説明

携帯装置のプログラム、携帯装置および携帯装置の制御方法

【課題】画面のスクロール操作等を簡易に行うことができる携帯装置のプログラム等を提供すること。
【解決手段】携帯電話は、加速度を測定する加速度センサ26、印刷データに基づく画像を表示するパネル18を備える。CPU11は、印刷データを記憶部12に記憶させる。CPU11は、加速度センサ26で測定された加速度に基づいて、印刷データに基づく画像上の領域のうち一部の領域を部分画像領域として特定する。CPU11は、特定した部分画像領域に基づく印刷プレビュー画像を、パネル18に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、画面のスクロール操作等を簡易に行うことができる携帯装置のプログラム、携帯装置および携帯装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表示画面の小さい携帯電話などの情報機器において、表示画面の直感的なスクロール操作を実現するための技術が知られている。特許文献1には、二次元の座標を示す座標指示マーカーが多数印刷されたガイドシートを用い、ガイドシートのある領域を携帯電話のCCDカメラによって撮影し、撮影した画像を処理することによって、ガイドシートとCCDカメラの位置関係をリアルタイムに認識する技術が開示されている。これにより、ガイドシートとCCDカメラの位置関係の変化に追随して、コンテンツのビュー制御(すなわちスクロールやズーム操作)を行なうことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−179565号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、携帯電話のほかに、ガイドシートを予め用意しておく必要があるため、使用者にとって、必ずしも便利とは言えなかった。本明細書では、このような不便性を解消することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願に記載のプログラムは、携帯装置の移動または姿勢を示すセンサ情報を出力するモーションセンサと、画像データを記憶するデータ記憶手段と、画像データに基づく画像を表示する表示手段と、を備えた携帯装置のコンピュータが読み取り可能なプログラムである。本願に記載のプログラムは、コンピュータを、センサ情報が示す移動、または、姿勢に基づいて、画像データに基づく画像上の領域のうち一部の領域を部分画像領域として特定する部分領域特定手段と、部分領域特定手段が特定した部分画像領域に基づく部分画像を表示手段に表示させる表示制御手段と、して機能させる。
【0006】
請求項1のプログラムによれば、携帯装置に備えられているモーションセンサによって、センサ情報が取得される。そして、取得されたセンサ情報を用いることで、表示手段によって表示される画像をスクロールさせることができる。すなわち、携帯装置に対して操作を入力することのみによって、スクロール操作が可能とされている。これにより、ガイドシート等の他の装置を用いることなく、スクロール操作を行うことが可能となるため、使用者の利便性を高めることができる。
【0007】
請求項2および3のプログラムによれば、携帯端末の移動を示すセンサ情報によって、部分画像領域の位置を変更することができる。これにより使用者は、表示手段が備えられている第1面の幅方向へ携帯装置を移動させるという操作によって、スクロール操作を行うことが可能となる。
【0008】
請求項4のプログラムによれば、モーションセンサによって測定される加速度の発生方向および加速度の大きさを用いて、携帯装置の移動速度を算出することができる。そして、携帯装置の移動速度を用いて、部分画像領域の位置や範囲を変更することができる。加速度を測定する場合には、携帯装置が等速で移動している場合と停止している場合とにおいて、共に加速度がゼロとなるため、両者を区別することが困難である。しかし、移動速度を用いることによって、携帯装置が等速で移動している場合と停止している場合とを明確に区別することができるため、より正確にスクロール処理等を行うことが可能となる。
【0009】
請求項5および6のプログラムによれば、第1面の奥行方向への携帯端末の移動を示すセンサ情報に基づいて、部分画像領域の範囲を変更することができる。これにより使用者は、第1面の奥行方向に携帯装置を移動させるという操作によって、拡大表示操作や縮小表示操作を行うことが可能となる。
【0010】
請求項7のプログラムによれば、モーションセンサによって測定される携帯装置の傾き角度によって、部分画像領域の位置を変更することができる。これにより使用者は、携帯装置を基準面に対して傾けるという操作によって、スクロール操作を行うことが可能となる。
【0011】
請求項8のプログラムによれば、第1面の奥行方向への携帯端末の移動を示すセンサ情報に基づいて、部分画像領域の範囲を変更することができる。これにより使用者は、第1面の奥行方向に携帯装置を移動させるという操作によって、拡大表示操作や縮小表示操作を行うことが可能となる。
【0012】
請求項9ないし11のプログラムによれば、携帯装置が所定の状態とされている間だけ、スクロール処理等を行うことが可能となる。よって、携帯装置の使用者が、スクロール操作等を意図していないのに携帯装置に加速度等を発生させてしまった場合においても、スクロール処理が行われてしまうことを防止できる。これにより、使用者による誤操作の防止を図ることができる。
【0013】
請求項12のプログラムによれば、携帯電話10を動かすことによるスクロール処理と、利用者操作によるスクロール処理とを共存させることが可能となる。
【0014】
請求項13のプログラムによれば、印刷媒体へ文字を印刷する場合の実際の印字幅や印字領域を有する部分画像を、表示手段に表示させることが可能になる。よって、実際に表示手段のすぐ向こう側に印刷媒体が存在するような感覚で、印刷内容を確認することができる。これにより、部分画像に表示されている文字が、実際の印刷媒体にどのように印刷されるかを、より直感的に把握することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】通信システム1のブロック図である。
【図2】携帯電話の動作フローチャート(その1)を示す図である。
【図3】携帯電話の動作フローチャート(その2)を示す図である。
【図4】携帯電話の動作フローチャート(その3)を示す図である。
【図5】プレビュー更新処理の具体的内容を示す図である。
【図6】携帯電話の動作フローチャート(その4)を示す図である。
【図7】携帯電話の概観図である。
【図8】印刷画像および部分画像領域を示す図である。
【図9】印刷画像および部分画像領域を示す図である。
【図10】印刷画像および部分画像領域を示す図である。
【図11】印刷画像および部分画像領域を示す図である。
【図12】印刷画像および部分画像領域を示す図である。
【図13】印刷画像および部分画像領域を示す図である。
【図14】印刷画像および部分画像領域を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1に、本願に係る実施形態として例示される通信システム1のブロック図を示す。通信システム1は、携帯電話10、MFP(Multifunction Peripheral)51、第1アクセスポイント62、ウェブサーバ71、基地局61を備える。携帯電話10、および、MFP51は、既知の無線LAN端末装置としての機能を備える。また、MFP51は、プリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能、ファクシミリ機能などを備える多機能周辺装置である。第1アクセスポイント62は、既知の無線LANアクセスポイントとしての機能を備える。
【0017】
なお、携帯電話10と第1アクセスポイント62とは、無線LAN方式のインフラストラクチャーモード(複数の無線LAN端末装置が、アクセスポイントを介してデータ通信するモード)に準拠する無線通信(電波を用いたデータ通信)201を行うことが可能とされている。すなわち、携帯電話10は、第1アクセスポイント62へアクセスし、無線LANのインフラストラクチャーモードに準拠する無線通信211を行える状態になれば、第1アクセスポイント62を介して、MFP51とデータ通信することが可能になる。なお、無線LAN方式の例としては、例えばIEEE802.11a/b/g/nの規格で定められる通信方式が挙げられる。
【0018】
携帯電話10の構成について説明する。図1に示すように、携帯電話10は、CPU(Central Processing Unit)11、記憶部12、無線送受信部15、無線アンテナ部16、ボタン入力部17、パネル18、携帯電話送受信部22、携帯電話アンテナ部23、地磁気センサ25、加速度センサ26、カメラ部27、傾きセンサ(ジャイロスコープとも呼ぶ)29、GPS部30を主に備えている。また、通話や音声入力を行うために、スピーカ3とマイク4とを備えている。地磁気センサ25、加速度センサ26、傾きセンサ(ジャイロスコープとも呼ぶ)29、GPS部30は、モーションセンサの一例である。
【0019】
また、図7に、携帯電話10の概観図を示す。図7に示すように、パネル18は、携帯電話10の筐体を構成する面のうち第1面に備えられている。また、携帯電話10の操作や通話がしやすいように、スピーカ3の開口部とマイク4の開口部は、パネル18の設置面に配置されている。また、スピーカ3の開口部とマイク4の開口部とが、使用者の口と耳の間程度離れるように、スピーカ3の開口部とパネル18とマイク4の開口部とは、携帯電話10の長手方向に並んで配置されている。図7に示すように、第1面(パネル18が備えられている面)の幅方向に沿って、x−y平面が広がっている。携帯電話10の短手方向がx軸方向となり、携帯電話10の長手方向がy軸方向となる。また、携帯電話10の厚み方向である、第1面の奥行方向(x−y平面に対して垂直な方向)が、z軸方向である。なお、これらのx、y、z軸方向は厳密に定められるものではなく、あくまでモーションセンサの出力精度内での方向を意味している。また、x、y、z軸方向の全要素を用いる必要はなく、x軸方向の要素のみ、y軸方向の要素のみ、z軸方向の要素のみ、を用いる構成であってもよい。
【0020】
CPU11は、記憶部12に記憶されるプログラムや、無線送受信部を介して送受信される各種信号などに従って、携帯電話10の各部を制御する。なお、記憶部12は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、HDD(ハードディスク)、CPU11が備えるバッファなどが組み合わされて構成されている。無線送受信部15は、無線アンテナ部16を介して、無線LANのインフラストラクチャーモードに準拠する無線通信211を行う。そして、無線送受信部15により、各種のデータを構成するデジタル信号が送受信される。また、携帯電話送受信部22は、携帯電話アンテナ部23を介して、基地局61との間で携帯電話通信の方式に準拠する無線通信210を行う。
【0021】
記憶部12は、プログラム21を記憶する。CPU11は、記憶部12内のプログラム21に従って処理を実行する。プログラム21は、印刷アプリケーション21a、ブラウザアプリケーション21b、文書編集アプリケーション21c、オペレーティングシステム21eを含む。
【0022】
印刷アプリケーション21aは、携帯電話10からMFP51に印刷処理などを実行させるためのアプリケーションである。ブラウザアプリケーション21bは、ウェブデータをパネル18に表示させるためのアプリケーションである。CPU11は、ブラウザアプリケーション21bに従って処理を実行することによって、ウェブサーバ71からウェブデータを取得すること、ウェブデータを記憶部12に記憶させること、及び、記憶部12内のウェブデータによって表される画像をパネル18に表示させること、を実行可能である。文書編集アプリケーション21cは、文字情報(文書)のみのファイル、すなわち文書ファイルを作成、編集、保存するためのアプリケーションである。
【0023】
オペレーティングシステム21eは、印刷アプリケーション21aやブラウザアプリケーション21bに共通して利用される基本的な機能を提供するプログラムである。オペレーティングシステム21eは、携帯電話送受信部22に通信を実行させるためのプログラムや、無線送受信部15に無線通信211を実行させるためのプログラム等を含む。またオペレーティングシステム21eは、地磁気センサ25、加速度センサ26、傾きセンサ29、GPS部30などが算出した情報を各プログラムが取得するためのAPI(Application Programming Interface)を提供するプログラムでもある。
【0024】
また記憶部12は、速度情報vxないしvzを記憶する。また記憶部12は、設定値記憶領域12aを備える。設定値記憶領域12aには、後述する、速度しきい値などが記憶される。速度しきい値は、使用者等によって予め記憶されるとしてもよい。
【0025】
ボタン入力部17は、携帯電話10の使用者による操作を受け付ける入力受付手段である。ボタン入力部17は、タッチパネルとして、パネル18と一体に構成されている。パネル18は、携帯電話10の各種機能情報を表示する。地磁気センサ25は、地磁気を検出することによって、携帯電話10の先端部が向いている方位を計測するセンサである。加速度センサ26は、錘の位置変化を検出することによって、携帯電話10の加速度を計測するセンサである。カメラ部27は、CCD等により所定範囲を撮影して画像データを取得する部位である。傾きセンサ29は、角速度を検出することによって、携帯電話10が水平面に対して傾いている傾き角度を測定するセンサである。なお、加速度センサ26が計測した加速度や、カメラ部27が取得した画像データや、傾きセンサ29が測定した傾き角度などを各プログラムが取得するためのAPI(Application Programming Interface)を、オペレーティングシステム21eが提供する。
【0026】
ウェブサーバ71の構成について説明する。ウェブサーバ71は、CPU72、記憶部73、通信部74、を主に備えている。ウェブサーバ71は、ネットワークにおいて、クライアント装置に対し、自身の持っている機能やデータを提供する装置である。ウェブサーバ71は、ネットワークにおいて、クライアント装置に対し、自身の保持しているウェブページデータ(HTMLデータや参照画像データ)や各種機能を提供する装置である。ウェブサーバ71は、基地局61および無線通信210を介して、携帯電話10と接続可能とされている。CPU72は、各機能の制御を行う。記憶部73は、各種のデータを記憶する。通信部74は、様々な情報を携帯電話10との間で通信する。
【0027】
(印刷アプリケーション21aの動作)
本実施形態に係る通信システム1の動作を、図2ないし図14を用いて説明する。図2のフローを用いて、印刷アプリケーション21aを用いて、MFP51へ印刷を行わせる操作を説明する。使用者が、ボタン入力部17を介して印刷アプリケーション21aを起動させる操作を入力すると、CPU11は、印刷アプリケーション21aを起動する。そして図2のフローが開始される。S21において、CPU11は、MFP51で印刷を行なうための印刷データを取得する。印刷データとは、写真や図面のデータのみならず、文書のデータも含む概念である。例えば、印刷データには、ビットマップ形式のデータや、JPEG形式のデータのみならず、文書編集ソフトのデータも含まれる。例として、印刷データとして、ウェブデータをウェブサーバ71から取得する場合を説明する。CPU11は、使用者によって指定されたURL(Uniform Resource Locator)で特定されるウェブデータを、ウェブサーバ71から取得する。CPU11は、取得されたウェブデータを、印刷データとして記憶部12に記憶させる。
【0028】
S23において、CPU11は、プレビュー初期表示状態の決定処理を実行する。図3を用いて、プレビュー初期表示状態の決定処理の内容を説明する。S51において、CPU11は、印刷データの種類情報を取得する。印刷データの種類情報の一例としては、印刷データに付与されている拡張子や、印刷データのヘッダ情報などが挙げられる。
【0029】
S53において、CPU11は、S51で取得した印刷データの種類情報を用いて、印刷データの種類(写真・図面、文書など)を識別する。例えば、印刷データの種類情報が「.jpg」「.png」などの拡張子である場合には、印刷データの種類が写真・図面等であることが識別できる。また、印刷データの種類情報が「.txt」などの拡張子である場合には、印刷データの種類が文書であることが識別できる。また、ヘッダ情報に印刷データの種類情報が含まれている場合には、ヘッダ情報から当該部分を読み出すことによって、印刷データの種類を識別することができる。印刷データの種類が写真・図面等であると判断された場合には、S55へ進む。
【0030】
S55においてCPU11は、図8の例に示すように、印刷データによって媒体に印刷される印刷画像の全体に対応する印刷プレビュー画像がパネル18の表示領域の全体に表示されるように、表示開始位置と、部分画像領域のサイズとを設定する。ここで表示開始位置は、パネル18に印刷プレビュー画像として表示する領域(部分画像領域)として、印刷画像上の位置のうちどの位置から始まる領域を用いるかを示すための位置である。
【0031】
具体的な処理を説明すると、CPU11は、仮にA4媒体(210mm x 297mm)いっぱいに600dpiの印刷画像を印刷すると設定されている場合、A4媒体に印刷する600dpiのビットマップデータを、印刷データによって(印刷データを変換して作成する、印刷データからビットマップデータを抽出する、など)取得し、記憶部12のビットマップメモリに記憶させる。A4媒体に印刷される印刷画像の短編方向をX軸方向と定義し、長辺方向をY軸方向と定義すると、ビットマップメモリには、印刷画像の左上隅の原点(Ximgmin=0dot,Yimgmin=0dot)(X軸の座標、Y軸の座標で表している)から印刷画像の右下隅の終点(Ximgmax=4961dot、Yimgmax=7016dot)までに対応するビットが記憶されることになる。また、パネル18は、例えば左上隅の原点(Xdevmin=0dot,Ydevmin=0dot)から右下隅の終点(Xdevmax=480dot,Ydevmax=640dot)までの表示領域を持っている(図7参照)。そして、印刷画像の全体(4961dot x 7016dot)が部分画像領域のサイズであると記憶部12に記憶する。さらに、CPU11は、表示開始位置は(0dot,0dot)であると記憶部12に記憶する。これにより、印刷画像の左上隅の原点に対応する印刷プレビュー画像が、パネル18の表示領域の左上隅の原点に表示され、印刷画像全体に対応する印刷プレビュー画像が、パネル18の表示領域全体に表示されるようになる。そしてS25(図2)へ進む。
【0032】
一方、S53において、印刷データの種類が文書であると判断された場合には、S59へ進む。S59において、CPU11は、図9の例に示すように、文書データによって生成される印刷画像に対応する印刷プレビュー画像に含まれる文字の大きさが、印刷媒体に印刷された印刷画像に含まれる文字の大きさと同等になるように、かつ、文字列の開始点(例えば文書データによって表示される文字列が横書き形式の場合には、印刷画像の左上隅の原点)に対応する印刷プレビュー画像がパネル18の表示領域の中央に表示されるように、部分画像領域の表示開始位置と、サイズとを設定する。
【0033】
具体的な処理を説明すると、S59において、CPU11は、A4媒体に印刷する600dpiのビットマップデータを文書データによって取得し、ビットマップメモリに記憶させる。これにより、ビットマップメモリには、印刷画像の左上隅の原点(Ximgmin=0,Yimgmin=0)から印刷画像の右下隅の終点(Ximgmax=4961、Yimgmax=7016)までのビットが記憶されることになる。そして、CPU11は印刷画像のサイズ(4961dot x 7016dot)と、パネル18の表示領域のサイズ(480dot x 640dot)との比から、印刷画像の全体の何分の一を部分画像領域のサイズとしたらよいか算出する。例えば、X軸方向の比(印刷画像10.335・・・ 対 表示領域1)から、印刷画像全体の10分の一の大きさの部分画像領域のサイズとしたらよいと算出する。そして、CPU11は、印刷画像の全体の10分の一(496dot x 701dot)が部分画像領域のサイズであると、記憶部12に記憶する。さらに、CPU11は、表示開始位置は(−248dot,−350dot)であると、記憶部12に記憶する。これにより、印刷画像の左上隅の原点に対応する印刷プレビュー画像が、パネル18の表示領域の中央に表示されるようになる。そしてS25(図2)へ進む。
【0034】
S25において、CPU11は、パネル18上に印刷プレビューを表示する。具体的な処理を説明すると、CPU11は、オペレーティングシステム21eが提供するAPIを用いて、部分画像領域内のビットマップデータを、パネル18の表示領域の左上隅の原点(Xdevmin=0,Ydevmin=0)から右下隅の終点(Xdevmax=480,Ydevmax=640)にかけて表示させる。これにより、部分画像領域内のビットマップデータによる印刷プレビュー画像がパネル18の表示領域全体に表示される(初期表示される)。印刷データの種類が写真・図面等である場合には、図8の例に示すように、印刷画像101の全体が、パネル18の画面枠に収まるサイズ縮小された状態で初期表示される。これにより使用者は、画像の全体の概要を一目で確認することができる。また、印刷データの種類が文書データである場合には、図9の例に示すように、印刷画像201の左上部分の一部がパネル18に初期表示される。このとき、文書データによって生成される印刷画像に対応する印刷プレビュー画像に含まれる文字の大きさが、印刷媒体に印刷された印刷画像に含まれる文字の大きさとほぼ等倍になる。これにより、印刷プレビューで表示される文字が小さくなってしまい、読みにくくなってしまう事態を防止することができる。
【0035】
S27において、CPU11は、使用者によって印刷開始操作が行われたか否かを判断する。印刷開始操作の有無の判断方法例としては、パネル18に表示されている「印刷」ボタンがタッチされたか否かを検出する方法が挙げられる。印刷開始操作が行われた場合(S27:YES)には、S33へ進む。S33において、CPU11は、印刷データを、無線通信211を介してMFP51に送信する。MFP51は、携帯電話10から受信した印刷データに基づいた画像を、印刷媒体に印刷する。そしてフローを終了する。
【0036】
一方、S27において、印刷開始操作が行われていない場合(S27:NO)には、S29へ進む。S29において、CPU11は、パネル18に表示されている「プレビュー操作」ボタンが、使用者によってタッチされているか否かを判断する。タッチされていない場合(S29:NO)にはS27へ戻り、タッチされている場合(S29:YES)にはS31へ進む。S31において、CPU11は、プレビュー更新処理を実行した上で、S27へ戻る。これにより、S31のプレビュー更新処理は、「プレビュー操作」ボタンがタッチされている期間において、繰り返し行われることになる。
【0037】
(プレビュー更新処理)
図4を用いて、S31で行われるプレビュー更新処理を説明する。ここで、プレビュー更新処理が繰り返される周期を、周期Δtと定義する。また、現在時刻を時刻t(n)、一周期前の時刻を時刻t(n−1)、と定義する。S111において、CPU11は、速度情報vx(t(n−1))、vy(t(n−1))、vz(t(n−1))を記憶部12から読み出す。速度情報vx(t(n−1))は、一周期前の時刻である時刻t(n−1)における、x軸方向の速度である。また、速度情報vy(t(n−1))は、時刻t(n−1)におけるy軸方向の速度である。また、速度情報vz(t(n−1))は、時刻t(n−1)におけるz軸方向の速度である。
【0038】
S113において、CPU11は、加速度情報ax(t(n))、ay(t(n))、az(t(n))を加速度センサ26から取得し、記憶部12に記憶する。加速度情報ax(t(n))は、現在時刻である時刻t(n)における、x軸方向の加速度である。また、加速度情報ay(t(n))は、時刻t(n)におけるy軸方向の速度である。また、加速度情報az(t(n))は、時刻t(n)におけるz軸方向の速度である。
【0039】
S115においてCPU11は、時刻t(n−1)から時刻t(n)までの期間における、x軸方向の速度の変化量情報dvx(t(n))を算出する。変化量情報dvx(t(n))は、下式(1)で求められる。
dvx(t(n))=ax(t(n))×Δt ・・・式(1)
【0040】
S117において、CPU11は、現在時刻である時刻t(n)における、速度情報vx(t(n))を算出する。速度情報vx(t(n))は、下式(2)で求められる。
vx(t(n))=vx(t(n−1))+dvx(t(n)) ・・・式(2)
そして、速度情報vx(t(n))を記憶部12に一時的に記憶する。
【0041】
S119においてCPU11は、時刻t(n−1)から時刻t(n)までの期間における、y軸方向の速度の変化量情報dvy(t(n))を算出する。S121に進むと、CPU11は、時刻tにおける速度情報vy(t(n))を算出し、記憶部12に一時的に記憶する。
【0042】
S123においてCPU11は、時刻t(n−1)から時刻t(n)までの期間における、z軸方向の速度の変化量情報dvz(t(n))を算出する。S125に進むと、CPU11は、時刻tにおける速度情報vz(t(n))を算出し、記憶部12に一時的に記憶する。なお、速度情報vy(t(n))および速度情報vz(t(n))の算出方法は、速度情報vx(t(n))の算出方法と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0043】
S127において、CPU11は、離反距離sx(t(n))、sy(t(n))、sz(t(n))を算出する。離反距離sx(t(n))は、現在時刻t(n)における、基準位置からのx軸方向距離である。基準位置は、「プレビュー操作」ボタンのタッチが検出された時点における、携帯電話10の位置である。また、離反距離は、x軸の正方向への移動距離と負方向への移動距離との和を取ることによって算出される。また、離反距離sy(t(n))は、現在時刻t(n)における、基準位置からのy軸方向距離である。また、離反距離sz(t(n))は、現在時刻t(n)における、基準位置からのz軸方向距離である。
【0044】
S129においてCPU11は、印刷画像上における表示開始位置を、離反距離sx(t(n))および離反距離sy(t(n))に基づいて変更する。具体的には、離反距離sx(t(n))に基づいて、印刷画像のX軸方向へ表示開始位置を移動させる。また、離反距離sy(t(n))に基づいて、印刷画像のY軸方向へ表示開始位置を移動させる。
【0045】
またS131において、CPU11は、印刷画像上での部分画像領域のサイズを、離反距離sz(t(n))に基づいて変更する。具体的には、離反距離sz(t(n))が正の方向に大きくなることに応じて部分画像領域のサイズを大きくし、離反距離sz(t(n))が負の方向に大きくなることに応じて部分画像領域のサイズを小さくする。
【0046】
S133においてCPU11は、印刷画像のうち、部分画像領域に基づく印刷プレビュー画像を、パネル18に再表示する。このとき、印刷画像上における部分画像領域の位置がS129で変更されている場合には、部分画像領域が印刷画像で規定されるX−Y平面上を移動することになる。これにより使用者は、パネル18によって規定されるx−y平面内で携帯電話10を移動させるという操作によって、印刷プレビュー画像のスクロール操作を行うことが可能となる。また、使用者は、パネル18によって規定されるx−y平面に対して垂直下方(負のz方向)に携帯電話10を移動させるという操作によって、印刷プレビュー画像の拡大表示操作を行うことが可能となる。また、x−y平面に対して垂直上方(正のz方向)に携帯電話10を移動させるという操作によって、印刷プレビュー画像の縮小表示操作を行うことが可能となる。
【0047】
なお、図2のフローにおいて、「プレビュー操作」ボタンがタッチされている間は、S27からS31の処理が周期Δtで繰り返される。そして、周期Δtを小さくするほど、スクロール操作が滑らかになるが、CPU11の処理の負担が大きくなる。よって、周期Δtの値は、CPU11の性能等に応じて適宜定めればよい。
【0048】
(具体例)
第1実施形態での具体例を説明する。例として、印刷データの種類が文書データである場合を説明する。また、文書データによって表示される文字列が横書き形式である場合を説明する。使用者が印刷アプリケーション21aを起動することに応じて、図9に示す印刷画像201が得られる(S21)。プレビュー初期表示状態の決定処理(S23)では、文字列が開始される、印刷画像の左上隅の原点が、表示開始位置に設定される。そして初期状態の印刷プレビューが、パネル18に表示される(S25)(図9)。
【0049】
ユーザがパネル18に表示されている「プレビュー操作」ボタンをタッチすると(S29:YES)、プレビュー更新処理が開始される(S31)。図5を用いて、プレビュー更新処理の具体的内容を説明する。図5に示すように、時刻t(1)からt(2)において、携帯電話10が右方向(x軸の正方向)に移動開始された場合を説明する。この場合、S111において読み出される、一周期前の時刻t(1)での速度情報vx(t(1))、vy(t(1))はゼロである。S113において、現在時刻である時刻t(2)における、加速度情報ax(t(2))=A1、ay(t(2))=0、が取得される。時刻t2では、右方向に動いているため、x軸方向の加速度情報ax(t(2))のみが検出される。
【0050】
S115において、変化量情報dvx(t(2))=V1、が算出される。S117において、速度情報vx(t(2))=V1、が算出される。また、S119において、変化量情報dvy(t(2))=0、が算出される。S121において、速度情報vy(t(2))=0、が算出される。
【0051】
S127において、x軸方向の離反距離sx(t(2))が算出される。離反距離sx(t(2))は、図5におけるx軸方向の速度情報vxのグラフのうち、時刻t(1)からt(2)までの領域の斜線部分の面積である。具体的には、下式(3)で求められる。
sx(t(2))=V1×Δt/2 ・・・式(3)
【0052】
S129において、離反距離sx(t(2))の値に基づいて、印刷画像201のX軸の正方向へ、部分画像領域202を移動させる。これにより、図10に示す状態となる。S133において、部分画像領域202に基づく印刷プレビュー画像を、パネル18に再表示する。これにより、図10のパネル18に示すように、印刷プレビュー画像が右方向にスクロールされる。
【0053】
次に、図5の時刻t(2)からt(3)において、携帯電話10が右方向(x軸の正方向)に一定速度で移動している場合を説明する。S111では、vx(t(2))=V1、vy(t(2))=0、が読み出される。S113において、時刻t(3)における、加速度情報ax(t(3))、ay(t(3))はともにゼロとなる。S117において、速度情報vx(t(3))=V1、が算出される。S121において、速度情報vy(t(3))=0、が算出される。
【0054】
S127において、x軸方向の離反距離sx(t(3))が算出される。離反距離sx(t(3))は、図5におけるx軸方向の速度情報vxのグラフのうち、時刻t(1)からt(3)までの領域の斜線部分の面積である。具体的には、下式(4)で求められる。
sx(t(3))=V1×Δt/2+V1×Δt ・・・式(4)
【0055】
S129において、離反距離sx(t(3))の値に基づいて、印刷画像201のX軸の正方向へ、部分画像領域202をさらに移動させる。これにより、図11に示す状態となる。S133において、部分画像領域202に基づく印刷プレビュー画像を、パネル18に再表示する。これにより、図11のパネル18に示すように、印刷プレビュー画像が右方向にさらにスクロールされる。
【0056】
次に、図5の時刻t(3)からt(4)において、携帯電話10の移動方向が右斜め下方向に変更された場合を説明する。S111では、vx(t(3))=V1、vy(t(3))=0、が読み出される。S113において、時刻t(4)における、加速度情報ax(t(4))=−A2、ay(t(4))=−A3、が取得される。S117において、速度情報vx(t(4))=V2、が算出される。S121において、速度情報vy(t(4))=−V3、が算出される。
【0057】
S127において、x軸方向の離反距離sx(t(4))が算出される。離反距離sx(t(4))は、図5におけるx軸方向の速度情報vxのグラフのうち、時刻t(1)からt(4)までの領域の斜線部分の面積である。具体的には、下式(5)で求められる。
sx(t(4))=V1×Δt/2+V1×Δt+[(V1−V2)×Δt/2+V2×Δt] ・・・式(5)
また、y軸方向の離反距離sy(t(4))が算出される。離反距離sx(t(4))は、図5におけるy軸方向の速度情報vyのグラフのうち、時刻t(3)からt(4)までの領域の斜線部分の面積である。具体的には、下式(6)で求められる。
sy(t(4))=V3×Δt/2 ・・・式(6)
【0058】
S129において、離反距離sx(t(4))の値に基づいて、印刷画像201のX軸の正方向へ、部分画像領域202をさらに移動させる。また、離反距離sy(t(4))の値に基づいて、印刷画像201のY軸の負方向へ、部分画像領域202を移動させる。これにより、図12に示す状態となる。S133において、部分画像領域202に基づく印刷プレビュー画像を、パネル18に再表示する。これにより、図12のパネル18に示すように、印刷プレビュー画像が右斜め下方向にさらにスクロールされる。
【0059】
次に、図5の時刻t(4)からt(5)において、携帯電話10の移動が停止された場合を説明する。S111では、vx(t(4))=V2、vy(t(4))=−V3、が読み出される。S113において、時刻t(5)における、加速度情報ax(t(5))=−A4、ay(t(5))=A5、が取得される。S117において、速度情報vx(t(5))=0、が算出される。S121において、速度情報vy(t(5))=0、が算出される。
【0060】
S127において、離反距離sx(t(5))および離反距離sy(t(5))が算出される。なお、算出方法は前述の方法と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0061】
S129において、離反距離sx(t(5))および離反距離sy(t(5))の値に基づいて、印刷画像201上における部分画像領域202の位置を変更する。これにより、図13に示す状態となる。S133において、部分画像領域202に基づく印刷プレビュー画像を、パネル18に再表示する。これにより、図13のパネル18に示すように、印刷プレビュー画像のスクロールが停止する。
【0062】
次に、図5の時刻t(5)からt(6)において携帯電話10の移動方向が水平面に対して垂直下方となり、時刻t(6)からt(7)において携帯電話10の移動が停止された場合を説明する。この場合、z軸方向の離反距離sz(t(7))が算出される。離反距離sz(t(7))は、図5におけるz軸方向の速度情報vzのグラフのうち、時刻t(5)からt(7)までの領域の斜線部分の面積である。具体的には、下式(7)で求められる。
sz(t(7))=V4×Δt/2+V4×Δt/2 ・・・式(7)
なお、算出方法は前述の方法と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0063】
S131において、離反距離sz(t(7))の値に基づいて、印刷画像201上における部分画像領域202の大きさを小さくする。これにより、図14に示す状態となる。S133において、部分画像領域202に基づく印刷プレビュー画像を、パネル18に再表示する。これにより、図14のパネル18に示すように、印刷プレビュー画像の拡大処理が行われる。
【0064】
(効果)
本実施形態に係る携帯電話10によれば、加速度センサ26によって、携帯電話10に与えられた加速度が取得される。そして、取得された加速度を用いることで、パネル18によって表示される印刷プレビュー画像をスクロールさせることができる。すなわち、携帯電話10に対して加速度を入力することのみによって、スクロール操作が可能とされている。これにより、ガイドシート等の他の装置を用いることなく、スクロール操作を行うことが可能となるため、使用者の利便性を高めることができる。
【0065】
また、本実施形態に係る携帯電話10によれば、加速度センサ26によって測定される加速度の発生方向および加速度の大きさを用いて、携帯電話10の速度情報vxないしvzを算出することができる。そして、速度情報vxないしvzを用いて、印刷画像上における部分画像領域の位置や範囲を変更することができる。加速度を測定する場合には、携帯電話10が等速で移動している場合と停止している場合とにおいて、共に加速度がゼロとなるため、両者を区別することが困難である。しかし、速度情報を用いることによって、携帯電話10が等速で移動している場合と停止している場合とを明確に区別することができるため、印刷プレビュー画像のスクロール処理や拡大・縮小処理をより正確に行うことが可能となる。
【0066】
また、本実施形態に係る携帯電話10によれば、「プレビュー操作」ボタンが、使用者によってタッチされている間だけ、印刷プレビュー画像のスクロール処理や拡大・縮小処理を行うことが可能となる。すなわち、スクロール処理等の実行の可否を、使用者が意識的に指示できる構成である。よって、携帯電話10の使用者が、スクロール操作等を意図していないのに携帯電話10に加速度を発生させてしまった場合においても、スクロール処理等が行われてしまうことを防止できる。これにより、使用者による誤操作の防止を図ることができる。
【0067】
また、本実施形態に係る携帯電話10によれば、印刷データの種類が文書データである場合には、文字列に指定されているポイント数と同一のポイント数で、文字列がパネル18に表示される。これにより、実際の印字幅や印字領域と同様のプレビューを行うことが可能になるため、実際にパネル18のすぐ向こう側に印刷結果があるような感覚で、印刷内容を確認することができる。よって、印刷プレビュー画像に表示されている文字列が、実際の印刷媒体にどのように印刷されるかを、より直感的に把握することが可能となる。
【0068】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
【0069】
(第1の変形例)
図6を用いて、プレビュー更新処理の変形例を説明する。この変形例は、使用者が「プレビュー操作」ボタンをタッチした状態で携帯電話10を移動させスクロール操作を行っている最中に、「プレビュー操作」ボタンを離すと、離した時点のスクロール状態が維持される(印刷プレビュー画像がスクロールし続ける)という内容である。また、スクロール状態が維持されている状態で、再度「プレビュー操作」ボタンをタッチすると、印刷プレビュー画像のスクロールが停止されるという内容である。なお、図6のS221からS233までの処理内容は、図2のS21ないしS33までの処理内容と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0070】
S229において、CPU11は、パネル18に表示されている「プレビュー操作」ボタンが、使用者によってタッチされているか否かを判断する。タッチされている場合(S229:YES)にはS231へ進み、タッチされていない場合(S229:NO)にはS234へ進む。S234において、CPU11は、現在時刻である時刻t(n)における、速度情報vx(t(n))ないしvz(t(n))を取得する。そしてCPU11は、速度情報vx(t(n))ないしvz(t(n))の絶対値の少なくとも何れか1つが、設定値記憶領域12aに記憶されている速度しきい値以上の値であるか否かを判断する。速度しきい値以上ではない場合(S234:NO)にはS227へ戻る。一方、速度しきい値以上である場合(S234:YES)には、取得した速度情報vx(t(n))ないしvz(t(n))を一時的に記憶部12に記憶させた上で、S235へ進む。
【0071】
S235において、CPU11は、速度情報vx(t(n))ないしvz(t(n))を記憶部12から読み出す。S237において、CPU11は、離反距離sx(t(n))、sy(t(n))、sz(t(n))を算出する。この算出処理では、基準時刻(使用者が「プレビュー操作」ボタンを離した時点(S229:NO))における速度情報vx(t(n))ないしvz(t(n))の速度で、基準時刻から現在時刻までの間に進んだ距離が、離反距離sxないしszとして算出される。
【0072】
S239において、CPU11は、印刷画像上における部分画像領域の位置または範囲を、離反距離sx(t(n))ないし離反距離sz(t(n))に基づいて変更する。そして、印刷画像のうち、部分画像領域に基づく印刷プレビュー画像を、パネル18に再表示する。
【0073】
S241において、CPU11は、「プレビュー操作」ボタンが、使用者によって再度タッチされたか否かを判断する。タッチされていない場合(S241:NO)にはS235へ戻り、タッチされた場合(S241:YES)にはS243へ進む。S243において、CPU11は、記憶部12に記憶させている速度情報vx(t(n))ないしvz(t(n))の値を、全てゼロにリセットする。そしてS227へ戻る。
【0074】
本変形例に係る携帯電話10では、「プレビュー操作」ボタンをタッチして携帯電話10を移動させている途中で、「プレビュー操作」ボタンから指を離した場合には、指を離した時点での携帯電話10の移動速度で等速に移動しているものとして、印刷プレビュー画像をスクロールし続けることができる。そして、「プレビュー操作」ボタンが再度タッチされた時点で、印刷プレビュー画像の等速スクロール状態をキャンセルし、スクロールが行われていない状態に戻すことができる。これにより、小さな携帯電話10の移動距離で、大きなスクロール操作を実行することが可能となる。よって例えば、印刷画像のサイズが大きい場合など、大きなスクロール量が必要とされる場合においても、スクロール操作を容易に行うことが可能となる。
【0075】
また、使用者が携帯電話10を操作する際には、微小レベルでは必ず携帯電話10が移動している。すると、携帯電話10の移動速度には、ノイズ成分が含まれることになる。本変形例に係る携帯電話10では、「プレビュー操作」ボタンから指が離された時点での携帯電話10の移動速度が、速度しきい値以上の場合(S234:YES)に、印刷プレビュー画像をスクロールし続ける処理が開始される。これにより、移動速度のノイズ成分を除去することが可能となるため、使用者による誤操作の防止を図ることができる。
【0076】
(第2の変形例)
本願のスクロール処理を制御する物理量は、加速度センサ26によって測定される加速度に限られず、他の物理量を用いることが可能である。例えば、傾きセンサ29によって測定される、傾き角度を用いる場合を説明する。
【0077】
この場合、図4のフロー内容を以下のように変更すればよい。S113において、CPU11は、現在時刻における傾き角度情報gx(t(n))、gy(t(n))、が取得される。S117において、傾き角度情報gx(t(n))に周期Δtを乗じた値が算出される。また、S121において、傾き角度情報gy(t(n))に周期Δtを乗じた値が算出される。S127において、S117で算出された値に基づいて離反距離sx(t(n))が算出され、S121で算出された値に基づいて離反距離sy(t(n))が算出される。S129において、離反距離sx(t(n))および離反距離sy(t(n))の値に基づいて、印刷画像上における部分画像領域の位置を変更する。S133において、部分画像領域に基づく印刷プレビュー画像を、パネル18に再表示する。
【0078】
本変形例に係る携帯電話10では、傾きセンサ29によって測定される携帯電話10の傾き角度によって、印刷画像上における部分画像領域の位置を変更することができる。これにより使用者は、パネル18によって規定されるx−y平面を、水平面に対して傾けるという操作によって、スクロール操作を行うことが可能となる。
【0079】
(第3の変形例)
本願のスクロール処理を制御する物理量は、加速度センサ26によって測定される加速度に限られず、他の物理量を用いることが可能である。例えば、GPS部30によって測定される、携帯電話10の位置情報を用いる場合を説明する。
【0080】
この場合、図4のフロー内容を以下のように変更すればよい。「プレビュー操作」ボタンのタッチが検出された時点における、GPS部30によって測定された携帯電話10の位置を基準位置とし、S111からS125を省略し、S127において、GPS部30によって測定された携帯電話10の現在位置に基づいて離反距離sx(t(n))が算出され、S121で算出された値に基づいて離反距離sy(t(n))が算出される。S129において、離反距離sx(t(n))および離反距離sy(t(n))の値に基づいて、印刷画像上における部分画像領域の位置を変更する。S133において、部分画像領域に基づく印刷プレビュー画像を、パネル18に再表示する。
【0081】
本変形例に係る携帯電話10では、GPS部30によって測定される携帯電話10の位置情報によって、印刷画像上における部分画像領域の位置を変更することができる。これにより使用者は、携帯電話10を移動するという操作によって、スクロール操作を行うことが可能となる。
【0082】
(その他の変形例)
携帯電話10が所定の状態とされている間だけ、印刷プレビュー画像のスクロール処理や拡大・縮小処理を行うことが可能とされる形態であってもよい。所定の状態の例としては、パネル18の何れかの場所がタッチされている状態が挙げられる。また、携帯電話10が水平近く寝かされている状態や、垂直近く立てられている状態や、45度近く斜めにされている状態が挙げられる。
【0083】
また、携帯電話10が所定の状態とされている間だけ、モーションセンサからセンサ情報を返すように、オペレーティングシステム21eのAPIを介してモーションセンサに指令するとしてもよい。また、携帯電話10が所定の状態とされている間だけ、モーションセンサからセンサ情報が出力されるように、予め携帯電話10が設計されているとしてもよい。具体的には、S113(図4)において、「プレビュー操作」ボタンが使用者によってタッチされている間だけ、加速度情報が加速度センサ26から取得されるとしてもよい。これにより、携帯電話10が所定の状態とされている期間中のみ、センサ出力が取得されることになる。
【0084】
また、携帯電話10が所定の状態とされている間だけ、部分画像領域に基づく印刷プレビュー画像を、パネル18に表示するとしてもよい。具体的には、図2のフローにおいて、印刷開始操作が行われていない場合(S27:NO)に、S111ないしS131(図4)の処理を実行する。そして、「プレビュー操作」ボタンが、使用者によってタッチされた場合(S29:YES)に、印刷プレビュー画像をパネル18に表示する(S133)。これにより、S111ないしS131(図4)の処理を予め実行しておくことが可能となる。よって、携帯電話10が所定の状態とされた時点から、S111ないしS131の処理を開始する場合と比して、印刷プレビュー画像をパネル18に表示するまでに必要な時間を短縮することが可能となる。
【0085】
本願は加速度センサ26、傾きセンサ29、地磁気センサ25、GPS部30等のモーションセンサを用いて表示画像の移動・拡大縮小を行う形態を説明したが、この形態に限られない。パネル18へのピンチ(2本指でのつまむ操作)やフリック(指で軽くはらう操作)を検出し、表示画像の移動・拡大を行うという処理を、合わせて行っても良い。この場合、パネル18でピンチ操作等を受け付けていない期間中に、モーションセンサでセンサ情報を受け付けた場合には、センサ情報に基づいて部分画像領域を特定してもよい。一方、センサ情報を受け付けていない期間中に、パネル18でピンチ操作等を受け付けた場合には、ピンチ操作等に基づいて部分画像領域を特定してもよい。これにより、携帯電話10を動かすことによるスクロール処理と、パネル18を操作することによるスクロール処理とを共存させることが可能となる。
【0086】
本願のスクロール処理および拡大・縮小処理は、様々な画像を表示する際に適用可能であり、印刷画像を表示する場合に限られない。例えば、ブラウザアプリケーション21bを用いて、ウェブデータによって表される画像をパネル18に表示する際においても、適用可能である。
【0087】
加速度のx、y、z軸方向の規定方法は、パネル18で規定する方法に限られず、様々な規定方法を用いることが可能である。例えば、傾きセンサ29等を用いて水平面を検出し、当該水平面をx−y平面としてもよい。また、鉛直方向をz方向としてもよい。これにより、携帯電話10がどのような向きとされているかに関わらず、水平面内で携帯電話10を移動させるという操作によって、印刷プレビュー画像のスクロール操作を行うことが可能となる。
【0088】
また、S21において印刷データを取得する方法は各種の方法であってよい。例えば、無線通信211を介して取得する方法であってもよいし、不図示のメモリスロットに装着された不揮発性メモリから取得する方法であってもよい。
【0089】
また本願の技術が適用される機器は、携帯電話10に限られず、ノートパソコンやタブレット機器などにも適用可能である。
【0090】
「印刷」ボタン、「プレビュー操作」ボタンは、パネル18のタッチパネルに表示される形態に限られない。例えば、携帯電話10にハードキーとして実装されていてもよい。
【0091】
A4媒体に600dpiの印刷画像を印刷する例を示したが、これに限らず、任意のサイズの媒体に、任意の解像度の印刷画像を印刷してもよい。パネル18の表示領域の解像度が480dot x 640dotの例を示したが、これに限らず、任意の解像度にしてもよい。パネル18の表示領域の(0dot,0dot)から(480dot,640dot)にかけて印刷プレビュー画像を表示する例を示したが、携帯電話10を横置きしている(マイク4の開口部が左側、スピーカ3の開口部が右側にくるように置いている)場合に、パネル18の表示領域の(0dot、640dot:この場合の左上隅の原点になる)から(480dot、0dot:この場合の右下隅の終点になる)にかけて印刷プレビュー画像を表示してもよい。また、マイク4の開口部が右側、スピーカ3の開口部が左側にくるように置いている場合に、パネル18の表示領域の(480dot、0dot:この場合の左上隅の原点になる)から(0dot、640dot:この場合の右下隅の終点になる)にかけて印刷プレビュー画像を表示してもよい。これにより、携帯電話10の置き方に適した印刷プレビュー画像の表示ができる。
【0092】
印刷データの種類が文書データである場合に、印刷画像の左上隅の原点に対応する印刷プレビュー画像を、パネル18の表示領域の中央に初期表示する例を示したが、これに限らず、印刷画像の左上隅の原点に対応する印刷プレビュー画像が、パネル18の左上隅の原点に初期表示してもよい。印刷データの種類が横書きの文書データである場合に、印刷画像の左上隅の原点を表示開始位置にする例を示したが、印刷データの種類が縦書きの文書データである場合に、印刷画像の右上隅の原点を表示開始位置にしてもよい。この場合、S25において、CPU11は、オペレーティングシステムが提供するAPIを用いて、部分画像領域内のビットマップデータを、パネル18の表示領域の右上隅の原点(Xdevmin=480,Ydevmin=0)から左下隅の終点(Xdevmax=0,Ydevmax=640)にかけて表示させる。これにより、縦書きの文書データに適した印刷プレビュー画像の表示ができる。
【0093】
印刷データの種類が文書データである場合に、印刷画像の左上隅の原点を表示開始位置とする例を示したが、これに限らず、文書データによる印刷画像、または、印刷データによる印刷画像に含まれる文字を検出し、印刷画像上の文字が検出された位置を表示開始位置としてもよい。これにより、印刷プレビュー画像の初期表示にて、検出された文字が確実に表示される。表示開始位置と部分画像領域のサイズとを用いて部分画像領域の範囲を規定する例を示したが、これに限らず、表示開始位置と印刷画像上の位置のうちどの位置で終わる領域を、部分表示領域とするかを示す表示終了位置とを用いて部分画像領域の範囲を規定してもよい。
【0094】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【0095】
なお、加速度センサ26、傾きセンサ29、地磁気センサ25、GPS部30はモーションセンサの一例である。パネル18は表示手段の一例である。印刷データは画像データの一例である。印刷プレビュー画像は部分画像の一例である。x軸方向、y軸方向は幅方向の一例である。z軸方向は奥行方向の一例である。ボタン入力部17は状態判断手段の一例である。ピンチ、フリック等は利用者操作の一例である。ボタン入力部17は入力受付手段の一例である。
【0096】
また、S21を実行する制御部はデータ記憶手段の一例である。S129を実行する制御部は部分領域特定手段の一例である。S131、S133を実行する制御部は表示制御手段の一例である。
【符号の説明】
【0097】
1:通信システム、10:携帯電話、11および72:CPU、12および73:記憶部、17:ボタン入力部、18:パネル、51:MFP、26:加速度センサ、29:傾きセンサ、25:地磁気センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯装置の移動または姿勢を示すセンサ情報を出力するモーションセンサと、
画像データを記憶するデータ記憶手段と、
前記画像データに基づく画像を表示する表示手段と、
を備えた携帯装置のコンピュータが読み取り可能なプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記センサ情報が示す移動、または、姿勢に基づいて、前記画像データに基づく画像上の領域のうち一部の領域を部分画像領域として特定する部分領域特定手段と、
前記部分領域特定手段が特定した部分画像領域に基づく部分画像を前記表示手段に表示させる表示制御手段として機能させるプログラム。
【請求項2】
前記表示手段は、前記携帯端末の筐体を構成する面のうち第1面に備えられており、
前記部分領域特定手段は、前記表示手段が第1の前記部分画像を表示しているときに、前記第1面の幅方向への前記携帯端末の移動を示す前記センサ情報に基づいて、前記画像データに基づく画像上の領域のうち前記第1の部分画像が基づく第1の部分画像領域とは異なる位置にある一部の領域を第2の部分画像領域として特定し、
前記表示制御手段は、前記部分領域特定手段が前記第2の部分画像領域を特定したときに、前記第2の部分画像領域に基づく第2の部分画像を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記部分領域特定手段は、前記第1面の幅方向のうち一の方向への前記携帯端末の移動を前記センサ情報が示したときは、前記画像データに基づく画像上の領域のうち前記第1の部分画像が基づく第1の部分画像領域から正方向に移動した位置にある一部の領域を前記第2の部分画像領域として特定する一方で、前記第1面の幅方向のうち一の方向の反対方向への前記携帯端末の移動を前記センサ情報が示したときは、前記画像データに基づく画像上の領域のうち前記第1の部分画像が基づく第1の部分画像領域から前記正方向の反対方向に移動した位置にある一部の領域を前記第2の部分画像領域として特定することを特徴とする請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記センサ情報は、前記携帯装置に与えられている加速度の発生方向および加速度の大きさを含んでおり、
前記部分領域特定手段は、前記加速度の発生方向および前記加速度の大きさに基づいて前記第1面の幅方向への前記携帯端末の移動速度を算出し、該移動速度に基づいて前記第2の部分画像領域を特定することを特徴とする請求項2または3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記表示手段は、前記携帯端末の筐体を構成する面のうち第1面に備えられており、
前記部分領域特定手段は、前記表示手段が第1の前記部分画像を表示しているときに、前記第1面の奥行方向への前記携帯端末の移動を示す前記センサ情報に基づいて、前記画像データに基づく画像上の領域のうち前記第1の部分画像が基づく第1の部分画像領域を拡大または縮小した領域を第2の部分画像領域として特定し、
前記表示制御手段は、前記部分領域特定手段が前記第2の部分画像領域を特定したときに、前記第2の部分画像領域に基づく第2の部分画像を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記部分領域特定手段は、前記第1面の奥行方向のうち一の方向への前記携帯端末の移動を前記センサ情報が示したときは、前記画像データに基づく画像上の領域のうち前記第1の部分画像が基づく第1の部分画像領域を拡大した領域を第2の部分画像領域として特定する一方で、前記第1面の奥行方向のうち一の方向の反対方向への前記携帯端末の移動を前記センサ情報が示したときは、前記画像データに基づく画像上の領域のうち前記第1の部分画像が基づく第1の部分画像領域を縮小した領域を第2の部分画像領域として特定することを特徴とする請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記表示手段は、前記携帯端末の筐体を構成する面のうち第1面に備えられており、
前記部分領域特定手段は、前記表示手段が第1の前記部分画像を表示しているときに、前記第1面の幅方向のうち一の軸方向および他の軸方向への前記携帯端末の傾きを示す前記センサ情報に基づいて、前記画像データに基づく画像上の領域のうち前記第1の部分画像が基づく第1の部分画像領域とは異なる位置にある一部の領域を第2の部分画像領域として特定し、
前記表示制御手段は、前記部分領域特定手段が前記第2の部分画像領域を特定したときに、前記第2の部分画像領域に基づく第2の部分画像を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項8】
前記部分領域特定手段は、前記表示手段が第1の前記部分画像を表示しているときに、前記第1面の奥行方向への前記携帯端末の移動を示す前記センサ情報に基づいて、前記画像データに基づく画像上の領域のうち前記第1の部分画像が基づく第1の部分画像領域を拡大または縮小した領域を第2の部分画像領域として特定し、
前記表示制御手段は、前記部分領域特定手段が前記第2の部分画像領域を特定したときに、前記第2の部分画像領域に基づく第2の部分画像を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記コンピュータを、前記携帯装置が所定の状態であるかどうかを判断する状態判断手段としてさらに機能させ、
前記部分領域特定手段は、前記携帯装置が前記所定の状態であると前記状態判断手段が判断したときは前記部分画像領域の特定を行う一方で、前記携帯装置が前記所定の状態であると前記状態判断手段が判断しないときは前記部分画像領域の特定を行わないことを特徴とする請求項1ないし8の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項10】
前記コンピュータを、前記携帯装置が所定の状態であるかどうかを判断する状態判断手段としてさらに機能させ、
前記表示制御手段は、前記携帯装置が前記所定の状態であると前記状態判断手段が判断したときは前記部分画像領域に基づく部分画像を前記表示手段に表示させる一方で、前記携帯装置が前記所定の状態であると前記状態判断手段が判断しないときは前記部分画像領域に基づく部分画像を前記表示手段に表示させないことを特徴とする請求項1ないし9の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項11】
前記部分領域特定手段は、前記携帯装置が所定の状態のときに前記モーションセンサが出力するセンサ情報に基づいて、前記部分画像領域の特定を行うことを特徴とする請求項1ないし10の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項12】
前記コンピュータを、利用者操作を受け付ける入力受付手段としてさらに機能させ、
前記部分領域特定手段は、
前記入力受付手段で前記利用者操作を受け付けていない期間中に前記センサ情報を受け付けた場合には、前記センサ情報に基づいて前記部分画像領域を特定し、
前記センサ情報を受け付けていない期間中に前記入力受付手段で前記利用者操作を受け付けた場合には、前記利用者操作に基づいて前記部分画像領域を特定することを特徴とする請求項1ないし11の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項13】
前記画像データは文字を含んだ画像の元となるデータであり、
前記表示制御手段は、前記画像データに基づいた部分画像であり前記文字を含んでいる部分画像を前記表示手段に表示させ、
前記部分領域特定手段は、前記画像データに基づいた画像であり前記文字を含んだ前記画像を印刷媒体に印刷した場合に前記印刷媒体上に印刷される前記文字の大きさと、前記表示手段に表示されている前記部分画像に含まれている前記文字の大きさと、が同等となるように、前記部分画像領域のサイズを特定することを特徴とする請求項1ないし12の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項14】
携帯装置の移動または姿勢を示すセンサ情報を出力するモーションセンサと、
画像データを記憶するデータ記憶手段と、
前記画像データに基づく画像を表示する表示手段と、
を備えた携帯装置の制御方法であって、
前記センサ情報が示す移動、または、姿勢に基づいて、前記画像データに基づく画像上の領域のうち一部の領域を部分画像領域として特定するステップと、
前記部分領域特定手段が特定した部分画像領域に基づく部分画像を前記表示手段に表示させるステップとを備える制御方法。
【請求項15】
携帯装置の移動または姿勢を示すセンサ情報を出力するモーションセンサと、
画像データを記憶するデータ記憶手段と、
前記画像データに基づく画像を表示する表示手段と、
前記センサ情報が示す移動、または、姿勢に基づいて、前記画像データに基づく画像上の領域のうち一部の領域を部分画像領域として特定する部分領域特定手段と、
前記部分領域特定手段が特定した部分画像領域に基づく部分画像を前記表示手段に表示させる表示制御手段と、を備える携帯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−160006(P2012−160006A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−19054(P2011−19054)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】