説明

携帯通信システムおよびサーバ

【課題】ソフトウェアを実行する環境によって携帯通信端末が不用意に電力を消費することを抑えて、携帯通信端末自体の使用時間を長くすることのできる携帯通信システムおよびサーバを提供する。
【解決手段】代理処理サーバ13は、携帯通信端末11からソフトウェアの実行が要求された場合、実行が要求されたソフトウェアおよび既に実行されているソフトウェアを、代理処理サーバ13上または携帯通信端末11上で実行した際に携帯通信端末11にて生じる消費電力量を推定し、消費電力量が最も低いソフトウェアの組合せを選択して、各々のソフトウェアの実行制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯通信端末からの要求によりソフトウェアをサーバで代理実行する携帯通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯通信端末のCPU、メモリ、ハードディスクなどの演算処理環境は、コンピュータ、サーバの演算処理環境に比べると、低いものである。このため、携帯通信端末上で実行されるソフトウェアは、機能、能力を削減され、携帯通信端末の低い演算処理環境下でも、快適な操作性を確保しつつ実行できるものが提供された。
【0003】
近年、様々な出力レベルの基地局が様々な場所に設置された結果、現在どこにいてもネットワークに接続できる環境が整いつつある。そして、携帯通信における伝送帯域は、LTEやWiMAXによって、さらに広帯域化していく方向にある。これまで携帯通信端末におけるソフトウェアの演算実行は、携帯通信端末上の低い演算処理環境にて行ってきたが、どこにいても安定的にネットワークに接続可能となってくると、ソフトウェアの演算実行は、ネットワーク上の潤沢な演算処理環境の代理処理サーバにて行い、演算結果を携帯通信端末上で出力する形が考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
携帯通信端末の処理環境を、ネットワーク上の代理処理サーバに構築し、携帯通信端末が、ネットワーク上の代理処理サーバを介してネットワーク上の他のサーバ、端末と通信接続し、携帯通信端末が、ネットワーク上の代理サーバのユーザ・インタフェースとなることよって、携帯通信端末の使用者は、高い演算処理能力を、どこでも利用することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−277534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、携帯通信端末は、机上に設置され、電源コンセントに接続されているコンピュータとは異なり、基本的に、使用者に携行され、端末本体に内蔵されたバッテリーで動く端末である。携帯通信端末の使用時間は、バッテリー容量と消費電力量に依存する。携帯通信端末の処理環境を、ネットワーク上の代理処理サーバに構築し、ソフトウェアの実行を代理処理サーバにて行った場合、ソフトウェアによっては、頻繁に携帯通信端末と通信接続することとなって、携帯通信端末上でソフトウェアを実行するときよりも、携帯通信端末の消費電力量が増加してしまうことがある。
【0007】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、ソフトウェアを実行する環境によって携帯通信端末が不用意に電力を消費することを抑えて、携帯通信端末自体の使用時間を長くすることのできる携帯通信システムおよびサーバを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は、ネットワークを介して相互に接続された携帯通信端末およびサーバからなる携帯通信システムであって、前記代理処理サーバは、前記携帯通信端末からソフトウェアの実行が要求された場合、実行が要求されたソフトウェアおよび既に実行されているソフトウェアを、代理処理サーバ上または前記携帯通信端末上で実行した際に前記携帯通信端末にて生じる消費電力量を推定し、消費電力量が最も低いソフトウェアの実行組合せに基づいて、各々のソフトウェアの実行制御を行うことを特徴とする。
【0009】
前記代理処理サーバは、ソフトウェアが代理処理サーバ上での実行を必須とするかを示す実行環境と、ソフトウェアを実行するのに必要とする実行サイクルと、ソフトウェアへのユーザ・インタフェースからの操作入力の平均回数を示す入力サイクルと、ソフトウェアからのユーザ・インタフェースへの出力の平均回数を示す出力サイクルからなるソフトウェアの属性情報を有し、前記属性情報に基づいて、ソフトウェアの消費電力量を推定することが好ましい。
【0010】
前記代理処理サーバは、前記携帯通信端末上にてソフトウェアを実行させる場合、実行するソフトウェアと実行要求を、前記携帯通信端末に送出し、前記携帯通信端末は、前記実行要求されたソフトウェアを実行することが好ましい。
【0011】
また、本発明は、ネットワークを介して携帯通信端末に接続されたサーバであって、前記携帯通信端末からソフトウェアの実行が要求された場合、実行が要求されたソフトウェアおよび既に実行されているソフトウェアを、自サーバ上または前記携帯通信端末上で実行した際に前記携帯通信端末にて生じる消費電力量を推定し、消費電力量が最も低いソフトウェアの実行組合せに基づいて、各々のソフトウェアの実行制御を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、使用者にて選択されたソフトウェアをサーバ上にて実行した際に携帯通信端末にて消費する消費電力と、同じソフトウェアを携帯通信端末上にて実行した際に携帯通信端末にて消費する消費電力とを算出して、選択されたソフトウェアの実行環境を選択するため、携帯通信端末にて不用意に電力を消費することを抑え、携帯通信端末自体の使用時間を長くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係る携帯通信システムの構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る携帯通信システムにおける携帯通信端末および代理処理サーバの構成を示す図である。
【図3】代理処理サーバの実行判定部の動作例を説明するフローチャートである。
【図4】ソフトウェアの属性情報が格納されたテーブルの例を示す図である。
【図5】入力サイクル、出力サイクルの合成を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る携帯通信システムの構成を示す図である。携帯通信端末11は、基地局12およびネットワーク19を介して、代理処理サーバ13と通信接続する。代理処理サーバ13は、ネットワーク19に接続して、Webサーバ14および携帯通信端末11との通信接続を可能とする。
【0015】
使用者1は、携帯通信端末11を用いて、代理処理サーバ13にてソフトウェアを実行し、実行結果を携帯通信端末11にて得る。同様に、使用者1は、携帯通信端末11を用いて、代理処理サーバ13にてソフトウェアを実行して、代理処理サーバ13から、Webサーバ14へアクセスする。Webサーバ14にてアクセスしているWebページは、代理処理サーバ13を通して、携帯通信端末11上に表示出力される。外部から入力データは、代理処理サーバ13のセキュリティ・ソフトウェアにてウィルス・チェックされる。なお、ここで、携帯通信端末11は、例えば、携帯電話機、スマートフォンなどの情報端末である。
【0016】
図2は、本発明の実施形態に係る携帯通信システムにおける携帯通信端末および代理処理サーバの構成を示す図である。携帯通信端末11は、マイク22と、スピーカ23と、演算処理部24と、記憶部25と、送受信部26と、操作部27と、表示部28と、実行制御部29とにより構成されている。
【0017】
使用者1は、携帯通信端末11の操作部27からキー入力を行う。実行制御部29は、操作部27からのキー入力を、送受信部26を介して、代理処理サーバ13へ送信する。また、代理処理サーバ13からの出力情報は、送受信部26から実行制御部29に渡される。実行制御部29は、代理処理サーバ13からの受信情報が、ユーザ・インタフェースへの出力情報と判断すると、対応するユーザ・インタフェース(例えば、表示部28、スピーカ23)に出力する。
【0018】
代理処理サーバ13は、携帯通信端末の仮想環境40と、通信I/F(インタフェース)41と、ソフトウェアの属性情報に基づいてソフトウェアの消費電力量を推定する実行判定部42と、ソフトウェア毎の属性情報を保持する実行情報管理部46とにより構成されている。代理処理サーバ13は、仮想環境40を、携帯通信端末毎に備えており、仮想環境40は、ソフトウェアを実行処理する演算処理部43と、ソフトウェアを記憶保持する記憶部44と、携帯通信端末11における入出力I/Fに代わって対応する疑似I/F(インタフェース)47と、通話機能部48とにより構成されている。
【0019】
実行判定部42は、携帯通信端末11の実行制御部29からの送信情報を受信する。受信した送信情報が、操作部27、マイク22などのユーザ・インタフェースからの入力情報と判断されると、仮想環境40上の疑似I/F47に渡され、疑似I/F47からユーザ・インタフェース信号として演算処理部43に渡され、演算処理部43にて、仮想環境40上での操作として処理される。仮想環境40の演算処理部43から、スピーカ23、表示部28などへの出力信号は、擬似I/F47を介して実行判定部42に渡される。実行判定部42は、出力信号を、ネットワーク19を介して、携帯通信端末11に通知する。
【0020】
携帯通信端末11からの操作信号によって、仮想環境40の記憶部44に保持されているソフトウェアの実行が選択(要求)されると、実行判定部42は、既に実行されているソフトウェアと、新規に実行が選択されたソフトウェアの属性情報を実行情報管理部46から取得する。実行判定部42は、取得した属性情報に基づいて、各々のソフトウェアを仮想環境40上、または携帯通信端末11上にて実行した際に、携帯通信端末11に生じる消費電力量を推定する。実行判定部42は、全ての組合せから、最も消費電力量の低いソフトウェア実行の組合せに基づいて、各々のソフトウェアを実行させる。この時、実行判定部42は、仮想環境40で実行することとなったソフトウェアが必要とする演算処理能力に応じて、仮想環境40の演算処理資源(CPU、メモリなど)の増減を行う。
【0021】
図3は、代理処理サーバの実行判定部の動作例を説明するフローチャートである。使用者1が起動するソフトウェアを選択すると、実行判定部42は、代理処理サーバ13の仮想環境40上で既に実行されているソフトウェアと、携帯通信端末11上で既に実行されているソフトウェアの属性情報を実行情報管理部46から取得する(S101)。次に、実行判定部42は、新規に実行するソフトウェアおよび既に実行されているソフトウェアの各々を代理処理サーバ13(仮想環境40)上、または携帯通信端末11上にてそれぞれ実行した際に、携帯通信端末11に生じる消費電力量を算出する(S102)。ただし、実行環境が代理処理サーバ13に限定されているものは、代理処理サーバ上にてのみ算出する。実行判定部42は、消費電力量が最も小さくなるソフトウェアの組合せを選択する。
【0022】
次に、S103〜S105において、この時既に実行されているソフトウェアであって、実行環境が代理処理サーバ13から携帯通信端末11へ、もしくは携帯通信端末11から代理処理サーバ13へ変更する必要のあるソフトウェアがある場合(104でYesの場合)、ソフトウェアのメモリ状況を実行先に転送し(S121)、変更先にて前の処理状況を継続してソフトウェアを実行するようにする(S122)。
【0023】
次に、実行判定部42は、新規に実行するソフトウェアが記憶部44に保持されているか否かを判定し(S106)、記憶部44に保持されていない場合(S106でNoの場合)は処理を終了する。新規に実行するソフトウェアが記憶部44に保持されている場合(S106でYesの場合)は、新規に実行するソフトウェアの実行環境が携帯通信端末11上であるか否かを判定し(S131)、実行環境が携帯通信端末11上である場合(S131でYesの場合)は、新規に実行するソフトウェアを携帯通信端末11に転送し(S141)、携帯通信端末11上で実行する(S142)。他方、実行環境が携帯通信端末11上でない場合(S131でNoの場合)は、代理処理サーバ13上で実行する(S132)。
【0024】
なお、既に実行されているソフトウェアを停止する場合は、そのソフトウェアを停止した上で、同様に実行中のソフトウェアに関して、消費電力量の計算を行い、各々のソフトウェアの実行環境の設定を行う。
【0025】
図4は、実行情報管理部が保持する、ソフトウェアの属性情報が格納されたテーブルの例を示す図である。図4において、実行環境E0〜Enは、ソフトウェア1〜nが、代理処理サーバ13上での実行を必須とするか否かを示す。処理サイクルP0〜Pnは、ソフトウェア1〜nを実行したときに、快適に実行するのに必要とされる単位時間あたりの処理サイクル数を示す。入力サイクルC0〜Cnは、入力系のユーザ・インタフェースからソフトウェア1〜nの演算処理に入力される操作信号の回数であり、単位時間当りの平均回数を示す。出力サイクルR0〜Rnは、ソフトウェア1〜nの実行結果により、出力系のユーザ・インタフェースへ出力される出力信号の回数であり、単位時間当りの平均回数を示す。
【0026】
次に、ソフトウェアを代理処理サーバ13上および携帯通信端末11上で実行したときの携帯通信端末11における消費電力量の算出方法について説明する。ソフトウェアaを携帯通信端末11上で実行したときの携帯通信端末11における消費電力量Wa(端末)は、Wuを携帯通信端末11上での処理サイクルPaの1サイクル分の消費電力量とすると、
Wa(端末)=WuPa
となる。
【0027】
ソフトウェアaを代理処理サーバ13上で実行したときの携帯通信端末11における消費電力量Wa(サーバ)は、Wcを携帯通信端末11上での入力サイクルCaの1サイクル分の消費電力量とし、Wrを携帯通信端末11上での出力サイクルRaの1サイクル分の消費電力量とすると、
Wa(サーバ)=WcCa+WrRa
となる。WcCaは操作信号を無線にて送信する際に生じている消費電力量を意味し、WrRaは出力信号を無線にて受信する際に生じている消費電力量を意味する。
【0028】
図5は、入力サイクル、出力サイクルの合成を説明する図である。ソフトウェアaの出力サイクルRaと、ソフトウェアbの出力サイクルRbの合成として出力サイクルRcを取得する例を示す。
【0029】
図5(a)において、ソフトウェアaの出力サイクルRaはra0〜ra5である。これに対して、ソフトウェアbの出力サイクルRbはrb0〜rb2である。このうち、ra0とrb0、ra2とrb1、ra4とrb2が同一タイミングとなるので、これを各々1回として計測すると、合成した出力サイクルRcはrc0〜rc5となる。ソフトウェアbの出力サイクルRbは、ソフトウェアaの出力サイクルRaに包含されている。このため、合成した出力サイクルRcは、出力サイクルRaと同じである。単純に合計した場合、9回に対して、同一タイミングを考慮すると6回となる。
【0030】
図5(b)において、ソフトウェアaの出力サイクルRaはra0〜ra5である。これに対して、ソフトウェアbの出力サイクルRbはrb0〜rb3である。このうち、ra0とrb0、ra3とrb2が同一タイミングとなる。その結果、合成した出力サイクルRcは、rc0〜rc7となる。単純に合計した場合、10回となるのに対して、同一タイミングを考慮すると8回となる。
【0031】
ソフトウェアaの入力サイクルCaと、ソフトウェアbの入力サイクルCbの合成として入力サイクルCcを取得する場合も同様である。
【0032】
これは、個々の入力信号(キー操作の信号)、出力信号は、無線送受信におけるパケットサイズに対して、小さいものである。このため、同一タイミングの場合、同一パケットにて伝送することが可能であると想定している。
【0033】
例えば、ソフトウェアaとソフトウェアbがある場合、ソフトウェアaの属性情報を、実行環境Ea、処理サイクルPa、入力サイクルCa、出力サイクルRaとし、ソフトウェアbの属性情報を、実行環境Eb、処理サイクルPb、入力サイクルCb、出力サイクルRbとし、ソフトウェアa、ソフトウェアbとも、代理処理サーバ、携帯通信端末いずれでも実行可能とする。また、ソフトウェアa、ソフトウェアbがともに、代理処理サーバで実行されたときの、入力サイクルCaと入力サイクルCbの合成された入力サイクルをCcとし、出力サイクルRaと出力サイクルRbの合成された出力サイクルをRcとする。
【0034】
この時の携帯通信端末の消費電力量は、
(1)Wa(端末)+Wb(端末)=WuPa+WuPb
(2)Wa(端末)+Wb(サーバ)=WuPa+WcCb+WrRb
(3)Wa(サーバ)+Wb(端末)=WcCa+WrRa+WuPb
(4)Wa(サーバ)+Wb(サーバ)=WcCc+WrRc
となる。
【0035】
実行判定部42は、(1)〜(4)から、最も値の小さい組合せを選択する。例えば、(2)が最も低い場合、ソフトウェアaを携帯通信端末上で実行し、ソフトウェアbを代理処理サーバ上で実行することを意味する。
【0036】
ソフトウェアaの実行環境のみが、代理処理サーバでの実行を必須とする場合、実行判定部42は、(3)(4)から、最も値の小さい組合せを選択する。例えば、(3)が最も低い場合、ソフトウェアaを代理処理サーバ上で実行し、ソフトウェアbを携帯通信端末上で実行することを意味する。
【0037】
ただし、携帯通信端末における提供可能な処理サイクルをPuとした場合、ソフトウェアを携帯通信端末上で実行した要求処理サイクルの合計値Pc(ソフトウェアa、ソフトウェアbがともに携帯通信端末上で実行した場合の要求処理サイクルは、Pa+Pbとなる)は、Puを超えないこととする。超える場合、選択対象から外すものとする。
【0038】
携帯通信端末11の実行制御部29は、携帯通信端末11の画面上において、アクティブとなっているウィンドウ上で実行されているソフトウェアの更新サイクルに従って、送受信制御部26へのクロック供給をONとし、データの送受を終えるとクロックの供給をOFFとする。これにより、電力の消費を低減する。(4)において、ソフトウェアaおよびソフトウェアbがともに代理処理サーバ13上で実行されている場合において、携帯通信端末の消費電力量を、出力サイクルRaと出力サイクルRbの合成された出力サイクルRcを用いて算出したが、実行時において、ソフトウェアaのみがアクティブ画面の上で実行されている場合、出力サイクルRaに従って送受信のON/OFFを制御する。なお、双方ともアクティブと判断した場合は、合成された出力サイクルRcに従って送受信のON/OFF制御を行う。
【0039】
代理処理サーバ13の実行判定部42は、画面上、いずれのソフトウェアがアクティブになっているかを判定し、携帯通信端末11の実行制御部29に通知する。実行判定部42は、アクティブなソフトウェアの出力サイクルに基づいて、表示出力などにおける更新データの送信制御を行う。
【0040】
代理処理サーバ13上で実行されているソフトウェアで、非アクティブと判断されたソフトウェアの出力情報は、アクティブなソフトウェアの出力サイクルにて送出されるものとする。非アクティブなソフトウェアの出力サイクルにおいて、アクティブとなっているソフトウェアによる出力サイクルのON−OFF−ON期間に予定されるON回数が、一定閾値より多い場合、ON回数が閾値以下となるように、実行する出力サイクルに補間のONタイミングを追加する。これにより、非アクティブとなっているソフトウェアにおける出力情報の更新がなされなくなることを低減する。
【0041】
使用者1の操作によって、アクティブとなるソフトウェアが変わった場合、実行判定部42は実行制御部29に通知し、実行制御部29は、ON/OFFサイクルをアクティブなソフトウェアに合わせて更新する。
【符号の説明】
【0042】
1 使用者
11 携帯通信端末
12 基地局
13 代理処理サーバ
14 Webサーバ
19 ネットワーク
22 マイク
23 スピーカ
24 演算処理部
25 記憶部
26 送受信部
27 操作部
28 表示部
29 実行制御部
40 仮想環境
41 通信I/F
42 実行判定部
43 演算処理部
44 記憶部
46 実行情報管理部
47 疑似I/F
48 通話機能部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して相互に接続された携帯通信端末およびサーバからなる携帯通信システムであって、
前記代理処理サーバは、前記携帯通信端末からソフトウェアの実行が要求された場合、実行が要求されたソフトウェアおよび既に実行されているソフトウェアを、代理処理サーバ上または前記携帯通信端末上で実行した際に前記携帯通信端末にて生じる消費電力量を推定し、消費電力量が最も低いソフトウェアの実行組合せに基づいて、各々のソフトウェアの実行制御を行うことを特徴とする携帯通信システム。
【請求項2】
前記代理処理サーバは、ソフトウェアが代理処理サーバ上での実行を必須とするかを示す実行環境と、ソフトウェアを実行するのに必要とする実行サイクルと、ソフトウェアへのユーザ・インタフェースからの操作入力の平均回数を示す入力サイクルと、ソフトウェアからのユーザ・インタフェースへの出力の平均回数を示す出力サイクルからなるソフトウェアの属性情報を有し、
前記属性情報に基づいて、ソフトウェアの消費電力量を推定することを特徴とする請求項1に記載の携帯通信システム。
【請求項3】
前記代理処理サーバは、前記携帯通信端末上にてソフトウェアを実行させる場合、実行するソフトウェアと実行要求を、前記携帯通信端末に送出し、前記携帯通信端末は、前記実行要求されたソフトウェアを実行することを特徴とする請求項1または2に記載の携帯通信システム。
【請求項4】
ネットワークを介して携帯通信端末に接続されたサーバであって、
前記携帯通信端末からソフトウェアの実行が要求された場合、実行が要求されたソフトウェアおよび既に実行されているソフトウェアを、自サーバ上または前記携帯通信端末上で実行した際に前記携帯通信端末にて生じる消費電力量を推定し、消費電力量が最も低いソフトウェアの実行組合せに基づいて、各々のソフトウェアの実行制御を行うことを特徴とするサーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−106095(P2013−106095A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−246837(P2011−246837)
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】