説明

撮像素子、撮像素子の駆動装置、撮像素子の駆動方法、画像処理装置、画像処理方法、プログラム、及び、撮像装置

【課題】ベイヤー配列の画素を加算してベイヤー配列とは異なる配列となった画像信号に施す画像処理として、ベイヤー配列を前提にした画像処理を流用しやすい。
【解決手段】ベイヤー配列の単位格子Aにおいて、2つの隣り合う画素同士を加算することにより、2つの単位格子AからG、Ye、Mg及びCyの各信号を加算結果として出力する。そして、これらのG、Ye、Mg及びCyを、単位格子Aが行方向及び列方向に繰り返し並んだベイヤー配列の配列関係と同様の配列関係となるように、2行2列の単位格子Bが行方向及び列方向に繰り返すように出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像素子、特に、カラーフィルタがベイヤー配列で配列された撮像素子、撮像素子の駆動装置、撮像素子の駆動方法、画像処理装置、画像処理方法、プログラム、及び、撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、HD(High Definition:高精細)動画などの高速動画記録に対応したデジタルカメラが提供されている。静止画の画像撮影の要求としては、12M(メガ)ピクセルのイメージセンサが使用されている。一方、HD動画においては、出力画素数は横ピクセル数が1920で縦ピクセル数が1080であり、出力画素数は合計で2.1Mピクセルである。したがって、同一のイメージセンサを用いて高精細静止画とHD動画とを撮影するデジタルカメラを実現するためには、動画撮影の際に、イメージセンサから出力される画素数を絞り込む構成とする必要がある。イメージセンサから出力する画素数を絞りこむ方法としては、画面の一部を切りだして出力する切り出し出力や、画素信号を間引いて出力する間引き出力、同色の複数の画素信号を混合して出力する画素混合出力が知られている(特許文献1〜3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−244995号公報
【特許文献2】特開2009−159186号公報
【特許文献3】特開2009−147489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者は、イメージセンサから出力される画素数を絞り込む構成として、ベイヤー配列の2行2列の単位格子ごとに、隣り合う画素同士を加算して出力する構成を発明した(図10(a)参照)。例えば、あるベイヤー配列の単位格子において、斜め方向に隣接するG(緑)の画素同士を加算すると共に、残りのR(赤)とB(青)の画素同士を加算する。これによって、Gの画素及びMg(マゼンタ)の画素を加算結果として出力させる。その隣りの単位格子では、垂直方向に隣接するGとBの画素同士を加算すると共に、残りのRとGの画素同士を加算する。これによって、Ye(黄)の画素及びCy(シアン)の画素を加算結果として出力させる。つまり、2つの隣り合う単位格子からG、Mg、Ye及びCyの4画素を出力させる。例えばこのような画素加算を水平方向に関して繰り返すことにより、水平方向に並んだ2つの単位格子ごとにG、Mg、Ye及びCyの4画素が順に出力される。これにより、全体の画素数が半分に絞り込まれて出力されることとなる。図10(a)の例では、加算結果を単位格子ごとに水平方向に順に出力させることにより、G、Mg、Ye、Cy、G、Mg、Ye、Cy…の順に出力させている。
【0005】
ところで、イメージセンサから出力された画像信号には種々の画像処理が施される。画像処理の具体的な方法は様々であるが、方法によっては、処理対象となる信号がベイヤー配列で配列されていることを前提とするものがある。ところが、図10(a)に示す配列で画素加算の結果を出力すると、元のベイヤー配列における2行2列の単位格子が並んだ配列が出力信号において崩れてしまっているため、ベイヤー配列を前提にした画像処理を流用できず、出力信号の配列に応じた画像処理回路を新たに構成する必要が生じるおそれがある。
【0006】
本発明の目的は、ベイヤー配列の画素を加算してベイヤー配列とは異なる配列となった画像信号に施す画像処理として、ベイヤー配列を前提にした画像処理を流用しやすい撮像素子、撮像素子の駆動装置、撮像素子の駆動方法、画像処理装置、画像処理方法、プログラム、及び、撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の撮像素子に係る発明は、R(赤)、G(緑)及びB(青)の3原色からなる2行2列の第1の単位格子が並んだベイヤー(Bayer)配列で配列された複数のカラーフィルタと、前記カラーフィルタを透過した光の強度に応じたアナログ信号を出力する前記カラーフィルタごとに設けられた光電変換素子と、前記第1の単位格子ごとに、4つの前記カラーフィルタのうち異なる色の2つの前記カラーフィルタに対応する2つの前記光電変換素子からの出力信号同士を加算すると共に、残りの2つの前記カラーフィルタに対応する2つの前記光電変換素子からの出力信号同士を加算し、それぞれの加算結果に応じたアナログ信号を出力する信号加算回路と、前記信号加算回路からの出力信号をデジタル信号に変換して出力するA/D変換部とを備え、前記信号加算回路からの出力信号に基づいて、G、Ye(黄)、Mg(マゼンタ)及びCy(シアン)が所定の配列で並んだ2行2列の第2の単位格子が行方向及び列方向に繰り返し並んだデジタル画像信号を出力する。
【0008】
請求項1に記載の撮像素子は、ベイヤー配列における第1の単位格子ごとに2つの光電変換素子からの出力信号を加算することで画素数を絞ると共に、G,Ye、Mg及びCyが所定の配列で並んだ第2の単位格子が行方向及び列方向に繰り返し並んだデジタル画像信号を出力する。したがって、このデジタル画像信号における画素の配列は、第1の単位格子が行方向及び列方向に繰り返し並んだベイヤー配列と同様に、2行2列の第2の単位格子が行方向及び列方向に繰り返し並んだ配列になる。これにより、本発明の撮像素子から出力されるデジタル画像信号に施す画像処理として、ベイヤー配列を前提にした画像処理を流用しやすい。
【0009】
また、請求項1に記載の撮像素子は、請求項2に記載の発明のように、前記信号加算回路が、前記第1の単位格子ごとに、互いに異なる第1及び第2のパターンのいずれかで前記光電変換素子からの出力信号を加算し、前記第1のパターンが、前記第1の単位格子内において、2つのGの前記カラーフィルタに対応する2つの前記光電変換素子からの出力信号を加算すると共に、RとBの前記カラーフィルタに対応する2つの前記光電変換素子からの出力信号を加算するパターンであり、前記第2のパターンが、前記第1の単位格子内において、列方向に並んだGとBの前記カラーフィルタに対応する2つの前記光電変換素子からの出力信号を加算すると共に、列方向に並んだRとGのカラーフィルタに対応する2つの前記光電変換素子からの出力信号を加算するパターンであってもよい。これによると、第1のパターンの加算結果からGの画素信号及びMgの画素信号が生成され、第2のパターンの加算結果からCyの画素信号及びYeの画素信号が生成される。したがって、これらの加算結果から生成される画素信号に基づくと、G,Ye、Mg及びCyが所定の配列で並んだ第2の単位格子が行方向及び列方向に繰り返し並んだデジタル画像信号が生成される。
【0010】
また、請求項2に記載の撮像素子は、請求項3に記載の発明のように、前記信号加算回路が、行方向及び列方向のそれぞれに関して前記第1のパターンと前記第2のパターンとを交互に繰り返して前記第1の単位格子ごとに前記光電変換素子からの出力信号を加算してもよい。これによると、第1のパターンと第2のパターンとを行方向及び列方向の夫々に関して交互に繰り返すことにより、行方向又は列方向に隣り合う2つの第1の単位格子からG,Ye、Mg及びCyの信号が加算結果として出力される。
【0011】
また、請求項1〜3のいずれかに記載の撮像素子は、請求項4に記載の発明のように、前記信号加算回路が、前記光電変換素子が発生させた電荷を転送する前記光電変換素子ごとに設けられた転送トランジスタを有し、1つの前記第1の単位格子に対応する4つの前記転送トランジスタに関して共有されたフローティングディフュージョンに対して、2つの前記転送トランジスタから同時に電荷を転送させてもよい。これによると、基本構成として、4画素で1つのフローティングディフュージョンを共有する構成であり、小型化を実現するための既存の画素構成を採用できる。加算パターンは、転送方法を変更することで様々に実現される。
【0012】
また、請求項4に記載の撮像素子は、請求項5に記載の発明のように、前記転送トランジスタに転送制御信号を送信する転送制御信号線が、前記第1の単位格子の1行ごとに8本設けられ、行方向に1つおきに隣接する複数の前記第1の単位格子同士で、前記8本の転送制御信号線のうちの4本が、各単位格子における4つの前記転送トランジスタ用として共用されていてもよい。これによると、1つおきに隣接する単位格子で共用された4本の転送制御信号線により各転送トランジスタを制御すると共に、残りの単位格子においては別の4本の転送制御信号線により各転送トランジスタを制御できる。したがって、隣接する単位格子同士では様々に異なる転送制御を実行でき、様々に異なる加算パターンが設定可能である。
【0013】
また、請求項6に記載の撮像素子の駆動装置は、R(赤)、G(緑)及びB(青)の3原色からなる2行2列の第1の単位格子が並んだベイヤー(Bayer)配列で配列された複数のカラーフィルタと、前記カラーフィルタを透過した光の強度に応じたアナログ信号を出力する前記カラーフィルタごとに設けられた光電変換素子と、前記光電変換素子からの出力信号同士を加算し、その加算結果に応じたアナログ信号を出力する信号加算回路と、前記信号加算回路からの出力信号をデジタル信号に変換して出力するA/D変換部とを備えている撮像素子を駆動する駆動装置であって、前記信号加算回路からの出力信号が、前記第1の単位格子ごとに、4つの前記カラーフィルタのうち異なる色の2つの前記カラーフィルタに対応する2つの前記光電変換素子からの出力信号同士を加算すると共に、残りの2つの前記カラーフィルタに対応する2つの前記光電変換素子からの出力信号同士を加算した結果となるように、前記信号加算回路を制御し、前記信号加算回路からの出力信号に基づいて、G、Ye(黄)、Mg(マゼンタ)及びCy(シアン)が所定の配列で並んだ2行2列の第2の単位格子が行方向及び列方向に繰り返し並んだデジタル画像信号を、前記撮像素子から出力させる。これによると、請求項1の発明と同様に撮像素子を機能させる駆動装置が実現する。
【0014】
また、請求項7の撮像素子の駆動方法は、R(赤)、G(緑)及びB(青)の3原色からなる2行2列の第1の単位格子が並んだベイヤー(Bayer)配列で配列された複数のカラーフィルタと、前記カラーフィルタを透過した光の強度に応じたアナログ信号を出力する前記カラーフィルタごとに設けられた光電変換素子と、前記光電変換素子からの出力信号同士を加算し、その加算結果に応じたアナログ信号を出力する信号加算回路と、前記信号加算回路からの出力信号をデジタル信号に変換して出力するA/D変換部とを備えている撮像素子を駆動する駆動方法であって、前記信号加算回路からの出力信号が、前記第1の単位格子ごとに、4つの前記カラーフィルタのうち異なる色の2つの前記カラーフィルタに対応する2つの前記光電変換素子からの出力信号同士を加算すると共に、残りの2つの前記カラーフィルタに対応する2つの前記光電変換素子からの出力信号同士を加算した結果となるように、前記信号加算回路を制御し、前記信号加算回路からの出力信号に基づいて、G、Ye(黄)、Mg(マゼンタ)及びCy(シアン)が所定の配列で並んだ2行2列の第2の単位格子が行方向及び列方向に繰り返し並んだデジタル画像信号を、前記撮像素子から出力させる。これによると、請求項1の発明と同様に撮像素子を機能させる駆動方法が実現する。
【0015】
また、請求項8に記載の画像処理装置は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の撮像素子と、前記撮像素子から出力されたデジタル画像信号に基づいて、G、Ye、Mg及びCyのそれぞれに関して画像調整用又は撮像光学系の駆動制御用の統計値を算出する統計値算出手段と、を備えていることを特徴とする。請求項1〜5の撮像素子から出力されるデジタル画像信号は、ベイヤー配列と同様に、G,Ye、Mg及びCyが所定の配列で並んだ第2の単位格子が行方向及び列方向に繰り返し並んでいるので、G、Ye、Mg及びCyのそれぞれに関して統計値を算出する手段として、ベイヤー配列のデジタル画像信号から統計値を算出する手段を流用することができる。
【0016】
また、請求項8に記載の画像処理装置は、請求項9に記載の発明のように、前記光電変換素子への光の入射を遮断する遮光手段が前記撮像素子に設けられており、前記統計値算出手段が、前記デジタル画像信号のうち、前記遮光手段によって光の入射が遮断された前記光電変換素子に対応する信号から、光学的黒補正用の前記統計値を算出してもよい。これによると、光学的黒補正用にG、Ye、Mg及びCyのそれぞれに関して統計値を算出する手段として、ベイヤー配列用の算出手段を流用できる。
【0017】
また、請求項8又は9に記載の画像処理装置は、請求項10に記載の発明のように、前記統計値算出手段が算出したG、Ye、Mg及びCyに関する前記統計値を線形変換してG、R及びBに関する前記統計値を算出する統計値変換手段と、前記統計値変換手段が算出した前記統計値からG、R及びBに関するホワイトバランス補正用の補正値を算出する補正値算出手段と、前記補正値算出手段が算出したG、R及びBに関する前記補正値を線形変換してG、Ye、Mg及びCyに関する前記補正値を算出する補正値変換手段とをさらに備えていてもよい。これによると、G、Ye、Mg及びCyに関する統計値を変換してG,R及びBに関する統計値を算出するので、G,R及びBに関してホワイトバランス用の補正値を算出する算出手段を流用できる。
【0018】
また、請求項8又は9の画像処理装置は、請求項10に記載の発明のように、前記統計値算出手段が算出したG、Ye、Mg及びCyに関する前記統計値を線形変換してG、R及びBに関する前記統計値を算出する統計値変換手段と、前記統計値変換手段が算出した前記統計値の線形和を取ることにより露出調整用の統計値を算出する露出用統計値算出手段とをさらに備えていてもよい。これによると、G、Ye、Mg及びCyに関する統計値を変換してG,R及びBに関する統計値を算出するので、G,R及びBに関してホワイトバランス用の補正値を算出する算出手段を流用できる。
【0019】
また、請求項12に記載の画像処理装置は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の撮像素子と、前記撮像素子から出力されたデジタル画像信号におけるG、Ye、Mg及びCyの画素値の線形和を取ることにより前記第2の単位格子のそれぞれに関して輝度値を算出する輝度値算出手段と、前記輝度値算出手段が算出した輝度値からオートフォーカス用の統計値を算出するオートフォーカス用統計値算出手段と、を備えていることを特徴とする。これによると、ベイヤー配列における第1の単位格子に対応するG、Ye、Mg及びCyからなる第2の単位格子ごとに輝度値を算出すると共に、この輝度値からオートフォーカス用の統計値を算出するので、これらを算出する手段としてベイヤー配列用の算出手段を流用できる。
【0020】
また、請求項13に記載の画像処理装置は、R(赤)、G(緑)及びB(青)の3原色からなる2行2列の第1の単位格子が並んだベイヤー(Bayer)配列で配列された複数のカラーフィルタと、前記カラーフィルタを透過した光の強度を示す画素信号を前記カラーフィルタごとに算出する画素信号算出手段と、前記第1の単位格子ごとに、4つの前記カラーフィルタのうち異なる色の2つの前記カラーフィルタに対応する2つの前記光電変換素子からの出力信号同士を加算すると共に、残りの2つの前記カラーフィルタに対応する2つの前記光電変換素子からの出力信号同士を加算し、それぞれの加算結果に応じた信号を出力する信号加算手段とを備え、前記信号加算回路からの出力信号に基づいて、G、Ye(黄)、Mg(マゼンタ)及びCy(シアン)が所定の配列で並んだ2行2列の第2の単位格子が行方向及び列方向に繰り返し並んだデジタル画像信号を生成する。
【0021】
また、請求項14に記載の画像処理方法は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の撮像素子から出力されたデジタル画像信号を処理する画像処理方法であって、前記デジタル画像信号に基づいて、G、Ye、Mg及びCyのそれぞれに関して画像調整用又は撮像光学系の駆動制御用の統計値を算出することを特徴とする。
【0022】
また、請求項15に記載の画像処理方法は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の撮像素子から出力されたデジタル画像信号を処理する画像処理方法であって、前記デジタル画像信号におけるG、Ye、Mg及びCyの画素値の線形和を取ることにより前記第2の単位格子のそれぞれに関して輝度値を算出する輝度値算出ステップと、前記輝度値算出ステップにおいて算出された輝度値からオートフォーカス用の統計値を算出するオートフォーカス用統計値算出ステップと、を備えていることを特徴とする。
【0023】
また、請求項16に記載のプログラムは、請求項1〜5のいずれか1項に記載の撮像素子から出力されたデジタル画像信号をコンピュータに処理させるプログラムであって、前記デジタル画像信号に基づいて、G、Ye、Mg及びCyのそれぞれに関して画像調整用又は撮像光学系の駆動制御用の統計値をコンピュータに算出させることを特徴とする。
【0024】
また、請求項17に記載のプログラムは、請求項1〜5のいずれか1項に記載の撮像素子から出力されたデジタル画像信号をコンピュータに処理させるプログラムであって、前記デジタル画像信号におけるG、Ye、Mg及びCyの画素値の線形和を取ることにより前記第2の単位格子のそれぞれに関して輝度値を算出する輝度値算出ステップと、
前記輝度値算出ステップにおいて算出された輝度値からオートフォーカス用の統計値を算出するオートフォーカス用統計値算出ステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0025】
また、請求項22に記載の撮像装置は、被写体像を結像させる撮像光学系と、前記撮像光学系が結像させた被写体像を光電変換して出力する請求項1〜5のいずれか1項に記載の撮像素子と、前記撮像素子から出力された出力信号に対して所定の画像処理を加え、前記被写体像を再現する画像処理手段と、を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
請求項1に記載の撮像素子、請求項6に記載の駆動装置、請求項7に記載の駆動方法及び請求項13に記載の画像処理装置によると、ベイヤー配列における第1の単位格子ごとに2つの光電変換素子からの出力信号を加算することで画素数を絞ると共に、G,Ye、Mg及びCyが所定の配列で並んだ第2の単位格子が行方向及び列方向に繰り返し並んだデジタル画像信号を出力する。したがって、このデジタル画像信号における画素の配列は、第1の単位格子が行方向及び列方向に繰り返し並んだベイヤー配列と同様に、2行2列の第2の単位格子が行方向及び列方向に繰り返し並んだ配列になる。これにより、本発明の撮像素子から出力されるデジタル画像信号に施す画像処理として、ベイヤー配列を前提にした画像処理を流用しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施の形態に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2(a)はベイヤー配列を、図2(b)は画素信号の加算パターンをそれぞれ示す模式図である。
【図3】画像処理部の構成を示すブロック図である。
【図4】図4(a)〜図4(c)は、各統計値算出部等の詳細な構成を示すブロック図であり、図4(d)はAF統計値算出部が実行する加算処理を示す模式図である。
【図5】図5(a)は本実施の形態のWB統計値算出部及び補正値算出部の詳細な構成を示すブロック図であり、図5(b)はその従来構成を示すブロック図である。
【図6】画像処理部の色補間部が実行する信号処理の各ステップを示す模式図である。図4
【図7】図2(c)に示す加算パターンの配置を実現するための具体的な回路構成図である。
【図8】図8(a)及び図8(b)は、図2(b)に示す加算パターンに従って加算された信号を単位回路から出力させるために、転送制御信号線によって単位回路に印加する制御信号を示すシーケンス図である。
【図9】撮像装置が実行する処理の全体の流れを示したフローチャートである。
【図10】図10(a)は、加算パターンの一参考例を示す模式図である。図10(b)〜図10(e)は、本実施の形態の変形例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の一実施の形態について、図面に基づいて説明する。撮像装置1は、図1に示すように、被写体像を撮像素子200に導いて結像させる撮像光学系100と、結像された被写体像を光電変換して出力する撮像素子200と、撮像素子200から出力された出力信号に対して所定の信号処理を加え、被写体像を再現する画像処理部300(画像処理手段)とによって構成されている。画像処理部300から出力される1フレームの画像に対応する画像データから静止画の画像データが生成され、画像処理部300から時間的に連続して出力される複数のフレーム画像に対応する画像データから動画データが生成される。
【0029】
撮像光学系100は、撮像対象からの光を撮像装置1内に取り込む、撮像対象のズームを行うためのレンズ等からなる前部レンズ群111、補正用レンズ112、前後方向に移動して焦点位置を調整可能なフォーカスレンズ113、撮像対象からの光を絞り込む絞り量を調整可能なアイリス(絞り)121、及び、撮像素子200へ向かう入射光を遮蔽したり遮蔽を解除したりする機械式シャッタ122を有している。フォーカスレンズ113、アイリス121及びシャッタ122は、フォーカス駆動部131、アイリス駆動部132及びシャッタ駆動部133によってそれぞれ駆動される。フォーカス駆動部131、アイリス駆動部132及びシャッタ駆動部133の動作は、画像処理部300から送信される駆動制御信号に基づいて制御される。
【0030】
撮像素子200は、受光量に応じたアナログ信号を出力する複数の光電変換素子211と、複数の光電変換素子211に関して共有されたフローティングディフュージョン(以下、「FD(Floating Diffusion)」とする)230と、光電変換素子211から出力されたアナログ信号をFD230へと転送する信号転送部221と、信号転送部221によるアナログ信号の転送を制御する転送制御部222と、FD230から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換して出力するAFE(Analog Front End)部240とを備えている。一部の光電変換素子211には、撮像光学系からの光を遮断するための遮光部材209が設けられている。これは、後述の光学的黒補正処理のため、一部の光電変換素子211には受光がなされないようにするためである。
【0031】
各光電変換素子211にはカラーフィルタが備えられている。各カラーフィルタは、R(赤)、G(緑)及びB(青)の3原色の色成分のいずれかに対応するフィルタである。これらのカラーフィルタは、R、G及びBの3原色からなる2行2列の単位格子(以下、「単位格子A」(第1の単位格子)とする)が並んだベイヤー(Bayer)配列で配列されている。撮像光学系100によって結像された被写体像からの光は、各色のカラーフィルタを透過し、単一色の光となって光電変換素子211に受光される。光電変換素子211は、各カラーフィルタを透過した単一色の光の強度に応じた量の電荷をアナログ電気信号として出力する。このように、撮像素子200は、単板式撮像素子として構成されている。一実施例では、光電変換素子211が横に4000個、縦に3000個配列されている。つまり、撮像素子200が、横4000ピクセルの画素からなり縦3000ピクセルの画素からなる、合計で12M(メガ)ピクセルの画素で構成されている。
【0032】
図2(a)は上述のベイヤー配列を表している。ベイヤー配列で配列されたカラーフィルタは、G色フィルタとR色フィルタとが行方向に交互に配置された行と、GフィルタとBフィルタとが行方向に交互に配置された行とが、列方向に交互に配置されている。このうちGフィルタは、市松模様状に配置されている。本実施の形態では、行方向にRと交互に並んだG色をGrと表し、行方向にBと交互に並んだG色をGbと表す。
【0033】
光電変換素子211から出力された電荷は、信号転送部221によってFD230に転送される。転送制御部222は、信号転送部221によってどの光電変換素子211からどのタイミングでFD230へと電荷を転送させるかを制御する。これにより、撮像素子200は、1フレームにつき全ての光電変換素子211からFD230へと電荷を転送させることも、1フレームにつき任意の一部の光電変換素子211からFD230へと電荷を転送させることも可能である。
【0034】
FD230は、光電変換素子211から転送された電荷の量に応じた大きさの電圧を出力する。FD230は、複数の光電変換素子211に関して共有されている。具体的には、2行2列のベイヤー配列の単位格子に対応する4つの光電変換素子211を一まとめにした光電変換素子群210のそれぞれに関して1つのFD230が共有されている。図1では、光電変換素子群210がそれぞれ破線で囲まれ、図2(a)では、1つの光電変換素子群210に対応する1つの単位格子Aが破線で囲まれている。FD230は、光電変換素子211から転送された電荷の量に応じた大きさの電圧信号を生成し、AFE部240へと出力する。
【0035】
AFE部240は、FD230から出力されたアナログ信号を相関二重サンプリングするCDS(Corelated Double Sampling)部241、CDS部241によって相関二重サンプリングされたアナログ信号を増幅するAGC(Automatic Gain Control)部242、AGC部243によって増幅されたアナログ信号をデジタル画像信号に変換するADC部(A/D変換部)243を有している。FD230から出力されたアナログ信号は、AFE部240によってデジタル信号に変換され、画像処理部300へと出力される。
【0036】
本実施の形態の撮像素子200は、以下のように、画素を加算することによって画素数を絞り込んで画素信号を出力できるように構成されている。画素数を絞り込む場合、転送制御部222は、同時に複数の光電変換素子211からFD230へと電荷を転送するように信号転送部221を制御する。FD230へと同時に転送された電荷は、FD230において加算される。FD230は、加算された電荷の量に応じた大きさの電圧をAFE部240へと出力する。このように、信号転送部221及びFD230は、複数の光電変換素子211からの出力信号同士を加算し、加算した結果に応じた電圧信号を出力する信号加算回路として機能する。FD230は、単位格子Aに対応する4つの光電変換素子211からなる各光電変換素子群210によって共有されており、撮像素子200は、各光電変換素子群210内で画素信号を加算できる。このような画素加算を可能とする撮像素子200の具体的な回路構成については後述する。
【0037】
各光電変換素子群210に関して画素を加算する方法、及び、加算した結果を出力する方法はさまざまである。図10(a)は、そのうちの一つを示している。図10(a)の加算方法においては、単位格子A内で互いに斜めに隣り合う画素同士を加算するパターンXと、単位格子A内で互いに列方向に隣り合う画素同士を加算するパターンVとを、行方向及び列方向のそれぞれに関して交互に繰り返す。このように、各単位格子A内で画素が加算されるため、同色の画素同士が加算されるのみならず、異色の画素同士が加算される。したがって、加算結果はRGBの組み合わせとは異なる色の組み合わせとなる。具体的には、加算パターンX(第1の加算パターン)からは、GrとGbの加算結果としてGの画素信号が、RとBの加算結果としてMg(マゼンタ)の画素信号がそれぞれ得られる。また、加算パターンV(第2の加算パターン)からは、RとGbの加算結果としてYe(黄)の画素信号が、GrとBの加算結果としてCy(シアン)の画素信号がそれぞれ得られる。
【0038】
そして、これらの加算結果の一出力例として、各単位格子Aの加算結果を行方向に並べて順に出力することにより、図10(a)に示すように、第1行目はG、Mg、Ye、Cy…の順に加算結果を並べ、第2行目はYe、Cy、G、Mg…の順に加算結果を並べ、第3行目以降はこれらの並び方を交互に繰り返して出力していくことが考えられる。しかしながら、このような出力方法を採用すると、図10(a)に示すように、格子C内における画素の並び方とその隣の格子D内における画素の並び方とが互いに異なるものとなってしまう。したがって、加算結果は、ベイヤー配列におけるRGBの色の組み合わせとは異なるG、Mg、Ye及びCyの組み合わせとなって出力されるのみならず、2行2列の単位格子Aを行方向及び列方向に繰り返すという、ベイヤー配列の規則正しい配列関係自体も崩れた配列となって出力されてしまう。撮像素子200から出力された画像信号には、後述の通り画像処理部300において種々の画像処理が施される。これらの画像処理の中には、処理対象となる信号がベイヤー配列の配列関係を有していることを前提とするものがある。したがって、ベイヤー配列の規則正しい配列関係が崩れた図10(a)の出力方法の場合、この出力方法に対応可能な画像処理回路等を新たに構成する必要が生じる。
【0039】
そこで、本発明者はベイヤー配列の配列関係と対応する配列関係で加算結果を出力するため、以下に一例を示す出力方法を発明した。図2(b)はかかる出力方法の一例である。この出力方法では、図2(b)に示すように、各単位格子Aからの2つの加算結果を行方向に並べず、列方向に並べて出力する。また、加算結果を必ずしも単位格子Aの並び順に出力していくのではなく、例えば図2(b)において上から2つ目の単位格子Aにおける加算結果は、2つの隣り合う単位格子Aごとに行方向に順序を入れ替えて出力する。このような出力方法を採用することにより、図2(b)に示すように、1行目はGとYeを交互に繰り返して出力し、2行目はMgとCyを交互に繰り返して出力し、3行目以降はこれらを列方向に交互に繰り返して出力する。これによって、撮像素子200からは、(1行目)G→Ye→G→Ye→…→(2行目)Mg→Cy→Mg→Cy→…→(3行目)G→Ye→G→Ye→…の順に画素信号が出力される。つまり、画素信号は、G、Ye、Mg及びCyが所定の順序で配列された2行2列の単位格子(以下、「単位格子B」(第2の単位格子)とする)が、行方向及び列方向のそれぞれに関して繰り返し並んだ配列で出力される。各単位格子B内では、ベイヤー配列の単位格子AにおけるGr、R、B及びGbに対応した位置にG、Ye、Mg及びCyがそれぞれ配置されている。本実施の形態ではこのように、撮像素子200から出力されるデジタル画像信号は、ベイヤー配列と同様に、単位格子Bが行方向及び列方向のそれぞれに規則正しく配列されている。このような出力信号を、以下において「ベイヤー互換配列信号」と記載する。
【0040】
次に、撮像素子200から出力されたベイヤー互換配列信号に所定の信号処理を加える画像処理部300について説明する。画像処理部300は、図3に示すように、撮像素子200からのベイヤー互換配列信号に各種補正処理を施す画像調整部310と、ベイヤー互換配列信号に基づいて統計値を算出するOB統計値算出部324、AE統計値算出部321、AF統計値算出部322及びWB統計値算出部323(統計値算出手段)と、AE統計値算出部321及びAF統計値算出部322が算出した統計値に基づいて撮像光学系100の駆動を制御するための制御指令を生成するAE制御部331及びAF制御部332と、WB統計値算出部323が算出した統計値に基づいて画像調整部310によるホワイトバランス補正処理に用いる補正値を算出する補正値算出部340と、AE制御部331及びAF制御部332からの制御指令に基づいて駆動制御信号を生成する駆動制御部350とを有している。画像処理部300は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)その他の各種のハードウェアと、ROMに格納されたプログラムその他のソフトウェアとから構成されている。このソフトウェアがハードウェアを、画像調整部310等の各機能部を実現するように機能させることにより、画像処理部300が実現されている。あるいは、各機能部における演算処理に特化した電子回路等により画像調整部310等が構成されていてもよいし、各機能部における演算処理に特化した電子回路等と、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって各機能部を実現する構成とが互いに協働するように構成されていてもよい。
【0041】
画像調整部310は、OB補正部311、シェーディング補正部312、WB補正部313、色補間部314、色補正部315及びガンマ補正部316を有している。OB補正部311は、撮像素子200から出力されたベイヤー互換配列信号に光学的黒補正処理を施す。光学的黒補正処理は、遮光部材209(遮光手段)によって光が遮断された領域にある光学変換素子211に対応する画素値に基づいて、光学変換素子211やAFE部240の持つDC誤差を検出し、有効画素領域の画素値から減算することにより、画素値のDCオフセットを補正する処理である(所謂、暗電流によって引き上げられたブラックレベルを補正する処理である)。OB補正部311は、OB統計値算出部324を有しており、OB統計値算出部311が算出した光学的黒補正値Ob_G,Ob_Ye、Ob_Mg及びOb_Cyを用いて、以下の演算により光学的黒補正処理を実行する:補正後の画素値G’=画素値G−Ob_G、補正後の画素値Ye’=画素値Ye−Ob_Ye、補正後の画素値Mg’=画素値Mg−Ob_Mg、補正後の画素値Cy’=画素値Cy−Ob_Cy。
【0042】
図4(a)は、OB統計値算出部324のより詳細な構成を示している。OB統計値算出部324は、撮像素子200からのベイヤー互換配列信号のうち、G信号、Ye信号、Mg信号及びCy信号がそれぞれ入力されるG積算部324a、Ye積算部324b、Mg積算部324c及びCy積算部324dを有している。これらの積算部に入力される信号は、遮光部材209によって光が遮断された領域にある画素に対応する信号である。G積算部324a〜Cy積算部324dは、上記領域にある画素に対応する信号を色ごとに全て加算することにより、G、Ye、Mg及びCyの積算値Ob_G,Ob_Ye、Ob_Mg及びOb_Cyを統計値として算出する。遮光部材209によって光が遮断されているにもかかわらずOb_G等がゼロでない場合、これらの値は暗電流による画素値のDCオフセットに対応する。
【0043】
シェーディング補正部312は、OB補正部311が光学的黒補正処理を施したベイヤー互換配列信号にシェーディング補正処理を施す。有効画素領域の周辺部においては明暗のばらつきが生じやすい。シェーディング補正処理はこのような明暗のばらつきを補正する処理である。シェーディング補正処理後のベイヤー互換配列信号は、シェーディング補正部312からWB補正部313へと出力されると共に、AE統計値算出部321、AF統計値算出部322及びWB統計値算出部323へも出力される。
【0044】
WB補正部313は、シェーディング補正部312からのベイヤー互換配列信号にホワイトバランス補正処理を施す。ホワイトバランス補正処理は、無彩色の被写体を撮像した際、その画素値が正しくR=G=Bとなるように、信号全体におけるRGBレベルのバランスを補正する処理である。具体的には、WB補正部313は、補正値算出部340から出力されたホワイトバランスゲイン係数Wb_G、Wb_Ye、Wb_Mg及びWb_Cyを用いて、以下の演算によりホワイトバランス補正処理を実行する:補正後の画素値G’=Wb_G*画素値G、補正後の画素値Ye’=Wb_Ye*画素値Ye、補正後の画素値Ye’=Wb_Ye*画素値Ye、補正後の画素値Mg’=Wb_Mg*画素値Mg、補正後の画素値Cy’=Wb_Cy*画素値Cy。
【0045】
図5(a)は、WB統計値算出部323及び補正値算出部340のより詳細な構成を示している。WB統計値算出部323は、シェーディング補正部312からのベイヤー互換配列信号のうち、G信号、Ye信号、Mg信号及びCy信号がそれぞれ入力されるG積算部323a、Ye積算部323b、Mg積算部323c及びCy積算部323dを有している。これらの積算部に入力される信号は、有効画素領域のうち、所定の範囲内の画素に対応する信号である。かかる所定の範囲は、画像の内容に関わらずあらかじめ設定された固定の範囲であってもよいし、ホワイトバランス補正のために適切な範囲が適宜設定されるようになっていてもよい。G積算部323a〜Cy積算部323dは、上記所定の範囲内の画素に対応する各色の信号を全て加算することにより、G、Ye、Mg及びCyのそれぞれに関する積算値を統計値として算出する。以下、これらの積算値をΣG,ΣYe,ΣMg及びΣCyと表す。
【0046】
補正値算出部340は、統計値変換部341(統計値変換手段)、WBゲイン算出部342(補正値算出手段)及びゲイン変換部343(補正値変換手段)を有している。統計値変換部341は、G積算部323a〜Cy積算部323dが算出したΣG,ΣYe,ΣMg及びΣCyを、下記の数式1に従ってR,G及びBに関する積算値(以下、ΣR,ΣG及びΣBと表す)に変換する。
【0047】
【数1】

【0048】
数式1は以下のように導出される。一般に、ホワイトバランス補正処理では、Gr,R、B及びGbの各積算値(以下、ΣGr,ΣR,ΣB及びΣGbと表す)を求めることによってホワイトバランスゲインが算出される。したがって、G積算部323a〜Cy積算部323dが算出したΣG,ΣYe,ΣMg及びΣCyをΣGr,ΣR,ΣB及びΣGbに変換する必要がある。撮像素子200における画素加算には、G=(Gb+Gr)/2、Ye=(R+Gb)/2、Cy=(B+Gr)/2及びMg=(B+R)/2の関係がある。これにより、下記の数式2の関係が成り立つ。
【0049】
【数2】

【0050】
しかし、この数式2の変換行列は逆行列を持たない。そこで、Gr=Gbが近似的に成立することを利用して、Gr=Gb=Gと置くと、下記の数式3を得る。この数式3の変換行列の擬似逆行列を求めることで、数式1が得られる。なお、Gr画素とGb画素の光電変化特性(分光特性)が互いに異なる場合にはGr=Gbとの近時的な取り扱いができないおそれがある。このような特性の違いは、主に、撮像素子200内の画素構成、回路構成における非対称性に起因して発生したり、Gr画素信号とGb画素信号とを異なるFDやCDS、ADCでデジタル変換する場合において、それぞれの回路のオフセットやゲイン等の特性の違いに起因して発生したりする。しかしながら、本実施形態の撮像素子200では、2行2列のベイヤー配列の単位格子Aを基本単位に回路を構成するため撮像素子200内の画素構成を対称に設計しやすいことや、同じ単位格子A内のGr画素信号とGb画素信号を共通のFD230、CDS部241及びADC部243へと出力することから、GrとGbの特性をマッチングさせやすいため、Gr=Gbとの近似的な取り扱いが可能となっている。さらに、画像に非常に高い周波数成分が含まれる場合にもGr=Gbとの近時的な取り扱いができないおそれがあるが、統計値として積算値を算出する場合は、仮に画像の一部に高周波成分が存在して局所的にGb=Grの関係が崩れたとしても、全体としては平均化されるため、Gr=Gbとの近時的な取り扱いに問題は生じにくい。
【0051】
【数3】

【0052】
WBゲイン算出部342は、統計値変換部341が変換した統計値ΣR,ΣG及びΣBに基づいて、RGBに関するホワイトバランスゲインWb_R、Wb_G、Wb_Bを算出する。一例として、WBゲイン算出部342は、ΣR、ΣG及びΣBをXYZ表色系に変換し、さらにxy色度座標系上のxy座標を求める。WBゲイン算出部342は、あらかじめxy色度座標系上における光源範囲を示すデータを格納しており、このデータと上記のようにΣR、ΣG及びΣBから求めたxy座標とを照合して、光源を推定する。また、WBゲイン算出部342は、あらかじめ光源とホワイトバランスゲイン係数Wb_R、Wb_G、Wb_Bとを対応させたテーブルを格納しており、上記の推定結果に対応するホワイトバランスゲイン係数をテーブルから取得する。
【0053】
さらに、ゲイン変換部343は、WBゲイン算出部342が算出したホワイトバランスゲイン係数Wb_R、Wb_G、Wb_Bを、数式3の変換行列を用いて、G,Ye,Mg及びCyに関するホワイトバランスゲイン係数Wb_G、Wb_Ye、Wb_Mg及びWb_Cyに変換する。具体的な演算方法は以下の数式4のとおりである。
【0054】
【数4】

【0055】
色補間部314は、WB補正部313からのベイヤー互換配列信号を、画素ごとにR,G及びBが全て決定された信号へと変換する。図6は、色補間部314が実行する信号処理を示す模式図である。まず、色補間部314は、ステップS1に示すように、各単位格子B内で列方向に隣り合った2つの画素信号同士(破線で囲まれた信号同士)を加算して輝度信号Yを生成すると共に、各単位格子B内で列方向に隣り合った2つの画素信号同士(破線で囲まれた信号同士)を減算して色差信号C1、C2を生成する。C1はGとMgの減算から取得されたものを表し、C2はYeとCyの減算から取得されたものを表す。具体的には、色補間部314は、Y=(G+Mg)/2、Y=(Ye+Cy)/2、C1=(G−Mg)/2及びC2=(Ye−Cy)/2で表される演算処理を実行する。ここで、色補間部314は、輝度信号Yを出力する際、偶数行目におけるGとMgの加算結果とYeとCyの加算結果とを入れ替えて出力する。偶数行目の画素信号は、撮像素子200において加算結果を入れ替えて出力されたものであるため、色補間部314が偶数行目における加算結果を再び入れ替えて出力することにより、輝度信号Yは元の画素の並び方に戻る。また、色補間部314は、偶数行目におけるGとMgの減算結果とYeとCyの減算結果とを行方向に入れ替えることにより、ステップS1に示すように、色差信号C1及びC2が互いに行方向及び列方向の両方に関して交互に並ぶように配列する。これにより色差信号C1及びC2は、輝度信号Yと同様に、元の画素の並び方に戻る。
【0056】
次に、色補間部314は、ステップS21に示すように、ステップS1において生成されるC1及びC2の両方を含む色差信号からC1とC2を分離し、足りない画素を”0”として色差信号C1と色差信号C2とをそれぞれアップサンプリングする。そして、色補間部314は、ステップS22に示すように、アップサンプリングされた色差信号C1と色差信号C2にそれぞれローパスフィルタを掛けて画素を補間する。このように、画素の補間にローパスフィルタが用いられるので、補間された色差信号に偽色が発生しにくい。
【0057】
ステップS1及びステップS2により、全てのサンプリング位置に関して輝度信号Yと色差信号C1及びC2とが取得される。次に、色補間部314は、ステップS3に示すように、ステップS1及びステップS2で取得された輝度信号Yと色差信号C1及びC2とに、3行3列の行列演算を施すことにより、各画素に関してR,G及びBの各色の画素信号を算出する。この3行3列の行列演算は、R=Y−C1+2*C2、G=Y+C1、及び、B=Y−C1−2*C2で表される。
【0058】
色補正部315は、色再現マトリクスを用いて色補間部314からのRGB信号を線形変換し、所定の信号レベルに補正する。ガンマ補正部316は、あらかじめ格納された適正露出量に基づいて色補正部315からのRGB信号に階調変換を施すと共に、画像が出力されるディスプレイ等の色表示特性に応じたガンマ変換を施す。ベイヤー互換配列信号は、所定の階調、例えば、2=256階調を持たないデータからなる信号であるので、かかる階調を有する信号にするためにガンマ補正部316によって階調変換が施される。画像処理部300は、ガンマ補正部316からの出力信号を、RGB信号から輝度信号Y及び色差信号Cb、Crからなる信号へと変換して出力する。
【0059】
以上のように、本実施の形態では、まず撮像素子200がR、G及びBの各色からなるベイヤー配列の画像からベイヤー互換配列信号を生成する。このとき、図2(b)に示すように、ベイヤー配列の画像が横方向に1/2となる。そして、色補間部314がベイヤー互換配列信号から、各画素についてR,G及びBの各色が決定された画像データを生成する。このとき、図6に示すように、ベイヤー互換配列信号の画像が縦方向に1/2の大きさになる。したがって、横1920ピクセルで縦1080ピクセルであるHD動画用の画像データを生成する場合には、まず、撮像素子200が、横4000ピクセルで縦3000ピクセルのRGBベイヤー配列のうち、横3840ピクセルで縦2160ピクセルの画像から横1920ピクセルで縦2160ピクセルのベイヤー互換配列信号を生成する。次に、色補間部314が、ベイヤー互換配列信号から、横1920ピクセルで縦1080ピクセルのHD動画用の画像データを生成する。
【0060】
次に、画像処理部300における露出調整及びオートフォーカス制御について説明する。AE制御部331及びAF制御部332は、AE統計値算出部321(露出用統計値算出手段)とAF統計値算出部322とが算出する統計値に応じて露出調整及びオートフォーカス制御を実行する。
【0061】
図4(b)は、AE統計値算出部321及びAE制御部331のより詳細な構成を示している。AE統計値算出部321は、シェーディング補正部312からのベイヤー互換配列信号のうち、G信号、Ye信号、Mg信号及びCy信号がそれぞれ入力されるG積算部321a、Ye積算部321b、Mg積算部321c及びCy積算部321dを有している。これらの積算部に入力される信号は、有効画素領域のうち、所定の範囲内の画素に対応する信号である。かかる所定の範囲は、画像の内容に関わらずあらかじめ設定された固定の範囲であってもよいし、露出調整のために適切な範囲が適宜設定されるようになっていてもよい。G積算部321a〜Cy積算部321dは、上記所定の範囲内の画素に対応する信号を色ごとに全て加算することにより、G、Ye、Mg及びCyの積算値を統計値として算出する。以下、これらの積算値をΣG,ΣYe,ΣMg及びΣCyと表す。
【0062】
AE制御部331は、統計値変換部331a(統計値変換手段)と輝度積算部331bとを有している。統計値変換部331aは、AE統計値算出部321が算出したΣG,ΣYe,ΣMg及びΣCyを、上記の数式1に従ってR,G及びBに関する積算値(以下、ΣR,ΣG及びΣBと表す)に変換する。輝度積算部331bは、統計値変換部331aが算出したΣR,ΣG及びΣBに重みkR、kG及びkBを掛けて足し合わせることにより、輝度積算値ΣY=kR*ΣR+kG*ΣG+kB*ΣBを算出する。
【0063】
そして、AE制御部331は、ΣYに基づいて、露出調整用の調整値を算出する。以下、ΣYに基づいて露出調整を行う方法の一例を説明する。まず、AE制御部331は、駆動制御部350へと制御指令を送り、ΣYが所定の基準値Y0となるように、アイリス121の絞り量及びシャッタ122のシャッタ速度等を所定の状態に設定する。この状態のときのアイリス121の絞り量をI0、シャッタ速度をV0とする。
【0064】
次に、AE制御部331は、アイリス121の絞り量をI0とは異なるI1にした際に、算出されるΣYが基準値Y0となるようなシャッタ122のシャッタ速度の理論値V1を算出する。そして、AE制御部331は、アイリス121の絞り量がI0となりシャッタ122のシャッタ速度がV1となるように駆動制御部350へと制御指令を送る。このとき、AGC部242における利得などの露出量を変動させるその他の部分における状態は固定される。なお、AGC部242の利得等を含めて、ΣYがY0となるような理論値が算出されてもよい。AE制御部331は、この状態のときに実際に算出したΣY1がΣY0とずれている場合、そのずれた量に対応する絞り量を誤差とし、この誤差を相殺するような値を調整値として算出する。そして、AE制御部331は、この調整値に基づき、アイリス121を駆動して露出を調整するための制御指令を駆動制御部350へと出力する。
【0065】
図4(c)は、AF統計値算出部322のより詳細な構成を示している。AF統計値算出部322は、輝度算出部322a(輝度値算出手段)、HPF部322b及び輝度積算部322c(オートフォーカス用統計値算出手段)を有している。AF統計値算出部322に入力される信号は、有効画素領域のうち、所定の範囲内の画素に対応する信号である。かかる所定の範囲は、画像の内容に関わらずあらかじめ設定された固定の範囲であってもよいし、オートフォーカス制御のために適切な範囲が適宜設定されるようになっていてもよい。図4(d)は、AF統計値算出部322が実行する演算処理を示す模式図である。輝度算出部322aは、図4(d)のステップA1に示すように、ベイヤー互換配列信号における単位格子Bごとに輝度信号Yを以下のように算出する:Y=kG*G画素値+kYe*Ye画素値+kMg*Mg画素値+kCy*Cy画素値。ここで、kG、kYe、kMg及びkCyは、数式1の変換行列を用いて、以下の通り、kG、kR及びkBから求められる。
【0066】
【数5】

【0067】
次に、HPF部322bが、図4(d)のステップA2に示すように、輝度算出部322aが単位格子Bごとに求めた輝度値Yに高周波通過フィルタを掛け、さらにその絶対値を算出する。そして、輝度積算部322cが、図4(d)のステップA3に示すように、輝度算出部322aの算出結果を全て積算する。以下、この積算結果をΣ|HPF(Y)|とする。AF制御部332は、AF統計値算出部322が算出したΣ|HPF(Y)|を、被写体像のコントラストの高低を評価する焦点評価値として使用する。AF制御部332は、駆動制御部350へと制御指令を送ってフォーカスレンズ113を移動させつつ、焦点評価値がピークとなるフォーカスレンズ113の位置を導出する。そして、AF制御部332は、このような位置にフォーカスレンズ113を配置するように指示する制御指令を駆動制御部350へと出力する。
【0068】
次に、ベイヤー互換配列信号を出力可能な撮像素子200の具体的な回路構成とその回路の駆動方法について説明する。図7は、図2(c)に示す加算パターンの配置を実現するための具体的な回路構成図である。図7は、単位格子Aに対応する単位回路40が行方向に3つ、列方向に2つ並んだ回路を表している。実際の回路構成は、図7に示す単位回路40及びその周辺の回路構成が撮像素子200の画素の総数に相当する数だけ行方向及び列方向に並んだものとなる。
【0069】
図7において、Gr11〜Gr35はGrのカラーフィルタの下に配置されたフォトダイオードを、R12〜R36はRのカラーフィルタの下に配置されたフォトダイオードを、B21〜B45はBのカラーフィルタの下に配置されたフォトダイオードであり、Gb22〜Gb46はGbのカラーフィルタの下に配置されたフォトダイオードである。FD11〜FD35はフローティングディフュージョンであり、MT11〜MT46は、各フォトダイオードからFD11〜FD35のいずれかへと電荷を転送する転送トランジスタである。
【0070】
MA11〜MA35は、FDからの出力信号を増幅する増幅トランジスタを表している。MR11〜MR35はフォトトランジスタにおいて光電変換電荷をリセットするリセットトランジスタである。MS11〜MS35は画素信号を出力させる単位回路40を選択する列選択トランジスタである。L1〜L7は、各単位回路40から画素信号が出力される垂直出力線を表し、Vddは単位回路40に供給される電圧である。Tx11〜Tx44は、転送トランジスタへと転送制御信号を送信する転送制御信号線であり、Rst1及びRst3はリセットトランジスタへとリセット制御信号を送信するリセット制御信号線であり、Sel1及びSel3は、列選択トランジスタへと列選択制御信号を送信する列選択制御信号線である。
【0071】
各単位回路40は、1つの光電変換素子群210に対応する4つのフォトダイオードと、1つの信号転送部221に対応する4つの転送トランジスタとを含んでいる。また、各単位回路40は、FD、増幅トランジスタ、リセットトランジスタ及び列選択トランジスタのそれぞれを1つずつ含んでいる。一例として、図7において最も左上に配置された単位回路40(以下、「単位回路40a」とする)は、フォトダイオードGr11、R12、B21及びGb22と、転送トランジスタMT11、MT12、MT21及びMT22と、FD11と、増幅トランジスタMA11と、リセットトランジスタMR11と、列選択トランジスタMS11とから構成されている。また、別の一例として、その右隣の単位回路40(以下、「単位回路40b」とする)は、フォトダイオードGr13、R14、B23及びGb24と、転送トランジスタMT13、MT14、MT23及びMT24と、FD13と、増幅トランジスタMA13と、リセットトランジスタMR13と、列選択トランジスタMS13とから構成されている。
【0072】
各単位回路40内の構成はいずれも同様である。例えば、単位回路40aでは、フォトダイオードGr11のアノードは接地され、カソードは転送トランジスタMT11を介してFD11に接続されている。これと同様に、フォトダイオードR12、B21及びGb22のアノードはそれぞれ接地され、カソードは転送トランジスタMT12、MT21及びMT22にそれぞれ接続されている。転送トランジスタMT11のゲートは、転送制御信号線Tx11に接続されている。これと同様に、転送トランジスタMT12、MT21及びMT22のゲートは転送制御信号線Tx12、Tx21及びTx22にそれぞれ接続されている。
【0073】
FD11は、増幅トランジスタMA11のゲートに接続されている。増幅トランジスタMA11のドレイン・ゲート間にはリセットトランジスタMR11が接続され、増幅トランジスタMA11のソースは、列選択トランジスタMS11を介して、垂直出力線L1に接続されている。リセットトランジスタMR11のゲートは、リセット制御信号線Rst1に接続され、列選択トランジスタMS11のゲートは、列選択制御信号線Sellに接続されている。増幅トランジスタMA11のドレインには電圧Vddが供給されている。
【0074】
転送制御信号線は、行方向に並んだ単位回路40の1行につき、8本ずつ設けられている。8本のうち、4本の転送制御信号線が、行方向に1つおきに並んだ単位回路40同士で共用されている。例えば、単位回路40aを含む行では、転送制御信号線Tx11〜Tx22の8本が、各単位回路40に共用されている。そして、これら8本のうち、転送制御信号線Tx11は、単位回路40aの転送トランジスタMT11に接続されていると共に、単位回路40aとの間に単位回路40bを挟んで右側に配置された単位回路40(以下、「単位回路40c」とする)の転送トランジスタMT15に接続されている。同様に、転送制御信号線Tx12、Tx21及びTx22は、単位回路40aの転送トランジスタMT12、MT21及びMT22にそれぞれ接続されていると共に、単位回路40cの転送トランジスタMT16、MT25及びMT26にそれぞれ接続されている。このように、転送制御信号線Tx11〜Tx22の8本のうち、転送制御信号線Tx11、Tx12、Tx21及びTx22の4本は、行方向に1つおきに隣接した単位回路40同士の間で、各単位回路40に含まれる4つの転送トランジスタへの転送制御信号線として共用されている。
【0075】
また、単位回路40aの右隣の単位回路40bでは、8本のうちの残りの4本である転送制御信号線Tx13、Tx14、Tx23及びTx24が転送トランジスタMT13、MT14、MT23及びMT24にそれぞれ接続されている。この転送制御信号線Tx13、Tx14、Tx23及びTx24は、単位回路40bとの間に単位回路40cを挟んで右側に配置された単位回路40(不図示)の4つの転送トランジスタにもそれぞれ接続されている。このように、転送制御信号線Tx13、Tx14、Tx23及びTx24の4本も、行方向に1つおきに隣接した単位回路40同士の間で、各単位回路40に含まれる4つの転送トランジスタへの転送制御信号線として共用されている。
【0076】
リセット制御信号線は、行方向に並んだ単位回路40の1行につき、1本ずつ設けられており、1行の単位回路40に含まれる各リセットトランジスタに接続されている。例えば、リセット制御信号線Rst1は、単位回路40aのリセットトランジスタMR11と単位回路40bのリセットトランジスタMR13と単位回路40cのリセットトランジスタMR15とに接続されている。また、列選択制御信号線も、行方向に並んだ単位回路40の1行につき、1本ずつ設けられており、1行の単位回路40に含まれる各列選択トランジスタに接続されている。例えば、列選択制御信号線Sel1は、単位回路40aの列選択トランジスタMS11と単位回路40bの列選択トランジスタMS13と単位回路40cの列選択トランジスタMS15とに接続されている。
【0077】
また、本実施の形態の回路構成では、単位回路40からの出力順を行方向に入れ替えるために、出力切り替え部41が、2本の垂直出力線ごとに設けられている。具体的には、垂直出力線L1及びL3の出力先は1つの出力切り替え部41に接続されている。出力切り替え部41には出力線L1’及びL3’が接続されている。出力切り替え部41は、出力線L1からの入力を出力線L3’へと出力すると共に出力線L3からの入力を出力線L1’へと出力する出力順入れ替えモードと、出力線L1からの入力を出力線L1’へと出力すると共に出力線L3からの入力を出力線L3’へと出力する非出力順入れ替えモードとを選択的に取ることができる。このような出力切り替え部41が、出力線L5及びL7、出力線L9及びL11、出力線L13及びL15…と、2本の出力線ごとに設けられている。出力線L1’、L3’、L5’…へと出力された信号は、AFE部240へと入力される。
【0078】
以上のような回路構成において、図2(b)に示す加算パターンに従って画素信号を加算させる駆動方法について説明する。図8(a)及び図8(b)は、加算パターンX及びVに従って加算された信号を各単位回路40から出力させるために、転送制御信号線Tx11〜Tx44によって転送トランジスタに印加させる転送制御信号を示すシーケンス図である。図8(a)が加算パターンXに、図8(b)が加算パターンVにそれぞれ対応する。
【0079】
加算パターンXについて単位回路40aを例に挙げて説明する。まず、出力切り替え部41は、非出力順入れ替えモードに設定される。そして、図8(a)に示すように、時刻t21において、リセット制御信号線Rst1にHレベルを印加すると同時に、転送制御信号線Tx11と転送制御信号線Tx22にHレベルを印加して、フォトダイオードG11とフォトダイオードG22に蓄積された光電変換電荷のリセットを行う。この操作は電子シャッタ動作に相当する。リセット制御信号線Rst1がHレベルになると、リセットトランジスタMR11がオンとなり、FD11が電圧Vddに充電される。また、転送制御信号線Tx11及びTx22がHレベルになると、転送トランジスタMT11及びMT22がオンとなり、フォトダイオードGr11及びGb22のカソード側に電圧Vddが印加され、フォトダイオードG11及びG22に蓄積された光電変換電荷がリセットされる。リセット制御信号線Rst1と転送制御信号線Tx11と転送制御信号線Tx22に印加されたHレベルがLレベルに変化すると、これらの制御信号線がオフとなり、フォトダイオードGr11及びGb22が、受光量に応じて電荷蓄積を開始する。
【0080】
次に、時刻t22において、リセット制御信号線Rst1にHレベルを印加すると同時に転送制御信号線Tx12と転送制御信号線Tx21にHレベルを印加して、フォトダイオードR12とフォトダイオードB21に蓄積された光電変換電荷のリセットを行う。つまり、フォトダイオードR12及びB12のカソード側に電圧Vddが印加され、これらのフォトダイオードに蓄積された光電変換電荷がリセットされる。リセット制御信号線Rst1と転送制御信号線Tx12と転送制御信号線Tx21に印加されたHレベルがLレベルに変化すると、リセットトランジスタMR11と転送トランジスタMT12と転送トランジスタMT21がオフとなり、フォトダイオードR12及びB21が、受光量に応じて電荷蓄積を開始する。
【0081】
次に、時刻t23において、フォトダイオードGr11及びGb22について画素信号の読出動作を開始するため、列選択制御信号線Sel1にHレベルを印加する。これにより、列選択トランジスタMS11がオンとなり、増幅トランジスタMA11のソースが垂直出力線L1に接続される。また、リセット制御信号線Rst1にHレベルを印加する。これにより、リセットトランジスタMR11がオンとなり、FD11が電圧Vddに充電されて、FD11の充電電圧が初期化される。FD11の初期化電圧は、増幅トランジスタMA11によって増幅され、列選択トランジスタMS11を介して、垂直出力線L1に出力される。垂直出力線L1に出力されたFD11の初期化電圧は、出力切り替え部41及び出力線L1’を介し、CDS部241に出力される。そして、CDS部241によって、基準レベルとしてクランプされる。
【0082】
次に、リセットトランジスタMR11をオフにした後、時刻t24において、転送制御信号線Tx11と転送制御信号線Tx22にHレベルを印加する。これにより、転送トランジスタMT11と転送トランジスタMT22がオンとなり、フォトダイオードGr11及びGb22の両方の光電変換電荷に応じてFD11の電圧が変化する。すなわち、Gr画素とGb画素に応じたフォトダイオードGr11とフォトダイオードGb22の光電変換電荷は、FD11で加算される。なお、電荷蓄積が開始される時刻t21からFD230への電荷が転送される時刻t24までが露光時間に相当する。FD11で加算された電圧は増幅トランジスタMA11で増幅され、列選択トランジスタMS11を介して、垂直出力線L1に出力される。垂直出力線L1に出力されたFD11の電圧は、出力切り替え部41及び出力線L1’を介し、CDS部241に出力される。出力された電圧は、CDS部241によってサンプリングされ、先にサンプリングされた基準レベルとの差分がCDS部241から出力される。
【0083】
次に、時刻t25において、フォトダイオードR12と、フォトダイオードB21について画素信号の読出動作を開始するため、リセット制御信号線Rst1にHレベルを印加する。これにより、リセットトランジスタMR11がオンとなり、FD11が電圧Vddに充電され、FD11の電圧が初期化される。垂直出力線L1に出力されたFD11の初期化電圧は、出力切り替え部41及び出力線L1’を介し、CDS部241に出力される。出力された電圧はCDS部241によって、基準レベルとしてクランプされる。
【0084】
次に、リセットトランジスタMR11をオフにした後、時刻t26において、転送制御信号線Tx12と転送制御信号線Tx21にHレベルを印加する。これにより、転送トランジスタMT12と転送トランジスタMT21がオンとなり、フォトダイオードR12及びB21の両方の光電変換電荷に応じてFD11の電圧が変化する。すなわち、R画素とB画素に応じたフォトダイオードR12とフォトダイオードB21の光電変換電荷は、FD11で加算される。ここで、時刻t22〜t26の時間が露光時間に対応する。FD11で加算された電圧は増幅トランジスタMA11で増幅され、列選択トランジスタMS11を介して垂直出力線L1に出力される。垂直出力線L1に出力されたFD11の電圧は、出力切り替え部41及び出力線L1’を介し、CDS部241に出力される。出力された電圧は、CDS部241によってサンプリングされ、先にサンプリングされた基準レベルとの差分がCDS部241から出力される。
【0085】
以上のように単位回路40aにおいて、加算パターンXに従って画素信号が加算され、AFE部240へと出力される。AFE部240には、GrとGbの加算結果Gが1行目として先に出力され、RとBの加算結果Mgが2行目として次に出力される。ここで、図7の回路構成において、転送制御信号線Tx11、Tx12、Tx21及びTx22は、行方向に1つおきに隣接した単位回路40同士の間で、各単位回路40に含まれる4つの転送トランジスタへの転送制御信号線として共用されている。したがって、単位回路40aに関して加算パターンXに従った画素信号の加算処理がなされると、単位回路40aから1つおきに行方向に隣接する各単位回路40においても同様に、加算パターンXに従った加算処理がなされる。
【0086】
加算パターンVについて単位回路40bを例に挙げて説明する。なお、単位回路40bにおける作用は単位回路40aにおける上記の作用と同様であるため、単位回路40bにおける作用の詳細については適宜説明を省略する。まず、出力切り替え部41は、非出力順入れ替えモードに設定される。そして、図8(b)に示すように、時刻t41において、リセット制御信号線Rst1、転送制御信号線Tx14及び転送制御信号線Tx24にそれぞれ同時にHレベルを印加する。これによって、FD13が電圧Vddに充電されると共に、フォトダイオードR14とフォトダイオードGb24に蓄積された光電変換電荷がリセットされる。リセット制御信号線Rst1、転送制御信号線Tx14及び転送制御信号線Tx24に印加されたHレベルがそれぞれLレベルに変化すると、フォトダイオードR14及びGb24が、受光量に応じて電荷蓄積を開始する。
【0087】
次に、時刻t42において、リセット制御信号線Rst1、転送制御信号線Tx13及び転送制御信号線Tx23にそれぞれ同時にHレベルを印加する。これによって、FD13が電圧Vddに充電されると共に、フォトダイオードGr13とフォトダイオードB23に蓄積された光電変換電荷がリセットされる。リセット制御信号線Rst1、転送制御信号線Tx13及び転送制御信号線Tx23に印加されたHレベルがそれぞれLレベルに変化すると、フォトダイオードGr13及びB23が、受光量に応じて電荷蓄積を開始する。
【0088】
次に、時刻t43において、列選択制御信号線Sel1及びリセット制御信号線Rst1にそれぞれHレベルを印加する。これにより、増幅トランジスタMA13のソースが垂直出力線L2に接続されると共に、リセットトランジスタMR13がオンとなる。そして、FD13が電圧Vddに充電されて、FD13の充電電圧が初期化される。また、増幅トランジスタMA13によって増幅されたFD13の初期化電圧は垂直出力線L3に出力され、出力切り替え部41及び出力線L3’を介し、CDS部241に出力される。そして、CDS部241によって、基準レベルとしてクランプされる。
【0089】
次に、リセットトランジスタMR13をオフにした後、時刻t44において、転送制御信号線Tx14及びTx24にそれぞれHレベルを印加する。これにより、R画素及びGb画素に応じたフォトダイオードR14及びGb24の光電変換電荷は、FD13で加算される。ここで、露光時間は時刻t41〜t44の時間である。FD13での加算結果は、加算結果に応じた電圧としてFD13から出力される。FD13からの出力電圧は増幅トランジスタMA13で増幅され、列選択トランジスタMS13を介して、垂直出力線L2に出力される。垂直出力線L3に出力されたFD13の電圧は、出力切り替え部41及び出力線L3’を介し、CDS部241に出力される。そして、CDS部241によってサンプリングされ、先にサンプリングされた基準レベルとの差分がCDS部241から出力される。
【0090】
次に、時刻t45においてリセット制御信号線Rst1にそれぞれHレベルを印加する。これにより、増幅トランジスタMA13のソースが垂直出力線L3に接続されると共に、リセットトランジスタMR13がオンとなり、FD13が電圧Vddに充電され、初期化される。垂直出力線L3に出力されたFD13の初期化電圧は、出力切り替え部41及び出力線L3’を介し、CDS部241に出力される。そして、CDS部241によって、基準レベルとしてクランプされる。
【0091】
次に、リセットトランジスタMR13をオフにした後、時刻t46において、転送制御信号線Tx13及びTx23にそれぞれHレベルを印加する。これにより、Gr画素とB画素に応じたフォトダイオードGr13及びB23の光電変換電荷は、FD13で加算される。ここで、露光時間は時刻t42〜t46の時間である。FD13での加算結果は、加算結果に応じた電圧としてFD13から出力される。FD13からの出力電圧は増幅トランジスタMA13で増幅され、列選択トランジスタMS13を介して、垂直出力線L3に出力される。垂直出力線L3に出力されたFD13の電圧は、出力切り替え部41及び出力線L3’を介し、CDS部241に出力される。そして、CDS部241によってサンプリングされ、先にサンプリングされた基準レベルとの差分がCDS部241から出力される。
【0092】
以上のように単位回路40bにおいて、加算パターンVに従って画素信号が加算され、AFE部240へと出力される。AFE部240には、RとGbの加算結果Yeが1行目として先に出力され、GrとBの加算結果Cyが2行目として次に出力される。ここで、図7の回路構成において、転送制御信号線Tx13、Tx14、Tx23及びTx24は、行方向に1つおきに隣接した単位回路40同士の間で、各単位回路40に含まれる4つの転送トランジスタへの転送制御信号線として共用されている。したがって、単位回路40bに関して加算パターンVに従った画素信号の加算処理がなされると、単位回路40bから1つおきに行方向に隣接する各単位回路40においても同様に加算パターンVに従った加算処理がなされる。
【0093】
以上より、単位回路40a及び40bを含む1行目の単位回路40においては、加算パターンXと加算パターンVとが、X→V→X→V→…の順に、行方向に交互に繰り返すように加算結果が出力される。これによって、図2(b)の1行目の単位格子Bが加算結果として出力される。次に、図7において単位回路40aの下に隣接する単位回路40(以下、「単位回路40d」とする)を含む2行目の単位回路40から加算結果を出力するタイミングにおいては、行方向に出力順を入れ替えるため、出力切り替え部41が出力順入れ替えモードに切り替えられる。これによって、出力線L1からの出力は出力線L3’に、出力線L3からの出力は出力線L1’にと、2本の出力線ごとに行方向に出力順が入れ替えられる。したがって、単位回路40dを含む2行目の単位回路においては、加算パターンXと加算パターンVとが、X→V→X→V→…の順に、行方向に交互に繰り返すように加算結果が出力される。これによって、図2(b)の2行目の単位格子Bが加算結果として出力される。図7における単位回路40の3行目以降においては、奇数行では出力切り替え部41が非出力順入れ替えモードに設定されて加算結果が出力され、偶数行では出力切り替え部41が出力順入れ替えモードに設定されて加算結果が出力される。これによって、単位格子Bが行方向及び列方向に繰り返し並んだベイヤー互換配列信号が撮像素子200から出力されることとなる。
【0094】
以下、画像処理部300からY,Cb,Cr信号が出力されるまでに撮像装置1が実行する処理の全体の流れについて説明する。図9は、撮像装置1が実行する処理の全体の流れを示したフローチャートである。
【0095】
まず、撮像素子200において信号転送部221が、各単位格子Aに対応する各光電変換素子群210内で、2つの光電変換素子211からの画素信号をFD230へと同時に転送する。これによって、2つの光電変換素子211からの画素信号が加算される(ステップT1)。次に、信号転送部221が、各光電変換素子群210内で、残りの2つの光電変換素子211からの画素信号をFD230へと同時に転送する。これによって、残りの2つの光電変換素子211からの画素信号が加算される(ステップT2)。ステップT1及びステップT2では、図2(b)の加算パターンの配置に従って各光電変換素子群210内での画素加算が実行される。そして、撮像素子200は、ステップT1での加算結果とステップT2での加算結果とから生成されたG,Ye,Mg及びCyの各信号から、ベイヤー互換配置信号を生成し、画像処理部300へと出力する(ステップT3)。
【0096】
次に、画像処理部300のOB補正部311は、撮像素子200からのベイヤー互換配列信号に光学的黒補正処理を施す(ステップT4)。次に、シェーディング補正部312は、ベイヤー互換配列信号にシェーディング補正処理を施す(ステップT5)。次に、WB補正部313は、ベイヤー互換配列信号にホワイトバランス補正処理を施す(ステップT6)。このときの補正値は、後述のステップT12において算出されたものが用いられる。次に、色補間部314が、ベイヤー互換配列信号から、R,G及びBの全ての色の情報が画素ごとに決定されたRGB信号を生成する(ステップT7)。次に、色補正部315は、色再現マトリクスを用いてRGB信号を補正する(ステップT8)。次に、ガンマ補正部316は、RGB信号に階調変換及びガンマ変換を施す(ステップT9)。そして、画像処理部300は、RGB信号を輝度信号Y及び色差信号Cb,Crに変換して出力する(ステップT10)。
【0097】
一方、ステップT5でシェーディング補正処理が施されたベイヤー互換配列信号は、WB補正部313のみならずAE統計値算出部321等にも出力される。AE統計値算出部321等は、ベイヤー互換配列信号に基づいて露出調整用の統計値等を算出する(ステップT11)。そして、ステップT11で算出された各統計値に基づいて、補正値算出部340がホワイトバランスゲイン係数を補正値として算出し(ステップT12)、AE制御部331及びAF制御部332が露出調整やオートフォーカス制御を実行する(ステップT13)。ステップT12で補正値として算出されたホワイトバランスゲイン係数は、ステップT6において補正処理に用いられる。
【0098】
以上説明した本実施の形態によると、撮像素子200が、図2(b)に示すように、ベイヤー配列と同様の配列関係を有するベイヤー互換配列信号を出力するため、ベイヤー配列を前提とする画像処理をそのまま流用しやすい。例えば、図5(a)は、本実施の形態において、ホワイトバランス補正処理に係る補正値を算出する構成を示している。これに対して図5(b)は、ベイヤー配列の信号に基づいて補正値を算出する従来構成の一例である。図5(b)のWB統計値算出部523は、ベイヤー配列の信号のうち、Gr信号、R信号、B信号及びGb信号がそれぞれ入力されるGr積算部523a、R積算部523b、B積算部523c及びGb積算部523dを有している。Gr積算部523a〜Gb積算部523dは、Gr、R、B及びGbに関する積算値を統計値としてそれぞれ算出する。このように、WB統計値算出部523には、ベイヤー配列の順序を前提に各信号が入力される。一方、本実施の形態のWB統計値算出部323では、ベイヤー配列におけるGr,R,B及びGbと対応する順序を有するベイヤー互換配列信号を前提にG信号、Ye信号、Mg信号及びCy信号が入力される。したがって、本実施の形態のWB統計値算出部323として、WB統計値算出部523をそのまま流用することが可能である。
【0099】
また、図5(b)の従来構成では、WB統計値算出部523bにおいて算出された積算値ΣGr,ΣR,ΣB及びΣGbに基づいて、WBゲイン算出部542がホワイトバランスゲイン係数Wb_R、Wb_G、Wb_Bを算出する。つまり、WBゲイン算出部542はRGBベースでホワイトバランスゲインを算出するように構成されている。一方、本実施の形態の補正値算出部340では、統計値変換部341及びゲイン変換部343を設けることにより、WBゲイン算出部342がRGBベースでホワイトバランスゲインを算出できるように構成されている。したがって、本実施の形態のWBゲイン算出部342として、WBゲイン算出部542を流用することが可能である。
【0100】
このような事情は図4(a)〜図4(d)の構成においても同様である。従来構成の光学的黒補正用の統計値算出部はGr積算部,R積算部,B積算部及びGb積算部を有し、これらの積算部にはベイヤー配列の順序を前提に各信号が入力される。一方、本実施の形態のOB統計値算出部324も、図4(a)に示すように、ベイヤー配列におけるGr,R,B及びGbと対応する順序でG、Ye、Mg及びCyが配列されたベイヤー互換配列信号を前提に各信号が入力される。したがって、従来構成のGr積算部,R積算部,B積算部及びGb積算部をそのままG積算部324a、Ye積算部324b、Mg積算部324c及びCy積算部324dに流用できる。同様に、図4(b)のAE統計値算出部321におけるG積算部321a、Ye積算部321b、Mg積算部321c及びCy積算部321dにも従来構成におけるAE統計値算出部を流用できる。
【0101】
さらに、従来構成のオートフォーカス用の統計値算出部は、ベイヤー配列の単位格子Aごとに輝度値を算出し、その高周波成分の絶対値を積算するものである。一方、本実施の形態のAF統計値算出部322も、図4(c)に示すように、ベイヤー互換配列信号の単位格子Bごとに輝度値を算出し、その高周波成分の絶対値を積算するものであり、輝度値を算出する際の係数kG、kYe、kMg及びkCyが従来構成と異なるのみである。したがって、やはり、AF統計値算出部322として従来構成を流用できる。
【0102】
また、G,Ye,Mg及びCyの補色フィルタを採用した従来構成の撮像素子から出力される信号の場合、ホワイトバランス補正などの統計値を算出する際は、色補間により画素ごとにRGBが決定された信号を生成してから統計値を算出することが通常である。これに対して本実施の形態によると、色補間前のベイヤー互換配列信号におけるG,Ye,Mg及びCyのそれぞれの積算値を算出しているため、色補間後の信号においてRGBの積算値を算出する場合と比べて、取り扱う画素数が1/3で済む。このため、本実施の形態に採用されている方法によると、従来方法を採用する場合と比べて統計値を算出するための演算量を低下させることができる。
【0103】
また、本実施の形態によると、画素信号の加算は、単位格子Aに対応する光電変換素子群210内で行われる。そして、光電変換素子群210内で、光電変換素子211からの異色の画素信号同士が加算される。これに対して、常に同色の画素が加算される構成とする場合、B同士やR同士の加算が行われるためには、異なる単位格子に対応する光電変換素子211同士で画素が加算されなければならない。しかし、この場合は、複数の単位格子を跨いで画素加算のための配線が施される必要があり、画素を加算するための画素構成が困難になる。これに対して本実施形態によると、光電変換素子群210内で、光電変換素子211からの異色の画素信号同士が加算されるので、画素を加算するための画素構成が容易である。
【0104】
また、単位格子Aに対応する4つの光電変換素子211に関して1つのFDが共有されている。このような基本構成は、撮像素子の小型化を実現するための既存の画素構成である。本実施の形態では、このような既存の画素構成において転送制御信号線の配線と転送トランジスタの駆動方法を調整することにより、適切な画素加算が実行されている。したがって、既存の回路構成から大きく変更されることなく、小型化された撮像素子200が実現する。
【0105】
(変形例)
以上は、本発明の一実施の形態についての説明であるが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、課題を解決するための手段に記載された範囲の限りにおいて、以下に例を挙げるとおり、様々な変更が可能なものである。
【0106】
[1]上述の実施の形態では、光電変換素子211からの電荷を転送する信号転送部221を制御する転送制御部222が、撮像素子200内に設けられている。しかし、この転送制御部222が撮像素子200を駆動装置として撮像素子200とは独立に設けられてもよい。例えば、撮像素子200に転送制御信号線と接続された外部端子が設けられており、この外部端子を介して、上記の駆動装置が各転送制御信号線と接続される。そして、この駆動装置が、第1の実施形態の転送制御部222と同様に転送制御信号線を通じて転送トランジスタを駆動することで、撮像素子200からベイヤー互換配列信号を出力させるように構成されていてもよい。この場合、転送制御信号線が、各光電変換素子211からの出力信号を加算してベイヤー互換配列信号を出力できるように配線されていれば、既存の画素構成の撮像素子が用いられてよい。
【0107】
[2]上述の実施の形態では、撮像素子内で画素を加算する構成が採用されている。しかし、本発明は、撮像素子から出力されたR,G及びBの各色からなるベイヤー配列の画素信号を加算することにより、画像処理によってベイヤー互換配列信号を生成する画像処理装置として実現されてもよい。この場合、撮像素子としては、R,G及びBの各色からなるベイヤー配列の画素信号を出力する従来の撮像素子が用いられてよい。この画像処理装置は、撮像素子からの画像信号において、ベイヤー配列の単位格子ごとに2つの画素信号同士をサンプリングすると共に、サンプリングした画素を加算することでベイヤー互換配列信号を生成する。このため、この画像処理装置では、画素を加算する際のサンプリングの個数が限られており、サンプリング数が多い従来技術と比べて、1フレーム当たりにおけるサンプリング画素の読み出しに必要な処理量や画素を加算する処理量が少ない。したがって、例えば従来と同じフレームレートで画像が処理される場合には、単位時間当たりの処理量が少ないため消費電力が低減される。また、単位時間当たりの処理量が従来の場合と同じである場合には、フレームレートを増加させることができる。
【0108】
[3]上述の実施の形態においては、AE制御部331がΣG,ΣYe,ΣMg及びΣCyをΣR,ΣG及びΣBに変換してからkR,kG、kBを掛けて輝度積算値を算出している。しかし、kR,kG,kBを数式1の変換行列を用いてあらかじめ変換したkG、kYe、kMg及びkCyを用いて、輝度積算値ΣY=kG*ΣG+kYe*ΣYe+kMg*ΣMg+kCy*ΣCyのように輝度積算値を直接算出してもよい。
【0109】
[4]上述の実施の形態においては、図7の回路構成に出力切り替え部41を設けることにより、単位回路40の偶数行からの出力を行方向に入れ替えている。しかし、出力切り替え部41を設けず、単位回路40からの信号をAFE部240へと順序を入れ替えずに出力し、ADC部243によってデジタル信号に変換された後で、信号の順序を入れ替える構成としてもよい。デジタル信号において画素信号の順序を入れ替える場合、単位格子B内のG,Mg、Ye及びCyの配置が異なる変形例にも対応しやすい。
【0110】
[5]上述の実施の形態においては、図7に示す回路構成により、さまざまな加算パターンに対応する画素加算が実行可能である。例えば、上述の実施の形態では、単位格子A内の画素を斜めに加算する加算パターンXと、縦に加算する加算パターンVとを用いている。しかし、図10(b)に示すように、単位格子A内の画素を横に加算する加算パターンHを用いることもできる。また、上述の実施の形態では加算パターンXと加算パターンVとを行方向及び列方向に交互に繰り返している。しかし、図10(c)に示すように、加算パターンHも用い、奇数行は加算パターンXと加算パターンVを交互に繰り返し、偶数行は加算パターンXと加算パターンHを交互に繰り返してもよい。その他、図10(d)に示すように、加算パターンXと加算パターンVのそれぞれを列方向に揃うように配置してもよい。
【0111】
[6]上述の実施の形態においては、単位格子B内のG,Ye、Mg及びCyの具体的な配置を図2(b)に示すものとしている。しかし、各単位格子内におけるG,Ye、Mg及びCyの具体的な配置がどのようなものであっても、撮像素子200から出力される信号が全体として単位格子が行方向及び列方向に繰り返す信号である限り、AF統計値算出部323等として従来構成を流用することができる。したがって、例えば、列方向に位置関係を変えた図10(e)の単位格子B’に示すような配置であってもよいし、その他の配置であってもよい。図10(e)のように列方向に位置関係を変えるのは、図7の回路構成において、例えばBとRの加算結果を出力してからGrとGbの加算結果を出力するといったように、画素加算の結果を出力する順序を変更することで実現できる。また、行方向に位置関係を変えるのは、図7の回路構成において、出力切り替え部41のモードを切り替えて画素加算の結果を出力することにより実現できる。
【0112】
[7]上述の実施の形態においては、各種統計値を算出する構成として、光学的黒補正、ホワイトバランス補正、露出調整及びオートフォーカス用の統計値を算出する構成について説明している。そして、これらの構成に関して従来構成を流用できるとしている。しかし、その他の補正処理に用いる統計値等を算出する際にも従来構成を流用できる場合はある。例えば、シェーディング補正処理に関しても従来構成を流用可能であるし、いわゆるOECF補正処理やDeknee処理に関しても従来構成を流用可能である。
【0113】
[8]上述の実施の形態においては、信号の補正処理用や撮像光学系100の制御用の統計値として、積算値(加算値)を算出する場合を主に想定している。しかし、信号の補正処理用や撮像光学系100の制御用の統計値として、平均値や分散等のその他の統計値を算出する場合に本発明が適用されてもよい。
【符号の説明】
【0114】
1…撮像装置、40(40a〜40d)…単位回路、100…撮像光学系、200…撮像素子、209…遮光部材、210…光電変換素子群、211…光電変換素子、221…信号転送部、222…転送制御部、240…AFE部、300…画像処理部、311…OB補正部、313…WB補正部、321…AE統計値算出部、322…AF統計値算出部、323…WB統計値算出部、324…OB統計値算出部、331…AE制御部、332…AF制御部、340…補正値算出部、341…統計値変換部、342…ゲイン算出部、343…ゲイン変換部、A,B…単位格子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
R(赤)、G(緑)及びB(青)の3原色からなる2行2列の第1の単位格子が並んだベイヤー(Bayer)配列で配列された複数のカラーフィルタと、
前記カラーフィルタを透過した光の強度に応じたアナログ信号を出力する前記カラーフィルタごとに設けられた光電変換素子と、
前記第1の単位格子ごとに、4つの前記カラーフィルタのうち異なる色の2つの前記カラーフィルタに対応する2つの前記光電変換素子からの出力信号同士を加算すると共に、残りの2つの前記カラーフィルタに対応する2つの前記光電変換素子からの出力信号同士を加算し、それぞれの加算結果に応じたアナログ信号を出力する信号加算回路と、
前記信号加算回路からの出力信号をデジタル信号に変換して出力するA/D変換部とを備え、
前記信号加算回路からの出力信号に基づいて、G、Ye(黄)、Mg(マゼンタ)及びCy(シアン)が所定の配列で並んだ2行2列の第2の単位格子が行方向及び列方向に繰り返し並んだデジタル画像信号を出力する、
ことを特徴とする撮像素子。
【請求項2】
前記信号加算回路が、前記第1の単位格子ごとに、互いに異なる第1及び第2のパターンのいずれかで前記光電変換素子からの出力信号を加算し、
前記第1のパターンが、前記第1の単位格子内において、2つのGの前記カラーフィルタに対応する2つの前記光電変換素子からの出力信号を加算すると共に、RとBの前記カラーフィルタに対応する2つの前記光電変換素子からの出力信号を加算するパターンであり、
前記第2のパターンが、前記第1の単位格子内において、列方向に並んだGとBの前記カラーフィルタに対応する2つの前記光電変換素子からの出力信号を加算すると共に、列方向に並んだRとGのカラーフィルタに対応する2つの前記光電変換素子からの出力信号を加算するパターンである、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像素子。
【請求項3】
前記信号加算回路が、行方向及び列方向のそれぞれに関して前記第1のパターンと前記第2のパターンとを交互に繰り返して前記第1の単位格子ごとに前記光電変換素子からの出力信号を加算する、
ことを特徴とする請求項2に記載の撮像素子。
【請求項4】
前記信号加算回路が、
前記光電変換素子が発生させた電荷を転送する前記光電変換素子ごとに設けられた転送トランジスタを有し、1つの前記第1の単位格子に対応する4つの前記転送トランジスタに関して共有されたフローティングディフュージョンに対して、2つの前記転送トランジスタから同時に電荷を転送させる、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の撮像素子。
【請求項5】
前記転送トランジスタに転送制御信号を送信する転送制御信号線が、前記第1の単位格子の1行ごとに8本設けられ、
行方向に1つおきに隣接する複数の前記第1の単位格子同士で、前記8本の転送制御信号線のうちの4本が、各単位格子における4つの前記転送トランジスタ用として共用されている、
ことを特徴とする請求項4に記載の撮像素子。
【請求項6】
R(赤)、G(緑)及びB(青)の3原色からなる2行2列の第1の単位格子が並んだベイヤー(Bayer)配列で配列された複数のカラーフィルタと、前記カラーフィルタを透過した光の強度に応じたアナログ信号を出力する前記カラーフィルタごとに設けられた光電変換素子と、前記光電変換素子からの出力信号同士を加算し、その加算結果に応じたアナログ信号を出力する信号加算回路と、前記信号加算回路からの出力信号をデジタル信号に変換して出力するA/D変換部とを備えている撮像素子を駆動する駆動装置であって、
前記信号加算回路からの出力信号が、前記第1の単位格子ごとに、4つの前記カラーフィルタのうち異なる色の2つの前記カラーフィルタに対応する2つの前記光電変換素子からの出力信号同士を加算すると共に、残りの2つの前記カラーフィルタに対応する2つの前記光電変換素子からの出力信号同士を加算した結果となるように、前記信号加算回路を制御し、
前記信号加算回路からの出力信号に基づいて、G、Ye(黄)、Mg(マゼンタ)及びCy(シアン)が所定の配列で並んだ2行2列の第2の単位格子が行方向及び列方向に繰り返し並んだデジタル画像信号を、前記撮像素子から出力させる、
ことを特徴とする撮像素子の駆動装置。
【請求項7】
R(赤)、G(緑)及びB(青)の3原色からなる2行2列の第1の単位格子が並んだベイヤー(Bayer)配列で配列された複数のカラーフィルタと、前記カラーフィルタを透過した光の強度に応じたアナログ信号を出力する前記カラーフィルタごとに設けられた光電変換素子と、前記光電変換素子からの出力信号同士を加算し、その加算結果に応じたアナログ信号を出力する信号加算回路と、前記信号加算回路からの出力信号をデジタル信号に変換して出力するA/D変換部とを備えている撮像素子を駆動する駆動方法であって、
前記信号加算回路からの出力信号が、前記第1の単位格子ごとに、4つの前記カラーフィルタのうち異なる色の2つの前記カラーフィルタに対応する2つの前記光電変換素子からの出力信号同士を加算すると共に、残りの2つの前記カラーフィルタに対応する2つの前記光電変換素子からの出力信号同士を加算した結果となるように、前記信号加算回路を制御し、
前記信号加算回路からの出力信号に基づいて、G、Ye(黄)、Mg(マゼンタ)及びCy(シアン)が所定の配列で並んだ2行2列の第2の単位格子が行方向及び列方向に繰り返し並んだデジタル画像信号を、前記撮像素子から出力させる、
ことを特徴とする撮像素子の駆動方法。
【請求項8】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の撮像素子と、
前記撮像素子から出力されたデジタル画像信号に基づいて、G、Ye、Mg及びCyのそれぞれに関して画像調整用又は撮像光学系の駆動制御用の統計値を算出する統計値算出手段と、
を備えていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項9】
前記光電変換素子への光の入射を遮断する遮光手段が前記撮像素子に設けられており、
前記統計値算出手段が、
前記デジタル画像信号のうち、前記遮光手段によって光の入射が遮断された前記光電変換素子に対応する信号から、光学的黒補正用の前記統計値を算出することを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記統計値算出手段が算出したG、Ye、Mg及びCyに関する前記統計値を線形変換してG、R及びBに関する前記統計値を算出する統計値変換手段と、
前記統計値変換手段が算出した前記統計値からG、R及びBに関するホワイトバランス補正用の補正値を算出する補正値算出手段と、
前記補正値算出手段が算出したG、R及びBに関する前記補正値を線形変換してG、Ye、Mg及びCyに関する前記補正値を算出する補正値変換手段と、
をさらに備えていることを特徴とする請求項8又は9に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記統計値算出手段が算出したG、Ye、Mg及びCyに関する前記統計値を線形変換してG、R及びBに関する前記統計値を算出する統計値変換手段と、
前記統計値変換手段が算出した前記統計値の線形和を取ることにより露出調整用の統計値を算出する露出用統計値算出手段と、
をさらに備えていることを特徴とする請求項8又は9に記載の画像処理装置。
【請求項12】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の撮像素子と、
前記撮像素子から出力されたデジタル画像信号におけるG、Ye、Mg及びCyの画素値の線形和を取ることにより前記第2の単位格子のそれぞれに関して輝度値を算出する輝度値算出手段と、
前記輝度値算出手段が算出した輝度値からオートフォーカス用の統計値を算出するオートフォーカス用統計値算出手段と、
を備えていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項13】
R(赤)、G(緑)及びB(青)の3原色からなる2行2列の第1の単位格子が並んだベイヤー(Bayer)配列で配列された複数のカラーフィルタと、
前記カラーフィルタを透過した光の強度を示す画素信号を前記カラーフィルタごとに算出する画素信号算出手段と、
前記第1の単位格子ごとに、4つの前記カラーフィルタのうち異なる色の2つの前記カラーフィルタに対応する2つの前記光電変換素子からの出力信号同士を加算すると共に、残りの2つの前記カラーフィルタに対応する2つの前記光電変換素子からの出力信号同士を加算し、それぞれの加算結果に応じた信号を出力する信号加算手段とを備え、
前記信号加算回路からの出力信号に基づいて、G、Ye(黄)、Mg(マゼンタ)及びCy(シアン)が所定の配列で並んだ2行2列の第2の単位格子が行方向及び列方向に繰り返し並んだデジタル画像信号を生成する、
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項14】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の撮像素子から出力されたデジタル画像信号を処理する画像処理方法であって、
前記デジタル画像信号に基づいて、G、Ye、Mg及びCyのそれぞれに関して画像調整用又は撮像光学系の駆動制御用の統計値を算出することを特徴とする画像処理方法。
【請求項15】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の撮像素子から出力されたデジタル画像信号を処理する画像処理方法であって、
前記デジタル画像信号におけるG、Ye、Mg及びCyの画素値の線形和を取ることにより前記第2の単位格子のそれぞれに関して輝度値を算出する輝度値算出ステップと、
前記輝度値算出ステップにおいて算出された輝度値からオートフォーカス用の統計値を算出するオートフォーカス用統計値算出ステップと、
を備えていることを特徴とする画像処理方法。
【請求項16】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の撮像素子から出力されたデジタル画像信号をコンピュータに処理させるプログラムであって、
前記デジタル画像信号に基づいて、G、Ye、Mg及びCyのそれぞれに関して画像調整用又は撮像光学系の駆動制御用の統計値をコンピュータに算出させることを特徴とするプログラム。
【請求項17】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の撮像素子から出力されたデジタル画像信号をコンピュータに処理させるプログラムであって、
前記デジタル画像信号におけるG、Ye、Mg及びCyの画素値の線形和を取ることにより前記第2の単位格子のそれぞれに関して輝度値を算出する輝度値算出ステップと、
前記輝度値算出ステップにおいて算出された輝度値からオートフォーカス用の統計値を算出するオートフォーカス用統計値算出ステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項18】
被写体像を結像させる撮像光学系と、
前記撮像光学系が結像させた被写体像を光電変換して出力する請求項1〜5のいずれか1項に記載の撮像素子と、
前記撮像素子から出力された出力信号に対して所定の画像処理を加え、前記被写体像を再現する画像処理手段と、
を備えていることを特徴とする撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−60412(P2012−60412A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−201590(P2010−201590)
【出願日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【特許番号】特許第4825311号(P4825311)
【特許公報発行日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(501324524)アキュートロジック株式会社 (53)
【Fターム(参考)】