説明

携帯端末及びプログラム

【課題】タッチパッドを介した入力の操作性を向上し得る携帯端末を提供する。
【解決手段】本発明の携帯端末は、押圧を検出するタッチパッドと、タッチパッドの面上を撮像可能な撮像部を備える。この携帯端末のCPUは、タッチパッドが押圧を検出すると、タッチパッドの面上を撮像した直近の画像データを解析して、当該押圧の際にタッチパッドの面上に存在したユーザの指の本数の検出を行う。そして、検出した指の本数に基づいて、ユーザの操作指令を判別し、その判別した操作指令をOSに実行させる。これにより、1つのオブジェクトに対する2種類の操作(例えば、マウスの左及び右クリックに相当する操作)を簡単に行うことが可能となり、操作性の向上が図れる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパッドによる入力機能を搭載した携帯端末及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末の表示部にタッチパッドを搭載し、表示部の画面を押圧することにより入力を行う端末は既に製品化されている。しかし、単純な画面の押圧だけではコンピュータにおけるマウスの左クリック操作相当の処理、すなわち、選択・実行等の処理しか行うことができない。コンピュータにおけるマウスの右クリック操作のようなその他の操作も行えるようにするために、画面への接触時間に応じて、入力された命令を判断したり(例えば、特許文献1)、接触面積の大小及び接触点の個数を検知することで、入力された命令を判断したりする装置が提案されている(例えば、特許文献2)。
【0003】
【特許文献1】特開2007−80291
【特許文献2】特開2000−284912
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1では、所望の操作指令を入力するために、所定の時間、画面を押圧しなければならず、入力に時間がかかるという問題がある。また、上記特許文献2では、1つの操作指令を入力するために、画面上の複数の座標点を押圧しなければならず、タッチパッド入力のメリットである直感性を損ない、操作が複雑になるという問題がある。
【0005】
本発明は、上記問題を鑑みてなされたもので、タッチパッドを介した入力の操作性を向上し得る携帯端末及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る携帯端末は、
押圧を検出し、検出した領域の位置情報を出力するタッチパッドと、
該タッチパッドの面上を撮像する撮像手段と、
該撮像手段の撮像によって得られた画像データを記憶する記憶手段と、
前記タッチパッドが押圧を検出した際、前記記憶手段に記憶されている前記画像データを解析して、当該押圧の際に該タッチパッドの面上に存在した指の本数を検出する指本数検出手段と、
該指本数検出手段によって検出された指の本数に基づいて、処理すべき操作種別を判別する操作種別判別手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の第2の観点に係る携帯端末は、
押圧を検出し、検出した領域の位置情報を出力するタッチパッドと、
該タッチパッドの面上を撮像する撮像手段と、
該撮像手段の撮像によって得られた画像データを記憶する記憶手段と、
前記タッチパッドが押圧を検出した際、前記記憶手段に記憶されている前記画像データを解析して、当該押圧に使用した押圧指を特定する押圧指特定手段と、
該押圧指特定手段により特定された前記押圧指と、該押圧指と異なる他の指との当該押圧の際における位置関係に基づいて、処理すべき操作種別を判別する操作種別判別手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
上記の場合、前記押圧指特定手段は、所定時間分の前記画像データを解析して、最も大きく位置変化が認められる指を前記押圧指として特定してもよい。
【0009】
また、本発明の第3の観点に係る携帯端末は、
押圧を検出し、検出した領域の位置情報を出力するタッチパッドと、
前記押圧した指の種別を特定する指種別特定手段と、
該指種別特定手段によって特定された指の種別に基づいて、処理すべき操作種別を判別する操作種別判別手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
上記の場合、前記指種別特定手段は、前記押圧した指の指紋を検出し、検出した指紋と、予め保持しているユーザの各指の指紋データとを照合することで、押圧した指の種別を特定してもよい。
【0011】
また、本発明の第4の観点に係るプログラムは、
コンピュータを、
タッチパッドが押圧を検出した際、撮像手段の撮像によって得られ、記憶手段に記憶されている画像データを解析して、当該押圧の際に前記タッチパッドの面上に存在した指の本数を検出する指本数検出手段、
該指本数検出手段によって検出された指の本数に基づいて、処理すべき操作種別を判別する操作種別判別手段、として機能させることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の第5の観点に係るプログラムは、
コンピュータを、
タッチパッドが押圧を検出した際、撮像手段の撮像によって得られ、記憶手段に記憶されている画像データを解析して、当該押圧に使用した押圧指を特定する押圧指特定手段、
該押圧指特定手段により特定された前記押圧指と、該押圧指と異なる他の指との当該押圧の際における位置関係に基づいて、処理すべき操作種別を判別する操作種別判別手段、として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、タッチパッドを介した入力操作に関して、複数の操作指令を直感性を損なわず簡単に入力することができ、操作性の向上が図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る携帯端末100の構成を示すブロック図である。図1に示すように、携帯端末100は、制御部110と、広域無線通信モジュール120と、記憶部130と、表示部140と、入力部150と、撮像部160と、から構成される。
【0015】
制御部110は、OS(Operating System)の処理を含めたシステム制御と様々なプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit:中央処理装置)111、CPU111が実行するタッチパッド入力制御プログラムを含む各種プログラムを格納するROM (Read Only Memory)112、プログラム実行時のワークエリアとして使用したり、ユーザからの入力情報を一時保持するため等に使用するRAM(Random Access Memory)113等から構成される。
【0016】
広域無線通信モジュール120は、制御部110の要求に応じ広域無線網を通して通信を行う。広域無線通信モジュール120が使用する広域無線網通信システムとしては携帯電話無線システムを用いる。この場合、広域無線通信モジュール120は、例えば、携帯電話システムの無線基地局との間で通信を行う。
【0017】
記憶部130は、例えばフラッシュメモリ131等から構成され、サービス加入情報や通信によって取得したデータ、アプリケーションプログラム用のデータ等を記憶する。表示部140は、本実施形態の如く液晶ディスプレイ(LCD)141や有機EL(Electro Luminescence)によるディスプレイ装置等から構成され、制御部110からの指令に基づき、ユーザ操作のための画面(ユーザI/F画面)、ユーザの入力結果やユーザの所望するデータ等の表示を行う。
【0018】
入力部150は、キーパッド151、タッチパッド152等から構成され、ユーザからの入力を受け付ける処理を行う。タッチパッド152は、静電容量の変化を検出する透明な平板状の静電容量センサから構成される。タッチパッド152は、LCD141に重ねて実装され、ユーザの指先や専用のペン等によるタッチパッド面(ユーザにとってはLCD141の表示画面)の接触(押圧)を検出し、その位置の情報(座標データ)を出力する。
【0019】
撮像部160は、CMOSイメージセンサ161、レンズユニット162等から構成され、動画像や静止画を撮像する。図2に示すように、撮像部160を収容する筐体170は、携帯端末100の上部(長手方向の側面)に、矢印方向に回動自在に取り付けられている。また、レンズユニット162は、例えば、筐体170をA1方向に最大限回転させた場合に、LCD141の表面全域を網羅可能となるように配置されている。したがって、ユーザは、自らがタッチパッド152を押圧する様子を撮像させたい場合は、筐体170をA1方向に最大限回転させ、その他の被写体を撮像させたい場合には、筐体170をA2方向に回転させ、レンズユニット162の向きを適宜切り替えることができる。
【0020】
続いて、ユーザによるタッチパッド152の押圧からユーザの操作指令を判別し、その判別した操作指令をOSに実行させる処理(タッチパッド入力制御処理)について、図3のフローチャートに沿って説明する。タッチパッド入力制御処理は、携帯端末100の電源投入後、CPU111によりROM112に記憶されたタッチパッド入力制御プログラムが読み出され、実行されることで開始される。
【0021】
タッチパッド入力制御処理が開始されると、CPU111は、撮像部160を起動させ、LCD141の表面(即ち、タッチパッド152の表面)の撮像を開始させる(ステップS101)。撮像部160により撮像した動画像データはRAM113に記憶される(フラッシュメモリ131に保存されるようにしてもよい)。RAM113には、タッチパッド入力制御処理の実行中、所定時間分の動画像データ(所定時間前から現時点までの動画像データ)が常時記憶される。
【0022】
なお、消費電力を抑制するため、電源投入時において、レンズユニット162がLCD141の表面に向いていない場合には、撮像部160を起動させないとする仕様であってもよい(但し、ユーザのキーパッド151等の操作によって撮像部160を起動させることはできる)。あるいは、電源投入時において、レンズユニット162がLCD141の表面に向いていない場合には、タッチパッド入力制御処理自体を開始させないようにしてもよい。これらの場合、電源投入後に、ユーザが、筐体170をA1方向に最大限回転させることで、自動的に撮像部160が撮像を開始し、あるいはタッチパッド入力制御処理の実行が開始されるようにしてもよい。
【0023】
しかる後、ユーザによりタッチパッド152がタッチ(押圧)されると(ステップS102でYES)、CPU111は、タッチパッド152が検出した座標データを取得する(ステップS103)とともに、RAM113から読み出した動画像データを解析して、押圧時の指本数を検出する(ステップS104)。
【0024】
指が撮像されているか否かの判別については、予めROM112あるいはフラッシュメモリ131に記憶されている何通りかの指の画像データを使用した周知のパターン認識法を採用する。あるいは、撮像された物体の画像の輪郭を取り出し、その輪郭が細長い形状(例えば、幅対高さの比が1:5)であれば、その物体を指であると認識する手法を採用してもよい。
【0025】
以上のようにして検出された指の本数が1本以下の場合(ステップS105でYES)、CPU111は、ユーザにより第1の押圧操作が行われたものとして、取得した座標データとともに第1の押圧イベントをOSに通知する(ステップS106)。
【0026】
一方、検出された指の本数が2本以上の場合(ステップS105でNO)、即ち、ユーザが、タッチパッド152を押圧する際、他の指を添えて押圧した場合、CPU111は、ユーザにより第2の押圧操作が行われたものとして、取得した座標データとともに第2の押圧イベントをOSに通知する(ステップS107)。
【0027】
OSは、第1の押圧イベント又は第2の押圧イベントの通知を受けると、それぞれのイベントに応じた処理を行う。例えば、OSは、第1の押圧イベントが通知されると、LCD141の表示画面における第1の押圧イベントに付随する座標データが示す位置に、ある画像データを示すアイコン等のシンボルが存在する場合、当該画像データをLCD141に表示させる。
【0028】
一方、第2の押圧イベントが通知されると、OSは、LCD141の表示画面における第2の押圧イベントに付随する座標データが示す位置に、ある画像データを示すアイコン等のシンボルが存在する場合、当該画像データの情報、具体的には、データサイズ、画像圧縮形式、画像表示サイズ、画像データ作成日時等の属性情報(いわゆるプロパティ)をLCD141に表示させる。
【0029】
タッチパッド入力制御処理は、携帯端末100の電源がOFFにされるまで継続する。なお、ユーザにより、筐体170がA2方向に回され、レンズユニット162の向きが切り替えられた場合には、タッチパッド入力制御処理を終了するようにしてもよい。
【0030】
以上のようなタッチパッド入力制御処理が実行されることで、ユーザは、タッチパッド152を押圧する際、当該押圧指に他の指を添えなかった場合(図4(a)参照)と、他の指を添えた場合(図4の(b))とで、異なった操作(第1の押圧操作及び第2の押圧操作)を携帯端末100に対して行うことができる。これにより、ユーザは、1つのオブジェクトに対する2種類の操作(例えば、マウスの左及び右クリックに相当する操作)を簡単に行うことが可能となり、操作性の向上が図れる。
【0031】
なお、上記タッチパッド入力制御処理において、CPU111は、検出した指の本数に応じた3種類以上の押圧イベントをOSに通知してもよい。このようにすれば、1つのオブジェクトに対して、さらに多くの種類の操作を行うことができる。
【0032】
(実施形態2)
続いて、本発明の実施形態2に係る携帯端末100について説明する。実施形態2に係る携帯端末100は、上記実施形態1に係る携帯端末100と同一の構成(図1及び図2参照)を有するが、実行するタッチパッド入力制御処理の内容が実施形態1に係る携帯端末100と異なる。より詳細には、双方のタッチパッド入力制御処理では、ユーザが行った押圧操作(第1の押圧操作及び第2の押圧操作)の判別手法が異なる。
【0033】
図5は、実施形態2のタッチパッド入力制御処理における押圧操作の判別手法を説明するためのフローチャートである。図5のフローチャートは、図3のフローチャートと異なる部分のみを示している。以下、かかる部分について詳細に説明する。
【0034】
ユーザによりタッチパッド152が押圧され、検出された指の本数が2本以上の場合(図3のステップS105でNO)、CPU111は、実際に押圧した指を特定する(図5のステップS501)。具体的には、CPU111は、先に取得した動画像データを解析して、検出された指の中で最も動きの大きいものを実際に押圧に使用した指として特定する。
【0035】
そして、CPU111は、動画像データを解析して、その特定した指(押圧したものとみなした指)の左側に他の指が存在している(撮像されている)か否かを判別する(ステップS502)。左側に他の指が存在しない場合(ステップS502でNO)、CPU111は、ユーザにより第1の押圧操作が行われたものとして(図6(a)参照)、取得した座標データとともに第1の押圧イベントをOSに通知する(ステップS503)。
【0036】
一方、押圧したものとみなした指の左側に他の指が存在する場合(ステップS502でYES)、CPU111は、ユーザにより第2の押圧操作が行われたものとして(図6(b)参照)、取得した座標データとともに第2の押圧イベントをOSに通知する(ステップS504)。
【0037】
以上のように、本実施形態のタッチパッド入力制御処理によれば、ユーザは、複数の指(例えば、右手人差し指と右手中指)をタッチパッド152(LCD141)の近傍、つまり、撮像部160の撮像範囲内(レンズユニット162の視野内)に置いたままで、第1の押圧操作及び第2の押圧操作を行うことができる。したがって、1つのオブジェクトに対する2種類の操作(例えば、マウスの左及び右クリックに相当する操作)がより簡便に行え、操作性がさらに向上する。
【0038】
なお、上記タッチパッド入力制御処理において、CPU111は、押圧したものと特定した指の隣に存在する指の本数に応じた押圧イベントをOSに通知してもよい。このようにすれば、1つのオブジェクトに対して、さらに多くの種類の操作を行うことができる。
【0039】
(実施形態3)
続いて、本発明の実施形態3に係る携帯端末100について説明する。実施形態3に係る携帯端末100は、上記実施形態1及び実施形態2に係る携帯端末100と同一の構成(図1及び図2参照)を有するが、実行するタッチパッド入力制御処理における押圧操作(第1の押圧操作及び第2の押圧操作)の判別手法が、実施形態1及び実施形態2に係る携帯端末100と異なる。
【0040】
実施形態3では、図7に示すように、押圧の際の指は、撮像部160によって横方向から撮像される。図8は、実施形態3のタッチパッド入力制御処理における押圧操作の判別手法を説明するためのフローチャートである。図8のフローチャートは、図3のフローチャートと異なる部分のみを示している。以下、かかる部分について詳細に説明する。
【0041】
ユーザによりタッチパッド152が押圧されると、CPU111は、RAM113から読み出した動画像データを解析して、押圧時の指本数を検出する(図3のステップS104)。その指本数が0本の場合(図8のステップS801でYES)、CPU111は、ユーザにより第1の押圧操作が行われたものとして、先に取得した座標データとともに第1の押圧イベントをOSに通知する(ステップS802)。
【0042】
検出した指本数が1本の場合(ステップS803でYES)、CPU111は、先に取得した動画像データを解析して、その検出した指の背後に(後方に)大きく動く物体が存在するか否かを判別する(ステップS804)。その結果、背後に大きく動く物体が存在する場合(ステップS804でYES)、CPU111は、当該物体を実際に押圧に使用した指として特定し、ユーザにより第2の押圧操作が行われたものとして、先に取得した座標データとともに第2の押圧イベントをOSに通知する(ステップS805)。一方、背後に大きく動く物体が存在しない場合(ステップS804でNO)、CPU111は、検出した指を実際に押圧に使用した指として特定し、ユーザにより第1の押圧操作が行われたものとして、先に取得した座標データとともに第1の押圧イベントをOSに通知する(ステップS806)。
【0043】
検出した指本数が複数の場合(ステップS803でNO)、CPU111は、実際に押圧した指を特定する(ステップS807)。具体的には、CPU111は、先に取得した動画像データを解析して、検出された指の中で最も動きの大きいものを実際に押圧に使用した指として特定する。
【0044】
そして、CPU111は、動画像データを解析して、その特定した指(押圧したものとみなした指)が他の指によって遮られているか否かを判別する(ステップS808)。例えば、CPU111は、当該特定した指の動作中における形状変化の度合いに基づいて、かかる判別を行う。即ち、動作中において、その形状が大きく変化していない場合は、他の指によって遮られていないものとしてみなし、形状が大きく変化している場合は、他の指によって遮られているものとみなす。
【0045】
その結果、特定した指が他の指によって遮られていない場合(ステップS808でNO)、CPU111は、ユーザにより第1の押圧操作が行われたものとして(図9(a)参照)、先に取得した座標データとともに第1の押圧イベントをOSに通知する(ステップS809)。一方、特定した指が他の指によって遮られてる場合(ステップS808でYES)、CPU111は、ユーザにより第2の押圧操作が行われたものとして(図9(b)参照)、先に取得した座標データとともに第2の押圧イベントをOSに通知する(ステップS810)。
【0046】
以上のように、本実施形態のタッチパッド入力制御処理によれば、ユーザの指が撮像部160によって横方向から撮像される場合であっても、上記実施形態2と同様、ユーザは、複数の指(例えば、右手人差し指と右手中指)をタッチパッド152(LCD141)の近傍、つまり、撮像部160の撮像範囲内(レンズユニット162の視野内)に置いたままで、第1の押圧操作及び第2の押圧操作を行うことができる。
【0047】
なお、上記タッチパッド入力制御処理において、CPU111がOSに通知する押圧イベントは、第1の押圧イベント及び第2の押圧イベントのみに限定されることはない。例えば、CPU111は、押圧した指を遮る他の指の本数に応じた押圧イベントをOSに通知してもよい。このようにすれば、1つのオブジェクトに対して、さらに多くの種類の操作を行うことができる。
【0048】
なお、本発明は、上記何れの実施形態にも限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲での種々の変更は勿論可能である。
【0049】
例えば、タッチパッド152を押圧した指の種類(人差し指、中指など)を特定し、その種類に応じて、ユーザの押圧操作を判別し、判別した押圧操作に応じた押圧イベントをOSに通知してもよい。この場合、例えば、携帯端末100に、タッチパッド152を押圧した指の指紋を検出する機能(指紋センサなど)を持たせ、予め登録しておいたユーザの各指の指紋データ(例えば、フラッシュメモリ131に記憶される)と、検出した指紋とを照合することにより押圧した指の種類を特定することができる。
【0050】
これにより、ユーザは、押圧する指を替えることで、1つのオブジェクトに対する複数種類の操作(例えば、マウスの左及び右クリックに相当する操作)を簡単に行うことが可能となり、操作性の向上が図れる。
【0051】
また、タッチパッド152を押圧した指の部位(指先の爪、指の腹など)を特定し、その指の部位に応じて、ユーザの押圧操作を判別し、判別した押圧操作に応じた押圧イベントをOSに通知してもよい。この場合、例えば、携帯端末100に、タッチパッド152を押圧した物体の色を検出する機能(色センサなど)を持たせ、予め登録され、フラッシュメモリ131等に記憶されているユーザの指先の爪の色と指の腹の色のデータと、検出した物体の色とを照合することで、押圧した物体が指先の爪であるか指の腹であるかを判別することができる。
【0052】
これにより、ユーザは、押圧する指を替えずに、1つのオブジェクトに対する2種類の操作を簡単に行うことができる。
【0053】
また、プログラムの適用により、既存の携帯端末(例えば、カメラ付き携帯電話など)を本発明に係る携帯端末として機能させることも可能である。即ち、上述したCPU111が実行したようなプログラムを、既存の携帯端末に適用し、当該携帯端末を制御するコンピュータ(CPUなど)がそのプログラムを実行することで、上述した各機能構成や処理が実現され得る。
【0054】
このようなプログラムの配布方法は任意であり、例えば、メモリカードなどの記録媒体に格納して配布可能である他、例えば、インターネットなどの通信ネットワークを介して配布することもできる。そして、このようにして配布されたプログラムを携帯電話等の携帯端末にインストールして適用することで、上述した携帯端末100と同様な機能を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の各実施形態に係る携帯端末の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の携帯端末の外観を示す概略図である。
【図3】実施形態1におけるタッチパッド入力制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図4】実施形態1において、ユーザによる押圧操作の様子を示す図であり、(a)は、第1の押圧操作時の様子を示し(b)は、第2の押圧操作時の様子を示す。
【図5】実施形態2におけるタッチパッド入力制御処理の押圧操作の判別手法を説明するためのフローチャートである。
【図6】実施形態2において、ユーザによる押圧操作の様子を示す図であり、(a)は、第1の押圧操作時の様子を示し(b)は、第2の押圧操作時の様子を示す。
【図7】実施形態3における携帯端末の使用例を示す図である。
【図8】実施形態3におけるタッチパッド入力制御処理の押圧操作の判別手法を説明するためのフローチャートである。
【図9】実施形態3において、ユーザによる押圧操作の様子を示す図であり、(a)は、第1の押圧操作時の様子を示し(b)は、第2の押圧操作時の様子を示す。
【符号の説明】
【0056】
100…携帯端末、110…制御部、111…CPU、112…ROM、113…RAM、120…広域無線通信モジュール、130…記憶部、131…フラッシュメモリ、140…表示部、141…LCD、150…入力部、151…キーパッド、152…タッチパッド、160…撮像部、161…CMOSイメージセンサ、162…レンズユニット、170…筐体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
押圧を検出し、検出した領域の位置情報を出力するタッチパッドと、
該タッチパッドの面上を撮像する撮像手段と、
該撮像手段の撮像によって得られた画像データを記憶する記憶手段と、
前記タッチパッドが押圧を検出した際、前記記憶手段に記憶されている前記画像データを解析して、当該押圧の際に該タッチパッドの面上に存在した指の本数を検出する指本数検出手段と、
該指本数検出手段によって検出された指の本数に基づいて、処理すべき操作種別を判別する操作種別判別手段と、を備える、
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
押圧を検出し、検出した領域の位置情報を出力するタッチパッドと、
該タッチパッドの面上を撮像する撮像手段と、
該撮像手段の撮像によって得られた画像データを記憶する記憶手段と、
前記タッチパッドが押圧を検出した際、前記記憶手段に記憶されている前記画像データを解析して、当該押圧に使用した押圧指を特定する押圧指特定手段と、
該押圧指特定手段により特定された前記押圧指と、該押圧指と異なる他の指との当該押圧の際における位置関係に基づいて、処理すべき操作種別を判別する操作種別判別手段と、を備える、
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項3】
前記押圧指特定手段は、所定時間分の前記画像データを解析して、最も大きく位置変化が認められる指を前記押圧指として特定する、
ことを特徴とする請求項2に記載の携帯端末。
【請求項4】
押圧を検出し、検出した領域の位置情報を出力するタッチパッドと、
前記押圧した指の種別を特定する指種別特定手段と、
該指種別特定手段によって特定された指の種別に基づいて、処理すべき操作種別を判別する操作種別判別手段と、を備える、
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項5】
前記指種別特定手段は、前記押圧した指の指紋を検出し、検出した指紋と、予め保持しているユーザの各指の指紋データとを照合することで、押圧した指の種別を特定する、
ことを特徴とする請求項4に記載の携帯端末。
【請求項6】
コンピュータを、
タッチパッドが押圧を検出した際、撮像手段の撮像によって得られ、記憶手段に記憶されている画像データを解析して、当該押圧の際に前記タッチパッドの面上に存在した指の本数を検出する指本数検出手段、
該指本数検出手段によって検出された指の本数に基づいて、処理すべき操作種別を判別する操作種別判別手段、として機能させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項7】
コンピュータを、
タッチパッドが押圧を検出した際、撮像手段の撮像によって得られ、記憶手段に記憶されている画像データを解析して、当該押圧に使用した押圧指を特定する押圧指特定手段、
該押圧指特定手段により特定された前記押圧指と、該押圧指と異なる他の指との当該押圧の際における位置関係に基づいて、処理すべき操作種別を判別する操作種別判別手段、として機能させる、
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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