説明

携帯電話機保持部を備えた衣類

【課題】折り畳み式携帯電話機を嵩張らず、衣類との一体感をもって保持でき、携帯電話機の様々な機種に対応でき、瞬時に携帯電話機を着脱できる携帯電話機保持部を備えた衣類を提供する。
【解決手段】折り畳み式携帯電話機Kの折り畳んだ筐体間に挿入可能な保持部12を衣類11に設け、携帯電話機Kを着脱自在に吊るし掛けて保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り畳み式携帯電話機を着脱自在に保持する携帯電話機保持部を備えた衣類に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機は技術革新により通話だけでなく電子メールやインターネット、カメラ、さらには決済手段としての機能までを持つようになり、若者から熟年者まで幅広い年齢層において一人一台の現代生活の必需品になりつつある。現在、携帯電話機はこれらの情報を表示する大きな画面の必要性から、表示部筐体と操作部筐体とが回動軸を介して連結された折り畳み式のものが主流で、始終身に付けてすぐに使用できることが必要とされているので、上着またはズボンのポケットに入れて携帯している人がほとんどである。また、衣類に取り付けて携帯電話機を保持する携帯電話機保持具として携帯電話機を収納するケースをベルトに取り付けるものが以前より使用されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら携帯電話機を衣類のポケットに入れた場合、携帯電話機の重さで衣服が引っ張られ、厚さでポケットが膨らみ、嵩張りを感じ不快である。また、喧騒の中では着信音を感知し辛いこともある。ケース状の携帯電話機保持具はケース自体が嵩張り、収納できる携帯電話機の大きさが限定され、携帯電話機の出し入れに手間取り、着信時にすぐに取り出せないという問題がある。また、携帯電話機保持具が衣類からの突起物となり腕や上着に引っ掛かり邪魔で、衣類との一体感がなく見栄えが悪かった。このため特に女性においてはファッション上の理由からもほとんど使用されていないのが現状で、邪魔にならず違和感がなく、携帯電話機の着脱がしやすい携帯電話機保持方法が必要とされている。
【0004】
そこで本発明は、上述の問題点を鑑み創出されたもので、保持部が衣類からの突起物とならず邪魔にならず、嵩張らず、衣類との一体感があり見栄えがよく女性でも抵抗なく使用でき、現在主流である折り畳み式の携帯電話機の様々な機種に対応できて、素早く容易に折り畳み式携帯電話機を着脱できる携帯電話機保持部を備えた衣類を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明は、以下の(1)〜(6)に記載の携帯電話機保持部を備えた衣類を提供するものである。
(1)折り畳み式携帯電話機の折り畳んだ筐体間に挿入可能で携帯電話機を着脱自在に吊るし掛けて保持する保持部を設けたことを特徴とする携帯電話機保持部を備えた衣類。
(2)上記保持部は、携帯電話機の折り畳んだ筐体間に挿入可能な薄板状であることを特徴とする(1)に記載の携帯電話機保持部を備えた衣類。
すなわち、折り畳み式携帯電話機の折り畳んだ筐体間に挿入可能で携帯電話機を着脱自在に吊るし掛けて保持する、携帯電話機の折り畳んだ筐体間に挿入可能な薄板状の保持部を設けたことを特徴とする携帯電話機保持部を備えた衣類。
(3)上記保持部は、携帯電話機の挿通孔を有することを特徴とする(1)または(2)に記載の携帯電話機保持部を備えた衣類。
すなわち、携帯電話機の挿通孔を有する、折り畳み式携帯電話機の折り畳んだ筐体間に挿入可能で携帯電話機を着脱自在に吊るし掛けて保持する保持部、好ましくは携帯電話機の折り畳んだ筐体間に挿入可能な薄板状の保持部、を設けたことを特徴とする衣類。
(4)上記保持部は、略U字形であることを特徴とする(1)または(2)に記載の携帯電話機保持部を備えた衣類。
すなわち、略U字形の、折り畳み式携帯電話機の折り畳んだ筐体間に挿入可能で携帯電話機を着脱自在に吊るし掛けて保持する保持部、好ましくは携帯電話機の折り畳んだ筐体間に挿入可能な薄板状の保持部、を設けたことを特徴とする携帯電話機保持部を備えた衣類。
(5)上記保持部は、携帯電話機の折り畳んだ筐体間に挿入可能な紐状であることを特徴とする(1)に記載の携帯電話機保持部を備えた衣類。
すなわち、折り畳み式携帯電話機の折り畳んだ筐体間に挿入可能で携帯電話機を着脱自在に吊るし掛けて保持する、携帯電話機の折り畳んだ筐体間に挿入可能な紐状の保持部を設けたことを特徴とする携帯電話機保持部を備えた衣類。
(6)上記保持部は、取り外せ、付け替え可能であることを特徴とする(1)ないし(5)いずれかに記載の携帯電話機保持部を備えた衣類。
すなわち、折り畳み式携帯電話機の折り畳んだ筐体間に挿入可能で携帯電話機を着脱自在に吊るし掛けて保持する保持部を取り外せ、付け替え可能に設けたことを特徴とする携帯電話機保持部を備えた衣類。
【発明の効果】
【0006】
本発明の携帯電話機保持部を備えた衣類は、保持部が衣類からの突起物とならず、嵩張らず、折り畳み式携帯電話機を衣類との一体感をもって保持でき、ファッションを崩さず女性でも抵抗なく使用できる。また、折り畳み式携帯電話機で保持部を挟んで閉じるのみで携帯電話機を極めて容易に保持でき、保持された携帯電話機は上方へ引き抜くことにより瞬時に使用できる。しかも、折り畳み式携帯電話機の様々な機種が保持可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は表示部筐体と操作部筐体とが回動軸を介して折り畳み可能な携帯電話機を保持する携帯電話機保持部を備えた衣類であり、保持部は折り畳んだ携帯電話機の筐体間を利用して吊るし止めるものである。衣類とはズボン、スカート、ワンピース、シャツ、上着等の身に付けるものである。以下、ズボンを例として本発明の詳細を図面を参照しながら説明する。
【0008】
[実施形態1]
図1は本発明の第1の実施形態に係る携帯電話機保持部を備えた衣類(ズボン)の斜視図であり、図2は同衣類の正面図である。図3は同衣類の使用状態を示す説明図である。図1、図2、図3に示すように本発明の第1の実施形態に係る携帯電話機保持部を備えた衣類10はズボン11であり、折り畳み式携帯電話機Kを吊るし掛けて保持する保持部12を有する。保持部12は略U字形の薄板状で、両上端部がズボン11の腰部上部の内側に縫合されている。
【0009】
保持部12は折り畳み式携帯電話機の折り畳んだ筐体間を利用して吊るし止めるもので、携帯電話機Kの折り畳まれた表示部筐体K1と操作部筐体K2の間に介在可能で、挿入および抜き取りができる薄さである。例えば1mm以下、より好ましくは0.1〜0.5mmの薄さが例示される。折り畳み式携帯電話機は、折り畳んだ状態で操作キーの表面と表示部との干渉を防ぐため、筐体間に上記程の隙間が設けられているのが一般的である。
【0010】
この保持部12をズボン11の外側に垂れ下げて、携帯電話機Kの表示部筐体K1と操作部筐体K2で保持部12を挟んで折り畳み、携帯電話機Kを保持部12に吊るし掛けて保持する。
【0011】
保持部12は、ズボン11の外側に垂れ下げるため折り曲げ可能で、合成樹脂、布、繊維、皮革、紙、金属、ゴム、シリコン等の単一または複合した素材が考えられるが、携帯電話機を保持するための強度を有し、かつ、携帯電話機を傷つけ難いもので、さらに、身体へのフィット感や製造に要するコストを併せ考慮すると、例えば、ナイロン(ポリアミド)繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維等の化学繊維や、テレフォンカードやプリペイドカードのようなポリエチレンテレフタレート(PET)、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の可撓性を有する合成樹脂が好ましいものとして例示される。金属等の硬質素材の場合は、携帯電話機の表面を傷つけないように表面をゴム、布、軟質合成樹脂等で被覆したり、起毛処理等を施すのが好ましい。
【0012】
保持部12の形状は、携帯電話機Kを吊るし掛けることができる形状であればよく、本実施形態のような略U字形の他、後述する実施形態2、3に例示するような円形や四角形等の薄平板に折り畳み式携帯電話機の表示部筐体あるいは操作部筐体のどちらか一方を挿通可能な大きさの挿通孔を設けたものや帯状、紐状であってもよい。また、動物や植物、またはアート、文字、イラスト、キャラクター等の形あるいは柄としてもよい。保持部12に複数の携帯電話機を保持することができるようにしてもよい。
【0013】
保持部12は薄板状で身体に沿って垂れ下がった状態で、衣類からの突起物とならないため、腕や上着が引っ掛かったりせず邪魔にならず、嵩張らず、衣類との一体感があり見栄えがよい。
【0014】
本実施形態の保持部12はズボン11の腰部の内側に縫合され外側に垂れ下げているが、図4のようにズボン11の外側に縫合されていてもよい。また、ポケットの内側に縫合され外側に垂れ下げてもよい。
【0015】
本実施形態ではズボン11製造時、ズボン上部を縫製する時に保持部12を一緒に縫い込んでいるが、ズボン11に保持部12を固定できればよく、接着、熱融着、リベット等の他の固定手段をとってもよい。
【0016】
保持部12のズボン11に固定される部分や、保持部12をズボン11の外側に垂らした時折り曲がる部分は、携帯電話機Kの荷重がかかるため補強されたり、皮革、合成樹脂、金属等の別部材で構成されてもよい。折り曲がる部分は回動軸としてもよい。
【0017】
携帯電話機の着脱方法を説明すると、図3に示すように保持部12をズボンの外側に垂れ下げ、携帯電話機Kを少し開いた状態にし、操作部筐体K2で保持部12を引っ掛けて身体から離れる方向に動かして、表示部筐体K1と操作部筐体K2とで保持部12を挟んで折り畳むと、携帯電話機Kは保持部12を挟んだ状態で下方へ滑り、保持部12が携帯電話機Kの回動軸K3に掛かり、携帯電話機Kは保持部12に吊るし止められる。片手で素早く極めて簡単に携帯電話機Kを吊るし掛けて保持できる。折り畳んだ状態の携帯電話機Kの筐体間に保持部12を挿入するように吊るし掛けてもよい。
【0018】
携帯電話機Kを使用する時は携帯電話機Kを閉じたまま上方へ引き抜くと、携帯電話機Kを吊るし止めていた保持部12が表示部筐体K1と操作部筐体K2の間を滑り抜け、携帯電話機Kは瞬時に保持部12から取り外せて使用可能となる。
【0019】
保持部12は垂れ下がった状態で、保持部12を身体から離すように動かすことで、身体から少し離れた位置で携帯電話機Kを吊るし掛けることが可能で、携帯電話機Kの着脱がしやすい。また、保持部12はウエスト部から垂れ下がり比較的低い位置にあるので、携帯電話機Kの着脱時に肘を大きく曲げることなく楽な動作で着脱でき、上着を着ている時でも上着が邪魔にならず着脱できる。
【0020】
さらに保持部12は垂れ下がった状態であるので、着座等の体位の変動や歩行等の運動によって動く携帯電話機Kに追従して保持部12も動き、携帯電話機Kの動きを規制しないうえ重心位置が低いため携帯電話機Kが落下しにくい。
【0021】
保持部12は衣類からの突起物とならず、腕や上着が引っ掛かったりせず、邪魔にならず、嵩張らず、衣類との一体感があり、見栄えがよく、ファッションを崩さず女性でも抵抗なく使用できる。
【0022】
折り畳んだ携帯電話機の筐体間を利用して吊るし止めるので、折り畳み式携帯電話機であればどのような形状、厚さの機種でも保持できる。また、携帯電話機Kは露出した状態で身体に沿って吊るし下げられるので携帯電話機Kの厚さ以上の突起物がなく、嵩張らず、軽快感があり、携帯電話機Kの背面の表示部も見え、着信音も聞こえやすい。
【0023】
身体と携帯電話機Kの間に上方から指を入れ、身体から離すように動かすことで、携帯電話機Kを上方からつまみやすく、引き抜く方向も上方はもちろん、斜め方向にも引き抜け、携帯電話機Kを引き抜きやすい。
【0024】
保持部12を腰部の内側に縫合すると、携帯電話機Kを保持しない時は図1に示すように保持部12をズボンの内側に垂らすことで保持部を全て隠してしまうことができ、保持部12が邪魔にならない。
【0025】
[実施形態2]
図5は本発明の第2の実施形態に係る携帯電話機保持部を備えた衣類の使用状態を示す説明図である。図5に示すように、本発明の第2の実施形態に係る携帯電話機保持部を備えた衣類20はズボン21であり、折り畳み式携帯電話機Kを吊るし掛けて保持する保持部22を有する。
【0026】
保持部22は携帯電話機Kの折り畳まれた表示部筐体K1と操作部筐体K2の間に挿入および抜き取りができる薄さの帯状の薄板で、両端にボタン孔23を有し、ズボン21の腰部内側にはボタン24が複数取り付けられており、保持部22のボタン孔23にこのボタン24を留めて保持部22がズボン21に取り付けられている。
【0027】
保持部22は折り畳み式携帯電話機の折り畳んだ筐体間を利用して吊るし止めるもので、折り畳み式携帯電話機Kの折り畳まれた表示部筐体K1と操作部筐体K2の間に挿入および抜き取りができる薄さである。例えば1mm以下、好ましくは0.1〜0.5mmの薄さが例示される。折り畳み式携帯電話機は、折り畳んだ状態で操作キーの表面と表示部との干渉を防ぐため、筐体間に上記程の隙間が設けられているのが一般的である。
【0028】
この保持部22をズボン21の外側に垂れ下げて携帯電話機Kの表示部筐体K1と操作部筐体K2で保持部22を挟んで折り畳み、携帯電話機Kを保持部22に吊るし掛けて保持する。
【0029】
保持部22は、ズボン21の外側に垂れ下げるため折り曲げ可能で、合成樹脂、布、繊維、皮革、紙、金属、ゴム、シリコン等の単一または複合した素材が考えられるが、携帯電話機を保持するための強度を有し、かつ、携帯電話機を傷つけ難いもので、さらに、身体へのフィット感や製造に要するコストを併せ考慮すると、例えば、ナイロン(ポリアミド)繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維等の化学繊維や、テレフォンカードやプリペイドカードのようなポリエチレンテレフタレート(PET)、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の可撓性を有する合成樹脂が好ましいものとして例示される。金属等の硬質素材の場合は、携帯電話機の表面を傷つけないように表面をゴム、布、軟質合成樹脂等で被覆したり、起毛処理等を施すのが好ましい。
【0030】
このように構成すると、保持部22を取り付ける位置を身体の前後左右、自分が使いやすい位置に調整できる。さらに保持部が帯状の場合は図5に示すように、両端の取り付けの幅を狭くしたり、広くしたりすることで保持部22の垂れ下がり具合を調節できる。また、保持部22は帯状で長いので、携帯電話機Kを吊し掛け可能な場所が腰回りに長くなり、携帯電話機Kの吊るし掛けがしやすく、また複数の携帯電話機を保持することもできる。
【0031】
図6は携帯電話機保持部を備えた衣類20の別の保持部22aを示す図である。保持部22aは折り畳み式携帯電話機の折り畳まれた表示部筐体と操作部筐体の間に挿入および抜き取りができる薄さの帯状の薄板で両端が皮革製の帯状体25に連結され、帯状体25がズボンに取り付けられる。保持部22aズボンの外側に垂れ下げて折り畳み式携帯電話機の表示部筐体と操作部筐体とで保持部22aを挟んで折り畳み、携帯電話機を保持部22aに吊るし掛けて保持する。
【0032】
保持部22aと帯状体25の連結は、帯状体25の端部に雄部と雌部が嵌合するスナップボタン26を取り付け、保持部22aの両端に設けた穿孔を通してスナップボタン26を嵌合し、連結している。
【0033】
帯状体25は端部にボタン孔23を有し、ズボン21の腰部内側にはボタン24が複数取り付けられており、帯状体25のボタン孔23にこのボタン24を止めて帯状体25がズボン21に取り付けられる。
【0034】
保持部22aと帯状体25の連結は雄部と雌部が嵌合するスナップボタン26によるものとしたが、保持部22aと帯状体25とを連結できるものであればよく、フック、連結環、リベット、通常ボタン等としてもよい。
【0035】
帯状体25は鎖、連結環等でもよく、保持部はこのように別部材を介してズボン21に取り付けられていてもよい。
【0036】
図7は携帯電話機保持部を備えた衣類(ズボン)20のさらに別の保持部22bを示す斜視図である。保持部22bを、折り畳み式携帯電話機の折り畳まれた表示部筐体と操作部筐体の間に挿入および抜き取りができる薄さの薄平板に折り畳み式携帯電話機の表示部筐体あるいは操作部筐体のどちらか一方を挿通可能な大きさの挿通孔27を設けたものとした。保持部は上部にボタン孔23を有し、ズボン21の腰部内側に複数取り付けられたボタン24に取り付ける。
【0037】
保持部22bをズボン21の外側に垂らして挿通孔27に折り畳み式携帯電話機の表示部筐体K1あるいは操作部筐体のどちらか一方を挿通して表示部筐体と操作部筐体とで保持部22bを挟んで折り畳み、携帯電話機を保持部22bに吊るし掛ける。
【0038】
携帯電話を吊るし掛けるので挿通孔27の横幅は携帯電話機の幅以上であるが、縦幅も携帯電話機の幅以上であることが好ましい。このように形成することで携帯電話機を上方からだけでなく、横方向から挿通しても吊るし掛けることが可能で、携帯電話機の装着の角度が制限されず、また携帯電話機を挿通する空間も広くなり、携帯電話機の吊るし掛けがしやすくなる。
【0039】
保持部22、22a、22bの形状は帯状、挿通孔を有するものの他、携帯電話機Kを吊るし掛けることができる形状であれば、略U字形、円形や多角形等の幾何学形の他、動物や植物、またはアート、文字、イラスト、キャラクター等の形あるいは柄としてもよい。
【0040】
保持部22、22a、22bは薄板状であるので、表面に印刷がしやすく、シート状の素材を型抜きする等して製造することで様々な形に容易に成形でき、上記の多様なバリエーションの展開が容易で、意匠性の高い色柄、形状の保持部を安価に提供できる。表面に家庭用プリンタで印刷可能となる処理を施し、使用者が好みの写真やグラフィックをプリントできるようにしてもよい。
【0041】
保持部22、22a、22bは薄板状で身体に沿って垂れ下がった状態で、衣類からの突起物とならないため、腕や上着が引っ掛かったりせず邪魔にならず、嵩張らず、衣類との一体感があり見栄えがよい。また、保持部22、22a、22bを服装に合わせて付け替えることができ、ファッション性にも優れる。
【0042】
本実施形態ではズボン21側に複数のボタン24を取り付け、保持部22、22b、帯状体25にボタン孔23を設けているが、逆にズボン21側に複数のボタン孔を設け、保持部22、22b、帯状体25にボタンを取り付けてもよい。
【0043】
保持部22、22b、帯状体25とズボン21との取り付けはボタン24によるものとしたが、面ファスナー、スナップボタン、ホック等の他の連結手段としてもよい。また、ボタン孔23や保持部22、22b、帯状体25をズボン21の外側に垂らした時、折り曲がる部分は、携帯電話機Kの荷重がかかるため補強されたり、皮革、合成樹脂、金属等の保持部と別部材で構成されてもよい。折り曲がる部分は回動軸としてもよい。
【0044】
このように構成すると、携帯電話機Kを保持しない時は、保持部22、22a、22bをズボン21の内側に垂らし保持部22、22a、22bを全て隠してしまうことができ、さらに保持部22、22a、22bを取り外してしまうこともでき、保持部22、22a、22bが邪魔にならない。
【0045】
本実施形態ではボタン24はズボン21の内側に設けられているが、ズボン21の外側に設けられてもよい。
【0046】
携帯電話機の着脱方法は実施形態1と同様であり、その説明は省略する。
【0047】
[実施形態3]
図8は本発明の第3の実施形態に係る携帯電話機保持部を備えた衣類(ズボン)の斜視図である。図8に示すように本発明の第3の実施形態に係る携帯電話機保持部を備えた衣類30はズボン31であり、折り畳み式携帯電話機Kを吊るし掛けて保持する保持部32を有する。
【0048】
ズボン上端に舌状部33を形成し、この舌状部33に雄部と雌部が嵌合するスナップボタン34を取り付け、舌状部33をズボンの外側に垂らし、細紐状の保持部32を舌状部33のスナップボタン34の嵌合により固定している。
【0049】
保持部32はピアノ線等の細い金属線の表面をゴム、合成樹脂等で被覆したものや、ナイロン、フロロカーボン、ポリエステル、ポリエチレン等の合成繊維よりなる釣糸(テグス)等の折り畳み式携帯電話機の折り畳まれた表示部筐体と操作部筐体の間に挿入および抜き取りが可能な太さの細紐状(線状体)とし、両端を環状に形成し、スナップボタンに連結し、放物線状に垂れ下げた。
【0050】
保持部32は細紐状であるが、実施形態1、2に例示した略U字形、帯状、挿通孔を有する薄板状等としてもよく、さまざまなものに付け替えることができる。
【0051】
図8では舌状部33をズボン31の上端に形成した例を示したが、舌状部33はズボン31の内側や外側に形成してもよい。また、保持部32と舌状部33の連結はスナップボタンの他、面ファスナー、通常ボタン、ホック等、他の連結手段としてもよい。
【0052】
携帯電話機の着脱方法は実施形態1と同様であり、その説明は省略する。
【0053】
[実施形態4]
図9は本発明の第4の実施形態に係る携帯電話機保持部を備えた衣類(ズボン)の斜視図である。図9に示すように本発明の第4の実施形態に係る携帯電話機保持部を備えた衣類40はズボン41であり、折り畳み式携帯電話機Kを吊るし掛けて保持する保持部42を有する。
【0054】
保持部42は折り畳み式携帯電話機の折り畳んだ筐体間を利用して吊るし止めるもので、携帯電話機Kの折り畳まれた表示部筐体K1と操作部筐体K2の間に挿入および抜き取りができる薄さの帯状の薄板で、保持部42とズボン41との間に携帯電話機Kの一方の筐体を挿入できる空間ができるよう撓んだ状態で保持部42の両端がズボン41に縫合されている。
【0055】
保持部42の両端に細長い穿孔を設け、この穿孔を通してズボン41にリベット等で固定し、保持部42とズボン41との間の空間を調節できるように構成してもよい。
【0056】
本実施形態では保持部42の両端がズボン41に縫合されているが、保持部42とズボン41の連結はボタン、面ファスナー、スナップボタン、ホック等として保持部41が取り外せ、付け替えできるようにしてもよい。また、保持部42をズボン41に複数個取り付けてもよい。
【0057】
携帯電話機の着脱方法を説明すると、図9に示すように携帯電話機Kを少し開いた状態にし、携帯電話機Kの表示部筐体K1あるいは操作部筐体K2のどちらか一方を保持部とズボンとの空間に挿入し、表示部筐体K1と操作部筐体K2とで保持部42を挟んで折り畳むと、携帯電話機Kは保持部42を挟んだ状態で下方へ滑り、保持部42が携帯電話機Kの回動軸K3に掛かり、携帯電話機Kは保持部42に吊るし止められる。片手で素早く極めて簡単に携帯電話機Kを吊るし掛けて保持できる。折り畳んだ状態の携帯電話機Kの筐体間に保持部42を挿入するように吊るし掛けてもよい。
【0058】
携帯電話機Kを使用する時は携帯電話機Kを閉じたまま上方へ引き抜くと、携帯電話機Kを吊るし止めていた保持部42が表示部筐体K1と操作部筐体K2の間を滑り抜け、携帯電話機Kは瞬時に保持部42から取り外せて使用可能となる。
【0059】
保持部42は腕や上着が引っ掛かったりせず、邪魔にならず、嵩張らず、衣類との一体感があり、見栄えがよく、ファッションを崩さず女性でも抵抗なく使用できる。
【0060】
折り畳んだ携帯電話機の筐体間を利用して吊るし止めるので、折り畳み式携帯電話機であればどのような形状、厚さの機種でも保持できる。また、携帯電話機は露出した状態で身体に沿って吊るし下げられるので携帯電話機の厚さ以上の突起物がなく、嵩張らず、軽快感があり、携帯電話機の背面の表示部も見え、着信音も聞こえやすい。
【0061】
上記1〜4の実施形態では保持部を腰部の右側後部に備えたズボンを例示しているが、保持部はズボンの前側や左側にあってもよい。また、ズボンはスカート、ワンピース、シャツ、上着等の衣類としてもよく、保持部は衣類のさまざまな部位、上着やシャツの胴部の内側や外側、腕部、ズボンの脚部等に備えられていてもよい。使用者が保持しやすい場所を選べるように複数の保持部を備えていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明の携帯電話機保持部を備えた衣類が備える保持部は、意匠の自由度が高く、様々な色柄、形状のバリエーション展開が容易であり、意匠性の高い色柄、形状とすることで、新しいファッションとして認知される可能性がある。本発明の携帯電話機保持部を備えた衣類は、折り畳み式携帯電話機の他にも二つに折り畳み可能な物品や吊るし掛け可能な物品、例えば小型コンピュータ、PDA等の携帯情報端末機、CD、MD、メモリープレーヤー等の携帯音楽プレーヤー、さらには文具、工具、眼鏡、財布、小物入れ、タオル、小型鞄等も保持できるものとして応用展開が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】実施形態1に係る携帯電話機保持部を備えた衣類の斜視図。
【図2】実施形態1に係る携帯電話機保持部を備えた衣類の正面図。
【図3】実施形態1に係る携帯電話機保持部を備えた衣類の使用状態を示す説明図。
【図4】実施形態1に係る携帯電話機保持部を備えた衣類の別の態様を示す説明図。
【図5】実施形態2に係る携帯電話機保持部を備えた衣類の使用状態を示す説明図。
【図6】実施形態2に係る携帯電話機保持部を備えた衣類の別の保持部を示す説明図。
【図7】実施形態2に係る携帯電話機保持部を備えた衣類のさらに別の保持部を示す説明図。
【図8】実施形態3に係る携帯電話機保持部を備えた衣類の斜視図。
【図9】実施形態4に係る携帯電話機保持部を備えた衣類の使用状態を示す説明図。
【符号の説明】
【0064】
10、20、30、40 携帯電話機保持部を備えた衣類
11、21、31、41 ズボン
12、22、22a、22b、32、42 保持部
23 ボタン孔
24 ボタン
25 帯状体
26、34 スナップボタン
27 挿通孔
33 舌状部
K 携帯電話機
K1 表示部筐体
K2 操作部筐体
K3 回動軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り畳み式携帯電話機の折り畳んだ筐体間に挿入可能で携帯電話機を着脱自在に吊るし掛けて保持する保持部を設けたことを特徴とする携帯電話機保持部を備えた衣類。
【請求項2】
上記保持部は、携帯電話機の折り畳んだ筐体間に挿入可能な薄板状であることを特徴とする請求項1に記載の携帯電話機保持部を備えた衣類。
【請求項3】
上記保持部は、携帯電話機の挿通孔を有することを特徴とする請求項1または2に記載の携帯電話機保持部を備えた衣類。
【請求項4】
上記保持部は、略U字形であることを特徴とする請求項1または2に記載の携帯電話機保持部を備えた衣類。
【請求項5】
上記保持部は、携帯電話機の折り畳んだ筐体間に挿入可能な紐状であることを特徴とする請求項1に記載の携帯電話機保持部を備えた衣類。
【請求項6】
上記保持部は、取り外せ、付け替え可能であることを特徴とする請求項1ないし5いずれか1項に記載の携帯電話機保持部を備えた衣類。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−114553(P2009−114553A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−285144(P2007−285144)
【出願日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【出願人】(305026253)
【Fターム(参考)】