検出して、ユーザが意図する命令(選択、実行、移動、表示の拡大や縮小、画面スライド(ページ送り)など)を制御部100が認識し、実行する。
【0015】
操作部21は、複数のキースイッチなどからなるユーザインタフェースであって、ユーザから指示を受け付けるものである。
モーションセンサ部22は、例えば3軸の加速度センサなどを備え、制御部100の指示にしたがって、当該携帯型電子機器の物理的な動きを検出する。これにより、当該携帯型電子機器が動く方向や速さ、加速度などが検出される。この検出結果は、制御部100に出力される。
【0016】
通話部30は、スピーカ31やマイクロホン32を備え、マイクロホン32を通じて入力されたユーザの音声を制御部100にて処理可能な音声データに変換して制御部100に出力したり、無線通信部10を介して通話相手などから受信した音声データを復号してスピーカ31から出力するものである。
【0017】
電源部40は、着脱自在なバッテリ41に蓄えられる電力を、制御部100の指示にしたがって、当該携帯型電子機器の各部に供給するものである。また電源部40は、充電回路40aを備える。充電回路40aは、外部から接続される充電器200から供給される電力で、バッテリ41を充電するものであって、バッテリ41の温度を検出および監視し、バッテリ41の充電を行う。
【0018】
なお、充電回路40aは、充電器200から供給される電力または電流値(以下、供給電力と称する)、各部へ供給している電力または電流値(以下、消費電力と称する)およびバッテリ41の電圧値を検出し、これらの情報を制御部100に通知する。具体的には、電流積算ICを備えて、これにより、供給される電流および消費される電流の各値を整流して単位時間あたりの平均電流値をそれぞれ検出する。
【0019】
またバッテリ41は、リチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、SCiB(Super Charge ion Battery)など、種々の二次電池が適用可能である。
【0020】
記憶部50は、制御部100の制御プログラムや制御データ(動作設定のパラメータなど)、アプリケーションソフトウェア、通信相手の名称や電話番号などを対応づけたアドレスデータ、送受信した電子メールのデータ、WebブラウジングによりダウンロードしたWebデータや、ドキュメントや画像データなどのデータファイル、ダウンロードしたコンテンツデータを記憶し、またストリーミングデータなどを一時的に記憶するものである。記憶部50は、RAMやROMなどの半導体メモリや、HDD(Hard Disk Drive)やNAND型フラッシュメモリなどを適宜用いて実現できる。
【0021】
記憶部50は、消費電力テーブル50aを記憶する。
消費電力テーブル50aは、例えば図2に示すように、無線通信部10、GPS受信部70、ディジタルカメラ80などのデバイスごとの消費電力や、地上ディジタル放送を視聴するアプリケーションソフトウェア毎の消費電力(平均値および最大値)記憶するデータテーブルである。
【0022】
放送受信部60は、放送局BCから送信される地上ディジタル放送信号のうち、ワンセグメントを受信し、映像信号が例えばH.264などの形式で符号化された放送データ(符号化ストリーム)を得る。なお、ここでは、放送受信部60は、低フレームレートのワンセグメントを受信する場合を例に挙げるが、これに限らず、より高いフレームレートのフルセグメントを受信するディジタルチューナであってもよい。また放送局BCは、広域に対して放送を行う通常の放送局でもよいし、大型店舗や公共施設などの特定の地域を受信エリアとするエリア限定の放送局であってもよい。
【0023】
GPS受信部70は、GPS衛星ST1〜STnから送信されるGPS(Global Positioning System)信号を受信して、位置(緯度、経度、高度)を測位するものであって、この測位によって得た位置情報(緯度、経度、高度)を制御部100に出力する。
【0024】
ディジタルカメラ80は、CCD(Charge-Coupled Device)あるいはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子を用いて撮像を行うディジタルカメラであって、制御部100によって制御され、撮像によって得た画像データを制御部100に出力する。
【0025】
赤外線通信部90は、赤外線通信機能を有する対向機器(例えば、他の携帯電話機MS)と赤外線通信を行うものであって、制御部100によって動作設定がなされ、制御部100から与えられる送信データを赤外線光で送信したり、対向機器から赤外線光で送信されるデータを受信し、これを受信データとして制御部100に出力する。
【0026】
制御部100は、マイクロプロセッサを備え、記憶部50が記憶する制御プログラムや制御データにしたがって動作し、当該移動無線端末装置の各部を統括して制御するものであって、例えば音声通信やデータ通信を行うために、通信系の各部を制御する通信制御機能と、電子メールの作成や送受信を行うためのメールソフトウェアや、Webブラウジングを行うためのブラウザソフトウェア、ストリーミングデータのダウンロードや再生を行うためのメディア再生ソフトウェア、放送局BCから送信される地上ディジタル放送信号を受信するための放送受信ソフトウェア、ディジタルカメラ80を制御して撮影を行う画像処理ソフトウェア、QR(Quick Response)コード(登録商標)を画像解析により復号する画像解析ソフトウェアを実行し、これらに係わる各部を制御するアプリケーション処理機能を備える。
【0027】
また制御部100は、消費電力制御手段100aと備える。
消費電力制御手段100aは、電源部40から通知されるバッテリ41の電圧値からバッテリ41が蓄える電力量を推定する。また消費電力制御手段100aは、電源部40から通知される供給電力と消費電力に基づいて、ユーザに対してバッテリの状態の報知や、デバイスの動作やアプリケーションソフトウェアの実行/停止を制御して、消費電力を制御するものである。
【0028】
なお、消費電力制御手段100aを実現するための制御プログラムは、記憶部50に記憶され、制御部100が、上記制御プログラムにしたがって動作することにより消費電力制御手段100aが実現される。
【0029】
次に、上記構成の携帯型電子機器の動作について説明する。以下の説明では特に、発着信制御、音声通信やデータ通信、アプリケーションソフトウェアに基づく動作などの説明は省略し、これらの動作中、あるいは着信待受時に並行して実行される消費電力制御機能についての動作を説明する。図3は、この動作を説明するためのフローチャートであって、消費電力制御手段100aによって実施される。なお、この動作は、当該携帯電話機の電源が投入され、充電器200が接続されていることを電源部40が検出すると開始され、充電器200が外されるまで切り返し実行される。また消費電力制御手段100aは、充電が開始されたことより、LEDランプを点灯させる制御を行う。
【0030】
まず、ステップ3aにおいて消費電力制御手段100aは、充電回路40aから所定の周期で通知される供給電力と消費電力の各値を取得し、ステップ3bに移行する。
ステップ3bにおいて消費電力制御手段100aは、ステップ3aで取得した供給電力と消費電力の両値の差に基づいて、マイナス充電状態に陥っているか否かを判定する。なお、マイナス充電状態とは、バッテリ41に充電される電力よりも、消費される電力の方が大きく、充電状態にありながら、バッテリ41に蓄積される電力量が減る状態をいう。
【0031】
ここで、ステップ3aで取得した供給電力の値が消費電力の値よりも予め設定した値以上大きい場合、すなわちプラス充電状態と見なす場合には、ステップ3cに移行し、一方、それ以外の場合、すなわちマイナス充電状態と見なす場合には、ステップ3jに移行する。なお、ここでは、両者の大小を単純に比較して判定してもよく、あるいはステップ3aで取得した両値の平均値の大小を比較結果に基づいて判定してもよい。
【0032】
ステップ3cにおいて消費電力制御手段100aは、デバイスやアプリケーションソフトウェアを起動する要求やイベントが発生したか否か、すなわち消費電力を増大させる状況が発生したか否かを判定する。ここで、デバイスやアプリケーションソフトウェアを起動する要求やイベントが発生した場合には、ステップ3dに移行し、一方、そのような状況が発生していない場合には、ステップ3aに移行する。
【0033】
ステップ3dにおいて消費電力制御手段100aは、消費電力テーブル50aを参照し、ステップ3cで検出した要求やイベントにより、起動するデバイスやアプリケーションソフトウェアによって消費される電力値(以下、追加消費電力値と称する)を読み出し、ステップ3eに移行する。
【0034】
ステップ3eにおいて消費電力制御手段100aは、ステップ3aで取得した供給電力と消費電力の両値と、ステップ3dで読み出した追加消費電力値とに基づいて、マイナス充電状態化するか否かを判定する。ここで、ステップ3aで取得した供給電力の値が、消費電力の値と追加消費電力値の和よりも予め設定した値以上大きい場合、すなわちプラス充電状態と見なす場合には、ステップ3iに移行し、一方、それ以外の場合、すなわちマイナス充電状態の場合には、ステップ3fに移行する。なお、ここでは、供給電力の値と上記和の大小を単純に比較して判定してもよく、あるいはステップ3aで取得した両値の平均値を用いて判定してもよい。
【0035】
ステップ3fにおいて消費電力制御手段100aは、マイナス充電状態にあることをユーザに報知するために、LEDランプを制御して、充電状態を示す点灯から点滅に切り替えるとともに、表示パネル20aを制御して「マイナス充電状態です。十分な充電が行われていない可能性があります。」などの警告表示をポップアップ表示させ、ステップ3gに移行する。
【0036】
ステップ3gにおいて消費電力制御手段100aは、デバイスやアプリケーションソフトウェアを起動することを要求(許可)する操作が操作部21を通じて行われたか否かを判定する。すなわち、マイナス充電状態にあるにもかかわらず、さらに消費電力を増大させることをユーザが要求(許可)したか否かを判定する。ここで、上記操作が行われた場合には、ステップ3hに移行し、一方、上記操作が行われない場合、すなわち要求(許可)しない操作が行われた場合には、ステップ3aに移行する。
【0037】
ステップ3hにおいて消費電力制御手段100aは、無線通信部10を制御する常駐ソフトウェアや、無線通信部10などのデバイスなどの動作を停止させて消費電力を低減させ、ステップ3iに移行する。
【0038】
ステップ3iにおいて消費電力制御手段100aは、ステップ3cで検出した要求やイベントに対応するデバイスやアプリケーションソフトウェアを起動して、ステップ3aに移行する。
【0039】
一方、ステップ3jにおいて消費電力制御手段100aは、マイナス充電状態にあることをユーザに報知するために、LEDランプを制御して、充電状態を示す点灯から点滅に切り替えるとともに、表示パネル20aを制御して「マイナス充電状態です。十分な充電が行われていない可能性があります。」などの警告表示をポップアップ表示させ、ステップ3kに移行する。
【0040】
ステップ3kにおいて消費電力制御手段100aは、記憶部50に記憶される制御データを参照し、節電モードが予め設定されているか否かを判定する。ここで、節電モードが設定されている場合(節電モードON)には、ステップ3nに移行し、一方、節電モードが設定されていない場合(節電モードOFF)には、ステップ3lに移行する。
【0041】
ステップ3lにおいて消費電力制御手段100aは、表示パネル20aを制御して「動作モードを選択してください。」などのモード選択を要求するポップアップ表示を行い、節電モード、充電優先モード、通常モードのいずれかからモードを選択するようにユーザに促す。そして、消費電力制御手段100aは、操作パネル20bや操作部21を通じて、ユーザからモード選択を受け付け、ステップ3mに移行する。
【0042】
ステップ3mにおいて消費電力制御手段100aは、ステップ3lで受け付けたモードが通常モードの場合には、ステップ3pに移行し、また、充電優先モードの場合には、ステップ3oに移行し、そして、節電モードの場合には、ステップ3nに移行する。
【0043】
ステップ3nにおいて消費電力制御手段100aは、節電モードを実行し、消費電力を抑制する制御を行い、ステップ3aに移行する。この節電モードでは、例えば、制御部100のマイクロプロセッサのクロック周波数を通常の周波数から予め設定された低い周波数に設定したり、表示パネル20aのバックライト輝度を通常の輝度から予め設定された低い輝度に設定したり、無線通信部10の間欠受信周期を通常の周期から予め設定された長い周期に設定したりして、消費電力を抑制する。
【0044】
ステップ3oにおいて消費電力制御手段100aは、充電優先モードを実行し、今後、消費電力が増大しないように抑制する制御を行い、ステップ3aに移行する。この充電優先モードでは、デバイスやアプリケーションソフトウェアを起動する要求やイベントが発生しても、これを無視して、消費電力が増大するような追加動作は行わず、プラス充電状態となることを優先する。
【0045】
具体的には、ステップ3cに移行した場合に、常にステップ3aに移行し、動作中のデバイスやアプリケーションソフトウェアを停止させる要求やイベントは受け付け、停止させる。また、消費電力が予め設定した閾値以上のデバイスやアプリケーションソフトウェアを起動する要求やイベントが発生しても、これを無視し、一方、消費電力が上記閾値未満のデバイスやアプリケーションソフトウェアを起動する要求やイベントについては、これを受け入れて実行するようにしてもよい。
【0046】
ステップ3pにおいて消費電力制御手段100aは、節電モードおよび充電優先モードを解除し、ステップ3aに移行する。通常モードでは、例えば、制御部100のマイクロプロセッサのクロック周波数を通常の周波数に設定したり、表示パネル20aのバックライト輝度を通常の輝度に設定したり、無線通信部10の間欠受信周期を通常の周期に設定する。
【0047】
以上のように、上記構成の携帯型電子機器では、マイナス充電状態に陥ったことを検出すると、この旨をユーザに通知するようにしている。
したがって、上記構成の携帯型電子機器によれば、充電しながらも、ユーザが気づかぬうちに、バッテリ電力が減ってしまった状態に陥ることを防止することができる。
【0048】
また上記構成の携帯型電子機器では、マイナス充電状態に陥ったことを検出すると、ユーザに対して、バッテリ電力の消費に関わるモード選択を行わせるようにしている。
したがって、上記構成の携帯型電子機器によれば、充電しながらも、ユーザが気づかぬうちに、バッテリ電力が減ってしまった状態に陥ることを防止でき、またユーザが意図するモードで運用することができる。
【0049】
すなわち、バッテリの充電を優先させたい場合(充電優先モード)には、新たにデバイスやアプリケーションソフトウェアを起動することを抑止して充電を優先させることができ、また消費電力を抑制したい場合(節電モード)には、現在起動中のデバイスやアプリケーションソフトウェアによる消費電力を抑制して充電を優先させることができる。
【0050】
そしてまた上記構成の携帯型電子機器では、マイナス充電状態にあっても、ユーザが新たにデバイスやアプリケーションソフトウェアの起動を要求する場合には、この要求を受け入れ、代わりに他に起動中のデバイスやアプリケーションソフトウェアを停止させるようにしている。
したがって、上記構成の携帯型電子機器によれば、マイナス充電状態にあっても、その度合いを改善しながら、ユーザが求める機能を利用することができ、利便性が高い。
【0051】
なお、この発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また上記実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって種々の発明を形成できる。また例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除した構成も考えられる。さらに、異なる実施形態に記載した構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0052】
その一例として例えば、ステップ3hにおいて停止させるデバイスやアプリケーションソフトウェアや、ステップ3nにおいて消費電力を抑制するデバイスやアプリケーションソフトウェアの優先順位を予め設定した優先順位テーブルを記憶部50に記録しておき、消費電力制御手段100aが、このテーブルにしたがって、ステップ3hやステップ3nを実行することで、マイナス充電状態から脱するようにしてもよい。
【0053】
また上記実施の形態では、マイナス充電状態に陥った場合に、ユーザにモードを選択させるようにしたが、これに代わって例えば、マイナス充電状態に陥った場合に、ユーザに選択させることなく、充電優先モードあるいは節電モードを設定するようにしてもよい。 その他、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を施しても同様に実施可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0054】
10…無線通信部、20…表示入力部、20b…操作パネル、20a…表示パネル、21…操作部、22…モーションセンサ部、30…通話部、31…スピーカ、32…マイクロホン、40…電源部、40a…充電回路、41…バッテリ、50…記憶部、50a…消費電力テーブル、60…放送受信部、70…GPS受信部、80…ディジタルカメラ、90…赤外線通信部、100…制御部、100a…消費電力制御手段、200…充電器、BC…放送局、BS…基地局装置、MN…移動通信網、MS…携帯電話機、NW…インターネット、ST1〜STn…GPS衛星、SV…サーバ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池を充電する充電手段と、
前記二次電池から消費される消費電流を検出する消費電流検出手段と、
前記二次電池を充電する充電電流を検出する充電電流検出手段と、
前記充電電流が前記消費電流よりも予め設定した値以上大きくない場合に、この状態をユーザに報知する報知手段とを具備することを特徴とする携帯型電子機器。
【請求項2】
二次電池を充電する充電手段と、
前記二次電池から消費される消費電流を検出する消費電流検出手段と、
前記二次電池を充電する充電電流を検出する充電電流検出手段と、
前記充電電流が前記消費電流よりも予め設定した値以上大きくない場合に、少なくとも消費電力を抑制する抑制モードと通常モードを含む動作モードのうち、いずれかをユーザに選択させる動作モード選択手段とを具備することを特徴とする携帯型電子機器。
【請求項3】
さらに、ユーザが抑制モードを選択した場合に、消費電力を抑制する消費電力抑制手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の携帯型電子機器。
【請求項4】
さらに、ユーザが抑制モードを選択した場合に、消費電力が増加する動作を要求するユーザからの指示を拒否する消費電力抑制手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の携帯型電子機器。
【請求項5】
さらに、ユーザが抑制モードを選択した場合に、前記二次電池の充電を優先する消費電力抑制手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の携帯型電子機器。
【請求項6】
二次電池を充電する充電手段と、
前記二次電池から消費される消費電流を検出する消費電流検出手段と、
前記二次電池を充電する充電電流を検出する充電電流検出手段と、
ユーザからの要求に応じた動作を仮に実施した場合に、前記充電電流が前記消費電流よりも予め設定した値以上大きくなるか否かを判定する判定手段と、
この判定手段が大きくならないと判定した場合に、この状態をユーザに報知する報知手段とを具備することを特徴とする携帯型電子機器。
【請求項7】
さらに、前記報知手段による報知後に、要求が再びあった場合に、この要求に応じた動作を実行する動作制御手段を備えることを特徴とする請求項6に記載の携帯型電子機器。
【請求項8】
さらに、前記動作制御手段が動作を実行した場合に、代わりに他の動作による消費電力を抑制する消費電力抑制手段を備えることを特徴とする請求項7に記載の携帯型電子機器。
【請求項9】
二次電池から消費される消費電流を検出する第1工程と、
前記二次電池を充電する充電電流を検出する第2工程と、
前記充電電流が前記消費電流よりも予め設定した値以上大きくない場合に、この状態をユーザに報知する第3工程とを具備することを特徴とする消費電力制御方法。
【請求項10】
二次電池から消費される消費電流を検出する第1工程と、
前記二次電池を充電する充電電流を検出する第2工程と、
前記充電電流が前記消費電流よりも予め設定した値以上大きくない場合に、少なくとも消費電力を抑制する抑制モードと通常モードを含む動作モードのうち、いずれかをユーザに選択させる第3工程とを具備することを特徴とする消費電力制御方法。
【請求項11】
二次電池から消費される消費電流を検出する第1工程と、
前記二次電池を充電する充電電流を検出する第2工程と、
ユーザからの要求に応じた動作を仮に実施した場合に、前記充電電流が前記消費電流よりも予め設定した値以上大きくなるか否かを判定する第3工程と、
この第3工程で大きくならないと判定した場合に、この状態をユーザに報知する第4工程とを具備することを特徴とする消費電力制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−250517(P2011−250517A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−118619(P2010−118619)
【出願日】平成22年5月24日(2010.5.24)
【出願人】(310022372)富士通東芝モバイルコミュニケーションズ株式会社 (219)
【Fターム(参考)】