説明

撮像機能付笛

【課題】撮像機能付笛において、第三者に現場の状況を容易に、かつ正確に伝えることができるようにする。
【解決手段】撮像機能付笛1(1−3)は、笛本体10に、被写体を撮像する撮像部20と、空気を導入する吹き口10aと、吹き口10aから空気が導入されたときに撮像部20に被写体の撮像を行わせる撮像制御手段12とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は笛に関し、特に撮像機能を備えた防犯用の笛に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、防犯や災難時に周囲に緊急状態を知らせる報知手段として、笛、警告音又はメッセージ等を発生する報知具、発光する報知具及びこれらの組み合わせによる報知具等が提案されている。このような報知具としては、例えば予備のホイッスルを設けることにより、ケース内に音声発生手段や発光手段、電源、スイッチ等を内蔵した本体が破壊されても防犯警報機能を維持することができる防犯警報器(特許文献1)や、ホイッスルを吹き鳴らすのに連動して自動的に本体が発光するようにしたホイッスル(特許文献2)、犯罪に遭遇した場合、電波状態に関係なく、何時でもどんな場所でも操作キーを連続して4回押すことにより警報音又は救援メッセージを発声させるようにした携帯電話機器(特許文献3)、携帯性があり、電池が切れても人が笛を吹くことにより音を出すことができる笛付非常灯(特許文献4)等がある。
【特許文献1】特開平11−242782号公報
【特許文献2】実用新案第3086885号
【特許文献3】特開2002−101161号公報
【特許文献4】実用新案第3049871号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記のような報知具では、周囲の状況、不審者又は犯人の顔、体型、服装、車種、車番号等を保護者や警察等の第三者に伝えようとしても、人による観察や記憶等が不正確であって、正確に現場の状況を把握して伝えることは困難である。
【0004】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、第三者に現場の状況を容易に、かつ正確に伝えることができる撮像機能付笛を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の撮像機能付笛は、笛本体に、
空気を導入する吹き口と、
該吹き口から空気が導入されたときに前記撮像部に前記被写体の撮像を行わせる撮像制御手段とを設けてなることを特徴とするものである。
【0006】
本発明の撮像機能付笛においては、前記撮像部が撮影レンズを有し、
前記笛本体が、該本体の一端に前記撮影レンズを備え、他端に前記吹き口を備えていてもよい。
【0007】
また本発明の撮像機能付笛においては、前記笛本体の両側面に設けられた把持部と、
該把持部が把持されたか否かを検出する把持検出手段と、
該把持検出手段が前記把持部の前記把持を検出したときに前記撮像部を待機状態にする電源制御手段とを備えていてもよい。
【0008】
この場合、前記電源制御手段が、一定時間前記待機状態を維持するものであることが好ましい。
【0009】
また本発明の撮像機能付笛においては、前記把持検出手段が、前記把持部の少なくとも一方に設けられていてもよい。
【0010】
また本発明の撮像機能付笛においては、前記把持検出手段が、前記把持部の両方が同時に把持されるときにのみ把持されたことを検出するものであってもよい。
【0011】
なお本発明の撮像機能付笛においては、前記撮像部を駆動可能にする電源が設けられていてもよい。
【0012】
また本発明の撮像機能付笛においては、前記笛本体が発する音を検出する音検出手段をさらに備え、
前記撮像制御手段が、前記音を検出したときに前記撮像を行わせるものであってもよい。
【0013】
また本発明の撮像機能付笛においては、前記吹き口を被覆し、該吹き口に空気が導入されたときに該吹き口を開口する防塵カバー部を備えていてもよい。
【0014】
この場合、前記防塵カバー部が、前記吹き口を開口したときに前記撮像制御手段に前記撮像を行わせてもよい。
【0015】
また本発明の撮像機能付笛においては、前記撮像部の作動に応答して外部機器に現場情報を送信する通信手段を備えていることが好ましい。ここで「現場情報」とは、静止画又は動画、音、位置情報等を意味する。
【0016】
また本発明の撮像機能付笛においては、前記吹き口から導入された空気により前記撮像部を駆動するための電力を発生する風力発電手段を備えていてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の撮像機能付笛によれば、笛本体に、被写体を撮像する撮像部と、空気を導入する吹き口と、吹き口から空気が導入されたときに撮像部に被写体の撮像を行わせる撮像制御手段とを設けてなることにより、例えば人が笛を吹くことによって吹き口から空気が導入されると自動的に被写体を撮影することができるので、撮影によって得られた画像によって第三者に現場の状況を容易に、かつ正確に伝えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明にかかる一実施形態の撮像機能付の笛について図面を参照して詳細に説明する。図1(a)は本実施形態の笛1の全体斜視図、図1(b)は(a)の笛の使用時の図である。
【0019】
本実施形態の笛1は、図1(a)に示す如く、笛本体10に、図1(b)のように例えば小学生等の人Pによって空気が吹き込まれる、つまり笛1が吹かれることにより空気を導入する吹き口10aと、この吹き口10aから導入された空気を外部に吐出する空気吹出孔10bと、外部に臨む撮影レンズ21を介して被写体を撮像する撮像部20とが設けられている。また笛本体10には、図1(b)に示す如く、首にかけて使用できるように、輪状の紐11が設けられていて、笛本体10の両側面(図1中紙面手前側及び奥側)には、例えば人Pの指によって把持される略円状の把持部10cが設けられている。
【0020】
次に上記笛1とは別の形状である第二の実施形態及び第三の実施形態の笛1−2、笛1−3について説明する。図2(a)は第二の実施形態の笛1−2の斜視図、図2(b)は第三の実施形態の笛1−3の側面図を示す。なお図2においては便宜上、紙面上側を上方として以下説明する。
【0021】
笛1−2は、図2(a)に示す如く、笛本体10の一端に、外部に臨む撮影レンズ21を有する撮像部20が備えられ、他端に吹き口10aが備えられている。また撮影レンズ21を囲んで環状にLED等の発光部22と、発光部22に隣接してスピーカ部23が設けられている。この発光部22は撮影用として機能する他に外部への威嚇用として機能することもできる。なおさらに録音用の図示しないマイク部が設けられていてもよい。
【0022】
また笛本体10の上面には上述の実施形態と同様に空気吹出孔10bが設けられている。そして笛本体10の両側面(図2(a)中紙面手前側及び奥側)には、例えば人Pの指によって把持される略円状の把持部10cが設けられている。
【0023】
笛1−3は、図2(b)に示す如く、例えば笛1−3の使用者を子供と想定した場合に、撮影レンズ21と吹き口10aとが子供の背の高さに合わせて設定できるように、吹き口10aから導入される空気の流れ方向10a−1と、撮影レンズ21の光軸21aとの角度が設定されている。子供は一般的に背が低いので口の位置も低くなるが、撮影対象は口の位置と比較して高いところに位置する場合が多い。従って空気の流れ方向10a−1を水平にした際に、撮影レンズ21側が上方向を向くように光軸21aの前記角度を設定する。なお前記角度は、例えば回転機構等を設けることにより変更可能にしてもよい。また広い範囲を撮影できるように撮影レンズ21を広角レンズとしてもよい。
【0024】
なお笛1−2、1−3では、撮影時にスピーカ部23から例えば「助けて」等の人口音を発声させてもよいし、発光部22を発光させてもよい。これにより緊迫した状況下で声を出すことが困難な場合であっても、人口音によって音を発することができるので、周囲に緊急状態を知らしめることが可能となる。また例えば不審者等に出会ってしまった場合に、発光部22の発光によって不審者を威嚇することができる。またマイク部を設けた場合には、現場の状況を録音しておくことができるので、第三者に音による正確な状況を伝えることができる。
【0025】
次に上述した笛1、1−2、1−3の内部の構造について図面を参照して詳細に説明する。なお上記内部の構造は、笛1、1−2、1−3も同様の構造とすることが可能であるため、便宜上笛1−3を例に挙げて説明するものとし、他については説明を省略する。ここで図3に第三の実施形態の笛1−3の内部構造を示す概略側面断面図を示す。
【0026】
笛1−3は、図3に示す如く、撮像部20が撮影レンズ21の後方つまり撮像部20本体の内方に、CMOS又はCCD等の撮像素子を搭載したカメラモジュール24が配設されている。また上述の撮像制御手段として吹き口10aから空気が導入されたときに撮影部20に被写体の撮影を指示するレリーズスイッチ(以下、レリーズSWという)12が設けられている。
【0027】
本実施形態のレリーズSW12は、互いに対向する接点部材12aと接点部材12bとを備え、接点部材12aは、一端が撮像部20の内部回路(図示せず)に接続されて笛本体10の内壁から延び、他端が吹き口10aから導入される空気の流れ方向と略垂直に、かつ空気の風圧を受けるように配設された板バネ13の撮像部20側の先端面に貼着されている。また接点部材12bは前記空気の流れ方向と略垂直に形成された撮像部20の笛本体10側外壁に貼着されている。なお板バネ13は、弾性を有する部材で、かつ導電体であればいずれの部材を使用しても良い。
【0028】
そして吹き口10aから導入された空気の風圧による板バネ13の移動によって、接点部材12bが接点部材12bの方向へ移動することにより接点部材12aと接点部材12bとが接触し、この接触によりレリーズSW12がONになる。
【0029】
ここで撮像制御手段としてのレリーズSW12の別の実施形態について説明する。図4は第四の実施形態の笛1−4の内部構造を示す概略側面断面図である。
【0030】
笛1−4のレリーズSW12は、上記実施形態と同様に、互いに対向する接点部材12aと接点部材12bとを備え、接点部材12aは、一端が撮像部20の内部回路(図示せず)に接続されて笛本体10の内壁から延びた板バネ13’の撮像部20側の先端面に貼着されている。本実施形態の板バネ13’は上記実施形態の板バネ13とは異なり、前記空気の流れ方向と略垂直に配設されていなくてもよい。
【0031】
また接点部材12bも同様に前記空気の流れ方向と略垂直ではなく、撮影レンズ21の光軸21aと略垂直に形成された撮像部20の笛本体10側外壁に貼着されている。そして笛1−4は、笛本体10の内部空間に、該空間を自在に移動可能な球体14が共振玉として配設されている。
【0032】
板バネ13’は、接点部材12aが貼着されていない側の先端面が、図4の右下図に示す如く、吹き口10aから導入された空気の風圧を受ける部分Sとして面積が広く形成されている。
【0033】
そして吹き口10aから空気が導入されると、前記風圧を受ける部分Sが導入された空気の風圧を受けて接点部材12b側に押されることにより、接点部材12aと接点部材12bとが接触し、この接触によりレリーズSW12がONになる。このとき前記風圧によって球体14が前記空間を動くことにより、この球体14が前記風圧を受ける部分Sに当接して、接点部材12aを接点部材12bに接触させてもよい。
【0034】
そして笛1、1−2、1−3は、上述のように構成された撮像制御手段としてレリーズSW12がONになったときに、撮像部20に被写体の撮影を行わせる。なお撮像部20による撮影は動画であっても静止画であってもよい。また連写を行ってもよい。
【0035】
こうすることにより、例えば人Pが笛1、1−2、1−3を吹くという容易な動作によって、吹き口10aから空気が導入されることにより、レリーズSW12がONになるので、撮像部20に自動的に被写体の撮像を行わせることができて、撮影によって得られた画像によって第三者に現場の状況を容易に、かつ正確に伝えることができる。
【0036】
また撮影レンズ21と吹き口10aとが笛本体10を介して対向して配置されているので、使用者が笛を吹くという動作をするだけで、意識することなく被写体を撮影することができる。
【0037】
なお上述実施形態ではレリーズSW12を上述のように構成したが、さらに別の構成であっても構わない。ここで図5(a)に第五の実施形態の笛1−5の斜視図、図5(b)に図5の笛1−5を人が吹いている時の説明図を示す。なお本実施形態笛1−5は、図1の笛と同様の箇所は同符号で示して説明を省略する。また図5においては便宜上、紙面上側を上方として説明する。
【0038】
笛1−5のレリーズSW12’は、図5(a)に示す如く、笛本体10の上面には吹き口10aと隣接するように配設されている。このレリーズSW12’は、温度センサや接触センサ等によって構成することができ、本実施形態では接触センサを使用する。
【0039】
そして人Pが笛1−5を吹くときに、図5(b)に示す如く、吹き口10aを口の中に位置させて笛本体10の吹き口10a側端部を銜えることによって、レリーズSW12’には人の歯P’又は唇等が接触する。このときレリーズSW12’つまり上記接触センサが該接触を検知し、レリーズSW12’がONになる。
【0040】
なおレリーズSWを笛の音を検出する音センサ(音検出手段)で構成し、笛本体10又は撮像部20に搭載してもよい。この場合人Pが笛を吹くことにより、吹き口10aから空気が導入されて笛の音が発生したときに、音センサが笛の音を検出してレリーズSWがONになる。こうすることによりレリーズSWの機械構造を簡素化することができる。
【0041】
次に本発明にかかる第六の実施形態の笛1−6について説明する。図6は本実施形態の笛1−6の斜視図、図7はそれぞれ電源スイッチの断面図の一例である。
【0042】
本実施形態の笛1−6は、図6に示す如く、上述した実施形態の笛1、1−2〜5の把持部10cに把持部10cが把持されたか否かを検出するための電源スイッチ(把持検出手段;電源SW)15を設けたものである。
【0043】
電源SW15は、例えばメンブレンスイッチやタッチパネル等で構成することができ、メンブレンスイッチとしては例えば図7(a)に示す2枚電極シート構造のメンブレンスイッチや図7(b)に示す下部シートに2電極を設ける1枚電極シート構造のメンブレンスイッチを使用することができる。
【0044】
2枚電極シート構造のメンブレンスイッチは、図7(a)に示す如く、メタルドーム15aと、メタルドーム15aを被覆し、例えば人Pの指等で操作されるメタルドーム押さえシート15bを備えている。
【0045】
またメタルドーム15aの頂点部と間隔を有して配設され、例えばPET(ポリエチレンテレフタラート)によって形成された、上部電場シート15c−1、スペーサシート15d、下部電場シート15c−2が、上から順に配置されている。
【0046】
さらにスペーサシート15dの中央の孔には、上部電極15e−1と下部電極15e−2とが接触しないように間隔を有して、それぞれ上部電場シート15c−1と下部電場シート15c−2に貼着されている。
【0047】
このように形成された2枚電極シート構造のメンブレンスイッチは、メタルドーム押さえシート15bが上方から押下されることによって、メタルドーム15a及び上部電場シート15c−1を介して上部電極15e−1が下方に移動して下部電極15e−2と接触してONにされる。
【0048】
1枚電極シート構造のメンブレンスイッチは、図7(b)に示す如く、上記と同様にメタルドーム15aと、メタルドーム押さえシート15bを備えており、メタルドーム15aの頂点部と間隔を有して、ドーナツ状の導電回路15fと電極シート15cとが上方から順に配設されている。また導電回路15fの中央の孔では、接点部となる導電回路15gが電極シート15cの上面に貼着されている。なおメタルドーム15aは金属接点として機能し、メタルドーム15aの下端は導電回路15fと接続されている。
【0049】
このように形成された1枚電極シート構造のメンブレンスイッチは、メタルドーム押さえシート15bが上方から押下されることによって、メタルドーム15aが下方に移動し、導電回路15gと接触してONにされる。
【0050】
次に上記実施形態の笛1−6の内部構成について説明する。図8は笛1−6の内部構成を示す機能ブロック図である。
【0051】
笛1−6は、図8に示す如く、撮像部20、電源SW15、電源部16、レリーズSW12、SWのON/OFF検知部30、シャッタのON/OFF制御部31、CPU32、画像補正部33、撮影時間タイマ部34、RAM・ROM35、フラッシュメモリ36及び外部との通信制御部1aとを備えている。
【0052】
撮像部20は、撮影レンズ21、絞り、シャッタ、CCD等の撮像素子、撮像信号処理部等を備えるものであり、レリーズSW12からの信号によって被写体を撮像する。
【0053】
電源SW15は、電源部16をON/OFFする他に、電源制御手段としても機能するCPU32を介して撮像部20を待機状態にする。ここで待機状態とは、例えばAEやAF等の処理が終了して露光つまりシャッタを開く指示を待つ状態をいう。なおCPU32が前記待機状態を一定時間保持してもよい。こうすることにより、電源SW15が数回ON/OFFされても、待機状態が保持されているので、撮影のタイミングを逃してしまうことを防止することができる。
【0054】
電源部16は、電池を備えるものであり、電源SW15がONにされると撮像部20に電力を供給することにより撮像部20を駆動可能にする。
【0055】
レリーズSW12は、吹き口10aから空気が導入されたときにONにされ、ONにされると後述のON/OFF検知部30及びCPU32を介して撮像部20に被写体の撮像を行わせる。
【0056】
ON/OFF検知部30は、レリーズSW12のチャタリングを除去してCPU32に信号を伝達する。
【0057】
シャッタのON/OFF制御部31は、CPU32を介して撮像部20のシャッタを開閉する。
【0058】
CPU(電源制御手段)32は、ON/OFF検知部30を介してレリーズSW12のONを検出してシャッタのON/OFF制御部31にシャッタの開かせると共に後述の撮影時間タイマ部34を起動させる。また電源SW15のONを検出して撮像部20を待機状態にする電源制御手段としても機能する。
【0059】
画像補正部33は、撮像部20により撮像された画像データに対して、ガンマ補正処理、輪郭強調(シャープネス)処理、コントラスト処理、ノイズ低減処理等の補正処理を施す。
【0060】
撮影時間タイマ部34は、予め一定時間が設定されており、レリーズSW12が一度ONにされると前記一定時間、撮像部20に撮影を行わせる。なおこのとき撮影は動画又は連写とする。なお撮像部20が静止画のみを撮影するものである場合には、撮影時間タイマ部34は搭載されていなくてもよい。
【0061】
RAM・ROM35は、書き込みや読み出しを行うメモリであり、フラッシュメモリ36は、撮影された画像を記録する。なおこのとき記憶される画像は画像補正部33により前記補正が施された画像であってもよい。またフラッシュメモリ36はリングバッファとしてもよく、最大10分間分の画像を記録可能とする。
【0062】
外部との通信制御部1aは、ケーブル通信又は無線通信を行うI/F(インターフェース)部を備えており、撮影により得られた画像(フラッシュメモリ36に記憶された画像を含んでもよい)等の現場情報をI/F部を介して予め設定された送信先(第三者)に送信する。ここで図9に外部との通信を説明する図、図10に笛と携帯電話との接続を説明する図、図11に笛と携帯電話との接続を説明する別の図を示す。
【0063】
現場情報は、撮像部20によって得られた静止画又は動画の撮像画像データの他に、笛1−6がGPS(グローバル・ポジショニング・システム)機能を備えている場合には位置情報、マイク部を備えている場合には音等を含み、図9に示す如く、外部との通信制御部1aのI/F部を介して携帯電話の基地局4に送信され、該基地局4から送信先に送られる。
【0064】
なお笛1−6には、図10に示す如く、通信制御部1aのI/F部に接続されて、例えば首にかけて使用可能な輪状のケーブル11’が設けられ、このケーブル11’と繋がる接続用ケーブル11’aを携帯電話4aの入出力端子に接続して、ケーブル11’及び接続用ケーブル11’を使用したケーブル通信により笛1−6から携帯電話4aへ現場情報を伝送することができる。
【0065】
このとき携帯電話4aは、現場情報を受信したときに、図9に示す如く、基地局4を介して送信先に現場情報を伝送するトリガー機能を備えている。なお携帯電話4aがトリガー機能を備えていない場合には、笛1−6から携帯電話4aに現場情報が伝送されたときに、携帯電話4aに現場情報を送信先に送信させる中継機器を設けることができる。
【0066】
なお送信先としては、保護者等の緊急連絡先(例えば携帯電話)5−1、警察署や消防署5−2、警備会社5−3、記録用端末5−4等の第三者を予め設定することができる。第三者として記録用端末5−4が設定されている場合には笛1−6にフラッシュメモリ36を備えていなくても、現場情報を記録することができるので、笛1−6の構造を簡素化することが可能となる。またリアルタイムで第三者に現場情報を伝達することができる。
【0067】
なお上記実施形態では笛1−6と携帯電話4aとの通信をケーブル通信としたが、図11に示す如く、赤外線通信やBluetooth等の無線通信を使用することもできる。
【0068】
本実施形態の笛1−6は上記のように構成される。次に笛1−6による一連の撮影処理について説明する。図12は笛1−6の一連の撮影処理のフローチャートである。
【0069】
笛1−6は、図12Aに示す如く、先ずCPU32は電源SW15がONにされたか否かを検出し(ステップS1)、OFFの場合(ステップS1;OFF)にはONにされるまでステップS1の処理を繰り返し行う。一方、ONの場合(ステップS1;YES)には、電源部16の電源をONにして(ステップS2)、撮像部を駆動可能にする。
【0070】
次にON/OFF検知部30が、レリーズSW12がONにされたか否かを検出し(ステップS3)、ONでない場合(ステップS3;NO)には、ONにされるまでステップS3の処理を繰り返し行う。一方、ONの場合(ステップS3;YES)には、CPU32及びシャッタのON/OFF制御部31を介して撮像部20に被写体の撮影を開始させると共に(ステップS4)、撮影時間タイマ部34のタイマを起動させる(ステップS5)。
【0071】
そしてフラッシュメモリ36が撮影された画像を記録して(ステップS6)、外部との通信制御部1aが低画素の画像を送信先となる第三者に送信する(ステップS7)。次にCPU32が、撮影時間タイマ部34のタイマが設定された時間内か否かを判別し(ステップS8)、時間内である場合(ステップS8;YES)には撮像部20に撮影を継続させて(ステップS9)、ステップS6へ処理を移行し以降の処理を繰り返す。
【0072】
一方、ステップS8にて時間内でない場合(ステップS8;NO)には、図12Bに示す如く、CPU32はシャッタのON/OFF制御部31を介して撮像部20に被写体の撮影を中止させる(ステップS10)。そしてCPU32は低画素の画像の送信が完了したか否かを判別し(ステップS11)、完了していない場合(ステップS11;NO)には、外部との通信制御部1aが低画素の画像の送信を継続して(ステップS12)、ステップS11へ処理を移行し、以降の処理を繰り返す。
【0073】
一方、低画素の画像の送信が完了している場合(ステップS11;YES)には、高画素送信に切り換えて(ステップS13)、高画素の画像の送信を行う。そしてCPU32は、高画素の画像の送信が完了したか否かを判別し(ステップS14)、完了していない場合(ステップS14;NO)には、外部との通信制御部1aが高画素の画像の送信を継続して(ステップS15)、ステップS14へ処理を移行し、以降の処理を繰り返す。
【0074】
一方、高画素の画像の送信が完了している場合(ステップS14;YES)には、電源部16をOFFにして(ステップS16)、一連の撮影処理を終了する。このようにして笛1−6による撮影処理を行う。
【0075】
上記のように電源SW15がONにされたことを検出したときに、電源部16の電源がONにされて撮像部20が待機状態になるので、笛1−6の使用者が笛1−6を吹くとき等に把持部10cを把持するだけで、意識することなく撮像部20を待機状態にすることができる。
【0076】
なお電源SW15は、笛本体10の両側の把持部10cに設けることができる。このとき、両方の把持部10cが同時に把持されたときにのみ電源SW15をONにする場合には、電源SW15の誤作動を防止することができる。また、どちらか一方の把持部10cが把持されたときに、電源SW15をONにする場合には、電源SW15の押し忘れを防止することができる。
【0077】
また電源部16の電源がONにされたときのみに撮像部20が撮影を行うことができるので、例えば風等により使用者が意図しないときにレリーズSW12がONにされた場合に撮像部20が誤撮影するのを防止することができる。
【0078】
このように笛1−6を吹くという単純な動作のみで、笛1−6の音により周囲に緊急状態を知らせることができると共に、第三者に現場情報を伝達することができ、さらに現場情報を記録しておくことができるので、第三者に正確な情報を伝えることができる。また第三者が正確な情報を得ることにより、使用者のいる場所や、対面している人物等を照合することもできる。
【0079】
次に第七の実施形態の笛1−7について説明する。図13は笛1−7の主要部断面図であり、(a)は空気導入前、(b)は空気導入後である。なお本実施形態の笛1−7は便宜上、上述した実施形態の笛と異なる箇所のみ詳細に説明する。
【0080】
笛1−7は、図13(a)に示す如く、吹き口10aを被覆する防塵カバー部18が設けられている。防塵カバー18は、一端が笛本体10の吹き口10a近傍に固着され、他端を自由端とするカバー18aと、吹き口10a近傍の笛本体10から内方に突出させて固着されたカバー係止部18bとで構成されていて、笛1−7が吹かれていない通常時にはカバー18aの自由端がカバー係止部18bに係止している。
【0081】
そして笛1−7が例えば人Pによって吹き口10aから空気が導入されると、図7(b)に示す如く、カバー18aの自由端とカバー係止部18bとの係止が外れて、カバー18aの自由端が笛本体10の内部空間側へ移動し、カバー18aとカバー係止部18bとの間から前記内部空間へ空気が導入される。
【0082】
このように防塵カバー部18を設けることにより、笛1−7の内部空間へのゴミや埃等の流入を防止して防塵することができる。なおこの防塵カバー部18は、上述した実施形態の笛にも使用することができる。
【0083】
また笛1−7は、図13(a)に示す如く、空気吹出孔10bにも該吹出孔10bを被覆する第二の防塵カバー部19が設けられている。第二の防塵カバー部19は導電体で形成されており、一端が空気吹出孔10b近傍の笛本体10上面に固着され、他端が空気吹出孔10bを挟んで対向側の笛本体10上面に係止される。この他端は所定値以上の風圧を受けたときに前記係止が外れるように貼着されている。
【0084】
そして前記他端が係止される笛本体10上面には、リード線17によって撮像部20の内部回路と接続された接点部材12bが貼着されている。また上記第二の防塵カバー部19の前記一端には上記と同様に撮像部20の内部回路と接続されたリード線17が接続されていて、該カバー部19が接点部材12aとして機能する。
【0085】
この第二の防塵カバー部19は、笛1−7が例えば人Pによって吹き口10aから空気が導入されると、図13(b)に示す如く、笛本体10の内部空間からの風圧によって第二の防塵カバー部19の前記他端と前記笛本体10の上面との係止が外れて、第二の防塵カバー部19の前記他端が上方へ移動して前記空気吹出孔10bが開口する。よって接点部材12aと接点部材12bとが離れることによって、レリーズSW12がONになる。
【0086】
このように第二の防塵カバー部19が、防塵とレリーズSW12をONにする機能を有することにより構造を簡素化することができる。
【0087】
次に第八の実施形態の笛1−8について説明する。図14Aは(a)が笛1−8の斜視図、(b)が笛1−8の吹き口10aの拡大図であり、図14Bは(a)が笛1−8の主要部断面図、(b)が笛1−8の防塵カバー部18の斜視図、(c)が(a)のb―b線断面図、図14Cは笛1−8の主要部断面図であり、(a)は空気導入前、(b)は空気導入後である。なお本実施形態の笛1−8は便宜上、上述した実施形態の笛と異なる箇所のみ詳細に説明する。また笛1−8は便宜上、図14Aにおける紙面上方を上側として説明する。
【0088】
本実施形態の笛1−8も上記実施形態と同様に、図14A(a)に示す如く、吹き口10aを被覆する防塵カバー部18を備えている。本実施形態の防塵カバー部18は薄いフィルム状の絶縁シートで構成されており、吹き口10aが設けられた笛本体10aの端壁の撮像部20が位置する側に設けられている。
【0089】
防塵カバー部18は、図14A(b)に示す如く、吹き口10a側から見たときに、吹き口10aを被覆して矩形状に形成され、該矩形部から下方にむかって幅を狭くした矩形状の舌部を有している。またさらに図14B(c)に示す如く、矩形部の下端から略直角に延び、前記舌部が挿通する孔を有する鍔部18aが備えられている。
【0090】
上記のように形成された防塵カバー部18は、図14B(a)(b)に示す如く、笛本体10の上面及び下面と前記端壁との境界にそれぞれ設けられた挿入孔100’に、前記上面側には前記矩形部を、前記下面側には前記舌部を挿入して取り付けられる。
【0091】
また笛18の吹き口10aの下方の内面には、図14B(a)、図14C(a)に示す如く、レリーズSW12として接点部材12a及び接点部材12bとが配設されている。接点部材12bは吹き口10aの下方の内面に貼着されており、接点部材12aは吹き口10aの下端縁から笛本体10の内部空間へ向かって延びる板バネの先端に配設されている。なお接点部材12a及び接点部材12bはそれぞれ撮像部20の内部回路に図示しないリード線によって接続されている。
【0092】
そして接点部材12aと接点部材12bとの間に上述した鍔部18aを、図14B(b)に示す如く、挿入することにより、レリーズSW12をOFFにしている。また笛1−8は例えば人Pによって吹き口10aから空気が導入されると、図14C(b)に示す如く、風圧によって防塵カバー部18の下端側が笛本体10の内部空間側に移動して吹き口10aが開口する。このとき接点部材12aと接点部材12bとの間に挿入されていた鍔部18aが抜き出ることにより、接点部材12aと接点部材12bとが接触して、レリーズSW12がONになる。
【0093】
このように防塵カバー部18が、防塵とレリーズSW12をONにする機能を有することにより構造を簡素化することができる。
【0094】
次に第九の実施形態の笛1−9について説明する。図15は笛1−9の内部構造を説明するための断面図である。本実施形態の笛1−9は上述した実施形態の笛1、1−2〜8に撮像部20を駆動するための電力を発生する風力発電部(風力発電手段)16を備えたものである。なお図15では、レリーズSW12を図示していないが、上述した実施形態のレリーズSW12のいずれを使用してもよい。
【0095】
笛1−9は、図15に示す如く、笛本体10の内部空間に該笛本体10の両側面すなわち把持部10cを貫通する線を軸にして回転する風車16aを備えている。風車16aの羽はそれぞれ磁力を帯びており、吹き口10aから空気が導入されると、この空気の風圧によって回転する。一方、撮像部20の内部空間には、コイル16b、鉄心16c、電力を貯蔵するバッテリ16dが笛本体10側から順に配設されていて、これらは導線で接続されている。
【0096】
上記のように構成された風力発電部16は、前記風圧によって風車16aが回転すると、磁極が回転することによりコイル16bに起電力が誘導されてバッテリ16dへ電力を貯蔵する。そしてバッテリ16dに貯蔵された電力を撮像部20へ供給する。
【0097】
このように風力発電部16を備えていることにより、電源部16の電池が切れてしまっても、風力発電部16によって発電することができるので、撮像部20の機能を維持することができる。なお風力発電部16で発電された電力、つまりバッテリ16に貯蔵された電力は、撮像部20のLED等の発光部22に供給してもよい。
【0098】
上記実施形態の風力発電部16は上記のように構成したが、別の構造であってもよい。次に別の実施形態の風力発電部16を備えた第十の実施形態の笛1−10について説明する。図16(a)は笛1−10の内部構造を説明するための断面図、図16(b)は(a)の風力発電部16の構成図である。
【0099】
笛1−10の風力発電部16は、図16(a)に示す如く、撮影レンズ21の光軸を軸にして回転する、例えば2枚から3枚の翼を有する風車ロータ16eを備えている。そして撮像部20内部には、図16(b)に示す如く、発電機、コンバータ、インバータ及び電力を貯蔵するバッテリを有する電力部16fが備えられている。
【0100】
上記のように構成された風力発電部16は、吹き口10aから空気が導入されると、前記翼が空気の風圧を受けることにより風車ロータ16eが回転して、風力エネルギから変換された機械的動力を発電機に伝達して電気エネルギを発生させる。そして発生した電気は、コンバータやインバータにより直流、交流が交換されてバッテリに貯蔵される。このように本実施形態の風力発電部16は構成されている。
【0101】
次に第十一の実施形態の笛1−11について説明する。図17は笛1−11の斜視図、図18(a)は図17の笛1−11の側面断面図、図18(b)は(a)のA−A線断面図、図18(c)は(a)のB部拡大図である。
【0102】
笛1−11は、上述した実施形態の笛1、1−2〜10とは笛本体10に対する撮影部20の配置が異なるものであり、図17に示す如く、笛本体10の吹き口10aを有する端面に対して、撮影レンズ21が略直角に位置するように笛本体10の空気吹出孔10bを有する面に配設されている。また撮影部20は、矩形状に形成されており、撮影レンズ21を挟んだ両側面に、電源SW15が設けられている。
【0103】
そして笛本体10は、図18(a)に示す如く、撮像部20が配設された位置の内部空間が狭く形成され、図18(b)に示す如く、狭く形成された前記空間にはドーナツ状のチューブ10eが配設されている。なおチューブ10eのドーナツ孔は変形可能とする。
【0104】
またチューブ10eと笛本体10の撮像部20側内面との間には、図18(c)に示す如く、上下方向に間隔をおいてそれぞれリード線により撮像部20の内部回路に接続された接点部材12aと接点部材12bとが配置されている。またこれら接点部材12a、12bとチューブ10eとの間には、例えば紙、PET(ポリエチレンテレフタラート)、樹脂バネ等の変形し易い素材で形成されたスペーサシート10fが挟装されている。さらにチューブ10eのスペーサシート10fが当接する面には、該スペーサシート10fのドーナツ孔に臨むように導電シート12cが貼着されている。
【0105】
そして上記のように構成された笛1−11は、例えば人Pによって吹き口10aから空気が導入されると、導入された空気は図18(a)の上方から下方に向かって前記内部空間を通り、狭く形成された前記空間にて風圧を増してチューブ10eのドーナツ孔に入る。するとチューブ10eは風圧により図18(c)の矢印の方向へ変形し、導電シート12cが撮像部20側へ移動して接点部材12a及び接点部材12bの両方に当接する。すると導電シート12cを介して、接点部材12aと接点部材12bとが接触してレリーズSW12がONになる。
【0106】
次に第十二の実施形態の笛1−12について説明する。図19(a)は笛1−12の側面断面図、図19(b)は(a)のC部拡大図である。笛1−12は、上記実施形態の笛1−11とはレリーズSW12の構成が異なるものである。
【0107】
笛1−12のレリーズSW12は、図19(a)(b)に示す如く、撮像部20の笛本体10の内部空間に臨む壁面に接点部材12aが貼着されている。また撮像部20の前記壁面上端部に、笛本体10の撮像部20側内壁から延び、導電性を有する板バネ13’が設けられていて、この板バネ13’の下方の接点部材12a側の面には、該接点部材12aと対応する位置に接点部材12bが貼着されている。なお吹き口10aから空気が導入されていない通常時には、板バネ13’は接点部材12bが接点部材12aに当接しない位置にて形状が保持されている。
【0108】
そして上記のように構成された笛1−12は、例えば人Pによって吹き口10aから空気が導入されると、導入された空気は図19(a)の上方から下方に向かって前記内部空間を通り、狭く形成された前記空間にて風圧を増して、板バネ13’の先端側を撮像部20側へ移動させる。
【0109】
これにより接点部材12bが接点部材12bに当接してレリーズSW12がONになる。なおこのとき板バネ13’及び接点部材aは例えばリード線等によって撮像部20の内部回路と接続している。
【0110】
次に第十三の実施形態の笛1−13について説明する。図20は笛1−13の側面断面図である。笛1−13は、上記実施形態の笛1−11又は笛1−12に防塵カバー部18’を備えたものである。
【0111】
防塵カバー部18’は、図20に示す如く、吹き口10aを被覆する吹き口カバー部18’−1と空気吹出孔10bを被覆する吹出孔カバー部18’−2とを備えている。吹き口カバー部18’−1は、一端が吹き口10aに挿入して該開口を閉塞し、他端の外周面が笛本体10の内面と接触することにより摩擦力によって吹き口10aを閉塞する位置を保持している。このとき前記摩擦力は、吹き口10aから導入される空気の風圧によって吹き口カバー部18’−1が外れる強さとする。
【0112】
また吹出孔カバー部18’−2は、空気吹出孔10bを下方から被冠するように構成され、上記と同じく前記風圧によって外れるように貼着されている。
【0113】
このように防塵カバー部18’を設けることにより、笛1−13の内部空間へのゴミや埃等の流入を防止して防塵することができる。なお笛1−13は、周囲に緊急状態を知らせる必要は、頻繁に起こりえないと仮定して、上記防塵カバー部18’が外れたものは破棄する使い捨ての笛としてもよい。
【0114】
次に第十四の実施形態の笛1−14について説明する。図21(a)は笛1−14の側面断面図、図16(b)は空気導入時の笛1−14の主要部拡大図である。笛1−14は、上記実施形態の笛1−11及び笛1−12とはレリーズSW12の構成が異なるものである。
【0115】
笛1−14は、図21(a)、(b)に示す如く、笛本体10の撮像部20側の外面に配設された接点部材12aと接点部材12bとの間に挿入する栓部10gを備えている。栓部10gは、一端が笛本体10の前記外面とは内部空間を挟んで反対側の下端にヒンジ構造を有し、他端が前記内部空間側に突出するL字状に形成されていて、該L字部が点部材12aと接点部材12bとの間に挿入する。
【0116】
そして上記のように構成された笛1−14は、例えば人Pによって吹き口10aから空気が導入されると、導入された空気は図21(a)の上方から下方に向かって前記内部空間を通り、狭く形成された前記空間にて風圧を増して栓部10gに当接することにより、図21(b)に示す如く、栓部10gが下方に外れる。これにより前記L字部が点部材12aと接点部材12bとの間から抜き出ることにより、接点部材12aと接点部材12bとが接触して、レリーズSW12がONになる。
【0117】
従来のように音のみで報知する報知具では、第三者からかなり近い場所や見える場所で使用しないと、周囲の建物や木々、丘等に反響したり妨害されたりして、音が消されてしまったり、第三者に音が届いても、音の発生している位置を特定するのは困難であった。又、光で報知する報知具も同様に見える場所で使用しないと効果を得られず、さらに昼光下ともなれば一層わかり難い。
【0118】
一方、未成年者の誘拐等の対策として、子供のランドセルにGPS(グローバル・ポジショニング・システム)機能を付けたものがあるが、これは子供が現在いる場所を特定することはできるが、子供が危険な状況下にいるかどうかは分からない。
【0119】
しかしながら上述した撮像機能付の笛によれば、現場情報を第三者に正確に伝達することができるので、笛の使用者の位置を特定したり、危険な状況下にいるかどうかを判断することが可能となる。
【0120】
なお本発明の撮像機能付笛は上述した実施形態に限られるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】(a)は第一の実施形態の笛の全体斜視図、(b)は(a)の笛の使用時の図
【図2】(a)第二の実施形態の笛の斜視図、(b)第三の実施形態の笛の側面図
【図3】第三の実施形態の笛の内部構造を示す概略側面断面図
【図4】第四の実施形態の笛の内部構造を示す概略側面断面図
【図5】(a)は第五の実施形態の笛の斜視図、(b)は(a)の笛を人が吹いている時の説明図
【図6】第六の実施形態の笛の斜視図
【図7】電源スイッチの断面図の一例を示す図
【図8】笛の内部構成を示す機能ブロック図
【図9】外部との通信を説明する図
【図10】笛と携帯電話との接続を説明する図
【図11】笛と携帯電話との接続を説明する別の図
【図12A】第六の実施形態の笛による撮影処理のフローチャート(その1)
【図12B】第六の実施形態の笛による撮影処理のフローチャート(その2)
【図13】第七の実施形態の笛の主要部断面図
【図14A】(a)は第八の実施形態の笛の斜視図(b)は(a)の笛の吹き口の拡大図
【図14B】(a)が第八の実施形態の笛の主要部断面図、(b)が(a)の防塵カバー部の斜視図、(c)が(a)のb―b線断面図
【図14C】第八の実施形態の笛の主要部断面図
【図15】第九の実施形態の笛の内部構造を説明するための断面図
【図16】(a)は第十の実施形態の笛の内部構造を説明するための断面図、(b)は(a)の風力発電部の構成図
【図17】第十一の実施形態の笛の斜視図
【図18】(a)は第十一の実施形態の笛の側面断面図、(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は(a)の主要部Bの拡大図
【図19】(a)は第十二の実施形態の笛の側面断面図、(b)は(a)の主要部C拡大図
【図20】第十三の実施形態の笛の側面断面図
【図21】(a)は第十四の実施形態の笛の側面断面図、(b)は空気導入時の第十四の実施形態の笛の主要部拡大図
【符号の説明】
【0122】
1 笛(撮影機能付笛)
1a 通信制御部(通信手段)
10 笛本体
10a 吹き口
10c 把持部
12 レリーズスイッチ(レリーズSW;撮像制御手段)
15 電源SW(把持検出手段)
16 風力発電部(風力発電手段)
18 防塵カバー部
19 第二の防塵カバー部
20 撮像部
21 撮影レンズ
32 CPU(電源制御手段)
P 人

【特許請求の範囲】
【請求項1】
笛本体に、被写体を撮像する撮像部と、
空気を導入する吹き口と、
前記吹き口から空気が導入されたときに前記撮像部に前記被写体の撮像を行わせる撮像制御手段とを設けてなることを特徴とする撮像機能付笛。
【請求項2】
前記撮像部が、撮影レンズを有し、
前記笛本体が、該本体の一端に前記撮影レンズを備え、他端に前記吹き口を備えていることを特徴とする請求項1に記載の撮像機能付笛。
【請求項3】
前記笛本体の両側面に設けられた把持部と、
該把持部が把持されたか否かを検出する把持検出手段と、
該把持検出手段が前記把持部の前記把持を検出したときに前記撮像部を待機状態にする電源制御手段とを備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像機能付笛。
【請求項4】
前記電源制御手段が、一定時間前記待機状態を維持するものであることを特徴とする請求項3に記載の撮像機能付笛。
【請求項5】
前記把持検出手段が、前記把持部の少なくとも一方に設けられていることを特徴とする請求項3又は4に記載の撮像機能付笛。
【請求項6】
前記把持検出手段が、前記把持部の両方が同時に把持されたときのみ前記把持されたことを検出するものであることを特徴とする請求項3又は4に記載の撮像機能付笛。
【請求項7】
前記撮像部を駆動可能にする電源が設けられていることを特徴とする請求項1から6いずれか1項に記載の撮像機能付笛。
【請求項8】
前記笛本体が発する音を検出する音検出手段をさらに備え、
前記撮像制御手段が、前記音を検出したときに前記撮像を行わせることを特徴とする請求項1から7いずれか1項に記載の撮像機能付笛。
【請求項9】
前記吹き口を被覆し、該吹き口に空気が導入されたときに該吹き口を開口する防塵カバー部を備えていることを特徴とする請求項1から8いずれか1項に記載の撮像機能付笛。
【請求項10】
前記防塵カバー部が、前記吹き口を開口したときに前記撮像制御手段に前記撮像を行わせることを特徴とする請求項9に記載の撮像機能付笛。
【請求項11】
前記撮像部の作動に応答して外部機器に現場情報を送信する通信手段を備えていることを特徴とする請求項1から10いずれか1項に記載の撮像機能付笛。
【請求項12】
前記吹き口から導入された空気により前記撮像部を駆動するための電力を発生する風力発電手段を備えていることを特徴とする請求項1から11いずれか1項に記載の撮像機能付笛。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2009−104425(P2009−104425A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−275916(P2007−275916)
【出願日】平成19年10月24日(2007.10.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】