説明

携帯端末装置及びプログラム

【課題】コンテンツの出力先がどこであるかに拘わらず、その出力先に合ったコンテンツの視聴を可能とした携帯端末装置を提供する。
【解決手段】携帯電話装置101は、コンテンツの出力先であり、ホームサーバ103に通信接続された外部出力装置105を選択すると共に、選択された外部出力装置105の処理能力とその出力装置を識別する識別情報を特定し、外部出力装置105の処理能力に適したコンテンツを当該外部出力装置105へ送信するようにホームサーバ103に対して要求し、それに応じてホームサーバ103から送信されたコンテンツを外部出力装置105が受信して画像出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、サーバから送信されるコンテンツを受信可能な携帯端末装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、通信ネットワークを介して携帯端末に動画コンテンツ、音楽コンテンツなどを配信する場合に、その端末の機種コードからそのスペック(処理能力)を取得して、当該スペックに応じたデータを送信するようにした技術が知られている。すなわち、携帯端末の画面サイズを取得してそのサイズに合ったデータを送信するようにした技術(特許文献1参照)、また、端末画面の表示向きに応じて90度回転した表示データを送信するようにした技術(特許文献2参照)、また、端末の機種に適したコンテンツを配信するようにした技術が知られている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−133973号公報
【特許文献2】特開2003−111054号公報
【特許文献3】特開平10−240637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した各先行技術は、コンテンツ要求を行った携帯端末がコンテンツを受信して再生出力することを前提とした技術であり、コンテンツ要求を行った携帯端末とは別の出力装置でコンテンツを再生するような場合、例えば、携帯端末ではコンテンツ要求とその受信を行って自宅に設置されているテレビ受信装置の大型画面でコンテンツを再生出力するような場合、あるいは携帯端末ではコンテンツ要求を行い、そのコンテンツの受信とその再生をテレビ受信機側で行うような場合には、対応することはできなかった。
【0005】
この発明の課題は、コンテンツの出力先がどこであるかに拘わらず、その出力先に合ったコンテンツの視聴を可能とした携帯端末装置を提供できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る携帯端末装置は、サーバに対してコンテンツ送信を要求する携帯端末装置であって、コンテンツの出力先であり、前記サーバに通信接続された外部出力装置を選択する選択手段と、この選択手段によって選択された外部出力装置の処理能力とその出力装置を識別する識別情報を特定する特定手段と、この特定手段によって特定された処理能力に適したコンテンツを前記識別情報で示される前記外部出力装置へ送信すべきことを前記サーバに対して要求するコンテンツ要求手段とを具備したことを特徴とする。
【0007】
なお、前記第1の観点に係る携帯端末装置は、次のようなものであってもよい。
外部出力装置との間での無線通信によって当該外部出力装置をリモート・コントロールするリモコン機能を備えた携帯端末装置であって、前記リモコン機能から指示信号を発信した際に、前記選択手段は、その指示に対して応答のあった外部出力装置をコンテンツの出力先として選択する。
【0008】
前記特定手段は、前記選択手段によって選択された外部出力装置からその処理能力を受信取得することによってその特定を行う。
【0009】
また、本発明の第2の観点に係るプログラムは、コンピュータに対して、サーバが送信するコンテンツの出力先であり、前記サーバに通信接続された外部出力装置を選択する機能と、前記選択された外部出力装置の処理能力とその外部出力装置を識別する識別情報を特定する機能と、前記特定された処理能力に適したコンテンツを前記識別情報で示される前記外部出力装置へ送信すべきことを前記サーバに対して要求する機能とを実現させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、コンテンツの出力先がどこであるかに拘わらず、その出力先に適したコンテンツの視聴が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】通信ネットワークを介して携帯端末装置(携帯電話装置)にコンテンツを配信するコンテンツ配信システムを示したブロック図。
【図2】携帯電話装置1の基本的な構成要素を示したブロック図。
【図3】コンテンツ要求操作に応じて実行開始される携帯電話装置1の動作概要を示したフローチャート。
【図4】図3に続くフローチャート。
【図5】第2実施例において自宅内に構築されているホームシステムを示したブロック図。
【図6】第2実施例において携帯電話装置101側でのリモコン操作に応じて実行開始される動作を示したフローチャート。
【図7】外部モニタ105側で表示される配信メニュー画面を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施例1)
以下、図1〜図4を参照して本発明の第1実施例を説明する。
図1は、通信ネットワークを介して携帯端末装置(携帯電話装置)にコンテンツを配信するコンテンツ配信システムを示したブロック図である。
携帯電話装置1は、無線通信網(公衆移動体通信網)2、インターネット3を介してコンテンツ配信サーバ4に接続されており、コンテンツ配信サーバ4に対してコンテンツ要求を行う。コンテンツ配信サーバ4は、コンテンツ配信サーバ機能のほか、データベースサーバ機能、Webサーバ機能などの各種のサーバ機能を有し、携帯電話装置1に対してコンテンツ配信を行うもので、携帯電話装置1からのコンテンツ要求に応じてそのコンテンツ(例えば、映画コンテンツ、音楽コンテンツ、文章コンテンツなど)をその要求元の携帯電話装置1に対して送信するようにしている。
【0013】
また、携帯電話装置1をクレードル装置5に載置(接続)すると、携帯電話装置1は通信ケーブル6を介して外部出力装置7に通信接続(有線接続)される。クレードル装置5は、携帯電話装置1の二次電池(図示せず)を充電する充電機能と携帯電話装置1で受信したコンテンツを外部出力装置7に転送するデータ中継機能(データ通信機能)とを備えたもので、クレードル装置5と外部出力装置7とは通信ケーブル6を介して接続可能となっている。外部出力装置7は、例えば、据置き型のテレビ受信機、テレビ受信機能付きパーソナルコンピュータ、スピーカ付き表示装置などであり、携帯電話装置1からクレードル装置5を介して送信されてきたコンテンツを再生出力する。
【0014】
また、コンテンツ配信サーバ4に対してコンテンツ要求を行う際に、携帯電話装置1は、現在の「視聴状況」を取得すると共に、この「視聴状況」下で視聴可能なコンテンツタイプを特定したのち、このタイプのコンテンツの送信をコンテンツ配信サーバ4に対して要求し、それに応じて当該サーバ4から送信されたコンテンツを受信するようにしている。ここで、携帯電話装置1の「視聴状況」とは、コンテンツの出力先が携帯出力装置(自己の表示部、スピーカ)であれば、その処理スペック(画像サイズ、実行速度などの処理能力・性能)を示す情報であり、また、当該携帯電話装置1に通信接続されている外部出力装置7であれば、その処理スペックを示す情報である。
【0015】
また、「コンテンツタイプ」とは、例えば、画像サイズが異なるコンテンツ、本来のコンテンツから音声を除いた映像、字幕からなるコンテンツなどのように再生タイプが異なるコンテンツ、本来のコンテンツを短縮(ダイジェスト)化したコンテンツなどのように再生時間が異なるコンテンツ、圧縮タイプの異なるコンテンツ(例えば、Mpeg4/Mpeg2で映像圧縮されたコンテンツ)などである。
【0016】
図2は、携帯電話装置1の基本的な構成要素を示したブロック図である。
CPU11は、記憶部12内の各種のプログラムに応じてこの携帯電話装置1の全体動作を制御する中央演算処理装置である。記憶部12は、後述する図3及び図4に示す動作手順に応じて本実施例を実現するためのプログラムが格納されている、また、そのデータ領域には、後述する「処理スペック」などが記憶されている。記録メディア13は、着脱自在な可搬型メモリで、例えば、SDカード、ICカードなどによって構成されている。メモリ14は、ワーク領域を有する内部メモリであり、必要に応じてメモリ14内の各種のデータは、記憶部12にセーブされる。
【0017】
電話通信部15は、アンテナに接続された送受信部(ベースバンド部)の受信側から信号を取り込んで受信ベースバンド信号に復調したのちに、音響制御部16を介して受話スピーカ17から音声出力させる。また、電話通信部15は、送話マイク18からの入力音声を音響制御部16から取り込み、送信ベースバンド信号に符号化したのち、送受信部の送信側に与えてアンテナから発信出力させる。一方、電子メール機能、インターネット接続機能によって電話通信部15を介して受信取得したコンテンツ内の映像、字幕データなどは高精細液晶などを使用した表示部19に与えられて表示され、また、受信コンテンツ内の音声データなどは、音響制御部16を介してサウンドスピーカ20に与えられて出力される。
【0018】
GPS信号受信部21は、衛星と地上の制御局を利用し、複数の衛星からの電波の到着時間の差から厳密に測定された現在位置(経緯度)を受信するもので、CPU11は、GPS信号受信部21を定期的にアクセスしてGPS測定位置を受信取得しながら現在のユーザ位置(携帯電話装置の位置)を監視するようにしている。操作部22は、ダイヤル入力、文字入力、コマンド入力などを行うもので、CPU11は、操作部22からの入力信号に応じた処理を実行する。
【0019】
クレードル接続部23は、携帯電話装置1がクレードル装置5に接続された際に、クレードル装置5からの充電電流によって携帯電話装置1の二次電池(図示せず)を充電するもので、CPU11は、クレードル接続部23から出力される接続検出信号に基づいて装置本体がクレードル装置5に載置(接続)されているか否か、つまり、クレードル装置5を介して外部出力装置7に接続されているか否かを判別する。この結果、CPU11は、クレードル装置5を介して外部出力装置7に接続されていて外部出力装置7と通信可能な状況であれば、外部出力装置7を出力先として決定する。また、外部出力装置7と通信可能な状況にない場合、つまり、携帯電話装置1がクレードル装置5に接続されていない場合あるいはクレードル装置5に接続されていても外部出力装置7に接続されていない場合には、自己の携帯出力装置(表示部19、サウンドスピーカ20)を出力先として決定する。そして、携帯電話装置1は、コンテンツ配信サーバ4からの受信コンテンツを上述のようにして決定した出力先に送って出力させる。リモコン用赤外線通信部24は、外部出力装置7をリモート・コントロールするもので、外部出力装置7にリモコン制御信号として電源オン/オフ信号、チャンネル信号、音量調整信号などを赤外線送信する。
【0020】
次に、この第1実施例における携帯電話装置1の動作概念を図3及び図4に示すフローチャートを参照して説明する。
ここで、これらのフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。このことは後述する他の実施例においても同様であり、記録媒体のほかに、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用してこの実施例特有の動作を実行することもできる。
【0021】
図3及び図4は、コンテンツ要求操作に応じて実行開始される携帯電話装置1の動作概要を示したフローチャートである。なお、図3及び図4は、携帯電話装置1の全体動作のうち、本実施例の特徴部分の動作概要を示したフローチャートであり、この図3及び図4のフローから抜けた際には、全体動作のフロー(図示省略)に戻る。
先ず、CPU11は、コンテンツ要求操作に応答してコンテンツ配信サーバ4との通信接続を確立したのち、コンテンツ配信サーバ4からコンテンツメニューを受信取得してそのメニュー画面を表示させる(ステップA1)。このメニュー画面の中から任意のコンテンツを出力対象として選択する操作が行われると(ステップA2)、現在の視聴状況を調べる処理に移る(ステップA3、A4)。
【0022】
先ず、CPU111は、クレードル接続部23をアクセスして携帯電話装置1がクレードル装置5に接続されているか否かを調べ(ステップA3)、クレードル装置5に接続されていれば(ステップA3でYES)、このクレードル装置5を介して携帯電話装置1に外部出力装置7が接続されているかを調べる(ステップA4)。ここで、クレードル装置5に接続されていない場合(ステップA3でNO)あるいはクレードル装置5に接続されていても外部出力装置7が接続されてない場合には(ステップA4でNO)、携帯出力装置(表示部19、サウンドスピーカ20)側でコンテンツ再生を行うために以下の処理に移る。すなわち、CPU11は、現在の視聴状況下で視聴可能なコンテンツタイプを特定するために、記憶部12から自己の「処理スペック」を読み出す(ステップA5)。そして、この「処理スペック」と、出力対象として選択されたコンテンツを識別するための「コンテンツID」とを含むコンテンツ要求を作成して、コンテンツ配信サーバ4に対して送信する(ステップA6)。
【0023】
ここで、コンテンツ配信サーバ4においては、携帯電話装置1からコンテンツ要求を受信すると、この要求内に含まれている「コンテンツID」に基づいて対応するコンテンツ(本来のコンテンツ)を選択するが、その際、コンテンツ要求内の「処理スペック」によって示されるタイプのコンテンツを取得する。例えば、画像サイズ別に用意されているコンテンツの中からタイプに対応する大きさのコンテンツを選択したり、本来のコンテンツから音声を除いた映像、字幕からなるコンテンツなどのように再生タイプが異なるコンテンツを生成したり、本来のコンテンツを短縮(ダイジェスト)化したコンテンツなど再生時間が異なるコンテンツを生成したり、圧縮タイプの異なるコンテンツを生成したりすることによって「処理スペック」に対応するタイプのコンテンツを取得する。そして、このコンテンツを要求元の携帯電話装置1に対して送信する。この場合、コンテンツ配信サーバ4は、ストリーミング配信によってコンテンツを送信するようにしている。
【0024】
携帯電話装置1側においてCPU11は、コンテンツ配信サーバ4からストリーミング配信されたコンテンツを順次受信しながら(ステップA7)、その再生処理を実行して(ステップA8)、携帯出力装置(表示部19、サウンドスピーカ20)で再生出力させる(ステップA9)。そして、この再生動作中において所定周期毎(例えば、1分毎)にクレードル装置5を介して外部出力装置7に接続されたかを監視する。すなわち、コンテンツ再生を開始してから所定時間(例えば、1分)の経過する毎に(ステップA10でYES)、クレードル接続部23をアクセスしてクレードル装置5の接続有無を調べる(ステップA11)。
【0025】
ここで、既にクレードル装置5に接続されている場合あるいは新たにクレードル装置5に接続された場合には(ステップA11でYES)、クレードル装置5を介して外部出力装置7がケーブル接続されたかを調べる(ステップA12)。いま、クレードル装置5に接続されていない場合(ステップA11でNO)、クレードル装置5に接続されていても外部出力装置7が接続されていない場合(ステップA12でNO)、あるいは所定周期に達していない場合には(ステップA10でNO)、コンテンツの最終位置まで再生し終わったか、ユーザ操作によって再生終了が指示されたかを調べ(ステップA13)、再生終了でなければ、上述のステップA7に戻り、コンテンツを順次受信しながらその再生動作を継続する。
【0026】
また、再生終了であれば(ステップA13でYES)、再生動作を終了すると共に、コンテンツ配信サーバ4に対して配信終了の要求を送信したのち(ステップA14)、このフローの終了となる。また、コンテンツの再生途中においてクレードル装置5に接続され(ステップA11でYES)、かつ、外部出力装置7に接続された場合には(ステップA12でYES)、コンテンツ配信サーバ4に対して配信停止の要求を送信したのち(ステップA15)、図4のフローに移る。
【0027】
この図4のフローは、上述したようにコンテンツの再生途中においてクレードル装置5を介して外部出力装置7に接続された場合に限らず、上述したステップA2のコンテンツ選択時においても、クレードル装置5を介して外部出力装置7に接続されている場合にも(ステップA4でYES)、実行開始される。先ず、CPU11は、クレードル装置5を介して外部出力装置7に接続されている状態において、外部出力装置7との通信接続を確立する(ステップA16)。
【0028】
すなわち、CPU11は、外部出力装置7との通信接続状態を確認するための確認信号を送信したのち、その応答結果に応じて外部出力装置7が通信可能状態にあるか、つまり、外部出力装置7側では携帯電話装置1からのコンテンツを受信して出力可能な状態にあるか否かを判別する。その結果、通信不能な状態であれば、携帯電話装置1からクレードル装置5を介して制御信号を送信することで外部出力装置7との通信接続を確立して、外部出力装置7をコンテンツ出力可能な状態にセットする。なお、外部出力装置7との通信接続が確立されていない場合には、通信接続の確立を促すメッセージを案内出力するようにしてもよい。
【0029】
このようにして外部出力装置7との通信接続を確立した状態において、CPU11は、外部出力装置7からその「処理スペック」の送信を要求し、これに応じて外部出力装置7から送信されてきた「処理スペック」を受信取得する(ステップA17)。そして、この「処理スペック」と、出力対象コンテンツを識別する「コンテンツID」とを含むコンテンツ要求を作成してコンテンツ配信サーバ4に送信する(ステップA18)。
【0030】
なお、コンテンツ配信サーバ4側においては、上述と同様に携帯電話装置1からコンテンツ要求を受信すると、この要求内に含まれている「コンテンツID」対応のコンテンツ(本来のコンテンツ)に基づいても「処理スペック」によって示されるタイプのコンテンツを取得する。携帯電話装置1は、コンテンツ配信サーバ4からストリーミング配信されたコンテンツを順次受信しながら(ステップA19)、この受信コンテンツを外部出力装置7に転送する(ステップA20)。なお、外部出力装置7は、携帯電話装置1からのコンテンツを受信してその大型画面及びスピーカから出力させる。
【0031】
携帯電話装置1は、コンテンツ配信サーバ4からの受信コンテンツを外部出力装置7に転送している状態において、クレードル接続部23をアクセスしてクレードル装置5の接続有無を調べる(ステップA21)。ここで、クレードル装置5に接続されたままであれば(ステップA21でYES)、コンテンツの最終位置まで再生し終わったか、ユーザ操作によって再生終了が指示されたかを調べ(ステップA22)、再生終了でなければ、上述のステップA19に戻り、コンテンツ転送動作を継続する。
【0032】
また、再生終了であれば(ステップA22でYES)、コンテンツ転送動作を終了すると共に、コンテンツ配信サーバ4に対して配信終了の要求を送信したのち(図3のステップA14)、このフローの終了となる。また、コンテンツ転送途中において携帯電話装置1とクレードル装置5との接続が解除された場合には(ステップA21でNO)、コンテンツ配信サーバ4に対して配信停止の要求を送信したのち(ステップA23)、図3のステップA5に移る。これによって外部出力装置7側でのコンテンツ再生から携帯電話装置1側でのコンテンツ再生に切り替えられる。
【0033】
以上のように、この第1実施例において携帯電話装置1は、現在の視聴状況(処理スペック)下で視聴可能なコンテンツタイプを特定すると共に、このタイプのコンテンツの送信をコンテンツ配信サーバ4に対して要求し、それに応じて当該サーバ4から送信されたコンテンツを受信するようにしたので、携帯電話装置1の視聴状況に合わせた適切なコンテンツを受信することができ、コンテンツの出力先がどこであるかに拘わらず、その出力先に適したコンテンツ視聴が可能となる。
【0034】
CPU11は、コンテンツ配信サーバ4からの受信コンテンツの出力先が携帯出力装置(表示部19、サウンドスピーカ20)なのか、当該携帯電話装置1に通信接続されている外部出力装置7なのかに応じてその処理スペックを現在の視聴状況として取得するようにしたので、出力先を変更してもその処理スペックを得ることができる。
【0035】
CPU11は、クレードル装置5を介して外部出力装置7に接続されていて外部出力装置7と通信可能な状況であれば、外部出力装置7を出力先として決定し、外部出力装置7と通信可能な状況になければ、携帯出力装置(表示部19、サウンドスピーカ20)を出力先として決定するようにしたので、特別な操作を要求しなくても受信コンテンツの出力先を決定することができる。
【0036】
なお、上述した第1実施例においては、受信コンテンツの出力先が外部出力装置7であれば、この外部出力装置7からその処理スペックを受信取得するようにしたが、例えば、出力先毎にその処理スペックを記憶するテーブルを設け、このテーブルを検索することによって出力先に対応する処理スペックを読み出し取得するようにしてもよい。テーブル内容を一覧表示させ、この一覧画面からユーザ操作で選択取得するようにしてもよい。
【0037】
上述した第1実施例においては、携帯出力装置として装置本体に内蔵されている表示部19、サウンドスピーカ20を示したが、携帯電話装置1にケーブルなどを介して着脱自由に接続可能な付属の出力装置(表示部、スピーカ)であってもよい。また、コンテンツは、サーバ1側で蓄積保存しているコンテンツに限らず、例えば、テレビ放送などのリアルタイムコンテンツであってもよい。
【0038】
また、上述した第1実施例においては、クレードル装置5を介して外部出力装置7を接続するようにしたが、例えば、携帯電話装置1と外部出力装置7とを無線接続するようにしてもよい。この場合、近距離無線通信が可能か否かによって外部出力装置7が近くあるか否か(あるいは屋内/屋外か)を判別するようにしてもよい。
【0039】
(実施例2)
以下、この発明の第2実施例について図5〜図7を参照して説明する。
なお、上述した第1実施例においては、コンテンツ配信サーバ4からの受信コンテンツが外部出力装置7の場合に、受信コンテンツを携帯電話装置1から外部出力装置7に送信するようにしたが、この第2実施例においては、携帯電話装置からコンテンツ配信サーバ(以下、ホームサーバと呼称する)に対してコンテンツ要求を行うと、ホームサーバからのコンテンツを外部出力装置(以下、外部モニタと呼称する)が受信して出力するようにしたものである。また、第2実施例では、サーバ側で蓄積保存しているコンテンツに限らず、リアルタイムコンテンツ(テレビ放送)を受信して出力するようにしている。
ここで、両実施例において基本的あるいは名称的に同一のものは、同一符号を付して示し、その説明を省略すると共に、以下、第2実施例の特徴部分を中心に説明するものとする。
【0040】
図5は、第2実施例において自宅内に構築されているホームシステムを示したブロック図である。
携帯電話装置101は、無線LAN(構内通信網)102を介してコンテンツ配信サーバ(ホームサーバ)103に接続されている。ホームサーバ103は、テレビ放送受信用のチューナ104にケーブル接続されているほか、無線LAN102を介して複数台の外部出力装置(外部モニタ)105に接続されており、携帯電話装置101からの指示に応じてチューナ104からのテレビ放送を外部モニタ105に転送して出力させるようにしている。なお、外部モニタ105は、上述した第1実施例と同様、例えば、据置き型のテレビ受信機、テレビ受信機能付きパーソナルコンピュータ、スピーカ付き表示装置などで
ある。
【0041】
外部モニタ105は、携帯電話装置101側の内部モニタ(表示部19など)に対する概念であり、高精細大型画面、ダイナミックスピーカなどを備えた構成となっている。なお、図2で示した携帯電話装置101側のリモコン用赤外線通信部24は、任意の外部モニタ105に対してリモコン制御信号を赤外線送信すると、その信号が電源オン/オフ信号であれば、自己の電源をオン/オフさせ、チャンネル信号、音量調整信号などであれば、その信号をホームサーバ103に送信するようにしている。
【0042】
図6は、第2実施例において、携帯電話装置101側でのリモコン操作に応じて実行開始される動作を示したフローチャートである。なお、図6は、携帯電話装置101の全体動作のうち、本実施例の特徴部分の動作概要を示したフローチャートであり、この図6のフローから抜けた際には、全体動作のフロー(図示省略)に戻る。
先ず、リモコン操作でリモコン用赤外線通信部24を起動させ、任意の外部モニタ105にその赤外線発射口を向けて、外部モニタ電源オン信号を赤外線出力させると(ステップB1)、CPU11は、外部モニタ105からの赤外線応答の有無をチェックし(ステップB2)、所定時間内に応答が無ければ、このフローの終了となるが、外部モニタ105からの応答を受信すると(ステップB2でYES)、以下のコンテンツ要求処理に移る。
【0043】
すなわち、CPU11は、外部モニタ105からの赤外線応答を検出すると(ステップB2でYES)、応答のあった外部モニタ105をコンテンツの出力先として選択するために、この外部モニタ105に対してその「モニタID」と「処理スペック」の送信を要求したのち(ステップB3)、これに応答して外部モニタ105から送信される「モニタID」、「処理スペック」を受信する(ステップB4)。ここで、外部モニタ105側においては、携帯電話装置101から「モニタID」、「処理スペック」の要求を受け取ると、配信メニュー画面を表示させる。図7は、外部モニタ105側で表示される配信メニュー画面を示したもので、このメニュー画面には「1:TV(テレビ)受信」、「2:保存コンテンツ」の項目か表示される。
【0044】
携帯電話装置101側において配信メニュー画面の中から任意の項目がリモコン操作によって選択されると(ステップB5)、その選択項目を判別する(ステップB6)。いま、「1:TV受信」が選択された場合に(ステップB6でYES)、テレビ受信チャンネルを選択するリモコン操作が行われると(ステップB7)、選択チャンネルのテレビ放送の配信要求をホームサーバ103に対して行う(ステップB8)。すなわち、CPU11は、任意に選択されたチャンネルのテレビ放送を外部モニタ105の「処理スペック」に適した状態で「モニタID」に示される外部モニタ105宛に配信すべきことを示す配信要求をホームサーバ103に対して行う。なお、この場合、携帯電話装置101とホームサーバ103との通信は、外部モニタ105、無線LAN102を介して行われる(以下、同様)。
【0045】
ホームサーバ103側においては、携帯電話装置101からの配信要求を受信すると、この配信要求に含まれている外部モニタ105の「処理スペック」に応じたコンテンツを生成して配信する。例えば、画像サイズが異なるコンテンツ(放送内容)、本来のコンテンツから音声を除いた映像、字幕からなる放送などのように再生タイプが異なるコンテンツなどを生成し、「モニタID」に示される外部モニタ105宛に配信してその放送内容を当該外部モニタ105から出力させる。
【0046】
携帯電話装置101側では、配信要求を行ったのち(ステップB8)、チャンネル変更操作の有無をチェックしたり(ステップB9)、ユーザ操作によって視聴終了が指示されたかをチェックしたりする(ステップB10)。ここで、視聴終了が指示されなければ(ステップB10でNO)、ステップB9に戻るが、チャンネル変更操作が行われた場合には(ステップB9でYES)、上述のステップ8に戻って変更チャンネルに対する配信要求を行う。また、視聴終了が指示された際には(ステップB10でYES)、ホームサーバ103に対して配信停止の要求を送信したのち(ステップB11)、このフローから抜ける。
【0047】
一方、上述した配信メニュー画面の中から「2:保存コンテンツ」が選択された場合には(ステップB6でNO)、外部モニタ105の「処理スペック」に適したコンテンツメニューの配信を「モニタID」に示される外部モニタ105宛に配信すべきことを指示する配信要求をホームサーバ103に対して行う(ステップB12)。
【0048】
ここで、ホームサーバ103側においては、外部モニタ105、無線LAN102を介してコンテンツメニューの配信要求を受信すると、要求されたコンテンツメニューを外部モニタ105に送信して表示させる。この状態において、携帯電話装置101側では、外部モニタ105に表示されているコンテンツメニュー画面の中から任意のコンテンツ番号が選択されると(ステップB13)、選択コンテンツを外部モニタ105の「処理スペック」に適した状態で「モニタID」に示される外部モニタ105宛に配信すべきことを指示する配信要求をホームサーバ103に対して行う(ステップB14)。
【0049】
この場合、ホームサーバ103側では、この配信要求を受信すると、外部モニタ105の「処理スペック」に応じたコンテンツを「モニタID」に示される外部モニタ105宛に配信して出力させる。そして、携帯電話装置101側では、ユーザ操作によって視聴終了が指示されたかを調べ(ステップB15)、視聴終了が指示されると、ホームサーバ103に対して配信停止の要求を送信したのち(ステップB11)、このフローから抜ける。
【0050】
以上のように、この第2実施例において携帯電話装置101は、コンテンツの出力先である外部モニタ105が選択された場合に、その「処理スペック」と「モニタID」を特定し、この「処理スペック」に適したコンテンツを「モニタID」で示される外部モニタ105へ送信すべきことをコンテンツ配信サーバ4に対して要求するようにしたので、外部モニタ105の処理スペックに合わせた適切なコンテンツを送信すべきことの手配を行うことができ、コンテンツの出力先がどこであるかに拘わらず、その出力先に適したコンテンツ視聴が可能となる。
【0051】
任意の外部モニタ105に対してリモコン用赤外線通信部24の赤外線発射口を向けて、外部モニタ電源オン信号を赤外線出力させると、CPU11は、外部モニタ105からの応答を受信すると、この外部モニタ105をコンテンツの出力先として選択するようにしたので、コンテンツの出力先を容易かつ確実に選択することが可能となる。この場合、コンテンツの出力先として選択された外部モニタ105から「処理スペック」を受信取得することによってその特定を行うようにしたから、携帯電話装置101側でその「処理スペック」を記憶管理しておかなくても、「処理スペック」を確実に特定することが可能となる。
【0052】
なお、上述した第2実施においては、任意の外部モニタ105をリモコン操作によって選択するようにしたが、例えば、複数の外部モニタを一覧表示するメニュー画面の中から任意の外部モニタ105をユーザ操作によって選択することによってその特定を行うようにしてもよい。同様に、複数の外部モニタ105の「処理スペック」を一覧表示するメニュー画面の中から任意の「処理スペック」をユーザ操作によって選択することによってその特定を行うようにしてもよい。
【0053】
上述した第2実施においては、コンテンツ配信サーバとしてホームサーバ103を例示したが、会社内の構内サーバなどであってもよい。また、上述した第2実施においては、ホームサーバ103と複数台の外部出力装置(外部モニタ)105とを無線LAN102を介してに接続した場合を例示したが、それらを有線ケーブルで接続するようにしてもよい。
その他、携帯電話装置に限らず、例えば、PDA、電子腕時計、映像再生機などの携帯端末装置であっても同様に適用可能である。
【0054】
上記の実施例の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0055】
(付記1)
サーバから送信されるコンテンツを受信可能な携帯端末装置であって、
現在の視聴状況を取得する取得手段と、
この取得手段によって得られた現在の視聴状況下で視聴可能なコンテンツタイプを特定する特定手段と、
この特定手段よって特定されたタイプのコンテンツの送信を前記サーバに対して要求し、それに応じて当該サーバから送信されたコンテンツを受信する通信手段と、
を具備したことを特徴とする携帯端末装置。
【0056】
(付記2)
前記通信手段によって受信したコンテンツの出力先が当該携帯端末側の携帯出力装置なのか当該携帯端末に通信接続されている外部出力装置なのかに応じて当該受信コンテンツを携帯出力装置あるいは外部出力装置から出力させる出力制御手段を更に設け、
前記取得手段は、前記受信コンテンツの出力先が前記携帯出力装置なのか前記外部出力装置なのかに応じてその能力を現在の視聴状況として取得する、
ようにしたことを特徴とする付記1記載の携帯端末装置。
【0057】
(付記3)
前記出力制御手段は、前記外部出力装置と通信可能な状況にあるか否かを判別し、通信可能な状況であれば、当該外部出力装置を出力先とし、通信可能な状況でなければ、前記携帯出力装置を出力先として前記受信コンテンツを出力させる、
ようにしたことを特徴とする付記2記載の携帯端末装置。
【0058】
(付記4)
サーバに対してコンテンツ送信を要求する携帯端末装置であって、
コンテンツの出力先である外部出力装置を選択する選択手段と、
この選択手段によって選択された外部出力装置の処理能力とその出力装置を識別する識別情報を特定する特定手段と、
この特定手段によって特定された処理能力に適したコンテンツを前記識別情報で示される前記外部出力装置へ送信すべきことを前記サーバに対して要求するコンテンツ要求手段と、
を具備したことを特徴とする携帯端末装置。
【0059】
(付記5)
外部出力装置との間での無線通信によって当該外部出力装置をリモート・コントロールするリモコン機能を備えた携帯端末装置であって、
前記リモコン機能から指示信号を発信した際に、前記選択手段は、その指示に対して応答のあった外部出力装置をコンテンツの出力先として選択する、
ようにしたことを特徴とする付記4記載の携帯端末装置。
【0060】
(付記6)
前記特定手段は、前記選択手段によって選択された外部出力装置からその処理能力を受信取得することによってその特定を行う、
ようにしたことを特徴とする付記5記載の携帯端末装置。
【0061】
(付記7)
コンピュータに対して、
携帯端末における現在の視聴状況を取得する機能と、
前記取得した現在の視聴状況下で視聴可能なコンテンツタイプを特定する機能と、
前記特定したタイプのコンテンツの送信をサーバに対して要求し、それに応じて当該サーバから送信されたコンテンツを受信する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【0062】
(付記8)
コンピュータに対して、
コンテンツの出力先である外部出力装置を選択する機能と、
前記選択された外部出力装置の処理能力とその外部出力装置を識別する識別情報を特定する機能と、
前記特定された処理能力に適したコンテンツを前記識別情報で示される前記外部出力装置へ送信すべきことを前記サーバに対して要求する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0063】
1、101 携帯電話装置
2 無線通信網
3 インターネット
4 コンテンツ配信サーバ
5 クレードル装置
7 外部出力装置
11 CPU
12 記憶部
15 電話通信部
19 表示部
20 サウンドスピーカ
22 操作部
23 クレードル接続部
24 リモコン用赤外線通信部
103 ホームサーバ
104 チューナ
105 外部モニタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバに対してコンテンツ送信を要求する携帯端末装置であって、
コンテンツの出力先であり、前記サーバに通信接続された外部出力装置を選択する選択手段と、
この選択手段によって選択された外部出力装置の処理能力とその出力装置を識別する識別情報を特定する特定手段と、
この特定手段によって特定された処理能力に適したコンテンツを前記識別情報で示される前記外部出力装置へ送信すべきことを前記サーバに対して要求するコンテンツ要求手段と、
を具備したことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
外部出力装置との間での無線通信によって当該外部出力装置をリモート・コントロールするリモコン機能を備えた携帯端末装置であって、
前記リモコン機能から指示信号を発信した際に、前記選択手段は、その指示に対して応答のあった外部出力装置をコンテンツの出力先として選択する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記特定手段は、前記選択手段によって選択された外部出力装置からその処理能力を受信取得することによってその特定を行う、
ようにしたことを特徴とする請求項2記載の携帯端末装置。
【請求項4】
コンピュータに対して、
サーバが送信するコンテンツの出力先であり、前記サーバに通信接続された外部出力装置を選択する機能と、
前記選択された外部出力装置の処理能力とその外部出力装置を識別する識別情報を特定する機能と、
前記特定された処理能力に適したコンテンツを前記識別情報で示される前記外部出力装置へ送信すべきことを前記サーバに対して要求する機能と、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−43464(P2012−43464A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238182(P2011−238182)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【分割の表示】特願2007−127542(P2007−127542)の分割
【原出願日】平成19年5月14日(2007.5.14)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】