説明

携帯用機器

【課題】複数の接続手段を有する携帯用機器において、複数の接続手段が同時に接続された場合であっても確実に情報の送受信を行う携帯用機器を得る。
【解決手段】第1の接続処理はUSB接続に優先してImageLink接続を使用する。ステップS421ではUSBコネクタ及びImageLinkコネクタが接続されているか判断される。ステップS423ではImageLinkコネクタが接続されているか判断される。ステップS425ではデジタルカメラがImageLink接続モードで起動される。ステップS432ではデジタルカメラがUSB接続モードで起動され、ステップS433でImageLinkコネクタが接続されたか判断される。ImageLinkコネクタが接続されたとき、ステップS434においてデジタルカメラはUSB接続プリンタとの接続を切断して、ImageLinkモードに移行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部機器と接続して情報の送受信を行う携帯用機器に関する。
【0002】
携帯用機器には外部機器と接続して情報の送受信を行うものがある。例えばデジタルカメラはプリンタと接続し、デジタルカメラが有する画像情報をプリンタに送信する。画像情報を送信する前に、デジタルカメラはプリンタと接続されたか否かを検知してからプリンタと情報の送受信を行う。
【特許文献1】特開2004−221936号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、デジタルカメラには複数の接続手段を備えるものがある。このようなデジタルカメラが複数の接続手段を用いて同時に複数の外部機器と接続されると、情報の送受信を行う際にデジタルカメラが混乱を来し、送受信されるべき情報が失われるおそれがある。
【0004】
本発明はこの問題に鑑みてなされたものであり、複数の接続手段を有する携帯機器において、複数の接続手段が同時に接続された場合であっても確実に情報の送受信を行う携帯用機器を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の第1の発明による携帯用機器は、複数の外部機器のうちいずれか1つの外部機器と情報を送受信する携帯用機器であって、外部機器と情報を送受信するために用いられる複数の接続手段と、複数の接続手段が複数の外部機器に各々接続されたとき、いずれか1つの接続手段を選択する接続選択手段と、接続選択手段が選択した接続手段を用いて情報を送受信する通信手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
接続選択手段は、各々の接続手段に対し情報の送受信を行うときの優先順位を定め、複数の接続手段が複数の外部機器に各々接続されたとき、最も優先順位の高い接続手段を選択することが望ましい。最も優先順位の高い接続手段による送受信を維持することが可能となる。
【0007】
携帯用機器は、接続選択手段が選択した接続手段に接続された外部機器により、動作が制御されることが好ましい。
【0008】
また、接続選択手段は最も早く外部機器と接続した接続手段を選択してもよい。
【0009】
携帯用機器は、接続手段のうちの1つが外部機器に接続されたことを検知するための判別手段を備え、接続選択手段は、外部機器に接続されたことを判別手段が検知した接続手段を選択するように構成されても良い。外部機器との接続を確実に判別することが可能になる。
【0010】
判別手段は押圧スイッチを備え、判別手段は、押圧スイッチが押圧されたときに、接続手段のうちの1つが外部機器に接続されたと検知しても良い。
【0011】
接続選択手段は、各々の接続手段に対し情報の送受信を行うときの優先順位を定め、接続手段のうちの1つが外部機器に接続されていないことを判別手段が検知したとき、複数の外部機器に各々接続された複数の接続手段から最も優先順位の高い接続手段を選択するように構成されても良い。最も優先順位の高い接続手段による送受信を優先的に使用することが可能となる。
【0012】
接続選択手段は、接続手段の1つが外部機器に接続されていないことを判別手段が検知したとき、最も早く外部機器と接続した接続手段を選択してもよい。
【0013】
本願の第2の発明による印刷システムは、上記携帯用機器と、印刷装置である外部機器とを備えることを特徴とする。
【0014】
本願の第3の発明による携帯用機器接続システムは、上記携帯用機器と上記外部機器とを備え、上記判別手段は携帯用機器の外面に設けられた押圧スイッチを備え、外部機器はその外面に設けられた押圧突起を備え、判別手段は、押圧スイッチが押圧突起により押圧されたときに、接続手段のうちの1つが外部機器に接続されたことを検知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、複数の接続手段を有する携帯機器において、複数の接続手段が同時に接続された場合であっても確実に情報の送受信を行う携帯用機器を得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明による携帯用機器の一実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0017】
図1は本発明による携帯用機器であるデジタルカメラ100を底面側から見た斜視図である。デジタルカメラの正面110にはレンズ111及びフラッシュ112等が設けられる。デジタルカメラの側面101には第1の接続手段121が設けられる。第1の接続手段121は、USBコネクタのレセプタクル(USBカメラ側コネクタ121)である。デジタルカメラの底面102には第2の接続手段131、検知スイッチ123、及び三脚孔124が設けられる。第2の接続手段131は、ImageLink(登録商標)プリントシステムに対応した接続コネクタのレセプタクル(ImageLinkカメラ側コネクタ131)である。
【0018】
図2を用いてデジタルカメラ100及びプリンタの構成について詳細に説明する。
【0019】
デジタルカメラ100はUSBカメラ側コネクタ121を用いて第1のプリンタ200と、ImageLink接続コネクタ131を用いて第2のプリンタ300と接続可能であるように構成される。第1のプリンタ200はUSB規格を用いてデジタルカメラ100と接続可能なUSB接続プリンタ200であり、PictBridge規格を用いて印刷を行う。第2のプリンタ300はImageLinkプリントシステムに対応したImageLink対応プリンタ300である。
【0020】
デジタルカメラ100はカメラ用システムコントローラ141により制御される。ユーザはカメラ操作スイッチ150を用いてカメラ用システムコントローラ141に撮影信号を送信する。撮影信号を受信したカメラ用システムコントローラ141は、撮像部151を用いて被写体を撮像する。撮像部151は撮像して得られた映像信号を映像信号処理回路152に出力する。映像信号処理回路152は、映像信号を画像メモリ153に一時的に記憶しながら画像処理し、画像ファイルを出力する。カメラ用システムコントローラ141は、映像信号処理回路153から出力された画像ファイルを画像記録用メモリ154に記録する。
【0021】
モニタ155は、画像記録用メモリ154に記録された画像ファイルを画像として、また映像信号処理回路152から出力された映像信号をスルーイメージとして表示する。
【0022】
カメラ用システムコントローラ141はカメラ側インターフェース回路142に接続される。カメラ側インターフェース回路142にはUSBカメラ側コネクタ121及びImageLinkカメラ側コネクタ131が接続され、それぞれのコネクタを介して行われる通信を制御する。USBカメラ側コネクタ121はUSB接続プリンタ200と接続するために用いられ、ImageLinkカメラ側コネクタ131はImageLink対応プリンタ300と接続するために用いられる。
【0023】
USB接続プリンタ200は、第1のプリンタ用システムコントローラ241により制御される。第1のプリンタ用システムコントローラ241には画像を印刷するための第1の記録部254、画像ファイルを記憶する第1のプリンタ画像メモリ253、デジタルカメラ100とUSB接続するためのUSB接続インターフェース回路242、そして第1のプリンタ操作スイッチ250が接続される。USB接続インターフェース回路242はUSB規格に対応したインターフェース回路であり、USBプリンタ側コネクタ221はUSB接続コネクタのレセプタクルである。
【0024】
USBカメラ側コネクタ121にUSBプリンタ側コネクタ221が接続されると、カメラ側インターフェース回路142とUSB接続インターフェース回路242が接続処理を行って、USB接続を確立する。これにより、カメラ用システムコントローラ141と第1のプリンタ用システムコントローラ241とが通信することが可能になる。
【0025】
ユーザはカメラ操作スイッチ150を用いて印刷したい画像を指定する。第1のプリンタ用システムコントローラ241はUSB接続インターフェース回路242を介してデジタルカメラ100から指定された画像を取得する。取得された画像は第1のプリンタ画像メモリ253に記憶され、第1の記録部254により印刷される。また、ユーザは第1のプリンタ操作スイッチ250を操作することにより、印刷したい画像を指定し印刷することも可能である。
【0026】
ImageLink対応プリンタ300もUSB接続プリンタ200と同様の構成を有するが、ImageLink対応インターフェース回路342はImageLinkプリントシステムに対応したインターフェース回路であり、ImageLinkプリンタ側コネクタ343はImageLink接続コネクタのプラグである。
【0027】
ImageLinkカメラ側コネクタ131にImageLinkプリンタ側コネクタ343が挿入されると、カメラ側インターフェース回路142とImageLink接続インターフェース回路342が接続処理を行って、ImageLink接続を確立する。これにより、第2のプリンタ用システムコントローラ341はデジタルカメラ100を制御することが可能になる。
【0028】
カメラ用システムコントローラ141には検知スイッチ123が接続される。検知スイッチ123はImageLinkカメラ側コネクタ131にImageLink対応プリンタ300が接続されているか否かを検知する。
【0029】
次にデジタルカメラ100とUSB接続プリンタ200及びImageLink対応プリンタ300との接続について図3を用いて説明する。
【0030】
USB接続プリンタ200は、側面にUSBプリンタ側コネクタ221を備える。
【0031】
ImageLink対応プリンタ300は、頂面にデジタルカメラ100を載置可能な載置面301を備える。ImageLinkプリンタ側コネクタ343は、載置面301に対して垂直方向に載置面301から突出する。
【0032】
デジタルカメラ100のUSBカメラ側コネクタ121とUSBプリンタ側コネクタ221とは、USB接続ケーブル260を用いて接続される。デジタルカメラ100は、ImageLinkカメラ側コネクタ131とImageLinkプリンタ側コネクタ343とが嵌合しながら載置面301に載置される。
【0033】
このとき、デジタルカメラ100はImageLink対応プリンタ300及びUSB接続プリンタ200の双方と接続されている。この状態においてデジタルカメラ100が双方のプリンタと通信を行うことはデジタルカメラ100の性能及び通信規格上不可能である。そのため、カメラ用システムコントローラ141は以下に述べる処理を用いてどのプリンタと通信を行うか決定する。
【0034】
次に図4を用いて第1の接続処理について説明する。
【0035】
第1の接続処理は、USB接続に優先してImageLink接続を使用する処理である。まず、デジタルカメラ100の電源が入れられたときにカメラ用システムコントローラ141が行う処理について、ステップS411からS434を用いて説明する。
【0036】
第1の接続処理は、デジタルカメラ100の電源が入れられたときにステップS411から開始する。
【0037】
ステップS412ではフラグFlg1及びFlg2が初期化される。フラグFlg1はUSBカメラ側コネクタ121にUSB接続プリンタ200が接続されているか否かを示すフラグである。接続されているときには1が、接続されていないときには0が代入される。フラグFlg2はImageLinkカメラ側コネクタ131にImageLink対応プリンタ300が接続されているか否かを示すフラグである。接続されているときには1が、接続されていないときには0が代入される。
【0038】
ステップS413において、カメラ用システムコントローラ141はUSBカメラ側コネクタ121がUSBプリンタ側コネクタ221と接続されているかを判断する。接続されている場合には、ステップS414においてフラグFlg1に1が代入される。接続されていない場合には、フラグFlg1に1を代入せずにフラグFlg1の値は0のままで、処理はステップS415へ移る。
【0039】
ステップS415では、カメラ用システムコントローラ141はデジタルカメラ100のImageLinkカメラ側コネクタ131がImageLinkプリンタ側コネクタ343に接続されているかを判断する。接続されている場合には、ステップS416においてフラグFlg2に1が代入される。接続されていない場合には、フラグFlg2に1を代入せずにフラグFlg2の値は0のままで、処理はステップS417へ移る。
【0040】
ステップS417では、フラグFlg1及びFlg2が0であるか判断される。この判断は、USB接続又はImageLink接続がなされているかによってなされる。フラグFlg1及びFlg2が0であるとき、つまりUSBカメラ側コネクタ121がUSBプリンタ側コネクタ221に接続されず、かつImageLinkカメラ側コネクタ131がImageLinkプリンタ側コネクタ343に接続されていないとき、ステップS418においてデジタルカメラ100が起動され、撮影準備等が整えられる。フラグFlg1及びFlg2が0でないとき、つまりUSBカメラ側コネクタ121がUSBプリンタ側コネクタ221に接続され、及び/又はImageLinkカメラ側コネクタ131がImageLinkプリンタ側コネクタ343に接続されているとき、処理はステップS421に進む。
【0041】
ステップS421では、フラグFlg1及びFlg2が1であるか否かが判断される。フラグFlg1及びFlg2が1であるとき、つまりUSBカメラ側コネクタ121がUSBプリンタ側コネクタ221に、かつImageLinkカメラ側コネクタ131がImageLinkプリンタ側コネクタ343に接続されているとき、処理はステップS422に進む。ステップS422では、USBカメラ側コネクタ121及びImageLinkカメラ側コネクタ131が共に接続されている旨の警告をモニタ155に表示、又は警告音を発する。そして、処理はステップS425へ進む。ステップS421において、フラグFlg1及びFlg2が1でないとき、処理はステップS423に進む。
【0042】
ステップS423ではフラグFlg2が1であるか判断される。フラグFlg2が1であるとき、つまりImageLinkカメラ側コネクタ131がImageLinkプリンタ側コネクタ343と接続しているとき、処理はステップS425へ進み、1でないとき、つまりImageLinkカメラ側コネクタ131がImageLinkプリンタ側コネクタ343と接続していないとき、処理はステップS432に進む。
【0043】
ステップS425ではデジタルカメラ100はImageLink接続モードで起動され、ImageLinkモード処理を実行する。ImageLink接続モードは、デジタルカメラ100とImageLink対応プリンタ300とをImageLink規格を用いて接続する動作モードである。ImageLinkモード処理では、まず、カメラ側インターフェース回路142とImageLink対応インターフェース回路342とが接続処理を行ってImageLink接続を確立する。そして、第2のプリンタ用システムコントローラ341がデジタルカメラを制御し、デジタルカメラ100とImageLink対応プリンタとの間で画像データ等を伝送する。
【0044】
ImageLinkモード処理が終了すると、ステップS426でUSBカメラ側コネクタ121がUSBプリンタ側コネクタ221と接続しているかが判断される。USBプリンタ側コネクタ221と接続していないとき、処理はステップS425へ戻り、再度ImageLinkモード処理を行う。また、USBプリンタ側コネクタ221と接続しているときでもステップS427でImageLinkモード処理を継続する。すなわち、デジタルカメラ100がImageLinkモードで起動されているときには、USBカメラ側コネクタ121がUSBプリンタ側コネクタ221と接続していても無視される。
【0045】
一方、ステップS423においてフラグFlg2が1でないとき、ImageLinkカメラ側コネクタ131がImageLinkプリンタ側コネクタ343と接続していないと判断され、処理はステップS432に進む。
【0046】
ステップS432ではデジタルカメラ100はUSB接続モードで起動され、USB接続モード処理を実行する。USB接続モードは、デジタルカメラ100とUSB接続プリンタ200とをUSB規格を用いて接続する動作モードである。USBモード処理では、まず、カメラ側インターフェース回路142とUSB接続インターフェース回路242とが接続処理を行ってUSB接続を確立する。そして、カメラ用システムコントローラ141と第1のプリンタ用システムコントローラ241とが通信し、画像データ等を伝送する。
【0047】
USBモード処理が終了すると、ステップS433でImageLinkカメラ側コネクタ131にImageLinkプリンタ側コネクタ343が接続されたかが判断される。ImageLinkプリンタ側コネクタ343が接続されていないとき、処理はステップS432へ戻り、USBモード処理を行う。ImageLinkプリンタ側コネクタ343が接続されたとき、ステップS434において、デジタルカメラ100はUSB接続プリンタ200との接続を切断して、ImageLinkモードに移行する。すなわち、デジタルカメラ100がUSB接続モードで起動されているときにImageLinkプリンタ側コネクタ343が接続されると、ImageLink対応プリンタ300との接続が優先される。
【0048】
次に、デジタルカメラ100が起動されているときに行う処理についてステップS441からS451を用いて説明する。
【0049】
ステップS418においてデジタルカメラ100が起動され、撮影準備等が整えられると、処理はステップS441に移動する。
【0050】
ステップS441ではカメラ処理を行う。カメラ処理では撮影動作、あるいは画像記録用メモリ154に記録された画像データをモニタ155に表示する等の動作を行う。一定の動作が終了した後、ステップS442において、ImageLinkカメラ側コネクタ131にImageLinkプリンタ側コネクタ343が接続されたかが判断される。接続された場合、処理はステップS425へ移動してデジタルカメラ100はImageLink接続モードに移行する。
【0051】
ステップS442においてImageLinkカメラ側コネクタ131にImageLinkプリンタ側コネクタ343が接続されていない場合、次のステップS451でUSBカメラ側コネクタ121がUSBプリンタ側コネクタ221に接続されたかが判断される。接続された場合、処理はステップS432へ移動し、デジタルカメラ100はUSB接続モードに移行する。接続されていない場合、処理はステップS441へ戻り、デジタルカメラ100はカメラ処理を行う。
【0052】
本実施形態によれば、デジタルカメラ100の複数の接続コネクタに外部機器が各々接続されたときであっても、ImageLink対応プリンタ300との接続を選択及び維持して安定した印刷動作を行うことが可能となる。
【0053】
次に、図2及び図5から8を用いて第2の実施形態について説明する。
【0054】
第2の実施形態では、カメラ用システムコントローラ141は、検知スイッチ123を用いてImageLinkカメラ側コネクタ131にImageLinkプリンタ側コネクタ343が接続されたか否かを検出する。
【0055】
図5に示すように、ImageLink対応プリンタ300の載置面301にはデジタルカメラ100を確実に載置するためにドックインサート400が取り付けられる。ドックインサート400はImageLink対応プリンタ300の載置面301の上方に向けて延びる枠401を有する。図7はデジタルカメラ100とImageLink対応プリンタ300が接続された状態を示す。図7に示すように、枠401はデジタルカメラ100の底面102付近の正面、側面、及び背面と接触し、載置面301と平行な面内におけるデジタルカメラ100の動きを拘束する。そして、デジタルカメラ100の側面101に設けられたUSBカメラ側コネクタ121を外部から覆う。これにより、USBカメラ側コネクタ121にUSB接続ケーブルが接続されることを防止する。
【0056】
ドックインサート400は、ImageLink対応プリンタ300の載置面301から突出するImageLinkプリンタ側コネクタ343が貫通する孔部403を備える。デジタルカメラ100がドックインサート400に取り付けられたとき、孔部403を貫通してドックインサート400から突出するImageLinkプリンタ側コネクタ343は、ImageLinkカメラ側コネクタ131と嵌合する。
【0057】
図6に示すように、ドックインサート400は、デジタルカメラ100の底面102と接触する接触面404から突出する検知突起402を有する。デジタルカメラ100がドックインサート400に取り付けられたとき、検知突起402は検知スイッチ123を押圧する。検知スイッチ123はカメラ用システムコントローラ141に検知信号を送信する。検知信号を受信したカメラ用システムコントローラ141はImageLinkカメラ側コネクタ131にImageLinkプリンタ側コネクタ343が接続されたと判断する。
【0058】
つまり、デジタルカメラ100がドックインサート400に載置されたとき、ImageLinkカメラ側コネクタ131はImageLinkプリンタ側コネクタ343と接続されるが、USBカメラ側コネクタ121がUSB接続ケーブル260と接続することはない。
【0059】
次に図8を用いて第2の接続選択処理について説明する。
【0060】
第2の接続処理は、最先に接続されたプリンタを優先して使用する処理であり、デジタルカメラ100の電源が入れられたとき、又はデジタルカメラ100の電源が入れられているとき、カメラ用システムコントローラ141において定期的に実行される。
【0061】
第2の接続処理は、ステップS810から開始する。まずステップS811で、USB接続を禁止するか否かを示すフラグUSBFlg及びImageLink接続を禁止するか否かを示すフラグIMGFlgに0が代入されて初期化される。フラグUSBFlg1が1のときUSB接続が禁止され、0のときUSB接続が許可される。フラグIMGFlg1が1のときImageLink接続が禁止され、0のときImageLink接続が許可される。
【0062】
ステップS812では検知スイッチ123が検知突起402により押圧されているか、すなわち検知スイッチ123が検知信号を送信しているかを判断する。検知スイッチ123が押圧されている場合、ステップS813においてImageLinkカメラ側コネクタ131にImageLinkプリンタ側コネクタ343が接続されているかが判断される。接続されていない場合にはモニタ155に警告表示をし、あるいは警告音を発して、再度ステップS812に戻る。接続されている場合には、ステップS815においてImageLink接続モード、つまり図4のステップS425に示す処理を実行する。
【0063】
一方、ステップS812において検知スイッチ123が検知突起402により押圧されていない場合、処理はステップS821に進み、ImageLinkカメラ側コネクタ131にImageLinkプリンタ側コネクタ343が接続されているかが判断される。接続されている場合には、ステップS822においてフラグUSBFlgに1を代入しUSB接続を禁止する。そして、ステップS815においてImageLink接続モードに移行する。接続されていない場合には、処理はステップS831へ移行する。
【0064】
ステップS831では、USBカメラ側コネクタ121にUSBプリンタ側コネクタ221が接続されているかが判断される。接続されている場合には、ステップS832においてフラグIMGFlgに1を代入しImageLink接続を禁止する。そして、ステップS833において、図4のステップS432に示すUSB接続モードに移行する。接続されていない場合には、処理はステップS834へ移行し終了する。そして、デジタルカメラ100の電源が入れられたときに第2の接続処理が実行された場合、デジタルカメラ100が起動される。デジタルカメラ100の電源が既に入れられているときに第2の接続処理が実行された場合、デジタルカメラ100は通常の動作モードに移行する。
【0065】
なお、本実施形態では最先に接続されたコネクタを優先して使用することとしたが、ImageLink接続を優先して使用するように構成されてもよい。この場合、ステップS832及びS833の代わりにステップS432からS434が用いられる。
【0066】
また、検知スイッチ123が検知突起402により押圧されているか否かを判断せずに、最先に接続されたプリンタを優先して使用するように構成されても良い。この場合、ステップS812からS814が省略される。
【0067】
本実施形態によれば、デジタルカメラ100の複数の接続コネクタに外部機器が各々接続されたときであっても、ImageLinkプリンタ側コネクタ343が接続されていることを検知スイッチ123が検知して、ImageLink対応プリンタ300との接続を選択及び維持して安定した印刷動作を行うことが可能となる。また、ImageLink対応プリンタ300が接続されていないときには、最先に接続されたコネクタを優先して使用することにより、いずれかのコネクタに接続された外部機器を適切に選択し、デジタルカメラ100と外部機器とを安定して接続することが可能となる。
【0068】
なお、デジタルカメラ100に接続される外部機器としてプリンタを例示したが、外部機器はデジタルカメラ100に接続可能な機器であれば良い。例えばコンピュータや外部記憶装置であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の一実施形態によるデジタルカメラを底面側斜め方向から見た斜視図である。
【図2】デジタルカメラと外部機器とを模式的に示したブロック図である。
【図3】デジタルカメラと外部機器との接続状態を模式的に示した図である。
【図4】第1の接続選択処理を示したフローチャートである。
【図5】ドックインサートを使用して接続される外部機器とデジタルカメラとを模式的に示した図である。
【図6】デジタルカメラが備える検知スイッチを示した部分断面図である。
【図7】ドックインサートを使用して接続された外部機器とデジタルカメラとを模式的に示した図である。
【図8】第2の接続選択処理を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0070】
100 デジタルカメラ
121 USBカメラ側コネクタ
123 検知スイッチ
131 ImageLinkカメラ側コネクタ
200 USB接続プリンタ(第1の外部機器)
221 USBプリンタ側コネクタ
300 ImageLink対応プリンタ(第2の外部機器)
343 ImageLinkプリンタ側コネクタ
400 ドックインサート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の外部機器のうちいずれか1つの外部機器と情報を送受信する携帯用機器であって、
前記外部機器と情報を送受信するために用いられる複数の接続手段と、
複数の前記接続手段が複数の前記外部機器に各々接続されたとき、いずれか1つの前記接続手段を選択する接続選択手段と、
前記接続選択手段が選択した前記接続手段を用いて情報を送受信する通信手段とを備える携帯用機器。
【請求項2】
前記接続選択手段は、各々の前記接続手段に対し情報の送受信を行うときの優先順位を定め、複数の前記接続手段が複数の前記外部機器に各々接続されたとき、最も優先順位の高い接続手段を選択する請求項1に記載の携帯用機器。
【請求項3】
前記接続選択手段が選択した接続手段に接続された外部機器により、動作が制御される請求項2に記載の携帯用機器。
【請求項4】
前記接続選択手段は、最も早く前記外部機器と接続した前記接続手段を選択する請求項1に記載の携帯用機器。
【請求項5】
前記携帯用機器は、前記接続手段のうちの1つが前記外部機器に接続されたことを検知するための判別手段を備え、
前記接続選択手段は、前記外部機器に接続されたことを前記判別手段が検知した前記接続手段を選択する請求項1に記載の携帯用機器。
【請求項6】
前記判別手段は押圧スイッチを備え、
前記判別手段は、前記押圧スイッチが押圧されたときに、前記接続手段のうちの1つが前記外部機器に接続されたと検知する請求項5に記載の携帯用機器。
【請求項7】
前記接続選択手段は、各々の前記接続手段に対し情報の送受信を行うときの優先順位を定め、前記接続手段のうちの1つが前記外部機器に接続されていないことを前記判別手段が検知したとき、複数の前記外部機器に各々接続された複数の前記接続手段から最も優先順位の高い前記接続手段を選択する請求項5に記載の携帯用機器。
【請求項8】
前記接続選択手段は、前記接続手段の1つが前記外部機器に接続されていないことを前記判別手段が検知したとき、最も早く前記外部機器と接続した前記接続手段を選択する請求項5に記載の携帯用機器。
【請求項9】
請求項1に記載の携帯用機器と、印刷装置である前記外部機器とを備える印刷システム。
【請求項10】
請求項5に記載の前記携帯用機器と前記外部機器とを備え、
前記判別手段は前記携帯用機器の外面に設けられた押圧スイッチを備え、
前記外部機器はその外面に設けられた押圧突起を備え、
前記判別手段は、前記押圧スイッチが前記押圧突起により押圧されたときに、前記接続手段のうちの1つが前記外部機器に接続されたと検知する
携帯用機器接続システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2009−48309(P2009−48309A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−211940(P2007−211940)
【出願日】平成19年8月15日(2007.8.15)
【出願人】(000113263)HOYA株式会社 (3,820)
【Fターム(参考)】