説明

携帯電話機

【課題】 アラーム音を、マナーモードや消音モード下でも通常通り自動的に発生させたい。
【解決手段】 ステップS21で設定したアラーム時刻に達すると、その時の使用形態がマナーモードまたは消音モードであっても、ステップS22で判定手段が携帯電話機のアラーム機能を目覚まし時計として使用していると判断した場合、ステップS23で強制鳴動手段が作動してサウンダ部13からアラーム音を強制的に鳴らす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設定したアラーム時刻にアラーム音等を生じさせてアラーム通知を行なう携帯電話機のアラーム通知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のアラーム機能を持った携帯電話機では、設定した所定のアラーム時刻にアラーム通知を行なうアラーム通知装置を備えており、このアラーム通知装置によるアラーム通知は、サウンダ部によるアラーム音、もしくはバイブレータによる振動、あるいはLED部による点灯によって行なうように構成している。これらのアラーム通知の選択は、アラーム時刻での携帯電話機の使用形態によって決定され、例えばマナーモードまたは消音モードで使用していた場合、アラーム音は鳴らずにバイブレータによる振動およびLED部による点灯によって行なうのが一般的である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した従来の携帯電話機のアラーム通知装置は、その設定したアラーム時刻に携帯電話機をマナーモードまたは消音モードで使用していた場合、その使用形態ではアラーム音が鳴らないため、普段、マナーモードまたは消音モードで携帯電話機を使用している人が、携帯電話機のアラーム機能を目覚まし時計として使用する場合、少なくても設定したアラーム時刻ではマナーモードまたは消音モードを解除しなければならなかった。一方、携帯電話機のアラーム通知装置では、設定したアラーム時刻に鳴っているアラーム音を携帯電話機のキーの内のいずれか一つを一度押すことで停止できるが、専用の目覚まし時計では、ある特定のスイツチを押すことによってのみ停止できる構成であるため、携帯電話機のアラーム機能を目覚まし時計として使用するには機能的に物足りなく感じることがあった。
【0004】
本発明の目的は、携帯電話機の使用形態に拘わらずアラーム設定時刻にアラーム音を生じさせることができるようにした携帯電話機のアラーム通知装置を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記目的を達成するために、アラーム時刻を記憶するメモリ部と、このメモリ部に記憶したアラーム時刻に達したとき所定のアラーム通知を行なう通知手段とを備え、この通知手段のアラーム通知は、サウンダ部からのアラーム音と、このアラーム音以外のその他通知によって行なうように構成した携帯電話機のアラーム通知装置において、上記アラーム音によるアラーム通知の設定かどうかを判定する判定手段と、この判定手段が上記アラーム音によるアラーム通知の設定と判定した場合、上記アラーム時刻に達したとき上記通知手段の設定されたアラーム通知に拘わらず上記サウンダ部からアラーム音を発する強制鳴動手段とを設けたことを特徴とする。
【0006】
また、本発明は、強制鳴動手段を予め設定した暗証番号を入力したときに解除するアラーム解除手段を設けたことを特徴とする。
また、本発明は、強制鳴動手段によるアラーム音の鳴動が一定時間を超えた場合にそれを自動停止させる自動停止手段を設けたことを特徴とする。
【0007】
本発明による携帯電話機は、アラーム機能で設定したアラーム時刻に達したときに、目覚まし設定等のようにアラーム音によるアラーム通知の設定であるかどうかを判定手段で判断し、その結果が特定状況であれば、その時の携帯電話機の使用形態がマナーモードまたは消音モードであるかに拘わらず、強制鳴動手段によって強制的にアラーム音を鳴らすようにしたため、通常、携帯電話機をマナーモードで使用していても、従来のように目覚ましなどのアラーム機能に合わせてマナーモードまたは消音モードをその都度解除することなく、所望のアラーム音を得ることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明による携帯電話機は、アラーム機能で設定したアラーム時刻に達したときに、目覚まし設定等のアラーム音で知らせる設定であるかどうかを判定手段で判断し、その時の携帯電話機の使用形態がマナーモードまたは消音モードであるかに拘わらず、強制鳴動手段によって強制的にアラーム音を鳴らすことができ、通常、携帯電話機をマナーモードで使用していても、従来のように目覚ましなどのアラーム機能に合わせてマナーモードまたは消音モードをその都度解除することなく、アラーム音を得ることができる。このような機能の付加により、携帯電話機の利用者にとってその使い勝手が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施の形態による携帯電話機のアラーム通知装置を示すブロック構成図である。各部を制御する主制御部7には、送受信回路を含む無線部2を介してアンテナ1と、音声信号処理を行なう音声回路部3を介して送受話を行なうマイク4およびスピーカ5と、各種の設定データ等を記憶しているメモリ部6と、アラーム時刻の検出を行なう時計部9と、種々の情報を表示する表示部10と、入力操作を行なう操作部11と、表示部10および操作部11のバックライトとなる照明部12と、呼出音を鳴らすサウンダ部13と、バイブレータ14と、着信時またはサウンダ部13の鳴動時等に点灯するLED部8とが接続されている。
【0010】
ここでの詳細な図示は省略しているが、サウンダ部13とバイブレータ14とLED部8によって後述するアラーム通知を行なう通知手段を構成し、主制御部7などによって後述する判定手段を構成し、主制御部7と時計部9とサウンダ部13などによってアラーム時刻に達したとき通知手段の予め設定されたアラーム通知に拘わらずサウンダ部13からアラーム音を発する強制鳴動手段、強制鳴動手段によるアラーム音を解除するアラーム解除手段、また強制鳴動手段が作動中に所定の時間が経過してもアラーム解除手段が操作されないときに強制鳴動手段の鳴動を停止する自動停止手段が構成されている。
【0011】
携帯電話機の各種機能は、表示部10を設定内容の表示等に用いながら操作部11のキー入力によって設定を行なうことができる。例えば、操作部11のキー入力によってアラーム時刻を設定することができ、そのアラーム時刻は主制御部7によりメモリ部6に格納され、時計部9が設定したアラーム時刻に達したことを検出するとアラーム通知を行なうが、このアラーム通知はサウンダ部13による所定のアラーム音、バイブレータ14による振動、LED部8による点灯などからの選択や組み合わせによって行なわれる。
【0012】
図2は、アラーム時刻の設定時における表示部10の変化を示す正面図である。先ず、表示部10のメニュー画面S11の中からアラーム設定を選択すると、表示部10はアラーム設定画面S12となる。ここで目覚まし設定とは、携帯電話機がアラーム設定時刻になったとき、マナーモードまたは消音モードの場合でもアラーム音を強制的に鳴らす設定であり、通常設定とは、携帯電話機がアラーム設定時刻になったとき、マナーモードまたは消音モードの場合、アラーム音を鳴らさない設定である。ここでは目覚まし設定を選択すると時刻設定画面S13となり、年月日および時刻をキー操作で入力し、西暦2001年1月1日12時00分を設定し確定する。すると、表示部10はアラーム音設定画面S14となり、任意の着信音を選定すると、確定画面S15のように所定条件でアラームが設定され、主制御部7によりメモリ部6に格納される。
【0013】
図3は、図1に示した携帯電話機におけるアラーム通知動作を示すフローチャートである。先ず、図2で説明したアラーム時刻の設定に続いて、ステップS21で時計部9により設定したアラーム時刻になったかどうかを判断する。その結果、アラーム時刻に達していたなら、ステップS22で判定手段が機能して目覚まし設定か通常設定かを判断し、目覚まし設定の場合にはステップS23で強制鳴動手段が作動して強制的にサウンダ部13からアラーム音を鳴らす。
【0014】
次に、ステップS24でバイブレータ14の設定の有無を判断し、その結果、バイブレータ14が設定されている場合には、ステップS25でバイブレータ14を駆動し、ステップS26でLED部8の点灯を行なう。一方、ステップS24の判定の結果、バイブレータ14が設定されていない場合には、直接ステップS26でLED部8の点灯を行なう。
【0015】
しかし、ステップS22の判定で通常設定の場合には、ステップS33およびステップS34でマナーモードまたは消音モードかを判断する。ステップS33の判定の結果、マナーモードであった場合にはステップS37でバイブレータ14の駆動を行ない、ステップS36でLED部8の点灯を行なう。またステップS34の判定結果、消音モードの場合には直接ステップS36に進んでLED部8の点灯のみを行なう。一方、ステップS33およびステップS34の判定の結果、マナーモードまたは消音モードでもない場合、ステップS35で普通にサウンダ部13から通常のアラーム通知としてアラーム音を鳴らし、ステップS36でLED部8を点灯させる。
【0016】
ステップS36でLED部8を点灯させた後にアラーム動作を解除するには、ステップS39でいずれか一つのキー入力の有無を判断し、キー入力があったときにステップS30でアラーム動作を解除する。またステップS39でキー入力が無くても、ステップS38で一定時間が経過したか否かを判定し、一定時間が経過したときにはステップS30に進んでアラーム動作を自動的に解除する。
【0017】
一方、ステップS26でLED部8を点灯させた後にアラーム動作を解除するには、ステップS28でキー入力の有無を判断し、例えキー入力があったとしても、ステップS29で携帯電話機の使用者が予め設定した暗証番号を押してアラーム解除手段が作動していない限り、アラーム動作が解除されない。つまり、ステップS29で暗証番号が押されてアラーム解除手段が作動しないと、ステップS32に進んでサウンダ部13によるアラーム音およびバイブレータ14を一時的に止めると共に、LED部8を一時的に消灯するが、ステップS31で一定時間が経過した後、再びステップS23に進み、上述の動作を繰り返してステップS23で強制鳴動手段が作動してサウンダ部13によるアラーム音が鳴り、ステップS25でバイブレータ14を駆動し、さらにステップS26でLED部8を点灯する。
【0018】
従って、暗証番号が押されてアラーム解除手段が作動しない限り上述の動作を繰り返すことになり、ステップS29で暗証番号が入力されて初めてステップS30に進んでアラーム解除手段が作動してアラーム動作が解除される。しかし、アラーム解除手段が作動せず、ステップS28のキー操作がないために強制鳴動手段によるアラーム音が継続した場合でも、ステップS27で所定時間が計測されるとアラーム解除手段に拘わらず自動停止手段が作動し、この自動停止手段によってステップS30でアラーム音およびバイブレータ14を停止し、さらにLED部8を消灯する。このようにして携帯電話の不所持の際の不必要なアラーム通知の継続を防止することができる。
【0019】
このように上述した携帯電話機のアラーム通知装置では、ステップS21で設定したアラーム時刻に達すると、その時の使用形態がマナーモードまたは消音モードであっても、ステップS22で判定手段が携帯電話機のアラーム機能を目覚まし時計として使用していると判断した場合、ステップS23で強制鳴動手段がサウンダ部13からアラーム音を鳴らすようにしているため、目覚まし時計としての使用形態で、従来のようにアラーム時刻に合わせてマナーモードまたは消音モードを解除する必要がない。しかも、従来の携帯電話機のアラーム通知装置では、設定したアラーム時刻に鳴っているアラーム音を携帯電話機のキーの内のいずれかを一度押すことで停止できるが、上述した携帯電話機のアラーム通知装置ではステップS29で暗証番号が押されてアラーム解除手段が作動したときだけ強制鳴動手段を停止できるようにしたため、携帯電話機のアラーム機能を目覚まし時計として使用していても通常の目覚まし時計と同様の機能を得ることができる。
【0020】
尚、上述した実施の形態では、判定手段によってステップS22で目覚まし設定か通常設定かを判定し、目覚まし設定の時にステップS23で強制鳴動手段を作動させたが、携帯電話機の使用者によっては目覚まし設定に限らず、設定したアラーム時刻にアラーム音を発生されるよう強制鳴動手段を作動することも考えられるので、判定手段は目覚まし設定を含む特定の状況かどうかを判定するものであればよい。また上述した実施の形態では、目覚まし設定での強制鳴動手段を解除するアラーム解除手段は、ステップS29で暗証番号が押されたかどうかによって判断して作動させたが、特定キーに割り付けたアラーム解除手段としてもほぼ同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施の形態による携帯電話機のアラーム通知装置を示すブロック構成図である。
【図2】図1に示した携帯電話機のアラーム通知装置におけるアラーム時刻設定時の表示部の変化を示す正面図である。
【図3】図1に示した携帯電話機のアラーム通知装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0022】
3 音声回路部
6 メモリ部
7 制御部
8 LED部
9 時計部
10 表示部
11 操作部
12 照明部
13 サウンダ部
14 バイブレータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アラーム時刻を記憶するメモリ部と、このメモリ部に記憶したアラーム設定時刻に達したとき所定のアラーム通知を行う通知手段とを備えた携帯電話機であって、
アラーム設定時刻になると、所定のアラーム音の鳴動によりアラーム通知を行い、その後、キーの操作がなされた場合はアラーム音を停止し、キーの操作がなされなかった場合は、アラーム音が一定時間を越えた場合にアラーム音を停止し、一定時間経過後に再度アラーム音を鳴動させることを特徴とする携帯電話機。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−256724(P2008−256724A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−194888(P2008−194888)
【出願日】平成20年7月29日(2008.7.29)
【分割の表示】特願2001−255903(P2001−255903)の分割
【原出願日】平成13年8月27日(2001.8.27)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】