説明

摩擦調整で使用するためのピロリジン−2,5−ジオン誘導体

本開示は、式Iの化合物またはその摩擦学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、もしくは添加剤前駆体(式中、R1、R2およびR4は本願明細書で定義されている)に関する。かかる新規なピロリジン、またはスクシンイミド、誘導体は、潤滑剤組成物中の摩擦調整剤として有用であり得る。本開示は、ギヤ、車軸、エンジン、およびトランスミッション部品を含めた機械部品を潤滑するための潤滑液配合物におけるかかる摩擦調整剤化合物の使用方法、ならびにかかる摩擦調整剤化合物を含む潤滑剤組成物にも関する。
【化1】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、低温粘度性能を犠牲にすることなく満足できる摩擦特徴を有する潤滑液で使用することができる潤滑剤添加剤に関する。本開示はまた、かかる潤滑剤添加剤およびかかる潤滑剤添加剤を含む濃縮物の調製、ならびにかかる潤滑剤添加剤を含む潤滑液を用いて潤滑される装置にも関する。
【背景技術】
【0002】
潤滑剤配合物で使用される摩擦調整剤化合物は、一般に、疎水性の炭化水素鎖(油溶性を呈するために適切な式および適切な炭素原子数を有することが好ましい)に結合した極性官能基を含む式を有し得る。この性質の分子は、典型的には、完全調合の潤滑剤の重量に基づき約0.01〜約0.5重量%の範囲の量で使用してよく、オートマティックトランスミッション液(ATF)または他の潤滑液における新しいオイルのシャダー(shudder)に対する適度な保護をもたらすことができ得る。しかしながら、それらは、オイル中に限られた量でしか存在しないため耐久性試験には合格しないかも知れない。この問題を回避するための1つのアプローチは、約3〜約5重量%という高い範囲のレベルで摩擦調整剤を使用することである。しかしながら、これを行うにあたっての重要な限界には、−40℃でのブルックフィールド(Brookfield)粘度(BV −40)として測定される、低温粘度特性が関係し得る。高レベルの従来の摩擦調整剤を有する完成した潤滑油は、容認しがたいほど高いBV −40値の問題を抱えるものがある。
【0003】
代表的な上述の摩擦調整剤化合物は、油溶性脂肪族ヒドロカルビル置換スクシンイミドまたはスクシンアミド材料と特徴付けることができる、特許文献1に記載される潤滑油用添加剤である。油溶性を改善するために、当該スクシンイミド基に結合したヒドロカルビル基は12〜36個の炭素原子を含み、好ましくは直鎖□−オレフィンから誘導され、より好ましくは異性化した直鎖□−オレフィンから誘導される。
【0004】
異性化した直鎖□−オレフィンベースのヒドロカルビル基を有する特許文献1に係る摩擦調整剤は、−40℃でのブルックフィールド粘度(BV −40)として測定した場合に、非常に劣る低温粘度という問題を抱える。例えば、特許文献1の好ましい潤滑剤添加剤を代表する配合物は、十分な耐久性能を有し得るトランスミッション液配合物の中に摩擦調整剤として配合することができる。しかしながら、3.5重量%などの高濃度でかかる摩擦調整剤を含む配合物は、極めて不十分な低温粘度という問題を抱える。低温では、かかる配合物の粘度は、約30,000cPと高くなる可能性があり、これはオートマティックトランスミッション潤滑剤に関しては商業的に見て望ましくない粘度である。
【0005】
原理上は、非常に劣る低温粘度は、高価な合成エステルをこの潤滑剤に添加することによって補えるかも知れない。しかしながら、BV −40をおよそ10,000cP以下という所望のレベルにまで下げるために必要とされる合成エステルの量は、製造コスト全体が上昇するので、単純に商業的に魅力がない。
【0006】
当該従来の摩擦調整剤配合物のさらに別の欠点は、約3.5重量%などのより高い処理割合(treat rate)ではわずかな濁りまたはおり(sediment)という形態で見られるその美観的特徴に関する。その暗褐色のために、高処理割合でこの配合物を有する完成した油は色がより黒い。なおさらなる欠点は、この配合物は室温で固体であり、移すためおよびブレンドするためにさらなる加熱が必要なことである。
【0007】
特許文献1には、その好ましい摩擦調整剤に関する低温性能の問題に気づいていたこと
を示唆する明らかな開示または認識はなく、低温粘度の問題に対して商業的に実行可能な解決策については何らの示唆もない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】欧州特許第0020037A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、改善された摩擦耐久性を提供するために潤滑液またはトランスミッション液(オートマティックトランスミッション液(ATF)など)の中でより高濃度レベル(例えば、完全調合液の2重量%より高い量)で使用することができる経済的に魅力ある摩擦調整剤についてのニーズが存在する。かかる摩擦調整剤は、欧州特許第0020037A1号明細書(特許文献1)に係る好ましい摩擦調整剤を組み込む従来の配合物を用いた場合に観察される非常に劣る低温特性という問題を抱えない美観的に許容できる製品を提供する可能性もある。
【0010】
本願明細書で後述する特定の新規な化合物が容易に潤滑組成物の中に配合でき、所望の特徴(改善された摩擦耐久性および低温粘度特性など)を提供するための優れた解決法をもたらすことが、本発明において見出された。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示は、比較的高い処理割合で使用することができる可能性があり、そして世界中の相手先商標製品(Original Equipment Manufacturers、OEM)およびサービス充填用途の摩擦耐久性の必要条件を満たす可能性がある新規な潤滑剤添加剤を記載する。本願明細書で開示される潤滑剤添加剤は、優れた低温粘度をもたらし得る。例えば、本願明細書に記載される潤滑剤組成物は、当該潤滑剤組成物に基づき約10,000cP未満のBV −40を有し得る。さらなる例として、この潤滑剤組成物は約8,000cPという低いBV −40を有する可能性があり、またはさらなる例として、約6,000cPという低いBV −40を有する可能性がある。
【0012】
本開示はさらに、かかる新規な潤滑剤添加剤が室温で液体である可能性があり、ある他の公知の、好ましい現在使用されている配合物を上回る取扱いの利点を提供する可能性があるということをもたらす。
【0013】
本開示の実施形態は、スクシンイミドの種類の新規な潤滑剤添加剤を記載する。かかるスクシンイミドは、約12〜約36個の炭素原子およびビニル置換アルキル基(典型的にはメチル基)を有する熱力学的に安定な、三置換内部オレフィンを有する。欧州特許第0020037A1号明細書(特許文献1)の代表的な好ましい潤滑剤添加剤とは対照的に、本願明細書で開示される潤滑剤添加剤は、満足できる低温粘度を呈する潤滑液用の配合物に含めることができる。かかる配合物は、多量の合成エステルの必要性を回避でき、かつ異性化した直鎖□−オレフィンを使用した場合と比べてより良好な美観を有することができる。
【0014】
1つの実施形態は、下記の式I:
【化1】

によって表される化合物、またはその摩擦学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、または添加剤前駆体(proadditive)を含む。式中、
は、水素、−(C−C)アルキル、−(C−C)アルケニル、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、および下記の式IIを有するラジカル(式中、zは1−10であってよい)からなる群から選択され、ここで上記−(C−C)アルキル、−(C−C)アルケニル、−(C−C)シクロアルキル、および−(C−C)ヘテロシクリル置換基は、独立に水素、ハロゲン、ヒドロキシル、−(C−C16)アルキル、−(C−C16)アルケニル、−CN、−NR、−OR、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、−CO15、−SONR、NR15SO10、−SO10および−CONR11からなる群から選択される1〜3個の部分によって任意に置換されており、上記−CONR11基のRおよびR11は、それらが結合する原子と一緒になって−(C−C)ヘテロシクリルを形成してもよく、
【化2】

は独立に変化してよく、以下の式III:
【化3】

を有し、
式中、RおよびRは独立に(C−C15)アルキル、シクロアルキルまたはシクロアルケニルであり、
は水素、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、−(C−C)シクロアルキル、および−(C−C)ヘテロシクリルからなる群から選択され、上記(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、−(C−C)シクロアルキルおよび−(C−C)ヘテロシクリル置換基は、独立に水素、ハロゲン、ヒドロキシル、−(C−C16)アルキル、(C−C16)アルケニル、−CN、−NR、−OR、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、−CO15、−SONR、NR15SO10、−SO10および−CON
11からなる群から選択される1〜3個の部分によって任意に置換されていてもよく、上記−CONR11基のRおよびR11は、それらが結合する原子と一緒になって−(C−C)ヘテロシクリルを形成してもよく、
およびRは、各々、独立に水素、−(C−C)アルキル、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリルからなる群から選択される置換基であってよく、上記−(C−C)ヘテロシクリル基は独立に−(C=O)、−SO、−S−、−O−、−P−、−N−、−NH−および−NR15、−(C−C10)アリール、−(C−C)ヘテロアリール、COR15および−SO15からなる群から選択される1〜3個の要素に任意に割り込まれていてもよく、上記−(C−C)アルキル、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、−(C−C10)アリール、−(C−C)ヘテロアリール、−COR15および−SO15またはR置換基は、独立に水素、ハロゲン、−カルコゲン、−CF、−CN、−(C−C)アルキル、−NH(C−C)アルキル、−NH(C−C)シクロアルキル、−NH(C−C)ヘテロシクリル、−NH(C−C10)アリール、−NH(C−C)ヘテロアリール、−N((C−C)アルキル)、−N((C−C)シクロアルキル)−、−N((C−C)ヘテロシクリル)、−N((C−C10)アリール)、−N((C−C)ヘテロアリール)、−O(C−C)アルキル、−O(C−C)シクロアルキル、−O(C−C)ヘテロシクリル、−O(C−C10)アリール、−O(C−C)ヘテロアリール、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、−CO10、SONR、NR15SO10、−SO10、−CONH、−CONHR10、および−CONR1011からなる群から選択される1〜3個の部分によって任意に置換されていてもよく、上記−CONR1011基のR10およびR11は、それらが結合する窒素原子と一緒になって−(C−C)ヘテロシクリルを形成してもよく、
およびRは、それらが結合する原子(単数または複数)と一緒になって−(C−C)ヘテロシクリルを形成してもよく、上記−(C−C)ヘテロシクリル基は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、−CF、−NO、−CN、−(C−C)アルキル、−(C−C)アルケニル、−(C−C)アルキニル、−C=N−OH、−C=N−O((C−C)−アルキル)、−NR1011、−OR15、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、−CO15、−CONR1011、−CONR11、−SR10、−SOR10、−SO10、−SONR1011、−NHCOR15、−NR15CONR1011、および−NR12SO10からなる群から選択される1〜3個の部分によって任意に置換されていてもよく、上記−(C−C)ヘテロシクリル基の上記−(C−C)アルケニルおよび−(C−C)アルキニル部分は、1〜3個のR10基で任意に置換されていてもよく、および上記−(C−C)ヘテロシクリル基は、独立に−(C=O)、−SO、−S−、−O−、−P−、−N−、−NH−および−NR15からなる群から選択される1〜3個の要素に任意に割り込まれていてもよく、
10は、−(C−C)アルキル、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、−(C−C10)アリール、および−(C−C)ヘテロアリールからなる群から選択される置換基であり、ここで上記−(C−C)アルキル、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、−(C−C10)アリール、および−(C−C)ヘテロアリール R10置換基は、独立に水素、ハロゲン、ヒドロキシ、−CN、−(C−C)アルキル、−NR15、および−O(C−C)アルキルからなる群から選択される1〜3個の部分によって任意に置換されていてもよく、
11は、水素、−(C−C)アルキル、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、−(C−C10)アリール、および−(C−C)ヘテロアリールからなる群から選択される置換基であり、上記−(C−C)アルキル、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、−(C−C10
)アリール、および−(C−C)ヘテロアリール R11ラジカルは、独立に水素、ハロゲン、ヒドロキシ、−CN、−(C−C)アルキル、−NH、−NHR12、−N(R12、−OR12、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、−CO13、−CONH、−CONHR13、および−CONR1314からなる群から選択される1〜3個の部分によって任意に置換されていてもよく、−CONR1314のR13およびR14は、それらが結合する窒素原子と一緒になって−(C−C)ヘテロシクリルを形成してもよく、
12およびR13は、各々独立に水素および−(C−C)アルキルからなる群から選択されてよく、
14は、水素および−(C−C)アルキルからなる群から選択されてよく、
15は、水素、−(C−C)アルキル、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、−(C−C10)アリール、および−(C−C)ヘテロアリールからなる群から選択される置換基であってよく、上記−(C−C)アルキル、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、−(C−C10)アリール、および−(C−C)ヘテロアリール R15置換基は、独立に水素、ハロゲン、−CF、−CN、−(C−C)アルキル、−NH(C−C)アルキル、−NH(C−C)シクロアルキル、−NH(C−C)ヘテロシクリル、−NH(C−C10)アリール、−NH(C−C)ヘテロアリール、−N((C−C)アルキル)、−N((C−C)シクロアルキル)−、−N((C−C)ヘテロシクリル)、−N((C−C10)アリール)、−N((C−C)ヘテロアリール)、−O(C−C)アルキル、−O(C−C)シクロアルキル、−O(C−C)ヘテロシクリル、−O(C−C10)アリール、−O(C−C)ヘテロアリール、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、−CO10、−CONH、−CONHR10、および−CONR1011からなる群から選択される1〜3個の部分によって任意に置換されていてもよく、
上記−CONR1011基のR10およびR11は、それらが結合する原子と一緒になって−(C−C)ヘテロシクリルを形成してよい。
【0015】
いくつかの実施形態では、Rは式IV:
【化4】

を表してよい(式中、xおよびyは各々少なくとも1でなければならず、かつ(x+y)は8、10、12、14、16または18である)。
【0016】
いくつかの実施形態では、Rは式II:
【化5】

を表してよい。
【0017】
他の実施形態では、RはC−Cアルキルを表してよい。
【0018】
他の実施形態では、RはC−Cアルキルを表してよい。
【0019】
以下は本発明に係る化合物の、限定を意図しない一覧である:
(5−メチルノナデカ−5−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルノナデカ−6−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルノナデカ−7−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルノナデカ−8−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルノナデカ−9−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルノナデカ−10−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルノナデカ−8−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルノナデカ−7−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルノナデカ−6−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルノナデカ−5−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(5−メチルノナデカ−4−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(4−メチルノナデカ−3−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(3−メチルノナデカ−2−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(2,2’−(エタン−1,2−ジイルビス(アザンジイル))ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(3−(8−メチルノナデカ−8−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン);
(3−メチルヘニコサ−2−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(4−メチルヘニコサ−3−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(5−メチルヘニコサ−4−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルヘニコサ−5−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルヘニコサ−6−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルヘニコサ−7−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルヘニコサ−8−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルヘニコサ−9−エン−11−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(11−メチルヘニコサ−11−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルヘニコサ−10−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルヘニコサ−9−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルヘニコサ−8−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルヘニコサ−7−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルヘニコサ−6−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(5−メチルヘニコサ−5−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(2,2’−(エタン−1,2−ジイルビス(アザンジイル))ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(3−(5−メチルヘニコサ−5−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン);
(5−メチルトリコサ−5−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルトリコサ−6−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルトリコサ−7−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルトリコサ−8−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルトリコサ−9−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルトリコサ−10−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(11−メチルトリコサ−11−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(12−メチルトリコサ−12−エン−11−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(11−メチルトリコサ−10−エン−12−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルトリコサ−9−エン−11−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルトリコサ−8−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルトリコサ−7−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルトリコサ−6−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルトリコサ−5−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(5−メチルトリコサ−4−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(4−メチルトリコサ−3−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(3−メチルトリコサ−2−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(2,2’−(エタン−1,2−ジイルビス(アザンジイル))ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(3−(5−メチルトリコサ−5−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン);
(3−メチルペンタコサ−2−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(4−メチルペンタコサ−3−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(5−メチルペンタコサ−4−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルペンタコサ−5−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルペンタコサ−6−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルペンタコサ−7−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルペンタコサ−8−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルペンタコサ−9−エン−11−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(11−メチルペンタコサ−10−エン−12−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(12−メチルペンタコサ−11−エン−13−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(13−メチルペンタコサ−13−エン−12−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(12−メチルペンタコサ−12−エン−11−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(11−メチルペンタコサ−11−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルペンタコサ−10−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルペンタコサ−9−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルペンタコサ−8−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルペンタコサ−7−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルペンタコサ−6−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(5−メチルペンタコサ−5−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(2,2’−(エタン−1,2−ジイルビス(アザンジイル))ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(3−(7−メチルペンタコサ−7−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン)、およびこれらの摩擦学的に許容できる塩もしくは溶媒和物。
【0020】
さらに別の実施形態では、潤滑剤組成物は、1以上の式Iに係る化合物、またはその摩擦学的に許容できる塩もしくは溶媒和物を含んでいてもよい。
【0021】
さらに別の実施形態では、潤滑剤添加剤組成物は、1以上の式Iに係る化合物、またはその摩擦学的に許容できる塩もしくは溶媒和物を含んでいてもよい。
【0022】
別の実施形態では、潤滑剤組成物は、a)主要量の基油と、b)少量の、1以上の式Iの化合物またはその摩擦学的に許容できる塩もしくは溶媒和物とを含む添加剤組成物と、を含んでいてよい。
【0023】
別の実施形態では、潤滑剤組成物は、約1〜10重量%の間の式Iの化合物、またはその摩擦学的に許容できる塩もしくは溶媒和物を含んでいてよい。
【0024】
さらに別の実施形態では、1以上の式Iの化合物、またはその摩擦学的に許容できる塩もしくは溶媒和物を含む当該潤滑剤および潤滑剤添加剤組成物はさらに、スクシンイミド分散剤、コハク酸エステル分散剤、コハク酸エステル−アミド分散剤、マンニッヒ塩基分散剤、そのリン酸化形態、およびそのホウ酸化形態からなる群から選択される油溶性無灰
分散剤を含んでいてよい。
【0025】
さらに別の実施形態では、1以上の式Iの化合物、またはその摩擦学的に許容できる塩もしくは溶媒和物を含む当該潤滑剤および潤滑剤添加剤組成物はさらに、以下の、空気放出用(air expulsion)添加剤、酸化防止剤、防蝕剤、抑泡剤、金属系清浄剤、有機リン化合物、シール膨潤剤、粘度指数向上剤、および極圧剤のうちの1以上を含んでいてもよい。
【0026】
さらに別の実施形態では、潤滑剤添加剤は、a)三置換内部オレフィン(各オレフィンは約12〜約36個の炭素原子を含む)、および無水マレイン酸を十分に高い温度で十分な時間量のあいだ混合し、マレイン酸化生成物を得る工程と、(b)高い温度で有効量の塩基性窒素含有化合物を用いてこのマレイン酸化生成物をアミノ化して中和する工程と、任意に、(c)この反応生成物を潤滑剤添加剤として回収する工程とのプロセスによって得られる反応生成物を含んでいてよい。
【0027】
さらに別の実施形態では、潤滑剤添加剤は、無水マレイン酸に対する三置換内部オレフィンの比が約0.5〜約1であるプロセスの反応生成物であってよい。
【0028】
さらに別の実施形態では、潤滑剤添加剤は、無水マレイン酸に対する三置換内部オレフィンの比が約0.5〜約1.5であるプロセスの反応生成物であってよい。
【0029】
本発明の別の実施形態は、機械部品を潤滑方法であって、この機械部品を式Iの化合物、またはその摩擦学的に許容できる塩もしくは溶媒和物を含む潤滑剤組成物を用いて潤滑する工程を含む方法を含む。
【0030】
別の実施形態では、式Iの化合物、またはその摩擦学的に許容できる塩もしくは溶媒和物を含む潤滑剤組成物を用いて機械部品を潤滑する方法は、約1〜10重量%の間の量でこの潤滑剤組成物中に存在する式Iの化合物、またはその摩擦学的に許容できる塩もしくは溶媒和物を含む潤滑剤組成物を用いて当該機械部品を潤滑することを含んでいてよい。
【0031】
さらに別の実施形態では、式Iの化合物を用いて機械部品を潤滑する方法はさらに、ギヤ、車軸、ディファレンシャル、エンジン、クランク軸、トランスミッション、またはクラッチからなる群から選択される機械部品を潤滑することを含む。
【0032】
さらに別の実施形態では、式Iの化合物を用いてトランスミッションを潤滑する方法はさらに、オートマティックトランスミッション、マニュアルトランスミッション、自動制御式マニュアルトランスミッション、セミオートマティックトランスミッション、二段クラッチ変速装置、無段変速機、およびトロイダル式変速機からなる群から選択されるトランスミッションを潤滑することを含む。
【0033】
さらに別の実施形態では、式Iの化合物を用いてクラッチ構成要素を潤滑する方法はさらに、連続的滑りトルククラッチ(continuously slipping torque clutch)、滑りトルクコンバータークラッチ(slipping torque convertet clutch)、ロックアップトルクコンバータークラッチ、発進クラッチ、1以上のシフトクラッチ、または電子制御式コンバータークラッチからなる群から選択されるクラッチ構成要素を潤滑することを含む。
【0034】
さらに別の実施形態では、式Iの化合物を用いてギヤを潤滑する方法はさらに、自動車用ギヤ、ステーショナリー型ギヤボックス(stationary gearbox)、および車軸からなる群から選択されるギヤを潤滑することを含む。
【0035】
さらに別の実施形態では、式Iの化合物を用いてギヤを潤滑する方法はさらに、ハイポイドギヤ、平歯車、はすば歯車、かさ歯車、ウオームギヤ、ラックおよびピニオンギヤ、遊星歯車装置、およびインボリュート歯車からなる群から選択されるギヤを潤滑することを含む。
【0036】
さらに別の実施形態では、式Iの化合物を用いてディファレンシャルを潤滑する方法はさらに、ストレートディファレンシャル(straight differential)、ターニングディファレンシャル(turning differential)、リミティッドスリップディファレンシャル、クラッチ型リミティッドスリップディファレンシャル、およびロッキングディファレンシャル(locking differential)からなる群から選択されるディファレンシャルを潤滑することを含む。
【0037】
さらに別の実施形態では、式Iの化合物を用いてエンジンを潤滑する方法はさらに、内燃機関、ロータリーエンジン、ガスタービンエンジン、4サイクルエンジン、および2サイクルエンジンからなる群から選択されるエンジンを潤滑することを含む。
【0038】
さらに別の実施形態では、式Iの化合物を用いてエンジンを潤滑する方法は、さらに、ピストン、軸受、クランク軸、および/またはカム軸からなる群から選択されるエンジン部品を潤滑することを含んでよい。
【0039】
別の実施形態は、試験装置を使用して組成物の潤滑剤特性を試験する方法であって、式Iの化合物、またはその摩擦学的に許容できる塩もしくは溶媒和物を含む潤滑剤組成物を用いて当該試験装置を潤滑する工程を含む方法を含む。この試験装置としては、ブルックフィールド粘度計、任意のビッカース(Vickers)試験装置、SAE No.2摩擦試験機、電動機駆動のHydra−Matic 4L60−Eオートマティックトランスミッション、ASTM D471またはD676エラストマー相溶性(Elastomer Compatibility)試験装置、NOACK揮発性手順機、ASTM D2882、D5182、D4172、D3233、およびD2782磨耗手順(Wear
Procedures)のために必要な任意の試験装置、ASTM発泡手順(Foaming Procedure)装置、ASTM D130銅腐食(Copper Corrosion)試験のために必要な試験装置、インターナショナルハーベスター手順方法(International Harvester Procedure Method)BT−9錆制御(Rust Control)試験によって特定される試験装置、ASTM D892発泡(Foaming)試験で必要とされる試験装置、ASTM D4998ギヤ耐摩耗性能(Gear Anti−Wear Performance)試験で必要とされる試験装置、Link M1158油/摩擦機、L−33−1試験装置、L−37試験装置、L−42試験装置、L−60−1試験装置、ストラマ 4−スクエアー電動機駆動手順機(Strama 4−Square Electric Motor−Driven Procedure Machine)、FZG試験装置および部品、SSP−180手順機、ASTM D5579高温周期的耐久性手順(High Temperature Cyclic Durability Procedure)のための試験装置、ザウアーダンフォス(Sauer−Danfoss)シリーズ22またはシリーズ90アキシアルピストンポンプ(Axial Piston Pump)、ジョンディアシンクロプラス(John Deere Synchro−Plus)トランスミッション、SRV−摩擦磨耗試験器、四球試験装置、LFW−1試験装置、スプラグクラッチオーバーラン磨耗テスト(sprag clutch over−running wear test)(SCOWT)装置、API CJ−4エンジン試験、L−33水分腐食試験(Moisture Corrosion Test)、高温周期的耐久性試験(ASTM D5579)、288時間VEエンジンオイル性能試験、L−38標準的潤
滑剤試験、デニソン(Denison)P46ピストンポンプ試験スタンド(Piston Pump Test Stand)、サンドストランド動的腐食試験スタンド(Sundstrand Dynamic Corrosion Test Stand)、ブロック−オン−リング(block−on−ring)試験装置、ならびにメルコン(Mercon)(登録商標)、メルコン(登録商標)V、デクスロン(Dexron)(登録商標)III、デクスロン(登録商標)III−H、キャタピラー(Caterpillar)(登録商標)TO−4、アリソン(Allison)(登録商標)C−4、JASO、GF−4、GF−5、MIL−E、MIL−L、およびシーケンス(Sequences)II〜VIIIの下での試験分析を実施するために必要とされる任意の試験装置を挙げることができる。
【0040】
さらに別の実施形態では、潤滑液の低温粘度特性を改善するための方法は、潤滑液中に有効量の1以上の式Iの化合物、またはその摩擦学的に許容できる塩もしくは溶媒和物を含ませる工程を含む方法を含んでいてよい。
【0041】
さらに別の実施形態では、潤滑を必要とする自動車の構成要素を潤滑しつつ潤滑液の低温粘度特性を改善するための方法は、1)潤滑を必要とする自動車の構成要素に潤滑液を添加する工程であって、この液は(a)基油と、(b)1以上の式Iの化合物、またはその摩擦学的に許容できる塩もしくは溶媒和物とを含む工程と、2)この液を含む自動車の構成要素を稼動させる工程と、を含み、この液の低温粘度性能は1)(b)の化合物を含まない潤滑液の性能よりも改善されている。
【0042】
別の実施形態では、潤滑を必要とする自動車の構成要素を潤滑しつつ潤滑液の低温粘度特性を改善するための方法は、その潤滑液の約1〜10重量%の間の量の1以上の式Iの化合物、またはその摩擦学的に許容できる塩もしくは溶媒和物を含む潤滑液を添加する工程を含んでいてよい。
【0043】
別の実施形態は、潤滑剤添加剤を製造する方法であって、a)三置換内部オレフィン(各オレフィンは約12〜約36個の炭素原子を含む)、および無水マレイン酸を十分に高い温度で十分な時間量のあいだ混合し、マレイン酸化生成物を得る工程と、b)高い温度で有効量の塩基性窒素含有化合物を用いて上記マレイン酸化生成物をアミノ化して中和する工程と、任意に、(c)この反応生成物を潤滑剤添加剤として回収する工程とを含む方法を含む。
【0044】
さらに別の実施形態では、潤滑剤組成物は、(a)主要量の潤滑油と、(b)ブルックフィールド粘度を改善するのに有効な量の式I:
【化6】

(式中、
は、水素、−(C−C)アルキル、−(C−C)アルケニル、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、および下記の式IIを有する
ラジカル(式中、zは1−10であってよい)からなる群から選択され、ここで上記−(C−C)アルキル、−(C−C)アルケニル、−(C−C)シクロアルキル、および−(C−C)ヘテロシクリル置換基は、独立に水素、ハロゲン、ヒドロキシル、−(C−C16)アルキル、−(C−C16)アルケニル、−CN、−NR、−OR、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、−CO15、−SONR、NR15SO10、−SO10および−CONR11からなる群から選択される1〜3個の部分によって任意に置換されており、上記−CONR11基のRおよびR11は、それらが結合する原子と一緒になって−(C−C)ヘテロシクリルを形成してもよく、
【化7】

は独立に変化してよく、以下の式III:
【化8】

を有し、式中、RおよびRは独立に(C−C15)アルキル、シクロアルキルまたはシクロアルケニルであり、
は水素、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、−(C−C)シクロアルキル、および−(C−C)ヘテロシクリルからなる群から選択され、上記(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、−(C−C)シクロアルキルおよび−(C−C)ヘテロシクリル置換基は、独立に水素、ハロゲン、ヒドロキシル、−(C−C16)アルキル、(C−C16)アルケニル、−CN、−NR、−OR、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、−CO15、−SONR、NR15SO10、−SO10および−CONR11からなる群から選択される1〜3個の部分によって任意に置換されていてもよく、上記−CONR11基のRおよびR11は、それらが結合する原子と一緒になって−(C−C)ヘテロシクリルを形成してもよく、
およびRは、各々、独立に水素、−(C−C)アルキル、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリルからなる群から選択される置換基であってよく、上記−(C−C)ヘテロシクリル基は独立に−(C=O)、−SO、−S−、−O−、−P−、−N−、−NH−および−NR15、−(C−C10)アリール、−(C−C)ヘテロアリール、COR15および−SO15からなる群から選択される1〜3個の要素に任意に割り込まれていてもよく、上記−(C−C)アルキル、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、−(C−C10)アリール、−(C−C)ヘテロアリール、−COR15および−SO15またはR置換基は、独立に水素、ハロゲン、−カルコゲン、−CF、−CN
、−(C−C)アルキル、−NH(C−C)アルキル、−NH(C−C)シクロアルキル、−NH(C−C)ヘテロシクリル、−NH(C−C10)アリール、−NH(C−C)ヘテロアリール、−N((C−C)アルキル)、−N((C−C)シクロアルキル)−、−N((C−C)ヘテロシクリル)、−N((C−C10)アリール)、−N((C−C)ヘテロアリール)、−O(C−C)アルキル、−O(C−C)シクロアルキル、−O(C−C)ヘテロシクリル、−O(C−C10)アリール、−O(C−C)ヘテロアリール、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、−CO10、SONR、NR15SO10、−SO10、−CONH、−CONHR10、および−CONR1011からなる群から選択される1〜3個の部分によって任意に置換されていてもよく、上記−CONR1011基のR10およびR11は、それらが結合する窒素原子と一緒になって−(C−C)ヘテロシクリルを形成してもよく、
およびRは、それらが結合する原子(単数または複数)と一緒になって−(C−C)ヘテロシクリルを形成してもよく、上記−(C−C)ヘテロシクリル基は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、−CF、−NO、−CN、−(C−C)アルキル、−(C−C)アルケニル、−(C−C)アルキニル、−C=N−OH、−C=N−O((C−C)−アルキル)、−NR1011、−OR15、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、−CO15、−CONR1011、−CONR11、−SR10、−SOR10、−SO10、−SONR1011、−NHCOR15、−NR15CONR1011、および−NR12SO10からなる群から選択される1〜3個の部分によって任意に置換されていてもよく、上記−(C−C)ヘテロシクリル基の上記−(C−C)アルケニルおよび−(C−C)アルキニル部分は、1〜3個のR10基で任意に置換されていてもよく、上記−(C−C)ヘテロシクリル基は、独立に−(C=O)、−SO、−S−、−O−、−P−、−N−、−NH−および−NR15からなる群から選択される1〜3個の要素に任意に割り込まれていてもよく、
10は、−(C−C)アルキル、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、−(C−C10)アリール、および−(C−C)ヘテロアリールからなる群から選択される置換基であり、ここで上記−(C−C)アルキル、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、−(C−C10)アリール、および−(C−C)ヘテロアリール R10置換基は、独立に水素、ハロゲン、ヒドロキシ、−CN、−(C−C)アルキル、−NR15、および−O(C−C)アルキルからなる群から選択される1〜3個の部分によって任意に置換されていてもよく、
11は、水素、−(C−C)アルキル、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、−(C−C10)アリール、および−(C−C)ヘテロアリールからなる群から選択される置換基であり、上記−(C−C)アルキル、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、−(C−C10)アリール、および−(C−C)ヘテロアリール R11ラジカルは、独立に水素、ハロゲン、ヒドロキシ、−CN、−(C−C)アルキル、−NH、−NHR12、−N(R12、−OR12、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、−CO13、−CONH、−CONHR13、および−CONR1314からなる群から選択される1〜3個の部分によって任意に置換されていてもよく、−CONR1314のR13およびR14は、それらが結合する窒素原子と一緒になって−(C−C)ヘテロシクリルを形成してもよく、
12およびR13は、各々独立に水素および−(C−C)アルキルからなる群から選択されてよく、
14は、水素および−(C−C)アルキルからなる群から選択されてよく、
15は、水素、−(C−C)アルキル、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、−(C−C10)アリール、および−(C−C)ヘ
テロアリールからなる群から選択される置換基であってよく、上記−(C−C)アルキル、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、−(C−C10)アリール、および−(C−C)ヘテロアリール R15置換基は、独立に水素、ハロゲン、−CF、−CN、−(C−C)アルキル、−NH(C−C)アルキル、−NH(C−C)シクロアルキル、−NH(C−C)ヘテロシクリル、−NH(C−C10)アリール、−NH(C−C)ヘテロアリール、−N((C−C)アルキル)、−N((C−C)シクロアルキル)−、−N((C−C)ヘテロシクリル)、−N((C−C10)アリール)、−N((C−C)ヘテロアリール)、−O(C−C)アルキル、−O(C−C)シクロアルキル、−O(C−C)ヘテロシクリル、−O(C−C10)アリール、−O(C−C)ヘテロアリール、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、−CO10、−CONH、−CONHR10、および−CONR1011からなる群から選択される1〜3個の部分によって任意に置換されていてもよく、
上記−CONR1011基のR10およびR11は、それらが結合する原子と一緒になって−(C−C)ヘテロシクリルを形成してよい)
を有する化合物またはその摩擦学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、もしくは添加剤前駆体の混合物を含んでいてよい。
【0045】
別の実施形態では、潤滑剤組成物は、式IV:
【化9】

(式中、xおよびyは各々少なくとも1でなければならず、かつ(x+y)は8、10、12、14、16または18である)によって表されるRを有する式Iの化合物を含む。
【0046】
さらに別の実施形態では、潤滑剤組成物は式:
【化10】

によって表されるRを有する式Iの化合物を含む。
【0047】
さらに別の実施形態では、潤滑剤組成物は、C−CアルキルのRを有する式Iの化合物を含む。
【0048】
さらに別の実施形態では、潤滑剤組成物は、C−CアルキルのRを有する式Iの化合物を含む。
【0049】
さらに別の実施形態では、潤滑剤組成物は、(a)主要量の潤滑油と、(b)ブルックフィールド粘度を改善するのに有効な量の式Iを有する化合物との混合物を含んでいてよく、この式Iの化合物は、
(5−メチルノナデカ−5−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルノナデカ−6−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルノナデカ−7−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルノナデカ−8−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルノナデカ−9−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルノナデカ−10−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルノナデカ−8−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルノナデカ−7−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルノナデカ−6−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルノナデカ−5−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(5−メチルノナデカ−4−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(4−メチルノナデカ−3−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(3−メチルノナデカ−2−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(2,2’−(エタン−1,2−ジイルビス(アザンジイル))ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(3−(8−メチルノナデカ−8−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン);
(3−メチルヘニコサ−2−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(4−メチルヘニコサ−3−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(5−メチルヘニコサ−4−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルヘニコサ−5−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルヘニコサ−6−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルヘニコサ−7−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルヘニコサ−8−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルヘニコサ−9−エン−11−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(11−メチルヘニコサ−11−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルヘニコサ−10−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルヘニコサ−9−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルヘニコサ−8−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルヘニコサ−7−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルヘニコサ−6−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(5−メチルヘニコサ−5−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(2,2’−(エタン−1,2−ジイルビス(アザンジイル))ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(3−(5−メチルヘニコサ−5−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン);
(5−メチルトリコサ−5−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルトリコサ−6−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルトリコサ−7−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルトリコサ−8−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルトリコサ−9−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルトリコサ−10−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(11−メチルトリコサ−11−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(12−メチルトリコサ−12−エン−11−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(11−メチルトリコサ−10−エン−12−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルトリコサ−9−エン−11−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルトリコサ−8−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルトリコサ−7−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルトリコサ−6−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルトリコサ−5−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(5−メチルトリコサ−4−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(4−メチルトリコサ−3−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(3−メチルトリコサ−2−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(2,2’−(エタン−1,2−ジイルビス(アザンジイル))ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(3−(5−メチルトリコサ−5−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン);
(3−メチルペンタコサ−2−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(4−メチルペンタコサ−3−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(5−メチルペンタコサ−4−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルペンタコサ−5−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルペンタコサ−6−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルペンタコサ−7−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルペンタコサ−8−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルペンタコサ−9−エン−11−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(11−メチルペンタコサ−10−エン−12−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(12−メチルペンタコサ−11−エン−13−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(13−メチルペンタコサ−13−エン−12−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(12−メチルペンタコサ−12−エン−11−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(11−メチルペンタコサ−11−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルペンタコサ−10−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルペンタコサ−9−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルペンタコサ−8−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルペンタコサ−7−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルペンタコサ−6−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(5−メチルペンタコサ−5−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(2,2’−(エタン−1,2−ジイルビス(アザンジイル))ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(3−(7−メチルペンタコサ−7−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン);およびその摩擦学的に許容できる塩または溶媒和物からなる群から選択される。
【0050】
さらに別の実施形態では、この潤滑剤組成物は、ブルックフィールドを改善するのに有効な量の式Iの化合物を含み、この潤滑剤組成物は約10,000cP未満のBV −40を備える。
【0051】
別の実施形態では、当該潤滑剤組成物は、ブルックフィールド粘度を改善するのに有効な量の式Iを有する化合物、またはその摩擦学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、もしくは添加剤前駆体を含み、このブルックフィールド粘度を改善するのに有効な量は、当該潤滑剤組成物の約1〜10重量%を構成する。
【0052】
別の実施形態では、反応生成物、またはその摩擦学的に許容できる塩もしくは溶媒和物は、C10−C36ビニリデンオレフィンをマレイン酸、無水物、またはエステルと反応させて炭化水素置換コハク酸、無水物またはエステルを得ること、およびこの炭化水素置換コハク酸、無水物またはエステルを有効量の塩基性窒素含有化合物を用いてアミノ化することによって得ることができる。
【0053】
この反応生成物のいくつかの実施形態では、C10−C36ビニリデンオレフィンは式V:
【化11】

で表すことができる(式中、RおよびRは独立に、(C−C15)アルキル、シクロアルキルまたはシクロアルケニルである)。
【0054】
いくつかの実施形態では、上記反応生成物は、
(5−メチルノナデカ−5−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルノナデカ−6−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルノナデカ−7−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルノナデカ−8−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルノナデカ−9−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルノナデカ−10−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルノナデカ−8−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルノナデカ−7−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルノナデカ−6−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルノナデカ−5−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(5−メチルノナデカ−4−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(4−メチルノナデカ−3−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(3−メチルノナデカ−2−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(2,2’−(エタン−1,2−ジイルビス(アザンジイル))ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(3−(8−メチルノナデカ−8−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン);
(3−メチルヘニコサ−2−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(4−メチルヘニコサ−3−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(5−メチルヘニコサ−4−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルヘニコサ−5−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルヘニコサ−6−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルヘニコサ−7−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルヘニコサ−8−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルヘニコサ−9−エン−11−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(11−メチルヘニコサ−11−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルヘニコサ−10−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルヘニコサ−9−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルヘニコサ−8−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルヘニコサ−7−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルヘニコサ−6−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(5−メチルヘニコサ−5−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(2,2’−(エタン−1,2−ジイルビス(アザンジイル))ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(3−(5−メチルヘニコサ−5−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン);
(5−メチルトリコサ−5−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルトリコサ−6−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルトリコサ−7−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルトリコサ−8−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルトリコサ−9−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルトリコサ−10−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(11−メチルトリコサ−11−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(12−メチルトリコサ−12−エン−11−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(11−メチルトリコサ−10−エン−12−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルトリコサ−9−エン−11−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルトリコサ−8−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルトリコサ−7−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルトリコサ−6−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルトリコサ−5−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(5−メチルトリコサ−4−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(4−メチルトリコサ−3−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(3−メチルトリコサ−2−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(2,2’−(エタン−1,2−ジイルビス(アザンジイル))ビス(エタン−21−ジイル))ビス(3−(5−メチルトリコサ−5−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン);
(3−メチルペンタコサ−2−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(4−メチルペンタコサ−3−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(5−メチルペンタコサ−4−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルペンタコサ−5−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルペンタコサ−6−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルペンタコサ−7−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルペンタコサ−8−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルペンタコサ−9−エン−11−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(11−メチルペンタコサ−10−エン−12−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(12−メチルペンタコサ−11−エン−13−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(13−メチルペンタコサ−13−エン−12−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(12−メチルペンタコサ−12−エン−11−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(11−メチルペンタコサ−11−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルペンタコサ−10−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルペンタコサ−9−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルペンタコサ−8−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルペンタコサ−7−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルペンタコサ−6−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(5−メチルペンタコサ−5−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(2,2’−(エタン−1,2−ジイルビス(アザンジイル))ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(3−(7−メチルペンタコサ−7−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン);およびその摩擦学的に許容できる塩または溶媒和物からなる群から選択することができる。
【0055】
いくつかの実施形態では、潤滑剤組成物は1以上の上記反応生成物、またはその摩擦学的に許容できる塩もしくは溶媒和物を含んでいてよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、潤滑剤添加剤組成物は、1以上の上記反応生成物、またはその摩擦学的に許容できる塩もしくは溶媒和物を含んでいてよい。
【0057】
いくつかの実施形態では、潤滑剤組成物は、a)主要量の基油と、b)1以上の上記反応生成物、またはその摩擦学的に許容できる塩もしくは溶媒和物を含む少量の添加剤組成物を含んでいてよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、当該潤滑剤組成物は、約1〜10重量%の間の量で上記潤滑
剤組成物に存在する1以上の上記反応生成物、またはその摩擦学的に許容できる塩もしくは溶媒和物を含んでいてよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、当該潤滑剤組成物は、さらにスクシンイミド分散剤、コハク酸エステル分散剤、コハク酸(succininic)エステル−アミド分散剤、マンニッヒ塩基分散剤、そのリン酸化形態、およびそのホウ酸化形態からなる群から選択される油溶性無灰分散剤を含んでいてよい。
【0060】
いくつかの実施形態では、潤滑剤組成物はさらに、以下の、空気放出用添加剤、酸化防止剤、防蝕剤、抑泡剤、金属系清浄剤、有機リン化合物、シール膨潤剤、粘度指数向上剤、および極圧剤のうちの1以上を含んでよい。
【0061】
いくつかの実施形態では、潤滑剤添加剤は、a)C10−C36ビニリデンオレフィンをマレイン酸、無水物、またはエステルと反応させて炭化水素置換コハク酸、無水物またはエステルを得る工程と、b)この炭化水素置換コハク酸、無水物またはエステルを有効量の塩基性窒素含有化合物を用いてアミノ化する工程とのプロセスによって得られる反応生成物を含んでいてよい。
【0062】
いくつかの実施形態では、無水マレイン酸に対するビニリデンオレフィンの比は約0.5〜約1.5である。
【0063】
いくつかの実施形態では、無水マレイン酸に対するビニリデンオレフィンの比は約0.5〜約1.0である。
【0064】
別の実施形態では、機械部品を潤滑する方法は、上記反応生成物、またはその摩擦学的に許容できる塩もしくは溶媒和物を含む潤滑剤組成物を用いて当該機械部品を潤滑することを含んでいてよい。
【0065】
いくつかの実施形態では、上記機械部品は、ギヤ、車軸、ディファレンシャル、エンジン、クランク軸、トランスミッション、またはクラッチを含む。
【0066】
いくつかの実施形態では、上記トランスミッションは、オートマティックトランスミッション、マニュアルトランスミッション、自動制御式マニュアルトランスミッション、セミオートマティックトランスミッション、二段クラッチ変速装置、無段変速機、およびトロイダル式変速機からなる群から選択される。
【0067】
いくつかの実施形態では、上記クラッチは、連続的滑りトルクコンバータークラッチ、滑りトルクコンバータークラッチ、ロックアップトルクコンバータークラッチ、発進クラッチ、1以上のシフトクラッチ、または電子制御式コンバータークラッチを含む。
【0068】
いくつかの実施形態では、上記ギヤは、自動車用ギヤ、ステーショナリー型ギヤボックス、および車軸からなる群から選択される。
【0069】
いくつかの実施形態では、上記ギヤは、ハイポイドギヤ、平歯車、はすば歯車、かさ歯車、ウオームギヤ、ラックおよびピニオンギヤ、遊星歯車装置、およびインボリュート歯車からなる群から選択される。
【0070】
いくつかの実施形態では、上記ディファレンシャルは、ストレートディファレンシャル、ターニングディファレンシャル、リミティッドスリップディファレンシャル、クラッチ型リミティッドスリップディファレンシャル、およびロッキングディファレンシャルから
なる群から選択される。
【0071】
いくつかの実施形態では、上記エンジンは内燃機関、ロータリーエンジン、ガスタービンエンジン、4サイクルエンジン、および2サイクルエンジンからなる群から選択される。
【0072】
いくつかの実施形態では、上記エンジンは、ピストン、軸受、クランク軸、および/またはカム軸を含む。
【0073】
別の実施形態では、試験装置を使用して組成物の潤滑剤特性を試験する方法は、本願明細書に記載される反応生成物、またはその摩擦学的に許容できる塩もしくは溶媒和物を含む潤滑剤組成物を用いて当該試験装置を潤滑する工程であって、当該試験装置は、ブルックフィールド粘度計、任意のビッカース試験装置、SAE No.2摩擦試験機、電動機駆動のHydra−Matic 4L60−Eオートマティックトランスミッション、ASTM D471またはD676エラストマー相溶性(Elastomer Compatibility)試験装置、NOACK揮発性手順機、ASTM D2882、D5182、D4172、D3233、およびD2782磨耗手順(Wear Procedures)のために必要な任意の試験装置、ASTM発泡手順(Foaming Procedure)装置、ASTM D130銅腐食(Copper Corrosion)試験のために必要な試験装置、インターナショナルハーベスター手順方法(International Harvester Procedure Method)BT−9錆制御(Rust Control)試験によって特定される試験装置、ASTM D892発泡(Foaming)試験で必要とされる試験装置、ASTM D4998ギヤ耐摩耗性能(Gear Anti−Wear Performance)試験で必要とされる試験装置、Link M1158油/摩擦機、L−33−1試験装置、L−37試験装置、L−42試験装置、L−60−1試験装置、ストラマ 4−スクエアー電動機駆動手順機(Strama 4−Square Electric Motor−Driven Procedure Machine)、FZG試験装置および部品、SSP−180手順機、ASTM D5579高温周期的耐久性手順(High Temperature Cyclic Durability Procedure)のための試験装置、ザウアーダンフォス(Sauer−Danfoss)シリーズ22またはシリーズ90アキシアルピストンポンプ(Axial Piston Pump)、ジョンディアシンクロプラス(John Deere Synchro−Plus)トランスミッション、SRV−摩擦磨耗試験器、四球試験装置、LFW−1試験装置、スプラグクラッチオーバーラン磨耗テスト(sprag clutch over−running wear test)(SCOWT)装置、API CJ−4エンジン試験、L−33水分腐食試験(Moisture Corrosion Test)、高温周期的耐久性試験(ASTM D5579)、288時間VEエンジンオイル性能試験、L−38標準的潤滑剤試験、デニソン(Denison)P46ピストンポンプ試験スタンド(Piston Pump Test Stand)、サンドストランド動的腐食試験スタンド(Sundstrand
Dynamic Corrosion Test Stand)、ブロック−オン−リング(block−on−ring)試験装置、ならびにメルコン(Mercon)(登録商標)、メルコン(登録商標)V、デクスロン(Dexron)(登録商標)III、デクスロン(登録商標)IIl−H、キャタピラー(Caterpillar)(登録商標)TO−4、アリソン(Allison)(登録商標)C−4、JASO、GF−4、GF−5、MIL−E、MIL−L、およびシーケンス(Sequences)II〜VIIIの下での試験分析を実施するために必要とされる任意の試験装置からなる群から選択される工程を含んでいてよい。
【0074】
別の実施形態では、潤滑液の低温粘度特性を改善するための方法は、潤滑液中に有効量
の、本願明細書に記載される1以上の反応生成物、またはその摩擦学的に許容できる塩もしくは溶媒和物を含める工程を含んでいてよい。
【0075】
別の実施形態では、潤滑を必要とする自動車の構成要素を潤滑しつつ潤滑液の低温粘度特性を改善するための方法は、1)潤滑を必要とする自動車の構成要素に潤滑液を添加する工程であって、この液は(a)基油と、(b)本願明細書に記載される1以上の反応生成物、またはその摩擦学的に許容できる塩もしくは溶媒和物とを含む、工程と、2)この液を含む自動車の構成要素を稼動させる工程とを含んでいてよく、この液の低温粘度性能は1)(b)の反応生成物を含まない潤滑液の性能よりも改善されている。
【0076】
別の実施形態では、潤滑剤添加剤を製造する方法は、a)C10−C36ビニリデンオレフィンをマレイン酸、無水物、またはエステルと反応させて炭化水素置換コハク酸、無水物またはエステルを得る工程と、b)有効量の塩基性窒素含有化合物を用いてこの炭化水素置換コハク酸、無水物またはエステルをアミノ化する工程を含んでいてよい。
【0077】
別の実施形態では、潤滑剤組成物は、(a)主要量の潤滑油と、(b)ブルックフィールド粘度を改善するのに有効な量の、i)C10−C36ビニリデンオレフィンをマレイン酸、無水物、またはエステルと反応させて炭化水素置換コハク酸、無水物またはエステルを得る工程と、ii)有効量の塩基性窒素含有化合物を用いて、この炭化水素置換コハク酸、無水物またはエステルをアミノ化する工程とによって得られる反応生成物またはその摩擦学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、もしくは添加剤前駆体と、の混合物を含んでいてよい。
【0078】
いくつかの実施形態では、上記C10−C36ビニリデンオレフィンは式V:
【化12】

を表す(式中、RおよびRは独立に(C−C15)アルキル、シクロアルキルまたはシクロアルケニルである)。
【0079】
いくつかの実施形態では、この反応生成物は、
(5−メチルノナデカ−5−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルノナデカ−6−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルノナデカ−7−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルノナデカ−8−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルノナデカ−9−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルノナデカ−10−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルノナデカ−8−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルノナデカ−7−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルノナデカ−6−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルノナデカ−5−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(5−メチルノナデカ−4−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(4−メチルノナデカ−3−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(3−メチルノナデカ−2−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(2,2’−(エタン−1,2−ジイルビス(アザンジイル))ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(3−(8−メチルノナデカ−8−エン−7−イル)ピロリジン−2,
5−ジオン);
(3−メチルヘニコサ−2−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(4−メチルヘニコサ−3−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(5−メチルヘニコサ−4−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルヘニコサ−5−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルヘニコサ−6−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルヘニコサ−7−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルヘニコサ−8−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルヘニコサ−9−エン−11−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(11−メチルヘニコサ−11−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルヘニコサ−10−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルヘニコサ−9−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルヘニコサ−8−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルヘニコサ−7−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルヘニコサ−6−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(5−メチルヘニコサ−5−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(2,2’−(エタン−1,2−ジイルビス(アザンジイル))ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(3−(5−メチルヘニコサ−5−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン);
(5−メチルトリコサ−5−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルトリコサ−6−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルトリコサ−7−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルトリコサ−8−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルトリコサ−9−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルトリコサ−10−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(11−メチルトリコサ−11−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(12−メチルトリコサ−12−エン−11−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(11−メチルトリコサ−10−エン−12−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルトリコサ−9−エン−11−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルトリコサ−8−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルトリコサ−7−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルトリコサ−6−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルトリコサ−5−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(5−メチルトリコサ−4−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(4−メチルトリコサ−3−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(3−メチルトリコサ−2−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(2,2’−(エタン−1,2−ジイルビス(アザンジイル))ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(3−(5−メチルトリコサ−5−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン);
(3−メチルペンタコサ−2−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(4−メチルペンタコサ−3−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(5−メチルペンタコサ−4−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルペンタコサ−5−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルペンタコサ−6−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルペンタコサ−7−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルペンタコサ−8−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルペンタコサ−9−エン−11−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(11−メチルペンタコサ−10−エン−12−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(12−メチルペンタコサ−11−エン−13−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(13−メチルペンタコサ−13−エン−12−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(12−メチルペンタコサ−12−エン−11−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(11−メチルペンタコサ−11−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルペンタコサ−10−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルペンタコサ−9−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルペンタコサ−8−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルペンタコサ−7−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルペンタコサ−6−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(5−メチルペンタコサ−5−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(2,2’−(エタン−1,2−ジイルビス(アザンジイル))ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(3−(7−メチルペンタコサ−7−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン);およびその摩擦学的に許容できる塩または溶媒和物からなる群から選択される。
【0080】
いくつかの実施形態では、上記ブルックフィールドを改善するのに有効な量は、当該潤滑剤組成物に基づき約10,000cP未満のBV −40を含む。
【0081】
本開示のさらなる態様は、式Iの化合物を含む潤滑剤組成物を用いて潤滑されるトランスミッションに向けられ得る。例示となるトランスミッションは、「Transmission and Driveline Design」、SAEペーパー 第SP−108号、ソサエティ・オブ・オートモーティブ・エンジニアズ(Society of Automotive Engineers)、ペンシルバニア州、ウォーレンデイル(Warrendale)、1995年;「Design of Practices: Passenger Car Automotive Transmissions」、第3版、SAE刊行物 第AE−18号、ソサエティ・オブ・オートモーティブ・エンジニアズ、ペンシルバニア州、ウォーレンデイル、1994年;および「Automotive Transmission Advancements」、SAEペーパー 第SP−854号、ソサエティ・オブ・オートモーティブ・エンジニアズ、ペンシルバニア州、ウォーレンデイル、1991年に記載されているものを挙げることができる。
【0082】
本開示には、同位体で標識された化合物を含めてもよい。このような化合物は、1以上の原子が天然で通常見出される原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって置き換えられているという事実を除いて式Iで記載された化合物と同一である。本開示の化合物に組み込まれる可能性がある同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素および塩素の同位体、例えばそれぞれH、H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、および36Clが挙げられる。上述の同位体および/または他の原子の他の同位体を含む本開示の化合物、その添加剤前駆体、および当該化合物または当該添加剤前駆体の摩擦学的に許容できる塩は、本開示の範囲内にある。リン−31、すなわち、31P、および炭素−13、すなわち、13C、同位体は、それらの調製の容易さおよび検出能のため、特に好ましい。同位体で標識された本開示の式Iの化合物およびその添加剤前駆体は、容易に利用できる同位体で標識された試薬を同位体で標識されていない試薬の代わりに使用して開示された手順を実施することによって、一般に調製することができる。
【0083】
本開示は、式Iの化合物の摩擦学的に許容できる酸付加塩にも関する。上述の基本構造の本開示の化合物の摩擦学的に許容できる酸付加塩を調製するために使用される酸は、酸付加塩、すなわち、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、リン酸塩、酸リン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、酸クエン酸塩、酒石酸塩、酒石酸水素塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、サッカラート、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩およびパモ酸塩[すなわち、1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナ
フトエ酸)塩]などの摩擦学的に許容できるアニオンを含む塩を形成する酸である。
【0084】
本開示は、式Iの塩基付加塩にも関する。性質が酸性である式Iの化合物の摩擦学的に許容できる塩基塩を調製するための試薬として使用することができる化学塩基は、かかる化合物と塩基塩を形成する化学塩基である。かかる塩基塩は、アルカリ金属カチオン(例えば、カリウムおよびナトリウム)およびアルカリ土類金属カチオン(例えば、カルシウムおよびマグネシウム)などのカチオン、アンモニウムまたはアミン付加塩(N−メチルグルカミン(メグルミン)、およびアルカノールアンモニウムなど)ならびに摩擦学的に許容できる有機アミンの他の塩基塩を含むが、これらに限定されない。
【0085】
語句「摩擦学的に許容できる塩(1種または複数)」は、本願明細書で使用する場合、特に示さない限り、本開示の化合物中に存在してもよい酸性基または塩基性基の塩を含む。性質が塩基性である本開示の化合物は、種々の無機酸および有機酸と実に様々な塩を形成することができる。かかる塩基性化合物の摩擦学的に許容できる酸付加塩を調製するために使用してよい酸は、酸付加塩、すなわち、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、リン酸塩、酸リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、クエン酸塩、酸クエン酸塩、酒石酸塩、パントテン酸塩、酒石酸水素塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩(gentisinate)、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、サッカラート、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩およびパモ酸塩[すなわち、1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸)塩]などの摩擦学的に許容できるアニオンを含む塩を形成する酸である。塩基性部分(アミノ基など)を含む本開示の化合物は、上述の酸に加えて、種々のアミンと摩擦学的に許容できる塩を形成することができる。
【0086】
本開示はまた、式Iの化合物の添加剤前駆体を含む潤滑剤またはトライボロジー組成物をも包含する。遊離アミノ、アミド、ヒドロキシまたはカルボキシル基を有する式Iの化合物は、添加剤前駆体へと変換することができる。添加剤前駆体は、アミノ残基、カーボネート、カルバメート、アミド、アルキルエステルなどが式Iの置換基に共有結合されているが、典型的な潤滑剤使用条件下で、その添加剤前駆体が式Iの化合物を与えるのに十分に反応性である化合物を含む。
【0087】
本開示は、保護基を含む式Iの化合物も包含する。精製または保存のために有用であり、かつ潤滑されるはずの装置の中で使用する前に除去することができる特定の保護基を用いても本開示の化合物を調製することができるということも、当業者には分かるであろう。官能基の保護および脱保護は、「Protective Groups in Organic Chemistry」、J.W.F.McOmieによる編集、Plenum
Press(1973)および「Protective Groups in Organic Synthesis」、第3版、T.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts、Wiley−Interscience(1999)に記載されている。
【0088】
本開示の化合物は、すべての立体異性体(例えば、cisおよびtrans異性体)および式Iの化合物のすべての光学異性体(例えば、RおよびS鏡像異性体)、ならびにかかる異性体のラセミ混合物、ジアステレオマー混合物および他の混合物を含む。
【0089】
本開示の化合物、塩および添加剤前駆体は、いくつかの互変異性体(エノール体およびイミン体、およびケト体およびエナミン体を含む)および幾何異性体ならびにこれらの混合物として存在することができる。すべてのかかる互変異性体は、本開示の範囲内に含まれる。1つの互変異性体が記載されるかも知れないとしても、本開示は、本発明の化合物のすべての互変異性体を含む。
【0090】
本開示は、本開示のアトロプ異性体も含む。アトロプ異性体は、回転が制限された異性体へと分離することができる式Iの化合物を指す。
【0091】
本開示の化合物はオレフィン様二重結合を含んでいてよい。かかる結合が存在する場合、本開示の化合物はcis配置およびtrans配置ならびにこれらの混合物として存在する。
【0092】
本願明細書で使用する場合、表記法
【化13】

は結合点を指す。従って、構造:
【化14】

は、結合点が−HC−基の炭素原子であることを示す。
【0093】
用語「に割り込まれた」は、環炭素原子が−(C=O)、−SO、−S−、−O−、−P−、−N−、−NH−、および−NR12からなる群から選択される要素によって置き換えられている化合物を指す。例えば、置換基が
【化15】

などの−(C−C10)アリールである場合、この環は、窒素ヘテロ原子に割り込まれまたは窒素ヘテロ原子によって置き換えられて、以下の環:
【化16】

を形成してもよく、この結果、環炭素はヘテロ原子窒素によって置き換えられる。本開示
の化合物は、3つまでのかかる置き換えまたは割り込みを受け容れることができる。
【0094】
「適切な置換基」は、化学的におよび摩擦学的に許容できる官能基、すなわち、本発明の化合物のトライボロジー活性を打ち消さない部分を意味することが意図されている。かかる適切な置換基は、当業者がごく普通に選択することができる。適切な置換基の具体例としては、ハロ基、ペルフルオロアルキル基、ペルフルオロアルコキシ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシ基、オキソ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アルコキシ基、アリールまたはヘテロアリール基、アリールオキシまたはヘテロアリールオキシ基、アラルキルまたはヘテロアルキル基、アラルコキシまたはヘテロアラルコキシ基、HO−(C=O)−基、アミノ基、アルキル基およびジアルキルアミノ基、カルバモイル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、ジアルキルアミノカルボニル基、アリールカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基などが挙げられるが、これらに限定されない。当業者なら、多くの置換基がさらなる置換基によって置換され得ることは分かるであろう。適切な置換基のさらなる例としては、本願明細書で定義されたR〜R15を含めた式Iの化合物の定義で記載されたものが挙げられる。
【0095】
本願明細書で使用する場合、用語「アルキル」、および本願明細書で言及される他の基(例えば、アルコキシ)のアルキル部分は、直鎖状または分枝状(メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、二級−ブチル、三級−ブチルなど)であってよく、1〜3個の上で定義された適切な置換基(フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、(C−C)アルコキシ、(C−C10)アリールオキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシまたは(C−C)アルキルなど)によって任意に置換されていてもよい。本願明細書で使用する場合の語句「上記アルキルの各々」は、基(アルコキシ、アルケニルまたはアルキルアミノ)の内にある先に記載されたアルキル部分のいずれかを指す。好ましいアルキルとしては(C−C22)アルキルが挙げられ、(C−C)アルキルがより好ましく、メチルおよびエチルが最も好ましい。
【0096】
本願明細書で使用する場合、用語「シクロアルキル」は、単環式、二環式または三環式の炭素環式環(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、ビシクロヘプタニル、ビシクロオクタニルおよびビシクロノナニルなど)を指し、これらは任意に、1つまたは2つの二重結合を含み、かつ1〜3個の上で定義された適切な置換基(フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、(C−C)アルコキシ、(C−C10)アリールオキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシまたは(C−C)アルキルが挙げられるが、これらに限定されない)によって任意に置換されている。
【0097】
本願明細書で使用する場合、用語「ハロゲン」はフルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードまたはフッ化物、塩化物、臭化物またはヨウ化物を含む。
【0098】
本願明細書で使用する場合、用語「アルケニル」は、2〜22個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖の不飽和ラジカルを意味し、例としてはエテニル、1−プロペニル、2−プロペニル(アリル)、イソ−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニルなどが挙げられ(これらに限定されない)、このアルケニルは1〜3個の上で定義された適切な置換基(フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、(C−C)アルコキシ、(C−C10)アリールオキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシまたは(C−C)アルキルが挙げられるが、これらに限定されない)によって任意に置換されている。
【0099】
本願明細書で使用する場合、用語「アルキニル」は、1つの三重結合を有する直鎖状または分枝状の炭化水素鎖ラジカルを意味するために本願明細書中で使用され、例としては、エチニル、プロピニル、ブチニルなどが挙げられ(これらに限定されない)、このアルキニルは1〜3個の上で定義された適切な置換基(フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、(C−C)アルコキシ、(C−C10)アリールオキシトリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシまたは(C−C)アルキルが挙げられるが、これらに限定されない)によって任意に置換されている。
【0100】
本願明細書で使用する場合、(アルキルカルボニル、アルキル−(C=O)−またはアルコキシルカルボニルなどの語句で使用される)用語「カルボニル」または「(C=O)」は、>C=O部分の、第2の部分(アルキルまたはアミノ基(すなわちアミド基)への結合を指す。アルコキシカルボニルアミノ(すなわちアルコキシ(C=O)−NH−)は、アルキルカルバメート基を指す。このカルボニル基はまた、本願明細書で(C=O)と等価に定義される。アルキルカルボニルアミノは、アセトアミドなどの基を指す。
【0101】
本願明細書で使用する場合、用語「アリール」は、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニルなどを含めた(これらに限定されない)芳香族ラジカルを意味する。このアリールは、1〜3個の上で定義された適切な置換基によって任意に置換される。
【0102】
本願明細書で使用する場合、用語「ヘテロアリール」は、通常は環の中に1つのO、SおよびNから選択されるヘテロ原子を有する芳香族複素環式基を指す。上記ヘテロ原子に加えて、この芳香族基は、任意に、4個までのN原子を環の中に有してよい。例えば、ヘテロアリール基としては、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、チエニル、フリル、イミダゾリル、ピロリル、オキサゾリル(例えば、1,3−オキサゾリル、1,2−オキサゾリル)、チアゾリル(例えば、1,2−チアゾリル、1,3−チアゾリル)、ピラゾリル、テトラゾリル、トリアゾリル(例えば、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル)、オキサジアゾリル(例えば、1,2,3−オキサジアゾリル)、チアジアゾリル(例えば、1,3,4−チアジアゾリル)、キノリル、イソキノリル、ベンゾチエニル、ベンゾフリル、インドリルなどが挙げられ、これらは、1〜3個の上で定義された適切な置換基(フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、(C−C)アルコキシ、(C−C10)アリールオキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシまたは(C−C)アルキルが挙げられるが、これらに限定されない)によって任意に置換されている。
【0103】
本願明細書で使用する場合の用語「複素環式」は、1−9個の炭素原子、および1〜4個のN、P、O、S(O)またはNRから選択されるヘテロ原子を含む環式基を指す。かかる環の例としては、ジオキサホスホリナン、アゼチジニル、テトラヒドロフラニル、イミダゾリジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル、テトラヒドロチアジニル、テトラヒドロチアジアジニル、モルホリニル、オキセタニル、テトラヒドロジアジニル、オキサジニル、オキサチアジニル、インドリニル、イソインドリニル、キヌクリジニル、クロマニル、イソクロマニル、ベンゾオキサジニルなどが挙げられる。当該単環式飽和または部分飽和の環系の例は、1,3,2−ジオキサホスホリナン、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、イミダゾリジン−1−イル、イミダゾリジン−2−イル、イミダゾリジン−4−イル、ピロリジン−1−イル、ピロリジン−2−イル、ピロリジン−3−イル、ピペリジン−1−イル、ピペリジン−2−イル、ピペリジン−3−イル、ピペラジン−1−イル、ピペラジン−2−イル、ピペラジン−3−イル、1,3−オキサゾリジン−3−イル、イソチアゾリジン、1,3−チアゾリジン−3−イル、1,2−ピラゾリジン−2−イル、1,3−ピラゾリジン−1−イル、チオモルホリン−イル、1,2−テトラヒドロチアジン−2−イル、1,3−テトラヒドロチアジン−3−イル、テ
トラヒドロチアジアジン−イル、モルホリン−イル、1,2−テトラヒドロジアジン−2−イル、1,3−テトラヒドロジアジン−1−イル、1,4−オキサジン−2−イル、1,2,5−オキサチアジン−4−イルなどであり、これらは任意に1つまたは2つの二重結合を含み、かつ1〜3個の上で定義された適切な置換基(フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、(C−C)アルコキシ、(C−C10)アリールオキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシまたは(C−C)アルキルが挙げられるが、これらに限定されない)によって任意に置換されている。
【0104】
本願明細書で使用する場合の窒素ヘテロ原子は、N=、>Nおよび−NHを指し、ここで−N=は窒素二重結合を指し、>Nは窒素を含む2結合連結部を指し、−Nは窒素含有の1つの結合を指す。
【0105】
本願明細書で使用する場合の「実施形態」は、化合物または使用を別個の亜属へ具体的に組み分けることを指す。かかる亜属は、具体的なRまたはR基などの1つの特定の置換基に従って認識でき得る。他の亜属は、種々の置換基の組み合わせ(Rは水素であり、Rは(C−C)アルキルであるすべての化合物など)に従って認識でき得る。
【0106】
本願明細書で使用する場合、用語「オイル組成物」、「潤滑組成物」、「潤滑油組成物」、「潤滑油」、「潤滑剤組成物」、「完全調合の潤滑剤組成物」、および「潤滑剤」は、主要量の基油に加えて少量の添加剤組成物を含む完成した潤滑製品を指す、同義の完全に互換的な専門用語と考えられる。
【0107】
本願明細書で使用する場合、用語「添加剤パッケージ」、「添加剤濃縮物」、および「添加剤組成物」は、主要量の基油原料混合物を除いた潤滑組成物の部分を指す、同義の完全に互換的な専門用語と考えられる。
【0108】
本願明細書および特許請求の範囲にわたって使用する場合、「1つの(a)」および/または「1つの(an)」は、1または1より多いことを意味してよい。特に示さない限り、本願明細書および特許請求の範囲で使用される成分の量、特性(分子量、割合(%)、比、反応条件など)を表すすべての数は、すべての場合において、用語「約」によって修正されていると理解されるものとする。従って、そうではないと示されない限り、本願明細書および特許請求の範囲で示される数値パラメータは、本開示によって得ようとしている所望の特性に応じて変動し得る近似値である。最低限、そして特許請求の範囲への均等論の適用を制限しようとするわけではないが、各数値パラメータは、記載された有効数字の数を考慮して、そして通常の丸め手法を適用して、少なくとも解釈されるべきである。本開示の広い範囲を示す数値範囲およびパラメータは近似値であるにもかかわらず、具体的な実施例で示された数値はできるだけ正確に記載されている。しかしながら、あらゆる数値はもともと、そのそれぞれの試験測定値で見出される標準偏差から必然的に生じるある誤差を含む。
【0109】
開示のさらなる目的および利点は、以下の説明に一部示されるであろうし、かつ/または本開示の実施によって教示されることもあろう。本開示の目的および利点は、添付の特許請求の範囲で特に記載した要素および組み合わせによって現実のものとなり、成し遂げられるであろう。
【0110】
上記の一般的な記載および以下の詳細な説明はともに、例示のためおよび説明のためのみのものであり、請求項に係る本開示を限定するものではないことを、理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0111】
式1および式1(a)の化合物は、スキームIに概略を示した合成経路を用いて調製す
ることができる。スキームIの中の置換基は、式Iについて定義された置換基と同じ意味を有する。
【化17】

【0112】
式(1)および式(1a)の化合物は、一般式RCHCH=CH(8)(式中、RはC−C15の範囲の炭素数を有するアルキル、シクロアルキル、またはシクロアルケニルである)のα−オレフィンを金属触媒系(例えば、ジルコニウムメタロセンおよびアルキルアルミノキサン触媒系(7)など)と接触させることによって、このオレフィンを、ビニリデンオレフィン(6)へと二量化させることで調製することができる。二量化では、90%もの高い収率を期待することができる。この方法は周知であり、特許文献で論じられている(例えば、米国特許第5,087,788号を参照)。
【0113】
ビニリデン(6)は、このビニリデンを酸触媒反応条件下に置くことによって、より熱
力学的に安定な三置換内部オレフィン(5)へと変換することができる。得られたオレフィンは、「エン反応」を誘導するための熱条件下で、RおよびRの位置で任意に置換されたマレイン酸、無水物、またはエステル(無水マレイン酸(4)がスキームIに示されている)で処理される。反応生成物(3)、すなわちビニルメチル基を有するアルキルコハク酸無水物は、この反応混合物を真空下に置くことによって未反応の無水マレイン酸から分離される。次いで、アミノ化反応を促進するのに資する適切な温度でアミノ化反応を行ってよい。この反応混合物は、適切な高い温度で1当量の塩基(例えば、アンモニアガスまたは置換アミン(2))を用いて中和してよい。最終生成物(1)である、ビニルメチル基を有するアルキルスクシンイミドは、約80%以上の全収率で生成される。あるいは、アルキルコハク酸無水物(3)をポリアミン型(2a)との反応に供して、両方のスクシンイミドがビニルメチル基を含むアルキル基によって置換されたビス−スクシンイミド(1a)を得ることができる。
【0114】
いくつかの実施形態では、1以上の式Iに係る化合物、またはその摩擦学的に許容できる塩もしくは溶媒和物を潤滑組成物の中に配合してよい。1以上の式Iに係る化合物、またはその摩擦学的に許容できる塩もしくは溶媒和物を含む潤滑剤添加剤組成物を調製してもよい。潤滑剤組成物は、a)主要量の基油と、b)1以上の式Iの化合物、またはその摩擦学的に許容できる塩もしくは溶媒和物を含む、少量の添加剤組成物とを含んでいてよい。
【0115】
(任意の添加剤構成成分)
本開示の別の態様では、ビニルメチル置換を有するアルキルスクシンイミドは、潤滑液を得るために、添加剤組成物の中へと配合して、基油とブレンドすることができる。かかる液は任意に、1以上の選択された成分、および本願明細書で後述するものを含めた(それらに限定されない)添加剤とともに配合してよい。かかる添加剤としては、空気放出用添加剤、泡消し剤(抑泡剤)、酸化防止剤、防錆用添加剤、耐摩耗用添加剤、着色料、防蝕剤、分散剤、極圧剤、摩擦調整剤、金属不活性化剤、金属系清浄剤、有機リン化合物、流動点降下剤、シール膨潤剤、および/または粘度指数向上剤を挙げることができるが、これらに限定されない。添加剤は、一般的に、とりわけC.V.Smalheerら、Lubricant Additives、1−11頁(1967)および米国特許第4,105,571号に記載されている。これらの補助的な添加剤は、市販のものを含む。
【0116】
適切な油溶性無灰分散剤は、スクシンイミド分散剤、コハク酸エステル分散剤、コハク酸エステル−アミド分散剤、マンニッヒ塩基分散剤、そのリン酸化形態、およびそのホウ酸化形態からなる群から選択されてよい。
【0117】
任意の添加剤のいずれかを選択する際には、選択された構成成分(1種または複数)が当該添加剤パッケージおよび完成した潤滑剤組成物に可溶性であるかまたはそれらの中に安定に分散であり得ること、および当該組成物の他の構成成分と相溶性であり得ることを確認することが重要であろう。言及することによって、当業者は、当該組成物の性能特性(特性の中でもとりわけ、規定どおりに、完成した組成物全体で必要とされまたは所望される改善された低温粘度が実質的に悪影響を受けないであろうように、さらなる任意の添加剤または添加剤の組み合わせ、それらの量を選択することが予想されるであろう。
【0118】
一般に、上記補助的な添加剤構成成分は、ベースの液の性能特徴および特性を改善するのに十分な少量で潤滑油の中で用いてよい。従って、この量は、用いたベースの液の粘度特徴、完成した液で所望される粘度特徴、完成した液に対して意図される供用条件、および完成した液で所望される性能特徴などの要因に応じて変わり得る。
【0119】
しかしながら、一般的に言えば、ベースとなる液中での上記さらなる構成成分の以下の
一般的な濃度(特に示さない限り、重量%)が例として挙げられ得る。
【0120】
添加剤のそれぞれの量は、その期待される性能をもたらすのに十分であり得る量で、選択された基油の中へとブレンドしてよい。具体的な配合物についての有効量は容易に判明するかも知れないが、例示目的として、代表的な有効量についてのこれらの一般的な指針が提供される。下記の量は、完全調合の潤滑液の重量%で提示されている。
【0121】
【表1】

【0122】
用いられる個々の構成成分はベースの液の中へと別々にブレンドされてもよいし、または所望に応じて種々の一部分の組み合わせとしてベースの液の中にブレンドされてもよいことは分かるであろう。通常は、かかるブレンド工程の具体的な順序は重要ではない。さらに、かかる構成成分は希釈剤中の別々の溶液の形態でブレンドされてもよい。しかしながら、濃縮物の形態で使用される添加剤構成成分をブレンドすることが好ましい場合がある。なぜなら、こうすることで、ブレンド操作が簡便になり、ブレンドの間違いの可能性が減少し、そして濃縮物全体によってもたらされる相溶性および溶解性の特徴を利用できるためである。
【0123】
このように、添加剤濃縮物は、添加剤構成成分のすべて、および所望に応じて、いくらかの基油構成成分を、上に記載した濃度と整合する完成した液ブレンドを得るために釣り合いの取れた量で含むように配合されてよい。ほとんどの場合、この添加剤濃縮物は、濃縮物の取扱いおよびブレンドを容易にするための1以上の希釈剤(軽油など)を含むであろう。このように、約50重量%までの1以上の希釈剤または溶媒を含む濃縮物を使用してよいが、ただしこれは、この溶媒が完成したトランスミッション液組成物の低温および高温での特徴ならびに引火点特徴ならびに性能を邪魔しない量で存在する場合に限る。この点で、本開示に従って使用される添加剤構成成分は、かかる構成成分から配合された添加剤濃縮物またはパッケージがASTM D−92試験手順を使用して約170℃以上の引火点を有するように、選択されおよび釣り合いが取られてよい。
【0124】
本願明細書中の実施形態の潤滑液は、種々の用途のための潤滑および/または高められた摩擦性能特性および/または改善された低温粘度特性をもたらすように処方できる。式Iの化合物、またはその摩擦学的に許容できる塩もしくは溶媒和物を含む潤滑剤組成物は、機械部品を潤滑するために使用してよい。
【0125】
かかる液は、オートマティックトランスミッションまたはマニュアルトランスミッショ
ン(ステップオートマティックトランスミッション(step automatic transmission)、無段変速機、セミオートマティックトランスミッション、自動制御式マニュアルトランスミッション、トロイダル式変速機、および二段クラッチ変速装置が挙げられる)用に適切であり得る。かかるトランスミッションとしては、4速、5速、6速、および7速トランスミッション、および無段変速機(チェーン、ベルト、またはディスク型)が挙げられる。さらに、本開示の潤滑液はまた、電子制御式コンバータークラッチ、滑りトルクコンバーター、連続的滑りトルクコンバータークラッチ、ロックアップトルクコンバーター、発進クラッチ、および/または1以上のシフトクラッチを備えたトランスミッションで使用するのにも適している。本開示に係る潤滑液は、工業的なギヤ用途、自動車用ギヤ用途、車軸、およびステーショナリー型ギヤボックスなどのギヤ用途で使用してもよい。ギヤの型としては、平歯車、ねじれ歯車、ウオームギヤ、ラックおよびピニオンギヤ、およびインボリュート歯車、かさ歯車、はすば歯車、遊星歯車、およびハイポイドギヤを挙げることができるが、これらに限定されない。本願明細書で開示される潤滑液は、車軸、トランスファーケース、ディファレンシャル(ストレートディファレンシャル、ターニングディファレンシャル、リミティッドスリップディファレンシャル、クラッチ型ディファレンシャル、およびロッキングディファレンシャルなど)で使用してよい。本開示の潤滑液は、内燃機関、ロータリーエンジン、ガスタービンエンジン、4サイクルエンジン、および2サイクルエンジンを含めた(これらに限定されない)種々のエンジン用途で使用することができる。本願明細書で開示される添加剤を用いて潤滑してよいエンジン構成要素としては、ピストン、軸受、クランク軸、および/またはカム軸を挙げることができる。さらに、それらはまた金属加工用途でも有用であり得る。本開示のさらなる態様は、本願明細書に記載される潤滑剤添加剤を含む潤滑剤組成物であって、トラック、自動車、および/または1まとまりの機械化された農機具(トラクターまたは刈り取り機など)の可動要素または部品を潤滑するのに適した潤滑剤組成物を提供することができる。
【実施例】
【0126】
(実施例1)
【化18】

339.4グラムの、およそ40重量%の内部ビニリデンを含むC20−C24オレフィン(1.1mol)、112.8グラム(1.2mol)の溶融した無水マレイン酸、2.42グラムのp−トルエンスルホン酸(TsOH)、および1.64グラムの合成酸化防止剤(ヒンダードフェノール酸化防止剤)を1.0Lのオートクレーブに入れた。この撹拌した混合物を撹拌しながら加熱しているときに、この撹拌した混合物を真空(28インチ(約71cm)のHg)、窒素フラッシュ、および真空のサイクルに供した。約2
25℃の温度で約5時間後、得られたアルキルコハク酸無水物を別の反応器に移し、この反応器で未反応の無水マレイン酸を蒸留によって除去した。アンモニアガス(16.95グラム)を、約160℃で約2〜約3時間にわたってこの撹拌した混合物に吹き込んだ。熱い混合物を真空濾過して、2.29%のNを含む透明な生成物を得た。この透明な生成物の赤外スペクトルは、1771、1709cm−1にカルボニルバンド(イミド)を示した。強塩基で滴定できる酸性基の量は、試料1グラムあたり2.07ミリ当量であった。代表的なビニリデンC20スクシンイミド構造としては、上に示した(9−メチルノナデカ−8−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオンが挙げられる。
【0127】
(実施例2)
【化19】

450.0グラムの直鎖α C20−C24オレフィン(1.5mol)、149.6グラム(1.5mol)の溶融した無水マレイン酸、3.21グラムのp−トルエンスルホン酸(TsOH)、および2.20グラムの合成酸化防止剤(ヒンダードフェノール酸化防止剤)を2.0Lのオートクレーブに入れた。この撹拌した混合物を真空下で密閉し、これを225℃で約5時間、撹拌し加熱した。得られたアルキルコハク酸無水物を別の反応器に移し、この反応器で未反応の無水マレイン酸を蒸留によって除去した。この中間体生成物(99.0グラム)の一部を160℃でアンモニアガス(4.21グラム)を用いて中和し、98.8グラムの、2.94%のNを含むスクシンイミドを得た。代表的な異性化した直鎖C20スクシンイミド構造としては、上記の(E)−3−(イコサ−8−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオンが挙げられる。
【0128】
(実施例3)
【化20】

344.9グラムの、およそ40重量%の内部ビニリデンを含むC20−C24オレフィン(1.1mol)、114.6グラム(1.2mol)の溶融した無水マレイン酸、2.46グラムのp−トルエンスルホン酸(TsOH)、および1.67グラムの合成酸化防止剤(ヒンダードフェノール酸化防止剤)を1.0Lのオートクレーブに入れた。こ
の撹拌した混合物を撹拌しながら加熱しているときに、この撹拌した混合物を真空(28インチ(約71cm)のHg)、窒素フラッシュ、および真空のサイクルに供した。約225℃の温度で約5時間後、得られたアルキルコハク酸無水物を別の反応器に移し、この反応器で未反応の無水マレイン酸を蒸留によって除去した。この生成物を45.0gのプロセス油で希釈した。温度制御した条件下で43.9グラムの市販のテトラエチレンペンタミン(TEPA)を滴下して混合物を得て、これを真空下、160℃で3時間撹拌した。生成物(258.5g)は、6.09%のNを含み、146.5mg KOH/gの全塩基価(TBN)を有していた。代表的なビニリデンC20ビス−スクシンイミド構造としては、上記の(2,2’−(2,2’−アザンジイルビス(エタン−2,1−ジイル)ビス(アザンジイル))ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(3−((E)−9−メチルノナデカ−8−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン)が挙げられる。
【0129】
実施例1および実施例3に係る本開示の潤滑剤添加剤ならびに比較のための摩擦調整剤である実施例2を、試料S1、S2、およびS3と指定したトランスミッション液へと配合した。S1およびS3は、それぞれ実施例1および実施例3に係る潤滑剤添加剤を含んでいた。そして、S2は実施例2に係る潤滑剤添加剤を含んでいた。これらのトランスミッション液は、摩擦調整剤を除いては、他の点では同一であった。各トランスミッション液は、約3.5重量%のそれぞれの摩擦調整剤を含んでいた。本発明の摩擦調整剤を利用する典型的なトランスミッション液は、約1〜10重量%の間の本発明の摩擦調整剤(1種または複数)を含んでいた。
【0130】
実施例1−3に係る構成成分を含む各トランスミッション液についての−40℃でのブルックフィールド粘度(BV −40)を確認し、それを表1に記載した。
【0131】
【表2】

【0132】
実施例1、実施例2および実施例3に記載した添加剤を含む潤滑液についてのブルックフィールド粘度の結果を、それぞれエントリーS1、S2、およびS3として表1に示す。データの顕著な特徴は、直鎖αオレフィンから調製されたスクシンイミド生成物(S2)と比べたときの、内部ビニリデンから誘導されたスクシンイミド生成物(S1)の使用から生じたブルックフィールド粘度の改善の程度である。この差は、高価な合成液および/または粘度指数向上剤(VII)の必要性の解消に起因する著しいコスト削減という形になって現れるであろう。本開示によって表されるメチル分岐した炭化水素鎖を含むビス−スクシンイミド型生成物(S3)もまた、好ましいブルックフィールド粘度を示す。表1は、ビス−スクシンイミドの摩擦についての特徴に関するビス−スクシンイミド型生成物(S3)のもう1つの別個の特徴を示す。
【0133】
試料S1、S2、およびS3を含む潤滑液の摩擦性能を、異なる摺動速度における摩擦係数(μ/v)の正確な測定が可能であるSAE No.2機械で評価した。慣用的なSAE No.2機械は、両端で延びるシャフトを有するモーターを備える。慣性端(inertia end)は、はずみ車へとフランジで接続されている。クラッチ端は試験ヘッドを有し、この試験ヘッドで、摩擦プレートと鋼鉄のセパレータープレートとの間の摩
擦力が所与の温度、荷重、および摺動速度で、ロードセルを通して測定される。
【0134】
この機械を用いて得られるμ/vデータは、車両のシャダーと燃料効率性能との良好な相関を提供する。μ/vデータにおいてより負の勾配を示すトランスミッション液は、車両においてより深刻なシャダーを起こす傾向を示す。当業者には分かるように、低速(低rpm、例えば、低速度V)(例えば約1〜約50rpmの範囲)での摩擦は、トルク容量、すなわち、エネルギーを伝達する能力を示す。より高い値は、トランスミッションによるより少ないエネルギー損失を示し、これはより良好な燃料効率となって現れる。従って、最も好ましい液は、μ/v曲線での負の傾きを示すことなく高摩擦を示すものということになる。
【0135】
表1を詳細に検討すると、試料S1およびS2の潤滑液について、シャダーに対して同等の傾向が分かる。しかしながら、本開示の潤滑液(試料S1)はより良好なトルク容量を提供する。上で論じたブルックフィールド粘度の恩恵と合わせると、本開示の潤滑液(S1)は、直鎖αオレフィンから製造された試料S2の潤滑液よりも、より良好な潤滑液を表す。ビニリデン含有オレフィンから製造したビス−スクシンイミド型の摩擦調整剤(S3)は、μ/v曲線全体にわたって正の傾きを維持することでシャダーに対する最小の傾向を示す。ビス−スクシンイミド型摩擦調整剤(S3)はまた良好なブルックフィールド粘度をも示す。
【0136】
本開示の実施形態に係る潤滑剤組成物および/または潤滑剤添加剤はさらに、摩擦性能の十分な耐久性を提供し得ることを理解されたい。
【0137】
本願明細書全体にわたる多くの箇所で、多くの米国特許、欧州特許出願(公開)、PCT国際特許出願、および参考文献が参照された。すべてのかかる引用文献は、あたかもそれらが本願明細書に全体が示されたかのごとくに、本開示に全体が明示的に援用されたものとする。
【0138】
本開示は、本願明細書中上記で、主にトランスミッション用の改善された低温粘度を有するトランスミッション液としての例において示されたが、この液の実施形態の恩恵は他の潤滑液またはトランスミッション液にも同様に当てはまることが企図されている。ギヤ油、油圧油、エンジン油、大型車両用油圧油、工業潤滑油、パワーステアリング液、ポンプ油、トラクター用油、および汎用トラクター用油は本開示の範囲内に包含されてよいが、これらに限定されない。装置の実施形態としては、本開示に係る潤滑液を組み込むギヤ、エンジン、油圧機構、パワーステアリング装置、ポンプなどを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0139】
本開示の他の実施形態は、本願明細書の考察および本願明細書に開示および示唆された実施形態の実施から当業者には明らかとなるであろう。本願明細書および実施例は例示のためのみのものと考えられ、本開示の真の範囲および趣旨は添付の特許請求の範囲によって示されることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の式I:
【化1】

によって表される化合物、またはその摩擦学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、もしくは添加剤前駆体
(式中、
は、水素、−(C−C)アルキル、−(C−C)アルケニル、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、および下記の式IIを有するラジカル(式中、zは1−10であってよい)からなる群から選択され、ここで前記−(C−C)アルキル、−(C−C)アルケニル、−(C−C)シクロアルキル、および−(C−C)ヘテロシクリル置換基は、独立に水素、ハロゲン、ヒドロキシル、−(C−C16)アルキル、−(C−C16)アルケニル、−CN、−NR、−OR、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、−CO15、−SONR、NR15SO10、−SO10および−CONR11からなる群から選択される1〜3個の部分によって任意に置換されており、前記−CONR11基のRおよびR11は、それらが結合する原子と一緒になって−(C−C)ヘテロシクリルを形成してもよく、
【化2】

は独立に変化してよく、以下の式III:
【化3】

を有し、式中、RおよびRは独立に(C−C15)アルキル、シクロアルキルまたはシクロアルケニルであり、
は水素、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、−(C−C)シクロアルキル、および−(C−C)ヘテロシクリルからなる群から選択され、前記(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、−(C−C)シクロアルキルおよび−(C−C)ヘテロシクリル置換基は、独立に水素、ハロゲン、ヒドロキシル、−(C−C16)アルキル、(C−C16)アルケニル、−CN、−NR、−OR、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、−CO15、−SONR、NR15SO10、−SO10および−CONR11からなる群から選択される1〜3個の部分によって任意に置換されていてもよく、前記−CONR11基のRおよびR11は、それらが結合する原子と一緒になって−(C−C)ヘテロシクリルを形成してもよく、
およびRは、各々、独立に水素、−(C−C)アルキル、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリルからなる群から選択される置換基であってよく、前記−(C−C)ヘテロシクリル基は独立に−(C=O)、−SO、−S−、−O−、−P−、−N−、−NH−および−NR15、−(C−C10)アリール、−(C−C)ヘテロアリール、COR15および−SO15からなる群から選択される1〜3個の要素に任意に割り込まれていてもよく、前記−(C−C)アルキル、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、−(C−C10)アリール、−(C−C)ヘテロアリール、−COR15および−SO15またはR置換基は、独立に水素、ハロゲン、−カルコゲン、−CF、−CN、−(C−C)アルキル、−NH(C−C)アルキル、−NH(C−C)シクロアルキル、−NH(C−C)ヘテロシクリル、−NH(C−C10)アリール、−NH(C−C)ヘテロアリール、−N((C−C)アルキル)、−N((C−C)シクロアルキル)−、−N((C−C)ヘテロシクリル)、−N((C−C10)アリール)、−N((C−C)ヘテロアリール)、−O(C−C)アルキル、−O(C−C)シクロアルキル、−O(C−C)ヘテロシクリル、−O(C−C10)アリール、−O(C−C)ヘテロアリール、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、−CO10、SONR、NR15SO10、−SO10、−CONH、−CONHR10、および−CONR1011からなる群から選択される1〜3個の部分によって任意に置換されていてもよく、前記−CONR1011基のR10およびR11は、それらが結合する窒素原子と一緒になって−(C−C)ヘテロシクリルを形成してもよく、
およびRは、それらが結合する原子(単数または複数)と一緒になって−(C−C)ヘテロシクリルを形成してもよく、前記−(C−C)ヘテロシクリル基は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、−CF、−NO、−CN、−(C−C)アルキル、−(C−C)アルケニル、−(C−C)アルキニル、−C=N−OH、−C=N−O((C−C)−アルキル)、−NR1011、−OR15、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、−CO15、−CONR1011、−CONR11、−SR10、−SOR10、−SO10、−SONR1011、−NHCOR15、−NR15CONR1011、および−NR12SO10からなる群から選択される1〜3個の部分によって任意に置換されていてもよく、前記−(C−C)ヘテロシクリル基の前記−(C−C)アルケニルおよび−(C−C)アルキニル部分は、1〜3個のR10基で任意に置換されていてもよく、前記−(C−C)ヘテロシクリル基は、独立に−(C=O)、−SO、−S−、−O−、−P−、−N−、−NH−および−NR15からなる群から選択される1〜3個の要素に任意に割り込まれていてもよく、
10は、−(C−C)アルキル、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、−(C−C10)アリール、および−(C−C)ヘテロアリールからなる群から選択される置換基であり、ここで前記−(C−C)アルキル、
−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、−(C−C10)アリール、および−(C−C)ヘテロアリール R10置換基は、独立に水素、ハロゲン、ヒドロキシ、−CN、−(C−C)アルキル、−NR15、および−O(C−C)アルキルからなる群から選択される1〜3個の部分によって任意に置換されていてもよく、
11は、水素、−(C−C)アルキル、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、−(C−C10)アリール、および−(C−C)ヘテロアリールからなる群から選択される置換基であり、前記−(C−C)アルキル、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、−(C−C10)アリール、および−(C−C)ヘテロアリール R11ラジカルは、独立に水素、ハロゲン、ヒドロキシ、−CN、−(C−C)アルキル、−NH、−NHR12、−N(R12、−OR12、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、−CO13、−CONH、−CONHR13、および−CONR1314からなる群から選択される1〜3個の部分によって任意に置換されていてもよく、−CONR1314のR13およびR14は、それらが結合する窒素原子と一緒になって−(C−C)ヘテロシクリルを形成してもよく、
12およびR13は、各々独立に水素および−(C−C)アルキルからなる群から選択されてよく、
14は、水素および−(C−C)アルキルからなる群から選択されてよく、
15は、水素、−(C−C)アルキル、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、−(C−C10)アリール、および−(C−C)ヘテロアリールからなる群から選択される置換基であってよく、前記−(C−C)アルキル、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、−(C−C10)アリール、および−(C−C)ヘテロアリール R15置換基は、独立に水素、ハロゲン、−CF、−CN、−(C−C)アルキル、−NH(C−C)アルキル、−NH(C−C)シクロアルキル、−NH(C−C)ヘテロシクリル、−NH(C−C10)アリール、−NH(C−C)ヘテロアリール、−N((C−C)アルキル)、−N((C−C)シクロアルキル)−、−N((C−C)ヘテロシクリル)、−N((C−C10)アリール)、−N((C−C)ヘテロアリール)、−O(C−C)アルキル、−O(C−C)シクロアルキル、−O(C−C)ヘテロシクリル、−O(C−C10)アリール、−O(C−C)ヘテロアリール、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、−CO10、−CONH、−CONHR10、および−CONR1011からなる群から選択される1〜3個の部分によって任意に置換されていてもよく、
前記−CONR1011基のR10およびR11は、それらが結合する原子と一緒になって−(C−C)ヘテロシクリルを形成してよい)。
【請求項2】
が式IV:
【化4】

(式中、xおよびyは各々少なくとも1でなければならず、かつ(x+y)は8、10、12、14、16または18である)を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が式II:
【化5】

を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
がC−Cアルキルを表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
がC−Cアルキルを表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
以下の、
(5−メチルノナデカ−5−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルノナデカ−6−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルノナデカ−7−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルノナデカ−8−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルノナデカ−9−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルノナデカ−10−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルノナデカ−8−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルノナデカ−7−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルノナデカ−6−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルノナデカ−5−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(5−メチルノナデカ−4−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(4−メチルノナデカ−3−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(3−メチルノナデカ−2−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(2,2’−(エタン−1,2−ジイルビス(アザンジイル))ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(3−(8−メチルノナデカ−8−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン);
(3−メチルヘニコサ−2−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(4−メチルヘニコサ−3−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(5−メチルヘニコサ−4−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルヘニコサ−5−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルヘニコサ−6−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルヘニコサ−7−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルヘニコサ−8−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルヘニコサ−9−エン−11−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(11−メチルヘニコサ−11−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルヘニコサ−10−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルヘニコサ−9−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルヘニコサ−8−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルヘニコサ−7−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルヘニコサ−6−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(5−メチルヘニコサ−5−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(2,2’−(エタン−1,2−ジイルビス(アザンジイル))ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(3−(5−メチルヘニコサ−5−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン);
(5−メチルトリコサ−5−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルトリコサ−6−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルトリコサ−7−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルトリコサ−8−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルトリコサ−9−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルトリコサ−10−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(11−メチルトリコサ−11−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(12−メチルトリコサ−12−エン−11−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(11−メチルトリコサ−10−エン−12−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルトリコサ−9−エン−11−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルトリコサ−8−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルトリコサ−7−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルトリコサ−6−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルトリコサ−5−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(5−メチルトリコサ−4−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(4−メチルトリコサ−3−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(3−メチルトリコサ−2−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(2,2’−(エタン−1,2−ジイルビス(アザンジイル))ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(3−(5−メチルトリコサ−5−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン);
(3−メチルペンタコサ−2−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(4−メチルペンタコサ−3−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(5−メチルペンタコサ−4−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルペンタコサ−5−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルペンタコサ−6−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルペンタコサ−7−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルペンタコサ−8−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルペンタコサ−9−エン−11−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(11−メチルペンタコサ−10−エン−12−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(12−メチルペンタコサ−11−エン−13−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(13−メチルペンタコサ−13−エン−12−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(12−メチルペンタコサ−12−エン−11−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(11−メチルペンタコサ−11−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルペンタコサ−10−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルペンタコサ−9−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルペンタコサ−8−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルペンタコサ−7−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルペンタコサ−6−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(5−メチルペンタコサ−5−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(2,2’−(エタン−1,2−ジイルビス(アザンジイル))ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(3−(7−メチルペンタコサ−7−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン);およびその摩擦学的に許容できる塩または溶媒和物からなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
1以上の請求項1に記載の化合物、またはその摩擦学的に許容できる塩もしくは溶媒和物を含む潤滑剤組成物。
【請求項8】
1以上の請求項1に記載の化合物、またはその摩擦学的に許容できる塩もしくは溶媒和物を含む潤滑剤添加剤組成物。
【請求項9】
a)主要量の基油と、
b)1以上の請求項1に記載の化合物、またはその摩擦学的に許容できる塩もしくは溶媒和物を含む、少量の添加剤組成物と
を含む、潤滑剤組成物。
【請求項10】
前記1以上の請求項1に記載の化合物、またはその摩擦学的に許容できる塩もしくは溶媒和物が、前記潤滑剤組成物の約1〜10重量%の間の量で存在する、請求項9に記載の潤滑剤組成物。
【請求項11】
さらに、スクシンイミド分散剤、コハク酸エステル分散剤、コハク酸エステル−アミド分散剤、マンニッヒ塩基分散剤、そのリン酸化形態、およびそのホウ酸化形態からなる群から選択される油溶性無灰分散剤を含む、請求項7または請求項9に記載の潤滑剤組成物。
【請求項12】
さらに空気放出用添加剤、酸化防止剤、防蝕剤、抑泡剤、金属系清浄剤、有機リン化合物、シール膨潤剤、粘度指数向上剤、および極圧剤のうちの1以上のを含む、請求項7または請求項9に記載の潤滑剤組成物。
【請求項13】
潤滑剤添加剤であって、
a)三置換内部オレフィン(各オレフィンは約12〜約36個の炭素原子を含む)、および無水マレイン酸を十分に高い温度で十分な時間量のあいだ混合してマレイン酸化生成物を得る工程と、
b)高い温度で有効量の塩基性窒素含有化合物を用いて前記マレイン酸化生成物をアミノ化して中和する工程と
のプロセスによって得られる反応生成物を含む潤滑剤添加剤。
【請求項14】
無水マレイン酸に対する三置換内部オレフィンの比が約0.5〜約1である、請求項13に記載の潤滑剤添加剤。
【請求項15】
無水マレイン酸に対する三置換内部オレフィンの比が約0.5〜約1.5である、請求項13に記載の潤滑剤添加剤。
【請求項16】
機械部品を潤滑する方法であって、請求項1に記載の式Iの化合物、またはその摩擦学的に許容できる塩もしくは溶媒和物を含む潤滑剤組成物を用いて前記機械部品を潤滑する工程を含む、方法。
【請求項17】
前記式Iの化合物、またはその摩擦学的に許容できる塩もしくは溶媒和物が、前記潤滑剤組成物の約1〜10重量%の間の量で存在する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記機械部品がギヤ、車軸、ディファレンシャル、エンジン、クランク軸、トランスミッション、またはクラッチを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記トランスミッションが、オートマティックトランスミッション、マニュアルトランスミッション、自動制御式マニュアルトランスミッション、セミオートマティックトランスミッション、二段クラッチ変速装置、無段変速機、およびトロイダル式変速機からなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記クラッチが、連続的滑りトルクコンバータークラッチ、滑りトルクコンバータークラッチ、ロックアップトルクコンバータークラッチ、発進クラッチ、1以上のシフトクラッチ、または電子制御式コンバータークラッチを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記ギヤが、自動車用ギヤ、ステーショナリー型ギヤボックス、および車軸からなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記ギヤが、ハイポイドギヤ、平歯車、はすば歯車、かさ歯車、ウオームギヤ、ラックおよびピニオンギヤ、遊星歯車装置、およびインボリュート歯車からなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記ディファレンシャルが、ストレートディファレンシャル、ターニングディファレンシャル、リミティッドスリップディファレンシャル、クラッチ型リミティッドスリップディファレンシャル、およびロッキングディファレンシャルからなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
前記エンジンが、内燃機関、ロータリーエンジン、ガスタービンエンジン、4サイクルエンジン、および2サイクルエンジンからなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
前記エンジンが、ピストン、軸受、クランク軸、および/またはカム軸を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項26】
試験装置を使用して組成物の潤滑剤特性を試験する方法であって、請求項1に記載の式Iの化合物、またはその摩擦学的に許容できる塩もしくは溶媒和物を含む潤滑剤組成物を用いて前記試験装置を潤滑する工程を含み、前記試験装置が、ブルックフィールド粘度計、任意のビッカース試験装置、SAE No.2摩擦試験機、電動機駆動のHydra−Matic 4L60−Eオートマティックトランスミッション、ASTM D471またはD676エラストマー相溶性試験装置、NOACK揮発性手順機、ASTM D2882、D5182、D4172、D3233、およびD2782磨耗手順のために必要な任意の試験装置、ASTM発泡手順装置、ASTM D130銅腐食試験のために必要な試験装置、インターナショナルハーベスター手順方法BT−9錆制御試験によって特定される試験装置、ASTM D892発泡試験で必要とされる試験装置、ASTM D4998ギヤ耐摩耗性能試験で必要とされる試験装置、Link M1158油/摩擦機、L−33−1試験装置、L−37試験装置、L−42試験装置、L−60−1試験装置、ストラマ 4−スクエアー電動機駆動手順機、FZG試験装置および部品、SSP−180手順機、ASTM D5579高温周期的耐久性手順のための試験装置、ザウアーダンフォスシリーズ22またはシリーズ90アキシアルピストンポンプ、ジョンディアシンクロプラストランスミッション、SRV−摩擦磨耗試験器、四球試験装置、LFW−1試験装置、スプラグクラッチオーバーラン磨耗テスト(SCOWT)装置、API CJ−4エンジン試験、L−33水分腐食試験、高温周期的耐久性試験(ASTM D5579)、288時間VEエンジンオイル性能試験、L−38標準的潤滑剤試験、デニソン P46ピストンポンプ試験スタンド、サンドストランド動的腐食試験スタンド、ブロック−オン−リング試験装置、ならびにメルコン(登録商標)、メルコン(登録商標)V、デクスロン(登録商標)III、デクスロン(登録商標)IIl−H、キャタピラー(登録商標)TO−4、アリソン(登録商標)C−4、JASO、GF−4、GF−5、MIL−E、MIL−L、およびシーケンスII〜VIIIの下での試験分析を実施するために必要とされる任意の試験装置からなる群から選択される、方法。
【請求項27】
潤滑液の低温粘度特性を改善するための方法であって、潤滑液の中に有効量の1以上の
請求項1に記載の化合物、またはその摩擦学的に許容できる塩もしくは溶媒和物を含ませる工程を含む方法。
【請求項28】
潤滑を必要とする自動車の構成要素を潤滑しつつ潤滑液の低温粘度特性を改善するための方法であって、
1)潤滑を必要とする自動車の構成要素に潤滑液を加える工程であって、前記液は(a)基油と、(b)1以上の請求項1に記載の化合物、またはその摩擦学的に許容できる塩もしくは溶媒和物とを含む工程と、
2)前記液を含む前記自動車の構成要素を稼動させる工程と
を含み、前記液の低温粘度性能は前記1)(b)の化合物を含まない潤滑液の性能よりも改善されている、方法。
【請求項29】
前記1以上の請求項1に記載の化合物、またはその摩擦学的に許容できる塩もしくは溶媒和物が、前記潤滑液の約1〜10重量%の間の量で存在する、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
潤滑剤添加剤を製造する方法であって、
a)三置換内部オレフィン(各オレフィンは約12〜約36個の炭素原子を含む)、および無水マレイン酸を十分に高い温度で十分な時間量のあいだ混合し、マレイン酸化生成物を得る工程と、
b)高い温度で有効量の塩基性窒素含有化合物を用いて前記マレイン酸化生成物をアミノ化して中和する工程と
を含む方法。
【請求項31】
(a)主要量の潤滑油と、
(b)ブルックフィールド粘度を改善するのに有効な量の式I:
【化6】

(式中、
は、水素、−(C−C)アルキル、−(C−C)アルケニル、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、および下記の式IIを有するラジカル(式中、zは1−10であってよい)からなる群から選択され、ここで前記−(C−C)アルキル、−(C−C)アルケニル、−(C−C)シクロアルキル、および−(C−C)ヘテロシクリル置換基は、独立に水素、ハロゲン、ヒドロキシル、−(C−C16)アルキル、−(C−C16)アルケニル、−CN、−NR、−OR、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、−CO15、−SONR、NR15SO10、−SO10および−CONR11からなる群から選択される1〜3個の部分によって任意に置換されており、前記−CONR11基のRおよびR11は、それらが結合する原子と一緒になって−(C−C)ヘテロシクリルを形成してもよく、
【化7】

は独立に変化してよく、以下の式III:
【化8】

を有し、
式中、RおよびRは独立に(C−C15)アルキル、シクロアルキルまたはシクロアルケニルであり、
は水素、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、−(C−C)シクロアルキル、および−(C−C)ヘテロシクリルからなる群から選択され、前記(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、−(C−C)シクロアルキルおよび−(C−C)ヘテロシクリル置換基は、独立に水素、ハロゲン、ヒドロキシル、−(C−C16)アルキル、(C−C16)アルケニル、−CN、−NR、−OR、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、−CO15、−SONR、NR15SO10、−SO10および−CONR11からなる群から選択される1〜3個の部分によって任意に置換されていてもよく、前記−CONR11基のRおよびR11は、それらが結合する原子と一緒になって−(C−C)ヘテロシクリルを形成してもよく、
およびRは、各々、独立に水素、−(C−C)アルキル、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリルからなる群から選択される置換基であってよく、前記−(C−C)ヘテロシクリル基は、独立に−(C=O)、−SO、−S−、−O−、−P−、−N−、−NH−および−NR15、−(C−C10)アリール、−(C−C)ヘテロアリール、COR15および−SO15からなる群から選択される1〜3個の要素に任意に割り込まれていてもよく、前記−(C−C)アルキル、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、−(C−C10)アリール、−(C−C)ヘテロアリール、−COR15および−SO15またはR置換基は、独立に水素、ハロゲン、−カルコゲン、−CF、−CN、−(C−C)アルキル、−NH(C−C)アルキル、−NH(C−C)シクロアルキル、−NH(C−C)ヘテロシクリル、−NH(C−C10)アリール、−NH(C−C)ヘテロアリール、−N((C−C)アルキル)、−N((C−C)シクロアルキル)−、−N((C−C)ヘテロシクリル)、−N((C−C10)アリール)、−N((C−C)ヘテロアリール)、−O(C−C)アルキル、−O(C−C)シクロアルキル、−O(C−C)ヘテロシクリル、−O(C−C10)アリール、−O(C−C)ヘテロアリール、−(C
−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、−CO10、SONR、NR15SO10、−SO10、−CONH、−CONHR10、および−CONR1011からなる群から選択される1〜3個の部分によって任意に置換されていてもよく、前記−CONR1011基のR10およびR11は、それらが結合する窒素原子と一緒になって−(C−C)ヘテロシクリルを形成してもよく、
およびRは、それらが結合する原子(単数または複数)と一緒になって−(C−C)ヘテロシクリルを形成してもよく、前記−(C−C)ヘテロシクリル基は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、−CF、−NO、−CN、−(C−C)アルキル、−(C−C)アルケニル、−(C−C)アルキニル、−C=N−OH、−C=N−O((C−C)−アルキル)、−NR1011、−OR15、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、−CO15、−CONR1011、−CONR11、−SR10、−SOR10、−SO10、−SONR1011、−NHCOR15、−NR15CONR1011、および−NR12SO10からなる群から選択される1〜3個の部分によって任意に置換されていてもよく、前記−(C−C)ヘテロシクリル基の前記−(C−C)アルケニルおよび−(C−C)アルキニル部分は、1〜3個のR10基で任意に置換されていてもよく、前記−(C−C)ヘテロシクリル基は、独立に−(C=O)、−SO、−S−、−O−、−P−、−N−、−NH−および−NR15からなる群から選択される1〜3個の要素に任意に割り込まれていてもよく、
10は、−(C−C)アルキル、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、−(C−C10)アリール、および−(C−C)ヘテロアリールからなる群から選択される置換基であり、ここで前記−(C−C)アルキル、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、−(C−C10)アリール、および−(C−C)ヘテロアリール R10置換基は、独立に水素、ハロゲン、ヒドロキシ、−CN、−(C−C)アルキル、−NR15、および−O(C−C)アルキルからなる群から選択される1〜3個の部分によって任意に置換されていてもよく、
11は、水素、−(C−C)アルキル、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、−(C−C10)アリール、および−(C−C)ヘテロアリールからなる群から選択される置換基であり、前記−(C−C)アルキル、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、−(C−C10)アリール、および−(C−C)ヘテロアリール R11ラジカルは、独立に水素、ハロゲン、ヒドロキシ、−CN、−(C−C)アルキル、−NH、−NHR12、−N(R12、−OR12、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、−CO13、−CONH、−CONHR13、および−CONR1314からなる群から選択される1〜3個の部分によって任意に置換されていてもよく、−CONR1314のR13およびR14は、それらが結合する窒素原子と一緒になって−(C−C)ヘテロシクリルを形成してもよく、
12およびR13は、各々独立に水素および−(C−C)アルキルからなる群から選択されてよく、
14は、水素および−(C−C)アルキルからなる群から選択されてよく、
15は、水素、−(C−C)アルキル、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、−(C−C10)アリール、および−(C−C)ヘテロアリールからなる群から選択される置換基であってよく、前記−(C−C)アルキル、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、−(C−C10)アリール、および−(C−C)ヘテロアリール R15置換基は、独立に水素、ハロゲン、−CF、−CN、−(C−C)アルキル、−NH(C−C)アルキル、−NH(C−C)シクロアルキル、−NH(C−C)ヘテロシクリル、−NH(C−C10)アリール、−NH(C−C)ヘテロアリール、−N((C−C)アルキル)、−N((C−C)シクロアルキル)−、−N((C−C
)ヘテロシクリル)、−N((C−C10)アリール)、−N((C−C)ヘテロアリール)、−O(C−C)アルキル、−O(C−C)シクロアルキル、−O(C−C)ヘテロシクリル、−O(C−C10)アリール、−O(C−C)ヘテロアリール、−(C−C)シクロアルキル、−(C−C)ヘテロシクリル、−CO10、−CONH、−CONHR10、および−CONR1011からなる群から選択される1〜3個の部分によって任意に置換されていてもよく、
前記−CONR1011基のR10およびR11は、それらが結合する原子と一緒になって−(C−C)ヘテロシクリルを形成してよい)
を有する化合物、またはその摩擦学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、もしくは添加剤前駆体との混合物を含む潤滑剤組成物。
【請求項32】
前記式Iを有する化合物が、式IV:
【化9】

(式中、xおよびyは各々少なくとも1でなければならず、かつ(x+y)は8、10、12、14、16または18である)によって表されるRを有する、請求項31に記載の潤滑剤組成物。
【請求項33】
前記式Iを有する化合物が、式:
【化10】

によって表されるRを有する、請求項31に記載の潤滑剤組成物。
【請求項34】
前記式Iを有する化合物がC−CアルキルのRを有する、請求項31に記載の潤滑剤組成物。
【請求項35】
前記式Iを有する化合物がC−CアルキルのRを有する、請求項31に記載の潤滑剤組成物。
【請求項36】
前記式Iを有する化合物が、
(5−メチルノナデカ−5−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルノナデカ−6−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルノナデカ−7−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルノナデカ−8−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルノナデカ−9−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルノナデカ−10−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルノナデカ−8−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルノナデカ−7−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルノナデカ−6−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルノナデカ−5−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(5−メチルノナデカ−4−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(4−メチルノナデカ−3−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(3−メチルノナデカ−2−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(2,2’−(エタン−1,2−ジイルビス(アザンジイル))ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(3−(8−メチルノナデカ−8−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン);
(3−メチルヘニコサ−2−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(4−メチルヘニコサ−3−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(5−メチルヘニコサ−4−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルヘニコサ−5−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルヘニコサ−6−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルヘニコサ−7−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルヘニコサ−8−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルヘニコサ−9−エン−11−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(11−メチルヘニコサ−11−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルヘニコサ−10−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルヘニコサ−9−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルヘニコサ−8−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルヘニコサ−7−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルヘニコサ−6−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(5−メチルヘニコサ−5−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(2,2’−(エタン−1,2−ジイルビス(アザンジイル))ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(3−(5−メチルヘニコサ−5−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン);
(5−メチルトリコサ−5−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルトリコサ−6−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルトリコサ−7−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルトリコサ−8−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルトリコサ−9−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルトリコサ−10−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(11−メチルトリコサ−11−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(12−メチルトリコサ−12−エン−11−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(11−メチルトリコサ−10−エン−12−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルトリコサ−9−エン−11−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルトリコサ−8−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルトリコサ−7−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルトリコサ−6−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルトリコサ−5−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(5−メチルトリコサ−4−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(4−メチルトリコサ−3−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(3−メチルトリコサ−2−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(2,2’−(エタン−1,2−ジイルビス(アザンジイル))ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(3−(5−メチルトリコサ−5−エン−4−イル)ピロリジン−2,
5−ジオン);
(3−メチルペンタコサ−2−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(4−メチルペンタコサ−3−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(5−メチルペンタコサ−4−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルペンタコサ−5−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルペンタコサ−6−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルペンタコサ−7−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルペンタコサ−8−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルペンタコサ−9−エン−11−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(11−メチルペンタコサ−10−エン−12−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(12−メチルペンタコサ−11−エン−13−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(13−メチルペンタコサ−13−エン−12−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(12−メチルペンタコサ−12−エン−11−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(11−メチルペンタコサ−11−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルペンタコサ−10−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルペンタコサ−9−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルペンタコサ−8−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルペンタコサ−7−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルペンタコサ−6−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(5−メチルペンタコサ−5−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(2,2’−(エタン−1,2−ジイルビス(アザンジイル))ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(3−(7−メチルペンタコサ−7−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン);およびその摩擦学的に許容できる塩または溶媒和物からなる群から選択される、請求項31に記載の潤滑剤組成物。
【請求項37】
前記ブルックフィールドを改善するのに有効な量が、前記潤滑剤組成物に基づき約10,000cP未満のBV −40を含む、請求項31に記載の潤滑剤組成物。
【請求項38】
前記ブルックフィールド粘度を改善するのに有効な量の式Iを有する化合物またはその摩擦学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、もしくは添加剤前駆体が、前記潤滑剤組成物の約1〜約10重量%の間の量を構成する、請求項31から請求項37のいずれか1項に記載の潤滑剤組成物。
【請求項39】
a)C10−C36ビニリデンオレフィンをマレイン酸、無水物、またはエステルと反応させて炭化水素置換コハク酸、無水物またはエステルを得る工程と、
b)有効量の塩基性窒素含有化合物を用いて前記炭化水素置換コハク酸、無水物またはエステルをアミノ化する工程と
によって得られる反応生成物、またはその摩擦学的に許容できる塩もしくは溶媒和物。
【請求項40】
前記C10−C36ビニリデンオレフィンが式V:
【化11】

(式中、RおよびRは独立に(C−C15)アルキル、シクロアルキルまたはシクロアルケニルである)を表す、請求項39に記載の反応生成物。
【請求項41】
以下の、
(5−メチルノナデカ−5−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルノナデカ−6−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルノナデカ−7−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルノナデカ−8−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルノナデカ−9−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルノナデカ−10−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルノナデカ−8−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルノナデカ−7−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルノナデカ−6−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルノナデカ−5−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(5−メチルノナデカ−4−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(4−メチルノナデカ−3−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(3−メチルノナデカ−2−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(2,2’−(エタン−1,2−ジイルビス(アザンジイル))ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(3−(8−メチルノナデカ−8−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン);
(3−メチルヘニコサ−2−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(4−メチルヘニコサ−3−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(5−メチルヘニコサ−4−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルヘニコサ−5−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルヘニコサ−6−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルヘニコサ−7−エン−9−イル)ピロリジン−25−ジオン;
(9−メチルヘニコサ−8−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルヘニコサ−9−エン−11−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(11−メチルヘニコサ−11−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルヘニコサ−10−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルヘニコサ−9−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルヘニコサ−8−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルヘニコサ−7−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルヘニコサ−6−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(5−メチルヘニコサ−5−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(2,2’−(エタン−1,2−ジイルビス(アザンジイル))ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(3−(5−メチルヘニコサ−5−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン);
(5−メチルトリコサ−5−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルトリコサ−6−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルトリコサ−7−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルトリコサ−8−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルトリコサ−9−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルトリコサ−10−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(11−メチルトリコサ−11−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(12−メチルトリコサ−12−エン−11−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(11−メチルトリコサ−10−エン−12−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルトリコサ−9−エン−11−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルトリコサ−8−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルトリコサ−7−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルトリコサ−6−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルトリコサ−5−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(5−メチルトリコサ−4−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(4−メチルトリコサ−3−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(3−メチルトリコサ−2−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(2,2’−(エタン−1,2−ジイルビス(アザンジイル))ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(3−(5−メチルトリコサ−5−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン);
(3−メチルペンタコサ−2−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(4−メチルペンタコサ−3−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(5−メチルペンタコサ−4−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルペンタコサ−5−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルペンタコサ−6−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルペンタコサ−7−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルペンタコサ−8−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルペンタコサ−9−エン−11−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(11−メチルペンタコサ−10−エン−12−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(12−メチルペンタコサ−11−エン−13−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(13−メチルペンタコサ−13−エン−12−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(12−メチルペンタコサ−12−エン−11−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(11−メチルペンタコサ−11−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルペンタコサ−10−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルペンタコサ−9−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルペンタコサ−8−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルペンタコサ−7−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルペンタコサ−6−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(5−メチルペンタコサ−5−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(2,2’−(エタン−1,2−ジイルビス(アザンジイル))ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(3−(7−メチルペンタコサ−7−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン);およびその摩擦学的に許容できる塩または溶媒和物からなる群から選択される、請求項39に記載の反応生成物。
【請求項42】
1以上の請求項39に記載の反応生成物、またはその摩擦学的に許容できる塩もしくは溶媒和物を含む潤滑剤組成物。
【請求項43】
1以上の請求項39に記載の反応生成物、またはその摩擦学的に許容できる塩もしくは溶媒和物を含む潤滑剤添加剤組成物。
【請求項44】
a)主要量の基油と、
b)1以上の請求項39に記載の反応生成物、またはその摩擦学的に許容できる塩もしくは溶媒和物を含む、少量の添加剤組成物と
を含む、潤滑剤組成物。
【請求項45】
前記1以上の請求項39に記載の反応生成物、またはその摩擦学的に許容できる塩もしくは溶媒和物が、前記潤滑剤組成物の中に約1〜10重量%の間の量で存在する、請求項44に記載の潤滑剤組成物。
【請求項46】
さらにスクシンイミド分散剤、コハク酸エステル分散剤、コハク酸エステル−アミド分散剤、マンニッヒ塩基分散剤、そのリン酸化形態、およびそのホウ酸化形態からなる群から選択される油溶性無灰分散剤を含む、請求項42または請求項44に記載の潤滑剤組成物。
【請求項47】
さらに、空気放出用添加剤、酸化防止剤、防蝕剤、抑泡剤、金属系清浄剤、有機リン化
合物、シール膨潤剤、粘度指数向上剤、および極圧剤のうちの1以上を含む、請求項42または請求項44に記載の潤滑剤組成物。
【請求項48】
潤滑剤添加剤であって、
a)C10−C36ビニリデンオレフィンをマレイン酸、無水物、またはエステルと反応させて炭化水素置換コハク酸、無水物またはエステルを得る工程と、
b)有効量の塩基性窒素含有化合物を用いて前記炭化水素置換コハク酸、無水物またはエステルをアミノ化する工程と
のプロセスによって得られる反応生成物を含む潤滑剤添加剤。
【請求項49】
無水マレイン酸に対するビニリデンオレフィンの比が約0.5〜約1.5である、請求項48に記載の潤滑剤添加剤。
【請求項50】
無水マレイン酸に対するビニリデンオレフィンの比が約0.5〜約1.0である、請求項48に記載の潤滑剤添加剤。
【請求項51】
機械部品を潤滑する方法であって、請求項39に記載の反応生成物、またはその摩擦学的に許容できる塩もしくは溶媒和物を含む潤滑剤組成物を用いて前記機械部品を潤滑する工程を含む、方法。
【請求項52】
前記機械部品がギヤ、車軸、ディファレンシャル、エンジン、クランク軸、トランスミッション、またはクラッチを含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記トランスミッションがオートマティックトランスミッション、マニュアルトランスミッション、自動制御式マニュアルトランスミッション、セミオートマティックトランスミッション、二段クラッチ変速装置、無段変速機、およびトロイダル式変速機からなる群から選択される、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記クラッチが連続的滑りトルクコンバータークラッチ、滑りトルクコンバータークラッチ、ロックアップトルクコンバータークラッチ、発進クラッチ、1以上のシフトクラッチ、または電子制御式コンバータークラッチを含む、請求項52に記載の方法。
【請求項55】
前記ギヤが、自動車用ギヤ、ステーショナリー型ギヤボックス、および車軸からなる群から選択される、請求項52に記載の方法。
【請求項56】
前記ギヤが、ハイポイドギヤ、平歯車、はすば歯車、かさ歯車、ウオームギヤ、ラックおよびピニオンギヤ、遊星歯車装置、およびインボリュート歯車からなる群から選択される、請求項52に記載の方法。
【請求項57】
前記ディファレンシャルが、ストレートディファレンシャル、ターニングディファレンシャル、リミティッドスリップディファレンシャル、クラッチ型リミティッドスリップディファレンシャル、およびロッキングディファレンシャルからなる群から選択される、請求項52に記載の方法。
【請求項58】
前記エンジンが、内燃機関、ロータリーエンジン、ガスタービンエンジン、4サイクルエンジン、および2サイクルエンジンからなる群から選択される、請求項52に記載の方法。
【請求項59】
前記エンジンが、ピストン、軸受、クランク軸、および/またはカム軸を含む、請求項52に記載の方法。
【請求項60】
試験装置を使用して組成物の潤滑剤特性を試験する方法であって、請求項35に記載の反応生成物、またはその摩擦学的に許容できる塩もしくは溶媒和物を含む潤滑剤組成物を用いて当該試験装置を潤滑する工程を含み、前記試験装置が、ブルックフィールド粘度計、任意のビッカース試験装置、SAE No.2摩擦試験機、電動機駆動のHydra−Matic 4L60−Eオートマティックトランスミッション、ASTM D471またはD676エラストマー相溶性試験装置、NOACK揮発性手順機、ASTM D2882、D5182、D4172、D3233、およびD2782磨耗手順のために必要な任意の試験装置、ASTM発泡手順装置、ASTM D130銅腐食試験のために必要な試験装置、インターナショナルハーベスター手順方法BT−9錆制御試験によって特定される試験装置、ASTM D892発泡試験で必要とされる試験装置、ASTM D4998ギヤ耐摩耗性能試験で必要とされる試験装置、Link M1158油/摩擦機、L−33−1試験装置、L−37試験装置、L−42試験装置、L−60−1試験装置、ストラマ 4−スクエアー電動機駆動手順機、FZG試験装置および部品、SSP−180手順機、ASTM D5579高温周期的耐久性手順のための試験装置、ザウアーダンフォスシリーズ22またはシリーズ90アキシアルピストンポンプ、ジョンディアシンクロプラストランスミッション、SRV−摩擦磨耗試験器、四球試験装置、LFW−1試験装置、スプラグクラッチオーバーラン磨耗テスト(SCOWT)装置、API CJ−4エンジン試験、L−33水分腐食試験、高温周期的耐久性試験(ASTM D5579)、288時間VEエンジンオイル性能試験、L−38標準的潤滑剤試験、デニソン P46ピストンポンプ試験スタンド、サンドストランド動的腐食試験スタンド、ブロック−オン−リング試験装置、ならびにメルコン(登録商標)、メルコン(登録商標)V、デクスロン(登録商標)III、デクスロン(登録商標)IIl−H、キャタピラー(登録商標)TO−4、アリソン(登録商標)C−4、JASO、GF−4、GF−5、MIL−E、MIL−L、およびシーケンスII〜VIIIの下での試験分析を実施するために必要とされる任意の試験装置からなる群から選択される、方法。
【請求項61】
潤滑液の低温粘度特性を改善するための方法であって、潤滑液の中に有効量の1以上の請求項39に記載の反応生成物、またはその摩擦学的に許容できる塩もしくは溶媒和物を含ませる工程を含む、方法。
【請求項62】
潤滑を必要とする自動車の構成要素を潤滑しつつ潤滑液の低温粘度特性を改善するための方法であって、
1)潤滑を必要とする自動車の構成要素に潤滑液を添加する工程であって、前記液が(a)基油と、(b)1以上の請求項39に記載の反応生成物、またはその摩擦学的に許容できる塩もしくは溶媒和物を含む工程と、
2)前記液を含む自動車の構成要素を稼動させる工程と
を含み、前記液の低温粘度性能が前記1)(b)の反応生成物を含まない潤滑液の性能よりも改善されている、方法。
【請求項63】
潤滑剤添加剤を製造する方法であって、
a)C10−C36ビニリデンオレフィンをマレイン酸、無水物、またはエステルと反応させて炭化水素置換コハク酸、無水物またはエステルを得る工程と、
b)有効量の塩基性窒素含有化合物を用いて前記炭化水素置換コハク酸、無水物またはエステルをアミノ化する工程と
を含む方法。
【請求項64】
潤滑剤組成物であって、
(a)主要量の潤滑油と、
(b)ブルックフィールド粘度を改善するのに有効な量の、
i)C10−C36ビニリデンオレフィンをマレイン酸、無水物、またはエステルと反応させて炭化水素置換コハク酸、無水物またはエステルを得る工程と、
ii)有効量の塩基性窒素含有化合物を用いて前記炭化水素置換コハク酸、無水物またはエステルをアミノ化する工程と
によって得られる反応生成物、またはその摩擦学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、もしくは添加剤前駆体と
の混合物を含む、潤滑剤組成物。
【請求項65】
前記C10−C36ビニリデンオレフィンが、式V:
【化12】

(式中、RおよびRは独立に(C−C15)アルキル、シクロアルキルまたはシクロアルケニルである)を表す、請求項64に記載の潤滑剤組成物。
【請求項66】
前記反応生成物が、
(5−メチルノナデカ−5−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルノナデカ−6−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルノナデカ−7−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルノナデカ−8−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルノナデカ−9−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルノナデカ−10−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルノナデカ−8−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルノナデカ−7−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルノナデカ−6−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルノナデカ−5−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(5−メチルノナデカ−4−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(4−メチルノナデカ−3−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(3−メチルノナデカ−2−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(2,2’−(エタン−1,2−ジイルビス(アザンジイル))ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(3−(8−メチルノナデカ−8−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン);
(3−メチルヘニコサ−2−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(4−メチルヘニコサ−3−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(5−メチルヘニコサ−4−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルヘニコサ−5−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルヘニコサ−6−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルヘニコサ−7−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルヘニコサ−8−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルヘニコサ−9−エン−11−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(11−メチルヘニコサ−11−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルヘニコサ−10−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルヘニコサ−9−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルヘニコサ−8−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルヘニコサ−7−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルヘニコサ−6−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(5−メチルヘニコサ−5−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(2,2’−(エタン−1,2−ジイルビス(アザンジイル))ビス(エタン−21−ジイル))ビス(3−(5−メチルヘニコサ−5−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン);
(5−メチルトリコサ−5−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルトリコサ−6−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルトリコサ−7−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルトリコサ−8−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルトリコサ−9−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルトリコサ−10−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(11−メチルトリコサ−11−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(12−メチルトリコサ−12−エン−11−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(11−メチルトリコサ−10−エン−12−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルトリコサ−9−エン−11−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルトリコサ−8−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルトリコサ−7−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルトリコサ−6−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルトリコサ−5−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(5−メチルトリコサ−4−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(4−メチルトリコサ−3−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(3−メチルトリコサ−2−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(2,2’−(エタン−1,2−ジイルビス(アザンジイル))ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(3−(5−メチルトリコサ−5−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン);
(3−メチルペンタコサ−2−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(4−メチルペンタコサ−3−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(5−メチルペンタコサ−4−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルペンタコサ−5−エン−7−イル)ピロリジン−25−ジオン;
(7−メチルペンタコサ−6−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルペンタコサ−7−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルペンタコサ−8−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルペンタコサ−9−エン−11−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(11−メチルペンタコサ−10−エン−12−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(12−メチルペンタコサ−11−エン−13−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(13−メチルペンタコサ−13−エン−12−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(12−メチルペンタコサ−12−エン−11−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(11−メチルペンタコサ−11−エン−10−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(10−メチルペンタコサ−10−エン−9−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(9−メチルペンタコサ−9−エン−8−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(8−メチルペンタコサ−8−エン−7−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(7−メチルペンタコサ−7−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(6−メチルペンタコサ−6−エン−5−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(5−メチルペンタコサ−5−エン−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオン;
(2,2’−(エタン−1,2−ジイルビス(アザンジイル))ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(3−(7−メチルペンタコサ−7−エン−6−イル)ピロリジン−2,5−ジオン);およびその摩擦学的に許容できる塩または溶媒和物からなる群から選択される、請求項64に記載の潤滑剤組成物。
【請求項67】
前記ブルックフィールドを改善するのに有効な量が、前記潤滑剤組成物に基づき約10,000cP未満のBV −40を含む、請求項64に記載の潤滑剤組成物。

【公表番号】特表2010−530470(P2010−530470A)
【公表日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−513350(P2010−513350)
【出願日】平成20年6月16日(2008.6.16)
【国際出願番号】PCT/US2008/067074
【国際公開番号】WO2008/157467
【国際公開日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(391007091)アフトン・ケミカル・コーポレーション (123)
【氏名又は名称原語表記】Afton Chemical Corporation
【出願人】(310014643)
【出願人】(310014654)
【Fターム(参考)】