携帯端末装置における操作キー群のレイアウト方法および操作キー群レイアウト装置
【課題】携帯端末装置のタッチパネル上に表示される操作キー群のレイアウトをユーザに応じて設定することができ、使い勝手を向上できる、操作キー群のレイアウト方法を提供する。
【解決手段】操作キー群を表示部4に表示して、タッチパネル5を介して入力操作するようにした携帯端末装置1における操作キー群のレイアウト方法であって、タッチパネル5上に線図を描くユーザ操作に基づいて表示部4に表示する操作キー群の表示位置および範囲を決定し、その決定された表示位置および範囲に基づいて操作キー群を表示部4に表示する。
【解決手段】操作キー群を表示部4に表示して、タッチパネル5を介して入力操作するようにした携帯端末装置1における操作キー群のレイアウト方法であって、タッチパネル5上に線図を描くユーザ操作に基づいて表示部4に表示する操作キー群の表示位置および範囲を決定し、その決定された表示位置および範囲に基づいて操作キー群を表示部4に表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末装置における操作キー群のレイアウト方法および操作キー群レイアウト装置、特に、情報の入力に際しタッチパネルを使用する携帯端末装置における操作キー群のレイアウト方法および操作キー群レイアウト装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータのみならず、携帯電話等の携帯端末装置においても、電子メールをはじめとする各種情報を手入力することによってやり取りする機会が急増している。
【0003】
携帯端末装置においては、デスクトップ・パーソナルコンピュータの場合とは異なり、携帯するために端末本体を小型化する必要がある。それに伴って、キー入力系の小型化と、一定の操作性の確保という相反する要求のバランスをとらなければならない。したがって、この種の携帯端末装置において、キー入力に際しての操作性を向上させる各種技術が所望されている。
【0004】
従来の携帯端末装置におけるキー入力の操作性向上の技術として、例えば、ユーザが表示画面の見方を変更する場合、即ち携帯端末装置の向きを変更して操作する場合、キー操作系のキーの配置またはキー操作部の表示の設定を変更することにより、ユーザがキー操作する際のストレスを軽減できるようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1および2参照)。
【0005】
これらの特許文献に記載された技術によれば、携帯端末装置の向きを変えて操作する場合であっても、携帯端末装置の向きの変更に合わせて操作キーも回転させることにより、ユーザに対して操作キーを常に一定方向に維持できるため、ユーザが携帯端末装置の向きに応じたキー配列を覚える必要はなくなり、さらに、携帯端末装置を右手で持って操作する場合にも左手で持って操作する場合にも、それぞれの場合に対応させて、操作キーを反転させるなどすることで、一定の操作性を維持することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−51124号公報
【特許文献2】特開2005−12493号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献による技術は、本質的には、情報が表示される表示画面の視認性を種々の向きにおいても確保するか、または端末本体の持ち位置、即ち端末本体を右手で操作するか左手で操作するか、を変更した際でも元の操作性を維持するための技術であり、通常使用時におけるキー入力そのものの操作性を向上させるものではない。
【0008】
これらの従来の携帯端末装置は、通常使用時にはどのユーザも同じキーの構成に従って操作を行うものであり、結局は各ユーザ側が携帯端末装置に適応して操作せざるを得なかった。利用者の手の大きさや端末装置を持つ位置等による指の可動範囲や、更には、操作する手が右手か左手かの違いによる指の可動範囲等は考慮されていなかった。このためユーザによっては端末装置を使いにくい場合もあるという問題があった。
【0009】
したがって、かかる点に鑑みてなされた本発明の目的は、携帯端末装置のタッチパネル上に表示される操作キー群のレイアウトをユーザに応じて設定することができ、使い勝手を向上できる、操作キー群のレイアウト方法および操作キー群レイアウト装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成する請求項1に係る携帯端末装置における操作キー群レイアウト方法の発明は、操作キー群を表示部に表示して、タッチパネルを介して入力操作するようにした携帯端末装置における操作キー群のレイアウト方法であって、
タッチパネル上に線図を描くユーザ操作に基づいて前記表示部に表示する操作キー群の表示位置および範囲を決定し、その決定された表示位置および範囲に基づいて操作キー群を前記表示部に表示することを特徴とするものである。
【0011】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の携帯端末装置における操作キー群レイアウト方法において、前記操作キー群の表示位置および範囲は、ユーザによりタッチパネル上に連続的に描かれる図形の描写位置を表示位置とし、かつ当該図形により囲まれる領域を表示範囲として決定することを特徴とするものである。
【0012】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の携帯端末装置における操作キー群レイアウト方法において、前記表示部に操作キー群を表示した後、前記操作キー群の1点を起点とする連続的な入力に応じて、当該操作キー群の表示位置を移動させて、当該操作キー群の表示位置を調整することを特徴とするものである。
【0013】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の携帯端末装置における操作キー群レイアウト方法において、前記操作キー群の1点を起点とする連続的な入力に応じて当該操作キー群の表示位置を移動させる際に、当該操作キー群の少なくとも一部が前記表示部の表示範囲外となるのを禁止することを特徴とするものである。
【0014】
さらに、上記目的を達成する請求項5に係る発明は、携帯端末装置における操作キー群レイアウト装置において、
操作キー群を表示部に表示して、タッチパネルを介して入力操作するようにした携帯端末装置における操作キー群のレイアウト装置であって、
前記操作キー群のレイアウトを複数パターン記憶する記憶手段と、
前記タッチパネル上での入力操作に基づいて前記表示部に表示する操作キー群の表示位置および範囲を決定する決定手段と、
前記決定手段により決定された表示位置および範囲に基づいて、前記記憶手段から前記操作キー群を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された前記操作キー群を前記決定手段により決定された前記表示部の表示位置および範囲に表示するよう制御する制御手段と、
を具えることを特徴とするものである。
【0015】
請求項6に係る発明は、請求項5記載の携帯端末装置における操作キー群レイアウト装置において、前記記憶手段は、右手操作用および左手操作用の操作キー群をそれぞれ複数パターン記憶し、前記選択手段は、前記決定手段により決定された前記表示部の表示位置および範囲に応じて、前記記憶手段から、右手操作用または左手操作用の操作キー群のいずれか一方を選択することを特徴とするものである。
【0016】
請求項7に係る発明は、請求項5または6に記載の携帯端末装置における操作キー群レイアウト装置において、前記制御手段は、前記表示部に表示された前記操作キー群の1点を起点とする連続的な入力に応じて、当該操作キー群の表示位置を移動するよう制御することを特徴とするものである。
【0017】
請求項8に係る発明は、請求項7に記載の携帯端末装置における操作キー群レイアウト装置において、前記制御手段は、前記操作キー群の1点を起点とする連続的な入力に応じて前記操作キー群の表示位置を移動させる際に、当該操作キー群の少なくとも一部が前記表示部の表示範囲外となるのを禁止するように、当該操作キー群の表示位置の移動を制御することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、操作キー群を表示部に表示して、タッチパネルを介して入力操作するようにした携帯端末装置において、操作キー群のレイアウトを設定するにあたり、端末のユーザが手の指などで前記タッチパネル上に簡単な線図を描くことにより指の可動範囲が決定され、これに基づいて、ユーザの指の可動範囲を考慮した操作キー群のレイアウトが選択されて、タッチパネル上に表示される。したがって、様々な手の大きさのユーザがこの携帯端末を使用しても、ユーザに応じて最適化された操作キー群のレイアウトが設定され、携帯端末の通常使用時においてユーザが操作キー群を操作する際の操作性を格段に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1実施の形態に係る携帯端末装置の概略を示す図である。
【図2】図1に示す携帯端末装置の入力部の概略断面図である。
【図3】図1に示す携帯端末装置の制御回路の概略ブロック図である。
【図4】第1実施の形態に係る携帯端末装置における操作キー群レイアウト方法の概略を説明する図である。
【図5】第1実施の形態の動作を説明するフローチャートである。
【図6】第1実施の形態によるキーレイアウト例を示す図である。
【図7】図5に示すレイアウト処理の詳細を説明するフローチャートである。
【図8】第1実施の形態によるレイアウト処理を説明するための図である。
【図9】同じく、レイアウト処理を説明するための図である。
【図10】本発明の第2実施の形態に係る操作キー群のレイアウト例を示す図である。
【図11】同じく、第3実施の形態に係る操作キー群のレイアウト例を示す図である。
【図12】第3実施の形態によるレイアウト処理を説明するフローチャートである。
【図13】本発明の第4実施の形態に係る操作キー群のレイアウト例を示す図である。
【図14】同じく、第4実施の形態に係る操作キー群のレイアウト例を示す図である。
【図15】第4実施の形態によるレイアウトの移動を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。
【0021】
(第1実施の形態)
図1は、本発明の第1実施の形態に係る携帯端末装置としての携帯電話の概略を示す図である。
【0022】
この携帯端末装置1では、ユーザが指等で入力操作を行う矩形状の入力部2と、入力された情報等を表示するモニタ部3とを有している。入力部2は、図2に概略断面図で示すように、操作キー群を表示する表示部であるディスプレイ4と、その上に配置された、マトリクス状に配置された多数の接点を有するタッチパネル5とを具えており、このタッチパネル5はディスプレイ4と連動してキー操作の入力を受け付けるようになっている。したがって、例えば、ユーザがディスプレイ4上に表示された操作キーの数字の「1」の部分に指で触れようとすると、実際にはそのディスプレイ4の前面にあってディスプレイ4の「1」の表示部分と対応するタッチパネル5の部分に触れたことになり、このタッチパネル5はその部分に対応する信号を出力するようになっている。
【0023】
図3は、本実施の形態に係る携帯端末装置1に関する制御回路の概略構成を示すブロック図である。
【0024】
携帯端末装置1は、前述したディスプレイ4およびタッチパネル5と、操作キー群のレイアウト(キーレイアウト)をディスプレイ4に表示するためのレイアウト表示手段6と、操作キー群のレイアウト設定に際し操作キー群のレイアウト可能な範囲を決定する範囲決定手段7および位置を決定する位置決定手段8と、操作キー群のレイアウトおよび操作キー群のレイアウトに対応するタッチパネル5の入力パターン等を複数格納しているメモリ9と、範囲決定手段7および位置決定手段8によって決定されたデータに対応するパターンのデータをメモリ9より選択する選択手段10と、および全体を制御する制御手段11とを具えている。
【0025】
以下、本実施の形態による操作キー群レイアウト方法の概略について説明する。
【0026】
ユーザが携帯端末装置1を片手で持って使用している際に、初期設定によって表示されている操作キー群のレイアウトではキー操作がしづらい、または現在使用している操作キー群のレイアウト表示ではキー操作がしづらいと感じた場合に、図4に示すように、ユーザはタッチパネル5上にて、キー操作に通常使用する指を用いて、ほぼ円形または多角形等の簡単な線図12(以下、円形状線図という)を一筆書き状に描く。この際、タッチパネル5上に描かれる線図12に対して、対応するディスプレイ4の場所にリアルタイムに軌跡がドットで描かれるようにすることで、ユーザが入力した実際の線図12を確認し易くすることもできる。
【0027】
通常のキー操作では、タッチパネル上に触れる指は一地点に一瞬触れるだけであるので、このように意図して円形状線図12を描く動作のように連続する入力とは区別することができる。携帯端末装置1は、この連続入力を検出して、操作キー群レイアウト設定モードに切り換える。
【0028】
なお、操作キー群レイアウト設定モードへの切換手段(操作キー等)を別途設け、この切換手段により操作キー群レイアウト設定モードに切り換えてから、表示位置および範囲の入力を受け付けるようにしてもよい。
【0029】
位置決定手段8は、ユーザが描いた円形状線図12の情報に基づいて、操作キー群の表示位置を決定し、範囲決定手段7は操作キー群の表示範囲を決定する。この際、位置決定手段8は、ユーザが円形状線図12を書き始める位置や描く軌跡の始点から終点までの向き等から、ユーザの入力が右手操作によるものか左手操作によるものかを決定し、さらに範囲決定手段7は、ユーザが指で描いた円形状線図12の内側を指が無理なく届く可動範囲13と決定し、これに基づいて操作キー群の表示範囲の決定を行う。
【0030】
なお、先に描いた円形状線図12では操作キー群のレイアウトが小さすぎるものになるだろうとユーザが判断したときは、連続してより面積の広い円形状線図12を描くことも可能である。このためには、タッチパネル5に指が最初に触れることで連続動作が開始し、円形状線図12を描いている指がタッチパネルから離れた事をトリガーとして連続入力は終了し入力動作は完了と見なし、対応する信号を決定手段7および8に送信するようにすることが望ましい。円形状線図12を描くという意識的な動作をユーザが行うことによって携帯端末装置1を操作キー群レイアウト設定モードに切り換えるようにすることで、通常のキー操作の際に、操作キーに指が少し触れただけで範囲決定手段7または位置決定手段8が起動してしまうというような誤動作を防ぐことができる。
【0031】
範囲決定手段7で決定された可動範囲13があまりにも小さく、それに対応した操作キー群のレイアウトを仮に表示したとしても有効なキー操作は出来ないと判断される場合は、操作キー群レイアウト設定モードになる直前まで使用されていた標準のキーレイアウトまたは初期設定時のキーレイアウトを選び、これをディスプレイ4に表示するようにする。
【0032】
なお、このように、描かれた円形状線図12があまりにも小さい場合には、警告音を鳴らしユーザに注意を喚起することで再入力を求めたり、以前のキーレイアウト(または初期設定時のキーレイアウト)が選択されたことを知らせるようにしたりすることもできる。携帯端末装置1本体を片手だけで握った状態で使用する場合には、通常操作時にユーザがキー操作に使用する指は親指であることがほとんどであると想定される。このため、操作キー群のレイアウトがあまりにも小さく設定されるような場合は、上記のように警告を発したり予め設定したキーレイアウトを使用したりすることで、ユーザに誤入力し易いキーレイアウトを提供してしまうことを防ぐことができる。
【0033】
さらに、長時間キー入力がされない状態では、電池の消耗を防ぐため、ディスプレイ4を駆動しないスリープモード(省エネモード)に設定するようにもできる。この場合は、指などによる一筆書き動作によりタッチパネル5上に線図を描くことでスリープモードを解除して、この軌跡をディスプレイ4上に表示することも可能である。もちろん、タッチパネル5上の一地点に指が一瞬触れる場合には、通常のキー操作のモードに移行することもできる。
【0034】
図5に示すフローチャートを参照して、本実施の形態にかかる携帯端末装置1の操作キー群レイアウト方法をさらに詳細に説明する。
【0035】
先ずステップS101で、ユーザが指などでタッチパネル5に触れたことを検出し、その際にスリープモードにある場合には、ステップS102にてスリープモード(省エネモード)を解除する。
【0036】
次にステップS103において、ユーザが指などでタッチパネル5の表面に一筆書き状に円形状線図12を描くことで連続的な入力が行われているかどうかを判断し、タッチパネル5の入力が連続入力でない、即ちユーザが通常操作を望んでいると判断した場合はステップS104へ進む。ここでは、直前まで使用していたキーレイアウトを表示させる設定がされているかどうかを判断する。直前のキーレイアウトを使用する設定がされていない場合はステップS105に進み、メモリ9に格納されているデフォルト設定のキーレイアウトをディスプレイ4に表示してステップS115に進む。この場合、制御手段11によって選択手段10がメモリ9からデフォルトのキーレイアウトのデータを取り出すように制御する。
【0037】
またステップS104にて直前まで使用していたキーレイアウトを使用する設定がされている場合には、ステップS106にて直前まで使用されていたキーレイアウトをディスプレイ4に表示してステップS115に進む。
【0038】
一方、ステップS103にてタッチパネル5の表面に連続的な入力がされたと判断した場合は、ユーザが操作キー群のレイアウトの変更を望んでいるものと判断し、ステップS107で操作キー群のレイアウトの設定を行うため操作キー群レイアウト設定モードに切り換える。
【0039】
次にステップS108では、タッチパネル5にユーザの指などが触れて入力が行われていることを示すために、指が触れた位置の軌跡をディスプレイ4上にドット表示をするようにする。
【0040】
その後、ステップS109では、ユーザの指などがタッチパネル5から離れることにより連続入力が終了したかどうかを判断し、連続入力が終了していない場合は引き続きステップ108にて軌跡をディスプレイ4にドット表示する。これにより、ユーザは自分の描いた軌跡を確認することができ、入力位置をリアルタイムで見ることができ、描いた線図が小さ過ぎると感じる場合には、引き続きさらに大きな線図を描くこともできる。
【0041】
ステップS109にて、ユーザがタッチパネル5から指などを離したと判断した、即ち円形状線図12の連続入力が終了したと判断した場合は、ステップS110に進む。
【0042】
ステップS110では、円形状線図12が複数回描かれているか否かを判断し、線図が複数回描かれている場合には、ステップS111において大きい軌跡の形状を選択して、ステップS112へ移行する。
【0043】
これに対し、ステップS110で円形状線図12が複数存在しない場合は、現在描かれている線図を選択してからステップS112へ移行する。
【0044】
ステップS112では、選択された線図に基づく位置および範囲に、予め設定された最小のキーレイアウトの配置の設定が可能かどうかを判断する。最小のキーレイアウトを配置する設定ができない場合、または選択された線図に基づく適切なキーレイアウトが見つからない場合はステップS113に進んでユーザにその旨を警告し、ステップS103の連続入力に戻る。こうすることにより、あまりにも小さく非実用的なキーレイアウトが選択されてしまうことが防止できる。
【0045】
ステップS112にて、線図に基づく位置および範囲にキーレイアウトの表示が可能であると判断されると、ステップS200のキーレイアウト処理へと進む。ステップS200におけるキーレイアウト処理については後述する。
【0046】
ステップS114で、キーレイアウト処理された情報に基づくキーレイアウトを、制御手段11によってメモリ9から読み取り、ディスプレイ4の指定された位置および範囲に表示し、ステップS115に移行する。
【0047】
ステップS115では、タッチパネル5にユーザの指などが触れたかどうかを判断し、触れたと判断された場合はステップS116にてキー入力の処理を行う。これは通常のキー操作を行うモード、つまり操作キー群レイアウト設定モードではない場合のキー操作を想定している。
【0048】
ディスプレイ4に表示された各キーの位置に相当する場所のタッチパネル5をユーザが指などで触れた場合には、そのキーが押圧されたものとして認識して、確認音を出すと共にキー入力処理を行う。ステップS116でキー入力処理をした後はステップS115に戻り、次のキー入力を待つ。
【0049】
ステップS115にてタッチパネル5からのキー入力がないと判断した場合にはステップS117に進み、最後にキー入力がなされた時からの時間を計測して、それが予め設定された時間内で有ればステップS115に戻り、次のキー入力を待つ。これに対し、予め設定された時間を経過しても何らキー入力が無い場合にはステップS118に進み、ディスプレイ4をスリープモードに切り換える。
【0050】
図6(A)および(B)は、本実施の形態に係る操作キー群レイアウト方法によるキーのレイアウト例を示す図である。
【0051】
ユーザがタッチパネル5上にて、例えば円形状線図12を描くことにより、この軌跡の内側が指を無理なく動かせる可動範囲13として決定される。この時、この軌跡を範囲決定手段7が読み取ることにより範囲が決定される。こうして決定された範囲に基づいたキーレイアウトが選択手段10によりメモリ9から読み出され、このキーレイアウトがレイアウト表示手段6によってディスプレイ4に表示される。これらの制御は、制御手段11により行われ、またメモリ9には、様々な場合に対応した多数のキーレイアウトが予め記憶されている。
【0052】
メモリ9に記憶されているキーレイアウトのパターンとしては、例えば、ユーザの描いた円形状線図12の内側にキーレイアウト全体が収まるようにする、図6(A)に示すパターン、および、ユーザの描いた円形状線図12のライン上は指の可動範囲13に含まれると想定して、キーレイアウト全体の四隅に配置される4つの各キーの中心あたりを軌跡が通過するようにキー全体をレイアウトする、図6(B)に示すパターンなどが考えられる。
【0053】
また、一部のキー、例えば「電話」、「マナー」および「切」などのキーは、携帯端末装置にて電子メールの入力をする際には使用頻度が低いキーであるとみなすことにより、これらのキーを除外した状態でのキーレイアウト全体の四隅に配列される4つのキー(例えばこの場合は「1」、「3」、「#」および「※」)などを基準として、図6(A)または図6(B)に示すようなキーレイアウトのパターンの構成を設定しておくこともできる。
【0054】
次に、前述したステップS200のキーレイアウト処理を、図7に示すフローチャートについて説明する。なお、この例においては、縦横比が固定されているキーのレイアウトのパターンがメモリ9に多数記憶されているものとして説明する。
【0055】
まずステップS201では、タッチパネル5に描かれる円形状線図12から、描かれた図形の重心を求める。この時、描かれた図形が閉じた図形でない場合には、始点と終点を結ぶ処理を行い、近似的に円形状にすることも可能である。
【0056】
次にステップS202では、図8に示すように、重心から角度α方向の距離を算出する。角度αとは、図形の重心を原点として、矩形の入力部2の各辺に直交するx軸およびy軸をとった場合に、x軸からの所定の角度である。例えばα=45°とすることができる。ステップS201にて求めた重心をOとして、角度±α方向に引いた2直線と軌跡の図形との交点4箇所を、それぞれa、b、cおよびdとして、線分Oa、Ob、OcおよびOdの長さを求める。
【0057】
次にステップS203では、線分Oa、Ob、OcおよびOdのうち、長さが最短のものを選択し、それを線AとしてステップS204に移行する。ここでは、例えば線分Oaが最短、即ちOa=Aであるものとする。
【0058】
ステップS204では、軌跡内に収まる基準キーレイアウトをメモリ9より選択する。ここで図9に示すように、線分Oaが最短(Oa=A)であるので、ユーザの描いた円形状線図12が点P1を通過するA≧A’となるようなキーレイアウトを選択する。このキーレイアウトはユーザの指が描いた円形状線図12の軌跡に内包されることになる。
【0059】
次にステップS205では、ユーザが、大きめの、即ちキーの間隔が大きいキーレイアウトを望む場合に、もう少し拡大されたキーレイアウトを選択することができるかどうかを判定する。例えば、A≒B’となるようなキーレイアウトは、ユーザの描いた線図がP2を通過することになり、先ほどのA≧A’となるキーレイアウトよりも大きな構成となる。同様に、A≒C’となるようなキーレイアウトでは、ユーザの描いた線図がP3を通過することになり、先ほどのA≒B’となるキーレイアウトよりもさらに大きな構成となる。
【0060】
ステップS205において、円形状線図12が、ディスプレイ4のキー表示エリアの範囲内にて最大の大きさで描かれていた場合は、線図の軌跡に内包されるキーレイアウト(A≧A’)が最大のレイアウトになるので、ステップS207にてメモリ9を参照してこのキーレイアウトを読み込み、それをディスプレイ4に表示する。
【0061】
一方、ステップS205にて、A≒A’の場合よりもさらに大きなキーレイアウトが表示可能であると判断された場合には、ステップS206に進む。
【0062】
ステップS206では、ユーザが、描く線図に対してどの程度の大きさのキーレイアウトを所望しているかが予め設定されているかどうかが判断される。即ち、ユーザによって、描いた線図に全体が内包されるようなキーレイアウトを望むのか、四隅のキー(例えば「電話」、「切」、「#」および「※」のキー)それぞれの中心が線図のほぼライン上に来るようなキーレイアウトを望むのか、または四隅のキーが線図に外接するようなキーレイアウトを望むのか、ユーザが予め設定しているかどうかが判断される。
【0063】
ステップS206にて、所望のキーレイアウトについてユーザ設定がなされている場合には、ステップS207にてそれに対応するキーレイアウトがメモリ参照されて、ディスプレイ4に表示される。一方ユーザ設定がされていない場合には、ステップS214にてユーザに基準位置の設定の入力を促し、ステップS207にてそれに対応するキーレイアウトをメモリ9から参照して、ディスプレイ4に表示する。
【0064】
(第2実施の形態)
次に、本発明の第2実施の形態に係る携帯端末装置の操作キー群レイアウト方法の要部について説明する。本実施の形態は、第1実施の形態の図5に示したキーレイアウト方法において、ステップS200でのキーレイアウト処理が異なるものである。
【0065】
図4に示したように、通常、右手で携帯端末装置1を握り親指でタッチパネル5上に円形状線図12を描くと、その軌跡の始点は左側または左上方に位置する。更にその軌跡は時計回りの方向に描かれることが多い。また、描かれた軌跡の中心位置はタッチパネル5の中心位置よりもやや左または左上方に位置するようになる。これら3つの情報(軌跡の始点の位置、軌跡の方向、および軌跡の中心位置)に基づいて、ユーザが円形状線図12を描く際に操作した指が右手のものか左手のものか推定することができる。
【0066】
ここではユーザが右手で携帯端末装置1のキーを操作する場合を考えると、通常設定のキーレイアウトでは、親指の付け根に近い部分に位置するキー(即ち右手操作の場合は「#」、「9」および「0」のキー等)については、親指を相当折り曲げた状態で操作することを余儀なくされるため、非常にキー操作がしづらい。一方で、親指の付け根から離れて位置するキーは、若干さらに離れた方向にシフトしたとしても、自然な指の動きで操作することができる。
【0067】
したがって、携帯端末装置1の位置決定手段8によって、ユーザが右手で端末を操作していると判断された場合には、図10(A)に示すように、キーレイアウト全体を若干左上方にシフトさせることで、キーの操作性を格段に向上させることができる。シフトする距離は、ユーザが調節するようにすることもできる。さらには、左上のキーの位置は全くシフトさせずに、キーレイアウト全体を左上方に縮小させるようにすることも可能である。
【0068】
逆に、左手で携帯端末装置1を握り親指でタッチパネル5上に円形状線図12を描くと、通常その軌跡の始点は右側または右上方に位置する。更にその軌跡は反時計回りの方向に描かれることが多い。また、描かれた軌跡の中心位置はタッチパネル5の中心位置よりもやや右または右上方に位置するようになる。この場合は、図10(B)に示すように、キーレイアウト全体を右上方にシフトさせたり、右上方に縮小させたりすることによって、右手操作の時と同様の効果が得られる。
【0069】
また、描かれた円形状線図12の軌跡の中心位置が、タッチパネル5の中心位置または中心線とあまり差がない場合は、ユーザは片手で携帯端末本体1を握り、もう一方の手の指で円形状線図12を描いたと判断し、この場合には、左右で特に偏りのないキーレイアウトをディスプレイ4上に大きめに表示させることもできる。
【0070】
さらに、ユーザが予め設定したキーレイアウトをメモリ9に記憶させておき、円形状線図12を描く場合以外であっても、例えば縦線または横線のような連続入力がタッチパネル5になされた場合に、その連続入力された線に基づいて決定される範囲に応じたキーレイアウトをディスプレイ4に表示することによって、ユーザに応じたキーレイアウトの設定を行うこともできる。
【0071】
(第3実施の形態)
次に、本発明の第3実施の形態に係る携帯端末装置の操作キー群レイアウト方法の要部について説明する。第2実施の形態では、ステップS200のキーレイアウト処理において、図10(A)および(B)で示したように、操作キー群の各キーの大きさをそれぞれ同じとしたが、本実施の形態では、さらに図11(A)および(B)に示すように、操作キー群の各キーの大きさが異なるキーレイアウトも選択可能とする。すなわち、位置決定手段8によって、キー操作をする手が右手か左手か判断された後、親指の付け根に近い部分の各キーの面積を大きくし、親指の付け値の部分から離れるにつれて各キーの面積が小さくなるようなキーレイアウトを構成することも可能とする。
【0072】
さらに、親指の付け根に近い部分の各キーは拡大して、かつ親指の付け根から離れるにつれて、キーが元のキーレイアウト時の大きさに戻るような構成も選択可能とする。なお、キーの拡大・縮小率はユーザが自由に設定できるように構成してもよい。
【0073】
以下、図12のフローチャートを参照して、本実施の形態によるステップ200でのキーレイアウト処理について説明する。
【0074】
ステップS201〜ステップS204までは図7と同じ説明になるため説明を省略する。
【0075】
ステップS208では、ユーザが携帯端末装置1を操作する手が右手かどうか判断する。ここでは、ユーザの指によりタッチパネル5に描かれた円形状線図12について、(1)軌跡が時計回りに描かれた、(2)軌跡の始点位置が左方もしくは左上方に位置している、(3)軌跡の中心(または重心)位置がタッチパネル5の水平方向(キー「1」〜「3」の方向)の中心より左に位置している、の3つの項目のうち少なくとも一項目が該当している場合には、右手操作であると判断してステップS212に進む。場合によっては上記3つの条件のうち、任意の組合せを要件として右手操作であると判断することも可能である。
【0076】
ステップS208にて右手操作ではないと判断された場合は、ステップS209に進み、左手操作かどうかの判断が行われる。
【0077】
ここでは、タッチパネル5に描かれた円形状線図12が、(1)軌跡が反時計回りに描かれた、(2)軌跡の始点位置が右方もしくは右上方に位置している、(3)軌跡の中心(または重心)位置がタッチパネル5の水平方向(キー「1」〜「3」の方向)の中心より右に位置している、以上3つのうち少なくとも一項目が該当している場合には、ステップS211に移行しユーザは左手入力をしたものと判断される。場合によっては上記3つの条件のうち、任意の組合せを要件として左手操作であると判断することも可能である。
【0078】
ステップS209で、ユーザが左手操作をしたものと判断できない場合には、ステップS210に移行し、ユーザが右手操作をしたかどうかをユーザに直接問うことにより、操作した手が右手か左手かを確定するようにできる。
【0079】
キー操作を行う手の判断が終わるとステップS213へ移行し、ユーザ設定がされているかどうか、即ちユーザが描く円形状線図12に対してどの程度の大きさのキーレイアウトを所望しているかが予め設定されているかどうかが判断される。なお、このユーザ設定では、例えば右手操作の場合には、(1)キーレイアウトの位置全体をずらすようにするか?(図10(A))、(2)「電話」キーの位置を固定し「#」がシフトするように全体を縮小させるようにするか?、(3)一部のキーを拡大し一部のキーを縮小するか?(図11(A))、などの項目、およびそれについての具体的なキーレイアウトを設定できるようにする。
【0080】
以降、ユーザ設定に応じたキーレイアウトをステップS207でメモリ9から読み込む。ステップS213のユーザ設定がなされていない場合はステップS214でユーザにユーザ設定を要求する。
【0081】
ユーザの設定がキーの拡大に関しての設定であれば、それに対応したキーレイアウトをメモリ9より参照して、そのキーレイアウトをディスプレイ4に表示する。しかしながら、ユーザ設定において、キーレイアウト全体をずらす場合には、キーレイアウト全体が移動するだけの領域がディスプレイ4上にあるかどうかを、ステップS216にて、シフトがディスプレイ4の表示範囲内に収まるかどうか判断することにより確かめる。
【0082】
シフトが範囲内に収まる場合には、それに対応するキーレイアウトをメモリ9から参照してディスプレイ4上に表示し、シフトが範囲内に収まらない場合には、ステップS217にてユーザに対して警告を発して、ディスプレイ4の表示範囲内に収まるキーレイアウトをメモリ9から参照し、このキーレイアウトをディスプレイ4に表示する。この際、例えば右手操作の場合に、右上にキーレイアウトをシフトする領域がない場合は、「電話」キーの位置を固定し、「#」がシフトするように全体を縮小させたキーレイアウトをメモリ9より参照して、そのレイアウトを表示する。
【0083】
(第4実施の形態)
次に、本発明の第4実施の形態に係る形態端末装置1の操作キー群レイアウト方法の要部について説明する。
【0084】
上述の第1〜3実施の形態では、ユーザがタッチパネル5上で円形状線図12を描くことで、ユーザの指の可動範囲に応じた操作キー群のレイアウトをディスプレイ4上に表示した。しかしながら、その後、使用する機能の用途により、またはユーザの嗜好により、あるいは携帯端末装置1をユーザが持ち替えた場合などに、操作キー群のレイアウト全体の位置を若干調整したくなる場合もあることが想定される。この場合、操作キー群のレイアウト全体の大きさも含めた構成を変更したいのであれば、上記第1〜3実施の形態にて説明した操作キー群レイアウト方法を最初からやり直すことにより、所望のレイアウトを再構成することができる。しかしながら、操作キー群のレイアウトの大きさは変えずにその位置のみを変更したい場合には、上記第1〜3実施の形態にて説明した方法では異なる場所に同じ大きさの円形状線図12を描かなくてはならないため、その操作が比較的困難である。
【0085】
本発明の第4実施の形態では、一度構成したレイアウトの大きさは変更せずに、その位置のみを簡単に調整できるようにする。以下、図13〜15を参照して本発明の第4実施の形態について説明する。
【0086】
図13(A)は、上述の第1実施の形態で説明した操作キー群レイアウト方法により、ユーザの指の可動範囲に応じてディスプレイ4上に表示された操作キー群のレイアウトを表している。なお、説明の便宜上、図に示したキーレイアウトに表示されるべきテンキーの文字などは、一部を除いて省略してある。ここでは、レイアウト表示全体を右に移動させたい場合について説明する。
【0087】
この場合、キーレイアウトが表示されたディスプレイ4上の任意の1点、例えば「5」のキーに対応するタッチパネル5の部分に指で触れ、連続して、つまり触れたままその指を右側になぞる。このように、タッチパネル5上でなぞる動作を行うような連続した入力というのは、通常のボタン操作のように任意の1点の位置を一瞬だけ触れる動作とは明確に区別できる。ユーザが「5」のキーを右側になぞると、それに対応する信号がタッチパネル5から制御手段11に転送され、図13(B)に示すように、そのなぞる地点の移動量に応じて、ディスプレイ4に表示されたキーレイアウト全体が大きさを変えることなく右側に移動するように、制御手段11はレイアウト表示手段6を制御する。
【0088】
ユーザが指でなぞることでキーレイアウトを右方に移動させ続け、キーレイアウト全体の右端部がディスプレイ4の表示可能領域の右端部まで移動した場合、キーレイアウト表示をそれ以上右側に移動させるとキーレイアウトの全体をディスプレイ4に表示しきれなくなる。したがって、この場合には、仮にユーザがさらに指を右方になぞらせたとしても、ディスプレイ4のキーレイアウトの表示はそれ以上移動させないように制御手段11にてレイアウト表示手段6を制御する。
【0089】
以上、キーレイアウトを右側に移動させる場合について説明したが、タッチパネル5を左方になぞることにより、同じように処理することでキーレイアウト全体を左方に移動させることもできる。以上のような横方向の移動と同様の処理により、キーレイアウト全体を縦方向に移動させることもできる。
【0090】
図14(A)および(B)は、例として操作キー群レイアウト全体を右下方向に移動させる場合の操作とそれによるディスプレイ4上の表示の変化を示している。
【0091】
図14(A)に示すように、例えばキーレイアウト中央の「5」のキーを押したままにして、タッチパネル5上を右下方向になぞることによって、キーレイアウト全体を右下に移動させる場合について説明する。図14(A)において、移動前のキーレイアウト全体の右端部およびディスプレイ4の表示可能範囲の右端の間のスペースと、キーレイアウト全体の下端部およびディスプレイ4の表示可能範囲の下端の間のスペースとを比べると、キーレイアウトの下側のスペースの方が広くなっている。したがって、例えば右下45°の角度の方向にユーザがタッチパネル5上で指をなぞらせてディスプレイ4に表示されるキーレイアウトを移動させると、キーレイアウト全体は、ディスプレイ4の下端に達するよりも先に右端に到達する(図14(A))。この時点まではユーザの指の動きどおりにキーレイアウトの表示もディスプレイ4上を移動する。しかしながら、キーレイアウトの表示の右端がディスプレイ4の表示可能範囲の右端に達してもなおユーザが右下45°の角度の方向に指をなぞらせる場合には、キーレイアウトの表示は、X方向にはこれ以上移動しない。したがって、さらにユーザが右下45°の角度の方向に指をなぞらせる場合には、キーレイアウトの表示は、キーレイアウトの表示の下端がディスプレイ4の表示可能範囲の下端に達するまで、Y方向つまり下方向にのみ移動する(図14(B))。
【0092】
図14(B)に示すように、キーレイアウトの表示の下端がディスプレイ4の表示可能範囲の下端に達したら、さらにユーザが右下45°の角度の方向に指をなぞらせたとしても、キーレイアウトの表示はこれ以上右方向にも下方向にも移動しない。また、図14(B)の状態から、図示しないが、ユーザがタッチパネル5を上方向、左方向、または左上方向になぞることによって、対応する方向にキーレイアウト表示の全体を移動させることも可能である。
【0093】
図15は、上述した操作キー群のレイアウトの移動処理動作を説明するフローチャートである。
【0094】
まず、タッチパネル5に入力があるかどうかを判定し(ステップS301)、入力があれば、それが一地点にて一瞬検出される入力なのか、またはなぞる動作による連続する入力なのかを判定する(ステップS302)。一地点での一瞬の検出である場合には、それは通常のキー操作による入力と判定する(ステップS303)。
【0095】
入力操作がなぞる操作の場合には、それはキーの押下動作とは判定せずに、制御手段11をキーレイアウト移動モードにする(ステップS304)。図15のフローチャートにおいては、これより説明するキーレイアウト移動モードにて行われる処理を、移動量の単位(以下、移動単位と呼ぶ)として非常に細かく(例えば、ディスプレイ4の表示において1ドットずつ等)区切ったものとして説明する。
【0096】
キーレイアウト移動モードでは、まず、ディスプレイ4上に表示された操作キー群レイアウト全体における移動方向端部のX座標XEの絶対値が、ディスプレイ4の表示可能範囲端部のX座標Xthの絶対値を超えていないかどうかを判定する(ステップS305)。超えていない場合には、まだユーザの指の進行方向に表示を移動させることが可能なので、移動単位の分だけディスプレイ4上で移動するようにレイアウト表示手段6を制御する(ステップS306)。しかしながら、操作キー群レイアウトの前記端部のX座標XEの絶対値がディスプレイ4の表示可能範囲端部のX座標Xthの絶対値以上となる場合には、それ以上移動させるとキーレイアウトの少なくとも一部を表示することができなくなるため、X方向の移動についてはキャンセルする(ステップS307)。
【0097】
次に、X方向と同様の判定をY方向についても行う。即ち、表示された操作キー群レイアウト表示全体の移動方向端部のY座標YEの絶対値がディスプレイ4の表示可能範囲端部のY座標Ythの絶対値を超えていないかどうかを判定し(ステップS308)、超えていない場合には移動単位の分だけディスプレイ4上を移動させ(ステップS309)、YEの絶対値がYthの絶対値以上となる場合はY方向の移動についてはキャンセルする(ステップS310)。
【0098】
これによって、X軸方向およびY軸方向について、実際の入力が表示の移動に反映されるか、あるいは実際の入力がキャンセルされて移動表示に反映されないようになる。その後はステップS301に戻り、さらなるキー入力の有無が判定される。
【0099】
なお、本発明は、上述した各実施の形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変更または変形が可能である。例えば、第1〜3実施の形態においては、予め決められたキーレイアウトを選択手段10によりメモリ9から読み取るのではなく、可動範囲13が決定された後に、そのデータに基づく演算を行うことによりキーレイアウトを算出させるようにすることもできる。また、決定された可動範囲13に基づき、キーレイアウトの大きさ等を演算し、演算結果に応じて、メモリ9に記憶された所定のキーレイアウトを拡大または縮小するようにしてもよい。
【0100】
また、図示していないが、指の可動範囲13を決定する際、タッチパネル5上に円形状線図12を描くことをユーザに要求するのではなく、一筆書きで斜めのほぼ直線状の線図を描くことを要求し、この線図の始点と終点を、キーレイアウト全体を矩形とみなした場合の対角線のひとつと判断することで、これに基づくキーレイアウトをメモリ9から参照して選択するかまたは演算し、ディスプレイ4上に表示するようにもできる。
【0101】
さらに、第4実施の形態においては、タッチパネル5にてユーザが指をなぞる際に、操作キー群の中で「5」のキーを使用したが、「5」のキー以外のキーを使用して入力操作を行うことも当然可能である。また、入力操作で使用するのは任意のキーのみに限定されず、キーの端部またはキーの縁部、あるいはキーとキーの間に表示される境界線またはキーレイアウト全体の端部などの任意の一点を用いて、キーレイアウト全体の表示を移動させるような設定にすることも可能である。さらに、この入力操作に用いる任意の一点は、必ずしも任意の一点とする必要もなく、ディスプレイ4に表示されたキーレイアウトに対応するタッチパネル5上で、入力操作をするに際し予め定めた所定の一点を用いるような設定とすることもできる。
【0102】
また、第4実施の形態では、タッチパネル5にてユーザが指をなぞらせる距離に応じて、ディスプレイ4にて操作キー群のレイアウトが移動する距離も決定されるが、その移動距離となぞる距離の対応を1対1にすると、なぞる距離と移動する距離が同じになり、視覚的な操作が容易になる。しかしながら、移動距離となぞる距離の対応は必ずしも1対1である必要はなく、例えば微調整目的などの場合のように、タッチパネル5をなぞる距離を多めにとっても、実際にディスプレイ4上で移動する距離を少なめにするような設定とすることもできる。
【0103】
なお、本発明の各実施の形態に係る携帯端末装置1は、典型的には携帯電話等の端末装置とすることができるが、これに限定されるものではなく、PDA等の携帯端末装置を含む様々な携帯端末装置にも応用できる。
【符号の説明】
【0104】
1 携帯端末装置
2 入力部
3 モニタ部
4 ディスプレイ
5 タッチパネル
6 レイアウト表示手段
7 範囲決定手段
8 位置決定手段
9 メモリ
10 選択手段
11 制御手段
12 円形状線図
13 可動範囲
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末装置における操作キー群のレイアウト方法および操作キー群レイアウト装置、特に、情報の入力に際しタッチパネルを使用する携帯端末装置における操作キー群のレイアウト方法および操作キー群レイアウト装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータのみならず、携帯電話等の携帯端末装置においても、電子メールをはじめとする各種情報を手入力することによってやり取りする機会が急増している。
【0003】
携帯端末装置においては、デスクトップ・パーソナルコンピュータの場合とは異なり、携帯するために端末本体を小型化する必要がある。それに伴って、キー入力系の小型化と、一定の操作性の確保という相反する要求のバランスをとらなければならない。したがって、この種の携帯端末装置において、キー入力に際しての操作性を向上させる各種技術が所望されている。
【0004】
従来の携帯端末装置におけるキー入力の操作性向上の技術として、例えば、ユーザが表示画面の見方を変更する場合、即ち携帯端末装置の向きを変更して操作する場合、キー操作系のキーの配置またはキー操作部の表示の設定を変更することにより、ユーザがキー操作する際のストレスを軽減できるようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1および2参照)。
【0005】
これらの特許文献に記載された技術によれば、携帯端末装置の向きを変えて操作する場合であっても、携帯端末装置の向きの変更に合わせて操作キーも回転させることにより、ユーザに対して操作キーを常に一定方向に維持できるため、ユーザが携帯端末装置の向きに応じたキー配列を覚える必要はなくなり、さらに、携帯端末装置を右手で持って操作する場合にも左手で持って操作する場合にも、それぞれの場合に対応させて、操作キーを反転させるなどすることで、一定の操作性を維持することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−51124号公報
【特許文献2】特開2005−12493号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献による技術は、本質的には、情報が表示される表示画面の視認性を種々の向きにおいても確保するか、または端末本体の持ち位置、即ち端末本体を右手で操作するか左手で操作するか、を変更した際でも元の操作性を維持するための技術であり、通常使用時におけるキー入力そのものの操作性を向上させるものではない。
【0008】
これらの従来の携帯端末装置は、通常使用時にはどのユーザも同じキーの構成に従って操作を行うものであり、結局は各ユーザ側が携帯端末装置に適応して操作せざるを得なかった。利用者の手の大きさや端末装置を持つ位置等による指の可動範囲や、更には、操作する手が右手か左手かの違いによる指の可動範囲等は考慮されていなかった。このためユーザによっては端末装置を使いにくい場合もあるという問題があった。
【0009】
したがって、かかる点に鑑みてなされた本発明の目的は、携帯端末装置のタッチパネル上に表示される操作キー群のレイアウトをユーザに応じて設定することができ、使い勝手を向上できる、操作キー群のレイアウト方法および操作キー群レイアウト装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成する請求項1に係る携帯端末装置における操作キー群レイアウト方法の発明は、操作キー群を表示部に表示して、タッチパネルを介して入力操作するようにした携帯端末装置における操作キー群のレイアウト方法であって、
タッチパネル上に線図を描くユーザ操作に基づいて前記表示部に表示する操作キー群の表示位置および範囲を決定し、その決定された表示位置および範囲に基づいて操作キー群を前記表示部に表示することを特徴とするものである。
【0011】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の携帯端末装置における操作キー群レイアウト方法において、前記操作キー群の表示位置および範囲は、ユーザによりタッチパネル上に連続的に描かれる図形の描写位置を表示位置とし、かつ当該図形により囲まれる領域を表示範囲として決定することを特徴とするものである。
【0012】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の携帯端末装置における操作キー群レイアウト方法において、前記表示部に操作キー群を表示した後、前記操作キー群の1点を起点とする連続的な入力に応じて、当該操作キー群の表示位置を移動させて、当該操作キー群の表示位置を調整することを特徴とするものである。
【0013】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の携帯端末装置における操作キー群レイアウト方法において、前記操作キー群の1点を起点とする連続的な入力に応じて当該操作キー群の表示位置を移動させる際に、当該操作キー群の少なくとも一部が前記表示部の表示範囲外となるのを禁止することを特徴とするものである。
【0014】
さらに、上記目的を達成する請求項5に係る発明は、携帯端末装置における操作キー群レイアウト装置において、
操作キー群を表示部に表示して、タッチパネルを介して入力操作するようにした携帯端末装置における操作キー群のレイアウト装置であって、
前記操作キー群のレイアウトを複数パターン記憶する記憶手段と、
前記タッチパネル上での入力操作に基づいて前記表示部に表示する操作キー群の表示位置および範囲を決定する決定手段と、
前記決定手段により決定された表示位置および範囲に基づいて、前記記憶手段から前記操作キー群を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された前記操作キー群を前記決定手段により決定された前記表示部の表示位置および範囲に表示するよう制御する制御手段と、
を具えることを特徴とするものである。
【0015】
請求項6に係る発明は、請求項5記載の携帯端末装置における操作キー群レイアウト装置において、前記記憶手段は、右手操作用および左手操作用の操作キー群をそれぞれ複数パターン記憶し、前記選択手段は、前記決定手段により決定された前記表示部の表示位置および範囲に応じて、前記記憶手段から、右手操作用または左手操作用の操作キー群のいずれか一方を選択することを特徴とするものである。
【0016】
請求項7に係る発明は、請求項5または6に記載の携帯端末装置における操作キー群レイアウト装置において、前記制御手段は、前記表示部に表示された前記操作キー群の1点を起点とする連続的な入力に応じて、当該操作キー群の表示位置を移動するよう制御することを特徴とするものである。
【0017】
請求項8に係る発明は、請求項7に記載の携帯端末装置における操作キー群レイアウト装置において、前記制御手段は、前記操作キー群の1点を起点とする連続的な入力に応じて前記操作キー群の表示位置を移動させる際に、当該操作キー群の少なくとも一部が前記表示部の表示範囲外となるのを禁止するように、当該操作キー群の表示位置の移動を制御することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、操作キー群を表示部に表示して、タッチパネルを介して入力操作するようにした携帯端末装置において、操作キー群のレイアウトを設定するにあたり、端末のユーザが手の指などで前記タッチパネル上に簡単な線図を描くことにより指の可動範囲が決定され、これに基づいて、ユーザの指の可動範囲を考慮した操作キー群のレイアウトが選択されて、タッチパネル上に表示される。したがって、様々な手の大きさのユーザがこの携帯端末を使用しても、ユーザに応じて最適化された操作キー群のレイアウトが設定され、携帯端末の通常使用時においてユーザが操作キー群を操作する際の操作性を格段に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1実施の形態に係る携帯端末装置の概略を示す図である。
【図2】図1に示す携帯端末装置の入力部の概略断面図である。
【図3】図1に示す携帯端末装置の制御回路の概略ブロック図である。
【図4】第1実施の形態に係る携帯端末装置における操作キー群レイアウト方法の概略を説明する図である。
【図5】第1実施の形態の動作を説明するフローチャートである。
【図6】第1実施の形態によるキーレイアウト例を示す図である。
【図7】図5に示すレイアウト処理の詳細を説明するフローチャートである。
【図8】第1実施の形態によるレイアウト処理を説明するための図である。
【図9】同じく、レイアウト処理を説明するための図である。
【図10】本発明の第2実施の形態に係る操作キー群のレイアウト例を示す図である。
【図11】同じく、第3実施の形態に係る操作キー群のレイアウト例を示す図である。
【図12】第3実施の形態によるレイアウト処理を説明するフローチャートである。
【図13】本発明の第4実施の形態に係る操作キー群のレイアウト例を示す図である。
【図14】同じく、第4実施の形態に係る操作キー群のレイアウト例を示す図である。
【図15】第4実施の形態によるレイアウトの移動を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。
【0021】
(第1実施の形態)
図1は、本発明の第1実施の形態に係る携帯端末装置としての携帯電話の概略を示す図である。
【0022】
この携帯端末装置1では、ユーザが指等で入力操作を行う矩形状の入力部2と、入力された情報等を表示するモニタ部3とを有している。入力部2は、図2に概略断面図で示すように、操作キー群を表示する表示部であるディスプレイ4と、その上に配置された、マトリクス状に配置された多数の接点を有するタッチパネル5とを具えており、このタッチパネル5はディスプレイ4と連動してキー操作の入力を受け付けるようになっている。したがって、例えば、ユーザがディスプレイ4上に表示された操作キーの数字の「1」の部分に指で触れようとすると、実際にはそのディスプレイ4の前面にあってディスプレイ4の「1」の表示部分と対応するタッチパネル5の部分に触れたことになり、このタッチパネル5はその部分に対応する信号を出力するようになっている。
【0023】
図3は、本実施の形態に係る携帯端末装置1に関する制御回路の概略構成を示すブロック図である。
【0024】
携帯端末装置1は、前述したディスプレイ4およびタッチパネル5と、操作キー群のレイアウト(キーレイアウト)をディスプレイ4に表示するためのレイアウト表示手段6と、操作キー群のレイアウト設定に際し操作キー群のレイアウト可能な範囲を決定する範囲決定手段7および位置を決定する位置決定手段8と、操作キー群のレイアウトおよび操作キー群のレイアウトに対応するタッチパネル5の入力パターン等を複数格納しているメモリ9と、範囲決定手段7および位置決定手段8によって決定されたデータに対応するパターンのデータをメモリ9より選択する選択手段10と、および全体を制御する制御手段11とを具えている。
【0025】
以下、本実施の形態による操作キー群レイアウト方法の概略について説明する。
【0026】
ユーザが携帯端末装置1を片手で持って使用している際に、初期設定によって表示されている操作キー群のレイアウトではキー操作がしづらい、または現在使用している操作キー群のレイアウト表示ではキー操作がしづらいと感じた場合に、図4に示すように、ユーザはタッチパネル5上にて、キー操作に通常使用する指を用いて、ほぼ円形または多角形等の簡単な線図12(以下、円形状線図という)を一筆書き状に描く。この際、タッチパネル5上に描かれる線図12に対して、対応するディスプレイ4の場所にリアルタイムに軌跡がドットで描かれるようにすることで、ユーザが入力した実際の線図12を確認し易くすることもできる。
【0027】
通常のキー操作では、タッチパネル上に触れる指は一地点に一瞬触れるだけであるので、このように意図して円形状線図12を描く動作のように連続する入力とは区別することができる。携帯端末装置1は、この連続入力を検出して、操作キー群レイアウト設定モードに切り換える。
【0028】
なお、操作キー群レイアウト設定モードへの切換手段(操作キー等)を別途設け、この切換手段により操作キー群レイアウト設定モードに切り換えてから、表示位置および範囲の入力を受け付けるようにしてもよい。
【0029】
位置決定手段8は、ユーザが描いた円形状線図12の情報に基づいて、操作キー群の表示位置を決定し、範囲決定手段7は操作キー群の表示範囲を決定する。この際、位置決定手段8は、ユーザが円形状線図12を書き始める位置や描く軌跡の始点から終点までの向き等から、ユーザの入力が右手操作によるものか左手操作によるものかを決定し、さらに範囲決定手段7は、ユーザが指で描いた円形状線図12の内側を指が無理なく届く可動範囲13と決定し、これに基づいて操作キー群の表示範囲の決定を行う。
【0030】
なお、先に描いた円形状線図12では操作キー群のレイアウトが小さすぎるものになるだろうとユーザが判断したときは、連続してより面積の広い円形状線図12を描くことも可能である。このためには、タッチパネル5に指が最初に触れることで連続動作が開始し、円形状線図12を描いている指がタッチパネルから離れた事をトリガーとして連続入力は終了し入力動作は完了と見なし、対応する信号を決定手段7および8に送信するようにすることが望ましい。円形状線図12を描くという意識的な動作をユーザが行うことによって携帯端末装置1を操作キー群レイアウト設定モードに切り換えるようにすることで、通常のキー操作の際に、操作キーに指が少し触れただけで範囲決定手段7または位置決定手段8が起動してしまうというような誤動作を防ぐことができる。
【0031】
範囲決定手段7で決定された可動範囲13があまりにも小さく、それに対応した操作キー群のレイアウトを仮に表示したとしても有効なキー操作は出来ないと判断される場合は、操作キー群レイアウト設定モードになる直前まで使用されていた標準のキーレイアウトまたは初期設定時のキーレイアウトを選び、これをディスプレイ4に表示するようにする。
【0032】
なお、このように、描かれた円形状線図12があまりにも小さい場合には、警告音を鳴らしユーザに注意を喚起することで再入力を求めたり、以前のキーレイアウト(または初期設定時のキーレイアウト)が選択されたことを知らせるようにしたりすることもできる。携帯端末装置1本体を片手だけで握った状態で使用する場合には、通常操作時にユーザがキー操作に使用する指は親指であることがほとんどであると想定される。このため、操作キー群のレイアウトがあまりにも小さく設定されるような場合は、上記のように警告を発したり予め設定したキーレイアウトを使用したりすることで、ユーザに誤入力し易いキーレイアウトを提供してしまうことを防ぐことができる。
【0033】
さらに、長時間キー入力がされない状態では、電池の消耗を防ぐため、ディスプレイ4を駆動しないスリープモード(省エネモード)に設定するようにもできる。この場合は、指などによる一筆書き動作によりタッチパネル5上に線図を描くことでスリープモードを解除して、この軌跡をディスプレイ4上に表示することも可能である。もちろん、タッチパネル5上の一地点に指が一瞬触れる場合には、通常のキー操作のモードに移行することもできる。
【0034】
図5に示すフローチャートを参照して、本実施の形態にかかる携帯端末装置1の操作キー群レイアウト方法をさらに詳細に説明する。
【0035】
先ずステップS101で、ユーザが指などでタッチパネル5に触れたことを検出し、その際にスリープモードにある場合には、ステップS102にてスリープモード(省エネモード)を解除する。
【0036】
次にステップS103において、ユーザが指などでタッチパネル5の表面に一筆書き状に円形状線図12を描くことで連続的な入力が行われているかどうかを判断し、タッチパネル5の入力が連続入力でない、即ちユーザが通常操作を望んでいると判断した場合はステップS104へ進む。ここでは、直前まで使用していたキーレイアウトを表示させる設定がされているかどうかを判断する。直前のキーレイアウトを使用する設定がされていない場合はステップS105に進み、メモリ9に格納されているデフォルト設定のキーレイアウトをディスプレイ4に表示してステップS115に進む。この場合、制御手段11によって選択手段10がメモリ9からデフォルトのキーレイアウトのデータを取り出すように制御する。
【0037】
またステップS104にて直前まで使用していたキーレイアウトを使用する設定がされている場合には、ステップS106にて直前まで使用されていたキーレイアウトをディスプレイ4に表示してステップS115に進む。
【0038】
一方、ステップS103にてタッチパネル5の表面に連続的な入力がされたと判断した場合は、ユーザが操作キー群のレイアウトの変更を望んでいるものと判断し、ステップS107で操作キー群のレイアウトの設定を行うため操作キー群レイアウト設定モードに切り換える。
【0039】
次にステップS108では、タッチパネル5にユーザの指などが触れて入力が行われていることを示すために、指が触れた位置の軌跡をディスプレイ4上にドット表示をするようにする。
【0040】
その後、ステップS109では、ユーザの指などがタッチパネル5から離れることにより連続入力が終了したかどうかを判断し、連続入力が終了していない場合は引き続きステップ108にて軌跡をディスプレイ4にドット表示する。これにより、ユーザは自分の描いた軌跡を確認することができ、入力位置をリアルタイムで見ることができ、描いた線図が小さ過ぎると感じる場合には、引き続きさらに大きな線図を描くこともできる。
【0041】
ステップS109にて、ユーザがタッチパネル5から指などを離したと判断した、即ち円形状線図12の連続入力が終了したと判断した場合は、ステップS110に進む。
【0042】
ステップS110では、円形状線図12が複数回描かれているか否かを判断し、線図が複数回描かれている場合には、ステップS111において大きい軌跡の形状を選択して、ステップS112へ移行する。
【0043】
これに対し、ステップS110で円形状線図12が複数存在しない場合は、現在描かれている線図を選択してからステップS112へ移行する。
【0044】
ステップS112では、選択された線図に基づく位置および範囲に、予め設定された最小のキーレイアウトの配置の設定が可能かどうかを判断する。最小のキーレイアウトを配置する設定ができない場合、または選択された線図に基づく適切なキーレイアウトが見つからない場合はステップS113に進んでユーザにその旨を警告し、ステップS103の連続入力に戻る。こうすることにより、あまりにも小さく非実用的なキーレイアウトが選択されてしまうことが防止できる。
【0045】
ステップS112にて、線図に基づく位置および範囲にキーレイアウトの表示が可能であると判断されると、ステップS200のキーレイアウト処理へと進む。ステップS200におけるキーレイアウト処理については後述する。
【0046】
ステップS114で、キーレイアウト処理された情報に基づくキーレイアウトを、制御手段11によってメモリ9から読み取り、ディスプレイ4の指定された位置および範囲に表示し、ステップS115に移行する。
【0047】
ステップS115では、タッチパネル5にユーザの指などが触れたかどうかを判断し、触れたと判断された場合はステップS116にてキー入力の処理を行う。これは通常のキー操作を行うモード、つまり操作キー群レイアウト設定モードではない場合のキー操作を想定している。
【0048】
ディスプレイ4に表示された各キーの位置に相当する場所のタッチパネル5をユーザが指などで触れた場合には、そのキーが押圧されたものとして認識して、確認音を出すと共にキー入力処理を行う。ステップS116でキー入力処理をした後はステップS115に戻り、次のキー入力を待つ。
【0049】
ステップS115にてタッチパネル5からのキー入力がないと判断した場合にはステップS117に進み、最後にキー入力がなされた時からの時間を計測して、それが予め設定された時間内で有ればステップS115に戻り、次のキー入力を待つ。これに対し、予め設定された時間を経過しても何らキー入力が無い場合にはステップS118に進み、ディスプレイ4をスリープモードに切り換える。
【0050】
図6(A)および(B)は、本実施の形態に係る操作キー群レイアウト方法によるキーのレイアウト例を示す図である。
【0051】
ユーザがタッチパネル5上にて、例えば円形状線図12を描くことにより、この軌跡の内側が指を無理なく動かせる可動範囲13として決定される。この時、この軌跡を範囲決定手段7が読み取ることにより範囲が決定される。こうして決定された範囲に基づいたキーレイアウトが選択手段10によりメモリ9から読み出され、このキーレイアウトがレイアウト表示手段6によってディスプレイ4に表示される。これらの制御は、制御手段11により行われ、またメモリ9には、様々な場合に対応した多数のキーレイアウトが予め記憶されている。
【0052】
メモリ9に記憶されているキーレイアウトのパターンとしては、例えば、ユーザの描いた円形状線図12の内側にキーレイアウト全体が収まるようにする、図6(A)に示すパターン、および、ユーザの描いた円形状線図12のライン上は指の可動範囲13に含まれると想定して、キーレイアウト全体の四隅に配置される4つの各キーの中心あたりを軌跡が通過するようにキー全体をレイアウトする、図6(B)に示すパターンなどが考えられる。
【0053】
また、一部のキー、例えば「電話」、「マナー」および「切」などのキーは、携帯端末装置にて電子メールの入力をする際には使用頻度が低いキーであるとみなすことにより、これらのキーを除外した状態でのキーレイアウト全体の四隅に配列される4つのキー(例えばこの場合は「1」、「3」、「#」および「※」)などを基準として、図6(A)または図6(B)に示すようなキーレイアウトのパターンの構成を設定しておくこともできる。
【0054】
次に、前述したステップS200のキーレイアウト処理を、図7に示すフローチャートについて説明する。なお、この例においては、縦横比が固定されているキーのレイアウトのパターンがメモリ9に多数記憶されているものとして説明する。
【0055】
まずステップS201では、タッチパネル5に描かれる円形状線図12から、描かれた図形の重心を求める。この時、描かれた図形が閉じた図形でない場合には、始点と終点を結ぶ処理を行い、近似的に円形状にすることも可能である。
【0056】
次にステップS202では、図8に示すように、重心から角度α方向の距離を算出する。角度αとは、図形の重心を原点として、矩形の入力部2の各辺に直交するx軸およびy軸をとった場合に、x軸からの所定の角度である。例えばα=45°とすることができる。ステップS201にて求めた重心をOとして、角度±α方向に引いた2直線と軌跡の図形との交点4箇所を、それぞれa、b、cおよびdとして、線分Oa、Ob、OcおよびOdの長さを求める。
【0057】
次にステップS203では、線分Oa、Ob、OcおよびOdのうち、長さが最短のものを選択し、それを線AとしてステップS204に移行する。ここでは、例えば線分Oaが最短、即ちOa=Aであるものとする。
【0058】
ステップS204では、軌跡内に収まる基準キーレイアウトをメモリ9より選択する。ここで図9に示すように、線分Oaが最短(Oa=A)であるので、ユーザの描いた円形状線図12が点P1を通過するA≧A’となるようなキーレイアウトを選択する。このキーレイアウトはユーザの指が描いた円形状線図12の軌跡に内包されることになる。
【0059】
次にステップS205では、ユーザが、大きめの、即ちキーの間隔が大きいキーレイアウトを望む場合に、もう少し拡大されたキーレイアウトを選択することができるかどうかを判定する。例えば、A≒B’となるようなキーレイアウトは、ユーザの描いた線図がP2を通過することになり、先ほどのA≧A’となるキーレイアウトよりも大きな構成となる。同様に、A≒C’となるようなキーレイアウトでは、ユーザの描いた線図がP3を通過することになり、先ほどのA≒B’となるキーレイアウトよりもさらに大きな構成となる。
【0060】
ステップS205において、円形状線図12が、ディスプレイ4のキー表示エリアの範囲内にて最大の大きさで描かれていた場合は、線図の軌跡に内包されるキーレイアウト(A≧A’)が最大のレイアウトになるので、ステップS207にてメモリ9を参照してこのキーレイアウトを読み込み、それをディスプレイ4に表示する。
【0061】
一方、ステップS205にて、A≒A’の場合よりもさらに大きなキーレイアウトが表示可能であると判断された場合には、ステップS206に進む。
【0062】
ステップS206では、ユーザが、描く線図に対してどの程度の大きさのキーレイアウトを所望しているかが予め設定されているかどうかが判断される。即ち、ユーザによって、描いた線図に全体が内包されるようなキーレイアウトを望むのか、四隅のキー(例えば「電話」、「切」、「#」および「※」のキー)それぞれの中心が線図のほぼライン上に来るようなキーレイアウトを望むのか、または四隅のキーが線図に外接するようなキーレイアウトを望むのか、ユーザが予め設定しているかどうかが判断される。
【0063】
ステップS206にて、所望のキーレイアウトについてユーザ設定がなされている場合には、ステップS207にてそれに対応するキーレイアウトがメモリ参照されて、ディスプレイ4に表示される。一方ユーザ設定がされていない場合には、ステップS214にてユーザに基準位置の設定の入力を促し、ステップS207にてそれに対応するキーレイアウトをメモリ9から参照して、ディスプレイ4に表示する。
【0064】
(第2実施の形態)
次に、本発明の第2実施の形態に係る携帯端末装置の操作キー群レイアウト方法の要部について説明する。本実施の形態は、第1実施の形態の図5に示したキーレイアウト方法において、ステップS200でのキーレイアウト処理が異なるものである。
【0065】
図4に示したように、通常、右手で携帯端末装置1を握り親指でタッチパネル5上に円形状線図12を描くと、その軌跡の始点は左側または左上方に位置する。更にその軌跡は時計回りの方向に描かれることが多い。また、描かれた軌跡の中心位置はタッチパネル5の中心位置よりもやや左または左上方に位置するようになる。これら3つの情報(軌跡の始点の位置、軌跡の方向、および軌跡の中心位置)に基づいて、ユーザが円形状線図12を描く際に操作した指が右手のものか左手のものか推定することができる。
【0066】
ここではユーザが右手で携帯端末装置1のキーを操作する場合を考えると、通常設定のキーレイアウトでは、親指の付け根に近い部分に位置するキー(即ち右手操作の場合は「#」、「9」および「0」のキー等)については、親指を相当折り曲げた状態で操作することを余儀なくされるため、非常にキー操作がしづらい。一方で、親指の付け根から離れて位置するキーは、若干さらに離れた方向にシフトしたとしても、自然な指の動きで操作することができる。
【0067】
したがって、携帯端末装置1の位置決定手段8によって、ユーザが右手で端末を操作していると判断された場合には、図10(A)に示すように、キーレイアウト全体を若干左上方にシフトさせることで、キーの操作性を格段に向上させることができる。シフトする距離は、ユーザが調節するようにすることもできる。さらには、左上のキーの位置は全くシフトさせずに、キーレイアウト全体を左上方に縮小させるようにすることも可能である。
【0068】
逆に、左手で携帯端末装置1を握り親指でタッチパネル5上に円形状線図12を描くと、通常その軌跡の始点は右側または右上方に位置する。更にその軌跡は反時計回りの方向に描かれることが多い。また、描かれた軌跡の中心位置はタッチパネル5の中心位置よりもやや右または右上方に位置するようになる。この場合は、図10(B)に示すように、キーレイアウト全体を右上方にシフトさせたり、右上方に縮小させたりすることによって、右手操作の時と同様の効果が得られる。
【0069】
また、描かれた円形状線図12の軌跡の中心位置が、タッチパネル5の中心位置または中心線とあまり差がない場合は、ユーザは片手で携帯端末本体1を握り、もう一方の手の指で円形状線図12を描いたと判断し、この場合には、左右で特に偏りのないキーレイアウトをディスプレイ4上に大きめに表示させることもできる。
【0070】
さらに、ユーザが予め設定したキーレイアウトをメモリ9に記憶させておき、円形状線図12を描く場合以外であっても、例えば縦線または横線のような連続入力がタッチパネル5になされた場合に、その連続入力された線に基づいて決定される範囲に応じたキーレイアウトをディスプレイ4に表示することによって、ユーザに応じたキーレイアウトの設定を行うこともできる。
【0071】
(第3実施の形態)
次に、本発明の第3実施の形態に係る携帯端末装置の操作キー群レイアウト方法の要部について説明する。第2実施の形態では、ステップS200のキーレイアウト処理において、図10(A)および(B)で示したように、操作キー群の各キーの大きさをそれぞれ同じとしたが、本実施の形態では、さらに図11(A)および(B)に示すように、操作キー群の各キーの大きさが異なるキーレイアウトも選択可能とする。すなわち、位置決定手段8によって、キー操作をする手が右手か左手か判断された後、親指の付け根に近い部分の各キーの面積を大きくし、親指の付け値の部分から離れるにつれて各キーの面積が小さくなるようなキーレイアウトを構成することも可能とする。
【0072】
さらに、親指の付け根に近い部分の各キーは拡大して、かつ親指の付け根から離れるにつれて、キーが元のキーレイアウト時の大きさに戻るような構成も選択可能とする。なお、キーの拡大・縮小率はユーザが自由に設定できるように構成してもよい。
【0073】
以下、図12のフローチャートを参照して、本実施の形態によるステップ200でのキーレイアウト処理について説明する。
【0074】
ステップS201〜ステップS204までは図7と同じ説明になるため説明を省略する。
【0075】
ステップS208では、ユーザが携帯端末装置1を操作する手が右手かどうか判断する。ここでは、ユーザの指によりタッチパネル5に描かれた円形状線図12について、(1)軌跡が時計回りに描かれた、(2)軌跡の始点位置が左方もしくは左上方に位置している、(3)軌跡の中心(または重心)位置がタッチパネル5の水平方向(キー「1」〜「3」の方向)の中心より左に位置している、の3つの項目のうち少なくとも一項目が該当している場合には、右手操作であると判断してステップS212に進む。場合によっては上記3つの条件のうち、任意の組合せを要件として右手操作であると判断することも可能である。
【0076】
ステップS208にて右手操作ではないと判断された場合は、ステップS209に進み、左手操作かどうかの判断が行われる。
【0077】
ここでは、タッチパネル5に描かれた円形状線図12が、(1)軌跡が反時計回りに描かれた、(2)軌跡の始点位置が右方もしくは右上方に位置している、(3)軌跡の中心(または重心)位置がタッチパネル5の水平方向(キー「1」〜「3」の方向)の中心より右に位置している、以上3つのうち少なくとも一項目が該当している場合には、ステップS211に移行しユーザは左手入力をしたものと判断される。場合によっては上記3つの条件のうち、任意の組合せを要件として左手操作であると判断することも可能である。
【0078】
ステップS209で、ユーザが左手操作をしたものと判断できない場合には、ステップS210に移行し、ユーザが右手操作をしたかどうかをユーザに直接問うことにより、操作した手が右手か左手かを確定するようにできる。
【0079】
キー操作を行う手の判断が終わるとステップS213へ移行し、ユーザ設定がされているかどうか、即ちユーザが描く円形状線図12に対してどの程度の大きさのキーレイアウトを所望しているかが予め設定されているかどうかが判断される。なお、このユーザ設定では、例えば右手操作の場合には、(1)キーレイアウトの位置全体をずらすようにするか?(図10(A))、(2)「電話」キーの位置を固定し「#」がシフトするように全体を縮小させるようにするか?、(3)一部のキーを拡大し一部のキーを縮小するか?(図11(A))、などの項目、およびそれについての具体的なキーレイアウトを設定できるようにする。
【0080】
以降、ユーザ設定に応じたキーレイアウトをステップS207でメモリ9から読み込む。ステップS213のユーザ設定がなされていない場合はステップS214でユーザにユーザ設定を要求する。
【0081】
ユーザの設定がキーの拡大に関しての設定であれば、それに対応したキーレイアウトをメモリ9より参照して、そのキーレイアウトをディスプレイ4に表示する。しかしながら、ユーザ設定において、キーレイアウト全体をずらす場合には、キーレイアウト全体が移動するだけの領域がディスプレイ4上にあるかどうかを、ステップS216にて、シフトがディスプレイ4の表示範囲内に収まるかどうか判断することにより確かめる。
【0082】
シフトが範囲内に収まる場合には、それに対応するキーレイアウトをメモリ9から参照してディスプレイ4上に表示し、シフトが範囲内に収まらない場合には、ステップS217にてユーザに対して警告を発して、ディスプレイ4の表示範囲内に収まるキーレイアウトをメモリ9から参照し、このキーレイアウトをディスプレイ4に表示する。この際、例えば右手操作の場合に、右上にキーレイアウトをシフトする領域がない場合は、「電話」キーの位置を固定し、「#」がシフトするように全体を縮小させたキーレイアウトをメモリ9より参照して、そのレイアウトを表示する。
【0083】
(第4実施の形態)
次に、本発明の第4実施の形態に係る形態端末装置1の操作キー群レイアウト方法の要部について説明する。
【0084】
上述の第1〜3実施の形態では、ユーザがタッチパネル5上で円形状線図12を描くことで、ユーザの指の可動範囲に応じた操作キー群のレイアウトをディスプレイ4上に表示した。しかしながら、その後、使用する機能の用途により、またはユーザの嗜好により、あるいは携帯端末装置1をユーザが持ち替えた場合などに、操作キー群のレイアウト全体の位置を若干調整したくなる場合もあることが想定される。この場合、操作キー群のレイアウト全体の大きさも含めた構成を変更したいのであれば、上記第1〜3実施の形態にて説明した操作キー群レイアウト方法を最初からやり直すことにより、所望のレイアウトを再構成することができる。しかしながら、操作キー群のレイアウトの大きさは変えずにその位置のみを変更したい場合には、上記第1〜3実施の形態にて説明した方法では異なる場所に同じ大きさの円形状線図12を描かなくてはならないため、その操作が比較的困難である。
【0085】
本発明の第4実施の形態では、一度構成したレイアウトの大きさは変更せずに、その位置のみを簡単に調整できるようにする。以下、図13〜15を参照して本発明の第4実施の形態について説明する。
【0086】
図13(A)は、上述の第1実施の形態で説明した操作キー群レイアウト方法により、ユーザの指の可動範囲に応じてディスプレイ4上に表示された操作キー群のレイアウトを表している。なお、説明の便宜上、図に示したキーレイアウトに表示されるべきテンキーの文字などは、一部を除いて省略してある。ここでは、レイアウト表示全体を右に移動させたい場合について説明する。
【0087】
この場合、キーレイアウトが表示されたディスプレイ4上の任意の1点、例えば「5」のキーに対応するタッチパネル5の部分に指で触れ、連続して、つまり触れたままその指を右側になぞる。このように、タッチパネル5上でなぞる動作を行うような連続した入力というのは、通常のボタン操作のように任意の1点の位置を一瞬だけ触れる動作とは明確に区別できる。ユーザが「5」のキーを右側になぞると、それに対応する信号がタッチパネル5から制御手段11に転送され、図13(B)に示すように、そのなぞる地点の移動量に応じて、ディスプレイ4に表示されたキーレイアウト全体が大きさを変えることなく右側に移動するように、制御手段11はレイアウト表示手段6を制御する。
【0088】
ユーザが指でなぞることでキーレイアウトを右方に移動させ続け、キーレイアウト全体の右端部がディスプレイ4の表示可能領域の右端部まで移動した場合、キーレイアウト表示をそれ以上右側に移動させるとキーレイアウトの全体をディスプレイ4に表示しきれなくなる。したがって、この場合には、仮にユーザがさらに指を右方になぞらせたとしても、ディスプレイ4のキーレイアウトの表示はそれ以上移動させないように制御手段11にてレイアウト表示手段6を制御する。
【0089】
以上、キーレイアウトを右側に移動させる場合について説明したが、タッチパネル5を左方になぞることにより、同じように処理することでキーレイアウト全体を左方に移動させることもできる。以上のような横方向の移動と同様の処理により、キーレイアウト全体を縦方向に移動させることもできる。
【0090】
図14(A)および(B)は、例として操作キー群レイアウト全体を右下方向に移動させる場合の操作とそれによるディスプレイ4上の表示の変化を示している。
【0091】
図14(A)に示すように、例えばキーレイアウト中央の「5」のキーを押したままにして、タッチパネル5上を右下方向になぞることによって、キーレイアウト全体を右下に移動させる場合について説明する。図14(A)において、移動前のキーレイアウト全体の右端部およびディスプレイ4の表示可能範囲の右端の間のスペースと、キーレイアウト全体の下端部およびディスプレイ4の表示可能範囲の下端の間のスペースとを比べると、キーレイアウトの下側のスペースの方が広くなっている。したがって、例えば右下45°の角度の方向にユーザがタッチパネル5上で指をなぞらせてディスプレイ4に表示されるキーレイアウトを移動させると、キーレイアウト全体は、ディスプレイ4の下端に達するよりも先に右端に到達する(図14(A))。この時点まではユーザの指の動きどおりにキーレイアウトの表示もディスプレイ4上を移動する。しかしながら、キーレイアウトの表示の右端がディスプレイ4の表示可能範囲の右端に達してもなおユーザが右下45°の角度の方向に指をなぞらせる場合には、キーレイアウトの表示は、X方向にはこれ以上移動しない。したがって、さらにユーザが右下45°の角度の方向に指をなぞらせる場合には、キーレイアウトの表示は、キーレイアウトの表示の下端がディスプレイ4の表示可能範囲の下端に達するまで、Y方向つまり下方向にのみ移動する(図14(B))。
【0092】
図14(B)に示すように、キーレイアウトの表示の下端がディスプレイ4の表示可能範囲の下端に達したら、さらにユーザが右下45°の角度の方向に指をなぞらせたとしても、キーレイアウトの表示はこれ以上右方向にも下方向にも移動しない。また、図14(B)の状態から、図示しないが、ユーザがタッチパネル5を上方向、左方向、または左上方向になぞることによって、対応する方向にキーレイアウト表示の全体を移動させることも可能である。
【0093】
図15は、上述した操作キー群のレイアウトの移動処理動作を説明するフローチャートである。
【0094】
まず、タッチパネル5に入力があるかどうかを判定し(ステップS301)、入力があれば、それが一地点にて一瞬検出される入力なのか、またはなぞる動作による連続する入力なのかを判定する(ステップS302)。一地点での一瞬の検出である場合には、それは通常のキー操作による入力と判定する(ステップS303)。
【0095】
入力操作がなぞる操作の場合には、それはキーの押下動作とは判定せずに、制御手段11をキーレイアウト移動モードにする(ステップS304)。図15のフローチャートにおいては、これより説明するキーレイアウト移動モードにて行われる処理を、移動量の単位(以下、移動単位と呼ぶ)として非常に細かく(例えば、ディスプレイ4の表示において1ドットずつ等)区切ったものとして説明する。
【0096】
キーレイアウト移動モードでは、まず、ディスプレイ4上に表示された操作キー群レイアウト全体における移動方向端部のX座標XEの絶対値が、ディスプレイ4の表示可能範囲端部のX座標Xthの絶対値を超えていないかどうかを判定する(ステップS305)。超えていない場合には、まだユーザの指の進行方向に表示を移動させることが可能なので、移動単位の分だけディスプレイ4上で移動するようにレイアウト表示手段6を制御する(ステップS306)。しかしながら、操作キー群レイアウトの前記端部のX座標XEの絶対値がディスプレイ4の表示可能範囲端部のX座標Xthの絶対値以上となる場合には、それ以上移動させるとキーレイアウトの少なくとも一部を表示することができなくなるため、X方向の移動についてはキャンセルする(ステップS307)。
【0097】
次に、X方向と同様の判定をY方向についても行う。即ち、表示された操作キー群レイアウト表示全体の移動方向端部のY座標YEの絶対値がディスプレイ4の表示可能範囲端部のY座標Ythの絶対値を超えていないかどうかを判定し(ステップS308)、超えていない場合には移動単位の分だけディスプレイ4上を移動させ(ステップS309)、YEの絶対値がYthの絶対値以上となる場合はY方向の移動についてはキャンセルする(ステップS310)。
【0098】
これによって、X軸方向およびY軸方向について、実際の入力が表示の移動に反映されるか、あるいは実際の入力がキャンセルされて移動表示に反映されないようになる。その後はステップS301に戻り、さらなるキー入力の有無が判定される。
【0099】
なお、本発明は、上述した各実施の形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変更または変形が可能である。例えば、第1〜3実施の形態においては、予め決められたキーレイアウトを選択手段10によりメモリ9から読み取るのではなく、可動範囲13が決定された後に、そのデータに基づく演算を行うことによりキーレイアウトを算出させるようにすることもできる。また、決定された可動範囲13に基づき、キーレイアウトの大きさ等を演算し、演算結果に応じて、メモリ9に記憶された所定のキーレイアウトを拡大または縮小するようにしてもよい。
【0100】
また、図示していないが、指の可動範囲13を決定する際、タッチパネル5上に円形状線図12を描くことをユーザに要求するのではなく、一筆書きで斜めのほぼ直線状の線図を描くことを要求し、この線図の始点と終点を、キーレイアウト全体を矩形とみなした場合の対角線のひとつと判断することで、これに基づくキーレイアウトをメモリ9から参照して選択するかまたは演算し、ディスプレイ4上に表示するようにもできる。
【0101】
さらに、第4実施の形態においては、タッチパネル5にてユーザが指をなぞる際に、操作キー群の中で「5」のキーを使用したが、「5」のキー以外のキーを使用して入力操作を行うことも当然可能である。また、入力操作で使用するのは任意のキーのみに限定されず、キーの端部またはキーの縁部、あるいはキーとキーの間に表示される境界線またはキーレイアウト全体の端部などの任意の一点を用いて、キーレイアウト全体の表示を移動させるような設定にすることも可能である。さらに、この入力操作に用いる任意の一点は、必ずしも任意の一点とする必要もなく、ディスプレイ4に表示されたキーレイアウトに対応するタッチパネル5上で、入力操作をするに際し予め定めた所定の一点を用いるような設定とすることもできる。
【0102】
また、第4実施の形態では、タッチパネル5にてユーザが指をなぞらせる距離に応じて、ディスプレイ4にて操作キー群のレイアウトが移動する距離も決定されるが、その移動距離となぞる距離の対応を1対1にすると、なぞる距離と移動する距離が同じになり、視覚的な操作が容易になる。しかしながら、移動距離となぞる距離の対応は必ずしも1対1である必要はなく、例えば微調整目的などの場合のように、タッチパネル5をなぞる距離を多めにとっても、実際にディスプレイ4上で移動する距離を少なめにするような設定とすることもできる。
【0103】
なお、本発明の各実施の形態に係る携帯端末装置1は、典型的には携帯電話等の端末装置とすることができるが、これに限定されるものではなく、PDA等の携帯端末装置を含む様々な携帯端末装置にも応用できる。
【符号の説明】
【0104】
1 携帯端末装置
2 入力部
3 モニタ部
4 ディスプレイ
5 タッチパネル
6 レイアウト表示手段
7 範囲決定手段
8 位置決定手段
9 メモリ
10 選択手段
11 制御手段
12 円形状線図
13 可動範囲
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作キー群を表示部に表示して、タッチパネルを介して入力操作するようにした携帯端末装置における操作キー群のレイアウト方法であって、
タッチパネル上に線図を描くユーザ操作に基づいて前記表示部に表示する操作キー群の表示位置および範囲を決定し、その決定された表示位置および範囲に基づいて操作キー群を前記表示部に表示することを特徴とする携帯端末装置における操作キー群レイアウト方法。
【請求項2】
前記操作キー群の表示位置および範囲は、ユーザによりタッチパネル上に連続的に描かれる図形の描写位置を表示位置とし、かつ当該図形により囲まれる領域を表示範囲として決定することを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置における操作キー群レイアウト方法。
【請求項3】
前記表示部に操作キー群を表示した後、前記操作キー群の1点を起点とする連続的な入力に応じて、当該操作キー群の表示位置を移動させて、当該操作キー群の表示位置を調整することを特徴とする請求項1または2に記載の携帯端末装置における操作キー群レイアウト方法。
【請求項4】
前記操作キー群の1点を起点とする連続的な入力に応じて当該操作キー群の表示位置を移動させる際に、当該操作キー群の少なくとも一部が前記表示部の表示範囲外となるのを禁止することを特徴とする請求項3に記載の携帯端末装置における操作キー群レイアウト方法。
【請求項5】
操作キー群を表示部に表示して、タッチパネルを介して入力操作するようにした携帯端末装置における操作キー群のレイアウト装置であって、
前記操作キー群のレイアウトを複数パターン記憶する記憶手段と、
前記タッチパネル上での入力操作に基づいて前記表示部に表示する操作キー群の表示位置および範囲を決定する決定手段と、
前記決定手段により決定された表示位置および範囲に基づいて、前記記憶手段から前記操作キー群を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された前記操作キー群を前記決定手段により決定された前記表示部の表示位置および範囲に表示するよう制御する制御手段と、
を具えることを特徴とする携帯端末装置における操作キー群レイアウト装置。
【請求項6】
前記記憶手段は、右手操作用および左手操作用の操作キー群をそれぞれ複数パターン記憶し、前記選択手段は、前記決定手段により決定された前記表示部の表示位置および範囲に応じて、前記記憶手段から、右手操作用または左手操作用の操作キー群のいずれか一方を選択することを特徴とする請求項5記載の携帯端末装置における操作キー群レイアウト装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記表示部に表示された前記操作キー群の1点を起点とする連続的な入力に応じて、当該操作キー群の表示位置を移動するよう制御することを特徴とする請求項5または6に記載の携帯端末装置における操作キー群レイアウト装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記操作キー群の1点を起点とする連続的な入力に応じて前記操作キー群の表示位置を移動させる際に、当該操作キー群の少なくとも一部が前記表示部の表示範囲外となるのを禁止するように、当該操作キー群の表示位置の移動を制御することを特徴とする請求項7に記載の携帯端末装置における操作キー群レイアウト装置。
【請求項1】
操作キー群を表示部に表示して、タッチパネルを介して入力操作するようにした携帯端末装置における操作キー群のレイアウト方法であって、
タッチパネル上に線図を描くユーザ操作に基づいて前記表示部に表示する操作キー群の表示位置および範囲を決定し、その決定された表示位置および範囲に基づいて操作キー群を前記表示部に表示することを特徴とする携帯端末装置における操作キー群レイアウト方法。
【請求項2】
前記操作キー群の表示位置および範囲は、ユーザによりタッチパネル上に連続的に描かれる図形の描写位置を表示位置とし、かつ当該図形により囲まれる領域を表示範囲として決定することを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置における操作キー群レイアウト方法。
【請求項3】
前記表示部に操作キー群を表示した後、前記操作キー群の1点を起点とする連続的な入力に応じて、当該操作キー群の表示位置を移動させて、当該操作キー群の表示位置を調整することを特徴とする請求項1または2に記載の携帯端末装置における操作キー群レイアウト方法。
【請求項4】
前記操作キー群の1点を起点とする連続的な入力に応じて当該操作キー群の表示位置を移動させる際に、当該操作キー群の少なくとも一部が前記表示部の表示範囲外となるのを禁止することを特徴とする請求項3に記載の携帯端末装置における操作キー群レイアウト方法。
【請求項5】
操作キー群を表示部に表示して、タッチパネルを介して入力操作するようにした携帯端末装置における操作キー群のレイアウト装置であって、
前記操作キー群のレイアウトを複数パターン記憶する記憶手段と、
前記タッチパネル上での入力操作に基づいて前記表示部に表示する操作キー群の表示位置および範囲を決定する決定手段と、
前記決定手段により決定された表示位置および範囲に基づいて、前記記憶手段から前記操作キー群を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された前記操作キー群を前記決定手段により決定された前記表示部の表示位置および範囲に表示するよう制御する制御手段と、
を具えることを特徴とする携帯端末装置における操作キー群レイアウト装置。
【請求項6】
前記記憶手段は、右手操作用および左手操作用の操作キー群をそれぞれ複数パターン記憶し、前記選択手段は、前記決定手段により決定された前記表示部の表示位置および範囲に応じて、前記記憶手段から、右手操作用または左手操作用の操作キー群のいずれか一方を選択することを特徴とする請求項5記載の携帯端末装置における操作キー群レイアウト装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記表示部に表示された前記操作キー群の1点を起点とする連続的な入力に応じて、当該操作キー群の表示位置を移動するよう制御することを特徴とする請求項5または6に記載の携帯端末装置における操作キー群レイアウト装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記操作キー群の1点を起点とする連続的な入力に応じて前記操作キー群の表示位置を移動させる際に、当該操作キー群の少なくとも一部が前記表示部の表示範囲外となるのを禁止するように、当該操作キー群の表示位置の移動を制御することを特徴とする請求項7に記載の携帯端末装置における操作キー群レイアウト装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−33514(P2013−33514A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−243782(P2012−243782)
【出願日】平成24年11月5日(2012.11.5)
【分割の表示】特願2006−294066(P2006−294066)の分割
【原出願日】平成18年10月30日(2006.10.30)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年11月5日(2012.11.5)
【分割の表示】特願2006−294066(P2006−294066)の分割
【原出願日】平成18年10月30日(2006.10.30)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]