説明

携帯端末用バッテリの充電管理方法及び装置

【課題】たまにバッテリ給電を利用するユーザにとって、知的に大幅にバッテリの寿命を伸ばし、爆発の確率を大幅に低減させる。
【解決手段】初期充電開始点を設定するステップS302と、開始時のバッテリ残充電量を統計するための統計・分析区間を設定し、統計・分析区間内におけるパワーオン時のバッテリ残充電量を記録するための統計用配列を作成するステップS304と、現バッテリ残充電量を読み取り、順番に統計用配列に格納させるステップ306と、所定の適応アルゴリズムにより新しい充電開始点を計算するステップ308と、新しい充電開始点を初期充電開始点に更新させるステップ310とを含む携帯端末用バッテリの充電管理方法を提供する。また、携帯端末用バッテリの充電管理装置も提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電可能なバッテリを備える携帯端末(例えば、ノートパソコン、スマートフォン)のバッテリに関し、より具体的に、携帯端末用バッテリの充電管理方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、ノートパソコンのような携帯端末に対する給電モードは、バッテリ給電モードと交流電力給電モードとに分かれている。バッテリ給電モードでは、携帯端末が充電可能なバッテリにより電源供給される。一方、交流電力給電モードでは、携帯端末が交流電力電源により電源供給される。より具体的には、AC/DCアダプタから供給される外部直流電源により電源供給される。この場合、充電可能なバッテリは、予備状態または充電状態になる。以下、ノートパソコンを例として説明する。
【0003】
ノートパソコンのバッテリの使用において、家庭用やオフィス用のノートパソコンは、常に交流電力を利用し、バッテリ給電を利用する場合が少ない。そのため、バッテリの自己放電やたまに利用されることによって(例えば、ユーザが交流電力を供給する前にパワーオンすること)、継ぎ足し充電を繰り返すとバッテリの劣化が早くなる。ユーザがバッテリをまだそれほど使っていないと感じるのに寿命が短くなって、1〜2年間を過ぎた後、バッテリがまったく使えない状況になることが多い。更に、バッテリの劣化によって使用中に爆発したら、ユーザにとって納得いかないことになる。
【0004】
図1に、ノートパソコンのリチウムバッテリの充電過程を示す。なお、トリクル充電モードでは96%〜100%のバッテリ容量がある。従来、一つの充電開始点(例えば、図2に示すようにバッテリ残充電量<96%になると充電を開始)と一つの充電終了点(例えば、100%、つまりバッテリ残充電量が100%になると充電を終了)を設定し、96%から100%に継ぎ足し充電を行い、常にバッテリのフル充電状態を保つことによって、ノートパソコンを持ち歩きながら随時に使うユーザのニーズを満足させるということをノートパソコンの通常の充電対策とする。
【0005】
しかし、図2に示すようなその充電対策により、たまにバッテリ給電を利用するユーザに対して、バッテリの充電が繰り返されることは、劣化が激しくなることに違いない。そして、バッテリの劣化のため、家庭用ノートパソコンのユーザが1〜2年間おきにノートパソコン用バッテリを取替えることが必要となる。実際に、ユーザはバッテリをほぼ使っていなかったと感じている。もしバッテリ爆発の現象が現れたら、ユーザに対して大きな損失になることに違いない。
【0006】
今まで、バッテリに対する充電管理は、ユーザが手動操作できる(プッシュ或いはプレス)スイッチを設計し、バッテリパックとノートパソコンのメインボードにおける埋込み型コントローラ(EC)とのSMC信号を短絡させ、ECにバッテリパックがなくなることを認識させることによって(よりよいやり方として、バッテリ存在信号BAT_PRES#を切断)ユーザに充電終了を決めさせることが発明されている。しかし、専門知識を持っていない普通のノートパソコンのユーザに、いつ充電終了を決めさせることは、もちろん科学的ではなく、役に立たないのである。
【0007】
さらに、例えば、2005年12月20日に中国特許局へ提出した200510136210.4号の特許において、携帯型の電気装置のユーザの慣れている充電時間または慣れている充電場所(つまり、携帯装置の置き場所)により充電タイミングを判断し、そして残充電量により充電する必要があるかどうかを判断して、携帯型の電気装置のバッテリを充電する必要があるときに、ユーザに充電を提示するために警告を発するという携帯型の電気装置のバッテリ充電システムが提供された。これによるシステムは、ユーザの利用習慣によって実現されたことが分かる。
【0008】
多くの場合は、ユーザが正しい方式あるいはバッテリにいい方式で充電を行うことができない。したがって、実際に、ユーザの充電習慣は、バッテリ自身の充電量維持とバッテリ寿命の延長に役に立つわけではない。一方、そのメカニズムを実現するには、人による操作が必要であるので、ユーザに快適な体験をもたらすことができない。
【0009】
人による操作が要らない場合で、ユーザの具体的な利用状況によりバッテリの維持にいい方式で充電を行うかどうかを自動に決めて、ユーザにより操作を行うのがもちろん理想的である。しかし、現在、かかる技術がまだ実現されていない。
【0010】
[発明内容]
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものである。したがって、本発明の目的は、ユーザの携帯端末用バッテリに対する使用状況により異なる充電管理動作を行うことによって、かかる技術の中に存在している上記問題を克服或いは回避することできる携帯端末用バッテリの充電管理方法を提供することにある。
【0011】
本発明の実施例によれば、初期充電開始点を設定するステップと、開始時のバッテリ残充電量を統計するための統計・分析区間を設定し、統計・分析区間内におけるパワーオン時のバッテリ残充電量を記録するための統計用配列を作成するステップと、現バッテリ残充電量を読み取り、順番に統計用配列に格納させるステップと、統計用配列を利用して、所定の適応アルゴリズムにより新しい充電開始点を計算するステップと、新しい充電開始点で初期充電開始点を更新させるステップとを含む携帯端末用バッテリの充電管理方法を提供する。
【0012】
なお、AC/DCアダプタを携帯端末に接続して給電を始めるときに、現バッテリ残充電量を読み取る。
【0013】
なお、統計・分析区間は、所定のパワーオン回数または所定の時間範囲であってもよい。
【0014】
ここで、統計用配列における要素は、Asoc(1)、Asoc(2)、…、Asoc(N)で示され、順番にN回のパワーオン時のバッテリ残充電量を記録し、要素の初期値を0とし、ただし、Nは1以上の整数である。
【0015】
充電開始点を計算するとき、まず、統計用配列に統計されているバッテリ残充電量に基づいて、携帯端末がAC/DCアダプタから外された後の電力の最大消費量を計算する。ここで、次の式で、Uで示す電力の最大消費量を計算してもよい。
U=Max(Asoc(2)−Asoc(1),…,Asoc(N)−Asoc(N−1))。
【0016】
新しい充電開始点として、次の式で、Sで示す第一の充電開始点を計算する。
S=Min(Max(Smin,U),Smax)、
ただし、Sminは最小の充電開始点で、Smaxは最大の充電開始点である。そして、Smin=5、Smax=96である。
【0017】
また、新しい充電開始点として、次の式で、S2で示す第二の充電開始点を計算してもよい。
S2=S+(Smax−S)*c、ただし、0<c<1。
【0018】
本発明の他の実施例によれば、初期充電開始点を設定する初期充電開始点設定モジュールと、開始時のバッテリ残充電量を統計するための統計・分析区間を設定する統計・分析区間設定モジュールと、統計・分析区間内におけるパワーオン時のバッテリ残充電量を記録するための統計用配列を作成する統計用配列作成モジュールと、現バッテリ残充電量を読み取り、順番に統計用配列に格納させる読取モジュールと、統計用配列を利用して、所定の適応アルゴリズムにより新しい充電開始点を計算する計算モジュールと、計算モジュールにより計算された新しい充電開始点で初期充電開始点を更新させる更新モジュールとを含む携帯端末用バッテリの充電管理装置を提供する。
【0019】
なお、AC/DCアダプタを携帯端末に接続して給電を始めるときに、現バッテリ残充電量を読み取る。
【0020】
また、統計・分析区間は、所定のパワーオン回数または所定の時間範囲であってもよい。そして、統計用配列における要素は、Asoc(1)、Asoc(2)、…、Asoc(N)で示され、順番にN回のパワーオン時のバッテリ残充電量を記録し、要素の初期値を0とし、ただし、Nは1以上の整数である。
【0021】
計算モジュールは、統計用配列に統計されているバッテリ残充電量に基づいて、携帯端末がAC/DCアダプタから外された後の電力の最大消費量を計算する。
【0022】
計算モジュールは、次の式で、Uで示す電力の最大消費量を計算する。
U=Max(Asoc(2)−Asoc(1),…,Asoc(N)−Asoc(N−1))。
【0023】
計算モジュールは、新しい充電開始点として、次の式で、Sで示す第一の充電開始点を計算する。
S=Min(Max(Smin,U),Smax)、ただし、Sminは最小の充電開始点で、Smaxは最大の充電開始点である。なお、Smin=5、Smax=96である。
【0024】
また、計算モジュールは、新しい充電開始点として、次の式で、S2で示す第二の充電開始点を計算してもよい。
S2=S+(Smax−S)*c、ただし、0<c<1。
【0025】
上記した本発明の技術によれば、測定により、最適化された充電開始点を計算し、バッテリの充電回数を低減させることができる。それによって、バッテリの寿命が延びるようになる。特に、たまにバッテリ給電を利用するユーザにとって、知的に大幅にバッテリの寿命を伸ばし、爆発の確率を大幅に低減させることができる。
【0026】
ここで説明した添付の図面は、発明を更に理解できるように提供するものであり、本願の一部として構成されている。本発明の模式的な実施例及びその説明は本発明を解釈するものであり、本発明に対する不適当な限定にはならない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0028】
[方法の実施例]
実施例において、携帯端末用バッテリの充電管理方法を提供する。
図3に示すように、本発明の方法の実施例による携帯端末用バッテリの充電管理方法は、初期充電開始点を設定するステップS302と、開始時のバッテリ残充電量を統計する(好ましくは、バッテリ残充電量のパーセンテージを読み取り可能)ための統計・分析区間を設定し、統計・分析区間内におけるパワーオン時のバッテリ残充電量を記録するための統計用配列を作成するステップS304と、現バッテリ残充電量を読み取り、順番に統計用配列に格納させるステップ306と、所定の適応アルゴリズムにより新しい充電開始点を計算するステップ308と、新しい充電開始点で初期充電開始点を更新させるステップ310とを含む。
【0029】
なお、この方法では、AC/DCアダプタからの給電がないと、バッテリ容量の読み取りを行わない。バッテリ残充電量の読み取りのタイミングは、AC/DCアダプタを接続して給電を始める時とする。通常、ノートパソコンのメインボードにおける埋込み型コントローラ(EC)によって発見され、「AC/DCアダプタからの電源供給があるか」という状態を反映させる該当レジスターがある。
【0030】
統計・分析区間(すなわち、データ収集のタイミング)は、所定のパワーオン回数または所定の時間範囲としてもよい。統計アルゴリズムをなるべくユーザの今の利用習慣に合わせるために、配列のデータ量が最も近いN個のデータを使う。データ量のNをどのくらいにするかについて、ユーザ次第であって、ユーザ自身で定義してもよい。データが少なければ少ないほど、今の利用習慣に近いので、利用習慣が大きく変わるユーザに対して最適である。一方、データが多ければ多いほど、長い間の利用習慣に近いので、利用習慣が安定しているユーザに対して最適である。
【0031】
具体的に、統計区間は、N回のパワーオン、またはN日(例えば90日)、またはNヶ月としてもよい。そして、統計用配列における要素は、Asoc(1)、Asoc(2)、…、Asoc(N)で示され、順番にN回のパワーオン時のバッテリ残充電量を記録する。また、その要素の初期値を0としている。バッテリパックの残充電量のパーセンテージは、通常に0−100(100%を超える可能)である。本文では、Nは1以上の整数である。
【0032】
なお、ここでのAsocがバッテリ容量の残充電量パーセンテージであって、知能型のバッテリのAbsolute State Of Charge()のパラメータを参照してもよい。
【0033】
実際に、その統計用配列の最大サイズはNmax(N<=Nmax)としてもよい。記録されたパワーオン時のAsocの値は、Asoc(1)、Asoc(2)、…、Asoc(Nmax)で示す。記録されたデータは、時間的に過去から現在までの順番で並べると、Asoc(Nmax)、…、Asoc(N)、Asoc(N−1)、…、Asoc(2)、Asoc(1)になる。データの初期値はすべて0とする。ただし、実際に計算するとき、最も近いN個のデータAsoc(N)、Asoc(N−1)…Asoc(2)、Asoc(1)によって、最適なバッテリの充電開始点を推算することが好ましい。
【0034】
充電開始点を計算するとき、まず、統計用配列に統計されているバッテリ残充電量によって、携帯端末のAC/DCアダプタから外された後の電力の最大消費量を計算する。なお、次の式で、Uで示す電力の最大消費量を計算することができる。
U=Max(Asoc(2)−Asoc(1),…,Asoc(N)−Asoc(N−1))。
【0035】
なお、一般に、通常のノートパソコンのバッテリが0からフル充電されるまでに必要な時間がノートパソコンの利用(放電)時間より短いので、U以上の値を選び充電開始点S(最適な開始点)を計算することで、AC/DCアダプタから外されるときにU以上の充電量を確保することができる。
【0036】
そして、以上に計算されたU値に基づいて、次の式で、Sで示す第一の充電開始点を新しい充電開始点として計算することが好ましい。
S=Min(Max(Smin,U),Smax)
【0037】
ただし、Sminは最小の充電開始点で、Smaxは最大の充電開始点である。通常、バッテリの特性や使用上の必要に応じて、充電開始点に対して、上限と下限を両方とも求められる(過高の充電開始点がトリクル充電になるため)。例えば、Li−Ionバッテリは、Smin=5、Smax=96とすることが好ましい。
【0038】
さらに、次の式で、S2で示す第二の充電開始点を新しい充電開始点として計算してもよい。ここで、S2はより保守的な充電開始点である。
S2=S+(Smax−S)*c,ただし、0<c<1。
【0039】
なお、cの値を30%とすることが好ましい。そして、cの値を大きくするほど、ユーザの利用習慣上で、与えられる残充電量が多くなる。すなわち、ユーザがAC/DCアダプタを外しても、利用するときにバッテリ不足の可能性が低くなる。
【0040】
図4a、4bは、本発明の実施例による携帯端末バッテリの充電管理方法を、たまにバッテリ給電を利用するノートパソコンに適用する時に得られるバッテリグラフである。
【0041】
図4aでは、以上のように計算された第一の充電開始点Sが用られている。このとき、該当ユーザが使っているノートパソコンは、1−2月に1回しか充電していないもの(常にAC給電を利用)であるので、ノートパソコン全体の利用寿命において、バッテリパック(一般的に、リチウムバッテリにより500回の充放電ができる)を取り替えることはない。そして、利用習慣が突然に変わっても(交流電力がなくなる場合)、50%の充電量が残る確率がまだ50%ある。
【0042】
図4bでは、本発明の充電開始点S2が用られている。この図から、ユーザのバッテリ利用率が図4aのバッテリ利用率よりやや高くて、そして図4bの充電開始点が図4aの充電開始点より高いことが分かる。このとき、利用習慣が突然に変わっても(交流電力がなくなる場合でも)、50%の充電量が残る確率はまだ50%ある。これらの図において、両方とも長い時間に1回しか充電しないことを示すので、バッテリを効果的に保護することができる。
【0043】
図5a、5bは、本発明の実施例による携帯端末バッテリの充電管理方法をよくバッテリ給電を利用するノートパソコンに適用する時に得られるバッテリグラフである。
【0044】
図5aから、該当ユーザが使っているノートパソコンのバッテリに対して、充電回数が20〜30回から5回に下がることにより、充電回数が大幅に減少するので、安全性を大きく向上させていることが分かる。
【0045】
図5bには、常にバッテリ残充電量なしのことを示している。つまり、バッテリがよく使用されることである。同図から、いつでも使えるように、充電開始点をより高く設定し(ほぼ100%)、ノートパソコンに交流電力を与えると直ちに充電開始させるのを確実にすることが分かる。
【0046】
図4a、4b及び図5a、5bから、それぞれ統計されたバッテリ残充電量が一つの充電開始点に対応していることが分かる。統計を行うたびに充電開始点を計算する必要がある。それは、新しい統計データが増加されるとユーザの利用習慣情報を更新する必要があるので、それに応じて充電開始点を更新するからである。
【0047】
[装置の実施例]
本実施例において、携帯端末用バッテリの充電管理装置600を提供する。
図6に示すように、本実施例による携帯端末用バッテリの充電管理装置600は、初期充電開始点を設定する初期充電開始点設定モジュール602と、開始時のバッテリ残充電量を統計するための統計・分析区間を設定する統計・分析区間設定モジュール604と、統計・分析区間内におけるパワーオン時のバッテリ残充電量を記録するための統計用配列を作成する統計用配列作成モジュール606と、現バッテリ残充電量を読み取り(好ましく、バッテリ残充電量のパーセンテージを読み取る可能)、順番に統計用配列に格納させる読取モジュール608と、所定の適応アルゴリズムにより新しい充電開始点を計算する計算モジュール610と、計算モジュール610により計算された新しい充電開始点で初期充電開始点を更新させる更新モジュール612とを含む。
【0048】
なお、AC/DCアダプタを携帯端末に接続して給電を始めるときに、読取モジュール608は、携帯端末の現バッテリ残充電量を読み取る。つまり、バッテリ給電モードが交流電力給電モードに切り替わるとき、携帯端末の現バッテリ残充電量を一回に読み取る。
【0049】
また、統計・分析区間は、所定のパワーオン回数、または所定の時間範囲としてもよい。そして、統計用配列における要素は、Asoc(1)、Asoc(2)、…、Asoc(N)で示され、順番にN回のパワーオン時のバッテリ残充電量を記録する。また、その要素の初期値を0とし、ただし、Nは1以上の整数である。
【0050】
計算モジュール610は、統計用配列に統計されているバッテリ残充電量によって、携帯端末のAC/DCアダプタから外された後の電力の最大消費量を統計する。
【0051】
計算モジュール610は、次の式で、Uで示す電力の最大消費量を計算する。
U=Max(Asoc(2)−Asoc(1),…,Asoc(N)−Asoc(N−1))。
【0052】
計算モジュール610は、次の式で、Sで示す第一の充電開始点を新しい充電開始点として計算する。
S=Min(Max(Smin,U),Smax)
ただし、Sminは最小の充電開始点で、Smaxは最大の充電開始点である。また、Li−Ionバッテリは、Smin=5、Smax=96とすることが好ましい。
【0053】
さらに、次の式で、S2で示す第二の充電開始点を新しい充電開始点として計算する。ここで、S2はより保守的な充電開始点である。
S2=S+(Smax−S)*c
ただし、0<c<1。なお、cの値を30%とすることが好ましい。
【0054】
本実施例による携帯端末用バッテリの充電管理装置600をノートパソコンに適用して、図4aと4b、及び図5aと5bに示す効果と同じ効果が得られることに明らかになった。また、方法の実施例に説明したいろんな特定の詳細は、装置の実施例に同様に適用できるので繰り返しの説明を省略する。
【0055】
以上により、本発明の技術案によれば、ノートパソコンがユーザのバッテリ使用状況に対して統計や分析し(例えば、知能型バッテリの内部プログラム、メインボードのECプログラム、BIOSプログラム、またはオペレーティングシステム(OS)におけるアプリケーションプログラムによって実現してもよい)、測定により最適な充電開始点を計算することができる。それによって、バッテリの寿命が延びるようになる。特に、たまにバッテリ給電を利用するユーザにとって、知的に大幅にバッテリの寿命を伸ばし、爆発の確率を大幅に低減させることができる。
【0056】
以上述べたのは、本発明に最適な実施例すぎず、本発明を限定するものではない。当業者にとって、本発明において様々な修正や変更を行うことが可能であり、本発明の精神や原則から逸脱しない限り、すべての修正、同等の置換、改良などは、本発明の保護範囲に包含するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】かかる技術によるノートパソコンのバッテリ充電における充電量グラフである。
【図2】かかる技術による一定の96%充電開始点と100%充電終了点とする時のバッテリの充電量グラフである。
【図3】本発明の方法の実施例による携帯端末用バッテリの充電管理方法のフローチャートである。
【図4a】本発明の実施例による充電管理方法をたまにバッテリ給電を利用するノートパソコンに適用するときに得られるバッテリグラフである。
【図4b】本発明の実施例による充電管理方法をたまにバッテリ給電を利用するノートパソコンに適用するときに得られるバッテリグラフである。
【図5a】本発明の実施例による充電管理方法をよくバッテリ給電を利用するノートパソコンに適用するときに得られるバッテリグラフである。
【図5b】本発明の実施例による充電管理方法をよくバッテリ給電を利用するノートパソコンに適用するときに得られるバッテリグラフである。
【図6】本発明の装置の実施例による充電管理装置のブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
初期充電開始点を設定するステップと、
開始時のバッテリ残充電量を統計するための統計・分析区間を設定し、統計・分析区間内におけるパワーオン時のバッテリ残充電量を記録するための統計用配列を作成するステップと、
現バッテリ残充電量を読み取り、順番に前記統計用配列に格納させるステップと、
前記統計用配列を利用して、所定の適応アルゴリズムにより新しい充電開始点を計算するステップと、
前記新しい充電開始点で前記初期充電開始点を更新させるステップと
を含むことを特徴とする携帯端末用バッテリの充電管理方法。
【請求項2】
AC/DCアダプタを前記携帯端末に接続して給電を始めるときに、前記現バッテリ残充電量を読み取る
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末用バッテリの充電管理方法。
【請求項3】
前記統計・分析区間は、所定のパワーオン回数または所定の時間範囲である
ことを特徴とする請求項2に記載の携帯端末用バッテリの充電管理方法。
【請求項4】
前記統計用配列における要素は、Asoc(1)、Asoc(2)、…、Asoc(N)で示され、順番にN回のパワーオン時のバッテリ残充電量を記録し、前記要素の初期値を0とし、ただし、Nは1以上の整数である
ことを特徴とする請求項3に記載の携帯端末用バッテリの充電管理方法。
【請求項5】
前記充電開始点を計算するとき、まず、前記統計用配列に統計されている前記バッテリ残充電量に基づいて、前記携帯端末が前記AC/DCアダプタから外された後の電力の最大消費量を計算する
ことを特徴とする請求項4に記載の携帯端末用バッテリの充電管理方法。
【請求項6】
次の式で、Uで示す前記電力の最大消費量を計算することを特徴とする請求項5に記載の携帯端末用バッテリの充電管理方法。
U=Max(Asoc(2)−Asoc(1),…,Asoc(N)−Asoc(N−1))。
【請求項7】
前記新しい充電開始点として、次の式で、Sで示す第一の充電開始点を計算する
ことを特徴とする請求項6に記載の携帯端末用バッテリの充電管理方法。
S=Min(Max(Smin,U),Smax)、
ただし、Sminは最小の充電開始点で、Smaxは最大の充電開始点である。
【請求項8】
Smin=5、Smax=96である
ことを特徴とする請求項7に記載の携帯端末用バッテリの充電管理方法。
【請求項9】
前記新しい充電開始点として、次の式で、S2で示す第二の充電開始点を計算する
ことを特徴とする請求項7に記載の携帯端末用バッテリの充電管理方法。
S2=S+(Smax−S)*c、ただし、0<c<1。
【請求項10】
初期充電開始点を設定する初期充電開始点設定モジュールと、
開始時のバッテリ残充電量を統計するための統計・分析区間を設定する統計・分析区間設定モジュールと、
前記統計・分析区間内におけるパワーオン時のバッテリ残充電量を記録するための統計用配列を作成する統計用配列作成モジュールと、
現バッテリ残充電量を読み取り、順番に前記統計用配列に格納させる読取モジュールと、
前記統計用配列を利用して、所定の適応アルゴリズムにより新しい充電開始点を計算する計算モジュールと、
前記計算モジュールにより計算された前記新しい充電開始点で前記初期充電開始点を更新させる更新モジュールと
を含むことを特徴とする携帯端末用バッテリの充電管理装置。
【請求項11】
AC/DCアダプタを前記携帯端末に接続して給電を始めるときに、前記読取モジュールは、前記携帯端末の現バッテリ残充電量を読み取る
ことを特徴とする請求項10に記載の携帯端末用バッテリの充電管理装置。
【請求項12】
前記統計・分析区間は、所定のパワーオン回数または所定の時間範囲である
ことを特徴とする請求項11に記載の携帯端末用バッテリの充電管理装置。
【請求項13】
前記統計用配列における要素は、Asoc(1)、Asoc(2)、…、Asoc(N)で示され、順番にN回のパワーオン時のバッテリ残充電量を記録し、前記要素の初期値を0とし、ただし、Nは1以上の整数である
ことを特徴とする請求項12に記載の携帯端末用バッテリの充電管理装置。
【請求項14】
前記計算モジュールは、前記統計用配列に統計されている前記バッテリ残充電量に基づいて、前記携帯端末が前記AC/DCアダプタから外された後の電力の最大消費量を計算する
ことを特徴とする請求項13に記載の携帯端末用バッテリの充電管理装置。
【請求項15】
前記計算モジュールは、次の式で、Uで示す前記電力の最大消費量を計算する
ことを特徴とする請求項14に記載の携帯端末用バッテリの充電管理装置。
U=Max(Asoc(2)−Asoc(1),…,Asoc(N)−Asoc(N−1))。
【請求項16】
前記計算モジュールは、前記新しい充電開始点として、次の式で、Sで示す第一の充電開始点を計算する
ことを特徴とする請求項15に記載の携帯端末用バッテリの充電管理装置。
S=Min(Max(Smin,U),Smax)
ただし、Sminは最小の充電開始点で、Smaxは最大の充電開始点である。
【請求項17】
Smin=5、Smax=96である
ことを特徴とする請求項16に記載の携帯端末用バッテリの充電管理装置。
【請求項18】
前記計算モジュールは、前記新しい充電開始点として、次の式で、S2で示す第二の充電開始点を計算する
ことを特徴とする請求項16に記載の携帯端末用バッテリの充電管理装置。
S2=S+(Smax−S)*c、ただし、0<c<1。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6】
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