説明

携帯端末、操作情報処理方法、および操作情報処理プログラム

【課題】操作性の高い携帯端末を提供する。
【解決手段】携帯電話機における動作モードが、操作入力に基づいて、キー操作の内容と操作順とを特定するファイルである操作ファイルを作成するモードである場合(S11でY)、該携帯電話機では、キー入力を受付けると(S12でY)、当該モードが終了するまでの、受付けたキー入力の内容と、入力順とを含むキー情報をメモリに書き出す(S13)。当該モードが終了すると(S11でN)、一連のキー操作のキー入力の内容および入力順を含む操作ファイルを作成し、記憶させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は携帯端末、操作情報処理方法、および操作情報処理プログラムに関し、特に、ユーザからキー操作を受付ける携帯端末、操作情報処理方法、および操作情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、携帯電話機やPHS(Personal Handyphone System)等の携帯端末は、急速に高機能化している。その一方、これら携帯端末での操作が複雑化している。
【0003】
携帯端末での操作に関連する技術として、本願出願人は、先に出願し公開されている特開2002−149310号公報(以下、特許文献1)において、ユーザのキー入力操作に関する技術を開示している。詳しくは、本願出願人は特許文献1において、ユーザ操作をサーバに送信すると、その一連の操作と等価な、最適化されたステップの操作を表示する機能について開示している。この技術を用いることで、ユーザは、「複雑な操作を簡単なステップで行なうための方法」を、携帯端末上の少ないリソースを利用して知ることができる。つまり、ユーザが行なった操作手順に関する情報をサーバに送信することで、同様の操作を、該ユーザが行なった操作手順よりも単純に行なう方法がないかを知ることができる。
【特許文献1】特開2002−149310号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の技術を利用する場合、ユーザは、自身の操作手順に関する情報を入手し、それに基づいて、該操作手順よりも単純に行なう方法を知るために、上記情報をサーバに送信する等の、操作を行なう必要がある。そのため、その操作自体が煩雑と感じられる場合もあり得る。
【0005】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、操作性の高い携帯端末、ならびに携帯端末での操作性を高めるための操作情報処理方法および操作情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、携帯端末は、操作手段と、操作手段から入力される操作信号に従って処理を実行するよう制御する制御手段と、記憶手段と、操作手段から入力される操作信号に基づいて、操作ごとに、操作の内容を特定する情報と、操作の順を特定する情報とを含む操作情報を生成し、記憶手段に記憶する処理を行なう操作情報処理手段とを備える。
【0007】
好ましくは、携帯端末は、記憶手段から操作情報を読込む読込手段と、操作情報から操作の内容と操作の順とを特定し、制御手段に対して、上記操作を実行させるよう制御信号を出力する情報処理手段とをさらに備える。
【0008】
好ましくは、携帯端末は、通話手段と、記憶手段から操作情報を読込む読込手段と、操作情報に含まれる操作の内容を特定する情報と操作の順を特定する情報とを、通話手段で送信するためのデータに変換する第1変換手段と、変換されたデータを、他の装置に、通話手段を用いて送信する第1送信手段とをさらに備える。
【0009】
好ましくは、携帯端末は、通話手段と、他の装置から送信された、操作情報に含まれる操作の内容を特定する情報と操作の順を特定する情報とが変換されているデータを、通話手段を用いて受信する受信手段と、受信したデータを、操作の内容を特定する情報と操作の順を特定する情報とに変換する第2変換手段とをさらに備え、操作情報処理手段は、変換された操作の内容を特定する情報と操作の順を特定する情報とを含む操作情報を生成し、記憶手段に記憶する処理を行なう。
【0010】
好ましくは、携帯端末は、通話手段をさらに備え、操作情報処理手段は、通話手段で通話中に前記操作手段から入力される操作信号に基づいて、操作ごとに、操作の内容を特定する情報と、操作の順を特定する情報とを含む操作情報を生成し、操作情報に含まれる操作の内容を特定する情報と操作の順を特定する情報とを、通話手段で送信するためのデータに変換する第1変換手段と、変換されたデータを、操作の順に他の装置に、通話手段を用いて送信する第1送信手段とをさらに備える。
【0011】
好ましくは、携帯端末は、通話手段と、通話手段で他の装置と通話中に他の装置から送信された、操作情報に含まれる操作の内容を特定する情報と操作の順を特定する情報とが変換されているデータを、通話手段を用いて受信する受信手段と、受信したデータを、操作の内容を特定する情報と操作の順を特定する情報とに変換する第2変換手段と、操作の内容を特定する情報と操作の順を特定する情報とに基づいて、制御手段に対して、操作を実行させるよう制御信号を出力する情報処理手段とをさらに備える。
【0012】
好ましくは、携帯端末は、記憶手段から操作情報を読込む読込手段と、操作情報を他の装置に予め規定されたタイミングで送信する第2送信手段とをさらに備える。
【0013】
本発明の他の局面に従うと、操作情報処理方法は、携帯端末における操作情報処理方法であって、携帯端末は、操作手段と、記憶手段と、操作情報処理手段とを備え、操作手段で操作入力を受付けるステップと、操作情報処理手段で、操作入力に基づいて、操作の内容を特定する情報と、操作の順を特定する情報とを記憶手段に書き出すステップと、操作手段で、操作終了を示す操作入力を受付けるステップと、操作情報処理手段で、操作終了を示す操作入力に従って、記憶手段に書き出された、操作ごとの、操作の内容を特定する情報と、操作の順を特定する情報とから、操作終了までの一連の操作を示すファイルを作成するステップとを備える。
【0014】
本発明のさらに他の局面に従うと、操作情報処理プログラムは、コンピュータに操作情報の処理を実行させるプログラムであって、コンピュータは、操作手段と、記憶手段と、操作情報処理手段とを備え、操作手段が操作入力を受付けるステップと、操作情報処理手段が、操作入力に基づいて、操作の内容を特定する情報と、操作の順を特定する情報とを記憶手段に書き出すステップと、操作手段が、操作終了を示す操作入力を受付けるステップと、操作情報処理手段が、操作終了を示す操作入力に従って、記憶手段に書き出された、操作ごとの、操作の内容を特定する情報と、操作の順を特定する情報とから、操作終了までの一連の操作を示すファイルを作成するステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、端末装置において一度なされ、記憶された操作は、記憶されたファイルを活用することで、次回から、より簡単な操作で実行することができる。また、記憶されたファイルを活用することも可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
【0017】
図1は本発明の携帯端末の一実施の形態である携帯電話機の構成を示すブロック図である。
【0018】
図1を参照して、携帯電話機100は、アンテナ1、無線部2、音声処理部3、キーデータ処理部4、操作部5、記憶部6、表示部7、データ処理部8、制御部9、および電源10を含んで構成される。
【0019】
無線部2は、アンテナ1を介して図示しない無線基地局との無線信号の送受信を行なう。無線部2によって送受信される無線信号に含まれる音声信号は、音声処理部3において所定の信号処理が施され、制御部9に入力される。また音声処理部3は制御部9から入力された情報に対して音声に変換するための処理を施し、無線信号として送信するために無線部2に入力する。
【0020】
操作部5は、数字や文字等のデータ入力や機能選択等の各種指示を行なうためのキー等を含み、それらが操作されることによる操作信号を制御部9に入力する。キーデータ処理部4は、制御部9から、上記操作信号に基づいた、押下されたキーに関する情報(以下、キー情報と称する)を受け取って蓄積し、その情報を処理する。
【0021】
記憶部6は、設定された登録データや制御部9等で実行されるプログラムを保持している。また、携帯電話機100における、少なくとも現在の動作モードを記憶する。制御部9は、CPU(Central Processing Unit)などを含んで構成される。制御部9は、記憶部5から上記プログラムを読み出して実行し、機器全体の動作を制御する。また、電源10は2次電池や充電器等によって構成され、各部に電力を供給する。
【0022】
表示部7は図示されない表示装置を含んで構成され、操作部5によって入力されたデータや記憶部6から読み出されたデータを制御部9から受け取り、これらデータを元に、表示装置に表示するための処理を行なう。データ処理部8は、上記プログラムに基づき、データに所定の信号処理を施す。
【0023】
なお、図1においては、音声処理部3、キーデータ処理部4、およびデータ処理部8などの処理を実現するための手段が、制御部9と異なる構成として示されている。これらは、CPUを含んだ制御部9とは異なるハードウェアで実現されるものであってもよい。または、CPUが上記プログラムを実行することで、CPUにおいて実現される各機能であってもよい。
【0024】
携帯電話機100では、キーデータ処理部4での処理によって、ユーザのキー操作に基づいて「操作ファイル」が作成される。「操作ファイル」とは操作情報に該当し、キー情報がキー操作ごとに記録されるファイルである。操作ファイルに記録されるキー情報としては、キー操作を特定する情報が該当する。具体的には、少なくとも、押下されたキーの種類、および押下された順を特定できる情報(たとえば押下された時刻)が含まれる。さらに、キー情報には、キーが押下されたことで起動されたアプリケーション、キーが押下された後の携帯電話機100の状態(省電力状態、パネルセーブ状態、通常駆動状態等)等が含まれてもよい。操作ファイルは、テキストあるいはバイナリ形態でのファイルが想定されるが、データ形式は限定されない。
【0025】
携帯電話機には、通話モード、メール閲覧モード等、様々な動作モードが存在する。携帯電話機100には、動作モードとして、さらに、操作ファイルに関する動作モードが存在する。具体的には、操作ファイル作成モード、操作ファイル実行モード、操作ファイル送信モード、操作ファイル受信モード、および操作ファイルサーバ送信モードが存在するものとする。各モードは、ユーザの所定の操作によって設定される。たとえば、電話番号を入力するために最初に数字キーが押下されたときに通話モードが設定される。またたとえば、メールボックスを開くための操作キーが押下されたときにメール閲覧モードが設定される。携帯電話機100の操作部5には、操作ファイルに関する動作モードを設定するためのキーが含まれるものとする。そして、当該キーが所定の方法で押下されたときに操作ファイルに関する動作モードが設定される。所定の方法での押下とは、たとえば、1回の押下、複数回の連続の押下、長押し、などが挙げられる。設定されたモードは記憶部6の所定領域に記憶される。さらに、設定された動作モードは、所定の操作によって解除される。たとえば、通話モード中に、通話を切るためのキーが押されたときに通話モードが解除される。またたとえば、メール閲覧モード中に終了するためのキーが押されたときにメール閲覧モードが解除される。操作ファイルに関する動作モードが設定されている場合には、上述の操作ファイルに関する動作モードを設定するためのキーが再度押されることで、当該モードが解除されるものとする。
【0026】
「操作ファイル」は動作モードが操作ファイル作成モードであるときのキー操作に基づいて作成されるものであり、操作ファイル作成モードが設定されてから解除されるまでの間になされた各キー操作についてキー情報が記録される。
【0027】
図2は、携帯電話機100で操作ファイルを作成する際の処理の流れの具体例を示すフローチャートである。図2のフローチャートに示される処理は、制御部9およびキーデータ処理部4が記憶部6に記憶されるプログラムを読み出して実行することで実現される。
【0028】
図2を参照して、始めに、制御部9は記憶部6を参照して、携帯電話機100における動作モードが、操作ファイルを作成するための動作モードである「操作ファイル作成モード」かどうか確認する(ステップS11)。現在の動作モードが「操作ファイル作成モード」である場合(ステップS11でY)、キーデータ処理部4は、押下されたキーについてのキー情報に基づいて操作ファイルを作成する処理を実行する。詳しくは、キーデータ処理部4は、動作モードが「操作ファイル作成モード」となった時点で、記憶部6の所定領域を記録用のメモリとして確保し、ユーザからキー入力があった場合は(ステップS12でY)、制御部9から入力されるキー情報を該メモリに書き出す(ステップS13)。
【0029】
以上の処理が、制御部9において現在の動作モードが操作ファイル作成モードでないと確認されるまで繰り返される。そして、制御部9において現在の動作モードが操作ファイル作成モードでないと確認されると(ステップS11でN)、その時点で上記メモリへのキー情報の書き出しを終了し、該メモリに書き出された一連のキー情報から操作ファイルを作成する。作成された操作ファイルは、キーデータ処理部4によって、記憶部6の所定領域に記憶される。
【0030】
図3および図4は、具体的な1つの操作として、着信音を設定するための操作を構成するキー操作群を説明する図である。図3および図4において、押下されたキーは二重線、表示された選択肢のうち選択された選択肢は太字で示されている。また、図5は、図2に示された処理が実行されることで、図3,図4に示される操作について作成される操作ファイルの具体例を示す図である。
【0031】
図3を参照して、2008年3月8日の15:00:00に、操作ファイルモードキーが所定の方法で押下される(図3(A))。これにより、操作ファイル作成モードが設定される。2008年3月8日の15:01:02に、決定キーが押下される(図3(B))。これにより、データ一覧を表示するアプリケーションが起動し、表示画面にメニュー一覧表が表示される。2008年3月8日の15:01:05に、数字2のキーが押下される(図3(C))。これにより、表示画面に表示されたメニュー一覧表の中から選択肢2の「データBOX」が選択されてデータボックス内のデータの一覧を表示するアプリケーションが起動し、表示画面にデータボックス一覧表が表示される。2008年3月8日の15:03:07に、数字3のキーが押下される(図3(D))。これにより、表示画面に表示されたデータボックス一覧表の中から選択肢3の「マイメロディ」が選択されてデータボックス内のデータのうちの音楽データであるマイメロディ内のデータの一覧を表示するアプリケーションが起動し、表示画面にマイメロディ一覧表が表示される。
【0032】
図4を参照して、2008年3月8日の15:05:10に、数字2のキーが押下される(図4(A))。これにより、表示画面に表示されたマイメロディ一覧表の中から選択肢2の「着信音2」が選択される。2008年3月8日の15:05:12に、ガイド1キーが押下される(図4(B))。これにより、選択された「着信音2」が着信音に決定される。2008年3月8日の15:05:14に、操作ファイルモードキーが押下される(図4(C))。これにより、設定されていた操作ファイル作成モードが解除される。そして、表示画面から、操作ファイル作成モードが設定されていることを示す表示がなくなる(図4(D))。
【0033】
図3(A)のキー操作によって記憶部6に現在の動作モードが操作ファイル作成モードであることが記憶されると、上記ステップS11において、制御部9は現在の動作モードが「操作ファイル作成モード」であると確認し、操作部5からの操作信号に基づいて、キー情報の取得を開始する。図5の例では、操作ファイルモードキーが押下された時点のキー情報として、キー情報の取得がスタートされたことが記録されている。
【0034】
続いて、制御部9は上記ステップS12で図3(B)のキー操作を検出し、ステップS13で該キー操作によるキー情報を記録する。図5の例では、該キー操作によるキー情報として、押下されたキーが決定キーであることを示すキー情報が記録されている。決定キーが押下されることでデータ一覧を表示するアプリケーションが起動したため、図3(B)のキー操作によるキー情報として、さらに、該キーが押下されることで起動したアプリケーションが「メニュー一覧」アプリケーションであることを示すキー情報が記録されている。
【0035】
続いて、制御部9は上記ステップS12で図3(C)のキー操作を検出し、ステップS13で該キー操作によるキー情報を記録する。図5の例では、該キー操作によるキー情報として、押下されたキーが数字2のキーであることを示すキー情報が記録されている。数字2のキーが押下されることでデータボックス内のデータ一覧を表示するアプリケーションが起動したため、図3(C)のキー操作によるキー情報として、さらに、該キーが押下されることで起動したアプリケーションが「データBOX一覧」アプリケーションであることを示すキー情報が記録されている。また、該キーが押下された後に携帯電話機100の電力状態が省電力状態に移行したため、図3(C)のキー操作によるキー情報として、さらに、該キーが押下された後の携帯電話機100の状態が省電力状態であることを示すキー情報が記録されている。
【0036】
続いて、制御部9は上記ステップS12で図3(D)のキー操作を検出し、ステップS13で該キー操作によるキー情報を記録する。図5の例では、該キー操作によるキー情報として、押下されたキーが数字3のキーであることを示すキー情報が記録されている。数字3のキーが押下されることでマイメロディ内のデータの一覧を表示するアプリケーションが起動したため、図3(D)のキー操作によるキー情報として、さらに、該キーが押下されることで起動したアプリケーションが「マイメロディ一覧」アプリケーションであることを示すキー情報が記録されている。また、該キーが押下された後に携帯電話機100の電力状態が通常電力状態に復帰したため、図3(D)のキー操作によるキー情報として、さらに、該キーが押下された後の携帯電話機100の状態が通常電力状態であることを示すキー情報が記録されている。また、該キーが押下された後に携帯電話機100の電池残量が残量のレベル2に移行したため、図3(D)のキー操作によるキー情報として、さらに、該キーが押下された後の携帯電話機100の状態が電池残量2であることを示すキー情報が記録されている。
【0037】
続いて、制御部9は上記ステップS12で図4(A)のキー操作、および引き続いて図4(B)のキー操作を検出し、ステップS13で該キー操作によるキー情報を記録する。図5の例では、該キー操作によるキー情報として、押下されたキーが数字2のキーであることを示すキー情報およびガイド1キーであることを示すキー情報が記録されている。
【0038】
図4(C)のキー操作によって操作ファイル作成モードが解除され、記憶部6から現在の動作モードが操作ファイル作成モードであることを示す情報が削除されると、上記ステップS11において、制御部9は現在の動作モードが「操作ファイル作成モード」でないと確認し、キー情報の取得を終了する。図5の例では、操作ファイルモードキーが押下され、操作ファイル作成モードが解除された時点のキー情報として、キー情報の取得が終了したことが記録されている。
【0039】
図6は、携帯電話機100で操作ファイルを実行する際の処理の流れの具体例を示す図である。図6のフローチャートに示される処理は、制御部9およびデータ処理部8が記憶部6に記憶されるプログラムを読み出して実行することで実現される。
【0040】
図6を参照して、始めに、制御部9は記憶部6を参照して、携帯電話機100における動作モードが、操作ファイルを実行するための動作モードである「操作ファイル実行モード」かどうか確認する(ステップS21)。現在の動作モードが「操作ファイル実行モード」であり(ステップS21でY)、さらに、処理対象の操作ファイルが指定されると(ステップS22でY)、データ処理部8は、記憶部6の所定領域に記憶されている操作ファイルを実行する処理を実行する。詳しくは、データ処理部8は、指定された操作ファイルを記憶部6の所定領域において特定し、先頭から順に読込む(ステップS23)。そして、読込んだキー情報に基づいて、操作ファイルに記録されているキー操作と同じキー操作がなされたときの処理を制御部9に対して実行するよう信号を出力する(ステップS24)。具体的な方法としては、たとえば、キー情報のうち、押下されたキーを特定する情報に基づいて、キー情報を操作信号に変換して、操作ファイルに記録されている押下された時刻の順に制御部9に入力する方法が挙げられる。制御部9は上記信号を受け取ると、上記信号が示すキーが押下された場合の処理と同じ処理を実行する。
【0041】
以上の処理は指定された操作ファイルのすべてが読込まれるまで繰り返され、該操作ファイルの読込みが完了すると(ステップS25でY)、操作ファイルの実行が終了する。
【0042】
図7は、上記処理における操作および画面表示の具体例を示す図である。図7においても、図3および図4と同様に、押下されたキーは二重線、表示された選択肢のうち選択された選択肢は太字で示されている。
【0043】
図7(A)において操作ファイルモードキーが所定の方法で押下されることで、操作ファイル実行モードが設定される。操作ファイル実行モードが設定されると、処理対象とする操作ファイルを選択するための画面が表示され(図7(B))、選択肢として表示された操作ファイルの中から矢印キーが押下されることで処理対象とする操作ファイルが選択され、決定キーが押下されることで処理対象に決定される。図7(B)では、矢印キーが押下されてファイル1が選択された状態で決定キーが押下されている。そのため、上記ステップS22で制御部9は操作ファイルの指定がなされたと判断し、さらに「ファイル1」が処理対象の操作ファイルとして指定されたと判断する。これにより、上記ステップS23〜S25で、データ処理部8は「ファイル1」を読込んで制御部9に実行させる。
【0044】
「ファイル1」は、図5に示された操作ファイルである、すなわち、図3よおび図4に示された一連の操作によって作成された操作ファイルであるとする。データ処理部8は、上記ステップS23で、図5の一連のキー情報のうち、待ち受け画面の状態から決定キーが押下されたこと、数字2のキーが押下されたこと、数字3のキーが押下されたこと、および数字2のキーが押下されたことを示すキー情報をその順で抽出し、各々、該キーが操作されることによる操作信号に変換して、その順で制御部9に入力する。これにより、制御部9では、先に図3および図4で説明された操作がなされた場合と同様の処理を行ない、「着信音2」を着信音に設定する。
【0045】
図3および図4で説明されたように操作して「着信音2」を着信音に設定する場合、ユーザは、上述のように、待ち受け画面の状態から決定キーを押下するキー操作、数字2のキーを押下するキー操作、数字3のキーを押下するキー操作、および数字2のキーを押下するキー操作を、その順で行なう必要がある。それに対して、上述の操作ファイルを実行する処理を行なわせて「着信音2」を着信音に設定する場合、ユーザは、待ち受け画面の状態から操作ファイル実行モードを設定するために操作ファイルモードキーを押下するキー操作、ならびに「ファイル1」を選択するために矢印キーおよび決定キーを押下するキー操作を行なうだけでよい。つまり、図3および図4で説明されたような操作方法が不明な場合であっても、対応する操作ファイルを選択する操作によって同じ動作を携帯電話機100に実行させることができる。さらに、図3および図4で説明された操作よりも格段に簡単なキー操作で、同じ動作を携帯電話機100に実行させることができる。
【0046】
上の例では、携帯電話機100において、記憶部6に記憶された操作ファイルを取得し、該操作ファイルを実行している。しかしながら、記憶部6に記憶された操作ファイルは、他の装置に送信され、該他の装置において実行されてもよい。または、他の装置から操作ファイルを取得し、携帯電話機100において該操作ファイルを実行するようにしてもよい。
【0047】
先述のように、操作ファイルは、主に、テキストまたはバイナリ形態でのファイルが想定されるものであるため、他の装置との間でのやり取りは、メールに添付して送信する方法や、記録媒体を介してやり取りする方法や、赤外線通信や専用回線を介した通信等で直接送受信する方法が挙げられる。その1つの具体的な方法として、以下に、DTMF(Dual-Tone Multi-Frequency)音に変換した上で電話網を介して送受信する方法について説明する。
【0048】
DTMFは、数字や記号である16種類の符号を低群・高群の2つの音声周波数帯域の信号音で送信する方法である。符号と低群・高群の2つの音声周波数帯域の信号音との対応は、国際電気通信連合等によって予め規定されている。携帯電話機100は、予め記憶部6に上記規格に沿った符号と低群・高群の2つの音声周波数帯域の信号音との対応を記憶しておくものとする。図3や図4にも示されるように、携帯電話機100の操作用のキーとしては数字キーのほか、決定キーなどのキーが含まれる。そこで、携帯電話機100においては、予め数字キー以外のキーについて図8に示されるように、対応する符号を設定しておくものとする。
【0049】
図9は、携帯電話機100で操作ファイルをDTMF音に変換し、電話網を介して他の装置に送信する際の処理の流れの具体例を示す図である。図6のフローチャートに示される処理は、制御部9、データ処理部8、および音声処理部3が記憶部6に記憶されるプログラムを読み出して実行することで実現される。
【0050】
図9を参照して、始めに、制御部9は記憶部6を参照して、携帯電話機100における動作モードが、操作ファイルを送信するための動作モードである「操作ファイル送信モード」かどうか確認する(ステップS31)。現在の動作モードが「操作ファイル送信モード」であり(ステップS31でY)、さらに、送信する対象の操作ファイルが指定されると(ステップS32でY)、データ処理部8および音声処理部3は、記憶部6の所定領域に記憶されている操作ファイルを送信する処理を実行する(ステップS33)。詳しくは、データ処理部8は、指定された操作ファイルを記憶部6の所定領域において特定し、先頭から順に読込む。さらに、データ処理部8は、読込んだキー情報のうちから押下されたキーを特定できるキー情報を抽出し音声処理部3に渡す。音声処理部3は、入力されたキー情報の示すキーを表わす符号をDTMF音に変換して、操作ファイルに記録されている押下された時刻の順に、電話網を介して通話中の相手装置に対して送信するために無線部2に入力する。または、ステップS33で音声処理部3は、入力されたキー情報の示すキーを表わす符号と、該キーが押下された時刻を表わす符号とをDTMF音に変換して、電話網を介して通話中の相手装置に対して送信するために無線部2に入力してもよい。つまり、後者の場合には、操作ファイルのうち、押下されたキーを特定する情報と該キーが押下された時刻とを含むキー情報がDTMF音に変換されて送信する。なお、DTMF音を電話網を介して相手装置に送信する技術については、本発明において特定の方法に限定されず、既存の技術を用いることができる。
【0051】
以上の処理は指定された操作ファイルのすべてが読込まれるまで繰り返され、該操作ファイルの読込みが完了すると(ステップS35でY)、操作ファイルの送信が終了する。
【0052】
図10は、上記処理における操作および画面表示の具体例を示す図である。図10においても、図3および図4と同様に、押下されたキーは二重線、表示された選択肢のうち選択された選択肢は太字で示されている。
【0053】
図10(A)において操作ファイルモードキーが所定の方法で押下されることで、操作ファイル送信モードが設定される。操作ファイル送信モードが設定されると、送信する対象とする操作ファイルを選択するための画面が表示され(図10(B))、選択肢として表示された操作ファイルの中から矢印キーが押下されることで送信する対象とする操作ファイルが選択され、決定キーが押下されることで決定される。図10(B)では、矢印キーが押下されてファイル1が選択された状態で決定キーが押下されている。そのため、上記ステップS32で制御部9は操作ファイルの指定がなされたと判断し、さらに「ファイル1」が送信する対象の操作ファイルとして指定されたと判断する。これにより、上記ステップS33でデータ処理部8は「ファイル1」を読込んで、ステップS34で音声処理部3はDTMF音に変換する。
【0054】
上記「ファイル1」が図5に示された操作ファイルである、すなわち、図3よおび図4に示された一連の操作によって作成された操作ファイルであるとする。データ処理部8は、上記ステップS33で、図5の一連のキー情報のうち、待ち受け画面の状態から決定キーが押下されたこと、数字2のキーが押下されたこと、数字3のキーが押下されたこと、および数字2のキーが押下されたことを示すキー情報をその順で抽出し、音声処理部3に入力する。音声制御部3は、上記ステップS34で、図8に示される対応関係に従って、入力された上記キー情報が示す符号、つまり決定キーに相当する符号である「A」、「2」、「3」、「2」、およびガイド1キーに相当する符号である「C」を、各々、予め記憶されている、符号と低群・高群の2つの音声周波数帯域の信号音との対応に基づいてDTMF音に変換する。そして、その順で、電話網を介して通話中の相手装置に送信させるための無線部2に入力する。
【0055】
携帯電話機100が上述の相手装置である場合、つまり携帯電話機100で他の装置からSTMF音を受信した際には、図11に示される処理が実行される。図11のフローチャートに示される処理は、制御部9、キーデータ処理部4、および音声処理部3が記憶部6に記憶されるプログラムを読み出して実行することで実現される。
【0056】
図11を参照して、始めに、制御部9は記憶部6を参照して、携帯電話機100における動作モードが、操作ファイルが変換されたDTMF音を受信して処理するための動作モードである「操作ファイル受信モード」かどうか確認する(ステップS41)。現在の動作モードが「操作ファイル受信モード」であり(ステップS41でY)、さらに、電話網を介して無線部2で受信したDTMF音が音声処理部3に入力されると(ステップS42でY)、音声処理部3は、入力されたDTMF音を、予め記憶されている、符号と低群・高群の2つの音声周波数帯域の信号音との対応に基づいて符号に変換し、当該符号で表わされるキーが押下されたことを示すキー情報として制御部9に入力する。キーデータ処理部4は、記憶部6の所定領域を記録用のメモリとして確保し、制御部9に入力されたキー情報を該メモリに書き出す(ステップS43)。
【0057】
以上の処理が、制御部9において現在の動作モードが操作ファイル受信モードでないと確認されるまで繰り返される。そして、制御部9において現在の動作モードが操作ファイル受信モードでないと確認されると(ステップS41でN)、その時点で上記メモリへのキー情報の書込みを終了し、該メモリに書き出された一連のキー情報から操作ファイルを作成する。作成された操作ファイルは、キーデータ処理部4によって、記憶部6の所定領域に記憶される。
【0058】
送信する対象の操作ファイルが図5に示される操作ファイルであって、上述の図9に示される処理で変換されたDTMF音を受信した場合、携帯電話機100では上述の図11に示される処理が行なわれることで、図12に示される操作ファイルが作成されて、記憶部6の所定領域に記憶される。なお、図12に示される操作ファイルは、図9のステップS33の処理において、押下されたキーを特定する情報と該キーが押下された時刻とを含むキー情報がDTMF音に変換されて送信された場合に、受信側の携帯電話機100で作成(再構成)された操作ファイルを示している。記憶部6に記憶された操作ファイルは、図6に示された処理を行なうことで実行され、同じ操作を携帯電話機100において行なわせることができる。
【0059】
携帯電話機100において、上述のような操作ファイルの送受信が行なわれることで、当該装置で行なわれた操作を示す操作ファイルを、簡単な操作で、DTMF音に変換したり、メールに添付したりして他の装置に送信でき、同様の操作を他の装置で行なわせることができる。逆に、他の装置で行なわれた操作を、簡単な操作で当該装置で行なわせることができる。これにより、着信音の設定等、操作方法が不明な場合であっても、他の装置に対応する操作ファイルが存在する場合には、該操作ファイルを取得することで、該操作ファイルを実行するための簡単なキー操作だけで、上記他の装置での動作と同様の動作を携帯電話機100に実行させることができる。つまり、容易にサポートができる。また、他の装置のユーザが操作方法が不明な場合であっても、携帯電話機100に対応する操作ファイルが存在する場合には、該操作ファイルを上記他の装置に送信することで、他の装置において、簡単なキー操作で携帯電話機100での動作と同様の動作を実行させることができる。
【0060】
なお、上の例では、送信する際には、すでに記憶部6に記憶されている操作ファイルを他の装置に送信するものとしている。また、他の装置からDTMF音が入力された際に該DTMF音に基づいて操作ファイルを作成し、いったん記憶部6に記憶させるものとしている。以下では、他の例について説明する。
【0061】
図13は、携帯電話機100でキー操作を表わすDTMF音を生成し、電話網を介して他の装置に送信する際の処理の流れの具体例を示す図である。図13のフローチャートに示される処理は、制御部9および音声処理部3が記憶部6に記憶されるプログラムを読み出して実行することで実現される。
【0062】
図13を参照して、始めに、制御部9は記憶部6を参照して、携帯電話機100が通話中の状態において、動作モードが、操作ファイルを送信するための動作モードである「操作ファイル送信モード」かどうか確認する(ステップS51)。現在の動作モードが「操作ファイル送信モード」であり(ステップS51でY)、さらに、通話中にユーザからキー入力があった場合は(ステップS52でY)、音声処理部3は、押下されたキーについてのキー情報に基づいて、入力されたキー情報の示すキーを表わす符号をDTMF音に変換して、電話網を介して通話中の相手装置に対して送信するために無線部2に入力する(ステップS53)。
【0063】
携帯電話機100が上述の相手装置である場合、つまり携帯電話機100で他の装置からSTMF音を受信した際には、図14に示される処理が実行される。図14のフローチャートに示される処理は、制御部9、データ処理部8、および音声処理部3が記憶部6に記憶されるプログラムを読み出して実行することで実現される。
【0064】
図14を参照して、始めに、制御部9は記憶部6を参照して、携帯電話機100が通話中の状態において、動作モードが、操作ファイルが変換されたDTMF音を受信して処理するための動作モードである「操作ファイル受信モード」かどうか確認する(ステップS61)。現在の動作モードが「操作ファイル受信モード」であり(ステップS61でY)、さらに、電話網を介して無線部2で受信したDTMF音が音声処理部3に入力されると(ステップS62でY)、音声処理部3は、入力されたDTMF音を、予め記憶されている、符号と低群・高群の2つの音声周波数帯域の信号音との対応に基づいて符号に変換する。さらに、データ処理部8は、キー情報を操作信号に変換して、制御部9に入力する。これにより、制御部9は、入力されたDTMF音に対応した操作信号に基づく処理を実行する(ステップS63)。
【0065】
以上の処理が送信側および受信側の携帯電話機で行なわれることで、受信側の携帯電話機では、送信側の携帯電話機でのキー操作と同じキー操作に応じた動作が実行される。たとえば、送信側の携帯電話機において、上記処理の際に図3および図4に説明されたキー操作が行なわれているものとする。通話中に、操作ファイル送信モードを設定するキー操作がなされると、上記ステップS53では、該キー操作に応じたDTMF音が受信側の携帯電話機に送信される。ここでは、予め少なくとも送信側の携帯電話機と受信側の携帯電話機との間でキー操作に対応するものと取り決めた所定のDTMF音が送信されればよい。上記ステップS62で上記DTMF音の入力を受付けると、上記ステップS63で受信側の携帯電話機では、該DTMF音を変換して得られる操作信号に基づいて操作ファイル受信モードを設定する動作がなされる。
【0066】
送信側の携帯電話機において図3(B)のキー操作がなされると、上記ステップS53では、決定キーの押下に応じたDTMF音が受信側の携帯電話機に送信される。そして、送信側の携帯電話機ではデータ一覧を表示するアプリケーションが起動し、図3(C)に示される画面が表示される。上記ステップS62で上記DTMF音の入力を受付けると、上記ステップS63で受信側の携帯電話機では、該DTMF音を変換して得られる操作信号に基づいてデータ一覧を表示するアプリケーションが起動し、送信側の携帯電話機と同様に、図3(C)に示される画面が表示される。
【0067】
送信側の携帯電話機において図3(C)のキー操作がなされると、上記ステップS53では、数字2のキーの押下に応じたDTMF音が受信側の携帯電話機に送信される。そして、送信側の携帯電話機ではデータボックス内のデータの一覧を表示するアプリケーションが起動し、図3(D)に示される画面が表示される。上記ステップS62で上記DTMF音の入力を受付けると、上記ステップS63で受信側の携帯電話機では、該DTMF音を変換して得られる操作信号に基づいてデータボックス内のデータの一覧を表示するアプリケーションが起動し、送信側の携帯電話機と同様に、図3(D)に示される画面が表示される。
【0068】
送信側の携帯電話機において図3(D)のキー操作がなされると、上記ステップS53では、数字3のキーの押下に応じたDTMF音が受信側の携帯電話機に送信される。そして、送信側の携帯電話機ではマイメロディ内のデータの一覧を表示するアプリケーションが起動し、図4(A)に示される画面が表示される。上記ステップS62で上記DTMF音の入力を受付けると、上記ステップS63で受信側の携帯電話機では、該DTMF音を変換して得られる操作信号に基づいてマイメロディ内のデータの一覧を表示するアプリケーションが起動し、送信側の携帯電話機と同様に、図4(A)に示される画面が表示される。
【0069】
送信側の携帯電話機において図4(A)のキー操作がなされると、上記ステップS53では、数字2のキーの押下に応じたDTMF音が受信側の携帯電話機に送信される。そして、送信側の携帯電話機ではマイメロディ一覧表の中から選択肢2の「着信音2」が選択される。また、送信側の携帯電話機において図4(B)のキー操作がなされると、上記ステップS53では、ガイド1キーの押下に応じたDTMF音が受信側の携帯電話機に送信される。そして、送信側の携帯電話機では選択された「着信音2」が着信音に決定される。上記ステップS62で上記DTMF音の入力を受付けると、上記ステップS63で受信側の携帯電話機では、送信側の携帯電話機と同様に、マイメロディ一覧表の中から選択肢2の「着信音2」が選択され、着信音に決定される。
【0070】
従って、以上の処理が行なわれることで、送信側の携帯電話機では、通話中に、煩雑な操作を行なうことなく、受信側の携帯電話機に対して送信側の携帯電話機に対する動作と同様の動作を行なわせることができる。また、受信側の携帯電話機では、通話中に、特別な操作を要さずに自動的に送信側の携帯電話機での動作と同様の動作が行なわれる。さらに、通話網を利用して操作ファイルを送信することで、たとえば、お客様相談センターへの問い合わせ中に操作方法を同時に伝達する、などの活用もできる。
【0071】
なお、上の例では、携帯電話機100で作成された操作ファイルは、記憶部6の所定領域に記憶されるものとしている。しかしながら、作成された操作ファイルが多くなると、記憶部6の記憶領域を圧迫するようになる。特に、携帯電話機では、小型化、軽量化の観点より、記憶容量がある程度に制約される。そこで、上述の他の装置に操作ファイルを送信する処理を応用し、自身のデータを記憶させておくため、サーバ等の他の装置に送信するようにしてもよい。
【0072】
図15は、携帯電話機100で、作成された操作ファイルをサーバに送信する際の処理の流れの具体例を示す図である。図15のフローチャートに示される処理は、制御部9およびキーデータ処理部4が記憶部6に記憶されるプログラムを読み出して実行することで実現される。
【0073】
図15を参照して、始めに、制御部9は記憶部6を参照して、携帯電話機100における動作モードが、操作ファイルを作成し、サーバに送信するための動作モードである「操作ファイルサーバ送信モード」かどうか確認する(ステップS71)。現在の動作モードが「操作ファイルサーバ送信モード」である場合(ステップS71でY)、キーデータ処理部4は、押下されたキーについてのキー情報に基づいて操作ファイルを作成する処理を実行する。ここでのステップS72,S73の処理は、先に説明されたステップS12,S13の処理と同様である。
【0074】
その後、制御部9は記憶部6に記憶されているすべての操作ファイルのサイズを確認し、その合計が予め設定されている上限値に達しているか否かを確認する(ステップS74)。その結果、記憶されているすべての操作ファイルのサイズの合計が上限値に達していた場合(ステップS74でY)、つまり、上述したように、記憶部6の所定領域に記憶されいる操作ファイルの容量が大きくなり、設定されている上限に達した場合、制御部9は、予めアクセス先が登録されているサーバに、操作ファイルを送信するための処理を行なう(ステップS75)。ステップS75では、記憶部6に記憶されているすべての操作ファイルを送信してもよい。また、記憶された日時の古い順、または新しい順に、記憶部6に記憶されている操作ファイルのサイズの合計が所定量以下になるまで送信するようにしてもよい。または、サイズの大きいものから、あるいは小さいものから順に、記憶部6に記憶されている操作ファイルのサイズの合計が所定量以下になるまで送信するようにしてもよい。または、先のステップS73で作成された操作ファイル、つまり最新の操作ファイルのみを送信するようにしてもよい。ステップS75で制御部9は、サーバに送信する対象の操作ファイルを記憶部6の所定領域から読み出して、記憶されているアクセス先と共に、該アクセス先に送信させるために無線部2に入力する。
【0075】
記憶部6に記憶される操作ファイルの上限値は、所定の操作を行なうことで設定されるものであってもよいし、変更されるものであってもよい。また、操作ファイルを送信するサーバのアクセス先もまた、所定の操作を行なうことで設定されるものであってもよいし、変更されるものであってもよい。また、複数のアクセス先が登録されていて、上記ステップS75にて、制御部9が自動送信するにあたって表示部7に上記複数のアクセス先を送信するサーバの選択肢として表示し、その指定を受付けるようにしてもよい。
【0076】
上述のようにしてサーバに送信され記憶された操作ファイルは、所定の操作を行なうことで、送信した携帯電話機100において読み出され、図6に示されたような処理を行なうことで携帯電話機100において実行されてもよい。また、サーバに送信され記憶された操作ファイルは、他の携帯電話機との間で共有されてもよい。すなわち、所定の操作を行なうことで、他の携帯電話機によってサーバに送信され記憶された操作ファイルを実行可能としてもよい。さらに、携帯電話機のみならず、他の情報処理装置において所定の操作を行なうことで、サーバに送信され記憶された操作ファイルが利用可能であってもよい。その使い方としては、たとえば、開発者が解析し、端末の使用状況を企画にフィードバックしてユーザビリティの向上を図ること、などが想定される。
【0077】
特に上の例では、記憶部6の記憶容量が圧迫されることを防止するためのとして、記憶されている操作ファイルのサイズの合計が上限値に達したら自動的にサーバに送信するものとしている。しかしながら、上述のような、他の情報処理装置において活用する場合を想定すると、所定のタイミングで操作ファイルをサーバに送信するようにしてもよい。所定のタイミングとしては、所定の期間ごとであってもよいし、特定のイベントでもよいし、ユーザの操作であってもよい。つまり、上記ステップS74で、制御部9は、記憶部6に記憶されている操作ファイルのサイズの確認に替えて、上述のような所定のタイミングに該当しているか否かを確認し、該当している場合に、操作ファイルをサーバに送信するようにしてもよい。このようにして携帯電話機100からサーバに操作ファイルが送信されることで、上述のように他の情報処理装置を用いて開発者等が開発に活用する場合には、他の情報処理装置では、たとえば送られてきた操作ファイルに対して解析を行なって必要な情報を抽出することができる。これにより、開発者側では、市場のニーズを的確に捉えることができ、ニーズに応えた開発が可能となる。
【0078】
さらに、上述の図2、図6、図9、図11、図13〜図15に表わされた操作ファイルの処理を、携帯電話機100に実行させるためのプログラムを提供することもできる。このようなプログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびメモリカードなどのコンピュータや携帯電話機で読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータや携帯電話機に内蔵するハードディスクやROMなどの記録媒体にて記録させて、コンピュータや携帯電話機に内蔵した状態でプログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0079】
なお、本発明にかかるプログラムは、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0080】
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0081】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0082】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の携帯端末の一実施の形態である携帯電話機の構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態にかかる携帯電話機で操作ファイルを作成する際の処理の流れの具体例を示すフローチャートである。
【図3】着信音を設定するための操作を構成するキー操作群を説明する図である。
【図4】着信音を設定するための操作を構成するキー操作群を説明する図である。
【図5】操作ファイルの具体例を示す図である。
【図6】実施の形態にかかる携帯電話機で操作ファイルを実行する際の処理の流れの具体例を示す図である。
【図7】操作ファイルを実行する処理における操作および画面表示の具体例を示す図である。
【図8】キーとDTMF音に変換するための符号との対応関係の具体例を示す図である。
【図9】実施の形態にかかる携帯電話機で操作ファイルをDTMF音に変換し、電話網を介して他の装置に送信する際の処理の流れの具体例を示す図である。
【図10】操作ファイルをDTMF音に変換し、電話網を介して他の装置に送信する処理における操作および画面表示の具体例を示す図である。
【図11】実施の形態にかかる携帯電話機でDTMF音を他の装置から受信した際の処理の流れの具体例を示す図である。
【図12】受信した携帯電話機において作成される操作ファイルの具体例を示す図である。
【図13】実施の形態にかかる携帯電話機でキー操作を表わすDTMF音を生成し、電話網を介して他の装置に送信する際の処理の流れの具体例を示す図である。
【図14】実施の形態にかかる携帯電話機でDTMF音を他の装置から受信した際の処理の流れの具体例を示す図である。
【図15】実施の形態にかかる携帯電話機で、作成された操作ファイルをサーバに送信する際の処理の流れの具体例を示す図である。
【符号の説明】
【0084】
1 アンテナ、2 無線部、3 音声処理部、4 キーデータ処理部、5 操作部、6 記憶部、7 表示部、8 データ処理部、10 電源、100 携帯電話機。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作手段と、
前記操作手段から入力される操作信号に従って処理を実行するよう制御する制御手段と、
記憶手段と、
前記操作手段から入力される操作信号に基づいて、操作ごとに、前記操作の内容を特定する情報と、前記操作の順を特定する情報とを含む操作情報を生成し、前記記憶手段に記憶する処理を行なう操作情報処理手段とを備える、携帯端末。
【請求項2】
前記記憶手段から前記操作情報を読込む読込手段と、
前記操作情報から前記操作の内容と前記操作の順とを特定し、前記制御手段に対して、前記操作を実行させるよう制御信号を出力する情報処理手段とをさらに備える、請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
通話手段と、
前記記憶手段から前記操作情報を読込む読込手段と、
前記操作情報に含まれる前記操作の内容を特定する情報と前記操作の順を特定する情報とを、前記通話手段で送信するためのデータに変換する第1変換手段と、
前記変換されたデータを、他の装置に、前記通話手段を用いて送信する第1送信手段とをさらに備える、請求項1または2に記載の携帯端末。
【請求項4】
通話手段と、
他の装置から送信された、前記操作情報に含まれる前記操作の内容を特定する情報と前記操作の順を特定する情報とが変換されているデータを、前記通話手段を用いて受信する受信手段と、
前記受信したデータを、前記操作の内容を特定する情報と前記操作の順を特定する情報とに変換する第2変換手段とをさらに備え、
前記操作情報処理手段は、前記変換された前記操作の内容を特定する情報と前記操作の順を特定する情報とを含む操作情報を生成し、前記記憶手段に記憶する処理を行なう、請求項1〜3のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項5】
通話手段をさらに備え、
前記操作情報処理手段は、前記通話手段で通話中に前記前記操作手段から入力される操作信号に基づいて、操作ごとに、前記操作の内容を特定する情報と、前記操作の順を特定する情報とを含む操作情報を生成し、
前記操作情報に含まれる前記操作の内容を特定する情報と前記操作の順を特定する情報とを、前記通話手段で送信するためのデータに変換する第1変換手段と、
前記変換されたデータを、前記操作の順に他の装置に、前記通話手段を用いて送信する第1送信手段とをさらに備える、請求項1〜4のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項6】
通話手段と、
前記通話手段で他の装置と通話中に前記他の装置から送信された、前記操作情報に含まれる前記操作の内容を特定する情報と前記操作の順を特定する情報とが変換されているデータを、前記通話手段を用いて受信する受信手段と、
前記受信したデータを、前記操作の内容を特定する情報と前記操作の順を特定する情報とに変換する第2変換手段と、
前記操作の内容を特定する情報と前記操作の順を特定する情報とに基づいて、前記制御手段に対して、前記操作を実行させるよう制御信号を出力する情報処理手段とをさらに備える、請求項1〜5のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項7】
前記記憶手段から前記操作情報を読込む読込手段と、
前記操作情報を他の装置に予め規定されたタイミングで送信する第2送信手段とをさらに備える、請求項1〜6のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項8】
携帯端末における操作情報処理方法であって、
前記携帯端末は、操作手段と、記憶手段と、操作情報処理手段とを備え、
前記操作手段で操作入力を受付けるステップと、
前記操作情報処理手段で、前記操作入力に基づいて、前記操作の内容を特定する情報と、前記操作の順を特定する情報とを前記記憶手段に書き出すステップと、
前記操作手段で、操作終了を示す操作入力を受付けるステップと、
前記操作情報処理手段で、前記操作終了を示す操作入力に従って、前記記憶手段に書き出された、前記操作ごとの、前記操作の内容を特定する情報と、前記操作の順を特定する情報とから、前記操作終了までの一連の操作を示すファイルを作成するステップとを備える、操作情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータに操作情報の処理を実行させるプログラムであって、
前記コンピュータは、操作手段と、記憶手段と、操作情報処理手段とを備え、
前記操作手段が操作入力を受付けるステップと、
前記操作情報処理手段が、前記操作入力に基づいて、前記操作の内容を特定する情報と、前記操作の順を特定する情報とを前記記憶手段に書き出すステップと、
前記操作手段が、操作終了を示す操作入力を受付けるステップと、
前記操作情報処理手段が、前記操作終了を示す操作入力に従って、前記記憶手段に書き出された、前記操作ごとの、前記操作の内容を特定する情報と、前記操作の順を特定する情報とから、前記操作終了までの一連の操作を示すファイルを作成するステップとを実行させる、操作情報処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−253906(P2009−253906A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−102716(P2008−102716)
【出願日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】