説明

携帯端末

【課題】 操作性がより優れた、端末に加えられた圧力から情報を入力する携帯端末を実現する。
【解決手段】 携帯端末10は、使用者により把持される把持部位18の圧力分布に応じて入力される情報が選択され、把持部位18の圧力分布、及び把持部位18とは別の所定部位19の圧力分布を検出する圧力分布検出部12と、把持部位18の圧力分布に応じた、入力される情報の各々の割り当て情報を保持する割当情報保持部13と、圧力分布検出部12により検出された把持部位18の圧力分布と、割当情報保持部13に保持される情報とに基づいて、入力される情報を選択する情報選択部14と、情報選択部14により入力される情報が選択された後、圧力分布検出部12により検出された所定部位19の圧力分布に基づいて、当該情報を入力される情報として確定する情報確定部15とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者により把持される把持部位の圧力分布に応じて入力される情報が選択される携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、入力装置に加えられた圧力を検出し、その圧力状態から情報の入力や操作指示を行う技術が提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−122506号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
携帯端末等における入力は一般に、入力する情報の選択操作、及び選択された情報の確定操作の2つの操作を行う必要がある。ところが、これら一連の2つの操作全体を円滑に行う点については、上記技術では考慮されておらず操作性の面で改善の余地がある。
【0004】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、操作性がより優れた携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明に係る携帯端末は、使用者により把持される把持部位の圧力分布に応じて入力される情報が選択される携帯端末であって、上記把持部位の圧力分布、及び当該把持部位とは別の所定部位の圧力分布を検出する圧力分布検出手段と、上記把持部位の圧力分布に応じた、上記入力される情報の各々の割り当て情報を保持する割当情報保持手段と、上記圧力分布検出手段により検出された上記把持部位の圧力分布と、上記割当情報保持手段に保持される情報とに基づいて、入力される情報を選択する情報選択手段と、上記情報選択手段により入力される情報が選択された後、上記圧力分布検出手段により検出された上記所定部位の圧力分布に基づいて、当該情報を入力される情報として確定する情報確定手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
ここで、「入力される情報」とは、コマンド、文字、数字の情報等、一般に携帯端末のキーに割り当てられている情報を含む。また、選択された情報の確定のために、圧力分布が検出される所定部位は、把持部位が使用者により把持されたとき、何らかの方法で圧力が加えやすい、例えば、近くの物(机等)の平面等に接触させやすい位置にあるものとする。
【0007】
本発明に係る携帯端末の利用者は、情報を入力するために、当該情報に応じた圧力分布となるよう、把持部位に圧力を加える。即ち、利用者は入力したい情報に応じた握り方をすることにより、情報の入力を行う。
【0008】
本発明に係る携帯端末では、圧力分布検出手段が、上記にように把持部位に加えられた圧力の分布を検出する。続いて、情報選択手段が、検出された把持部位の圧力分布と、割当情報保持手段に保持される情報とに基づいて、入力される情報を選択する。
【0009】
ここで、利用者は、選択された情報を確定させるために、把持部位とは別の所定部位に圧力を加える。当該所定部位への圧力の付加は、例えば他のものの平面等に所定部位を接触させることにより行われる。なお、情報の確定のための操作の前に、再度、情報の選択のための操作を行ってもよい。
【0010】
携帯端末では、圧力分布検出手段が、上記のように所定部位に加えられた圧力の分布を検出する。続いて、情報確定手段が、検出された所定部位の圧力分布に基づいて、選択された情報を入力される情報として確定する。
【0011】
上記により、本発明によれば、入力する情報の選択は端末の把持により、情報の確定は別の部位における圧力の付加により行うことにより、操作性がより優れた携帯端末を実現することができる。
【0012】
また、より具体的には、本発明に係る携帯端末において、上記圧力分布検出手段は、上記把持部位に設けられた1つ以上の圧電素子により当該把持部位の圧力分布を検出する構成とすることが望ましい。
【0013】
また、より具体的には、本発明に係る携帯端末において、上記圧力分布検出手段は、上記所定部位に設けられた1つ以上の圧電素子により当該所定部位の圧力分布を検出する構成とすることが望ましい。
【発明の効果】
【0014】
上記により、本発明によれば、操作性がより優れた、端末に加えられた圧力から情報を入力する携帯端末を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る携帯端末の実施形態について説明する。
【0016】
図1に本実施形態における携帯端末10の外観構成を示す。同図に示すように、携帯端末10の把持部位18には、複数の圧電素子が付されており、当該部位に加えられた圧力を検知できるようになっている。また、図1の所定部位19は、携帯端末10が把持部位18で握られたとき、握られた状態で近くの物(机等)の平面に接触させやすい部分に位置している。また、所定部位19にも、圧電素子が付されており、当該部位に加えられた圧力を検知できるようになっている。携帯端末10として、具体的には例えば、PDA(Personal Digital Assistants)や図1に示すような携帯電話等が相当する。
【0017】
図2に示すように、携帯端末10は、圧力分布検出部12と、割当情報保持部13と、情報選択部14と、情報確定部15とを備える。
【0018】
圧力分布検出部12は、把持部位18に付されている複数の圧電素子により把持部位18の圧力分布を検出する。また、所定部位19に付されている圧電素子により所定部位19の圧力分布を検出する。圧力分布検出部12の機能は、具体的には、例えば図3に示すように、増幅回路12aと、信号処理回路12bとを含んだ構成により実現される。具体的な検出方法は後述する。
【0019】
割当情報保持部13は、把持部位18の圧力分布に応じた、入力される情報の各々の割り当て情報を保持する。当該保持は、例えば、図4に示す各圧電素子18a,18b等に加えられた圧力からなる圧力分布に「カメラ」機能が対応しているという情報をテーブル等で保持しておくことにより行われる。
【0020】
情報選択部14は、圧力分布検出部12により検出された把持部位18の圧力分布と、割当情報保持部13に保持される情報とに基づいて、入力される情報を選択する。情報確定部15は、情報選択部14により入力される情報が選択された後、圧力分布検出部12により検出された所定部位19の圧力分布に基づいて、選択された情報を入力される情報として確定する。
【0021】
以下、図5のフローチャートを用いて、本実施形態における携帯端末10により実行される処理を説明する。
【0022】
まず、携帯端末10の把持部位18が、使用者により把持され、使用者が入力しようとする情報に対応した圧力分布が発生するように加圧される(S01)。
【0023】
続いて、圧力分布検出部12が、把持部位18の部分に付された複数の圧電素子により圧力分布を検出する(S02)。図3に示す構成から、具体的には次のように検出する。まず、加圧された圧電素子からアナログの電気信号が発生する。続いて、増幅回路12aが、発生した電気信号を信号処理できる大きさに増幅する。続いて、信号処理回路12bが、増幅された信号を圧力分布としてデジタル信号に変換する。変換されたデジタル信号は、アプリケーション制御装置に送られ、以下の機能が実現される。
【0024】
圧力分布が検出されると、情報選択部14が、把持部位18の圧力分布と、割当情報保持部13により保持されている割当情報とに基づいて、入力される情報を選択する(S03)。例えば、図4に示すような圧力分布である場合は、「カメラ」機能が選択される。
【0025】
ここで、選択された情報を確定させるために、所定部位19が、利用者により加圧される(S04)。所定部位19への圧力の付加は、例えば近くの物の平面等に所定部位19を接触させることにより行われる。なお、情報の確定のための操作の前に、再度、情報の選択のための操作(S01)を行ってもよい。また、上記接触させるものは平面に限らず、圧力が加えられるものであればよい。
【0026】
続いて、圧力分布検出部12が、所定部位19の部分に付された圧電素子により圧力分布を検出する(S05)。
【0027】
続いて、情報確定部15が、検出された所定部位19の圧力分布に基づいて、選択された情報を入力される情報として確定する(S06)。なお、所定部位19の圧力分布は、情報の確定のみに必要であるので、圧力が加えられたことが検出できるものであればよい。
【0028】
上記により、本実施形態によれば、入力する情報の選択は端末の把持により、情報の確定は別の部位における圧力の付加により行うことにより、操作性がより優れた携帯端末10を実現することができる。
【0029】
なお、本実施形態では、圧力分布に応じて入力される情報が選択される場合を示したが、当該圧力分布の時間的変化を入力させる情報に対応させてもよい。圧力分布の時間的変化は、圧力分布検出部12により検出された圧力分布の時系列データから求めることができる。
【0030】
また、本実施形態においては、圧力の検出を圧電素子で行うこととしているが、圧電フィルムを用いてもよいし、プッシュスイッチ等を用いてもよい。
【0031】
また、本実施形態においては、入力される情報は携帯端末10に備えられた機能の選択としたが、例えば文字等の入力、テレビ又はラジオのボリュームの調節、並びに表示画像又は音声の調節等、様々な情報の入力に応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施形態に係る携帯端末の外観構成を示した図である。
【図2】実施形態に係る携帯端末の機能構成図である。
【図3】圧力分布検出部の具体的構成を示した図である。
【図4】把持部位の圧力分布に応じた、入力される情報の割り当てを示した図である。
【図5】実施形態に係る携帯端末での処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0033】
10…携帯端末、12…圧力分布検出部、12a…増幅回路、12b…信号処理回路、13…割当情報保持部、14…情報選択部、15…情報確定部、18…把持部位、18a,18b…圧電素子、19…所定部位。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者により把持される把持部位の圧力分布に応じて入力される情報が選択される携帯端末であって、
前記把持部位の圧力分布、及び当該把持部位とは別の所定部位の圧力分布を検出する圧力分布検出手段と、
前記把持部位の圧力分布に応じた、前記入力される情報の各々の割り当て情報を保持する割当情報保持手段と、
前記圧力分布検出手段により検出された前記把持部位の圧力分布と、前記割当情報保持手段に保持される情報とに基づいて、入力される情報を選択する情報選択手段と、
前記情報選択手段により入力される情報が選択された後、前記圧力分布検出手段により検出された前記所定部位の圧力分布に基づいて、当該情報を入力される情報として確定する情報確定手段と
を備える携帯端末。
【請求項2】
前記圧力分布検出手段は、前記把持部位に設けられた1つ以上の圧電素子により当該把持部位の圧力分布を検出することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記圧力分布検出手段は、前記所定部位に設けられた1つ以上の圧電素子により当該所定部位の圧力分布を検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−18505(P2006−18505A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−194684(P2004−194684)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【出願人】(000187725)パナソニック モバイルコミュニケーションズ株式会社 (38)
【Fターム(参考)】