説明

撮像モジュール

【課題】撮像シーンや、出力される画像信号の用途に応じてレンズ駆動部を最適に駆動制御することで、レンズ駆動部の発熱を抑え、撮像画像の画質向上を図れる撮像モジュールを提供する。
【解決手段】撮像モジュール100は、レンズ15と、レンズを光軸方向に移動自在に支持するレンズ支持部と、レンズからの光を検出して画像信号を出力する撮像部と、撮像部に関する稼働状況の情報が記憶される稼働情報記憶部43と、レンズを光軸方向へ駆動するための駆動回路47及び駆動回路の駆動方式を、リニア駆動又はパルス駆動のいずれかに切り替える駆動方式切り換え回路49を有するレンズ駆動制御部45と、を備える。レンズ駆動制御部45の駆動方式切り換え回路49は、稼働情報記憶部43に記録された稼働状況の情報に応じて駆動方式を切り替えるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話、PC(Personal Computer)又はPDA(Personal Digital Assistant)等の各種の電子機器では、その機器本来の機能に加えて、撮像機能を備えたものが増えている。このような撮像機能付きの電子機器には、小型の撮像モジュールが搭載されている。撮像モジュールは、フォーカスレンズ等の複数の光学部品からなる光学系と、ズーム調整等のために光学部品を移動させるアクチュエータと、光学系により結像された被写体像を光電変換することで画像信号を生成する撮像素子とを備える。
【0003】
上記のアクチュエータとしては、光学系の外周部にマグネット(永久磁石)、ヨーク、コイルを配設して形成されるボイスコイルモータ(VCM)を備えるレンズ駆動機構が提案されている。このレンズ駆動機構では、VCMによりレンズが光軸方向に移動し、フォーカシングが行われる。
【0004】
携帯電話に使用される撮像モジュールのVCMは、コイルに流す電流の量によってレンズのフォーカス位置をコントロールする。一般的には、電流がゼロの状態で、無限遠に合焦するように調整されており、最大電流を供給した状態で最も近くに合焦するようになっている。しかし、最も近くにある被写体にフォーカスを合わせ続けたい場合、VCMには最大電流を流し続けなければならないため、電力消費の増大が懸念され、それに伴う撮像素子の発熱による暗電流増加のために、画質劣化も懸念される。
【0005】
また、撮像モジュールで必要とされる消費電力は増大する傾向にある一方で、電子機器の小型・高性能化の要求は、年々厳しくなっている。そのため、許容消費電力の範囲中で制御モードを適宜変更することにより、電子機器のサイズをそのままとして省電力化を図る技術(特許文献1)や、電子機器の現在温度を検出して、機器の使用状況に応じた制御内容に切り替える技術(特許文献2)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−130045号公報
【特許文献2】特開2006−115250号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1,2の制御は、撮像素子の駆動信号や撮像画像に対する信号処理の切り替えであり、発熱源の発熱を直接的に制御するものではない。そのため、消費電力は抑えられても発熱の抑制効果が低く、温度上昇による暗電流の増加を抑えることができない。また、画像情報を後処理で補正しても、高品位な画像情報を完全に復元することは難しい。
そこで本発明は、撮像シーンや、出力される画像信号の用途に応じてレンズ駆動部を最適に駆動制御することで、レンズ駆動部の発熱を抑え、撮像画像の画質向上を図れる撮像モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は下記構成からなる。
レンズと、
前記レンズを光軸方向に移動自在に支持するレンズ支持部と、
前記レンズからの光を検出して画像信号を出力する撮像部と、
前記撮像部に関する稼働状況の情報を記憶する稼働情報記憶部と、
前記レンズを光軸方向へ駆動するための駆動回路、及び前記駆動回路の駆動方式をリニア駆動又はパルス駆動のいずれかに切り替える駆動方式切り換え回路を有するレンズ駆動制御部と、
を備え、
前記駆動方式切り換え回路は、前記稼働情報記憶部に記憶された稼働状況の情報に応じて前記駆動方式を切り替える撮像モジュール。
【発明の効果】
【0009】
本発明の撮像モジュールによれば、撮像シーンや、出力される画像信号の用途に応じてレンズ駆動部を最適に駆動制御することで、撮像モジュールの発熱源であるレンズ駆動部の発熱を抑え、撮像画像の画質向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態を説明するための図で、撮像モジュールの概略構造を示す断面図である。
【図2】撮像モジュールのブロック構成図である。
【図3】駆動回路の駆動方式を切り換える手順を示すフローチャートである。
【図4】撮像ユニットのブロック図である。
【図5】駆動回路の駆動方式を切り換える手順を示すフローチャートである。
【図6】撮像ユニットのブロック図である。
【図7】駆動回路の駆動方式を切り換える手順を示すフローチャートである。
【図8】駆動回路の駆動方式を切り換える手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態を説明するための図で、撮像モジュールの概略構造を示す断面図である。
撮像モジュール100は、撮像素子11を有する撮像部13と、撮像部13の光路前方に配置されレンズ15を光軸方向に移動自在に支持するレンズ支持部17とを備える。撮像部13は、撮像素子11が実装された回路基板19と、回路基板19上の撮像素子11を覆うように配置され、撮像素子11の少なくとも受光領域に対面する位置に開口孔21を有するホルダー23と、ホルダー23の開口孔21を塞いで撮像素子11に対面配置される赤外線カットフィルタ25とを備える。
【0012】
この撮像モジュール100は、例えばデジタルカメラ、携帯電話、TV電話、PCカメラ、PDA(Personal Digital Assistants:携帯情報端末)、光学マウス、ドアホン、監視カメラ、指紋認識装置、又は玩具等の画像入力部に使用されるものである。また、撮像素子としては、例えば、CCD(Charge Coupled Device)センサや、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等のイメージセンサがある。
【0013】
レンズ支持部17は、ホルダー23の上面に配置され内周面に磁石(永久磁石)27が貼り付けられたヨーク29と、ヨーク29の内側に配置され複数枚のレンズを保持するレンズ保持部材31と、レンズ保持部材31の外周に巻回されたコイル33とを備え、図示しない支持機構によりヨーク29内で光軸方向へ移動自在に支持されている。また、コイル33にはレンズ移動のための駆動電流が支持機構を通じて供給される。
【0014】
上記の磁石27、ヨーク29、コイル33は、レンズ15を光軸方向へ移動させるためのボイスコイルモータとして機能する。磁石27の磁界は、磁石27のヨーク29との接合面と反対側の面から発生し、磁界が発生する面と対向するヨーク29の面に向かう。即ち、磁界の向きはコイル33の巻回方向に対して略直交しており、これにより、コイル33に流す電流に応じてレンズ15が光軸方向(図中上下方向)に移動するようになる。
【0015】
次に、撮像モジュール100を駆動する制御方法について説明する。
ボイスコイルモータはリニア駆動とパルス駆動のいずれかで駆動される。リニア駆動時は、常時、電流を供給するため発熱が大きくなるが、DC駆動のためノイズは発生しない。パルス駆動(例えば、Pulse Width Modulation:PWM)時は、矩形パルスにより消費電流、発熱を抑えることができるが、その反面、ノイズ源となる。以降に示す撮像モジュール100は、レンズ駆動制御部45からの発熱を抑えるため、撮像部に関する稼働状況、例えば撮像条件の設定値や、駆動履歴に応じてボイスコイルモータの駆動方式を切り換える機能を有する。
【0016】
図2に撮像モジュール100のブロック構成図を示した。
撮像ユニット39は、撮像素子11とCPU41と稼働情報記憶部43とを有して、外部機器と通信可能になっている。撮像素子11は、レンズ15からの光を検出して生成した画像情報を出力する。CPU41は、撮像素子11を駆動制御し、レンズ駆動制御部45に対して後述する駆動方式切り換えのための制御信号を出力する。稼働情報記憶部43は、撮像素子11の稼働状況の情報を記憶し、その情報をCPU41に提供する。
【0017】
撮像ユニット39には、アナログ回路の電源ラインと、外部クロック信号が入力される。また、外部クロック信号は電源回路51にも入力される。電源回路51は、外部クロック信号に基づいて所定のタイミングでデジタル回路電源を撮像ユニット39に供給する。これらレンズ駆動制御部45と電源回路51は、電源装置(バッテリー等)から電源供給される。
【0018】
レンズ駆動制御部45は、コイル33の駆動信号を出力する駆動回路47と、駆動信号の駆動方式を切り換える駆動方式切り換え回路49とを有する。駆動回路47は、撮像素子11側のCPU41からの制御信号に基づいて、レンズ15を光軸方向に移動させてフォーカシングする駆動電流をコイル33に出力する。
【0019】
上記構成の撮像ユニット39は、撮像モジュール100が搭載される機器側からの通信により駆動される。また、撮像モジュール100は、撮像ユニット39からレンズ駆動制御部45を直接制御する手段(ポート、I2C(Inter-Integrated Circuit)等)を有する。撮像ユニット39は、制御信号を通じて駆動回路47の駆動方式を駆動方式切り換え回路49によって切り換えさせる。
【0020】
<第1の態様>
撮像素子に設定するゲイン(ISO感度)に応じてレンズの駆動方式を切り換える制御方法について説明する。
図3に駆動回路の駆動方式を切り換える手順を示すフローチャートを示す。
まず、CPU41は、撮像モジュール100が搭載される機器側から撮像モジュール100に通信で入力される設定ゲインを読み込む。設定ゲインは、機器側で設定されるISO感度相当の値であってもよい。次に、CPU41は、読み込んだ設定ゲインが予め定めた閾値以上か判定する(S12)。閾値以上である場合には、駆動方式切り換え回路49を、駆動回路47の駆動方式がPWM駆動になるように設定する(S13)。閾値未満の場合には、駆動方式切り換え回路49を、リニア駆動になるように設定する(S14)。
【0021】
ゲインの閾値としては、例えば12dBとすることができる。設定ゲインが12dB以上である場合、CPU41はノイズの目立ちやすい暗いシーンであると判断して、駆動方式をリニア駆動に切り換える。一方、12dB未満である場合、ノイズの比較的目立ちにくい明るいシーンであると判断して、駆動方式をPWM駆動に切り換える。
【0022】
これにより、明るいシーンを撮像する際の消費電流を低減でき、駆動回路47の発熱を抑えることができる。よって、駆動回路47から撮像素子11に伝熱される熱に起因して、撮像素子11からの画像信号にノイズが重畳することを防止できる。また、暗いシーンを撮像する際のノイズを低減でき、高品位な画像を得ることができる。
【0023】
<第2の態様>
次に、撮像素子11の温度に応じてレンズの駆動方式を切り換える制御方法について説明する。
図4に撮像ユニット39Aのブロック図を示した。本構成では、撮像ユニット39の撮像素子11に温度センサ53を設け、撮像素子11の温度を測定する。温度センサ53による検出温度の情報は、CPU41を介して稼働情報記憶部43に入力される。温度センサ53としては、撮像素子11上に形成した熱電対や測温抵抗体等の周知のセンサが利用可能である。
【0024】
図5に駆動回路の駆動方式を切り換える手順を示すフローチャートを示す。
まず、CPU41は、温度センサ53により撮像素子11の温度を検出する(S21)。次に、CPU41は、検出温度が予め定めた閾値以上か判定する(S22)。閾値以上である場合には、駆動方式切り換え回路49を駆動回路47の駆動方式がPWM駆動になるように設定する(S23)。閾値未満の場合には、駆動方式切り換え回路49をリニア駆動になるように設定する(S24)。
【0025】
温度の閾値としては、例えば60℃とすることができる。検出温度が60℃以上である場合は、温度上昇を防ぐPWM駆動に設定することで、駆動回路47の過度な温度上昇を防止でき、消費電力も低減される。また、駆動回路47の発熱を抑えることで、駆動回路47から撮像素子11への伝熱が低減され、撮像素子11からの画像信号にノイズが重畳することを防止できる。一方、60℃未満である場合は、リニア駆動に設定することで、高品位な画像を得ることができる。
【0026】
<第3の態様>
次に、撮像素子11に対する暗電流測定値に応じてレンズの駆動方式を切り換える制御方法について説明する。
図6に撮像ユニット39Bのブロック図を示した。本構成では、撮像ユニット39に、撮像素子11のオプチカルブラック部に対する暗電流を測定する暗電流測定部55を設けている。暗電流測定部55による暗電流測定値は、CPU41を介して稼働情報記憶部43に入力されて記憶される。
【0027】
図7に駆動回路の駆動方式を切り換える手順を示すフローチャートを示す。
まず、CPU41は、暗電流測定部55により撮像素子11のオプチカルブラック部に対する暗電流を測定する(S31)。次に、CPU41は、暗電流測定値が予め定めた閾値以上か判定する(S32)。閾値以上である場合には、駆動方式切り換え回路49を、駆動回路47の駆動方式がPWM駆動になるように設定する(S33)。閾値未満の場合には、駆動方式切り換え回路49を、リニア駆動になるように設定する(S34)。
【0028】
暗電流の閾値としては、例えば70LSB(10bit A/D)とすることができる。暗電流測定値が70LSB以上である場合は、駆動回路47の過度な温度上昇を防止でき、消費電力も低減される。また、駆動回路47の発熱を抑えることで、駆動回路47から撮像素子11への伝熱が低減され、撮像素子11の暗電流が更に増加することを防止できる。一方、70LSB未満である場合はリニア駆動に設定することで、高品位な画像を得ることができる。
【0029】
<第4の態様>
次に、撮像素子からの出力信号が画像記録用かスルー画像表示用かに応じて、レンズの駆動方式を切り換える制御方法について説明する。
本構成においては、図2に示すCPU41が、撮像モジュール100が搭載される機器のコントローラから撮像モジュール100に入力される通信信号、例えば記録開始や記録停止等のトリガ信号に基づいて、撮像素子からの出力信号が画像記録用又はスルー画像表示用かを判定する。この判定結果は、稼働情報記憶部43に入力されて記憶される。
【0030】
図8に駆動回路の駆動方式を切り換える手順を示すフローチャートを示す。
まず、CPU41は、撮像ユニット39Cの外部から入力される通信信号を取得する(S41)。そして、CPU41は、取得した通信信号から上記のトリガ信号を抽出して撮像素子11からの出力信号が画像記録用か否かを判定する(S42)。
【0031】
判定した結果が画像記録用であれば、駆動方式切り換え回路49を、駆動回路47の駆動方式がリニア駆動になるように設定する(S43)。スルー画像表示用の場合には、駆動方式切り換え回路49を、PWM駆動になるように設定する(S44)。
【0032】
これにより、撮像素子からの出力信号が画像記録用である場合は、画質を優先するリニア駆動で駆動回路が駆動され、高品位な画像を得ることができる。一方、画像記録用ではない場合は、消費電流が少なく、駆動回路47の発熱低減に優れたPWM駆動で駆動される。
【0033】
なお、画像記録用か否かで駆動方式を切り替える他にも、例えば、撮像素子からの出力信号が動画像の場合と静止画像の場合とで切り替えることでもよい。つまり、動画像である場合は、画像にノイズが存在しても比較的目立たないのでPWM駆動に設定する。この場合、消費電力も低減できる。一方、静止画像である場合は、リニア駆動に設定して高品位な画像を得るようにする。
【0034】
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせることや、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
例えば、撮像素子の温度が所定の閾値以上の温度となった場合は、設定ゲイン値が所定の閾値以上であっても、撮像素子からの出力信号が画像記録用であっても駆動回路をリニア駆動に設定せず、優先的に発熱を抑えるPWM駆動に設定する。また、暗電流が所定の閾値以上となった場合も同様に、優先的に発熱を抑えるPWM駆動に設定する。このように各条件を組み合わせて駆動方法を設定すれば、より適切な駆動が行える。
また、パルス駆動はPWM駆動の他、周知のパルス駆動であってもよい。
【0035】
以上の通り、本明細書には次の事項が開示されている。
(1) レンズと、
前記レンズを光軸方向に移動自在に支持するレンズ支持部と、
前記レンズからの光を検出して画像信号を出力する撮像部と、
前記撮像部に関する稼働状況の情報を記憶する稼働情報記憶部と、
前記レンズを光軸方向へ駆動するための駆動回路、及び前記駆動回路の駆動方式をリニア駆動又はパルス駆動のいずれかに切り替える駆動方式切り換え回路を有するレンズ駆動制御部と、
を備え、
前記駆動方式切り換え回路は、前記稼働情報記憶部に記憶された稼働状況の情報に応じてレンズ駆動制御部を最適な駆動方式に切り替えることで、撮像モジュールの発熱源であるレンズ駆動部の発熱を抑え、出力画像の画質向上を図ることができる。即ち、リニア駆動する場合は高品質な画像が得られ、パルス駆動する場合は駆動回路の発熱を抑えて出力画像にノイズが重畳することを防止できる。
【0036】
(2) (1)の撮像モジュールであって、
前記稼働情報記憶部は、前記撮像部が検出する光の検出感度を設定するゲイン値を記憶し、
前記駆動方式切り替え回路は、前記記憶されたゲイン値に応じて、前記駆動回路の駆動方式を切り替える撮像モジュール。
この撮像モジュールによれば、撮像素子に設定されるゲイン値に応じて駆動回路の駆動方式を切り替えるため、撮像シーンに応じた最適な駆動方式に設定できる。
【0037】
(3) (2)の撮像モジュールであって、
前記駆動方式切り替え回路は、前記ゲイン値が所定値以上である場合に前記駆動回路の駆動方式をリニア駆動に設定し、前記所定値未満である場合にパルス駆動に設定する撮像モジュール。
この撮像モジュールによれば、高いゲイン値となる暗いシーンの場合はリニア駆動によりノイズを低減し、低いゲイン値となる明るいシーンの場合はパルス駆動により発熱の影響を軽減して消費電流を抑えることができる。
【0038】
(4) (1)の撮像モジュールであって、
前記撮像部の温度を検出して前記稼働情報記憶部に出力する温度センサを備え、
前記駆動方式切り替え回路は、前記温度センサの検出温度に応じて、前記駆動回路の駆動方式を切り替える撮像モジュール。
この撮像モジュールによれば、撮像素子の温度に応じて駆動回路の駆動方式を切り替えるため、撮像素子の状態に応じた最適な駆動方式に設定できる。
【0039】
(5) (4)の撮像モジュールであって、
前記駆動方式切り替え回路は、前記検出温度が所定温度以上である場合に前記駆動回路の駆動方式をパルス駆動に設定し、前記所定値未満である場合にリニア駆動に設定する撮像モジュール。
この撮像モジュールによれば、撮像部の温度が高い場合はパルス駆動により発熱の影響を軽減して消費電流を抑えることができ、温度が低い場合はリニア駆動によりノイズを低減できる。
【0040】
(6) (1)の撮像モジュールであって、
前記撮像素子のオプチカルブラック部に対する暗電流を測定して前記稼働情報記憶部に出力する暗電流測定部を備え、
前記駆動方式切り替え回路は、前記検出された暗電流の測定値に応じて、前記駆動回路の駆動方式を切り替える撮像モジュール。
この撮像モジュールによれば、撮像素子のオプチカルブラック部に対する暗電流に応じて駆動回路の駆動方式を切り替えるため、撮像素子の状態に応じた最適な駆動方式に設定できる。
【0041】
(7) (6)の撮像モジュールであって、
前記駆動方式切り替え回路は、前記暗電流の測定値が所定値以上である場合に前記駆動回路の駆動方式をリニア駆動に設定し、前記所定値未満である場合にパルス駆動に設定する撮像モジュール。
この撮像モジュールによれば、暗電流が多い場合はパルス駆動により発熱の影響を軽減して消費電流を抑えることができ、暗電流が少ない場合はリニア駆動によりノイズを低減できる。
【0042】
(8) (1)の撮像モジュールであって、
前記撮像部の出力信号が画像記録用であるかを判定して、判定情報を出力する画像判定部を備え、
前記稼働情報記憶部は、前記画像判定部からの判定情報を記憶し、
前記駆動方式切り替え回路は、前記記憶された判定情報に応じて前記駆動回路の駆動方式を切り替える撮像モジュール。
この撮像モジュールによれば、撮像素子が出力する出力信号が画像記録用であるか否かに応じて駆動回路の駆動方式を切り替えるため、撮像画像の種類に応じた最適な駆動方式に設定できる。
【0043】
(9) (8)の撮像モジュールであって、
前記駆動方式切り替え回路は、前記撮像部の出力信号が画像記録用の画像信号である場合にリニア駆動に設定し、画像記録用ではない場合にパルス駆動に設定する撮像モジュール。
この撮像モジュールによれば、画像記録用の場合にリニア駆動によりノイズを低減し、画像記録用ではない場合にパルス駆動により発熱の影響を軽減して消費電流を抑えることができる。
【0044】
(10) (1)〜(9)のいずれか一つの撮像モジュールであって、
前記パルス駆動は、パルス幅変調駆動を含む駆動方式である撮像モジュール。
この撮像モジュールによれば、パルス幅変調により駆動回路の発熱を抑え、消費電流を低減した駆動ができる。
【符号の説明】
【0045】
11 撮像素子
13 撮像部
15 レンズ
27 磁石
29 ヨーク
31 レンズ保持部材
33 コイル
39 撮像ユニット
41 CPU
43 稼働情報記憶部
45 レンズ駆動制御部
47 駆動回路
49 駆動方式切り換え回路
53 温度センサ
55 暗電流測定部
57 画像判定部
100 撮像モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズと、
前記レンズを光軸方向に移動自在に支持するレンズ支持部と、
前記レンズからの光を検出して画像信号を出力する撮像部と、
前記撮像部に関する稼働状況の情報を記憶する稼働情報記憶部と、
前記レンズを光軸方向へ駆動するための駆動回路、及び前記駆動回路の駆動方式をリニア駆動又はパルス駆動のいずれかに切り替える駆動方式切り換え回路を有するレンズ駆動制御部と、
を備え、
前記駆動方式切り換え回路は、前記稼働情報記憶部に記憶された稼働状況の情報に応じて前記駆動方式を切り替える撮像モジュール。
【請求項2】
請求項1記載の撮像モジュールであって、
前記稼働情報記憶部は、前記撮像部が検出する光の検出感度を設定するゲイン値を記憶し、
前記駆動方式切り替え回路は、前記記憶されたゲイン値に応じて、前記駆動回路の駆動方式を切り替える撮像モジュール。
【請求項3】
請求項2記載の撮像モジュールであって、
前記駆動方式切り替え回路は、前記ゲイン値が所定値以上である場合に前記駆動回路の駆動方式をパルス駆動に設定し、前記所定値未満である場合にリニア駆動に設定する撮像モジュール。
【請求項4】
請求項1記載の撮像モジュールであって、
前記撮像部の温度を検出して前記稼働情報記憶部に出力する温度センサを備え、
前記駆動方式切り替え回路は、前記温度センサの検出温度に応じて、前記駆動回路の駆動方式を切り替える撮像モジュール。
【請求項5】
請求項4記載の撮像モジュールであって、
前記駆動方式切り替え回路は、前記検出温度が所定温度以上である場合に前記駆動回路の駆動方式をパルス駆動に設定し、前記所定値未満である場合にリニア駆動に設定する撮像モジュール。
【請求項6】
請求項1記載の撮像モジュールであって、
前記撮像素子のオプチカルブラック部に対する暗電流を測定して前記稼働情報記憶部に出力する暗電流測定部を備え、
前記駆動方式切り替え回路は、前記検出された暗電流の測定値に応じて、前記駆動回路の駆動方式を切り替える撮像モジュール。
【請求項7】
請求項6記載の撮像モジュールであって、
前記駆動方式切り替え回路は、前記暗電流の測定値が所定値以上である場合に前記駆動回路の駆動方式をリニア駆動に設定し、前記所定値未満である場合にパルス駆動に設定する撮像モジュール。
【請求項8】
請求項1記載の撮像モジュールであって、
前記撮像部の出力信号が画像記録用であるかを判定して、判定情報を出力する画像判定部を備え、
前記稼働情報記憶部は、前記画像判定部からの判定情報を記憶し、
前記駆動方式切り替え回路は、前記記憶された判定情報に応じて前記駆動回路の駆動方式を切り替える撮像モジュール。
【請求項9】
請求項8記載の撮像モジュールであって、
前記駆動方式切り替え回路は、前記撮像部の出力信号が画像記録用の画像信号である場合にリニア駆動に設定し、画像記録用ではない場合にパルス駆動に設定する撮像モジュール。
【請求項10】
請求項1〜請求項9のいずれか一項記載の撮像モジュールであって、
前記パルス駆動は、パルス幅変調駆動を含む駆動方式である撮像モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−77915(P2013−77915A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−215647(P2011−215647)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】