説明

携帯端末

【課題】利便性を低下させずに、セキュリティ機能を向上させ携帯端末を提供すること。
【解決手段】携帯端末1は、ユーザの個人情報データを表示する表示部21と、所定の機能の使用を制限する機能制限部451と、機能制限部451による所定の機能の使用の制限を解除するためのパスワードを記憶するパスワード記憶部441と、個人情報データを表示部21に表示するように指示する表示指示部452と、表示指示部452により表示部21に個人情報データを表示するように指示がされた場合、個人情報データにパスワードと一致する文字列が含まれるか否かを判定する判定部453と、判定部453により個人情報データにパスワードと一致する文字列が含まれると判定された場合、表示部21に、個人情報データを、少なくともパスワードと一致する文字列を非表示又は視認不可能な状態で表示させる表示制御部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末に関する。詳しくは、パスワードを設定して所定の機能の使用を制限する携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、第3者による特定の機能(例えば、通信機能)の使用を制限するために、所定の認証機能を設けた携帯電話機等の携帯端末が知られている。
例えば、特許文献1には、キーボード及び所定の暗証番号を記憶する記憶部を備え、キーボードに入力した番号と記憶部に記憶された暗証番号とが一致した場合のみ通信が開始される携帯電話機が提案されている。
【特許文献1】特開2001−320472号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、携帯電話機に暗証番号等のパスワードを設定する場合、ユーザは、誕生日や電話番号等の身近な文字列をパスワードとして使用する場合が多い。
一方、携帯電話機には、ユーザの誕生日や電話番号等の個人情報を登録するプロフィール登録機能が設けられていることも多い。
【0004】
ここで、例えば、携帯電話機にパスワードを設定して通信機能の使用のみを制限した場合、他の機能の使用は制限されないので、登録されたプロフィールはパスワードを入力しなくても参照可能である。
そのため、パスワードを身近な文字列に設定した携帯電話機を紛失した場合、登録されたプロフィールを参照して容易にパスワードが推測されてしまうという問題があった。
【0005】
このような問題を解決するために、携帯電話機の操作全体を制限するオートロック機能を備える携帯電話機が提案されている。しかしながら、オートロック機能では、携帯電話機の全ての操作が制限されてしまうため、利便性が低下しまう。
【0006】
従って、本発明は、利便性を低下させずに、セキュリティ機能を向上させた携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、予め登録されたユーザの個人情報データを表示する表示部と、所定の機能の使用を制限する機能制限部と、前記機能制限部よる前記所定の機能の使用の制限を解除するためのパスワードを記憶するパスワード記憶部と、前記個人情報データを前記表示部に表示するように指示する表示指示部と、前記表示指示部により前記表示部に前記個人情報データを表示するように指示がされた場合、前記個人情報データに前記パスワードと一致する文字列が含まれるか否かを判定する判定部と、前記判定部により前記個人情報データに前記パスワードと一致する文字列が含まれると判定された場合、前記表示部に、前記個人情報データを、少なくとも前記パスワードと一致する文字列を非表示又は視認不可能な状態で表示させる表示制御部(表示制御部42及び表示制限部454により実現される)と、を備える携帯端末に関する。
【0008】
また、携帯端末は、外部の通信装置と通信を行う通信部と、前記通信部により前記個人情報データを前記外部の通信装置に送信するように指示する通信指示部と、前記通信部による前記個人情報データの送信を制御する通信制御部と、を更に備え、前記判定部は、前記通信指示部により前記個人情報データを送信するように指示された場合、前記個人情報データに前記パスワードと一致する文字列が含まれるか否かを判定し、前記通信制御部は、前記判定部により前記個人情報データに前記パスワードと一致する文字列が含まれると判定された場合には、前記通信部による当該個人情報データの送信を制限することが好ましい。
【0009】
また、前記通信制御部は、前記判定部により前記個人情報データに前記パスワードと一致する文字列が含まれると判定された場合には、前記パスワードの入力を要求すると共に、当該パスワードが入力されると前記通信部による前記個人情報データの送信を許可することが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の携帯端末によれば、利便性を低下させずに、セキュリティ機能を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための好ましい一実施形態について、図面を参照しながら説明する。まず、本発明の携帯端末の一実施形態である携帯電話機1の基本構造について、図1を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る携帯電話機1の外観斜視図である。
【0012】
携帯電話機1は、操作部側筐体2と、表示部側筐体3と、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを連結するヒンジ機構4と、を備える。
操作部側筐体2は、表面部10に、操作部11とマイク12とを備えて構成される。
操作部11は、各種設定機能や電話帳機能やメール機能等の各種機能を作動させるための機能設定操作ボタン13と、電話番号の数字やメールの文字等を入力するための入力操作ボタン14と、各種操作における決定やスクロール等を行う決定操作ボタン15と、から構成されている。
マイク12は、携帯電話機1の使用者が通話時に発した音声を入力するために用いられる。
【0013】
表示部側筐体3は、表面部20に、表示部21とレシーバ22と、を備えて構成される。
表示部21は、通話の相手側の電話番号やユーザの個人情報等の各種情報を表示する。レシーバ22は、通話の相手側の音声を出力する。
【0014】
ヒンジ機構4は、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが相対的に動くようにこれらを連結している。携帯電話機1は、ヒンジ機構4を介して連結された操作部側筐体2と表示部側筐体3とを相対的に回転することにより、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが互いに開いた状態(開状態)にしたり、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを折り畳んだ状態(閉状態)にしたりできる。
【0015】
図2は、携帯電話機1の機能を示すブロック図である。携帯電話機1は、操作部11と、マイク12と、通信部41と、表示制御部42と、音声処理部43と、メモリ44と、CPU45とを操作部側筐体2に備え、表示部21と、レシーバ22と、ドライバIC23とを表示部側筐体3に備えている。
【0016】
通信部41は、メインアンテナ411とRF回路部412とを備えて構成され、外部の通信装置と通信を行う。
メインアンテナ411は、所定の使用周波数帯(例えば、800MHz)で外部装置と通信を行う。なお、本実施形態では、所定の使用周波数帯として、800MHzとしたが、これ以外の周波数帯であってもよい。また、メインアンテナ411は、所定の使用周波数帯の他に、他の使用周波数帯(例えば、2GHz)に対応できる、いわゆるデュアルバンド対応型による構成であってもよい。
【0017】
RF回路部412は、メインアンテナ411によって受信した信号を復調処理し、処理後の信号をCPU45に供給する。また、RF回路部412は、CPU45から供給された信号を変調処理し、メインアンテナ411を介して外部装置(基地局)に送信する。
【0018】
表示制御部42は、CPU45の制御に従って、所定の画像処理を行い、処理後の画像データをドライバIC23に出力する。ドライバIC23は、表示制御部42から供給された画像データをフレームメモリ(図示せず)に蓄え、所定のタイミングで表示部21に出力する。
【0019】
音声処理部43は、CPU45の制御に従って、RF回路部412から供給された信号に対して所定の音声処理を行い、処理後の信号をレシーバ22に出力する。レシーバ22は、音声処理部43から供給された信号を外部に出力する。なお、この信号は、レシーバ22に代えて、又は、レシーバ22と共に、スピーカ(図示せず)から出力される構成としてもよい。
【0020】
また、音声処理部43は、CPU45の制御に従って、マイク12から入力された信号を処理し、処理後の信号をRF回路部412に出力する。RF回路部412は、音声処理部43から供給された信号に所定の処理を行い、処理後の信号をメインアンテナ411に出力する。
【0021】
メモリ44は、例えば、ワーキングメモリを含み、CPU45による演算処理に利用される。また、メモリ44は、後述のパスワード記憶部441及び個人情報記憶部442を備える。
尚、メモリ44は、着脱可能な外部メモリであってもよい。
【0022】
CPU45は、携帯電話機1の全体を制御しており、例えば、通信部41、表示制御部42、表示部21、音声処理部43に対して所定の制御を行う。また、CPU45は、先に述べたメインアンテナ411による電波状態や充電池(図示せず)の残量、不在着信及び未読メールの有無等の内部状態を監視しており、この結果に基づいて、表示部21の表示内容を変更する制御も行う。CPU45の具体的な構成については後述する。
【0023】
本実施形態に係る携帯電話機1は、パスワードとして設定されている文字列が個人情報記憶部442に記憶されているユーザの個人情報データに含まれている場合、この個人情報データのうち該当する文字列を伏せ字で表示するプロフィールロック機能を備えている。
また、プロフィールロック機能は、パスワードとして設定されている文字列が含まれる個人情報データを他の通信装置に発信する操作を行う場合には、パスワードの入力を要求する機能も有している。
【0024】
以下、本実施形態のプロフィールロック機能を発揮するための構成について、図3を参照しながら説明する。図3は、メモリ44及びCPU45の構成を示すブロック図である。
【0025】
メモリ44は、パスワード記憶部441と、個人情報記憶部442とを備える。
パスワード記憶部441は、後述の機能制限部451により制限された所定の機能の使用制限を解除するためのパスワードを記憶する。具体的には、パスワード記憶部441は、ユーザが任意に設定した特定の文字列を記憶する。
ここで、パスワードとは、ユーザが任意に設定した複数の数字及び/又は英字等から構成される文字列の他、ユーザが任意に設定した複数の数字から構成される暗証番号を含む。
【0026】
個人情報記憶部442は、携帯電話機1のユーザの個人情報データであるプロフィール情報を記憶する。記憶されるプロフィール情報としては、携帯電話機1に設定された電話番号やメールアドレス、ユーザの誕生日や住所や郵便番号等が挙げられる。
【0027】
CPU45は、機能制限部451と、表示指示部452と、判定部453と、表示制限部454と、通信指示部455と、通信制御部456と、を備える。
機能制限部451は、例えば、通話機能、メール機能、アドレス帳機能といった携帯電話機1が備える所定の機能の使用を制限(禁止)する。この機能制限部451による機能の使用の制限は、パスワード記憶部441に記憶されたパスワードを操作部11から入力することにより解除される。
【0028】
表示指示部452は、操作部11に対して所定の入力操作が行われると、個人情報記憶部442に記憶されたユーザのプロフィール情報を表示部21に表示するよう指示する。
【0029】
判定部453は、表示指示部452により表示部21にユーザのプロフィール情報を表示させるように指示がされた場合、及び後述の通信指示部455によりユーザのプロフィール情報を送信するように指示がされた場合に、プロフィール情報に含まれる文字列とパスワードとを比較し、プロフィール情報にパスワードと一致する文字列が含まれるかを判定する。
【0030】
表示制限部454は、判定部453によりプロフィール情報にパスワードと一致する文字列が含まれると判定された場合、表示部21に、プロフィール情報のうちの少なくともパスワードと一致する文字列を非表示又は視認不可能な状態で表示させる。
また、表示制限部454は、判定部453によりプロフィール情報にパスワードと一致する文字列が含まれないと判定された場合、表示部21にプロフィール情報の全てを通常状態(視認可能な状態)で表示させる。
【0031】
例えば、表示制限部454は、パスワード記憶部441に記憶されたパスワードが以下の条件に該当する場合、プロフィール情報のうちの該当部分を伏せ字として表示する。
(1)パスワードが誕生日の年月日のうちの一部又は全部に一致する場合。
(2)パスワードが電話番号の一部(0x0−yyyy−zzzzのyyyy、zzzz)又は全部に一致する場合。
(3)パスワードが住所の少なくとも一部に一致する場合。
(4)パスワードが郵便番号の少なくとも一部に一致する場合。
(5)パスワードがメールアドレス内の、@マークより前の部分にある文字列に一致する場合。
(6)パスワードが上記(1)〜(5)の文字列の逆順に該当する場合。
【0032】
尚、「伏せ字として表示する」とは、当該文字列の部分をモザイク表示としたり、網掛け表示としたりして、当該文字列の部分を視認不可能な状態で表示させることを示す。
【0033】
通信指示部455は、操作部11に対して所定の入力操作が行われると、ユーザのプロフィール情報を外部の通信装置に送信するように指示する。
【0034】
通信制御部456は、通信部41による個人情報記憶部442に記憶されたプロフィール情報の外部の通信装置への送信を制御する。
具体的には、通信制御部456は、判定部453によりプロフィール情報にパスワードと一致する文字列が含まれていると判定された場合には、通信部41による当該プロフィール情報の送信を制限する。
【0035】
より詳細には、通信制御部456は、判定部453によりプロフィール情報にパスワードと一致する文字列が含まれると判定された場合には、パスワードの入力を要求する。
通信制御部456は、パスワード記憶部441に記憶されたパスワードと一致するパスワードが入力された場合、通信部41によるプロフィール情報の送信を許可する。入力されたパスワードがパスワード記憶部441に記憶されたパスワードと一致しなかった場合、通信部41によるプロフィール情報の送信を禁止する。
【0036】
また、通信制御部456は、判定部453によりプロフィール情報にパスワードと一致する文字列が含まれていないと判定された場合には、通信部41による当該プロフィール情報の送信を許可する。
【0037】
尚、通信部41による外部の通信装置へのプロフィール情報の送信方法としては、メール送信、赤外線や非接触ICを利用した送信等の無線通信の他、所定のケーブルを介して携帯電話機1と外部の通信装置とを接続して行う有線通信が挙げられる。
【0038】
次に、以上の携帯電話機1の動作について説明する。先ず、表示部21にプロフィール情報が表示される場合における携帯電話機1の動作について図4を参照しながら説明する。
図4は、表示部21にプロフィール情報が表示される場合における携帯電話機1の動作を示すフローチャートである。
【0039】
ステップS1において、携帯電話機1には、プロフィールロック機能が設定される。
【0040】
ステップS2において、ユーザが操作部11にプロフィール情報を閲覧するための所定の入力操作を行うと、表示指示部452は、個人情報記憶部442に記憶されたユーザのプロフィール情報を表示部21に表示するように指示しステップS3に進む。
【0041】
ステップS3において、判定部453は、パスワード記憶部441に記憶されたパスワードと個人情報記憶部442に記憶されたユーザのプロフィール情報のうちの誕生日情報とを比較する。
判定部453がパスワードと誕生日情報とが一致していると判定した場合にはステップS9に進み、パスワードと誕生日情報とが一致していないと判定した場合にはステップS4に進む。
【0042】
ステップS4において、判定部453は、パスワード記憶部441に記憶されたパスワードと個人情報記憶部442に記憶されたユーザのプロフィール情報のうちの電話番号情報とを比較する。
判定部453がパスワードと電話番号情報とが一致していると判定した場合にはステップS9に進み、パスワードと電話番号情報とが一致していないと判定した場合にはステップS5に進む。
【0043】
ステップS5において、判定部453は、パスワード記憶部441に記憶されたパスワードと個人情報記憶部442に記憶されたユーザのプロフィール情報のうちの住所情報とを比較する。
判定部453がパスワードと住所情報とが一致していると判定した場合にはステップS9に進み、パスワードと住所情報とが一致していないと判定した場合にはステップS6に進む。
【0044】
ステップS6において、判定部453は、パスワード記憶部441に記憶されたパスワードと個人情報記憶部442に記憶されたユーザのプロフィール情報のうちのメールアドレス情報とを比較する。
判定部453がパスワードとメールアドレス情報とが一致していると判定した場合にはステップS9に進み、パスワードとメールアドレス情報とが一致していないと判定した場合にはステップS7に進む。
【0045】
ステップS7において、判定部453は、パスワード記憶部441に記憶されたパスワードと個人情報記憶部442に記憶されたユーザのプロフィール情報のうちの郵便番号情報とを比較する。
判定部453がパスワードと郵便番号情報とが一致していると判定した場合にはステップS9に進み、パスワードと郵便番号情報とが一致していないと判定した場合にはステップS8に進む。
【0046】
ステップS8において、表示制限部454は、ユーザのプロフィール情報を全て表示部21に表示させて本フローの処理を終了する。
【0047】
ステップS9において、表示制限部454は、プロフィール情報のうちパスワードと一致している文字列を伏せ字にして、当該プロフィール情報を表示部21に表示させて本フローの処理を終了する。
【0048】
次に、外部の通信装置にプロフィール情報が送信される場合における携帯電話機1の動作について、図5を参照しながら説明する。
図5は、外部の通信装置にユーザのプロフィール情報が送信される場合における携帯電話機1の動作を示すフローチャートである。
【0049】
ステップS10において、携帯電話機1には、プロフィールロック機能が設定される。
【0050】
ステップS11において、ユーザが所定のプロフィール送信操作を行うと、通信指示部455は、個人情報記憶部442に記憶されたユーザのプロフィール情報を外部の通信装置に送信するように指示しステップS12に進む。
【0051】
ステップS12において、判定部453は、パスワード記憶部441に記憶されたパスワードと個人情報記憶部442に記憶されたユーザのプロフィール情報のうちの誕生日情報とを比較する。
判定部453がパスワードと誕生日情報とが一致していると判定した場合にはステップS18に進み、パスワードと誕生日情報とが一致していないと判定した場合にはステップS13に進む。
【0052】
ステップS13において、判定部453は、パスワード記憶部441に記憶されたパスワードと個人情報記憶部442に記憶されたユーザのプロフィール情報のうちの電話番号情報とを比較する。
判定部453がパスワードと電話番号情報とが一致していると判定した場合にはステップS18に進み、パスワードと電話番号情報とが一致していないと判定した場合にはステップS14に進む。
【0053】
ステップS14において、判定部453は、パスワード記憶部441に記憶されたパスワードと個人情報記憶部442に記憶されたユーザのプロフィール情報のうちの住所情報とを比較する。
判定部453がパスワードと住所情報とが一致していると判定した場合にはステップS18に進み、パスワードと住所情報とが一致していないと判定した場合にはステップS15に進む。
【0054】
ステップS15において、判定部453は、パスワード記憶部441に記憶されたパスワードと個人情報記憶部442に記憶されたユーザのプロフィール情報のうちのメールアドレス情報とを比較する。
判定部453がパスワードとメールアドレス情報とが一致していると判定した場合にはステップS18に進み、パスワードとメールアドレス情報とが一致していないと判定した場合にはステップS16に進む。
【0055】
ステップS16において、判定部453は、パスワード記憶部441に記憶されたパスワードと個人情報記憶部442に記憶されたユーザのプロフィール情報のうちの郵便番号情報とを比較する。
判定部453がパスワードと郵便番号情報とが一致していると判定した場合にはステップS18に進み、パスワードと郵便番号情報とが一致していないと判定した場合にはステップS17に進む。
【0056】
ステップS17において、通信制御部456は、プロフィール情報の送信を許可してステップS18に進む。
【0057】
ステップS18において、通信部41は、プロフィール情報の送信処理を行い本フローの処理を終了する。
【0058】
ステップS19において、通信制御部456は、ユーザにパスワードの入力を要求してステップS20に進む。
【0059】
ステップS20において、通信制御部456は、ユーザが入力したパスワードと、パスワード記憶部441に記憶されたパスワードとを比較する。
ユーザが入力したパスワードがパスワード記憶部441に記憶されたパスワードと一致した場合にはステップS21に進む。ユーザが入力したパスワードがパスワード記憶部441に記憶されたパスワードと一致しなかった場合にはステップS23に進む。
【0060】
ステップS21において、通信制御部456は、プロフィール情報の送信を許可してステップS22に進む。
【0061】
ステップS22において、通信部41は、プロフィール情報の送信処理を行い本フローの処理を終了する。
【0062】
ステップS23において、通信制御部456は、プロフィール情報の送信を禁止して本フローの処理を終了する。
【0063】
以上の携帯電話機1によれば以下のような効果を奏する。
判定部453がユーザのプロフィール情報にパスワードと一致する文字列が含まれると判定した場合、表示部21に、ユーザのプロフィール情報のうちパスワードと一致する文字列の部分を伏せ字で表示させる表示制限部454を設けた。これにより、ユーザとは異なる第3者がプロフィール情報を閲覧した場合であっても、パスワードを類推できる文字列を視認できないため、パスワードが推認されにくい。つまり、本発明の携帯電話機1によれば、利便性を低下させずに、セキュリティ機能を向上できる。
【0064】
また、判定部453がユーザのプロフィール情報にパスワードと一致する文字列が含まれると判定した場合、通信部41によるプロフィール情報の送信を制限する通信制御部456を設けた。これにより、パスワードを類推できる文字列を含むプロフィール情報を外部の通信装置に送信できないため、携帯電話機1のセキュリティ機能がより向上する。
【0065】
また、通信制御部456に、プロフィール情報にパスワードと一致する文字列が含まれる場合には、パスワードの入力を要求させると共に、当該パスワードが入力されると通信部41によるプロフィール情報の送信を許可させる機能を設けた。これにより、パスワードを知らない第3者によるプロフィール情報の送信を規制できるので、携帯電話機1のセキュリティ機能がより向上する。
【0066】
また、パスワードとしてプロフィール情報に含まれる身近な文字列を設定しておくことで、プロフィール情報の該当部分の文字列を伏せ字で表示できる。これにより、携帯電話機1を紛失した場合においてもユーザのプライバシーを保護できる。
【0067】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、本実施形態では、パスワードがユーザのプロフィール情報に含まれていた場合、プロフィール情報のうちパスワードと一致する文字列のみを伏せ字で表示したが、これに限らない。即ち、プロフィール情報のうち一致する文字列が含まれる情報全体(例えば、電話番号全体)を伏せ字で表示してもよい。
【0068】
また、本実施形態では、プロフィール情報のうちパスワードと一致する文字列を伏せ字で表示したが、これに限らない。即ち、プロフィール情報のうちパスワードと一致する文字列の部分を非表示としてもよい。また、プロフィール情報のうちパスワードと一致する文字列が含まれる情報全体、更には、プロフィール情報の全てを非表示としてもよい。
【0069】
また、パスワードの設定時にも、上記の実施例を適用できる。即ち、パスワード設定画面において、ユーザにより所望の文字列が入力されると、判定部453は、入力された文字列とプロフィール情報とを、図4のステップS3〜S7に示す処理と同様に比較する。パスワード設定画面で入力された文字列(パスワードとして設定されようとしている文字列)とプロフィール情報との比較の結果、プロフィール情報にパスワード設定画面で入力された文字列と一致する文字列が含まれると判定された場合、当該文字列をパスワードとして設定することによりプロフィールの閲覧が制限される旨を、表示部21に表示する等してユーザに報知する。
【0070】
また、本実施形態においては、携帯端末の一例としてヒンジ機構4を介して操作部側筐体2と表示部側筐体3とが相対的に動く、いわゆる折り畳み式の携帯電話機1を挙げているが、これに限らない。即ち、操作部側筐体と表示部側筐体とを重ね合わせた状態から一方の筐体を一方向にスライドさせるようにしたスライド式や、重ね合せ方向に沿う軸線を中心に一方の筐体を回転させるようにした回転式や、操作部側筐体と表示部側筐体とを2軸ヒンジを介して連結したもの、更には、操作部側筐体と表示部側筐体とが一つの筐体に配置されたもの(いわゆる、ストレートタイプ)であってもよい。
【0071】
また、本実施形態では、本発明を携帯端末としての携帯電話機1に適用したが、これに限らない。即ち、本発明を、情報携帯端末(PDA)、ノートパソコン、デジタルカメラ、小型オーディオプレーヤー等の他の携帯端末に適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の携帯端末の一実施形態に係る携帯電話機の外観斜視図である。
【図2】携帯電話機の機能を示すブロック図である。
【図3】メモリ及びCPUの構成を示すブロック図である。
【図4】ユーザのプロフィール情報を表示部に表示する場合における携帯電話機1の動作を示すフローチャートである。
【図5】ユーザのプロフィール情報を外部の通信装置に送信する場合における携帯電話機の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0073】
1 携帯電話機(携帯端末)
21 表示部
41 通信部
441 パスワード記憶部
451 機能制限部
452 表示指示部
453 判定部
454 表示制限部
455 通信指示部
456 通信制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め登録されたユーザの個人情報データを表示する表示部と、
所定の機能の使用を制限する機能制限部と、
前記機能制限部よる前記所定の機能の使用の制限を解除するためのパスワードを記憶するパスワード記憶部と、
前記個人情報データを前記表示部に表示するように指示する表示指示部と、
前記表示指示部により前記表示部に前記個人情報データを表示するように指示がされた場合、前記個人情報データに前記パスワードと一致する文字列が含まれるか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記個人情報データに前記パスワードと一致する文字列が含まれると判定された場合、前記表示部に、前記個人情報データを、少なくとも前記パスワードと一致する文字列を非表示又は視認不可能な状態で表示させる表示制御部と、を備える携帯端末。
【請求項2】
外部の通信装置と通信を行う通信部と、
前記通信部により前記個人情報データを前記外部の通信装置に送信するように指示する通信指示部と、
前記通信部による前記個人情報データの送信を制御する通信制御部と、を更に備え、
前記判定部は、前記通信指示部により前記個人情報データを送信するように指示された場合、前記個人情報データに前記パスワードと一致する文字列が含まれるか否かを判定し、
前記通信制御部は、前記判定部により前記個人情報データに前記パスワードと一致する文字列が含まれると判定された場合には、前記通信部による当該個人情報データの送信を制限する請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記通信制御部は、前記判定部により前記個人情報データに前記パスワードと一致する文字列が含まれると判定された場合には、前記パスワードの入力を要求すると共に、当該パスワードが入力されると前記通信部による前記個人情報データの送信を許可する請求項2に記載の携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−56776(P2010−56776A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−218521(P2008−218521)
【出願日】平成20年8月27日(2008.8.27)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】