説明

携帯通信端末、通信システム及び通信方法

【課題】セキュリティを高く維持しつつ、短時間で情報の送受信を行うことができる携帯通信端末を提供することにある。
【解決手段】通信機能を有する端末と通信を行う携帯通信端末であって、端末とNFC通信を行う第1通信部と、端末とNFC通信よりも早い通信速度で通信を行う第2通信部と、セキュリティ度合いの高い第1データと、第1データよりもセキュリティ度合いが低い第2データとを記憶する記憶部と、端末との通信の際に、第1通信部から端末に第1データを送信させるとともに、第2通信部から端末に第2データを送信させる制御部と、を有することで上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末と通信を行い、情報の送受信を行う携帯通信端末、通信システム及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機では、いわゆるおサイフケータイといわれる機能を備える携帯通信端末がある。この携帯通信端末は、非接触型ICカードを有し、この非接触型ICカードと専用機器との間で通信を行うことで課金情報の交換を行う。
【0003】
例えば、特許文献1には、ネットワークを介して送受信を行う第1の通信部と、通信機器と通信し、データを受信可能な第2の通信部と、通信機器に関する通信機器情報と、情報を送信する送信先を示す送信先情報とを対応させて記憶する記憶部と、通信機器と第2通信部が通信を行ったとき、通信機器から受信したデータの少なくとも一部を含めた情報を第1の通信部を用いて送信するように制御する制御部と、を備えていることを特徴とする通信端末が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−181217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、非接触型ICカードを用いた通信は、近距離で通信を行う必要があるため、セキュリティを高く維持することはできるが、通信速度が遅い。そのため、料金の情報に加え種々の情報の送受信も行うと、通信時間が長くなってしまう。
【0006】
また、特許文献1に記載のシステムでは、非接触型ICカード等を用いた通信機器との通信により、通信機器から受信した情報をネットワーク通信により送信することで、情報を取得しているため、非接触型ICカード等による通信で種々の情報を送受信する必要があり、この方法でもやり取りする情報量が多くなるという問題がある。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、セキュリティを高く維持しつつ、短時間で情報の送受信を行うことができる携帯通信端末、通信システム及び通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は通信機能を有する端末と通信を行う携帯通信端末であって、前記端末とNFC通信を行う第1通信部と、前記端末と前記NFC通信よりも早い通信速度で通信を行う第2通信部と、セキュリティ度合いの高い第1データと、前記第1データよりもセキュリティ度合いが低い第2データとを記憶する記憶部と、前記端末との通信の際に、前記第1通信部から前記端末に前記第1データを送信させるとともに、前記第2通信部から前記端末に前記第2データを送信させる制御部と、を有することを特徴とする。
【0009】
ここで、前記第1通信部による通信の開始後に前記第2通信部による通信を開始させることが好ましい。
【0010】
また、前記端末は、現金自動預け払い機であり、前記第1通信部及び前記第2通信部は、前記記憶部に記憶された振込みデータと引き出しデータの少なくとも一方を前記現金自動預け払い機に送信することが好ましい。
【0011】
また、前記第1通信部及び前記第2通信部は、複数の振込みデータを一緒に送信することが好ましい。
【0012】
振込みデータ及び引き出しデータを入力する入力部を有することが好ましい。
【0013】
また、前記制御部は、振込みデータ及び引き出しデータの少なくとも一方の送信後に、前記記憶部から送信したデータを削除することが好ましい。
【0014】
また、前記第1通信部及び前記第2通信部は、前記現金自動預け払い機で処理されなかったデータを受信して、前記記憶部に記憶させることが好ましい。
【0015】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、通信システムであって、上記のいずれかに記載の携帯通信端末と、前記第1通信部とNFC通信を行う第3通信部及び前記第2通信部と通信を行う第4通信部を有する端末とを備えることを特徴とする。
【0016】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、携帯通信端末と他の端末との間で通信を行う通信方法であって、送信するデータをセキュリティ度合いの高い第1データと、前記第1データよりもセキュリティ度合いが低い第2データに振り分け、前記第1データを、NFC通信で端末に送信し、前記第2データを、前記NFC通信よりも早い通信速度で前記端末に送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明にかかる携帯通信端末、通信システム及び通信方法は、セキュリティを高く維持したまま、短時間で情報の送受信を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本発明の通信システムの一実施形態の概略構成を示す正面図である。
【図2】図2は、図1に示す携帯通信端末の正面図である。
【図3】図3は、図1に示す通信システムの機能の概略構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、携帯通信端末の処理動作の一例を示すフロー図である。
【図5】図5は、携帯通信端末の処理動作の一例を示すフロー図である。
【図6】図6は、携帯通信端末の処理動作の一例を示すフロー図である。
【図7】図7は、現金自動預け払い機の処理動作の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。以下においては、通信システムを、携帯通信端末と現金自動預け支払い機(Automated Teller Machine、以下「ATM」という。)で構成したが、携帯通信端末と通信する機器は、ATMに限定されず、携帯通信端末と通信可能な種々の機器を用いることができる。また、以下においては、携帯通信端末として携帯電話機を例として説明するが、本発明の適用対象は携帯電話機に限定されるものではなく、例えば、PHS(Personal Handyphone System)、PDA、ポータブルナビゲーション装置、ゲーム機、表示装置付きカード等に対しても本発明は適用できる。
【0020】
図1は、本発明の通信システムの一実施形態の概略構成を示す正面図である。また、図2は、図1に示す携帯通信端末の正面図であり、図3は、図1に示す通信システムの機能の概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、通信システム100は、携帯通信端末1とATM50とを有する。通信システム100は、携帯通信端末1とATM50との間で通信を行い、情報の授受を行う。また、ATM50は、短距離無線通信部54と、現金授受部60と、表示部62とを有する。ATM50構成は、後ほど詳細に説明する。また、通信システム100は、ホストコンピュータ70とサーバ80(図3参照)も有するがこの点は後ほど説明する。
【0021】
携帯通信端末1は、無線通信機能を備えた携帯電話機である。まず、携帯通信端末の構成を説明する。携帯通信端末1は、筐体1Cが第1筐体1CAと第2筐体1CBとで開閉可能に構成された、折り畳み式の携帯電話機である。なお、図1、図2は、携帯通信端末1を開いた状態である。
【0022】
第1筐体1CAには、表示部として、図1に示すメインディスプレイ2Mが設けられる。メインディスプレイ2Mは、所定の画像として、携帯通信端末1が受信を待機している状態のときに待ち受け画像を表示したり、携帯通信端末1の操作を補助するために用いられるメニュー画像を表示したりする。また、図1に示すように、第1筐体1CAには、携帯通信端末1の通話時に音声を発するレシーバ6が設けられている。
【0023】
第2筐体1CBには、通話相手の電話番号や、メール作成時等に文字を入力するための操作キー3が複数設けられ、また、メインディスプレイ2Mに表示されるメニューの選択及び決定や画面のスクロール等を容易に実行するための方向及び決定キー4が設けられる。なお、操作キー3及び方向及び決定キー4は、携帯通信端末1の操作部28(図3参照)を構成する。また、第2筐体1CBには、携帯通信端末1の通話時に音声を受け取るマイク5が設けられる。また、携帯通信端末1は、第2筐体1CBの内部に非接触型ICカード36が内蔵されている。
【0024】
また、第1筐体1CAと第2筐体1CBとは、ヒンジ18で連結されている。これによって、第1筐体1CA及び第2筐体1CBは、ヒンジ18を中心としてともに回動して、互いに遠ざかる方向及び互いに接近する方向に回動できるように構成される。第1筐体1CAと第2筐体1CBとが互いに遠ざかる方向に回動すると携帯通信端末1が開き、第1筐体1CAと第2筐体1CBとが互いに接近する方向に回動すると携帯通信端末1が閉じる。
【0025】
次に、図3を用いて、通信システムの機能と制御部との関係を説明する。図3に示すように通信システム100は、携帯通信端末1と、ATM50と、ホストコンピュータ70と、サーバ80とを有する。
【0026】
携帯通信端末1は、主制御部22と、記憶部24と、通信部26と、操作部28と、入力データ取得部29と、音声処理部30と、表示部32と、表示制御部33と、非接触型ICカード(integrated circuit card)36と、を有する。
【0027】
主制御部22は、携帯通信端末1の全体的な動作を統括的に制御する処理部、例えばCPU(Central Processing Unit)である。すなわち、携帯通信端末1の各種の処理が、操作部28の操作や携帯通信端末1の記憶部24に保存されるソフトウェアに応じて適切な手順で実行されるように、通信部26、表示部32、非接触型ICカード36等の動作を制御する。主制御部22は、記憶部24に保存されているプログラム(例えば、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。記憶部24には、主制御部22での処理に利用されるソフトウェアやデータが保存されている。具体的には、非接触型ICカード36の動作を制御するソフトウェアや、他の端末との通信の制御を行うソフトウェア等が保存されている。
【0028】
通信部26は、基地局によって割り当てられるチャネルを介し、基地局との間でCDMA方式などによる無線信号回線を確立し、基地局との間で電話通信及び情報通信を行う。
【0029】
操作部28は、例えば、電源キー、通話キー、数字キー、文字キー、方向キー、決定キー、発信キーなど、各種の機能が割り当てられた操作キー3と、方向及び決定キー4とで構成され、これらのキーがユーザの操作により入力されると、その操作内容に対応する信号を発生させる。そして、発生した信号は、ユーザの指示として入力データ取得部29へ入力される。
【0030】
入力データ取得部29は、操作部28から発生した信号と、入力の設定に基づいて、制御信号を生成し、生成した制御信号を主制御部22に入力する。例えば、文字入力の場合は、操作キー3の各キーの操作回数に基づいて、各キーに割り当てられている文字から1つの文字を抽出し、文字情報として主制御部22に出力する。
【0031】
音声処理部30は、マイク5に入力される音声信号やレシーバ6から出力される音声信号の処理を実行する。
【0032】
表示部32は、液晶ディスプレイ(LCD、Liquid Crystal Display)や、有機EL(Organic Electro−Luminescence)パネルなどで構成された表示パネル(上述したメインディスプレイ2M等)を備え、主制御部22から表示制御部33を介して供給される映像データに応じた映像、画像データに応じた画像を表示パネルに表示させる。
【0033】
非接触型ICカード36は、FeliCa(登録商標)、MIFARE(登録商標)等の非接触で専用の通信部、後述する短距離無線通信部54との通信を行うことができるICチップである。非接触型ICカード36には、銀行の情報、支店の情報、銀行の口座番号、名義情報、振込み情報、暗証番号の情報等が記憶可能である。また、非接触型ICカード36は、短距離無線通信部54との通信を行うことで、記憶している情報を短距離無線通信部54に送ったり、短距離無線通信部54から送られた情報を受信したりする。非接触型ICカード36は、受信した情報を記憶する。つまり、非接触型ICカード36は、短距離無線通信部54との通信により、記憶した情報を書き換えることができる。また、非接触型ICカード36は、主制御部22の制御によっても情報の読み出し、書き換えを行う。
【0034】
ATM50は、制御部52と、短距離無線通信部(NFC(Near Field Communication)通信部)54と、通信部56と、記憶部58と、現金授受部60と、表示部62と、操作部64とを有し、携帯通信端末1との間で情報の送受信を行い、振込み、現金の引き出しを行う。なお、ATM50は、携帯通信端末1との間の通信に限定されず、操作部64の操作、及び、キャッシュカード、通帳の出し入れにより、各種操作ができるようにしてもよい。以下、各部について説明を行う。
【0035】
制御部52は、ATM50の全体的な動作を統括的に制御する処理部、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部52は、操作部64から入力される指示、短距離無線通信部54、通信部56から送られる情報に基づいて、短距離無線通信部54、通信部56、記憶部58、現金授受部60、表示部62の各部の動作を制御する。また、制御部52は、主制御部22と同様に、記憶部58に記憶されているデータ、アプリケーションプログラムを読み出すことで、各種動作の制御を行う。
【0036】
短距離無線通信部54は、非接触型ICカード36と通信を行う通信部である。短距離無線通信部54は、設定された波長域の電波を所定の領域に発信する。この電波を発信している所定の領域内に非接触型ICカード36が入ると、この電波により非接触型ICカード36に電力が発生し、起動し、所定の信号を出力する。短距離無線通信部54は、所定の領域内に入った非接触型ICカード36から出力される所定の信号を受信して、非接触型ICカード36との通信を行う。短距離無線通信部54は、非接触型ICカード36に記憶された情報の読み取りや、短距離無線通信部54への情報の書き込みを行う。
【0037】
通信部56は、ホストコンピュータ70との間で通信を行う通信部である。記憶部58は、制御部52での処理に利用されるソフトウェアやデータが保存されている。
【0038】
現金授受部60は、操作者の操作により引き出された現金を提供したり、操作者から預けられる現金を投入したりする投入部と、提供する現金の枚数を数えたり、投入部に入れられた現金の枚数を数えたりする計算部と、現金を保管する管理部等を有し、操作者との間で現金の授受を行う。
【0039】
表示部62は、制御部52の制御に基づいて画像を表示させるモニタであり、操作画像や、指示、口座情報、残金情報等を表示する。操作部64は、操作者が操作を入力する部分である。操作部64としては、表示部62と組み合わせたタッチパネルや、キーボード、テンキー等を用いることができる。操作部64は、操作者により入力された操作指示を制御部52に送る。
【0040】
次に、ホストコンピュータ70は、銀行等の金融機関で、口座情報を管理する処理装置であり、金融機関の業務(引き出し、振込み等)に必要な各種情報が記憶されている。このホストコンピュータ70は、ATM50の通信部56及びサーバ80と通信し、通信部56及びサーバ80から供給される情報を処理し、各口座を管理し、引き出し、預け入れ、振込み等の処理を行う。また、ホストコンピュータ70は、処理結果をサーバ80に送ったり、通信部56に現金が引き出し可能であるかの指示を送ったりする。
【0041】
サーバ80は、携帯通信端末1の通信部26や、ホストコンピュータ70との間で通信を行い、情報の送受信を行う。なお、本実施形態では、サーバ80を1つのサーバとして示したが、携帯通信端末1の通信部26と、ホストコンピュータ70とは、複数のサーバを介して接続してもよい。
【0042】
また、上記実施形態では、1つのホストコンピュータ70に対して、1つのATM50が接続されている構成としたが、ホストコンピュータ70は、基本的に複数のATM50と接続されている。また、通信回線は、有線、無線のいずれでもよい。また、ATM50は、複数の銀行の業務を取り扱う場合は、複数のホストコンピュータ70と接続される。
【0043】
次に、通信システム100の動作について説明する。図4から図6は、それぞれ携帯通信端末の処理動作の一例を示すフロー図であり、図7は、現金自動預け払い機の処理動作の一例を示すフロー図である。
【0044】
まず、通信システム100は、携帯通信端末1とATM50との間で情報の送受信を行う前に、携帯通信端末1に各種情報を記憶させる処理を行う。図4に示すフロー図は、携帯通信端末1に銀行に開設している口座のキャッシュカードに関する情報を入力する処理である。まず、携帯通信端末1の主制御部22は、ステップS12として、キャッシュカード情報登録機能を持ったアプリケーション(アプリケーションソフト)を起動させる。ここで、キャッシュカード情報登録機能を持ったアプリケーションは、非接触型ICカード36の動作を制御するソフトウェアの1つである。なお、携帯通信端末1の主制御部22は、操作者の操作や、所定の条件(通信部等を介して起動する指示が入力される等)を満たした場合にステップS12としてアプリケーションを起動させる。
【0045】
主制御部22は、ステップS12でアプリケーションを起動させたら、ステップS14として、キャッシュカード情報の入力を検出する。キャッシュカード情報の入力の検出は、操作者による操作部28の操作を検出したり、通信部26、非接触型ICカード36から送られた所定の情報を検出したりすることで行われる。また、操作者による操作部28の操作を検出する場合は、表示部32に操作画面を表示させるようにすればよい。また、キャッシュカード情報としては、銀行の情報、支店の情報、預金形態(当座、普通、総合等)、口座番号、名義等がある。また、暗証番号も入力するようにしてもよい。
【0046】
主制御部22は、ステップS14で入力を検出したら、ステップS16として入力されたキャッシュカード情報を非接触型ICカード(以下「ICカード」ともいう。)36に書き込み、処理を終了する。これにより、非接触型ICカード36には、キャッシュカード情報を記憶させることができる。
【0047】
次に、図5を用いて、振込みに関する情報、引き出しに関する情報を携帯通信端末に記憶させる処理について説明する。まず、主制御部22は、ステップS20として、振込/引出情報登録機能を持ったアプリケーションを起動させる。なお、振込/引出情報登録機能を持ったアプリケーションは、記憶部に記憶されているソフトウェアである。また、このアプリケーションも操作部に所定の操作が入力されたら、また外部から所定の指示が送られたら起動させる。
【0048】
主制御部22は、ステップS20でアプリケーションを起動させたら、ステップS22として、振込み情報の書き込みがあるかを判定する。つまり、主制御部22は、操作者によって、外部から振込みに関する情報が書き込まれているかを判定する。
【0049】
主制御部22は、ステップS22で、振込情報の書き込みあり(Yes)と判定したら、ステップS24として、振込情報の入力を検出する。具体的には、主制御部22は、入力された振込み先の銀行、支店名、預金形態、口座番号、名義、振り込みの金額、日時等の情報を検出する。主制御部22は、ステップS24で振込情報を検出したら、ステップS26として、ステップS24で検出した振込情報を振込/引出リストに登録する。ここで、振込/引出リストとは、振込み及び引き出しに関する各種情報のリストであり、記憶部24や非接触型ICカード36に記憶される。
【0050】
主制御部22は、ステップS26で、情報をリストに登録したら、またはステップS22で振込情報の書き込みがない(No)と判定したら、ステップS28として、引出情報の書き込みがあるかを判定する。つまり、主制御部22は、操作者によって、外部から引き出しに関する情報が書き込まれているかを判定する。
【0051】
主制御部22は、ステップS28で、引出情報の書き込みあり(Yes)と判定したら、ステップS30として、引出情報の入力を検出する。具体的には、主制御部22は、引き出し金額、引き出し先(非接触型ICカード36にチャージするか、現金として引き出すか等)の情報を検出する。主制御部22は、ステップS30で引出情報を検出したら、ステップS32として、ステップS30で検出した引出情報を振込/引出リストに登録する。
【0052】
主制御部22は、ステップS32で、引出情報をリストに登録したら、またはステップS28で引出情報の書き込みがない(No)と判定したら、ステップS34として、登録完了かを判定する。つまり、登録完了処理が入力されているかを判定する。主制御部22は、ステップS34で登録終了ではない(No)、つまり、登録終了の指示が入力されていないと判定したら、ステップS22に進み、上記処理を繰り返す。つまり、主制御部22は、登録が完了する指示の入力を検出するまで、振込情報、引出情報の検出と、リストへの登録を繰り返す。主制御部22は、ステップS34で登録完了である(Yes)と判定したら、つまり、登録完了の指示が入力されていると判定したら、ステップS36として、振込/引出リストを保存して、処理を終了する。なお、振込/引出リストの情報は、項目毎に振り分けて、記憶部24と、非接触型ICカード36に保存すればよい。具体的には、高いセキュリティが必要な情報は、非接触型ICカード36に記憶させ、該高いセキュリティが必要な情報よりも低いセキュリティでよい情報は、記憶部24に記憶させるようにする。なお、全ての情報を記憶部24に記憶させ、非接触型ICカード36で情報の送受信を行う前に非接触型ICカード36に保存させるようにしてもよい。図5に示すフロー図の処理により、携帯通信端末1に、振込みに関する情報及び引き出しに関する情報を記憶させることができる。なお、振込/引出リストの情報を高いセキュリティが必要な情報と、低いセキュリティでよい情報とに振り分ける方法としては、予め項目毎に振り分け先を設定する方法や、操作者の操作に基づいて振り分ける方法等がある。
【0053】
次に、図6及び図7を用いて、携帯通信端末1と、ATM50との間の通信について説明する。携帯通信端末1は、図4及び図5に示す処理が行われ、キャッシュカード情報と、振込/引出リストが記憶されている。この状態で、操作者が携帯通信端末1をATM50の短距離無線通信部54(ATM側の読取機)に近づけると、携帯通信端末1と、ATM50との間で通信が開始する。
【0054】
以下、まず、携帯通信端末1の動作について説明する。携帯通信端末1は、ATM50の短距離無線通信部54(ATM側の読取機)に近づけられると、短距離無線通信部54から出力される電波により非接触型ICカード36が起動される。主制御部22は、非接触型ICカード36が起動されたら、通信の対象を特定する。主制御部22は、通信の対象を特定することで、ステップS40として、ATM側の読取機にかざされたことを検知する。主制御部22は、ステップS40で、ATM側の読取機にかざされたことを検知したら、短距離無線通信部54と通信を行い、ステップS42として、キャッシュカード情報を送信する。具体的には、非接触型ICカード36と短距離無線通信部54との間で通信を行い、キャッシュカード情報を短距離無線通信部54に送る。なお、短距離無線通信部54が非接触型ICカード36に記憶されている情報を読み取るようにしてもよい。また、非接触型ICカード36と短距離無線通信部54とは、キャッシュカード情報のやり取りを行う前に、読み取り方式の設定や、互いの装置の認証を行うための情報のやり取りを行うようにしてもよい。
【0055】
次に、主制御部22は、ステップS44として、登録された振込/引出情報のうち、セキュリティが必要な情報をNFC通信(短距離無線通信)で送信する。つまり、主制御部22は、振込/引出情報のうち高いセキュリティで送受信を行う必要がある情報を、非接触型ICカード36と短距離無線通信部54との間の通信で、非接触型ICカード36から短距離無線通信部54に送る。ここで、高いセキュリティで送受信を行う必要がある情報は、必要に応じて設定することができるが、口座番号や、金額、振込日時等である。
【0056】
次に、主制御部22は、ステップS46として、登録された振込/引出情報のうち、セキュリティがそれほど要求されない情報を高速な通信方式で送信する。具体的には、主制御部22は、振込/引出情報のうちステップS44で送っていない情報を、通信部26から、ホストコンピュータ70、サーバ80を介して通信部56に送る。つまり、通常の通信回線を利用して、ATM50に情報を送る。なお、通信回線を利用する場合は、ATM50と携帯通信端末1との認証を行うための情報や、携帯通信端末1からATM50を呼び出すための電話番号、アドレス等の情報は、非接触型ICカード36と短距離無線通信部54との間の通信で取得するようにしても、操作者が入力するようにしてもよい。また、通信部26から、ホストコンピュータ70、サーバ80を介した通信は、NFC通信よりも通信速度が速い各種通信を用いることができる。例えば、LTE(Long Term Evolution)方式を用いることができる。また通信速度は、LTE方式よりも遅くなるが、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)方式や、CDMA2000方式等も用いることができる。
【0057】
次に、主制御部22は、ステップS44及びステップS46の通信で、情報を送信したら、ステップS48として、登録された振込/引出情報を消去する。具体的には、主制御部22は、ステップS44及びステップS46で送った情報を記憶部24及び非接触型ICカード36から消去する。
【0058】
主制御部22は、ステップS48で情報を消去したら、ステップS50として、指定額をチャージする情報を受信する。具体的には、主制御部22は、ステップS44及びステップS46で送られる振込/引出情報に銀行口座から所定額を引き出し、非接触型ICカード36にチャージ(デポジット)する引出情報が含まれている場合は、引き出された金額情報を短距離無線通信部54から非接触型ICカード36に送る。これにより、非接触型ICカード36には、引き出した金額分のお金がデポジットされた状態となる。なお、引出情報がない場合は、0円がチャージされたり、ステップS50の処理が省略されたりする。
【0059】
次に、主制御部22は、ステップS52として、処理できなかった振込/引出情報を受信する。具体的には、携帯通信端末1から送られた振込/引出情報のうち、ATM50で処理できなかった振込/引出情報が、ATM50から携帯通信端末1に送られる。なお、振込/引出情報は、高いセキュリティで送受信する必要がある情報は、非接触型ICカード36と短距離無線通信部54との間の通信でやりとりされ、一定のセキュリティで送受信できる情報は通信部26と通信部56との間の通信でやり取りされる。
【0060】
次に、主制御部22は、ステップS54として、ステップS52で受信した振込/引出情報を記憶部24、非接触型ICカード36に保存して処理を終了する。
【0061】
次に、ATM50の動作について説明する。まず、携帯通信端末1が短距離無線通信部54の近傍に近づけられると、短距離無線通信部54から出力される電波により携帯通信端末1の非接触型ICカード36が起動され、通信が開始される。ATM50の制御部52は、この通信の開始を検出することで、ステップS60として、携帯通信端末1がかざされたことを検知する。
【0062】
制御部52は、ステップS60で携帯通信端末1がかざされたことを検知したら、ステップS62として、キャッシュカード情報を受信する。具体的には、非接触型ICカード36に記憶されている情報からキャッシュカード情報を読み出す。
【0063】
次に、制御部52は、ステップS64として、ステップS62で受信したキャッシュカード情報が正しいかを判定する。ここで、キャッシュカード情報が正しいか否かの判定は、受信したキャッシュカード情報とホストコンピュータ70に記憶されている情報との、支店、口座番号、名義、暗証番号が一致しているかを判定する。制御部52は、キャッシュカード情報の全てがホストコンピュータ70に記憶されている情報と一致した場合に、キャッシュカード情報が正しいと判定する。
【0064】
制御部52は、ステップS64で、キャッシュカード情報が正しくない(No)、つまり、キャッシュカード情報が間違っていると判定したら、処理を終了する。これにより、キャッシュカード情報が間違っている場合は、引き出し処理、振込み処理は行われない。
【0065】
制御部52は、ステップS64でキャッシュカード情報が正しい(Yes)と判定したら、ステップS66として、振込/引出情報をNFC通信で受信する。具体的には、非接触型ICカード36から送られる振込/引出情報を短距離無線通信部54で受信する。なお、非接触型ICカード36に記憶されている振込/引出情報を短距離無線通信部54で読み取るようにしてもよい。なお、ステップS66で受信する情報は、高いセキュリティで受信する必要がある情報である。
【0066】
制御部52は、ステップS66で振込/引出情報をNFC通信で受信したら、ステップS68で、振込/引出情報を高速通信で受信する。具体的には、制御部52は、携帯通信端末1から、サーバ80及びホストコンピュータ70を介して供給される振込/引出情報を受信する。なお、ステップS68で受信する振込/引出情報は、ある程度のセキュリティで送ることができる情報である。
【0067】
制御部52は、ステップS66及びステップS68で情報を受信したら、ステップS70として、顧客の残高を照会する。具体的には、制御部52は、ステップS62で取得したキャッシュカード情報に基づいて、口座を特定し、ホストコンピュータ70に記憶されている情報から特定した口座の残高の情報を検出する。
【0068】
制御部52は、ステップS70で残高を照会したら、ステップS72として、振込処理があるかを判定する。具体的には、ステップS66及びステップS68で受信した振込/引出情報に振込情報があるかを判定する。なお、振込/引出情報が複数ある場合は、振込情報、引出情報を1つずつ抽出して処理を行う。
【0069】
制御部52はステップS72で振込処理がある(Yes)と判定したら、ステップS74として、振込金額≦残高であるかを判定する。つまり、振込み処理の振込み金額が残高よりも少ないか否かを判定する。制御部52は、ステップS74で、振込金額≦残高である(Yes)と判定したら、ステップS76として、振込処理を行う。つまり、ステップS72で抽出した振込情報に基づいて、振込み先の口座、金額、振込み日時等の情報をホストコンピュータ70に送り、振込処理を行う。制御部52は、ステップS72で振込処理を行ったらステップS86に進む。なお、通信システム100は、振込処理を行う前に、各種情報を表示し、操作者が最終決定を行うようにしてもよい。この場合は、NFC通信、高速通信(通信部を介した通信)を用いて、携帯通信端末1に情報を送信し、携帯通信端末1で決定指示を入力できるようにしても、ATM50の表示部62に表示させ、操作部64から決定指示を入力できるようにしてもよい。
【0070】
また、制御部52は、ステップS74で、残高<振込金額である(No)と判定したら、ステップS78として、処理できなかった振込みと記憶し、ステップS86に進む。つまり、制御部52は、残高が振込み金額よりも少ない場合は、振込処理を行わずに、処理ができなかった情報を記憶する。
【0071】
次に、制御部52は、ステップS72で振込/引出情報の中で処理対象となる情報が振込処理ではない(No)と判定したら、ステップS80として、引出処理であるかを判定する。制御部52は、ステップS80で引出処理である(Yes)と判定したら、ステップS82として、引出金額≦残高であるかを判定する。つまり、引出処理の引き出し金額が残高よりも少ないか否かを判定する。制御部52は、ステップS82で、引出金額≦残高である(Yes)と判定したら、ステップS84として、携帯通信端末1に指定額をチャージする情報を送信する。つまり、ステップS80で抽出した引出情報に基づいて指定された金額を非接触型ICカード36にデポジットするための情報を、短距離無線通信部54から送る。なお、ステップS80で抽出した引出情報が現金で引き出す旨の情報である場合は、指定された金額の現金を現金授受部60に用意し、操作者によって取り出し可能な状態にする。制御部52は、ステップS84の処理を行ったらステップS86に進む。
【0072】
また、制御部52は、ステップS82で、残高<引出金額である(No)と判定したら、引出処理は行わずに、ステップS86に進む。また、制御部52は、ステップS80で引出処理ではない(No)と判定したら、ステップS88に進む。
【0073】
次に、制御部52は、ステップS74、S78、S84の処理を行ったら、または、ステップS82でNoと判定したら、ステップS86として、取引内容を画面に表示させる。具体的には、実行した振込処理情報や、実行した引出処理の情報、実行できなかった処理の情報、現在の残高の情報等を表示する。なお、これらの表示は、表示部62に表示させても、表示部32に表示させてもよい。制御部52は、ステップS86で画面を表示させたら、ステップS88として、登録情報をすべて処理したかを判定する。つまり、携帯通信端末1から送られた、登録された振込/引出情報を全て処理したかを判定する。制御部52は、ステップS88ですべて処理していない(No)と判定したら、ステップS70に進み、上記処理を繰り返す。
【0074】
また、制御部52は、ステップS88ですべての処理を終了した(Yes)と判定したら、ステップS90として、処理できなかった振込/引出情報を送信する。具体的には、制御部52は、処理できなかった振込/引出情報をNFC通信及び/または高速通信により、携帯通信端末1に送る。その後、処理を終了する。
【0075】
このように、通信システムは、携帯通信端末1とATM50との間で通信を行う場合に、高いセキュリティで送る必要のある情報は、非接触型ICカード36と短距離無線通信部54とを用いたNFC通信でやり取りを行う。また、それ以外の情報(例えば、セキュリティがそれほど要求されない情報)は、通信部26及び通信部56を用いた高速通信によりやり取りを行う。つまり、NFC通信を用い他人に傍受できない形式で外部に漏れてはいけない情報をやり取りし、NFC通信よりも通信速度の速い高速通信で、高いセキュリティが必要ない情報、例えば、その情報単体では、処理を特定できない情報、知られても問題がない情報をやり取りする。これにより、セキュリティを維持しつつ、情報のやり取りを迅速に行うことができる。具体的には、所定の情報は、非接触型ICカード36と短距離無線通信部54とを近距離に近づけてNFC通信で、やり取りすることで、周囲にアンテナ等を立てても傍受できないようにすることができ、外部に漏洩することを抑制することができ、セキュリティを高くすることができる。また、情報量の多い処理であっても、一部の情報は高速通信でやり取りを行えるため、高速で処理を行うことが可能となる。これにより、複数の振込情報、引出情報を送ることが可能となり、短時間で複数の振込処理、引出処理を行うことができる。
【0076】
また、携帯通信端末1に必要な処理、振込みの情報、引き出しの情報を予め入力することができるため、ATM50に情報を入力する手間を省くことができる。これにより、ATM50の前に長時間滞在する必要がなくなり、ATM50を効率よく利用することができる。また、予め自宅等で情報を処理することができるため、処理画面を他人に見られる可能性を少なくすることができ、安全性をより高くすることができる。
【0077】
また、携帯通信端末1とATM50との間で直接、キャッシュカード情報をやり取りするため、インターネット回線を利用し、ホームページ上でキャッシュカード情報を入力する場合よりもセキュリティを高く維持することができる。具体的には、ウィルスや、フィッシング詐欺等により誤ったホームページに口座情報を入力してしまい、第3者にキャッシュカード情報が漏洩してしまう可能性を低減することができる。また、キャッシュカードを持ち歩く必要がなくなり、携帯通信端末1にキャッシュカード機能と、財布の機能とを持たせることができる。
【0078】
処理が終了した振込情報、引出情報は、消去することで、同じ処理を複数回行うことを防止することができる。また、情報を消去することで、携帯通信端末1が盗まれたり、盗み見られたりしても、履歴が見られてしまうことを抑制することができる。なお、上記効果を得ることができなくなるが、通帳の役割を果たすことも可能となるため、履歴を残すようにしてもよい。
【0079】
また、引き出し情報に基づいて、携帯通信端末1の非接触型ICカード36にチャージ(デポジット)することで、現金を持つ必要がなくなる。これにより、現金が盗まれる被害を防ぐことができる。また、ATM50から直接チャージできることで、一度現金を引き出し、その現金を用いて専用機でチャージを行ったり、クレジットカード決済を用いて専用機でチャージをしたりする必要がなくなる。これにより、操作者の負担を少なくすることができ、処理を簡単にすることができる。
【0080】
なお、上記実施形態では、暗証番号を予め記憶させるようにしたが、暗証番号は、ATM50との通信を行う毎に入力するようにし、携帯通信端末1には、記憶させないようにしてもよい。携帯通信端末1に暗証番号を記憶させないことで、第3者が勝手に利用することを抑制することができる。
【0081】
また、上記実施形態では、ATM50に表示部や操作部を設けたが、本発明を用いることで、携帯通信端末1の表示部に必要な情報を表示させることができる。これにより、ATM50には、表示部、操作部を設けない構成とすることも可能となる。また、口座からの引き出しを非接触型ICカード36への引き出しのみとし、現金の取り扱いを行わない場合は、現金授受部60も必要なくなる。これにより、ATM50の装置構成も簡単にすることができる。
【0082】
また、上記実施形態では、高速通信として、電話回線等の通信回線網を利用した通信を利用したが、本発明はこれに限定されない。例えば、赤外線通信や、Bluetooth等の通信網を介さず、携帯通信端末1とATM50との間で直接通信する通信手段も用いることができる。このように、直接通信を行うことで、高速通信による通信もセキュリティを高くすることができる。
【0083】
なお、上記実施形態では、NFC通信を行った後、高速通信を行うようにしたが、通信の順序は、特に限定されないが、二つの通信を平行して処理することが好ましい。これにより、より短時間で処理を行うことが可能となる。
【0084】
また、上記実施形態では、振込み情報、引き出し情報、キャッシュカード情報等をやりとりする場合で説明したが、やりとり(送受信)する情報はこれに限定されず、種々の情報をやり取りすることができる。例えば、ポイント情報や、クーポン情報、利用明細情報等もやり取りすることができる。このような情報をやり取りする場合も、NFC通信と高速通信を併用しているため、短時間で処理をすることができる。
【0085】
また、上記実施形態では、携帯通信端末1とATM50との間での処理として説明したが、これに限定されない。例えば、携帯通信端末とレジとの間での料金の支払いに用い、NFC通信で料金の支払いを行い、高速通信でポイント情報や、クーポン情報を受信するようにしてもよい。また、支払いの方法を選択、つまり、電子マネーの種類を指定する処理を高速通信により行うようにすることで、支払い時に操作者が電子マネーの種類を指定する操作を入力する必要がなくなる。
【産業上の利用可能性】
【0086】
以上のように、本発明にかかる携帯通信端末、通信システム及び通信方法は、複数の通信機能を有する携帯通信端末での通信に用いることに有用である。
【符号の説明】
【0087】
1 携帯通信端末
1C 筐体
1CA 第1筐体
1CB 第2筐体
2M メインディスプレイ
3 操作キー
4 方向及び決定キー
5 マイク
6 レシーバ
18 ヒンジ
22 主制御部
24 記憶部
26 通信部
28 操作部
29 入力データ取得部
30 音声処理部
32 表示部
33 表示制御部
36 非接触型ICカード
50 現金自動預け払い機(ATM)
52 制御部
54 短距離無線通信部
56 通信部
58 記憶部
60 現金授受部
62 表示部
64 操作部
70 ホストコンピュータ
80 サーバ
100 通信システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信機能を有する端末と通信を行う携帯通信端末であって、
前記端末とNFC通信を行う第1通信部と、
前記端末と前記NFC通信よりも早い通信速度で通信を行う第2通信部と、
セキュリティ度合いの高い第1データと、前記第1データよりもセキュリティ度合いが低い第2データとを記憶する記憶部と、
前記端末との通信の際に、前記第1通信部から前記端末に前記第1データを送信させるとともに、前記第2通信部から前記端末に前記第2データを送信させる制御部と、を有することを特徴とする携帯通信端末。
【請求項2】
前記第1通信部による通信の開始後に前記第2通信部による通信を開始させることを特徴とする請求項1に記載の携帯通信端末。
【請求項3】
前記端末は、現金自動預け払い機であり、
前記第1通信部及び前記第2通信部は、前記記憶部に記憶された振込みデータと引き出しデータの少なくとも一方を前記現金自動預け払い機に送信することを特徴とする請求項1または2に記載の携帯通信端末。
【請求項4】
前記第1通信部及び前記第2通信部は、複数の振込みデータを一緒に送信することを特徴とする請求項3に記載の携帯通信端末。
【請求項5】
振込みデータ及び引き出しデータを入力する入力部を有することを特徴とする請求項3または4に記載の携帯通信端末。
【請求項6】
前記制御部は、振込みデータ及び引き出しデータの少なくとも一方の送信後に、前記記憶部から送信したデータを削除することを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載の携帯通信端末。
【請求項7】
前記第1通信部及び前記第2通信部は、前記現金自動預け払い機で処理されなかったデータを受信して、前記記憶部に記憶させることを特徴とする請求項3から6のいずれか1項に記載の携帯通信端末。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の携帯通信端末と、
前記第1通信部とNFC通信を行う第3通信部及び前記第2通信部と通信を行う第4通信部を有する端末とを備えることを特徴とする通信システム。
【請求項9】
携帯通信端末と他の端末との間で通信を行う通信方法であって、
送信するデータをセキュリティ度合いの高い第1データと、前記第1データよりもセキュリティ度合いが低い第2データに振り分け、
前記第1データを、NFC通信で端末に送信し、
前記第2データを、前記NFC通信よりも早い通信速度で前記端末に送信することを特徴とする通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−97189(P2011−97189A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−246962(P2009−246962)
【出願日】平成21年10月27日(2009.10.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】