説明

携帯情報端末用ケース

【課題】携帯情報端末が脱落することを防止して、安心して携行することができる携帯情報端末用ケースを提供すること。
【解決手段】携帯情報端末を収納可能なケース本体を有する携帯情報端末用ケースにおいて、携帯情報端末の背面を被覆する背面被覆部と、携帯情報端末の両側面を被覆保持する側面保持部と、携帯情報端末の頂面を被覆して当該携帯情報端末が上側へ脱落することを防止する上側脱落防止部と、上側脱落防止部の端部に配設され、携帯情報端末の前面側上端を係止する係止部と、各側面保持部の下端に、背面被覆部の下端よりも下方へ突出し、携帯情報端末が下側へ脱落することを防止する下側脱落防止部と、下側脱落防止部と一体形成され、携帯情報端末が前側に脱落することを防止する前側脱防止部とを有することとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小型の携帯情報端末を携行する際に、携帯情報端末を収納する携帯情報端末用ケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電子手帳やノート型のパーソナルコンピュータ、携帯音楽ファイルプレーヤなどといった小型の携帯情報端末(以下、「PDA:Personal Digital Assistants」という。)が急速に普及しており、このPDAは、小型であるため携帯して外出先で使用することができる。
【0003】
このPDAを携帯する場合は、通常、PDAを衝撃から保護するためにPDA専用のケース(以下、「PDA用ケース」という。)に収納するようにしている。
【0004】
このようなPDA用ケースとして、PDAの背面側を覆う背面被覆部を少なくとも有するケース本体と、その背面被覆部に設けられPDAの側部を保持するホルダ部とを具備し、背面被覆部の下端をPDAの下端よりも上方位置に設定し、且つPDAの下端部全域を開放することにより、このPDA用ケースの開放している部分から露出しているPDAのインターフェースを介してパーソナルコンピュータなどの外部装置と接続し、ケースに収納したままの状態で、PDAと外部装置とを同期させるようにしたPDA用のケースが提案されている(たとえば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2003−110679号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが上記従来のPDA用のケースは、背面被覆部に設けたホルダ部によりPDAの側部を保持するような構成であったため、長期にわたりPDA用ケースを使用しているうちにホルダ部によるPDAを保持する力が低下して、PDAがPDA用ケースから脱落してPDAを紛失又は破損させてしまうおそれがあり、PDAを安心して携行することができないおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、請求項1に係る本発明では、矩形薄箱形状の筐体を有する携帯情報端末を収納可能なケース本体を有し、ケース本体が、携帯情報端末の背面を被覆する背面被覆部と、当該背面被覆部と一体形成され携帯情報端末の両側面を被覆保持する一対の側面保持部とを有する携帯情報端末用ケースにおいて、ケース本体は、収納した携帯情報端末の頂面を被覆することにより、当該携帯情報端末が上側へ脱落することを防止する上側脱落防止部と、この上側脱落防止部の端部に配設され、収納した携帯情報端末の前面側上端を係止する係止部と、各側面保持部の下端に、背面被覆部の下端よりも下方へ突出し、携帯情報端末が下側へ脱落することを防止する下側脱落防止部と、これら下側脱落防止部と一体形成され、携帯情報端末が前側に脱落することを防止する前側脱落防止部とを有することを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に係る本発明では、請求項1に記載の携帯情報端末用ケースにおいて、収納した携帯情報端末の前面を被覆するように、ケース本体に着脱自在に構成した前面保護部材を設け、前面保護部材は、収納した携帯情報端末の前面を透視可能な材料により形成すると共に、当該前面保護部材の両側端部にケース本体と係合する係合爪を有することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に係る本発明では、請求項1又は請求項2に記載の携帯情報端末用ケースにおいて、ケース本体の背面側に、一端が固定された板バネを配設し、当該板バネの他端と背面被覆部との間で被挟持物を挟持するクリップを有することを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に係る本発明では、請求項1〜3のいずれか1項に記載の携帯情報端末用ケースにおいて、ケース本体は、背面被覆部の上端から、収納した携帯情報端末の上端よりも上方へ突出した上端突出部を有し、この上端突出部に、ストラップ用の円形の通し穴、及び/又は、長円形のストラップ用の通し穴を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、以下に記載するような効果を奏する。
【0011】
すなわち、請求項1に係る本発明では、矩形薄箱形状の筐体を有する携帯情報端末を収納可能なケース本体を有し、ケース本体が、携帯情報端末の背面を被覆する背面被覆部と、当該背面被覆部と一体形成され携帯情報端末の両側面を被覆保持する一対の側面保持部とを有する携帯情報端末用ケースにおいて、ケース本体は、収納した携帯情報端末の頂面を被覆することにより、当該携帯情報端末が上側へ脱落することを防止する上側脱落防止部と、この上側脱落防止部の端部に配設され、収納した携帯情報端末の前面側上端を係止する係止部と、各側面保持部の下端に、背面被覆部の下端よりも下方へ突出し、携帯情報端末が下側へ脱落することを防止する下側脱落防止部と、これら下側脱落防止部と一体形成され、携帯情報端末が前側に脱落することを防止する前側脱落防止部とを有することを特徴とするため、携帯情報端末用ケースに収納した携帯情報端末を上下、左右、前後の各方向から保持することによって携行中に脱落することを防止することができるので、携帯情報端末を安心して携行することができる携帯情報端末用ケースを提供することができる。
【0012】
また、請求項2に係る本発明では、請求項1に記載の携帯情報端末用ケースにおいて、収納した携帯情報端末の前面を被覆するように、ケース本体に着脱自在に構成した前面保護部材を設け、前面保護部材は、収納した携帯情報端末の前面を透視可能な材料により形成すると共に、当該前面保護部材の両側端部にケース本体と係合する係合爪を有することを特徴とするため、携帯情報端末が携帯情報端末用のケースの前側へ脱落することをより一層確実に防止できるので、携帯情報端末を安心して携行することができる携帯情報端末用ケースを提供することができ、さらに、筐体の前面に液晶表示装置等の情報表示部が配設されている携帯情報端末を収納した際、その情報表示部に表示される情報を携帯情報端末用ケースの外部から視認することができ、しかも、情報表示部を外的衝撃から保護することもできる。
【0013】
また、請求項3に係る本発明では、請求項1又は請求項2に記載の携帯情報端末用ケースにおいて、ケース本体の背面側に、一端が固定された板バネを配設し、当該板バネの他端と背面被覆部との間で被挟持物を挟持するクリップを有することを特徴とするため、このクリップにより携帯情報端末用ケースを着衣や他の携帯品に取付けた状態で携帯情報端末を携行することができるので、携帯情報端末が脱落して紛失するおそれがなく、携帯情報端末を安心して携行することができる携帯情報端末用ケースを提供することができる。
【0014】
また、請求項4に係る本発明では、請求項1〜3のいずれか1項に記載の携帯情報端末用ケースにおいて、ケース本体は、背面被覆部の上端から、収納した携帯情報端末の上端よりも上方へ突出した上端突出部を有し、この上端突出部に、ストラップ用の円形の通し穴、及び/又は、長円形のストラップ用の通し穴を有することを特徴とするため、ストラップ用の通し孔に首掛けタイプや、クリップタイプのストラップを結付けることができ、これにより、携帯情報端末が紛失することを防止しながら、安心して携行することができる携帯情報端末用ケースを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係る携帯情報端末用ケースの一実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0016】
図1は、携帯情報端末用ケース(以下、「携帯用ケース」という。)を構成するケース本体を示す斜視図であり、図2は、携帯用ケースを構成する前面保護部材を示す斜視図、図3は、携帯情報端末を収納した状態の携帯用ケースを示す斜視図、図4は、携帯用ケースの前面を示す説明図、図5は、携帯用ケースの背面を示す説明図、図6は、携帯用ケースの上面を示す説明図、図7は、携帯用ケースの底面を示す説明図、図8は、携帯用ケースの右側面を示す説明図、図9は、携帯用ケースの左側面を示す説明図、図10は、図4のA−A線における断面図、図11及び図12及び図13は、携帯用ケースの使用形態を示す説明図、図14は、携帯用ケースの他の実施形態を示す説明図である。
【0017】
本実施形態に係る携帯用ケース1は、図1に示すケース本体2と、図2に示す前面保護部材3とを備えており、図3に示すように、矩形薄箱形状の筐体5aを有する携帯情報端末5の前面側を手前にしてケース本体2に取付け収納した後、携帯情報端末5の前面側の所定領域を被覆するように、前面保護部材3をケース本体2に取付けた状態で携帯情報端末5を携行するために用いるものである。
【0018】
本実施形態では、携帯情報端末5として、矩形薄箱形状の筐体5aの前面側上部に液晶表示部5bを備えると共に、筐体5aの前面側下部に操作部5cを備え、筐体5aの底部に情報入出力端子となるインターフェース5d及び音声出力端子となるイヤホン挿入端子5eが設けられ、筐体5aの頂面に操作部5cの操作を無効にするホールドスイッチ5fが設けられており、インターフェース5dから入力した音楽データを筐体5a内部の記憶部(図示略)に記憶させ、操作部5cを操作することにより、イヤホン挿入端子5eに接続したイヤホン24(図12及び図13参照)を用いて音楽データを聞くことができる携帯型音楽プレーヤを例に挙げて説明するが、本発明は、これに限定されるものではなく、他の携帯情報端末5に対しても適用することができる。
【0019】
なお、以下の説明では、携帯情報端末5をプレーヤ5と称することとする。
【0020】
図1及び図3に示すように、携帯用ケース1を構成するケース本体2は、収納したプレーヤ5の背面を被覆すると共に保持する背面被覆部6と、この背面被覆部6と一体形成され、プレーヤ5の両側面を被覆保持する一対の側面保持部7と、プレーヤ5の頂面を被覆することにより、当該プレーヤ5が上側へ脱落することを防止する上側脱落防止部8と、各側面保持部7の下端に、背面被覆部6の下端よりも下方へ突出し、プレーヤ5が下側へ脱落することを防止する下側脱落防止部9と、これら下側脱落防止部9と一体形成され、プレーヤ5が前側に脱落することを防止する前側脱落防止部10とを備えており、これらは全て樹脂材料により一体形成されたものである。
【0021】
なお、図1中の符号11は後述する上端突出部であり、12、12はストラップ用の円形の通し穴、13はストラップ用の長円形の通し穴である。
【0022】
また、図2及び図3に示すように、携帯用ケース1を構成する前面保護部材3は、収納したプレーヤ5の前面を被覆するように、ケース本体2に着脱自在に構成したものであり、好適には、収納したプレーヤ5の前面に設けられている液晶表示部5bを被覆保護可能な位置に配設するものであり、液晶表示部5bを外的衝撃から保護することができるようにしている。
【0023】
さらに、この前面保護部材3は、収納したプレーヤ5の前面に設けられている液晶表示部5bに表示される情報を透視可能な材料(たとえば、透明な樹脂材料)により形成するようにしており、携帯用ケース1に収納したまま、液晶表示部5bに表示される再生中の曲名などを示す情報を視認することができるようにしている。
【0024】
また、この前面保護部材3は、両側端部の所定位置にケース本体2と係合する係合爪14、14を備えており、この係合爪14、14をケース本体2に形成された被係合部14a、14aに係合することによってケース本体2に着脱自在に取付けられる。
【0025】
そして、プレーヤ5をケース本体2に収納した後に、この前面保護部材3をケース本体2に取付けることにより、ケース本体2の背面被覆部6と前面保護部材3との間でプレーヤ5を挟持し、プレーヤ5が携帯用ケース1の前側から脱落することを防止するようにしている。
【0026】
また、この前面保護部材3は、図3に示すように、収納したプレーヤ5前面側において、液晶表示部5b以外の領域、すなわち、操作部5cの領域は被覆せず露出させるような形状とすることにより、プレーヤ5を携帯用ケース1から取出すことなく操作部5cを操作することができるようにしている。
【0027】
ここで、このように構成した携帯用ケース1の形状について、図4〜図10を参照して、さらに具体的に説明する。
【0028】
ケース本体2は、図4及び図5に示すように、樹脂により形成した縦長略長方形上の薄板からなる背面被覆部6を備えている。
【0029】
この背面被覆部6は、収納するプレーヤ5の筐体5aの背面と略同一形状としているが、その下端が収納したプレーヤ5の下端よりも上側に位置するように形成している。
【0030】
また、背面被覆部6の上端には、当該背面被覆部6と同一材料により一体形成された薄板からなる上端突出部11を備えている。
【0031】
そして、この上端突出部11には、中央にストラップ用の長円形の通し穴13が形成されており、ストラップ用の長円形の通し穴13の左右両側に、ストラップ用の円形の通し穴12、12を備えている。
【0032】
また、背面被覆部6の上端には、収納したプレーヤ5が上側に脱落することを防止する上側脱落防止部8を背面被覆部6の上端縁から前側に立設している。
【0033】
この上側脱落防止部8は、図6に示すように、収納したプレーヤ5のホールドスイッチ5fに対応する位置に、このホールドスイッチ5fを携帯用ケース1の外部から操作するためのスイッチ用穴15を備えている。
【0034】
さらに、この上側脱落防止部8の上端には、図8〜図10に示すように、収納したプレーヤ5の前面側上端を係止することにより、プレーヤ5がケース本体2の前側から脱落することを防止する係止部16を備えている。
【0035】
この係止部16は、背面被覆部6の上端から側面視略垂直に立設している上側脱落防止部8の上端から、背面被覆部6の下端側方向へカギ型に突出した爪であり、この爪と背面被覆部6とにより収納したプレーヤ5の前面上端部を挟持して、プレーヤ5が携帯用ケース1から脱落することを防止するようにしている。
【0036】
また、図4に示す背面被覆部6の両側端縁部には、収納したプレーヤ5が横側に脱落することを防止する左右一対の側面保持部7を背面被覆部6の両側端縁から前側に立設している。
【0037】
そして、この左右一対の側面保持部7の間でプレーヤ5の両側面を被覆すると共に挟み込むことによって、プレーヤ5が携帯用ケース1の横側から脱落することを防止している。
【0038】
また、この側面保持部7は、図4に示すように、上側脱落防止部8と連続して背面被覆部6と共に一体形成されており、その上端が図8及び図9に示すように、上側脱落防止部8の上端よりも低くなるように形成している。
【0039】
このように、側面保持部7の高さを上側脱落防止部8の高さよりも低く形成することにより、プレーヤ5を収納した状態においてプレーヤ5の側面における背面側を側面保持部7で被覆保持すると共に、プレーヤ5の側面における前面側を側面保持部7から露出させることができる。
【0040】
そのため、プレーヤ5を携帯用ケース1から取外す場合には、プレーヤ5の両側面の露出している部分を指で挟んで取外すことができ、プレーヤ5を携帯用ケース1から容易に取外すことができる。
【0041】
また、側面保持部7は、図5及び図8及び図9に示すように、側面保持部7の下端に連続して、背面被覆部6よりも下方へ突出し、その先端部分が携帯用ケース1の内方に湾曲してプレーヤ5の下側角部を下方から抱持することにより、下側へ脱落することを防止する下側脱落防止部9を備えている。
【0042】
さらに、この下側脱落防止部9の前面側には、図4及び図5に示すように、一対の下側脱落防止部9の間に短冊上の薄板を架設して形成した前側脱落防止部10を備えている。
【0043】
この前側脱落防止部10は、当該前側脱落防止部10と背面被覆部6との間でプレーヤ5を挟むことにより、プレーヤ5がケース本体2から前側に脱落することを防止すると共に、上記した係止部16と共同してプレーヤ5がケース本体2の前側から脱落することを防止するようにしている。
【0044】
このようにケース本体2を形成したことにより、ケース本体2の底部には、図7及び図10に示すように、プレーヤの底面よりもやや面積の狭い開口17が形成される。
【0045】
具体的には、ケース本体2の底面視において、下側脱落防止部9が湾曲している分だけプレーヤ5の幅よりも幅が狭く、プレーヤ5の厚みと等しい高さを有する開口17が形成される。
【0046】
このように、ケース本体2の底部に開口17を設けたことにより、プレーヤ5を携帯用ケース1に収納したままの状態で、プレーヤ5の底部に設けられているインターフェース5dにパーソナルコンピュータなどの周辺機器と接続された接続ケーブルを接続することができ、プレーヤ5内部の記憶領域に音楽データなどの書き込みを行える他、図11に示すように、充電器などの機能を備えるクレードル18に接続することもできる。
【0047】
また、この開口17は、図5に示すように、ケース本体2の背面被覆部6下端近傍において、前側脱落防止部10と同様の形状となるように形成することにより、ケース本体の厚みを可及的に薄く構成しながらも、プレーヤ5をケース本体2に余計な力を加えることなく挿入して収納させることができるようにしている。
【0048】
すなわち、ケース本体2の内形をプレーヤ5の外形とほぼ同一形状となるように形成した場合に、プレーヤ5をケース本体に挿入しようとすると、挿入時にケース本体2に対して力を加え、その形状を多少変形させながら挿入して収納させなければならないが、本実施形態のケース本体2のように、ケース本体2の底面からケース本体2の背面下端部にかけて連続した開口17を形成したことで、以下の手順によりケース本体2に余計な力を加えることなく、プレーヤ5をケース本体2に挿入して容易に収納させることができる。
【0049】
まず、プレーヤ5の下端部をケース本体2の前側脱落防止部10と背面被覆部6との間に挟み込むようにして斜め上方から開口17へ挿入する。
【0050】
このとき、ケース本体2の底面から背面被覆部6にかけて連続した開口17から、プレーヤ5の背面側下端部が突出する。
【0051】
次に、プレーヤ5の前面側を押圧することにより、プレーヤ5の背面を背面被覆部6に当接させてケース本体2に収納する。
【0052】
このようにプレーヤ5をケース本体2に挿入する際に、プレーヤ5の背面側下端部を開口17から一旦突出させ、その後、プレーヤ5を前面側から押圧してケース本体2に収納するため、プレーヤ5を収納する際の押圧力を開口17により逃がすことができるので、ケース本体2に余計な力を加えることなくプレーヤ5を収納させることができ、ケース本体2の破損を防止することができる。
【0053】
このようにしてケース本体2に収納したプレーヤ5は、その背面が背面被覆部6により支持され、その両側面が側面保持部7により支持され、その頂面が上側脱落防止部8により支持され、その底面における角部が下側脱落防止部9により保持されるので、この上下左右方向へ脱落することがない。
【0054】
また、収納されたプレーヤ5は、前側脱落防止部10と背面被覆部6との間で挟持され、さらに、係止部16によりプレーヤ5の前側上端部が係止されるので、ケース本体2から前側に脱落することもない。
【0055】
さらに、プレーヤ5をケース本体2に収納した状態で、前面保護部材3をケース本体2に取付けることにより、プレーヤ5の液晶表示部5bを保護しながらプレーヤ5が携帯用ケース1から前側へ脱落することを一層確実に防止することができる。
【0056】
また、このケース本体2は、図8〜10に示すように、背面側に一端が固定された板バネ19を配設し、この板バネ19の他端と背面被覆部6との間で被挟持物を挟持するクリップ20を備えている。
【0057】
そして、このケース本体2は、図4〜図7に示すように、背面被覆部6の中央よりやや上側に形成された穴状に、当該ケース本体2の上面視(図6参照)において板バネ19の厚さと略同一の空間を形成するように架設した板バネ支持部21を備えており、この板バネ支持部21により形成した空間に板バネ19を嵌入することにより、板バネ19の一端を背面被覆部6の背面側に固定するようにしている。
【0058】
なお、図4における符号21aは、板バネ19の配設位置を決定すると共に、嵌入した板バネ19がずれることを防止するために、板バネ支持部21前側に突設した位置決め凸部21aであり、この位置決め凸部21aを板バネ19に形成した穴に嵌合することにより、板バネ19の配設位置を規制するようにしている。
【0059】
このように、ケース本体2がクリップ20を備えているため、携帯用ケース1を手に持って携行する必要がなく、図12に示すように、クリップ20でベルト22に取付けて携行することができる。なお、図12に示す使用形態は、一例を示したにすぎず、シャツ、上着、バッグなどのポケット等、クリップ20で携帯用ケース1を取付け可能なところであれば、任意のものに取付けた状態でプレーヤ5を携行することができる。
【0060】
また、上記のように、ケース本体2は、ストラップ用の円形の通し穴12及びストラップ用の長円形の通し穴13を備えているので、図13に示すように、これらの通し穴12、13にストラップ23を通し、携帯用ケース1を首から提げて携行することもできる。なお、図12及び図13に示す符号24はイヤホンである。
【0061】
次に、本発明に係る携帯用ケースの他の実施形態について、図14を参照して説明する。なお、図14において、図1〜13に示す携帯用ケース1と同様の構成要件については、同一の符号を付することによりその説明を省略する。
【0062】
図14に示すように、この実施形態に係る携帯用ケース30は、前面保護部材31の構成以外に関しては図1〜図13に示す携帯用ケース1と同様の構成である。
【0063】
この携帯用ケース30が備える前面保護部材31は、プレーヤ5の液晶表示部5bを被覆する部分が拡大鏡の機能を備えた構造をしている。
【0064】
すなわち、この前面保護部材31は、液晶表示部5bと当接する面が平坦であり、この平坦な面と対向する前面側の面が周縁部から中央部にかけて凸状に湾曲した平凸レンズの形状となるように形成されている。
【0065】
このように前面保護部材31を形成したことにより、液晶表示部5bを保護すると共に、液晶表示部5bに表示される曲名等の文字データを拡大して見ることができる。
【0066】
さらに、この前面保護部材31は、ケース本体2に取付けた状態で手前側に引き出すことにより、液晶表示部5bとの距離を調整することができるスライド機構32を備えている。
【0067】
このように前面保護部材31がスライド機構32を備えているため、前面保護部材31のスライド量を調整しながら引き出すことにより、液晶表示部5bに表示されている文字データの拡大量を調整しながら見ることができるので、視力の低下や年齢により比較的小さな文字が見え辛い利用者であっても、液晶表示部5bに表示される文字情報を読取ることができる。
【0068】
また、この前面保護部材31は、図2に示す前面保護部材3と同様に、ケース本体2に着脱自在な構造をしており、これにより、前面保護部材31をスライド量が最大のところまで引き出しても文字データを確実に読取ることができない場合に、前面保護部材31をケース本体2から取外して拡大鏡として使用することで、液晶表示部5bに表示される文字データを確実に読取ることができる。
【0069】
以上のように、この実施形態に記載した携帯用ケース30によれば、プレーヤ5が携帯用ケース30から脱落することを防止して、安心してプレーヤ5を携行できるだけでなく、液晶表示部5bに表示される文字データを明確に読取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】携帯用ケースを構成するケース本体を示す斜視図である。
【図2】携帯用ケースを構成する前面保護部材を示す斜視図である。
【図3】携帯情報端末を収納した状態の携帯情報端末用ケースを示す斜視図である。
【図4】携帯用ケースの前面を示す説明図である。
【図5】携帯用ケースの背面を示す説明図である。
【図6】携帯用ケースの上面を示す説明図である。
【図7】携帯用ケースの底面を示す説明図である。
【図8】携帯用ケースの右側面を示す説明図である。
【図9】携帯用ケースの左側面を示す説明図である。
【図10】図4のA−A線における断面図である。
【図11】携帯用ケースの使用形態を示す説明図である。
【図12】携帯用ケースの使用形態を示す説明図である。
【図13】携帯用ケースの使用形態を示す説明図である。
【図14】携帯用ケースの他の実施形態を示す説明図である
【符号の説明】
【0071】
1 携帯情報端末用ケース(携帯用ケース)
2 ケース本体
3 前面保護部材
5 携帯情報端末(プレーヤ)
5a 筐体
5b 液晶表示部
5c 操作部
5d インターフェース
5e イヤホン挿入端子
5f ホールドスイッチ
6 背面被覆部
7 側面保持部
8 上側脱落防止部
9 下側脱落防止部
10 前側脱落防止部
11 上端突出部
12 ストラップ用の円形の通し穴
13 ストラップ用の長円形の通し穴
14 係合爪
14a 被係合部
15 スイッチ用穴
16 係止部
17 開口
18 クレードル
19 板バネ
20 クリップ
21 板バネ支持部
21a 位置決め凸部
22 ベルト
23 ストラップ
24 イヤホン
30 携帯用ケース
31 前面保護部材
32 スライド機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形薄箱形状の筐体を有する携帯情報端末を収納可能なケース本体を有し、前記ケース本体が、前記携帯情報端末の背面を被覆する背面被覆部と、当該背面被覆部と一体形成され前記携帯情報端末の両側面を被覆保持する一対の側面保持部とを有する携帯情報端末用ケースにおいて、
前記ケース本体は、
収納した前記携帯情報端末の頂面を被覆することにより、当該携帯情報端末が上側へ脱落することを防止する上側脱落防止部と、
この上側脱落防止部の端部に配設され、収納した前記携帯情報端末の前面側上端を係止する係止部と、
各前記側面保持部の下端に、前記背面被覆部の下端よりも下方へ突出し、前記携帯情報端末が下側へ脱落することを防止する下側脱落防止部と、
これら下側脱落防止部と一体形成され、前記携帯情報端末が前側に脱落することを防止する前側脱落防止部と、
を有することを特徴とする携帯情報端末用ケース。
【請求項2】
収納した前記携帯情報端末の前面を被覆するように、前記ケース本体に着脱自在に構成した前面保護部材を設け、
前記前面保護部材は、収納した前記携帯情報端末の前面を透視可能な材料により形成すると共に、当該前面保護部材の両側端部に前記ケース本体と係合する係合爪を有することを特徴とする請求項1に記載の携帯情報端末用ケース。
【請求項3】
前記ケース本体の背面側に、一端が固定された板バネを配設し、当該板バネの他端と前記背面被覆部との間で被挟持物を挟持するクリップを有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の携帯情報端末用ケース。
【請求項4】
前記ケース本体は、前記背面被覆部の上端から、収納した前記携帯情報端末の上端よりも上方へ突出した上端突出部を有し、
この上端突出部に、ストラップ用の円形の通し穴、及び/又は、長円形のストラップ用の通し穴を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の携帯情報端末用ケース。










【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−166243(P2007−166243A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−359805(P2005−359805)
【出願日】平成17年12月14日(2005.12.14)
【出願人】(502411861)株式会社ウェルカンパニー (2)
【Fターム(参考)】