説明

携帯情報機器

【課題】 カメラ機能を用いて撮像処理を行う際、ズーム倍率に基づいて縮尺表示を行い、撮像対象物のスケール表示やこの携帯情報機器から撮像対象物までの距離を測量することができる携帯情報機器を提供する。
【解決手段】 携帯情報機器は、ズーム倍率を自在に設定して撮像可能な撮像手段と、前記撮像手段に設定されているズーム倍率に基づいて長さの縮尺表示を作成する作成手段と、前記撮像手段により撮像されている撮像画像、及び、前記作成手段により作成された縮尺表示を重ねて表示する表示手段と、撮像対象物の実際の長さをユーザに入力させるための入力欄を前記表示手段に表示させる制御部と、を備え、前記制御手段は、前記入力された前記撮像対象物の実際の長さと、前記ズーム倍率と、前記撮像画像の前記表示手段上の長さとに基づいて前記撮像対象物までの距離を算出し、前記表示手段は、前記縮尺表示と前記算出された距離とを前記撮像画像に重ねて表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ機能を用いて撮像処理を行う際、ズーム倍率に基づいて縮尺表示を行い、撮像対象物のサイズやこの携帯情報機器から撮像対象物までの距離を測量することができる携帯情報機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、小型の電子機器の高機能化に伴い、携帯電話機等の携帯情報機器においてカメラ機能が備えられることが一般的になってきた。そこで、携帯情報機器のカメラ機能を利用した様々なサービスが提案されている。
【0003】
例えば特許文献1には、小型化しつつもコストを抑え、事故などの非常事態をカメラ機能を用いて確実に通知する通知システムについて記載されている。この通知システムは、自動車に搭載された携帯電話機が、自動車に発生した接触により加速度が急激に発生したことを検知する加速度センサの検知に基づいて、自動車における非常事態の発生を判断し、カメラの撮像処理による非常事態の画像データや位置情報を通信端末に送信する。
【特許文献1】特開2006−270564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
携帯電話機等の携帯情報機器に搭載されたカメラは、そのほとんどがズーム機能を有しているため、撮像を行う携帯情報機器に対して近距離にある物から遠距離にある物まで、様々な位置にある物を対象物として撮像することが可能となっている。そこで、携帯情報機器のカメラ機能を利用して、撮像対象物のサイズやこの携帯情報機器から撮像対象物までの距離を測量できることが望ましい。
【0005】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、カメラ機能を利用して、撮像対象物のスケール表示や撮像対象物までの距離を合成表示できる携帯情報機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る携帯情報機器は、
ズーム倍率を自在に設定して撮像可能な撮像手段と、
前記撮像手段に設定されているズーム倍率に基づいて長さの縮尺表示を作成する作成手段と、
前記撮像手段により撮像されている撮像画像、及び、前記作成手段により作成された縮尺表示を重ねて表示する表示手段と、
撮像対象物の実際の長さをユーザに入力させるための入力欄を前記表示手段に表示させる制御部と、
を備え、
前記制御手段は、前記入力された前記撮像対象物の実際の長さと、前記ズーム倍率と、前記撮像画像の前記表示手段上の長さとに基づいて前記撮像対象物までの距離を算出し、
前記表示手段は、前記縮尺表示と前記算出された距離とを前記撮像画像に重ねて表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る携帯情報機器によると、カメラ機能を利用して、撮像対象物の縮尺表示と撮像対象物までの距離を撮像画像に重ねて表示することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係る携帯情報機器である携帯電話機を示す構成図。
【図2】本発明に係る携帯情報機器である携帯電話機を示す構成図。
【図3】本発明に係る携帯情報機器である携帯電話機の機能ブロック図。
【図4】本発明に係る携帯電話機において対象物設定処理を行う際の手順を示すフローチャート。
【図5】本発明に係る携帯電話機において対象物設定処理を行う際の画面遷移図。
【図6】本発明に係る携帯電話機において縮尺表示処理(実施例1)を行う際の手順を示すフローチャート。
【図7】本発明に係る携帯電話機において対象物設定処理(実施例1)を行う際の画面遷移図。
【図8】本発明に係る携帯電話機において縮尺表示処理(実施例2)を行う際の手順を示すフローチャート。
【図9】本発明に係る携帯電話機において対象物設定処理(実施例2)を行う際の画面遷移図。
【図10】本発明に係る携帯電話機において縮尺表示処理(実施例3)を行う際の手順を示すフローチャート。
【図11】本発明に係る携帯電話機において対象物設定処理(実施例3)を行う際の画面遷移図。
【図12】本発明に係る携帯電話機において縮尺表示処理(実施例4)を行う際の手順を示すフローチャート。
【図13】本発明に係る携帯電話機において対象物設定処理(実施例4)を行う際の画面遷移図。
【図14】本発明に係る携帯電話機において縮尺表示処理(実施例5)を行う際の手順を示すフローチャート。
【図15】本発明に係る携帯電話機において対象物設定処理(実施例5)を行う際の画面遷移図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係る携帯情報機器の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。本発明に係る携帯情報機器として、カメラ機能を備えた携帯電話機1を例に挙げて説明する。
【0010】
図1及び図2に、携帯電話機1の一例として説明に用いている折り畳み型の携帯電話機の外観図を示す。図1[A]は、携帯電話機1の約180度に見開いた状態の正面図であり、図1[B]は、携帯電話機1の見開いた状態の側面図である。また、図2[A]は、携帯電話機1の折り畳んだ状態の正面図であり、時2[B]は、携帯電話機1の折り畳んだ状態の側面図である。
【0011】
図1及び図2に示すように、携帯電話機1は、中央のヒンジ部11を挟むように第1の筐体12と第2の筐体13とがヒンジ結合されており、ヒンジ部11を介して図1のX方向に折り畳み自在に形成される。携帯電話機1の内部の所定の位置には、送受信用のアンテナ(後述する図3のアンテナ37)が設けられており、携帯電話機1は、この内蔵されたアンテナ37を介して基地局(図示せず)との間で電波の送受信を行う。
【0012】
第1の筐体12の中央部には、液晶ディスプレイ15が設けられている。この液晶ディスプレイ15における上部には、例えば、現在のアンテナ37の感度レベルを示すアンテナピクト、携帯電話機1の現在の電池残量を示す電池ピクト、現在の時刻等が表示される。液晶ディスプレイ15の中央部には、例えば、後述するCCDカメラ16により撮像された画像等が表示される。
【0013】
第2の筐体13には、ユーザが数字や文字列を入力するための「0」乃至「9」の数字キー14a、発呼処理を行うための発呼キー14b、通話を終了したり電源のオン/オフ状態を切り替えたりするための終話・電源キー14c、入力された文字列を消去したり実行中の処理を終了したりするためのクリアキー14d等の操作キー14が設けられており、ユーザはこれらの操作キー14を用いて各種指示を入力することができる。
【0014】
また、第2の筐体13には、操作キー14として十字キー14eと確定キー14fが設けられており、ユーザが十字キー14eを上下左右方向に操作することによりカーソル位置を上下左右方向に移動させたり表示画面をスクロールしたりすることができる。また、確定キー14fを押下することにより、種々の機能を確定することができる。例えば第1の筐体12は、ユーザによる十字キーの操作に応じて液晶ディスプレイ15に表示された選択肢の中から所望の項目が選択され、確定キー14fが押下されると、選択された項目を確定することができる。
【0015】
第1の筐体12の上部には、CCDカメラ16が設けられており、これにより、ユーザが所望の対象物を撮像することが可能となる。CCDカメラ16はズーム機能を備えており、例えばユーザの操作キー14を介した入力による指示により、ズーム倍率を変更して撮像することができる。
【0016】
また、第1の筐体12には、操作キー14の下部にマイクロフォン17が設けられており、マイクロフォン17によって通話時のユーザの音声を集音する。また、液晶ディスプレイ15の上部の所定の位置にはスピーカ18が設けられており、これにより、ユーザが音声を聞くことが可能となる。
【0017】
次に、携帯電話機1の機能について説明する。図3は、携帯電話機1の機能ブロック図である。携帯電話機1は、図3に示すように、主制御部20、電源回路部21、操作入力制御部22、表示制御部23、記憶部24、音声コーデック25、変復調回路部26、カメラ制御部27、測量制御部28、及び縮尺表示制御部29がバスによって相互に電気的に接続されて構成されている。
【0018】
主制御部20は、CPU(Central Processing Unit)を具備し、携帯電話機1の総括的な制御を行うとともに、様々な演算処理や制御処理等を行う。電源回路部11は、ユーザによる操作キー14を介した入力に基づいて電源のオン/オフ状態を切り替え、電源がオン状態の場合に内蔵されている電力供給源(バッテリ等)または外部に接続されている電力供給源から各部に対して電力を供給して、携帯電話機1を動作可能にする。
【0019】
操作入力制御部22は操作キー14に対する入力インタフェースを備え、操作キー14によって入力されたデータを主制御部20に伝送する。表示制御部23は液晶ディスプレイ15に対する表示インタフェースを備え、主制御部20の制御に基づいて、操作キー14により入力された文字データやCCDカメラ16により撮像された画像データ等、様々なデータを液晶ディスプレイ15に表示する。
【0020】
記憶部24は、主制御部20が行う処理の処理プログラムや処理に必要なデータ等を格納するROM(Read Only Memory)やハードディスク、不揮発性メモリ、主制御部20が処理を行う際に使用されるデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)等の記憶装置からなる。
【0021】
携帯電話機1は、他の携帯電話機や固定電話機に対して、基地局(図示せず)を介して音声通話処理を行う。すなわち音声コーデック25は、主制御部20の制御に基づいて、マイクロフォン17で集音した音声からアナログ音声信号を生成する。変復調回路部26は、音声通話の際に、音声コーデック25からアナログ信号を入力すると、この信号をデジタル信号に変換して送受信回路部36に伝送する。送受信回路部36はこのデジタル音声信号をアンテナ37を介して基地局に送信する。変復調回路部26は、送受信回路部36がアンテナ37を介して基地局から受信したデジタル音声信号を、アナログ音声信号に変換する。音声コーデック25は、音声通話の際に、変復調回路部26からアナログ音声信号を取得して、スピーカ18から音声として出力する。
【0022】
また、携帯電話機1は、他の携帯電話機や通信機器に対して基地局を介してデータ通信処理を行う。すなわち携帯電話機1は、電子メールやWeb閲覧データ、画像データ、映像データ等の様々なデータの送受信処理を行う。主制御部20は、データを受信する際、送受信回路部36がアンテナ37を介して基地局から受信した受信信号を変復調回路部26でスペクトラム逆拡散処理して、データを復元する。このデータは、主制御部20の指示により、表示制御部23を介して液晶ディスプレイ15に表示されたり記憶部24に記録されたりする。また主制御部20は、操作入力部22を介して入力されたデータや記憶部24に記憶されたデータを送信する際、変復調回路部26がデータに対してスペクトラム拡散処理を行い、送受信回路部36がアンテナ37を介して基地局に送信する。
【0023】
カメラ制御部27は、CCDカメラ(撮像手段)16に対するカメラインタフェースを備え、CCDカメラ16で撮像した画像信号を主制御部20に伝送し、表示制御部23を介して液晶ディスプレイ15にこの画像を表示する。またカメラ制御部27は、主制御部20の制御に基づいて、CCDカメラ16のズーム倍率を自在に変更/設定してCCDカメラ16に撮像処理を行わせる。さらにカメラ制御部27は、主制御部20の制御に基づいて、CCDカメラ16が入力した画像信号を、例えばMPEG(Moving Picture Experts Group)4等の所定の符号化方式によって圧縮符号化して記憶部24に記憶する。
【0024】
また測量制御部28は、CCDカメラ16を用いた測量に使用されるデータである測量データを記憶する測量データ記憶部28aを備えている。測量データは、ズーム倍率に関するデータや、メモリ単位を設定したりメモリ単位を変更したりするための計算に用いられる数値に関するデータ、過去に測量された測量値を示すデータ等が記憶されている。
【0025】
測量制御部28は、CCDカメラ16のズーム倍率や、CCDカメラ16により撮像されている撮像対象物の表示上の長さ等を用いて、この撮像対象物の実際の長さを測量する。例えば、測量制御部28は、サイズが既知の撮像対象物について、CCDカメラ16において撮像対象物にピントが合っているときのズーム倍率と、液晶ディスプレイ15に表示されているときの撮像対象物の表示上のサイズとの関係を求めて測量データ記憶部28aに予め記憶しておくことにより、CCDカメラ16のズーム倍率と液晶ディスプレイ15上の撮像対象物のサイズとから、撮像対象物の実際のサイズを算出する。
【0026】
また測量制御部28は、CCDカメラ16のズーム倍率や、CCDカメラ16により撮像されている撮像対象物の表示上の長さ、この撮像対象物の実際の長さ等を用いて、携帯電話機1からこの撮像対象物までの実際の距離を測量する。例えば、測量制御部28は、サイズが既知の撮像対象物が、携帯電話機1から既知の距離だけ離れた位置にあるときの、CCDカメラ16において撮像対象物にピントが合っているときのズーム倍率と、液晶ディスプレイ15に表示されているときの撮像対象物の表示上のサイズとの関係を求めて測量データ記憶部28aに予め記憶しておくことにより、撮像対象物の実際のサイズと、液晶ディスプレイ15に表示されているときの撮像対象物の表示上のサイズと、CCDカメラ16のズーム倍率とから、携帯電話機1から撮像対象物までの距離を算出する。
【0027】
縮尺表示制御部29は、CCDカメラ16のズーム倍率に基づいて、縮尺表示を行う。例えば、縮尺表示制御部29は、サイズが既知の撮像対象物について、CCDカメラ16において撮像対象物にピントが合っているときのズーム倍率と、液晶ディスプレイ15に表示されているときの撮像対象物の表示上のサイズとの関係を求めて測量データ記憶部28aに予め記憶しておくことにより、CCDカメラ16のズーム倍率から、液晶ディスプレイ15の表示上の撮像対象物のサイズを算出して、このサイズを縮小表示として液晶ディスプレイ15に撮像画像と重ねて表示する。ユーザは、この縮尺表示に基づいて、液晶ディスプレイ15に表示されている撮像対象物のサイズを目測することができる。
【0028】
また縮尺表示制御部29は、例えばユーザの操作キー14を介した指示に基づいて、縮尺表示51の長さやメモリ単位を変更したり、縮尺表示51の縦横変換、平行移動、回転移動等を行ったりする。
【実施例1】
【0029】
携帯電話機1の実施例1について、図4乃至図7に基づいて説明する。携帯電話機1は、CCDカメラ16を用いた機能モードとして、撮像処理を行いその撮像された画像を記憶部24に記憶する通常撮像モードと、撮像処理を行い撮像対象物の測量を行う測量モードとの少なくとも2つのモードを備えている。
【0030】
携帯電話機1において測量モードを起動して、CCDカメラ16を用いて撮像対象物の測量を行う際、液晶ディスプレイ15に表示されている対象物の表示画面50上の長さやCCDカメラ16のズーム倍率等を用いて、対象物の実際の長さや携帯電話機1から対象物までの距離の測量を行うため、ズーム倍率を調整して、その対象物にピントを合わせる必要がある。CCDカメラ16により撮像対象物にピントを合わせると、カメラ制御部28は、例えば、撮像画像を所定の閾値を用いて二階調化して対象物の輪郭を抽出すること等により、測量の対象物を設定する。そして、携帯電話機1がその対象物にハイライトを設定したり輪郭を強調表示したりすることにより、ユーザは、液晶ディスプレイ15に移されている画像において、CCDカメラ16において測量の対象物(ピントが合っている対象物)を視覚的に確認することができる。また、ユーザは、例えば十字キー14e等の操作キー14を用いて指示を行うことにより、液晶ディスプレイ15に表示されている撮像画像において測量の対象物を変更することができる。
【0031】
ここで、カメラ制御部27及び測量制御部28が対象物を設定する処理を行う際の手順について、図4に示すフローチャートに基づいて説明する。以下、例えば「ステップS101」を「S101」のように、「ステップ」の語句を省略して説明する。
【0032】
ユーザは、携帯電話機1を用いて測量を行う際に、まず操作キー14等を用いてCCDカメラ16を起動するように指示を出す。そこで、カメラ制御部27は、CCDカメラ16の起動が指示されたか否かを判断する(S101)。CCDカメラ16の起動が指示されていない場合(S101のNo)は、カメラ制御部27は変化するまで待機する。
【0033】
CCDカメラ16の起動が指示された場合(S101のYes)は、カメラ制御部27はカメラを起動して、通常撮像モードにて撮像処理を開始する(S103)。そして、測量制御部28は、測量モードの起動の指示がされたか否かを判断する(S105)。測量モードの起動が指示されていない場合(S105のNo)は、カメラ制御部27は、通常撮像モードにてCCDカメラ16による撮像処理を継続する。
【0034】
測量モードの起動の指示がされた場合(S105のYes)、測量制御部28は測量モードを起動する(S107)。測量モードが起動されると、カメラ制御部28は、現在ピントが合っている物を測量の対象物として設定し、この対象物にハイライトを設定したり輪郭を強調表示したりして、ユーザに対して対象物を提示する。
【0035】
測量制御部28は、測量の対象物の変更が指示されたか否かを判断する(S109)。ユーザは、例えば十字キー14e等の操作キー14を用いて上下左右への移動を促すことにより、携帯電話機1にCCDカメラ16により撮像されている画像における測量の対象物の変更を指示する。
【0036】
測量の対象物の変更が指示されると、カメラ制御部27は、CCDカメラ16において別の対象物にピントが合うようにズーム倍率を変更する(S111)。またカメラ制御部27は、ユーザの指示に基づいて測量の対象物を変更して、変更後の対象物にハイライトや強調表示を行う(S113)。例えば、始めに図5(A)に示すように、測量の対象物として対象物X1が設定されていた際に、ユーザにより測量の対象物として対象物X2を設定するように指示された場合、カメラ制御部27は、S111にてズーム倍率を変更することにより、ピントを対象物X2に合わせて、図5(B)に示すように、ハイライトや強調表示を対象物X1から対象物X2に変更する。
【0037】
S113にて測量の対象物を変更したか、あるいは測量の対象物の変更が指示されていない場合(S109のNo)は、カメラ制御部27は、ズーム倍率の変更が指示されたか否かを判断する(S115)。ユーザは、例えば操作キー14を用いて所定のキー操作を行うことにより、携帯電話機1にズーム倍率の変更を指示する。対象物の測量を行う際、上述したように、対象物の表示画面50上の長さとCCDカメラ16のズーム倍率等を用いて対象物の長さの計算を行うため、ズーム倍率が変更されると必然的に測量の対象物も変更される。
【0038】
ズーム倍率の変更が指示された場合(S115のYes)は、カメラ制御部27は、CCDカメラ16のズーム倍率を変更する(S117)。またカメラ制御部27は、測量の対象物を変更して変更後の対象物に対してハイライトや強調表示を行う(S119)。例えば、始めに図5(A)に示すように、測量の対象物として対象物X1が設定されていた場合、ユーザがズーム倍率を変更すると、カメラ制御部27は、図5(B)に示すように、S117にてズーム倍率を変更し、ピントを対象物X2に合わせて測量の対象物を対象物X2とし、対象物X2にハイライトや強調表示を行う。
【0039】
このように、携帯電話機1では、CCDカメラ16が起動されて測量モードが起動されると、CCDカメラ16のピントが合っている物を測量の対象物とするが、ユーザにより測量の対象物の変更が指示されたり、ズーム倍率の変更が指示されたりした場合、測量の対象物を変更して変更後の対象物に対してハイライトや強調表示を行う。
【0040】
携帯電話機1は、測量の対象物にピントが合った状態で、ユーザの指示に基づいて、液晶ディスプレイ15において測量の対象物の近隣に長さの縮尺表示を行う。この携帯電話機1が縮尺表示処理を行う際の手順について、図6に示すフローチャートに基づいて説明する。携帯電話機1の実施例1では、CCDカメラ16を用いて撮像を行う際に、長さの縮尺表示を行うとともに、対象物の実際の長さを測量することができる。
【0041】
ユーザは、携帯電話機1を用いて測量を行う際に、まず操作キー14等を用いてCCDカメラ16を起動するように指示を出す。そこで、カメラ制御部27は、CCDカメラ16の起動が指示されたか否かを判断する(S201)。CCDカメラ16の起動が指示されていない場合(S201のNo)は、カメラ制御部27は変化するまで待機する。
【0042】
CCDカメラ16の起動が指示された場合(S201のYes)は、カメラ制御部27はカメラを起動して、通常撮像モードにて撮像処理を行う(S203)。そして、測量制御部28は、測量モードの起動の指示がされたか否かを判断する(S205)。測量モードの起動が指示されていない場合(S205のNo)は、カメラ制御部27は、通常撮像モードにてCCDカメラ16による撮像処理を継続する。
【0043】
測量モードの起動が指示された場合(S205のYes)は、測量制御部28は、測量モードを起動する(S207)。測量モードが起動されると、測量制御部28は、ステップS109乃至S119に示すように、ピントが合っている物を測量の対象物に設定して、この対象物にハイライトや強調表示を行う。
【0044】
縮尺表示制御部29は、縮尺表示が指示されたか否かを判断する(S209)。この指示は、例えばユーザが携帯電話機1に縮尺表示を行わせたい時に、操作キー14を用いて任意のキー操作を行うことによってされる。縮尺表示が指示されていない場合(S209のNo)は、縮尺表示制御部29はそのまま測量モードを継続する。
【0045】
縮尺表示が指示された場合(S209のYes)は、縮尺表示制御部29は、カメラ制御部27からCCDカメラ16において現在設定されているズーム倍率を取得する(S211)。また縮尺表示制御部29は、液晶ディスプレイ15の表示画面50に表示されている画像(CCDカメラ16で撮像されている画像)に重ねるようにして、上述したように、ズーム倍率に基づいて縮尺表示を行う(S213)。この縮尺表示51は、例えば図7(A)に示すように、撮像対象物の実際の長さを示す縮尺バー51a及びメモリ51bで構成され、測量の対象物の近隣に表示される。なお、縮尺表示51のメモリ51bは、例えばユーザにより予め設定されて測量データ記憶部28aに記憶されている。ユーザは、この縮尺表示51と対象物と比較することにより、対象物の大体の大きさを目測することができる。
【0046】
次に、縮尺表示制御部29はズーム倍率が変更されたか否かを判断する(S215)。この際、ユーザによりズーム倍率を変更する指示が出されたり、またはユーザにより測量の対象物を変更する指示が出されたりする等により、ズーム倍率が変更される。ズーム倍率が変更された場合(S215のYes)は、縮尺表示制御部29は、カメラ制御部27からCCDカメラ16において現在設定されているズーム倍率を取得する(S217)。また縮尺表示制御部29は、S213と同様にして変更後のズーム倍率に基づいて縮尺表示を行う(S219)。この際、例えば図7(A)に示す状態から、図7(B)に示すようにズーム倍率を変更すると、変更後のズーム倍率に基づいて縮尺表示51の縮尺を変更して表示しなおす。
【0047】
縮尺表示制御部29は、測量バー51cの表示が指示されたか否かを判断する(S221)。この測量バー51cの表示は、例えばユーザが操作キー14を用いて任意のキー操作を行うことによって指示される。測量バー51cとは、CCDカメラ16により撮像されている撮像対象物の長さを正確に測量するためのバーであり、縮尺表示制御部29は、この測量バー51cの長さを表示画面50上における対象物の長さと同じ長さに設定することにより、対象物の実際の長さの測量を行う。
【0048】
測量バー51cの表示が指示された場合(S221のYes)は、縮尺表示制御部29は、測量バー51cの表示を行う(S223)。この際、例えば図7(C)に示すように、人物である対象物X3と並べて測量バー51cを表示し、この測量バー51cの長さを表示画面50における人物の長さ(身長)に合わせて設定することにより、対象物X3である人物の実際の身長を測量することができる。
【0049】
縮尺表示制御部29は、測量バー51cの長さが設定されたか否かを判断する(S225)。この際、例えばユーザが、図7(C)に示すように、ユーザにより測量バー51cの長さが対象物X3の長さに合わせて調整され、例えば確定キー14f等の操作キー14が押下された場合、測量バー51cの長さが設定されたものと判断される。測量バー51cの長さが設定されていない場合(S225のNo)は、縮尺表示制御部29は、測量バー51cの長さが設定されるまで待機する。
【0050】
測量バー51cの長さが設定された場合(S225のYes)は、縮尺表示制御部29は、図7(C)に示すように、現在設定されている測量バー51cの長さを測量値として、液晶ディスプレイ15の表示画面50の長さ表示欄51dに、CCDカメラ16により撮像されている画像と重ねて表示する(S227)。この測量値は、対象物の表示画面50における長さとズーム倍率とから、対象物の実際の長さを計算した計算値である。
【0051】
縮尺表示制御部29は、測量値の記憶が指示されたか否かを判断する(S229)。ユーザは、この測量値を携帯電話機1に記憶されておきたいときに、操作キー14を用いて測量値の記憶を指示する。測量値の記憶が指示された場合(S229のYes)は、縮尺表示制御部29は、記憶部24または測量データ記憶部28aに、この測量値を記憶する(S231)。
【0052】
このように、携帯電話機1において測量モードが起動された際、測量制御部28は、ズーム倍率に基づいて長さの縮尺表示を行う。また携帯電話機1は、ズーム倍率が変更された際、CCDカメラ16の変更後のズーム倍率に合わせて縮尺表示51の尺度を設定して表示しなおす。また携帯電話機1は、測量モードにおいて測量バー51cの表示が指示された場合、測量バー51cを表示してこの測量バー51cの長さが対象物の長さと同じ長さになるように設定することにより、ズーム倍率とこの測量バー51cの長さ等を用いて対象物の実際の長さや幅等のサイズを算出する。また、測量モードでは、縮尺表示51と対象物を合成した状態で撮影してもよい。これにより、対象物を縮尺表示付きの画像として保存することができる。
【0053】
なお、縮尺表示51の縮尺バー51aのメモリ51bのメモリ単位や、測量バー51cによって測量された測量値の単位等は、予めユーザに設定される等により記憶部24や測量データ記憶部28aに記憶されていると良い。また、記憶部24や測量データ記憶部28aにおいてズーム倍率と数値の単位とを関連付けて予め記憶しておき、縮尺表示を行う際に、ズーム倍率に基づいて縮尺表示51の数値の単位を決定しても良い。
【0054】
本発明に係る携帯情報機器(携帯電話機1)の実施例1によると、CCDカメラ16を用いて撮像処理を行う際、ズーム倍率に基づいて長さの縮尺表示を行うとともに、ズーム倍率及び撮像対象物の表示画面50上の長さに基づいて撮像対象物の実際の長さや幅等のサイズを測量することが可能となる。
【実施例2】
【0055】
本発明に係る携帯情報機器の実施例2について図8及び図9に基づいて説明する。なお実施例2は、実施例1と同様に、本発明に係る携帯情報機器として、携帯電話機1を例に挙げて説明する。図8は、携帯電話機1が縮尺表示処理を行う際の手順を示すフローチャートである。携帯電話機1の実施例2では、CCDカメラ16を用いた撮像を行う際に、縮尺表示を行うとともに、CCDカメラ16で撮像されている画像と重ねて、予め指定された基準値を示す縮尺表示を行う。
【0056】
ユーザは、携帯電話機1を用いて測量を行う際に、まず操作キー14等を用いてCCDカメラ16を起動するように指示を出す。そこで、カメラ制御部27は、CCDカメラ16の起動が指示されたか否かを判断する(S301)。CCDカメラ16の起動が指示されていない場合(S301のNo)は、カメラ制御部27は変化するまで待機する。
【0057】
CCDカメラ16の起動が指示された場合(S301のYes)は、カメラ制御部27はカメラを起動して、通常撮像モードにて撮像処理を行う(S303)。そして、測量制御部28は、測量モードの起動の指示がされたか否かを判断する(S305)。測量モードの起動が指示されていない場合(S305のNo)は、カメラ制御部27は、通常撮像モードにてCCDカメラ16による撮像処理を継続する。
【0058】
測量モードの起動が指示された場合(S305のYes)は、測量制御部28は、測量モードを起動する(S307)。測量モードが起動されると、測量制御部28は、実施例1のステップS109乃至S119に示すように、ピントが合っている物を測量の対象物に設定して、この対象物にハイライトや強調表示を行う。
【0059】
ユーザは、CCDカメラ16を用いて撮像を行っている時に、その画面内に予め設定されている基準値を表示したい場合に、操作キー14を用いて携帯電話機1に基準値の表示を指示する。縮尺表示制御部29は、その基準値の表示が指示されたか否かを判断する(S309)。
【0060】
基準値の表示が指示された場合(S309のYes)は、縮尺表示制御部29は、記憶部24または測量データ記憶部28aに記憶されている基準値(例えばS231にて記憶された測量値)を取得する(S311)。また縮尺表示制御部29は、現在CCDカメラ16に設定されているズーム倍率を取得する(S313)。
【0061】
そして縮尺表示制御部29は、S311にて取得した基準値とS313にて取得したズーム倍率とを用いて、現在CCDカメラ16で撮像されている画像に重ねるようにして、液晶ディスプレイ15に基準値を示す縮尺表示を表示する(S315)。例えば図9(A)に示すような対象物X4の長さをS231にて測量値として記憶していた場合、図9(B)に示すように、対象物X5に並べるようにして、この測量値を基準値として示す縮尺表示51eを表示することにより、対象物X4と対象物X5との長さを視覚的に比較することができる。
【0062】
このように、携帯電話機1は測量モードを起動した際、ユーザの指示に基づいて、予め設定された基準値を示す縮尺表示を、測量の対象物と並べるようにして表示する。
【0063】
なお、縮尺表示51の縮尺バー51aのメモリ51bのメモリ単位や、基準値の単位等は、予めユーザに設定される等により記憶部24や測量データ記憶部28aに記憶されていると良い。また、記憶部24や測量データ記憶部28aにおいてズーム倍率と数値の単位とを関連付けて予め記憶しておき、縮尺表示を行う際に、ズーム倍率に基づいて縮尺表示51の数値の単位を決定しても良い。
【0064】
本発明に係る携帯情報機器(携帯電話機1)の実施例2によると、CCDカメラ16を用いて撮像処理を行う際、ズーム倍率に基づいて所定値の縮尺表示51を行うことにより、ユーザが撮像対象物の長さを所定値と比較することが可能となる。
【0065】
これにより、年月の経過に伴った身長の変化を記憶して成長記録を行ったり、所定人物の身長の数値を予め記憶しておくことによりこの人物と他の人物との身長を比較したりすることが可能となる。または、所定の空間に撮像対象物が収まるか否か、配置できるか否かを推測することが可能となる。
【実施例3】
【0066】
本発明に係る携帯情報機器の実施例3について図10及び図11に基づいて説明する。なお実施例3は、実施例1及び実施例2と同様に、本発明に係る携帯情報機器として、携帯電話機1を例に挙げて説明する。
【0067】
図10は、携帯電話機1が縮尺表示処理を行う際の手順を示すフローチャートである。携帯電話機1の実施例3では、CCDカメラ16を用いた撮像を行う際に、長さの縮尺表示を行うとともに、この縮尺表示51を対象物の形状に合わせて移動、回転することができる。
【0068】
ユーザは、携帯電話機1を用いて測量を行う際に、まず操作キー14等を用いてCCDカメラ16を起動するように指示を出す。そこで、カメラ制御部27は、CCDカメラ16の起動が指示されたか否かを判断する(S401)。CCDカメラ16の起動が指示されていない場合(S401のNo)は、カメラ制御部27は変化するまで待機する。
【0069】
CCDカメラ16の起動が指示された場合(S401のYes)は、カメラ制御部27はカメラを起動して、通常撮像モードにて撮像処理を行う(S403)。そして、測量制御部28は、測量モードの起動の指示がされたか否かを判断する(S405)。測量モードの起動が指示されていない場合(S405のNo)は、カメラ制御部27は、通常撮像モードにてCCDカメラ16による撮像処理を継続する。
【0070】
測量モードの起動が指示された場合(S405のYes)は、測量制御部28は、測量モードを起動する(S407)。測量モードが起動されると、測量制御部28は、実施例1のステップS109乃至S119に示すように、ピントが合っている物を測量の対象物に設定して、この対象物にハイライトや強調表示を行う。
【0071】
縮尺表示制御部29は、縮尺表示が指示されたか否かを判断する(S409)。この指示は、例えばユーザが操作キー14を用いて任意のキー操作を行うことによってされる。縮尺表示が指示されていない場合(S409のNo)は、縮尺表示制御部29はそのまま測量モードを継続する。
【0072】
縮尺表示が指示された場合(S409のYes)は、縮尺表示制御部29は、カメラ制御部27からCCDカメラ16において現在設定されているズーム倍率を取得する(S411)。また縮尺表示制御部29は、液晶ディスプレイ15の表示画面50に表示されている画像(CCDカメラ16で撮像されている画像)に重ねるようにして、縮尺表示を行う(S413)。この縮尺表示51は、例えば図11(A)に示すように、対象物X6の近隣に、縮尺バー51aが水平方向になるようにして表示される。
【0073】
ここで、縮尺表示51は対象物X6に対して視覚的に測量が行える位置に表示されることが望ましいが、縮尺表示51が必ずしもユーザにとって理想的な位置に表示されるとは限らないため、携帯電話機1は、ユーザにより操作キー14を用いて縮尺表示51を縦横変換、平行移動、回転移動することができるように構成されている。
【0074】
縮尺表示制御部29は、縮尺表示51の縦横変換が指示されたか否かを判断する(S415)。縦横変換が指示された場合(S415のYes)は、縮尺表示制御部29は、縮尺表示51を90度回転移動させて、縦方向(垂直方向)を横方向(水平方向)に、横方向(水平方向)を縦方向(垂直方向)に変換して表示する(S417)。例えば図11(A)及び図11(B)に示すように、ユーザの操作キー14を介した指示に基づいて、縮尺表示51の縮尺バー51aが横方向(水平方向)から縦方向(垂直方向)になるように、縦横変換させる。
【0075】
縦横変換が指示されなかった場合(S415のNo)、あるいはS417の処理を行った場合は、縮尺表示制御部29は、縮尺表示51の平行移動が指示されたか否かを判断する(S419)。平行移動が指示された場合(S419のYes)は、縮尺表示制御部29は、縮尺表示51を所定量(またはユーザにより指示された量)だけ平行移動させる(S421)。例えば図11(B)及び図11(C)に示すように、ユーザの操作キー14を介した指示に基づいて、縮尺表示51を対象物X6のより近隣に平行移動させる。
【0076】
平行移動が指示されなかった場合(S419のNo)、あるいはS421の処理を行った場合は、縮尺表示制御部29は、縮尺表示51の回転移動が指示されたか否かを判断する(S423)。回転移動が指示された場合(S423のYes)は、縮尺表示制御部29は、縮尺表示51の縮尺バー51aを所定角度(またはユーザにより指示された角度)だけ回転移動させる(S425)。例えば図11(C)及び図11(D)に示すように、ユーザの操作キー14を介した指示に基づいて、縮尺表示51の縮尺バー51aを対象物X6に合わせて回転移動させる。
【0077】
回転移動が指示されなかった場合(S423のNo)、あるいはS425の処理を行った場合は、再びS415に戻って、縮尺表示制御部29は測量モードを継続する。携帯電話機1は、ユーザの指示に基づいてステップS415乃至S425の処理を繰り返すことにより、縮尺表示51を所定の位置・角度に設定する。
【0078】
このように、携帯電話機1は測量モードを起動した際、ユーザの指示に基づいて長さの縮尺表示を行い、ユーザの指示に基づいてこの縮尺表示51を縦横変換、平行移動、回転移動させることにより、測量の対象物に対して測量しやすい位置に測量しやすい角度で縮尺表示51を表示させる。
【0079】
本発明に係る携帯情報機器(携帯電話機1)の実施例3によると、CCDカメラ16を用いて撮像処理を行う際、ズーム倍率に基づいて長さの縮尺表示を行うとともに、ユーザの指示により、撮像対象物の測量が行いやすいようにこの縮尺表示51を縦横変換、平行移動、回転移動させることにより、ユーザが撮像対象物の長さや幅等のサイズを視覚的に測量することが可能となる。
【実施例4】
【0080】
本発明に係る携帯情報機器の実施例4について図12及び図13に基づいて説明する。なお実施例4は、実施例1乃至実施例3と同様に、本発明に係る携帯情報機器として、携帯電話機1を例に挙げて説明する。
【0081】
図12は、携帯電話機1が縮尺表示処理を行う際の手順を示すフローチャートである。携帯電話機1の実施例3では、CCDカメラ16を用いた撮像を行う際に長さの縮尺表示を行うとともに、この縮尺表示51について、対象物の形状に合わせて長さやメモリ単位を変更することができる。
【0082】
ユーザは、携帯電話機1を用いて測量を行う際に、まず操作キー14等を用いてCCDカメラ16を起動するように指示を出す。そこで、カメラ制御部27は、CCDカメラ16の起動が指示されたか否かを判断する(S501)。CCDカメラ16の起動が指示されていない場合(S501のNo)は、カメラ制御部27は変化するまで待機する。
【0083】
CCDカメラ16の起動が指示された場合(S501のYes)は、カメラ制御部27はカメラを起動して、通常撮像モードにて撮像処理を行う(S503)。そして、測量制御部28は、測量モードの起動の指示がされたか否かを判断する(S505)。測量モードの起動が指示されていない場合(S505のNo)は、カメラ制御部27が通常撮像モードにてCCDカメラ16による撮像処理を継続する。
【0084】
測量モードの起動が指示された場合(S505のYes)は、測量制御部28は、測量モードを起動する(S507)。測量モードが起動されると、測量制御部28は、実施例1のステップS109乃至S119に示すように、ピントが合っている物を測量の対象物に設定して、この対象物にハイライトや強調表示を行う。
【0085】
縮尺表示制御部29は、縮尺表示が指示されたか否かを判断する(S509)。この指示は、例えばユーザが操作キー14を用いて任意のキー操作を行うことによってされる。縮尺表示が指示されていない場合(S509のNo)は、縮尺表示制御部29はそのまま待機する。
【0086】
縮尺表示が指示された場合(S509のYes)は、縮尺表示制御部29は、カメラ制御部27からCCDカメラ16において現在設定されているズーム倍率を取得する(S511)。また縮尺表示制御部29は、液晶ディスプレイ15の表示画面50に表示されている画像(CCDカメラ16で撮像されている画像)に重ねるようにして、縮尺表示を行う(S513)。
【0087】
縮尺表示51の縮尺バー51aは、例えば図13(A)に示すように、測量の対象物X7の近隣に表示される。縮尺表示51の縮尺バー51aは対象物X7に対して視覚的に測量が行える位置において、対象物X7の測量に適した長さやメモリ単位で表示されることが望ましいが、必ずしもユーザにとって理想的な長さやメモリ単位で表示されるとは限らないため、携帯電話機1は、ユーザにより操作キー14を用いて縮尺表示51の縮尺バー51aの長さやメモリ単位を変更したりすることができるように構成されている。
【0088】
縮尺表示制御部29は、縮尺表示51の長さの変更が指示されたか否かを判断する(S515)。縮尺表示51の長さの変更が指示された場合(S515のYes)は、縮尺表示制御部29は、縮尺表示51の縮尺バー51aを所定量(またはユーザにより指示された量)だけ長く(あるいは短く)する(S517)。例えば図13(A)及び図13(B)に示すように、ユーザの操作キー14を介した指示に基づいて、縮尺表示51の縮尺バー51aの長さを対象物X7の長さに合わせて変更する。
【0089】
縮尺表示51の長さの変更が指示されなかった場合(S515のNo)、あるいはS517の処理を行った場合、縮尺表示制御部29は、縮尺表示51のメモリ表示が指示されたか否かを判断する(S519)。縮尺表示51のメモリ表示が指示された場合(S519のYes)は、縮尺表示制御部29は、縮尺表示51に対してメモリ51bを表示する(S521)。例えば図13(C)に示すように、ユーザの操作キー14を介した指示に基づいて、メモリ51bを表示する。なお、始めにメモリ51bを表示していた場合、ユーザの指示に基づいてこのメモリ51bを表示しないようにしても良い。
【0090】
縮尺表示51のメモリ表示が指示されなかった場合(S519のNo)、あるいはS521の処理を行った場合、縮尺表示制御部29は、縮尺表示51のメモリ単位の変更が指示されたか否かを判断する(S523)。縮尺表示51のメモリ単位の変更が指示された場合(S523のYes)は、縮尺表示制御部29は、縮尺表示51を所定のメモリ単位(またはユーザにより指示されたメモリ単位)に変更する(S525)。例えば図13(C)及び図13(D)に示すように、ユーザの操作キー14を介した指示に基づいて、縮尺表示51のメモリ単位を例えば1メモリ25cmから1メモリ10cmに変更する。
【0091】
メモリ単位の変更が指示されなかった場合(S523のNo)、あるいはS525の処理を行った場合は、再びS515に戻って縮尺表示制御部29は測量モードを継続する。携帯電話機1は、ユーザの指示に基づいてステップS515乃至S525の処理を繰り返すことにより、縮尺表示51の縮尺バー51aの長さの変更やメモリ51bの表示有無、メモリ単位の変更を行い、縮尺表示51の縮尺バー51aの長さやメモリ51bのメモリ単位を設定する。
【0092】
このように、携帯電話機1は測量モードを起動した際、ユーザの指示に基づいて長さの縮尺表示を行い、ユーザの指示に基づいてこの縮尺表示51の縮尺バー51aの長さを変更したりメモリ51bのメモリ単位を変更したりすることにより、測量の対象物に対して測量しやすい長さやメモリ単位で縮尺表示51を表示させる。
【0093】
本発明に係る携帯情報機器(携帯電話機1)の実施例4によると、CCDカメラ16を用いて撮像処理を行う際、ズーム倍率に基づいて長さの縮尺表示を行うとともに、ユーザの指示により、撮像対象物の測量が行いやすいようにこの縮尺表示51の縮尺バー51aの長さやメモリ51bのメモリ単位を変更することにより、ユーザが撮像対象物の長さや幅等のサイズを視覚的に測量することが可能となる。
【実施例5】
【0094】
本発明に係る携帯情報機器の実施例3について図14及び図15に基づいて説明する。なお実施例5は、実施例1乃至実施例4と同様に、本発明に係る携帯情報機器として、携帯電話機1を例に挙げて説明する。
【0095】
図14は、携帯電話機1が縮尺表示処理を行う際の手順を示すフローチャートである。携帯電話機1の実施例5では、CCDカメラ16を用いた撮像を行う際に長さの縮尺表示を行うとともに、この縮尺表示に基づいて、携帯電話機1から測量の対象物までの距離を測量することができる。
【0096】
ユーザは、携帯電話機1を用いて対象物までの距離の測量を行う際に、まず操作キー14等を用いてCCDカメラ16を起動するように指示を出す。そこで、カメラ制御部27は、CCDカメラ16の起動が指示されたか否かを判断する(S601)。CCDカメラ16の起動が指示されていない場合(S601のNo)は、カメラ制御部27は変化するまで待機する。
【0097】
CCDカメラ16の起動が指示された場合(S601のYes)は、カメラ制御部27はカメラを起動して、通常撮像モードにて撮像処理を行う(S603)。そして、測量制御部28は、測量モードの起動の指示がされたか否かを判断する(S605)。測量モードの起動が指示されていない場合(S605のNo)は、カメラ制御部27が通常撮像モードにてCCDカメラ16による撮像処理を継続する。
【0098】
測量モードの起動が指示された場合(S605のYes)は、測量制御部28は、測量モードを起動する(S607)。測量モードが起動されると、測量制御部28は、実施例1のステップS109乃至S119に示すように、ピントが合っている物を測量の対象物に設定して、この対象物にハイライトや強調表示を行う。
【0099】
測量制御部28は、対象物までの距離の測量が指示されたか否かを判断する(S609)。この指示は、例えばユーザが操作キー14を用いて任意のキー操作を行うことによってされる。対象物までの距離の測量が指示されていない場合(S609のNo)は、測量制御部29は測量モードを継続してそのまま待機する。
【0100】
対象物までの距離の測量が指示された場合(S609のYes)は、測量制御部29は、距離の測量を行う対象物を決定する(S611)。この際、実施例1のステップS109乃至S119に示すような処理により、ユーザの操作キー14を介した指示に基づいて測量の対象物を決定すると良い。測量制御部28は、この対象物に対してハイライトや強調表示を行う。
【0101】
測量制御部28は、ユーザに対して、対象物の実際の長さを入力するように促す。この際、例えば図15(A)に示すように、測量の対象物X8の実際の長さを入力するための入力欄51fを表示することにより、ユーザに入力を促す。ユーザは数字キー14a等の操作キー14を用いて、測量の対象物X8の実際の長さを入力する。
【0102】
測量制御部28は、測量の対象物の実際の長さが入力されたか否かを判断する(S615)。測量の対象物の実際の長さが入力されていない場合(S615のNo)は、測量制御部28は入力されるまで待機する。測量の対象物の実際の長さが入力された場合(S615のYes)は、測量制御部28は、入力された値を取得する(S617)。
【0103】
測量制御部28は、液晶ディスプレイ15の表示画面50上における測量の対象物の長さを取得する(S619)。この際、図15(B)及び図15(C)に示すように、CCDカメラ16のズーム倍率を変更して、測量の対象物X8を適当な大きさに変更して(例えば表示画面50に対象物全体が大きく表示されるように)表示することにより、測量の精度を向上させることができる。また測量制御部28は、CCDカメラ16に設定されているズーム倍率を取得する(S621)。
【0104】
測量制御部28は、617にて取得した測量の対象物の実際の長さ、S619にて取得した測量の対象物の表示画面50上における長さ、及びS621にて取得したズーム倍率等を用いて、対象物までの距離を算出する(S623)。測量制御部28は、S623にて算出した対象物までの距離を液晶ディスプレイ15の表示画面50に表示する(S625)。例えば図15(C)に示すように、携帯電話機1から対象物X8までの距離は、距離表示欄51gに表示される。
【0105】
このように、携帯電話機1は測量モードが起動された際、測量の対象物の実際の長さが指定されると、CCDカメラ16にてこの測量の対象物を撮像することにより、この対象物の実際の長さ、この対象物の表示画面50上の長さ、及びズーム倍率等を用いて携帯電話機1からこの対象物までの距離を測量することができる。
【0106】
本発明に係る携帯情報機器(携帯電話機1)の実施例5によると、CCDカメラ16を用いて撮像処理を行う際、ズーム倍率に基づいて長さの縮尺表示を行うとともに、ズーム倍率、撮像対象物の表示画面50上の長さ、及び撮像対象物の実際の長さに基づいて、この携帯電話機1から撮像対象物までの実際の距離を測量することが可能となる。
【0107】
なお、本発明に係る携帯情報機器(携帯電話機1)を、カメラのファインディング状態において携帯電話機1の装置を変形させた際に、UI操作を変更後の形状に合ったUI操作に変更されるように構成し、撮像中でも縮尺表示等のUI操作が容易に行えるようにすると良い。また、携帯電話機1において測量モードを起動した際、通常撮影モードの状態とは異なったUI操作を行うように構成することによって、CCDカメラ16を用いて測量を行う際の操作性が向上させることができる。
【0108】
また、サイズが既知の対象物を用いて、固定のズーム倍率によりCCDカメラ16のピントを合わせることにより、縮尺表示の際の縮尺バー51aのメモリ51bのメモリ単位を補正すると良い。または、サイズが既知の対象物を用いて、携帯電話機1とこの対象物とを固定の距離だけ離れた位置に設定し、ズーム倍率を調整してカメラのピントを合わせることにより、縮尺表示の際のメモリ51bのメモリ単位を補正すると良い。
【0109】
また、CCDカメラ16を用いて測量された測量データをアプリケーションのデータとして記憶部24や測量データ記憶部28aに記憶すると良い。これにより、例えば、身長を計測して、電話帳データやプロフィールデータ等に併せて記憶することが可能となる。
【0110】
また、CCDカメラ16を用いて測量された測量データを、その際に撮像された画像データ(動画を含む)に合成して、測量データ付きの画像データとして記憶部24または測量データ記憶部28aに記憶すると良い。
【0111】
また、計測データ(対象物の長さ/ズーム倍率/対象物までの距離等)をアンテナ37を介して他の通信端末に送信することにより、他の通信端末で利用することが可能となる。または携帯電話機1がテレビ電話機能を有する場合、撮像されている画像と併せて縮尺情報を送信し、相手の通信端末に表示させることが可能となる。
【0112】
本発明の説明として、携帯電話機1について説明したが、これに限らず、PHS(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Digital Assistants)、デジタルカメラ等、カメラ機能を備えていれば任意の携帯情報機器であって構わない
【符号の説明】
【0113】
1…携帯電話機,11…ヒンジ部,12…第1の筐体,13…第2の筐体,14、14a乃至14f…操作キー,15…液晶ディスプレイ,16…CCDカメラ,17…スピーカ,18…マイクロフォン,20…主制御部,21…電源回路部,22…操作入力制御部,23…表示制御部,24…記憶部,25…音声コーデック,26…変復調回路部,27…カメラ制御部,28…測量制御部,28a…測量データ記憶部,29…縮尺表示制御部,36…送受信回路部,37…アンテナ,50…表示画面,51…縮尺表示,51a…縮尺バー,51b…メモリ,51c…測量バー,51d…長さ表示欄,51e…基準値を示す縮尺表示,51f…長さ入力欄,51g…距離表示欄,X1乃至X8…測量の対象物。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ズーム倍率を自在に設定して撮像可能な撮像手段と、
前記撮像手段に設定されているズーム倍率に基づいて長さの縮尺表示を作成する作成手段と、
前記撮像手段により撮像されている撮像画像、及び、前記作成手段により作成された縮尺表示を重ねて表示する表示手段と、
撮像対象物の実際の長さをユーザに入力させるための入力欄を前記表示手段に表示させる制御部と、
を備え、
前記制御手段は、前記入力された前記撮像対象物の実際の長さと、前記ズーム倍率と、前記撮像画像の前記表示手段上の長さとに基づいて前記撮像対象物までの距離を算出し、
前記表示手段は、前記縮尺表示と前記算出された距離とを前記撮像画像に重ねて表示することを特徴とする携帯情報機器。
【請求項2】
前記表示手段は、前記撮像手段により撮像されている前記撮像対象物の撮像画像から、所定の閾値を用いて二階調化して前記撮像撮像対象物の輪郭を抽出して、前記撮像対象物の輪郭の強調表示を行うことを特徴とする請求項1記載の携帯情報機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−21733(P2013−21733A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−238194(P2012−238194)
【出願日】平成24年10月29日(2012.10.29)
【分割の表示】特願2007−235748(P2007−235748)の分割
【原出願日】平成19年9月11日(2007.9.11)
【出願人】(310022372)富士通モバイルコミュニケーションズ株式会社 (219)
【Fターム(参考)】