説明

携帯電子機器、接触操作制御方法および接触操作制御プログラム

【課題】利用者に対して多様な操作方法を提供することができ、直感的な操作が可能となる携帯電子機器、接触操作制御方法および接触操作制御プログラムを提供することにある。
【解決手段】筐体と、筐体の第1面に配置されて画像を表示可能な表示部と、筐体の第1面に隣接する第2面に配置され、接触を検出可能な接触検出部と、順序が設定された複数の画像のうち1つの画像を表示部に表示させている状態で、接触検出部で予め設定した特定接触操作が検出された場合、設定された順序に基づいて複数の画像を切り換えて表示部に表示させる制御部と、を有することで上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電子機器、接触操作制御方法および接触操作制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、直感的な操作を可能にするとともに、キーボードのように物理的に大きな面積を必要とするデバイスを具備しない小型の電子機器を実現するために、タッチパネルが広く利用されるようになっている。タッチパネルを備える電子機器では、タッチパネルによって検出されるタップ等の動作に対して特定の処理が割り当てられる(例えば、特許文献1)。また、タッチパネル上にボタンを表示し、当該ボタンへの操作に基づいて表示を変更する電子書籍ビューワもある(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−164794号公報
【特許文献2】特開2010−009014号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、タッチパネルによって検出される動作は、タップ、フリック、スイープ等の数種類に過ぎない。このため、タッチパネルを備える従来の電子機器では、利用者に対して多様な操作方法を提供することができなかった。また、電子機器がタッチパネルにボタンを表示しそのボタンへの操作に基づいて表示を制御する場合、利用者は、各ボタンの操作を記憶しておく必要があり、直感的に操作しにくいことがある。また、タッチパネルにボタンを表示すると、その分の領域に画像を表示することができなくなり、表示領域が小さくなる。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、利用者に対して多様な操作方法を提供することができ、利用者が直感的な操作が可能となる携帯電子機器、接触操作制御方法および接触操作制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、携帯電子機器であって、筐体と、前記筐体の第1面に配置されて画像を表示可能な表示部と、前記筐体の前記第1面に隣接する第2面に配置され、接触を検出可能な接触検出部と、順序が設定された複数の画像のうち1つの画像を前記表示部に表示させている状態で、前記接触検出部で予め設定した特定接触操作が検出された場合、前記設定された順序に基づいて前記複数の画像を切り換えて前記表示部に表示させる制御部と、を有することを特徴とする。
【0007】
ここで、前記制御部は、前記画像を捲られる態様を表示させつつ、前記表示部に表示させる画像を切り換えることが好ましい。
【0008】
また、前記特定接触操作は、スライド操作であることが好ましい。
【0009】
また、前記特定接触操作は、前記第1面から離れる方向に移動するスライド操作であることが好ましい。
【0010】
また、前記制御部は、前記スライド操作の移動速度が速くなるほど、前記画像の切換速度を速くすることが好ましい。
【0011】
また、前記制御部は、前記接触検出部で前記特定接触操作が検出されている間、前記表示部に表示させる画像を順次切り換え、前記接触検出部で前記特定接触操作が検出されない状態となった場合、前記画像の切り換えを停止し、前記表示部に停止時の画像を表示させることが好ましい。
【0012】
また、前記接触検出部は、前記第2面のうち、前記第1面の角に隣接する領域を含む領域に配置され、前記特性接触操作は、前記第1面の角に隣接する領域に入力される操作であることが好ましい。
【0013】
また、前記制御部は、前記特定接触操作に対応する領域において画像を順次切り換えて前記表示部に表示させることが好ましい。
【0014】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、筐体と前記筐体の第1面に配置されて画像を表示可能な表示部と前記筐体の前記第1面に隣接する第2面に配置され、接触を検出可能な接触検出部とを有する携帯電子機器の接触操作制御方法であって、前記接触検出部で接触を検出するステップと、順序が設定された複数の画像のうち1つの画像を前記表示部に表示させている状態で、前記接触検出部で予め設定した特定接触操作が検出された場合、前記設定された順序に基づいて前記複数の画像を切り換えて前記表示部に表示させるステップと、を含むことを特徴とする。
【0015】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、接触操作制御プログラムであって、筐体と前記筐体の第1面に配置されて画像を表示可能な表示部と前記筐体の前記第1面に隣接する第2面に配置され、接触を検出可能な接触検出部とを有する携帯電子機器に、前記接触検出部で接触を検出するステップと、順序が設定された複数の画像のうち1つの画像を前記表示部に表示させている状態で、前記接触検出部で予め設定した特定接触操作が検出された場合、前記設定された順序に基づいて前記複数の画像を切り換えて前記表示部に表示させるステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る携帯電子機器、接触操作制御方法および接触操作制御プログラムは、利用者に対して多様な操作方法を提供することができ、利用者は直感的な操作が可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、携帯電話端末の外観を示す斜視図である。
【図2】図2は、携帯電話端末の外観を示す正面図である。
【図3】図3は、携帯電話端末の機能的な構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、側面接触センサによって検出される操作に応じて主制御部が実行する制御の例を示す図である。
【図5】図5は、携帯電話端末の動作を示すフローチャートである。
【図6】図6は、携帯電話端末の動作を示すフローチャートである。
【図7】図7は、携帯電話端末の他の実施形態の外観を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。以下においては、電子機器の一例として携帯電話端末について説明するが、本発明の適用対象は携帯電話端末に限定されるものではなく、各種装置、例えば、PHS(Personal Handy-phone System)、PDA、ポータブルナビゲーション装置、パーソナルコンピュータ、ゲーム機等に対しても本発明は適用できる。
【0019】
(実施形態)
まず、図1および図2を参照しながら、本発明に係る電子機器の一実施形態である携帯電話端末1の外観について説明する。図1は、携帯電話端末1の外観を示す斜視図である。図2は、携帯電話端末1の外観を示す正面図である。図1および図2に示すように、携帯電話端末1は、面積が他の面よりも広い2つの面を有する略六面体形状の筐体を有し、その筐体の表面にタッチパネル2と、入力部3と、側面接触センサ4と、スピーカ7と、マイク8とを備える。
【0020】
タッチパネル2は、面積が最も広い面(正面、第1面)の1つに設けられ、文字、図形、画像等を表示するとともに、指、スタイラス、ペン等(以下、単に「指」という)を用いてタッチパネル2に対して行われる各種操作を検出する。なお、タッチパネル2が各種操作を検出する方式は、静電容量式、感圧式等の任意の方式であってよい。入力部3は、所定の機能が割り当てられたボタン3A、ボタン3Bおよびボタン3C等の複数のボタンからなる。スピーカ7は、通話相手の音声や、各種プログラムによって再生される音楽や効果音等を出力する。マイク8は、通話時や音声による操作の受付時に音声を取得する。
【0021】
側面接触センサ4は、タッチパネル2が設けられている面と接する面(側面、第2面)の全周に設けられ、指を用いて側面接触センサ4に対して行われる各種操作を検出する。以下、説明のために、側面接触センサ4の各部分を、タッチパネル2が設けられている面が正面であるものとして、右側面に設けられた部分を右側面センサ22とし、左側面に設けられた部分を左側面センサ24とし、上側面に設けられた部分を上側面センサ26とし、下側面に設けられた部分を下側面センサ28とし、右上側面に設けられた部分を右上側面センサ30とし、左上側面に設けられた部分を左上側面センサ32とし、右下側面に設けられた部分を右下側面センサ34とし、左下側面に設けられた部分を左下側面センサ36とする。側面接触センサ4が各種操作を検出する方式は、静電容量式、感圧式等の任意の方式であってよい。
【0022】
側面接触センサ4の右側面センサ22、左側面センサ24、上側面センサ26、下側面センサ28、右上側面センサ30、左上側面センサ32、右下側面センサ34、左下側面センサ36と(以下、これらのセンサをまとめて単に「側面センサ」ともいう。)は、複数点の接触を検出することができる。例えば、右側面センサ22に2本の指を接触させた場合、右側面センサ22は、2本の指が接触している位置でそれぞれ指が接触していることを検出する。また、側面センサは、正面に直交する方向にも複数の計測点を備えており、正面に直交する方向における接触の変化(接触点の変化)も検出することができる。
【0023】
携帯電話端末1は、タッチパネル2に加えて側面接触センサ4を備えることにより、以下に説明するように、直感的で使い勝手のよい多様な操作方法を利用者に提供する。
【0024】
次に、図3を参照しながら、携帯電話端末1の機能的な構成について説明する。図3は、携帯電話端末1の機能的な構成を示すブロック図である。図3に示すように携帯電話端末1は、タッチパネル2と、入力部3と、側面接触センサ4と、電源部5と、通信部6と、スピーカ7と、マイク8と、記憶部9と、主制御部10と、RAM(Random Access Memory)11とを有する。
【0025】
タッチパネル2は、表示部2Bと、表示部2Bに重畳されたタッチセンサ2Aとを有する。タッチセンサ2Aは、指を用いてタッチパネル2に対して行われた各種操作を、操作が行われた場所のタッチパネル2上での位置とともに検出し、主制御部10に通知する。タッチセンサ2Aによって検出される操作には、タップ操作やスイープ操作が含まれる。表示部2Bは、例えば、液晶ディスプレイ(LCD、Liquid Crystal Display)や、有機EL(Organic Electro−Luminescence)パネルなどで構成され、文字や図形等を表示する。
【0026】
入力部3は、物理的なボタン等を通じて利用者の操作を受け付け、受け付けた操作に対応する信号を主制御部10へ送信する。側面接触センサ4は、右側面センサ22と、左側面センサ24と、上側面センサ26と、下側面センサ28と、右上側面センサ30と、左上側面センサ32と、右下側面センサ34と、左下側面センサ36と、を含み、これらのセンサに対して行われた各種操作を、操作が行われた場所の位置とともに検出し、主制御部10に通知する。電源部5は、蓄電池または外部電源から得られる電力を、主制御部10を含む携帯電話端末1の各機能部へ供給する。
【0027】
通信部6は、基地局によって割り当てられるチャネルを介し、基地局との間でCDMA方式などによる無線信号回線を確立し、基地局との間で電話通信及び情報通信を行う。スピーカ7は、主制御部10から送信される音声信号を音声として出力する。マイク8は、利用者等の音声を音声信号へ変換して主制御部10へ送信する。
【0028】
記憶部9は、例えば、不揮発性メモリや磁気記憶装置であり、主制御部10での処理に利用されるプログラムやデータを保存する。記憶部9に記憶されるプログラムには、メールプログラム9Aと、ブラウザプログラム9Bと、画面制御プログラム9Cと、接触操作制御プログラム9Dとが含まれる。また、記憶部9に記憶されるデータには、側面接触動作定義データ9Eが含まれる。記憶部9は、携帯電話端末1の基本的な機能を実現するオペレーティングシステムプログラムやアドレス帳データ等のその他のプログラムやデータも記憶する。なお、記憶部9は、メモリカード等の可搬の記憶媒体と、記憶媒体の読み取り装置との組み合わせとして構成されていてもよい。
【0029】
メールプログラム9Aは、電子メール機能を実現するための機能を提供する。ブラウザプログラム9Bは、WEBブラウジング機能を実現するための機能を提供する。画面制御プログラム9Cは、他のプログラムが提供する機能と協業して、タッチパネル2に文字や図形等を表示させる。接触操作制御プログラム9Dは、タッチセンサ2Aおよび側面接触センサ4によって検出される各種の接触操作に応じた処理を実行するための機能を提供する。側面接触動作定義データ9Eは、側面接触センサ4の検出結果に応じて起動される機能についての定義を保持する。
【0030】
主制御部10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)であり、携帯電話端末1の動作を統括的に制御して各種の機能を実現する。具体的には、主制御部10は、記憶部9に記憶されているデータやRAM11に展開したデータを必要に応じて参照しつつ、記憶部9に記憶されているプログラムに含まれる命令を実行して、表示部2Bや、通信部6等を制御することによって各種機能を実現する。なお、主制御部10が実行するプログラムや参照するデータは、通信部6による無線通信でサーバ装置からダウンロードすることとしてもよい。
【0031】
主制御部10は、例えば、メールプログラム9Aを実行することによって、電子メール機能を実現する。また、主制御部10は、接触操作制御プログラム9Dを実行することによって、タッチセンサ2Aおよび側面接触センサ4によって検出される各種の接触操作に応じて対応する処理を実行する機能を実現する。また、主制御部10は、画面制御プログラム9Cを実行することによって、各種機能で用いられる画面等をタッチパネル2に表示させる機能を実現する。なお、主制御部10は、オペレーティングシステムプログラムによって提供されるマルチタスク機能によって、複数のプログラムを並行して実行できるものとする。
【0032】
RAM11は、主制御部10によって実行されるプログラムの命令、主制御部10が参照するデータ、主制御部10の演算結果等が一時的に記憶される記憶領域として利用される。
【0033】
次に、図4を参照しながら、側面接触センサ4によって検出される操作に応じて主制御部10が実行する制御の例について説明する。図4は、側面接触センサによって検出される操作に応じて主制御部が実行する制御の例を示す図である。図4は、側面接触センサ4と操作対象の画面と指との関係を模式的に示す図である。
【0034】
図4に示す携帯通信端末1は、タッチパネル2の短手方向が縦向き(上下方向)となる向きで利用者の右手50により支持されている。具体的には、右手50の親指52と他の指(主に人差し指)で携帯通信端末1の筐体を挟み込むことで支持している。また、利用者は、右手の親指52が左下側面センサ36に接触している。
【0035】
このように、右手50の親指52が左下側面センサ36に接触している場合、携帯通信端末1は、図4に示すように親指52の接触点62での接触を左下側面センサ36が検出する。左下側面センサ36は、接触点62で接触を検出する。さらに、利用者は、右手の親指52が左下側面センサ36に接触している状態で、親指52を左下側面センサ36に接触した状態を維持しつつ接触点62を矢印68の方向に移動させる、つまり、親指52をタッチパネル2から離れる方向に移動させるスライド操作を入力する。親指52でスライド操作が入力された場合、携帯通信端末1は、接触点62の移動を左下側面センサ36で検出する。
【0036】
主制御部10は、このように、側面接触センサ4で、画像切換操作(特定接触操作)が検出された場合、接触操作制御プログラム9Dが提供する機能に基づいて、タッチパネル2に表示されている画像を変化させる。ここで、タッチパネル2に画像を表示させているオブジェクトは、複数の画像と当該画像を表示させる順序の情報を備えている画像ユニットを表示させるオブジェクトである。図4に示す携帯電話端末1は、画像70を表示している状態で、画像切換操作を検出した場合であり、画面70の次に表示させる画像72、画像72の次に表示させる画像74、画像74の次に表示させる画像76と、表示する画像が順次捲られる(順次切り換えられる)。なお、タッチパネル2は、積層された紙を捲る場合に各紙に生じる挙動を再現した画像を表示しつつ、表示する画像を切り換える。また、携帯電話端末1は、図4に示す状態で画像切換操作の入力が終了した場合、つまり親指52のスライド操作が停止した場合、タッチパネル2に画像76を表示させる。
【0037】
このように、携帯電話端末1は、側面接触センサ4で画像切換操作が検出されると、タッチパネル2に表示されている画像を切り換える。具体的には、携帯電話端末1は、複数枚の表示順序が設定されている画像、つまり、複数ページで構成される画像ユニットのページを捲る処理(ページ送り処理)を実行する。これにより、利用者は、簡単な操作でオブジェクトのページを捲る処理を行うことができる。また、筐体の角であり、画像の隅に対応した左下側面センサ36にスライド操作が入力された場合、画面切換処理を実行することで、入力した操作の操作感覚と実行される処理とが、ボタンのクリック操作、指のスライド操作等よりも近くすることができる。本や紙束の端で指をスライドさせてページを送る動作に似ているスライド操作でページ送りを実行することができる。これにより直感的な操作が可能となる。
【0038】
また、携帯電話端末1は、側面接触センサ4で画像切換操作が検出され、表示させる画像を切り換える処理を行う場合、図4に示すようにタッチパネル2に画像(ページ)が捲れるアニメーション(動画)、画像を表示させることが好ましい。これにより、携帯電話端末1は、スライド操作を入力して、ページが捲られている(画像が切り換えられている)ことを利用者に直感的に理解させることができる。
【0039】
なお、画面切換操作で画像を切り換える対象の画像ユニットは、表示順序が設定された複数の画像であればよく、種々の画像ユニットを用いることができる。例えば1つのフォルダに保存された複数の画像データを表示させるオブジェクトにも用いることができる。また、複数ページの文書データ、プレゼンテーション用の資料を表示させるオブジェクトにも用いることができる。また、本のページを1枚の画像として表示させるオブジェクトにも用いることができる。
【0040】
また、携帯電話端末1は、画像切換操作で入力されるスライド操作のスライド量や、スライド時間に基づいて、画像の送り量、切り換える画像の数を決定すればよい。なお、本実施形態のように、正面に垂直な方向のスライド操作を検出する場合は、親指52で繰り返し、左下側面センサ36の同一位置に接触する操作をスライド操作として検出すればよい。また、その際の指の接触回数をスライド量として算出してもよい。
【0041】
また、携帯電話端末1は、スライド操作の操作速度に基づいて画像の切換速度(画面の切換数)つまりページの送り量を調整することが好ましい。具体的には、スライド操作の移動速度が速くなるほど、画像の切換速度を速くすることが好ましい。つまり、スライド操作のスライド量(指の移動量)が同じである場合も、そのスライド操作の速度が速いほどより多くの画像を捲る、つまり、より先の表示順序の画像を表示させる状態にすることが好ましい。これにより、画像の切換速度を好適に調整することができる。
【0042】
なお、携帯通信端末1は、本実施形態のように、側面接触センサ4のうち左下側面センサ36で検出したスライド操作のみを画像切換操作することが好ましい。これにより、側面接触センサ4で検出できる他の側面センサへのスライド操作を含む他の操作に種々の処理を割り当てることができる。なお、左下側面センサ36で検出したスライド操作に限定されず、スライド操作のうち任意の位置のスライドを画像切換操作とすることで、上記効果を得ることができる。なお、左下側面センサ36を含む右上側面センサ30、左上側面センサ32、右下側面センサ34のいずれかで検出したスライド操作を画像切換操作とすることが好ましい。これにより、画像切換操作を紙の角を触ってページを捲る動作に近い動作とすることができる。
【0043】
次に、図5を参照しながら、接触操作の検出時の携帯電話端末1の動作について説明する。図5は、携帯電話端末の動作を示すフローチャートである。図5に示す処理手順は、接触操作制御プログラム9Dが提供する機能に基づいて繰り返し実行される。
【0044】
携帯電話端末1の主制御部10は、ステップS12として、対象オブジェクト表示中であるかを判定する。ここで、対象オブジェクトとは、画像切換操作で操作対象とすることができるオブジェクトである。主制御部10は、ステップS12で対象オブジェクトが表示されていない(No)と判定したら、ステップS12に進む。つまり、主制御部10は、対象オブジェクトが表示された状態となるまで、ステップS12の処理を繰り返す。
【0045】
主制御部10は、ステップS12で対象オブジェクトが表示中である(Yes)と判定したら、ステップS14として、側面接触があるか、つまり側面接触センサ4によっていずれかの側面への接触が検出されたかを判定する。主制御部10は、ステップS14で側面接触なし(No)、つまり側面への接触が検出されていないと判定したら、ステップS12に進む。また、主制御部10は、ステップS14で側面接触あり(Yes)、つまり側面への接触が検出されていると判定したら、ステップS16として、画像切換操作かを判定する。
【0046】
ここで、図6を用いてステップS16の判定について説明する。ここで、図6は、携帯電話端末の動作を示すフローチャートである。なお、図6に示す処理は、画像切換操作として図4に示す操作(左下側面センサ36へのスライド操作)が定義されている場合である。主制御部10は、ステップS40として、左下側面センサ36に接触があるかを判定する。つまり、左下側面センサ36で接触を検出しているかを判定する。主制御部10は、ステップS40で左下側面センサ36への接触ではない(No)と判定したら、ステップS46に進む。
【0047】
主制御部10は、ステップS40で左下側面センサ36が接触を検出している(Yes)と判定したら、ステップS42として、スライド操作であるかを判定する。主制御部10は、ステップS42でスライド操作ではない(No)と判定したら、ステップS46に進む。
【0048】
主制御部10は、ステップS42でスライド操作である(Yes)と判定したら、ステップS44として、検出した操作が画像切換操作であると判定する。また、主制御部10は、ステップS40またはS42でNoと判定したら、ステップS46として、その他の操作である、つまり画像切換操作ではないと判定する。主制御部10は、ステップS44またはS46の処理を実行したら、本判定処理を終了する。なお、主制御部10は、画像切換操作として定義されている操作に応じて、判定方法は変化する。
【0049】
図5に戻り、本処理の説明を続ける。主制御部10は、ステップS16で画像切換操作ではない(No)と判定したら、ステップS18として入力操作に応じた処理を実行する。なお、主制御部10は、側面接触動作定義データ9Eに記憶されている対応関係と入力操作とを比較することで、実行する処理を特定する。その後、主制御部10は、特定した処理を実行し、ステップS28に進む。
【0050】
主制御部10は、ステップS16で画像切換操作である(Yes)と判定したら、ステップS20として、スライド量を算出する。つまり、左下側面センサ36で検出した接触点の移動量を算出する。主制御部10は、ステップS20でスライド量を算出したら、ステップS22としてオブジェクトの表示を変更する。具体的には、主制御部10は、ステップS20で算出したスライド量に基づいて画像の切換量、何枚先の画像を表示させる画像とするか、つまり何枚分の画像の表示を飛ばすかを算出する。その後、主制御部10は、算出した切換量に基づいて、算出した枚数分先の画像をタッチパネル2に表示させる。また、表示させる画像を切り換える際には、上述したように画像を捲るアニメーションまたは画像を表示させる。
【0051】
主制御部10は、ステップS22の処理を行ったら、ステップS26として、画像切換操作が終了かを判定する。なお、画像切換操作が終了したかは、種々の基準で判定することができ、例えば、側面接触センサ4で接触を検出しない状態となっている場合、画像切換操作が終了したと判定することができる。
【0052】
主制御部10は、ステップS26で画像切換操作終了ではない(No)と判定したら、ステップS20に進む。主制御部10は、画像切換操作が終了するまで、移動距離に応じた表示の変更処理を繰り返す。主制御部10は、ステップS26で画像切換操作終了である(Yes)と判定したら、ステップS28に進む。
【0053】
主制御部10は、ステップS18の処理を行ったらまたはステップS26でYesと判定したら、ステップS28として、処理終了か、つまり側面接触センサ4による操作の検出を終了するかを判定する。主制御部10は、ステップS28で処理終了ではない(No)と判定したら、ステップS12に進む。主制御部10は、ステップS28で処理終了である(Yes)と判定したら、本処理を終了する。
【0054】
なお、本実施形態に係る携帯電話端末1は、側面に対する操作を受け付けるとともに、側面で受け付けた操作に応じて処理を実行するように構成されているので、利用者に対して多様な操作方法を提供することができる。つまり、図5に示すように、側面接触センサ4で検出した接触が画像切換操作ではない場合は、その入力に応じた処理を実行することで、種々の操作を入力することができる。例えば、左下側面センサ36へのスライド操作に対しては、算出した枚数分表示画像を切り換える処理を行い、他の側面センサへのスライド操作に対しては、現在表示させている画像内における表示位置の移動処理や、カーソルの移動処理を行うこともできる。
【0055】
なお、上記の実施形態で示した本発明の態様は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に変更することができる。
【0056】
また、上記実施形態では、側面接触センサ4として、筐体の4辺(側面の4つの面)および正面の四隅に対応する領域(側面の各辺の連結部分の4箇所)それぞれに側面センサを配置したがこれに限定されない。側面への接触を検出する側面センサは必要な位置に配置すればよい。ここで、図7は、携帯電話端末の他の実施形態の外観を示す斜視図である。例えば、図7に示す携帯電話端末80は、側面接触センサ82を有する。側面接触センサ82は、筐体の側面の正面の四隅に対応する領域(側面の各辺の連結部分の4箇所)のそれぞれに側面センサを配置した構成である。なお、図7では、四隅のうち、左上側面センサ84と、左下側面センサ86のみを示しているが、右上側面センサと、右下側面センサも配置されている。左上側面センサ84は、図7中に点で示すように接触を検出する検出素子88が正面に直交する方向に列状に配置されている。また、左下側面センサ86も、接触を検出する検出素子88が正面に直交する方向に列状に配置されている。左上側面センサ84と左下側面センサ86は、正面に直交する方向に配置した複数の検出素子88のそれぞれで接触を検出することで、指の正面に直交する方向への移動を検出し、上述したスライド操作を検出することができる。図7に示すように、筐体の側面のうち正面の四隅に対応する領域のみに側面センサを配置することでも上述の画像切換操作を検出し、画像を切り換える処理を実行することができる。なお、側面接触センサ4は、四隅のそれぞれに側面センサを配置する構成にも限定されず、側面の少なくとも一箇所に接触を検出する側面センサを設ければよい。
【0057】
また、携帯電話端末1は、スライド操作の方向によって異なる処理を実行するようにしてもよい。例えば、図4に示すように、正面に直交する方向でかつ正面から離れる方向のスライド操作を画像切換操作として画面切換処理を実行し、正面に直交する方向でかつ正面に向かう方向のスライド操作は別の操作として検出し他の処理を実行するようにしてもよい。この場合、図4に示すように、正面に直交する方向でかつ正面から離れる方向のスライド操作を画像切換操作とすることで、より直感的に操作を入力することができる。
【0058】
また、操作を直感的に入力できるため、上記実施形態では、筐体の側面の正面の四隅に対応する領域の側面センサに対する、正面に直交する方向のスライド操作を画像切換操作としたが、これに限定されない。例えば、筐体の4辺(側面の4つの面)のいずれかに入力された正面に直交する方向のスライド操作を画像切換操作としてもよい。また、スライド操作のスライド方向(指および接触点の移動方向)も正面に直交する方向に限定されず、正面に平行な方向、つまり側面の延在方向に平行な方向のスライド操作を画像切換操作として設定してもよい。また、指の移動と画像の切換を対応付けできるため、スライド操作を画像切換操作とすることが好ましいが、側面接触センサへの接触(例えば、同一位置への接触)を画面切換操作としてもよい。なお、この場合は、筐体の側面の正面の四隅に対応する領域への接触を画面切換操作とし、他の側面センサへの接触は他の操作とすることで、種々の操作を入力することができる。また、側面センサへの接触を画面切換操作とすることで、紙束、本の側面に触れる動作を画面切換操作とできるため、直感的に操作を入力することができる。
【0059】
また、上記実施形態の携帯電子機器は、画面切換操作が入力された場合、画像の表示領域の全領域を切り換えるようにしたが、つまりタッチパネルに表示する画像を全て次の画像に切り換えたがこれに限定されない。携帯電子機器は、画面切換操作が入力された場合、画像の表示領域の一部領域の画像を切り換えるようにしてもよい。つまり、タッチパネルに表示する画像の一部のみを次の画像に切り換え、他の領域はそのままの画像(切り換える前の画像)を表示させてもよい。なお、この場合は、画面切換操作が入力されている部分、つまり接触点に対応する領域(例えば、接触点から一定距離内にある表示領域、表示領域を上下左右に4分割した領域のうち接触点に最も近い領域)だけ、画像が切り換えられるようにすることが好ましい。
【0060】
また、上記の実施形態では、表示手段としてタッチパネルを有する電子機器に本発明を適用する例について説明したが、本発明は、表示手段として、タッチセンサが重畳されていない単なる表示パネルを有する電子機器に適用することもできる。
【符号の説明】
【0061】
1 携帯電話端末
2 タッチパネル
2A タッチセンサ
2B 表示部
3 入力部
4 側面接触センサ
5 電源部
6 通信部
7 スピーカ
8 マイク
9 記憶部
9A メールプログラム
9B ブラウザプログラム
9C 画面制御プログラム
9D 接触操作制御プログラム
9E 側面接触動作定義データ
10 主制御部
11 RAM
22 右側面センサ
24 左側面センサ
26 上側面センサ
28 下側面センサ
30 右上側面センサ
32 左上側面センサ
34 右下側面センサ
36 左下側面センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の第1面に配置されて画像を表示可能な表示部と、
前記筐体の前記第1面に隣接する第2面に配置され、接触を検出可能な接触検出部と、
順序が設定された複数の画像のうち1つの画像を前記表示部に表示させている状態で、前記接触検出部で予め設定した特定接触操作が検出された場合、前記設定された順序に基づいて前記複数の画像を切り換えて前記表示部に表示させる制御部と、を有することを特徴とする携帯電子機器。
【請求項2】
前記制御部は、前記画像を捲られる態様を表示させつつ、前記表示部に表示させる画像を切り換えることを特徴とする請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項3】
前記特定接触操作は、スライド操作であることを特徴とする請求項1または2に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記特定接触操作は、前記第1面から離れる方向に移動するスライド操作であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項5】
前記制御部は、前記スライド操作の移動速度が速くなるほど、前記画像の切換速度を速くすることを特徴とする請求項3または4に記載の携帯電子機器。
【請求項6】
前記制御部は、前記接触検出部で前記特定接触操作が検出されている間、前記表示部に表示させる画像を順次切り換え、
前記接触検出部で前記特定接触操作が検出されない状態となった場合、前記画像の切り換えを停止し、前記表示部に停止時の画像を表示させることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項7】
前記接触検出部は、前記第2面のうち、前記第1面の角に隣接する領域を含む領域に配置され、
前記特性接触操作は、前記第1面の角に隣接する領域に入力される操作であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項8】
前記制御部は、前記特定接触操作に対応する領域において画像を順次切り換えて前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項9】
筐体と前記筐体の第1面に配置されて画像を表示可能な表示部と前記筐体の前記第1面に隣接する第2面に配置され、接触を検出可能な接触検出部とを有する携帯電子機器の接触操作制御方法であって、
前記接触検出部で接触を検出するステップと、
順序が設定された複数の画像のうち1つの画像を前記表示部に表示させている状態で、前記接触検出部で予め設定した特定接触操作が検出された場合、前記設定された順序に基づいて前記複数の画像を切り換えて前記表示部に表示させるステップと、
を含むことを特徴とする接触操作制御方法。
【請求項10】
筐体と前記筐体の第1面に配置されて画像を表示可能な表示部と前記筐体の前記第1面に隣接する第2面に配置され、接触を検出可能な接触検出部とを有する携帯電子機器に、
前記接触検出部で接触を検出するステップと、
順序が設定された複数の画像のうち1つの画像を前記表示部に表示させている状態で、前記接触検出部で予め設定した特定接触操作が検出された場合、前記設定された順序に基づいて前記複数の画像を切り換えて前記表示部に表示させるステップと、
を実行させることを特徴とする接触操作制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−174248(P2012−174248A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−39094(P2011−39094)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】