撮像素子の駆動方法
【課題】本発明は、撮像素子の駆動方法において、消費電流を抑制できるとともに、暗時出力ノイズを低減できるようにする。
【解決手段】たとえば、TG12より、初段のCCD1に対して、第1パルスおよび第2パルスを含むチップ選択制御信号Gate1(Tin)を与え、これ以外のCCD2〜CCD15の動作を停止する。CCD1では、第1パルスに対応してカラ送り走査を開始するとともに、電荷転送部に蓄積されている残留電荷を掃き出させる。その後、CCD1は、第2パルスに対応して実走査を開始するとともに、光電変換部で得た信号電荷の電荷転送部へのシフト動作、および、電荷転送部での信号電荷の水平転送を行って、画像信号出力OSを発生させる。また、CCD1は、第2パルスにもとづいて、次段のCCD2に同様のチップ選択制御信号Tout(Tin)を出力する。こうして、CCD2〜CCD15において、同様の動作が繰り返される。
【解決手段】たとえば、TG12より、初段のCCD1に対して、第1パルスおよび第2パルスを含むチップ選択制御信号Gate1(Tin)を与え、これ以外のCCD2〜CCD15の動作を停止する。CCD1では、第1パルスに対応してカラ送り走査を開始するとともに、電荷転送部に蓄積されている残留電荷を掃き出させる。その後、CCD1は、第2パルスに対応して実走査を開始するとともに、光電変換部で得た信号電荷の電荷転送部へのシフト動作、および、電荷転送部での信号電荷の水平転送を行って、画像信号出力OSを発生させる。また、CCD1は、第2パルスにもとづいて、次段のCCD2に同様のチップ選択制御信号Tout(Tin)を出力する。こうして、CCD2〜CCD15において、同様の動作が繰り返される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像素子の駆動方法に関するもので、たとえば、MFP(Multi Function Periferal)などで使用される、密着型イメージセンサモジュール(Contact Image Sensor Module(以下、CISM))またはパッケージ型のイメージセンサに組み込まれる、1次元のCCD(Charged Coupled Device)イメージセンサの駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光信号を電気信号に置き換えることにより、撮像面に投影された像を電気的に読み出す撮像素子として、CCDイメージセンサが知られている。撮像面に配置された複数のCCDイメージセンサの駆動を、1つのTiming Generator(以下、TG)によって制御するようにしたのが、CISMである。
【0003】
CCDイメージセンサの場合、暗時にもかかわらず自然発生する電荷があり、これが暗時出力(ダークカレント)ノイズの原因となっている。そのため、従来のCISMでは、全てのCCDイメージセンサを同時に駆動して、暗時に電荷転送部に蓄積される残留電荷を掃き出させる(強制的に排出させる)ことによって、暗時出力ノイズの発生を抑えていた。
【0004】
しかしながら、全てのCCDイメージセンサを同時に駆動することで、大きな駆動電流(消費電流)が必要であり、TGの負荷も大きなものとなる。しかも、TGおよびCCDイメージセンサの発熱によって、CCDイメージセンサの特性である暗時出力ノイズが増大する傾向となり、暗時出力ノイズ低減策である“電荷掃き出し”の効果を減少させる要因となっていた。
【0005】
一方、CCDイメージセンサおよびTGの消費電流を抑えるため、実走査期間中のみ、走査の対象となるCCDイメージセンサを駆動する方式も考えられる。この方式の場合、たとえば、非走査期間中のCCDイメージセンサに対する、CCDイメージセンサでの電荷転送を制御するための、TGからのタイミング信号(CK1,CK2)の供給を遮断すればよい。ところが、タイミング信号(CK1,CK2)の供給を遮断するようにした場合、非走査期間中の電荷が電荷転送部に蓄積され、暗時出力ノイズが増大するという問題を有している。
【0006】
このように、従来のCISMにおいては、全てのCCDイメージセンサを同時に駆動することによる消費電流の増加、発熱の増加による暗時出力ノイズの増大を招く。これを避けるために、走査対象のCCDイメージセンサのみを駆動する方式を採用した場合にも、非走査期間中に残留電荷が蓄積し、暗時出力ノイズの増大を招く結果となっていた。
【0007】
なお、低消費電力の撮像素子として、画素電荷を水平方向に転送する水平転送部のブランキング期間中に水平転送クロックの供給を停止するようにした提案が既になされている(たとえば、特許文献1参照)。しかしながら、この提案は、複数の受光素子がマトリクス配列された受光部からの画素電荷を、垂直転送部を経て、水平転送部に転送する方式のものであって、CISMとは方式(構成)が異なる。しかも、水平転送クロックの停止時には、水平走査ブランキング期間中の画素電荷が水平転送部に蓄積されて、暗時出力ノイズが増大するといった同様の問題もある。
【特許文献1】特開2004−235691号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記の問題点を解決すべくなされたもので、消費電流を抑制できるとともに、暗時出力ノイズを低減させることが可能な撮像素子の駆動方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明の一態様によれば、撮像面に配置され、それぞれ直列に接続された複数の撮像素子を制御して、1つの画像を撮像するための撮像素子の駆動方法であって、前記複数の撮像素子のうち、初段の撮像素子に対して、2回の走査期間でそれぞれ有効となる第1走査開始信号および第2走査開始信号を含む素子選択制御信号を与え、前記素子選択制御信号によって選択された撮像素子に対して、前記第1走査開始信号に対応して、光信号を電気信号に変換する光電変換部で得た信号電荷の電荷転送部への転送、および、前記電荷転送部からの画像信号の出力を禁止し、前記素子選択制御信号によって選択された撮像素子に対して、前記第2走査開始信号に対応して、前記光電変換部で得た信号電荷の前記電荷転送部への転送、および、前記電荷転送部からの画像信号の出力を許可し、非選択とされた撮像素子の、前記電荷転送部での信号電荷の水平転送を禁止するとともに、前記素子選択制御信号によって選択された撮像素子より、前記第2走査開始信号に対応して、非選択状態にある次段の撮像素子に前記素子選択制御信号を出力させることを特徴とする撮像素子の駆動方法が提供される。
【0010】
また、本願発明の一態様によれば、撮像面に配置され、それぞれ直列に接続された複数の撮像素子を制御して、1つの画像を撮像するための撮像素子の駆動方法であって、前記複数の撮像素子のうち、初段の撮像素子に対して、当該撮像素子が選択されたことを示す素子選択制御信号を与え、前記素子選択制御信号によって選択された撮像素子に対して、第1の走査開始信号に対応して、光信号を電気信号に変換する光電変換部で得た信号電荷の電荷転送部への転送、および、前記電荷転送部からの画像信号の出力を禁止し、前記素子選択制御信号によって選択された撮像素子に対して、第2の走査開始信号に対応して、前記光電変換部で得た信号電荷の前記電荷転送部への転送、および、前記電荷転送部からの画像信号の出力を許可し、非選択とされた撮像素子の、前記電荷転送部での信号電荷の水平転送を禁止するとともに、前記素子選択制御信号によって選択された撮像素子より、前記第2の走査開始信号に対応して、非選択状態にある次段の撮像素子に前記素子選択制御信号を出力させることを特徴とする撮像素子の駆動方法が提供される。
【0011】
また、本願発明の一態様によれば、撮像面に配置され、それぞれ並列に接続された複数の撮像素子を制御して、1つの画像を撮像するための撮像素子の駆動方法であって、前記複数の撮像素子にそれぞれ固有の識別情報を割り当て、前記固有の識別情報と走査開始信号のカウント値との一致により、当該撮像素子が選択されたことを判断し、選択された前記撮像素子に対して、1回目の走査時には、光信号を電気信号に変換する光電変換部で得た信号電荷の電荷転送部への転送、および、前記電荷転送部からの画像信号の出力を禁止し、選択された前記撮像素子に対して、2回目の走査時には、前記光電変換部で得た信号電荷の前記電荷転送部への転送、および、前記電荷転送部からの画像信号の出力を許可するとともに、非選択とされた撮像素子の、前記電荷転送部での信号電荷の水平転送を禁止することを特徴とする撮像素子の駆動方法が提供される。
【0012】
さらに、本願発明の一態様によれば、撮像面に配置され、それぞれ直列に接続された複数の撮像素子を制御して、1つの画像を撮像するための撮像素子の駆動方法であって、前記複数の撮像素子のうち、初段の撮像素子に対して、カウント値に応じて当該撮像素子が選択されたことを示す素子選択制御信号を与え、前記素子選択制御信号のカウント値と走査開始信号のカウント値との一致により、当該撮像素子が選択されたことを判断し、選択された前記撮像素子に対して、1回目の走査時には、光信号を電気信号に変換する光電変換部で得た信号電荷の電荷転送部への転送、および、前記電荷転送部からの画像信号の出力を禁止し、選択された前記撮像素子に対して、2回目の走査時には、前記光電変換部で得た信号電荷の前記電荷転送部への転送、および、前記電荷転送部からの画像信号の出力を許可し、非選択とされた撮像素子の、前記電荷転送部での信号電荷の水平転送を禁止するとともに、選択された前記撮像素子より、非選択状態にある次段の撮像素子に対して、前記カウント値が“1”だけ変化する素子選択制御信号を出力させることを特徴とする撮像素子の駆動方法が提供される。
【発明の効果】
【0013】
上記の構成により、消費電流を抑制できるとともに、暗時出力ノイズを低減させることが可能な撮像素子の駆動方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。ただし、図面は模式的なものであり、各図面の寸法および比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面の相互間においても、互いの寸法の関係および/または比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。特に、以下に示すいくつかの実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための装置および方法を例示したものであって、構成部品の形状、構造、配置などによって、本発明の技術思想が特定されるものではない。この発明の技術思想は、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0015】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態にしたがった、MFPなどで使用される、CISMの基本構成を示すものである。ここでは、1つのTGと15個のCCDイメージセンサ(CCDチップ)とを有して構成される場合(15チップ構成のCISM)を例に説明する。特に、CCDイメージセンサを選択するためのチップ選択制御信号を用いて、実走査期間の直前に、走査の対象となるCCDイメージセンサの電荷転送部に非走査期間内に蓄積された残留電荷を掃き出させることによって、消費電流の抑制と暗時出力ノイズの低減とを図るようにした場合の例である。なお、「直前」とは、CCDイメージセンサの選択から実走査が開始されるまでの期間(タイミング)を指す。
【0016】
図1において、このCISM11は、1つのTG12と15個のCCDイメージセンサ(CCD1,CCD2,・・・,CCD14,CCD15)13a,13b,・・・,13n,13oとを有している。CCDイメージセンサ13a,13b,・・・,13n,13oは、いずれも、光信号を電気信号に置き換えることにより、撮像面に投影された像を電気的に読み出す1次元の撮像素子であって、撮像面に対して横一列に配置(直列接続)されている。CCDイメージセンサ13a,13b,・・・,13n,13oの詳細については、後述する。
【0017】
TG12は、全てのCCDイメージセンサ13a,13b,・・・,13n,13oの駆動を制御するもので、各CCDイメージセンサ13a,13b,・・・,13n,13oに対して、シフトクロック(走査開始信号)SHCK、OS(出力)ゲート制御信号GCK、および、電荷転送クロックCK1,CK2を供給する。シフトクロックSHCKは、1走査期間を規定するとともに、CCDイメージセンサ13a,13b,・・・,13n,13oのフォトダイオード部の信号電荷を電荷転送部にシフトさせる信号電荷シフト制御信号であり、OSゲート制御信号GCKは、CCDイメージセンサ13a,13b,・・・,13n,13oのOSゲートをハイインピーダンス(disable)状態から信号出力(enable)状態に制御するためのものである。電荷転送クロックCK1,CK2は、CCDイメージセンサ13a,13b,・・・,13n,13oの電荷転送部にシフトされた信号電荷を水平転送させるためのものである。
【0018】
また、TG12は、初段のCCDイメージセンサ(CCD1)13aに対してのみ、どのCCDイメージセンサを選択するかを示すチップ選択制御信号Gate1を出力する。本実施形態の場合、チップ選択制御信号Gate1は、2回分の走査期間(シフトクロックSHCKの2周期分)に対応し、各走査期間内に1度ずつ有効となるものとなっている。たとえば、チップ選択制御信号Gate1は、シフトクロックSHCKの1つ目のパルスに応じた電荷掃き出し(カラ送り走査)のための第1パルス(1走査目開始信号)と、2つ目のパルスに応じた実走査(スキャン)のための第2パルス(2走査目開始信号)と、からなっている。このチップ選択制御信号Gate1は、TG12において、基準パルス信号(たとえば、走査開始パルスTR)を繰り返し分周し、適当なパルス幅を有する2種類のパルス信号の論理和を求めることによって生成される。
【0019】
すなわち、TG12は、たとえば、外部のMFPシステム(図示していない)より供給される走査開始パルスTRをもとに、上記シフトクロックSHCK、上記OSゲート制御信号GCK、上記電荷転送クロックCK1,CK2、および、上記チップ選択制御信号Gate1の生成(出力)を制御する。
【0020】
なお、CISM11の基板内には、アナログデータバス(@CISM)ADBが設けられている。このアナログデータバスADBは、電源Vddと接地Vssとの間に直列に接続された、エミッタフォロア接続のNPNトランジスタTr1と抵抗素子r1とを有している。このアナログデータバスADBを介して供給される、各CCDイメージセンサ13a,13b,・・・,13n,13oからの画像信号出力OSが、CISM出力(複数の画像信号をつなぎ合わせた1つの画像)として、NPNトランジスタTr1と抵抗素子r1との接続点より外部に取り出される。
【0021】
図2は、CCDイメージセンサ13a,13b,・・・,13n,13oの構成例を示すものである。本実施形態の場合、CCDイメージセンサ13a,13b,・・・,13n,13oは同一の構成を有するため、ここではCCDイメージセンサ13aを例に説明する。
【0022】
CCDイメージセンサ13aは、フォトダイオード部(光電変換部)13-1、電荷転送部13-2、コントローラ13-3、スイッチ部13-4、読み出し部13-5、OSゲート13-6、および、R,G,BのLED(図示していない)などを有している。
【0023】
フォトダイオード部13-1は、走査時に光信号を電気信号に変換し、得た信号電荷を電荷転送部13-2にシフト(電荷転送)するものである。電荷転送部13-2は、フォトダイオード部13-1からの信号電荷を水平転送し、読み出し部13-5に出力するものである。読み出し部13-5は、電荷転送部13-2からの信号電荷を増幅するものである。OSゲート13-6は、読み出し部13-5からの増幅出力を、画像信号出力OSとして、アナログデータバスADB上に送出するものである。
【0024】
コントローラ13-3は、CCDゲート制御入力信号Tinをゲート入力とするフリップフロップ(FF)回路によって構成されるもので、たとえば、TG12からの、シフトクロックSHCKおよびOSゲート制御信号GCKと、前段のCCDイメージセンサからのCCDゲート制御入力信号Tinと、を取り込んで、SHIFT信号、OS Enable信号、SWITCH信号、および、次段のCCDイメージセンサのCCDゲート制御入力信号TinとなるCCDゲート制御出力信号Toutを生成するものである。
【0025】
本実施形態の場合、各CCDイメージセンサ13a,13b,・・・,13n,13oは、取り込んだ前段のCCDイメージセンサからのCCDゲート制御入力信号Tinを、そのまま次段のCCDイメージセンサに対するCCDゲート制御出力信号Toutとして出力するようになっている。
【0026】
なお、初段のCCDイメージセンサ13aに与えられるCCDゲート制御入力信号Tinは、TG12からのチップ選択制御信号Gate1である。
【0027】
スイッチ部13-4は、コントローラ13-3からのSWITCH信号に応じて、TG12からの電荷転送クロックCK1,CK2の電荷転送部13-2への供給を制御(スイッチング)するもので、電荷転送期間外の電荷転送部13-2に対する電荷転送クロックCK1,CK2の供給を遮断する。すなわち、電荷転送部13-2に対しては、CCDゲート制御入力信号Tinをもとに生成されるSWITCH信号にしたがって、電荷転送期間内のみ、スイッチ部13-4より内部電荷転送クロックCK1’,CK2’が供給される。
【0028】
図3は、CCDイメージセンサ13aを例に、CISM11の動作タイミングを示すものである。たとえば、走査開始パルスTRの入力を受けて、TG12により、シフトクロックSHCK、OSゲート制御信号GCK、電荷転送クロックCK1,CK2、および、チップ選択制御信号Gate1が生成される。本実施形態では、シフトクロックSHCKの1つ目のパルスの立ち上がりのタイミングで、チップ選択制御信号Gate1の第1パルス(ハイレベル)が生成され、シフトクロックSHCKの2つ目のパルスの立ち上がりのタイミングで、チップ選択制御信号Gate1の第2パルス(ハイレベル)が生成される。第1パルスは、OSゲート制御信号GCKの1つ目のパルスの立ち下がりのタイミングでロウレベルとなり、第2パルスは、シフトクロックSHCKの3つ目のパルスの立ち上がりのタイミングでロウレベルとなる。これにより、CCDイメージセンサ13aでの電荷転送動作が、2走査目の実走査期間中と、その直前の、1走査目である残留電荷掃き出し走査期間(カラ送り走査期間)中のみとされる。
【0029】
これに対し、CCDイメージセンサ13aは、コントローラ13-3において、チップ選択制御信号Gate1をもとにSWITCH信号を生成し、スイッチ部13-4のスイッチングのタイミングを制御する。SWITCH信号は、電荷転送期間内のみ、電荷転送部13-2に内部電荷転送クロックCK1’,CK2’が供給されるようにするためのものである。すなわち、SWITCH信号は、たとえば、シフトクロックSHCKおよびチップ選択制御信号Gate1の第1パルスがともにハイレベルのとき、シフトクロックSHCKがハイレベルの間だけハイレベルとなる。また、SWITCH信号は、シフトクロックSHCKおよびチップ選択制御信号Gate1の第2パルスがともにハイレベルのときにハイレベルとなって、第2パルスがハイレベルの間だけハイレベルのままとなる。これにより、非走査対象のCCDイメージセンサ13b,・・・,13n,13oはもとより、走査対象のCCDイメージセンサ13aの電荷転送部13-2に対する、電荷転送期間外の電荷転送クロックCK1’,CK2’の供給が阻止される。その結果、実走査期間中およびカラ送り走査期間中を除く、電荷転送不要期間中の電荷転送クロックCK1,CK2の供給にともなう、TG12およびCCDイメージセンサ13a(13b,・・・,13n,13o)での消費電流および発熱の増加を抑制することが可能となる。
【0030】
また、コントローラ13-3は、実走査期間にともなって、SHIFT信号およびOS Enable信号を生成する。SHIFT信号は、シフトクロックSHCKおよびチップ選択制御信号Gate1がともにハイレベルのとき、シフトクロックSHCKがハイレベルの間だけハイレベルとなる。これにより、フォトダイオード部13-1の信号電荷を電荷転送部13-2にシフトさせるシフト動作が、実走査の直前に行われる。本来、シフトクロックSHCKは、フォトダイオード部13-1の信号電荷を電荷転送部13-2にシフトさせるための信号であるが、このSHIFT信号によって、カラ送り走査期間中はシフト動作が行われず、実走査期間の直前にだけシフト動作が行われる。
【0031】
OS Enable信号は、チップ選択制御信号Gate1がハイレベルのときに、OSゲート制御信号GCKの立ち上がりのタイミングでハイレベルとなり、チップ選択制御信号Gate1がハイレベルの間はハイレベルとなる。これにより、実走査期間内は、OSゲート13-6がオン(enable)状態となり、アナログデータバスADBへの画像信号出力OSの送出が可能とされる。すなわち、カラ送り走査期間中は、内部電荷転送クロックCK1’,CK2’によって電荷が電荷転送部13-2を水平転送されるものの、OSゲート13-6がハイインピーダンス状態とされて出力動作が禁止されるため、実走査を開始する前に電荷転送部13-2に蓄積された残留電荷が画像信号出力OSとして出力されることはない。これにより、暗時(非走査期間中)に電荷転送部13-2に蓄積される残留電荷が暗時出力ノイズとなるのを低減できる。
【0032】
また、コントローラ13-3は、シフトクロックSHCKの2つ目のパルスを基準にして、CCDゲート制御出力信号Toutの第1パルスを生成するとともに、シフトクロックSHCKの3つ目のパルスを基準にして、CCDゲート制御出力信号Toutの第2パルスを生成し、次段のCCDイメージセンサ13bに出力する。
【0033】
図4は、図1に示した構成のCISM11において、CCDイメージセンサ13a,13b,13c,・・・,13oの動作タイミングを示すものである。
【0034】
図4に示すように、TG12から、まず、CCDイメージセンサ(CCD1)13aが走査の対象として選択されたことを示すチップ選択制御信号Gate1が出力される。すると、初段のCCDイメージセンサ13aは、そのチップ選択制御信号Gate1を、CCDゲート制御入力信号Tinとして取り込む。そして、先に説明した、シフト動作をともなわないカラ送り走査期間とシフト動作をともなう実走査期間とを含む2走査を実行する。すなわち、カラ送り走査期間中は、電荷転送部13-2への信号電荷のシフトを行わず、電荷転送部13-2内に蓄積されている残留電荷のみを、内部電荷転送クロックCK1’,CK2’によって水平転送(カラ送り)する。一方、実走査期間中は、電荷転送部13-2への信号電荷のシフトを行って、電荷転送部13-2内にシフトされた信号電荷を、内部電荷転送クロックCK1’,CK2’によって水平転送する。こうして、暗時出力ノイズの掃き出し後に、実走査による画像信号出力OSの読み出しが行われる。
【0035】
また、CCDイメージセンサ13aは、次段のCCDイメージセンサ(CCD2)13bに対して、CCDイメージセンサ13bが走査の対象として選択されたことを示すCCDゲート制御出力信号Toutを出力する。
【0036】
CCDイメージセンサ13bは、前段のCCDイメージセンサ13aからのCCDゲート制御出力信号Toutを、CCDゲート制御入力信号Tinとして取り込む。同様に、CCDイメージセンサ13bは、カラ送り走査期間と実走査期間とを含む2走査を実行する。また、次段のCCDイメージセンサ(CCD3)13cに対して、CCDイメージセンサ13cが走査の対象として選択されたことを示すCCDゲート制御出力信号Toutを出力する。
【0037】
こうして、最終的に、CCDイメージセンサ(CCD14)13nより、最終段のCCDイメージセンサ(CCD15)13oに対して、CCDイメージセンサ13oが走査の対象として選択されたことを示すCCDゲート制御出力信号Toutが出力される。これにより、CCDイメージセンサ13oは、カラ送り走査期間と実走査期間とを含む2走査を実行する。ただし、CCDイメージセンサ13oは最終段のため、次段のCCDイメージセンサに対するCCDゲート制御出力信号Toutの生成は行わない。
【0038】
上記したように、チップ選択制御信号(CCDゲート制御出力信号)を、実走査期間中のみでなく、実走査期間とカラ送り走査期間とを含む2走査期間中に与えるようにしている。すなわち、チップ選択制御信号として、シフト動作をともなう実走査期間の前に、シフト動作をともなわないカラ送りのための走査期間を設けるようにしている。しかも、直列に接続された複数のCCDイメージセンサにおいて、順次、同一のチップ選択制御信号を生成し、次段のCCDイメージセンサに供給するようにしている。これにより、走査の対象となるCCDイメージセンサだけを選択的に駆動できるようになるとともに、同様の制御がCISM全体で連続して行われることになる。したがって、個別に駆動される全てのCCDイメージセンサから、実走査の直前(カラ送り走査期間中)に、電荷転送部内の残留電荷を掃き出させることが可能となり、暗時出力ノイズの低減が図れるものである。特に、走査の対象外となるCCDイメージセンサのみでなく、走査の対象となるCCDイメージセンサに対しても、電荷転送期間外でのTGからの電荷転送クロックの供給を阻止するようにしている。このため、動作デューティ(ドライブ負荷)が低下し、同時に駆動されるCCDイメージセンサの個数に応じて増加する、電荷転送クロックの供給にともなうTGでの消費電流の抑制とともに、TGおよびCCDイメージセンサでの発熱の増加を抑えることが可能となる。よって、発熱にともなって増大する暗時出力ノイズをも低減できるようになるものである。
【0039】
なお、上記した実施形態において、チップ選択制御信号を含む、CCDゲート制御入力信号およびCCDゲート制御出力信号としては、カラ送り走査期間および実走査期間の各開始のタイミングをそれぞれ判断できればよいため、第1パルスおよび第2パルスの長さ(パルス幅)に捉われる必要はない。
【0040】
[第2の実施形態]
図5は、本発明の第2の実施形態にしたがった、CISMを構成する、CCDイメージセンサ(CCDチップ)の構成例を示すものである。本実施形態は、1走査目の走査の開始のタイミングを知ることによって、1走査目の内部電荷転送クロックCK1’,CK2’と2走査目の内部電荷転送クロックCK1’,CK2’とを生成するようにした場合の例であり、それ以外は第1の実施形態の場合と同様に、実走査期間の直前に、走査の対象となるCCDイメージセンサの電荷転送部に非走査期間内に蓄積された残留電荷を掃き出させることによって、消費電流の抑制と暗時出力ノイズの低減とを図るようにしたものである。なお、「直前」とは、CCDイメージセンサの選択から実走査が開始されるまでの期間(タイミング)を指す。
【0041】
図5に示すように、本実施形態のCCDイメージセンサ23は、フォトダイオード部23-1、電荷転送部23-2、コントローラ23-3、スイッチ部23-4、読み出し部23-5、OSゲート23-6、カウンタ23-7、および、R,G,BのLED(図示していない)などを有している。このような構成において、たとえば15個のCCDイメージセンサ23が直列に接続されることにより、図1に示したような、15チップ構成のCISMが実現される。
【0042】
図6は、15チップ構成のCISMとした場合を例に、その動作タイミングを示すものである。
【0043】
CCDイメージセンサ23が初段(CCD1)の場合、コントローラ23-3は、図示していないTGからのチップ選択制御信号を、CCDゲート制御入力信号Tinとして取り込む。CCDイメージセンサ23が初段でない場合、コントローラ23-3は、前段のCCDイメージセンサからのCCDゲート制御出力信号(チップ選択制御信号)Toutを、CCDゲート制御入力信号Tinとして取り込む。コントローラ23-3は、CCDゲート制御入力信号Tinのハイレベルにより、当該CCDイメージセンサ23が、走査の対象として選択されたことを判断する。
【0044】
一方、カウンタ23-7は、CCDゲート制御入力信号Tinがハイレベル(enable)の期間において、TGからのOSゲート制御信号(走査開始信号)GCKのパルス数をカウントする。このカウント値(カウンタ23-7の出力)は、コントローラ23-3に送られる。
【0045】
本実施形態の場合、CCDゲート制御入力信号Tinは、あるOSゲート制御信号GCKの立ち下がりのタイミングでハイレベルとなり、次のOSゲート制御信号GCKの立ち下がりのタイミングでロウレベルとなる。よって、コントローラ23-3は、カウンタ23-7の出力により、1走査目(カラ送り走査期間)の開始のタイミングを判別できる。たとえば、CCDゲート制御入力信号Tinがハイレベルのとき、OSゲート制御信号GCKが1カウントされることにより、1走査目の走査の開始のタイミングであると判別する。また、CCDゲート制御入力信号Tinがロウレベルのとき、OSゲート制御信号GCKが1カウントされることにより、2走査目(実走査期間)の走査の開始のタイミングであると判別する。
【0046】
したがって、1走査目の走査のタイミングで1走査目の内部電荷転送クロックCK1’,CK2’が、2走査目の走査のタイミングで2走査目の内部電荷転送クロックCK1’,CK2’が、それぞれ電荷転送部23-2へ出力されるように、スイッチ部23-4のスイッチングを制御する。また、シフト動作のタイミング(SHIFT信号)、および、OSゲート23-6がオン状態になってアナログデータバスADBに画像信号出力OSを送出するタイミング(OS Enable信号)などを制御する。その結果、第1の実施形態の場合と同様に、実走査の直前(カラ送り走査期間中)に、電荷転送部23-2内の残留電荷を掃き出させることが可能となり、消費電流および暗時出力ノイズの低減が図れる。なお、シフト動作のタイミング、および、画像信号出力OSの送出のタイミングは、第1の実施形態に示した通りである。
【0047】
また、コントローラ23-3は、次段のCCDイメージセンサのCCDゲート制御入力信号Tinとなる、1つ目のOSゲート制御信号GCKの立ち下がりのタイミングでハイレベルとなり、2つ目のOSゲート制御信号GCKの立ち下がりのタイミングでロウレベルとなる、CCDゲート制御出力信号Toutを生成し、それを次段のCCDイメージセンサに出力する。
【0048】
こうして、各CCDイメージセンサにおいて、1走査目の走査期間の終わりに、次段のCCDイメージセンサに1走査目の走査の開始のタイミングを伝える、CCDゲート制御出力信号Toutを生成することにより、走査の対象となるCCDイメージセンサだけを選択的に駆動できるようになるとともに、同様の制御がCISM全体で連続して行われることになる。
【0049】
すなわち、チップ選択制御信号Gate1がなくても、1走査目の走査の開始のタイミングさえ解れば、各CCDイメージセンサは、シフトクロックSHCKおよびOSゲート制御信号GCKを用いて、内部電荷転送クロックCK1’,CK2’、SHIFT信号、および、OS Enable信号を生成することができる。よって、第1の実施形態の場合と同様の効果が期待できる。
【0050】
なお、本実施形態では、カウンタを用いるようにした場合を例示しているが、他の構成とした場合にも、1走査目の走査の開始のタイミングを判別することは可能である。
【0051】
[第2の実施形態の応用例1]
図7は、本発明の第2の実施形態の応用例1にしたがった、CCDゲート制御出力信号(素子選択制御信号)Toutを生成する生成回路の構成例を示すものである。本応用例1では、CCDゲート制御入力信号Tinを、シフトクロックSHCKの立ち下がりのタイミングでハイレベルにし、その後の2回目のOSゲート制御信号GCKの立ち下りのタイミングでロウレベルにする場合を例に示している。
【0052】
図7において、生成回路33は、SHIFT信号が入力されるインバータ33a、このインバータ33aの出力がSET入力となるフリップフロップ(S/R FF)33b、OSゲート制御信号GCKが入力されるインバータ33c、CCDゲート制御入力信号Tinが入力されるインバータ33d、および、上記インバータ33c,33dの各出力と上記フリップフロップ33bのQ出力とがそれぞれ入力されるアンド回路33eを有している。このフリップフロップ33bのQ出力が、CCDゲート制御出力信号Toutとなる。また、アンド回路33eの出力は、上記フリップフロップ33bのRESET入力となる。なお、このRESET入力はエッジタイプのリセットである。
【0053】
図8は、生成回路33の動作タイミングを示すものである。たとえば、SHIFT信号は、CCDゲート制御入力信号Tinがハイレベルのときに、シフトクロックSHCKに応じてハイレベルとなる。これにより、フォトダイオード部23-1の信号電荷は、実走査期間の直前に電荷転送部23-2へとシフトされる。OS Enable信号は、CCDゲート制御入力信号TinをシフトクロックSHCKの立ち上がりのタイミングでラッチした信号Tin’を、さらに、OSゲート制御信号GCKの立ち上がりのタイミングでラッチすることにより、生成される。内部電荷転送クロックCK1’,CK2’は、CCDゲート制御入力信号Tinがハイレベルのときの、OSゲート制御信号GCKの立ち上がりのタイミングでハイレベルとなり、CCDゲート制御入力信号Tinがロウレベルのときの、OSゲート制御信号GCKの立ち上がりのタイミング(その後の2回目のOSゲート制御信号GCKの立ち上がりのタイミング)でロウレベルとなる。CCDゲート制御出力信号Toutは、CCDゲート制御入力信号Tinがハイレベルのときの、SHIFT信号の立ち下がりのタイミング(シフトクロックSHCKの立ち下がりのタイミング)でハイレベルとなり、CCDゲート制御出力信号Toutがハイレベルのとき、CCDゲート制御入力信号Tinがロウレベルのときの、OSゲート制御信号GCKの立ち下がりのタイミングでロウレベルとなる。
【0054】
本応用例1の場合、図中に※印で示す時点においては、CCDゲート制御入力信号Tinの立ち下がりが、OSゲート制御信号GCKの立ち下がりよりも後になるので、この時点で、CCDゲート制御出力信号Toutがロウレベルになることはない。
【0055】
上記の構成によっても、実走査期間の直前のカラ送り走査期間内において、走査期間外に電荷転送部23-2内に蓄積された残留電荷を掃き出させることが可能となり、暗時出力ノイズの低減が可能である。しかも、走査対象のCCDイメージセンサのみを選択的に駆動できるとともに、走査対象のCCDイメージセンサの電荷転送部23-2に対して、電荷転送期間内、つまり、カラ送り走査期間と実走査期間との間だけ、内部電荷転送クロックCK1’,CK2’の供給を可能としている。このため、他の走査対象でないCCDイメージセンサを含む、電荷転送部23-2への走査期間外の電荷転送クロックCK1,CK2の供給を止めることができ、TGの消費電流および発熱を抑制できる。同様に、CCDイメージセンサの消費電流および発熱をも抑制できる。
【0056】
すなわち、本応用例1によれば、消費電流を小さくしようと、走査対象のCCDイメージセンサのみを駆動する方式とした場合の、電荷転送部の残留電荷による暗時出力ノイズが大きくなるという問題を、単純な信号インタフェースの改良により解消できる。
【0057】
[第3の実施形態]
図9は、本発明の第3の実施形態にしたがった、MFPなどで使用される、CISMの基本構成を示すものである。ここでは、1つのTGと15個のCCDイメージセンサ(CCDチップ)とを有して構成される場合(15チップ構成のCISM)を例に説明する。特に、CCDイメージセンサが何番目に配置されたものであるかを認識させるための信号(アドレスパターン信号)を用いて、実走査期間の直前に、走査の対象となるCCDイメージセンサの電荷転送部に非走査期間内に蓄積された残留電荷を掃き出させることによって、消費電流の抑制と暗時出力ノイズの低減とを図るようにした場合の例であり、第1,第2の実施形態と異なる部分について説明する。
【0058】
本実施形態の場合、たとえば、CCDイメージセンサごとに固有のアドレスパターン信号(識別情報)を付し、アドレスパターン信号とシフトクロック(走査開始信号)SHCKのカウント値との比較により、CCDイメージセンサの選択と1走査目の走査および2走査目の走査の判別とが行われる。また、アドレスパターン信号は、たとえば、CISMの配線パターンのプルアップ、プルダウンにより作成される、4bitのデータ(CS1〜CS4)である。
【0059】
すなわち、このCISM11Aは、1つのTG12aに対して、15個のCCDイメージセンサ(CCD1〜CCD15)43a,43b,43c,・・・,43n,43oが並列に接続されている。TG12aには、外部のMFPシステム(図示していない)より走査開始パルスTRが供給される。TG12aから、各CCDイメージセンサ43a,43b,43c,・・・,43n,43oに対しては、シフトクロックSHCK、OS(出力)ゲート制御信号GCK、カウンタリセット信号ST、および、電荷転送クロックCK1,CK2が、それぞれ供給される。
【0060】
図10は、CCDイメージセンサ43a,43b,43c,・・・,43n,43oの構成例を示すものである。本実施形態の場合、CCDイメージセンサ43a,43b,43c,・・・,43n,43oはほぼ同一の構成を有するため、ここではCCDイメージセンサ43aを例に説明する。
【0061】
CCDイメージセンサ43aは、フォトダイオード部43-1、電荷転送部43-2、コントローラ43-3、スイッチ部43-4、読み出し部43-5、OSゲート43-6、カウンタ43-7、および、R,G,BのLED(図示していない)などを有している。
【0062】
電荷転送クロックCK1,CK2は、スイッチ部43-4に供給される。シフトクロックSHCKは、コントローラ43-3およびカウンタ43-7に供給される。OSゲート制御信号GCKおよびカウンタリセット信号STは、カウンタ43-7に供給される。カウンタ43-7のカウント値は、コントローラ43-3に供給される。
【0063】
コントローラ43-3は、アドレスパターン信号CS1〜CS4とカウンタ43-7からのシフトクロックSHCKのカウント値とを比較し、その比較結果に応じて、スイッチ部43-4のスイッチングを制御するSWITCH信号、シフト動作のためのSHIFT信号、および、OSゲート43-6をオン/オフ動作させるためのOS Enable信号を生成する。すなわち、アドレスパターン信号CS1〜CS4とシフトクロックSHCKのカウント値とが一致した場合に、コントローラ43-3は、当該CCDイメージセンサが走査の対象として選択されたことを判断する。
【0064】
図11は、CCDイメージセンサ43a,43b,43c,・・・,43n,43oのアドレスパターン信号の一例を示すものである。
【0065】
たとえば図11に示すように、CCDイメージセンサ(CCD1)43aにはアドレスパターン信号「0001」が、CCDイメージセンサ(CCD2)43bにはアドレスパターン信号「0010」が、CCDイメージセンサ(CCD3)43cにはアドレスパターン信号「0011」が、・・・、CCDイメージセンサ(CCD15)43oにはアドレスパターン信号「1111」が、順番に割り当てられる。
【0066】
図12は、上記したCISM11Aの動作タイミングを示すものである。まず、走査開始パルスTRの供給にともなって、TG12aより、各CCDイメージセンサ43a,43b,43c,・・・,43n,43oにカウンタリセット信号STが出力される。カウンタ43-7のカウント値がリセットされた後、TG12aからは、各CCDイメージセンサ43a,43b,43c,・・・,43n,43oにシフトクロックSHCKが供給される。すると、このシフトクロックSHCKのパルス数が、各CCDイメージセンサ43a,43b,43c,・・・,43n,43o内のカウンタ43-7でカウントされ、積算記憶される。そして、各コントローラ43-3において、そのカウント値が固有のアドレスパターン信号と比較される。
【0067】
通常、カウント値が自身のアドレスパターン信号と等しい場合、当該CCDイメージセンサが選択されたと判断し、1走査目の走査(カラ送り走査)を開始する。また、カウント値が自身のアドレスパターン信号よりも「1」だけ大きくなったときに、2走査目の走査(実走査)を開始する。まずは、カウント値「1」によって、アドレスパターン信号が「0001」である、初段のCCDイメージセンサ(CCD1)43aが選択されるとともに、1走査目である残留電荷掃き出し走査期間内に内部電荷転送クロックCK1’,CK2’が電荷転送部43-2に供給されるようにするための、SWITCH信号の生成が行われる。ついで、カウント値「2」によって、初段のCCDイメージセンサ(CCD1)43aにおいて、2走査目である実走査のための、SWITCH信号、SHIFT信号、OS Enable信号の生成が行われる。同時に、アドレスパターン信号が「0010」である、2段目のCCDイメージセンサ(CCD2)43bが選択されるとともに、1走査目である残留電荷掃き出し走査のための、SWITCH信号の生成が行われる。
【0068】
このように、CISM11Aにおいて、アドレスパターン信号により、走査の対象となるCCDイメージセンサだけを選択的に駆動できるようになるとともに、同様の制御がCISM全体で連続して行われることになる。すなわち、固有のアドレスパターン信号によるCCDイメージセンサの選択のみでなく、非選択のCCDイメージセンサに対する、電荷転送クロックCK1,CK2の遮断が可能となる。よって、第1の実施形態の場合と同様の効果が期待できる。
【0069】
なお、SWITCH信号によって内部電荷転送クロックCK1’,CK2’を電荷転送部43-2に供給するためにスイッチ部43-4をスイッチングするタイミング、SHIFT信号によってフォトダイオード部43-1内の信号電荷を電荷転送部43-2にシフトするシフト動作のタイミング、および、OS Enable信号によってOSゲート43-6をオンさせるタイミングは、全てのCCDイメージセンサ43a,43b,43c,・・・,43n,43oにおいて同様であり、第1,第2の実施形態に示した通りである。
【0070】
上記したように、本実施形態によっても、第1,第2の実施形態の場合と同様に、TGの消費電流および発熱を抑制できるとともに、CCDイメージセンサの消費電流および発熱をも抑制でき、消費電流および暗時出力ノイズの少ないCISMとすることが可能である。
【0071】
なお、アドレスパターン信号として4bit、2進数を用いたが、これに限らず、また、アドレスを認識する方法としては、たとえばグレイコードなどを用いることも可能である。
【0072】
[第4の実施形態]
図13は、本発明の第4の実施形態にしたがった、MFPなどで使用される、CISMの基本構成を示すものである。ここでは、1つのTGと15個のCCDイメージセンサ(CCDチップ)とを有して構成される場合(15チップ構成のCISM)を例に説明する。特に、CCDイメージセンサが何番目に配置されたものであるかを認識させるための信号(素子選択制御信号)を用いて、実走査期間の直前に、走査の対象となるCCDイメージセンサの電荷転送部に非走査期間内に蓄積された残留電荷を掃き出させることによって、消費電流の抑制と暗時出力ノイズの低減とを図るようにした場合の例であり、第1〜第3の実施形態と異なる部分について説明する。
【0073】
図13において、このCISM11Bは、1つのTG12bと15個のCCDイメージセンサ(CCD1,CCD2,CCD3,CCD4,・・・,CCD14,CCD15)53a,53b,53c,53d,・・・,53n,53oとを有している。CCDイメージセンサ53a,53b,53c,53d,・・・,53n,53oは、撮像面に対して横一列に配置(直列接続)されている。
【0074】
TG12bは、全てのCCDイメージセンサ53a,53b,53c,53d,・・・,53n,53oの駆動を制御するもので、各CCDイメージセンサ53a,53b,53c,53d,・・・,53n,53oに対して、シフトクロック(走査開始信号)SHCK、OS(出力)ゲート制御信号GCK、カウンタリセット信号ST0、および、電荷転送クロックCK1,CK2を供給する。
【0075】
また、TG12は、初段のCCDイメージセンサ(CCD1)53aに対してのみ、初段のCCDイメージセンサであることを示すアドレス認識信号(素子選択制御信号)CKXとして、たとえば「1パルス」を出力する。
【0076】
図14は、CCDイメージセンサ53a,53b,53c,53d,・・・,43n,43oの構成例を示すものである。本実施形態の場合、CCDイメージセンサ53a,53b,53c,53d,・・・,53n,53oはほぼ同一の構成を有するため、ここではCCDイメージセンサ53aを例に説明する。
【0077】
CCDイメージセンサ53aは、フォトダイオード部53-1、電荷転送部53-2、コントローラ53-3、スイッチ部53-4、読み出し部53-5、OSゲート53-6、カウンタ(1),(2)53-7,53-8、演算器(シフトレジスタ)53-9、および、R,G,BのLED(図示していない)などを有している。
【0078】
電荷転送クロックCK1,CK2は、スイッチ部53-4に供給される。シフトクロックSHCKは、カウンタ(2)53-8に供給される。OSゲート制御信号GCKは、カウンタ(2)53-8に供給される。カウンタリセット信号ST0は、カウンタ(1),(2)53-7,53-8に供給される。カウンタ(1)53-7のカウント値は、コントローラ53-3および演算器53-9に供給される。カウンタ(2)53-8のカウント値は、コントローラ53-3に供給される。
【0079】
カウンタ(1)53-7は、TG12bからのアドレス認識信号CKX(もしくは、前段のCCDイメージセンサからのアドレス認識信号CKXo)のパルス数をカウントするもので、カウンタ(2)53-8は、TG12bからのシフトクロックSHCKのパルス数をカウントする。
【0080】
コントローラ53-3は、カウンタ(1)53-7からのアドレス認識信号CKXのカウント値とカウンタ53-8からのシフトクロックSHCKのカウント値とを比較し、その比較結果に応じて、スイッチ部53-4のスイッチングを制御するSWITCH信号、シフト動作のためのSHIFT信号、および、OSゲート53-6をオン/オフ動作させるためのOS Enable信号を生成する。すなわち、アドレス認識信号CKXのカウント値とシフトクロックSHCKのカウント値とが一致した場合に、コントローラ53-3は、当該CCDイメージセンサが走査の対象として選択されたことを判断する。
【0081】
一方、演算器53-9は、カウンタ(1)53-7からのアドレス認識信号CKXのカウント値をもとに、次段のCCDイメージセンサに対して、「+1パルス」のアドレス認識信号CKXoを生成し、出力する。たとえば、走査対象がCCDイメージセンサ53aの場合には、次段のCCDイメージセンサ53bに対して「2パルス」のアドレス認識信号CKXoを、走査対象がCCDイメージセンサ53bの場合には、次段のCCDイメージセンサ53cに対して「3パルス」のアドレス認識信号CKXoを、走査対象がCCDイメージセンサ53cの場合には、次段のCCDイメージセンサ53dに対して「4パルス」のアドレス認識信号CKXoを、・・・、走査対象がCCDイメージセンサ53nの場合には、最終段のCCDイメージセンサ53oに対して「15パルス」のアドレス認識信号CKXoを、それぞれ出力する。
【0082】
図15は、上記したCISM11Bの動作タイミングを示すものである。まず、走査開始パルスTRの供給にともなって、TG12bより、各CCDイメージセンサ53a,53b,53c,53d,・・・,53n,53oにカウンタリセット信号ST0が出力される。カウンタ(1)53-7,(2)53-8のカウント値がリセットされた後、TG12bからは、CCDイメージセンサ53aに対して、「1パルス」のアドレス認識信号CKXが供給される。すると、この「1パルス」のアドレス認識信号CKXのパルス数が、CCDイメージセンサ53aのカウンタ(1)53-7によってカウントされる。
【0083】
一方、TG12bからは、各CCDイメージセンサ53a,53b,53c,53d,・・・,53n,53oにシフトクロックSHCKが供給される。このシフトクロックSHCKのパルス数が、各CCDイメージセンサ53a,53b,53c,53d,・・・,53n,53o内のカウンタ(2)53-8でカウントされ、積算記憶される。そして、各コントローラ53-3において、そのカウント値がカウンタ(1)53-7のカウント値であるアドレス認識信号CKXのパルス数と比較される。
【0084】
通常、カウント値が等しい場合、当該CCDイメージセンサが選択されたと判断し、1走査目の走査(カラ送り走査)を開始する。また、カウンタ(2)53-8のカウント値がカウンタ(1)53-7のカウント値よりも「1」だけ大きくなったときに、2走査目の走査(実走査)を開始する。
【0085】
まずは、パルス数が「1」のアドレス認識信号CKXとシフトクロックSHCKのカウント値「1」とによって、初段のCCDイメージセンサ(CCD1)53aが選択されるとともに、1走査目である残留電荷掃き出し走査期間内に内部電荷転送クロックCK1’,CK2’が電荷転送部53-2に供給されるようにするための、SWITCH信号の生成が行われる。また、シフトクロックSHCKのカウント値が「2」になる前に、演算部53-9より、次段のCCDイメージセンサ(CCD2)53bに対して、パルス数が「2」のアドレス認識信号CKXoが出力される。
【0086】
ついで、シフトクロックSHCKのカウント値「2(アドレス認識信号CKX+1)」によって、初段のCCDイメージセンサ(CCD1)53aにおいては、2走査目である実走査のための、SWITCH信号、SHIFT信号、OS Enable信号の生成が行われる。同時に、次段のCCDイメージセンサ(CCD2)53bにおいては、自身の選択とともに、1走査目である残留電荷掃き出し走査期間内に内部電荷転送クロックCK1’,CK2’が電荷転送部53-2に供給されるようにするための、SWITCH信号の生成が行われる。また、シフトクロックSHCKのカウント値が「3」になる前に、演算部53-9より、次段のCCDイメージセンサ(CCD3)53cに対して、パルス数が「3」のアドレス認識信号CKXoが出力される。
【0087】
こうして、最終的に、シフトクロックSHCKのカウント値「15」によって、CCDイメージセンサ(CCD14)53nにおいては、2走査目である実走査のための、SWITCH信号、SHIFT信号、OS Enable信号の生成が行われる。同時に、最終段のCCDイメージセンサ(CCD15)53oにおいては、自身の選択とともに、1走査目である残留電荷掃き出し走査期間内に内部電荷転送クロックCK1’,CK2’が電荷転送部53-2に供給されるようにするための、SWITCH信号の生成が行われる。
【0088】
ついで、シフトクロックSHCKのカウント値「16」によって、最終段のCCDイメージセンサ(CCD15)53oにおいては、2走査目である実走査のための、SWITCH信号、SHIFT信号、OS Enable信号の生成が行われる。ただし、CCDイメージセンサ(CCD15)53oは最終段のため、次段のCCDイメージセンサに対するアドレス認識信号CKXoは出力されない。
【0089】
このように、CISM11Bにおいて、アドレス認識信号により、走査の対象となるCCDイメージセンサだけを選択的に駆動できるようになるとともに、同様の制御がCISM全体で連続して行われることになる。すなわち、次段のCCDイメージセンサを順に選択しながら、実走査の直前に、残留電荷掃き出し走査を実施できるとともに、非選択のCCDイメージセンサに対する電荷転送クロックCK1,CK2の供給を遮断することが可能となる。よって、第1〜第3の実施形態の場合と同様の効果が期待できる。
【0090】
なお、SWITCH信号によって内部電荷転送クロックCK1’,CK2’を電荷転送部53-2に供給するためにスイッチ部53-4をスイッチングするタイミング、SHIFT信号によってフォトダイオード部53-1内の信号電荷を電荷転送部53-2にシフトするシフト動作のタイミング、および、OS Enable信号によってOSゲート53-6をオンさせるタイミングは、全てのCCDイメージセンサ53a,53b,53c,53d,・・・,53n,53oにおいて同様であり、第1〜第3の実施形態に示した通りである。
【0091】
上記したように、本実施形態によっても、第1〜第3の実施形態の場合と同様に、TGの消費電流および発熱を抑制できるとともに、CCDイメージセンサの消費電流および発熱をも抑制でき、消費電流および暗時出力ノイズの少ないCISMとすることが可能である。
【0092】
なお、アドレス認識信号CKXは、図15に示したように、各CCDイメージセンサをイニシャライズするタイミング(走査開始パルスTRの供給)ごとに出力されるものであってもよいし、電源投入時に1度だけ出力されるものであってもよい。また、アドレス認識信号CKXoは、次段のCCDイメージセンサにおいて、「+1」増加するといった規則性に制限されるものでもない。
【0093】
また、上記した各実施形態では、いずれも、15チップ構成のCISMを例に説明したが、これに限定されるものではない。
【0094】
また、CISMに限らず、パッケージ型のイメージセンサにも適用できる。
【0095】
さらに、スイッチ部は、アンドゲートによって構成することも可能である。
【0096】
その他、本願発明は、上記(各)実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、上記(各)実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。たとえば、(各)実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題(の少なくとも1つ)が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果(の少なくとも1つ)が得られる場合には、その構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の第1の実施形態にしたがった、CISMの構成例を示すブロック図。
【図2】図1に示したCISMにおいて、CCDイメージセンサの構成例を示す回路図。
【図3】図2に示したCCDイメージセンサを例に、CISMの動作を説明するために示すタイミングチャート。
【図4】図1に示したCISMの動作を説明するために示すタイミングチャート。
【図5】本発明の第2の実施形態にしたがった、CCDイメージセンサの構成例を示す回路図。
【図6】図5に示したCCDイメージセンサを例に、CISMの動作を説明するために示すタイミングチャート。
【図7】本発明の第2の実施形態の応用例1にしたがった、CCDゲート制御出力信号生成回路の構成例を示す回路図。
【図8】図7に示したCCDゲート制御出力信号生成回路の動作を説明するために示すタイミングチャート。
【図9】本発明の第3の実施形態にしたがった、CISMの構成例を示すブロック図。
【図10】図9に示したCISMにおいて、CCDイメージセンサの構成例を示す回路図。
【図11】CCDイメージセンサに割り付けられるアドレスパターン信号の一例を示す図。
【図12】図9に示したCISMの動作を説明するために示すタイミングチャート。
【図13】本発明の第4の実施形態にしたがった、CISMの構成例を示すブロック図。
【図14】図13に示したCISMにおいて、CCDイメージセンサの構成例を示す回路図。
【図15】図13に示したCISMの動作を説明するために示すタイミングチャート。
【符号の説明】
【0098】
11,11A,11B…CISM、12,12a,12b…TG、13a〜13o,23,43a〜43o,53a〜53o…CCDイメージセンサ、13-1,23-1,43-1,53-1…フォトダイオード部、13-2,23-2,43-2,53-2…電荷転送部、13-3,23-3,43-3,53-3…コントローラ、13-4,23-4,43-4,53-4…スイッチ部、13-6,23-6,43-6,53-6…OSゲート、23-7,43-7,53-7,53-8…カウンタ、53-9…演算器。
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像素子の駆動方法に関するもので、たとえば、MFP(Multi Function Periferal)などで使用される、密着型イメージセンサモジュール(Contact Image Sensor Module(以下、CISM))またはパッケージ型のイメージセンサに組み込まれる、1次元のCCD(Charged Coupled Device)イメージセンサの駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光信号を電気信号に置き換えることにより、撮像面に投影された像を電気的に読み出す撮像素子として、CCDイメージセンサが知られている。撮像面に配置された複数のCCDイメージセンサの駆動を、1つのTiming Generator(以下、TG)によって制御するようにしたのが、CISMである。
【0003】
CCDイメージセンサの場合、暗時にもかかわらず自然発生する電荷があり、これが暗時出力(ダークカレント)ノイズの原因となっている。そのため、従来のCISMでは、全てのCCDイメージセンサを同時に駆動して、暗時に電荷転送部に蓄積される残留電荷を掃き出させる(強制的に排出させる)ことによって、暗時出力ノイズの発生を抑えていた。
【0004】
しかしながら、全てのCCDイメージセンサを同時に駆動することで、大きな駆動電流(消費電流)が必要であり、TGの負荷も大きなものとなる。しかも、TGおよびCCDイメージセンサの発熱によって、CCDイメージセンサの特性である暗時出力ノイズが増大する傾向となり、暗時出力ノイズ低減策である“電荷掃き出し”の効果を減少させる要因となっていた。
【0005】
一方、CCDイメージセンサおよびTGの消費電流を抑えるため、実走査期間中のみ、走査の対象となるCCDイメージセンサを駆動する方式も考えられる。この方式の場合、たとえば、非走査期間中のCCDイメージセンサに対する、CCDイメージセンサでの電荷転送を制御するための、TGからのタイミング信号(CK1,CK2)の供給を遮断すればよい。ところが、タイミング信号(CK1,CK2)の供給を遮断するようにした場合、非走査期間中の電荷が電荷転送部に蓄積され、暗時出力ノイズが増大するという問題を有している。
【0006】
このように、従来のCISMにおいては、全てのCCDイメージセンサを同時に駆動することによる消費電流の増加、発熱の増加による暗時出力ノイズの増大を招く。これを避けるために、走査対象のCCDイメージセンサのみを駆動する方式を採用した場合にも、非走査期間中に残留電荷が蓄積し、暗時出力ノイズの増大を招く結果となっていた。
【0007】
なお、低消費電力の撮像素子として、画素電荷を水平方向に転送する水平転送部のブランキング期間中に水平転送クロックの供給を停止するようにした提案が既になされている(たとえば、特許文献1参照)。しかしながら、この提案は、複数の受光素子がマトリクス配列された受光部からの画素電荷を、垂直転送部を経て、水平転送部に転送する方式のものであって、CISMとは方式(構成)が異なる。しかも、水平転送クロックの停止時には、水平走査ブランキング期間中の画素電荷が水平転送部に蓄積されて、暗時出力ノイズが増大するといった同様の問題もある。
【特許文献1】特開2004−235691号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記の問題点を解決すべくなされたもので、消費電流を抑制できるとともに、暗時出力ノイズを低減させることが可能な撮像素子の駆動方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明の一態様によれば、撮像面に配置され、それぞれ直列に接続された複数の撮像素子を制御して、1つの画像を撮像するための撮像素子の駆動方法であって、前記複数の撮像素子のうち、初段の撮像素子に対して、2回の走査期間でそれぞれ有効となる第1走査開始信号および第2走査開始信号を含む素子選択制御信号を与え、前記素子選択制御信号によって選択された撮像素子に対して、前記第1走査開始信号に対応して、光信号を電気信号に変換する光電変換部で得た信号電荷の電荷転送部への転送、および、前記電荷転送部からの画像信号の出力を禁止し、前記素子選択制御信号によって選択された撮像素子に対して、前記第2走査開始信号に対応して、前記光電変換部で得た信号電荷の前記電荷転送部への転送、および、前記電荷転送部からの画像信号の出力を許可し、非選択とされた撮像素子の、前記電荷転送部での信号電荷の水平転送を禁止するとともに、前記素子選択制御信号によって選択された撮像素子より、前記第2走査開始信号に対応して、非選択状態にある次段の撮像素子に前記素子選択制御信号を出力させることを特徴とする撮像素子の駆動方法が提供される。
【0010】
また、本願発明の一態様によれば、撮像面に配置され、それぞれ直列に接続された複数の撮像素子を制御して、1つの画像を撮像するための撮像素子の駆動方法であって、前記複数の撮像素子のうち、初段の撮像素子に対して、当該撮像素子が選択されたことを示す素子選択制御信号を与え、前記素子選択制御信号によって選択された撮像素子に対して、第1の走査開始信号に対応して、光信号を電気信号に変換する光電変換部で得た信号電荷の電荷転送部への転送、および、前記電荷転送部からの画像信号の出力を禁止し、前記素子選択制御信号によって選択された撮像素子に対して、第2の走査開始信号に対応して、前記光電変換部で得た信号電荷の前記電荷転送部への転送、および、前記電荷転送部からの画像信号の出力を許可し、非選択とされた撮像素子の、前記電荷転送部での信号電荷の水平転送を禁止するとともに、前記素子選択制御信号によって選択された撮像素子より、前記第2の走査開始信号に対応して、非選択状態にある次段の撮像素子に前記素子選択制御信号を出力させることを特徴とする撮像素子の駆動方法が提供される。
【0011】
また、本願発明の一態様によれば、撮像面に配置され、それぞれ並列に接続された複数の撮像素子を制御して、1つの画像を撮像するための撮像素子の駆動方法であって、前記複数の撮像素子にそれぞれ固有の識別情報を割り当て、前記固有の識別情報と走査開始信号のカウント値との一致により、当該撮像素子が選択されたことを判断し、選択された前記撮像素子に対して、1回目の走査時には、光信号を電気信号に変換する光電変換部で得た信号電荷の電荷転送部への転送、および、前記電荷転送部からの画像信号の出力を禁止し、選択された前記撮像素子に対して、2回目の走査時には、前記光電変換部で得た信号電荷の前記電荷転送部への転送、および、前記電荷転送部からの画像信号の出力を許可するとともに、非選択とされた撮像素子の、前記電荷転送部での信号電荷の水平転送を禁止することを特徴とする撮像素子の駆動方法が提供される。
【0012】
さらに、本願発明の一態様によれば、撮像面に配置され、それぞれ直列に接続された複数の撮像素子を制御して、1つの画像を撮像するための撮像素子の駆動方法であって、前記複数の撮像素子のうち、初段の撮像素子に対して、カウント値に応じて当該撮像素子が選択されたことを示す素子選択制御信号を与え、前記素子選択制御信号のカウント値と走査開始信号のカウント値との一致により、当該撮像素子が選択されたことを判断し、選択された前記撮像素子に対して、1回目の走査時には、光信号を電気信号に変換する光電変換部で得た信号電荷の電荷転送部への転送、および、前記電荷転送部からの画像信号の出力を禁止し、選択された前記撮像素子に対して、2回目の走査時には、前記光電変換部で得た信号電荷の前記電荷転送部への転送、および、前記電荷転送部からの画像信号の出力を許可し、非選択とされた撮像素子の、前記電荷転送部での信号電荷の水平転送を禁止するとともに、選択された前記撮像素子より、非選択状態にある次段の撮像素子に対して、前記カウント値が“1”だけ変化する素子選択制御信号を出力させることを特徴とする撮像素子の駆動方法が提供される。
【発明の効果】
【0013】
上記の構成により、消費電流を抑制できるとともに、暗時出力ノイズを低減させることが可能な撮像素子の駆動方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。ただし、図面は模式的なものであり、各図面の寸法および比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面の相互間においても、互いの寸法の関係および/または比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。特に、以下に示すいくつかの実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための装置および方法を例示したものであって、構成部品の形状、構造、配置などによって、本発明の技術思想が特定されるものではない。この発明の技術思想は、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0015】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態にしたがった、MFPなどで使用される、CISMの基本構成を示すものである。ここでは、1つのTGと15個のCCDイメージセンサ(CCDチップ)とを有して構成される場合(15チップ構成のCISM)を例に説明する。特に、CCDイメージセンサを選択するためのチップ選択制御信号を用いて、実走査期間の直前に、走査の対象となるCCDイメージセンサの電荷転送部に非走査期間内に蓄積された残留電荷を掃き出させることによって、消費電流の抑制と暗時出力ノイズの低減とを図るようにした場合の例である。なお、「直前」とは、CCDイメージセンサの選択から実走査が開始されるまでの期間(タイミング)を指す。
【0016】
図1において、このCISM11は、1つのTG12と15個のCCDイメージセンサ(CCD1,CCD2,・・・,CCD14,CCD15)13a,13b,・・・,13n,13oとを有している。CCDイメージセンサ13a,13b,・・・,13n,13oは、いずれも、光信号を電気信号に置き換えることにより、撮像面に投影された像を電気的に読み出す1次元の撮像素子であって、撮像面に対して横一列に配置(直列接続)されている。CCDイメージセンサ13a,13b,・・・,13n,13oの詳細については、後述する。
【0017】
TG12は、全てのCCDイメージセンサ13a,13b,・・・,13n,13oの駆動を制御するもので、各CCDイメージセンサ13a,13b,・・・,13n,13oに対して、シフトクロック(走査開始信号)SHCK、OS(出力)ゲート制御信号GCK、および、電荷転送クロックCK1,CK2を供給する。シフトクロックSHCKは、1走査期間を規定するとともに、CCDイメージセンサ13a,13b,・・・,13n,13oのフォトダイオード部の信号電荷を電荷転送部にシフトさせる信号電荷シフト制御信号であり、OSゲート制御信号GCKは、CCDイメージセンサ13a,13b,・・・,13n,13oのOSゲートをハイインピーダンス(disable)状態から信号出力(enable)状態に制御するためのものである。電荷転送クロックCK1,CK2は、CCDイメージセンサ13a,13b,・・・,13n,13oの電荷転送部にシフトされた信号電荷を水平転送させるためのものである。
【0018】
また、TG12は、初段のCCDイメージセンサ(CCD1)13aに対してのみ、どのCCDイメージセンサを選択するかを示すチップ選択制御信号Gate1を出力する。本実施形態の場合、チップ選択制御信号Gate1は、2回分の走査期間(シフトクロックSHCKの2周期分)に対応し、各走査期間内に1度ずつ有効となるものとなっている。たとえば、チップ選択制御信号Gate1は、シフトクロックSHCKの1つ目のパルスに応じた電荷掃き出し(カラ送り走査)のための第1パルス(1走査目開始信号)と、2つ目のパルスに応じた実走査(スキャン)のための第2パルス(2走査目開始信号)と、からなっている。このチップ選択制御信号Gate1は、TG12において、基準パルス信号(たとえば、走査開始パルスTR)を繰り返し分周し、適当なパルス幅を有する2種類のパルス信号の論理和を求めることによって生成される。
【0019】
すなわち、TG12は、たとえば、外部のMFPシステム(図示していない)より供給される走査開始パルスTRをもとに、上記シフトクロックSHCK、上記OSゲート制御信号GCK、上記電荷転送クロックCK1,CK2、および、上記チップ選択制御信号Gate1の生成(出力)を制御する。
【0020】
なお、CISM11の基板内には、アナログデータバス(@CISM)ADBが設けられている。このアナログデータバスADBは、電源Vddと接地Vssとの間に直列に接続された、エミッタフォロア接続のNPNトランジスタTr1と抵抗素子r1とを有している。このアナログデータバスADBを介して供給される、各CCDイメージセンサ13a,13b,・・・,13n,13oからの画像信号出力OSが、CISM出力(複数の画像信号をつなぎ合わせた1つの画像)として、NPNトランジスタTr1と抵抗素子r1との接続点より外部に取り出される。
【0021】
図2は、CCDイメージセンサ13a,13b,・・・,13n,13oの構成例を示すものである。本実施形態の場合、CCDイメージセンサ13a,13b,・・・,13n,13oは同一の構成を有するため、ここではCCDイメージセンサ13aを例に説明する。
【0022】
CCDイメージセンサ13aは、フォトダイオード部(光電変換部)13-1、電荷転送部13-2、コントローラ13-3、スイッチ部13-4、読み出し部13-5、OSゲート13-6、および、R,G,BのLED(図示していない)などを有している。
【0023】
フォトダイオード部13-1は、走査時に光信号を電気信号に変換し、得た信号電荷を電荷転送部13-2にシフト(電荷転送)するものである。電荷転送部13-2は、フォトダイオード部13-1からの信号電荷を水平転送し、読み出し部13-5に出力するものである。読み出し部13-5は、電荷転送部13-2からの信号電荷を増幅するものである。OSゲート13-6は、読み出し部13-5からの増幅出力を、画像信号出力OSとして、アナログデータバスADB上に送出するものである。
【0024】
コントローラ13-3は、CCDゲート制御入力信号Tinをゲート入力とするフリップフロップ(FF)回路によって構成されるもので、たとえば、TG12からの、シフトクロックSHCKおよびOSゲート制御信号GCKと、前段のCCDイメージセンサからのCCDゲート制御入力信号Tinと、を取り込んで、SHIFT信号、OS Enable信号、SWITCH信号、および、次段のCCDイメージセンサのCCDゲート制御入力信号TinとなるCCDゲート制御出力信号Toutを生成するものである。
【0025】
本実施形態の場合、各CCDイメージセンサ13a,13b,・・・,13n,13oは、取り込んだ前段のCCDイメージセンサからのCCDゲート制御入力信号Tinを、そのまま次段のCCDイメージセンサに対するCCDゲート制御出力信号Toutとして出力するようになっている。
【0026】
なお、初段のCCDイメージセンサ13aに与えられるCCDゲート制御入力信号Tinは、TG12からのチップ選択制御信号Gate1である。
【0027】
スイッチ部13-4は、コントローラ13-3からのSWITCH信号に応じて、TG12からの電荷転送クロックCK1,CK2の電荷転送部13-2への供給を制御(スイッチング)するもので、電荷転送期間外の電荷転送部13-2に対する電荷転送クロックCK1,CK2の供給を遮断する。すなわち、電荷転送部13-2に対しては、CCDゲート制御入力信号Tinをもとに生成されるSWITCH信号にしたがって、電荷転送期間内のみ、スイッチ部13-4より内部電荷転送クロックCK1’,CK2’が供給される。
【0028】
図3は、CCDイメージセンサ13aを例に、CISM11の動作タイミングを示すものである。たとえば、走査開始パルスTRの入力を受けて、TG12により、シフトクロックSHCK、OSゲート制御信号GCK、電荷転送クロックCK1,CK2、および、チップ選択制御信号Gate1が生成される。本実施形態では、シフトクロックSHCKの1つ目のパルスの立ち上がりのタイミングで、チップ選択制御信号Gate1の第1パルス(ハイレベル)が生成され、シフトクロックSHCKの2つ目のパルスの立ち上がりのタイミングで、チップ選択制御信号Gate1の第2パルス(ハイレベル)が生成される。第1パルスは、OSゲート制御信号GCKの1つ目のパルスの立ち下がりのタイミングでロウレベルとなり、第2パルスは、シフトクロックSHCKの3つ目のパルスの立ち上がりのタイミングでロウレベルとなる。これにより、CCDイメージセンサ13aでの電荷転送動作が、2走査目の実走査期間中と、その直前の、1走査目である残留電荷掃き出し走査期間(カラ送り走査期間)中のみとされる。
【0029】
これに対し、CCDイメージセンサ13aは、コントローラ13-3において、チップ選択制御信号Gate1をもとにSWITCH信号を生成し、スイッチ部13-4のスイッチングのタイミングを制御する。SWITCH信号は、電荷転送期間内のみ、電荷転送部13-2に内部電荷転送クロックCK1’,CK2’が供給されるようにするためのものである。すなわち、SWITCH信号は、たとえば、シフトクロックSHCKおよびチップ選択制御信号Gate1の第1パルスがともにハイレベルのとき、シフトクロックSHCKがハイレベルの間だけハイレベルとなる。また、SWITCH信号は、シフトクロックSHCKおよびチップ選択制御信号Gate1の第2パルスがともにハイレベルのときにハイレベルとなって、第2パルスがハイレベルの間だけハイレベルのままとなる。これにより、非走査対象のCCDイメージセンサ13b,・・・,13n,13oはもとより、走査対象のCCDイメージセンサ13aの電荷転送部13-2に対する、電荷転送期間外の電荷転送クロックCK1’,CK2’の供給が阻止される。その結果、実走査期間中およびカラ送り走査期間中を除く、電荷転送不要期間中の電荷転送クロックCK1,CK2の供給にともなう、TG12およびCCDイメージセンサ13a(13b,・・・,13n,13o)での消費電流および発熱の増加を抑制することが可能となる。
【0030】
また、コントローラ13-3は、実走査期間にともなって、SHIFT信号およびOS Enable信号を生成する。SHIFT信号は、シフトクロックSHCKおよびチップ選択制御信号Gate1がともにハイレベルのとき、シフトクロックSHCKがハイレベルの間だけハイレベルとなる。これにより、フォトダイオード部13-1の信号電荷を電荷転送部13-2にシフトさせるシフト動作が、実走査の直前に行われる。本来、シフトクロックSHCKは、フォトダイオード部13-1の信号電荷を電荷転送部13-2にシフトさせるための信号であるが、このSHIFT信号によって、カラ送り走査期間中はシフト動作が行われず、実走査期間の直前にだけシフト動作が行われる。
【0031】
OS Enable信号は、チップ選択制御信号Gate1がハイレベルのときに、OSゲート制御信号GCKの立ち上がりのタイミングでハイレベルとなり、チップ選択制御信号Gate1がハイレベルの間はハイレベルとなる。これにより、実走査期間内は、OSゲート13-6がオン(enable)状態となり、アナログデータバスADBへの画像信号出力OSの送出が可能とされる。すなわち、カラ送り走査期間中は、内部電荷転送クロックCK1’,CK2’によって電荷が電荷転送部13-2を水平転送されるものの、OSゲート13-6がハイインピーダンス状態とされて出力動作が禁止されるため、実走査を開始する前に電荷転送部13-2に蓄積された残留電荷が画像信号出力OSとして出力されることはない。これにより、暗時(非走査期間中)に電荷転送部13-2に蓄積される残留電荷が暗時出力ノイズとなるのを低減できる。
【0032】
また、コントローラ13-3は、シフトクロックSHCKの2つ目のパルスを基準にして、CCDゲート制御出力信号Toutの第1パルスを生成するとともに、シフトクロックSHCKの3つ目のパルスを基準にして、CCDゲート制御出力信号Toutの第2パルスを生成し、次段のCCDイメージセンサ13bに出力する。
【0033】
図4は、図1に示した構成のCISM11において、CCDイメージセンサ13a,13b,13c,・・・,13oの動作タイミングを示すものである。
【0034】
図4に示すように、TG12から、まず、CCDイメージセンサ(CCD1)13aが走査の対象として選択されたことを示すチップ選択制御信号Gate1が出力される。すると、初段のCCDイメージセンサ13aは、そのチップ選択制御信号Gate1を、CCDゲート制御入力信号Tinとして取り込む。そして、先に説明した、シフト動作をともなわないカラ送り走査期間とシフト動作をともなう実走査期間とを含む2走査を実行する。すなわち、カラ送り走査期間中は、電荷転送部13-2への信号電荷のシフトを行わず、電荷転送部13-2内に蓄積されている残留電荷のみを、内部電荷転送クロックCK1’,CK2’によって水平転送(カラ送り)する。一方、実走査期間中は、電荷転送部13-2への信号電荷のシフトを行って、電荷転送部13-2内にシフトされた信号電荷を、内部電荷転送クロックCK1’,CK2’によって水平転送する。こうして、暗時出力ノイズの掃き出し後に、実走査による画像信号出力OSの読み出しが行われる。
【0035】
また、CCDイメージセンサ13aは、次段のCCDイメージセンサ(CCD2)13bに対して、CCDイメージセンサ13bが走査の対象として選択されたことを示すCCDゲート制御出力信号Toutを出力する。
【0036】
CCDイメージセンサ13bは、前段のCCDイメージセンサ13aからのCCDゲート制御出力信号Toutを、CCDゲート制御入力信号Tinとして取り込む。同様に、CCDイメージセンサ13bは、カラ送り走査期間と実走査期間とを含む2走査を実行する。また、次段のCCDイメージセンサ(CCD3)13cに対して、CCDイメージセンサ13cが走査の対象として選択されたことを示すCCDゲート制御出力信号Toutを出力する。
【0037】
こうして、最終的に、CCDイメージセンサ(CCD14)13nより、最終段のCCDイメージセンサ(CCD15)13oに対して、CCDイメージセンサ13oが走査の対象として選択されたことを示すCCDゲート制御出力信号Toutが出力される。これにより、CCDイメージセンサ13oは、カラ送り走査期間と実走査期間とを含む2走査を実行する。ただし、CCDイメージセンサ13oは最終段のため、次段のCCDイメージセンサに対するCCDゲート制御出力信号Toutの生成は行わない。
【0038】
上記したように、チップ選択制御信号(CCDゲート制御出力信号)を、実走査期間中のみでなく、実走査期間とカラ送り走査期間とを含む2走査期間中に与えるようにしている。すなわち、チップ選択制御信号として、シフト動作をともなう実走査期間の前に、シフト動作をともなわないカラ送りのための走査期間を設けるようにしている。しかも、直列に接続された複数のCCDイメージセンサにおいて、順次、同一のチップ選択制御信号を生成し、次段のCCDイメージセンサに供給するようにしている。これにより、走査の対象となるCCDイメージセンサだけを選択的に駆動できるようになるとともに、同様の制御がCISM全体で連続して行われることになる。したがって、個別に駆動される全てのCCDイメージセンサから、実走査の直前(カラ送り走査期間中)に、電荷転送部内の残留電荷を掃き出させることが可能となり、暗時出力ノイズの低減が図れるものである。特に、走査の対象外となるCCDイメージセンサのみでなく、走査の対象となるCCDイメージセンサに対しても、電荷転送期間外でのTGからの電荷転送クロックの供給を阻止するようにしている。このため、動作デューティ(ドライブ負荷)が低下し、同時に駆動されるCCDイメージセンサの個数に応じて増加する、電荷転送クロックの供給にともなうTGでの消費電流の抑制とともに、TGおよびCCDイメージセンサでの発熱の増加を抑えることが可能となる。よって、発熱にともなって増大する暗時出力ノイズをも低減できるようになるものである。
【0039】
なお、上記した実施形態において、チップ選択制御信号を含む、CCDゲート制御入力信号およびCCDゲート制御出力信号としては、カラ送り走査期間および実走査期間の各開始のタイミングをそれぞれ判断できればよいため、第1パルスおよび第2パルスの長さ(パルス幅)に捉われる必要はない。
【0040】
[第2の実施形態]
図5は、本発明の第2の実施形態にしたがった、CISMを構成する、CCDイメージセンサ(CCDチップ)の構成例を示すものである。本実施形態は、1走査目の走査の開始のタイミングを知ることによって、1走査目の内部電荷転送クロックCK1’,CK2’と2走査目の内部電荷転送クロックCK1’,CK2’とを生成するようにした場合の例であり、それ以外は第1の実施形態の場合と同様に、実走査期間の直前に、走査の対象となるCCDイメージセンサの電荷転送部に非走査期間内に蓄積された残留電荷を掃き出させることによって、消費電流の抑制と暗時出力ノイズの低減とを図るようにしたものである。なお、「直前」とは、CCDイメージセンサの選択から実走査が開始されるまでの期間(タイミング)を指す。
【0041】
図5に示すように、本実施形態のCCDイメージセンサ23は、フォトダイオード部23-1、電荷転送部23-2、コントローラ23-3、スイッチ部23-4、読み出し部23-5、OSゲート23-6、カウンタ23-7、および、R,G,BのLED(図示していない)などを有している。このような構成において、たとえば15個のCCDイメージセンサ23が直列に接続されることにより、図1に示したような、15チップ構成のCISMが実現される。
【0042】
図6は、15チップ構成のCISMとした場合を例に、その動作タイミングを示すものである。
【0043】
CCDイメージセンサ23が初段(CCD1)の場合、コントローラ23-3は、図示していないTGからのチップ選択制御信号を、CCDゲート制御入力信号Tinとして取り込む。CCDイメージセンサ23が初段でない場合、コントローラ23-3は、前段のCCDイメージセンサからのCCDゲート制御出力信号(チップ選択制御信号)Toutを、CCDゲート制御入力信号Tinとして取り込む。コントローラ23-3は、CCDゲート制御入力信号Tinのハイレベルにより、当該CCDイメージセンサ23が、走査の対象として選択されたことを判断する。
【0044】
一方、カウンタ23-7は、CCDゲート制御入力信号Tinがハイレベル(enable)の期間において、TGからのOSゲート制御信号(走査開始信号)GCKのパルス数をカウントする。このカウント値(カウンタ23-7の出力)は、コントローラ23-3に送られる。
【0045】
本実施形態の場合、CCDゲート制御入力信号Tinは、あるOSゲート制御信号GCKの立ち下がりのタイミングでハイレベルとなり、次のOSゲート制御信号GCKの立ち下がりのタイミングでロウレベルとなる。よって、コントローラ23-3は、カウンタ23-7の出力により、1走査目(カラ送り走査期間)の開始のタイミングを判別できる。たとえば、CCDゲート制御入力信号Tinがハイレベルのとき、OSゲート制御信号GCKが1カウントされることにより、1走査目の走査の開始のタイミングであると判別する。また、CCDゲート制御入力信号Tinがロウレベルのとき、OSゲート制御信号GCKが1カウントされることにより、2走査目(実走査期間)の走査の開始のタイミングであると判別する。
【0046】
したがって、1走査目の走査のタイミングで1走査目の内部電荷転送クロックCK1’,CK2’が、2走査目の走査のタイミングで2走査目の内部電荷転送クロックCK1’,CK2’が、それぞれ電荷転送部23-2へ出力されるように、スイッチ部23-4のスイッチングを制御する。また、シフト動作のタイミング(SHIFT信号)、および、OSゲート23-6がオン状態になってアナログデータバスADBに画像信号出力OSを送出するタイミング(OS Enable信号)などを制御する。その結果、第1の実施形態の場合と同様に、実走査の直前(カラ送り走査期間中)に、電荷転送部23-2内の残留電荷を掃き出させることが可能となり、消費電流および暗時出力ノイズの低減が図れる。なお、シフト動作のタイミング、および、画像信号出力OSの送出のタイミングは、第1の実施形態に示した通りである。
【0047】
また、コントローラ23-3は、次段のCCDイメージセンサのCCDゲート制御入力信号Tinとなる、1つ目のOSゲート制御信号GCKの立ち下がりのタイミングでハイレベルとなり、2つ目のOSゲート制御信号GCKの立ち下がりのタイミングでロウレベルとなる、CCDゲート制御出力信号Toutを生成し、それを次段のCCDイメージセンサに出力する。
【0048】
こうして、各CCDイメージセンサにおいて、1走査目の走査期間の終わりに、次段のCCDイメージセンサに1走査目の走査の開始のタイミングを伝える、CCDゲート制御出力信号Toutを生成することにより、走査の対象となるCCDイメージセンサだけを選択的に駆動できるようになるとともに、同様の制御がCISM全体で連続して行われることになる。
【0049】
すなわち、チップ選択制御信号Gate1がなくても、1走査目の走査の開始のタイミングさえ解れば、各CCDイメージセンサは、シフトクロックSHCKおよびOSゲート制御信号GCKを用いて、内部電荷転送クロックCK1’,CK2’、SHIFT信号、および、OS Enable信号を生成することができる。よって、第1の実施形態の場合と同様の効果が期待できる。
【0050】
なお、本実施形態では、カウンタを用いるようにした場合を例示しているが、他の構成とした場合にも、1走査目の走査の開始のタイミングを判別することは可能である。
【0051】
[第2の実施形態の応用例1]
図7は、本発明の第2の実施形態の応用例1にしたがった、CCDゲート制御出力信号(素子選択制御信号)Toutを生成する生成回路の構成例を示すものである。本応用例1では、CCDゲート制御入力信号Tinを、シフトクロックSHCKの立ち下がりのタイミングでハイレベルにし、その後の2回目のOSゲート制御信号GCKの立ち下りのタイミングでロウレベルにする場合を例に示している。
【0052】
図7において、生成回路33は、SHIFT信号が入力されるインバータ33a、このインバータ33aの出力がSET入力となるフリップフロップ(S/R FF)33b、OSゲート制御信号GCKが入力されるインバータ33c、CCDゲート制御入力信号Tinが入力されるインバータ33d、および、上記インバータ33c,33dの各出力と上記フリップフロップ33bのQ出力とがそれぞれ入力されるアンド回路33eを有している。このフリップフロップ33bのQ出力が、CCDゲート制御出力信号Toutとなる。また、アンド回路33eの出力は、上記フリップフロップ33bのRESET入力となる。なお、このRESET入力はエッジタイプのリセットである。
【0053】
図8は、生成回路33の動作タイミングを示すものである。たとえば、SHIFT信号は、CCDゲート制御入力信号Tinがハイレベルのときに、シフトクロックSHCKに応じてハイレベルとなる。これにより、フォトダイオード部23-1の信号電荷は、実走査期間の直前に電荷転送部23-2へとシフトされる。OS Enable信号は、CCDゲート制御入力信号TinをシフトクロックSHCKの立ち上がりのタイミングでラッチした信号Tin’を、さらに、OSゲート制御信号GCKの立ち上がりのタイミングでラッチすることにより、生成される。内部電荷転送クロックCK1’,CK2’は、CCDゲート制御入力信号Tinがハイレベルのときの、OSゲート制御信号GCKの立ち上がりのタイミングでハイレベルとなり、CCDゲート制御入力信号Tinがロウレベルのときの、OSゲート制御信号GCKの立ち上がりのタイミング(その後の2回目のOSゲート制御信号GCKの立ち上がりのタイミング)でロウレベルとなる。CCDゲート制御出力信号Toutは、CCDゲート制御入力信号Tinがハイレベルのときの、SHIFT信号の立ち下がりのタイミング(シフトクロックSHCKの立ち下がりのタイミング)でハイレベルとなり、CCDゲート制御出力信号Toutがハイレベルのとき、CCDゲート制御入力信号Tinがロウレベルのときの、OSゲート制御信号GCKの立ち下がりのタイミングでロウレベルとなる。
【0054】
本応用例1の場合、図中に※印で示す時点においては、CCDゲート制御入力信号Tinの立ち下がりが、OSゲート制御信号GCKの立ち下がりよりも後になるので、この時点で、CCDゲート制御出力信号Toutがロウレベルになることはない。
【0055】
上記の構成によっても、実走査期間の直前のカラ送り走査期間内において、走査期間外に電荷転送部23-2内に蓄積された残留電荷を掃き出させることが可能となり、暗時出力ノイズの低減が可能である。しかも、走査対象のCCDイメージセンサのみを選択的に駆動できるとともに、走査対象のCCDイメージセンサの電荷転送部23-2に対して、電荷転送期間内、つまり、カラ送り走査期間と実走査期間との間だけ、内部電荷転送クロックCK1’,CK2’の供給を可能としている。このため、他の走査対象でないCCDイメージセンサを含む、電荷転送部23-2への走査期間外の電荷転送クロックCK1,CK2の供給を止めることができ、TGの消費電流および発熱を抑制できる。同様に、CCDイメージセンサの消費電流および発熱をも抑制できる。
【0056】
すなわち、本応用例1によれば、消費電流を小さくしようと、走査対象のCCDイメージセンサのみを駆動する方式とした場合の、電荷転送部の残留電荷による暗時出力ノイズが大きくなるという問題を、単純な信号インタフェースの改良により解消できる。
【0057】
[第3の実施形態]
図9は、本発明の第3の実施形態にしたがった、MFPなどで使用される、CISMの基本構成を示すものである。ここでは、1つのTGと15個のCCDイメージセンサ(CCDチップ)とを有して構成される場合(15チップ構成のCISM)を例に説明する。特に、CCDイメージセンサが何番目に配置されたものであるかを認識させるための信号(アドレスパターン信号)を用いて、実走査期間の直前に、走査の対象となるCCDイメージセンサの電荷転送部に非走査期間内に蓄積された残留電荷を掃き出させることによって、消費電流の抑制と暗時出力ノイズの低減とを図るようにした場合の例であり、第1,第2の実施形態と異なる部分について説明する。
【0058】
本実施形態の場合、たとえば、CCDイメージセンサごとに固有のアドレスパターン信号(識別情報)を付し、アドレスパターン信号とシフトクロック(走査開始信号)SHCKのカウント値との比較により、CCDイメージセンサの選択と1走査目の走査および2走査目の走査の判別とが行われる。また、アドレスパターン信号は、たとえば、CISMの配線パターンのプルアップ、プルダウンにより作成される、4bitのデータ(CS1〜CS4)である。
【0059】
すなわち、このCISM11Aは、1つのTG12aに対して、15個のCCDイメージセンサ(CCD1〜CCD15)43a,43b,43c,・・・,43n,43oが並列に接続されている。TG12aには、外部のMFPシステム(図示していない)より走査開始パルスTRが供給される。TG12aから、各CCDイメージセンサ43a,43b,43c,・・・,43n,43oに対しては、シフトクロックSHCK、OS(出力)ゲート制御信号GCK、カウンタリセット信号ST、および、電荷転送クロックCK1,CK2が、それぞれ供給される。
【0060】
図10は、CCDイメージセンサ43a,43b,43c,・・・,43n,43oの構成例を示すものである。本実施形態の場合、CCDイメージセンサ43a,43b,43c,・・・,43n,43oはほぼ同一の構成を有するため、ここではCCDイメージセンサ43aを例に説明する。
【0061】
CCDイメージセンサ43aは、フォトダイオード部43-1、電荷転送部43-2、コントローラ43-3、スイッチ部43-4、読み出し部43-5、OSゲート43-6、カウンタ43-7、および、R,G,BのLED(図示していない)などを有している。
【0062】
電荷転送クロックCK1,CK2は、スイッチ部43-4に供給される。シフトクロックSHCKは、コントローラ43-3およびカウンタ43-7に供給される。OSゲート制御信号GCKおよびカウンタリセット信号STは、カウンタ43-7に供給される。カウンタ43-7のカウント値は、コントローラ43-3に供給される。
【0063】
コントローラ43-3は、アドレスパターン信号CS1〜CS4とカウンタ43-7からのシフトクロックSHCKのカウント値とを比較し、その比較結果に応じて、スイッチ部43-4のスイッチングを制御するSWITCH信号、シフト動作のためのSHIFT信号、および、OSゲート43-6をオン/オフ動作させるためのOS Enable信号を生成する。すなわち、アドレスパターン信号CS1〜CS4とシフトクロックSHCKのカウント値とが一致した場合に、コントローラ43-3は、当該CCDイメージセンサが走査の対象として選択されたことを判断する。
【0064】
図11は、CCDイメージセンサ43a,43b,43c,・・・,43n,43oのアドレスパターン信号の一例を示すものである。
【0065】
たとえば図11に示すように、CCDイメージセンサ(CCD1)43aにはアドレスパターン信号「0001」が、CCDイメージセンサ(CCD2)43bにはアドレスパターン信号「0010」が、CCDイメージセンサ(CCD3)43cにはアドレスパターン信号「0011」が、・・・、CCDイメージセンサ(CCD15)43oにはアドレスパターン信号「1111」が、順番に割り当てられる。
【0066】
図12は、上記したCISM11Aの動作タイミングを示すものである。まず、走査開始パルスTRの供給にともなって、TG12aより、各CCDイメージセンサ43a,43b,43c,・・・,43n,43oにカウンタリセット信号STが出力される。カウンタ43-7のカウント値がリセットされた後、TG12aからは、各CCDイメージセンサ43a,43b,43c,・・・,43n,43oにシフトクロックSHCKが供給される。すると、このシフトクロックSHCKのパルス数が、各CCDイメージセンサ43a,43b,43c,・・・,43n,43o内のカウンタ43-7でカウントされ、積算記憶される。そして、各コントローラ43-3において、そのカウント値が固有のアドレスパターン信号と比較される。
【0067】
通常、カウント値が自身のアドレスパターン信号と等しい場合、当該CCDイメージセンサが選択されたと判断し、1走査目の走査(カラ送り走査)を開始する。また、カウント値が自身のアドレスパターン信号よりも「1」だけ大きくなったときに、2走査目の走査(実走査)を開始する。まずは、カウント値「1」によって、アドレスパターン信号が「0001」である、初段のCCDイメージセンサ(CCD1)43aが選択されるとともに、1走査目である残留電荷掃き出し走査期間内に内部電荷転送クロックCK1’,CK2’が電荷転送部43-2に供給されるようにするための、SWITCH信号の生成が行われる。ついで、カウント値「2」によって、初段のCCDイメージセンサ(CCD1)43aにおいて、2走査目である実走査のための、SWITCH信号、SHIFT信号、OS Enable信号の生成が行われる。同時に、アドレスパターン信号が「0010」である、2段目のCCDイメージセンサ(CCD2)43bが選択されるとともに、1走査目である残留電荷掃き出し走査のための、SWITCH信号の生成が行われる。
【0068】
このように、CISM11Aにおいて、アドレスパターン信号により、走査の対象となるCCDイメージセンサだけを選択的に駆動できるようになるとともに、同様の制御がCISM全体で連続して行われることになる。すなわち、固有のアドレスパターン信号によるCCDイメージセンサの選択のみでなく、非選択のCCDイメージセンサに対する、電荷転送クロックCK1,CK2の遮断が可能となる。よって、第1の実施形態の場合と同様の効果が期待できる。
【0069】
なお、SWITCH信号によって内部電荷転送クロックCK1’,CK2’を電荷転送部43-2に供給するためにスイッチ部43-4をスイッチングするタイミング、SHIFT信号によってフォトダイオード部43-1内の信号電荷を電荷転送部43-2にシフトするシフト動作のタイミング、および、OS Enable信号によってOSゲート43-6をオンさせるタイミングは、全てのCCDイメージセンサ43a,43b,43c,・・・,43n,43oにおいて同様であり、第1,第2の実施形態に示した通りである。
【0070】
上記したように、本実施形態によっても、第1,第2の実施形態の場合と同様に、TGの消費電流および発熱を抑制できるとともに、CCDイメージセンサの消費電流および発熱をも抑制でき、消費電流および暗時出力ノイズの少ないCISMとすることが可能である。
【0071】
なお、アドレスパターン信号として4bit、2進数を用いたが、これに限らず、また、アドレスを認識する方法としては、たとえばグレイコードなどを用いることも可能である。
【0072】
[第4の実施形態]
図13は、本発明の第4の実施形態にしたがった、MFPなどで使用される、CISMの基本構成を示すものである。ここでは、1つのTGと15個のCCDイメージセンサ(CCDチップ)とを有して構成される場合(15チップ構成のCISM)を例に説明する。特に、CCDイメージセンサが何番目に配置されたものであるかを認識させるための信号(素子選択制御信号)を用いて、実走査期間の直前に、走査の対象となるCCDイメージセンサの電荷転送部に非走査期間内に蓄積された残留電荷を掃き出させることによって、消費電流の抑制と暗時出力ノイズの低減とを図るようにした場合の例であり、第1〜第3の実施形態と異なる部分について説明する。
【0073】
図13において、このCISM11Bは、1つのTG12bと15個のCCDイメージセンサ(CCD1,CCD2,CCD3,CCD4,・・・,CCD14,CCD15)53a,53b,53c,53d,・・・,53n,53oとを有している。CCDイメージセンサ53a,53b,53c,53d,・・・,53n,53oは、撮像面に対して横一列に配置(直列接続)されている。
【0074】
TG12bは、全てのCCDイメージセンサ53a,53b,53c,53d,・・・,53n,53oの駆動を制御するもので、各CCDイメージセンサ53a,53b,53c,53d,・・・,53n,53oに対して、シフトクロック(走査開始信号)SHCK、OS(出力)ゲート制御信号GCK、カウンタリセット信号ST0、および、電荷転送クロックCK1,CK2を供給する。
【0075】
また、TG12は、初段のCCDイメージセンサ(CCD1)53aに対してのみ、初段のCCDイメージセンサであることを示すアドレス認識信号(素子選択制御信号)CKXとして、たとえば「1パルス」を出力する。
【0076】
図14は、CCDイメージセンサ53a,53b,53c,53d,・・・,43n,43oの構成例を示すものである。本実施形態の場合、CCDイメージセンサ53a,53b,53c,53d,・・・,53n,53oはほぼ同一の構成を有するため、ここではCCDイメージセンサ53aを例に説明する。
【0077】
CCDイメージセンサ53aは、フォトダイオード部53-1、電荷転送部53-2、コントローラ53-3、スイッチ部53-4、読み出し部53-5、OSゲート53-6、カウンタ(1),(2)53-7,53-8、演算器(シフトレジスタ)53-9、および、R,G,BのLED(図示していない)などを有している。
【0078】
電荷転送クロックCK1,CK2は、スイッチ部53-4に供給される。シフトクロックSHCKは、カウンタ(2)53-8に供給される。OSゲート制御信号GCKは、カウンタ(2)53-8に供給される。カウンタリセット信号ST0は、カウンタ(1),(2)53-7,53-8に供給される。カウンタ(1)53-7のカウント値は、コントローラ53-3および演算器53-9に供給される。カウンタ(2)53-8のカウント値は、コントローラ53-3に供給される。
【0079】
カウンタ(1)53-7は、TG12bからのアドレス認識信号CKX(もしくは、前段のCCDイメージセンサからのアドレス認識信号CKXo)のパルス数をカウントするもので、カウンタ(2)53-8は、TG12bからのシフトクロックSHCKのパルス数をカウントする。
【0080】
コントローラ53-3は、カウンタ(1)53-7からのアドレス認識信号CKXのカウント値とカウンタ53-8からのシフトクロックSHCKのカウント値とを比較し、その比較結果に応じて、スイッチ部53-4のスイッチングを制御するSWITCH信号、シフト動作のためのSHIFT信号、および、OSゲート53-6をオン/オフ動作させるためのOS Enable信号を生成する。すなわち、アドレス認識信号CKXのカウント値とシフトクロックSHCKのカウント値とが一致した場合に、コントローラ53-3は、当該CCDイメージセンサが走査の対象として選択されたことを判断する。
【0081】
一方、演算器53-9は、カウンタ(1)53-7からのアドレス認識信号CKXのカウント値をもとに、次段のCCDイメージセンサに対して、「+1パルス」のアドレス認識信号CKXoを生成し、出力する。たとえば、走査対象がCCDイメージセンサ53aの場合には、次段のCCDイメージセンサ53bに対して「2パルス」のアドレス認識信号CKXoを、走査対象がCCDイメージセンサ53bの場合には、次段のCCDイメージセンサ53cに対して「3パルス」のアドレス認識信号CKXoを、走査対象がCCDイメージセンサ53cの場合には、次段のCCDイメージセンサ53dに対して「4パルス」のアドレス認識信号CKXoを、・・・、走査対象がCCDイメージセンサ53nの場合には、最終段のCCDイメージセンサ53oに対して「15パルス」のアドレス認識信号CKXoを、それぞれ出力する。
【0082】
図15は、上記したCISM11Bの動作タイミングを示すものである。まず、走査開始パルスTRの供給にともなって、TG12bより、各CCDイメージセンサ53a,53b,53c,53d,・・・,53n,53oにカウンタリセット信号ST0が出力される。カウンタ(1)53-7,(2)53-8のカウント値がリセットされた後、TG12bからは、CCDイメージセンサ53aに対して、「1パルス」のアドレス認識信号CKXが供給される。すると、この「1パルス」のアドレス認識信号CKXのパルス数が、CCDイメージセンサ53aのカウンタ(1)53-7によってカウントされる。
【0083】
一方、TG12bからは、各CCDイメージセンサ53a,53b,53c,53d,・・・,53n,53oにシフトクロックSHCKが供給される。このシフトクロックSHCKのパルス数が、各CCDイメージセンサ53a,53b,53c,53d,・・・,53n,53o内のカウンタ(2)53-8でカウントされ、積算記憶される。そして、各コントローラ53-3において、そのカウント値がカウンタ(1)53-7のカウント値であるアドレス認識信号CKXのパルス数と比較される。
【0084】
通常、カウント値が等しい場合、当該CCDイメージセンサが選択されたと判断し、1走査目の走査(カラ送り走査)を開始する。また、カウンタ(2)53-8のカウント値がカウンタ(1)53-7のカウント値よりも「1」だけ大きくなったときに、2走査目の走査(実走査)を開始する。
【0085】
まずは、パルス数が「1」のアドレス認識信号CKXとシフトクロックSHCKのカウント値「1」とによって、初段のCCDイメージセンサ(CCD1)53aが選択されるとともに、1走査目である残留電荷掃き出し走査期間内に内部電荷転送クロックCK1’,CK2’が電荷転送部53-2に供給されるようにするための、SWITCH信号の生成が行われる。また、シフトクロックSHCKのカウント値が「2」になる前に、演算部53-9より、次段のCCDイメージセンサ(CCD2)53bに対して、パルス数が「2」のアドレス認識信号CKXoが出力される。
【0086】
ついで、シフトクロックSHCKのカウント値「2(アドレス認識信号CKX+1)」によって、初段のCCDイメージセンサ(CCD1)53aにおいては、2走査目である実走査のための、SWITCH信号、SHIFT信号、OS Enable信号の生成が行われる。同時に、次段のCCDイメージセンサ(CCD2)53bにおいては、自身の選択とともに、1走査目である残留電荷掃き出し走査期間内に内部電荷転送クロックCK1’,CK2’が電荷転送部53-2に供給されるようにするための、SWITCH信号の生成が行われる。また、シフトクロックSHCKのカウント値が「3」になる前に、演算部53-9より、次段のCCDイメージセンサ(CCD3)53cに対して、パルス数が「3」のアドレス認識信号CKXoが出力される。
【0087】
こうして、最終的に、シフトクロックSHCKのカウント値「15」によって、CCDイメージセンサ(CCD14)53nにおいては、2走査目である実走査のための、SWITCH信号、SHIFT信号、OS Enable信号の生成が行われる。同時に、最終段のCCDイメージセンサ(CCD15)53oにおいては、自身の選択とともに、1走査目である残留電荷掃き出し走査期間内に内部電荷転送クロックCK1’,CK2’が電荷転送部53-2に供給されるようにするための、SWITCH信号の生成が行われる。
【0088】
ついで、シフトクロックSHCKのカウント値「16」によって、最終段のCCDイメージセンサ(CCD15)53oにおいては、2走査目である実走査のための、SWITCH信号、SHIFT信号、OS Enable信号の生成が行われる。ただし、CCDイメージセンサ(CCD15)53oは最終段のため、次段のCCDイメージセンサに対するアドレス認識信号CKXoは出力されない。
【0089】
このように、CISM11Bにおいて、アドレス認識信号により、走査の対象となるCCDイメージセンサだけを選択的に駆動できるようになるとともに、同様の制御がCISM全体で連続して行われることになる。すなわち、次段のCCDイメージセンサを順に選択しながら、実走査の直前に、残留電荷掃き出し走査を実施できるとともに、非選択のCCDイメージセンサに対する電荷転送クロックCK1,CK2の供給を遮断することが可能となる。よって、第1〜第3の実施形態の場合と同様の効果が期待できる。
【0090】
なお、SWITCH信号によって内部電荷転送クロックCK1’,CK2’を電荷転送部53-2に供給するためにスイッチ部53-4をスイッチングするタイミング、SHIFT信号によってフォトダイオード部53-1内の信号電荷を電荷転送部53-2にシフトするシフト動作のタイミング、および、OS Enable信号によってOSゲート53-6をオンさせるタイミングは、全てのCCDイメージセンサ53a,53b,53c,53d,・・・,53n,53oにおいて同様であり、第1〜第3の実施形態に示した通りである。
【0091】
上記したように、本実施形態によっても、第1〜第3の実施形態の場合と同様に、TGの消費電流および発熱を抑制できるとともに、CCDイメージセンサの消費電流および発熱をも抑制でき、消費電流および暗時出力ノイズの少ないCISMとすることが可能である。
【0092】
なお、アドレス認識信号CKXは、図15に示したように、各CCDイメージセンサをイニシャライズするタイミング(走査開始パルスTRの供給)ごとに出力されるものであってもよいし、電源投入時に1度だけ出力されるものであってもよい。また、アドレス認識信号CKXoは、次段のCCDイメージセンサにおいて、「+1」増加するといった規則性に制限されるものでもない。
【0093】
また、上記した各実施形態では、いずれも、15チップ構成のCISMを例に説明したが、これに限定されるものではない。
【0094】
また、CISMに限らず、パッケージ型のイメージセンサにも適用できる。
【0095】
さらに、スイッチ部は、アンドゲートによって構成することも可能である。
【0096】
その他、本願発明は、上記(各)実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、上記(各)実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。たとえば、(各)実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題(の少なくとも1つ)が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果(の少なくとも1つ)が得られる場合には、その構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の第1の実施形態にしたがった、CISMの構成例を示すブロック図。
【図2】図1に示したCISMにおいて、CCDイメージセンサの構成例を示す回路図。
【図3】図2に示したCCDイメージセンサを例に、CISMの動作を説明するために示すタイミングチャート。
【図4】図1に示したCISMの動作を説明するために示すタイミングチャート。
【図5】本発明の第2の実施形態にしたがった、CCDイメージセンサの構成例を示す回路図。
【図6】図5に示したCCDイメージセンサを例に、CISMの動作を説明するために示すタイミングチャート。
【図7】本発明の第2の実施形態の応用例1にしたがった、CCDゲート制御出力信号生成回路の構成例を示す回路図。
【図8】図7に示したCCDゲート制御出力信号生成回路の動作を説明するために示すタイミングチャート。
【図9】本発明の第3の実施形態にしたがった、CISMの構成例を示すブロック図。
【図10】図9に示したCISMにおいて、CCDイメージセンサの構成例を示す回路図。
【図11】CCDイメージセンサに割り付けられるアドレスパターン信号の一例を示す図。
【図12】図9に示したCISMの動作を説明するために示すタイミングチャート。
【図13】本発明の第4の実施形態にしたがった、CISMの構成例を示すブロック図。
【図14】図13に示したCISMにおいて、CCDイメージセンサの構成例を示す回路図。
【図15】図13に示したCISMの動作を説明するために示すタイミングチャート。
【符号の説明】
【0098】
11,11A,11B…CISM、12,12a,12b…TG、13a〜13o,23,43a〜43o,53a〜53o…CCDイメージセンサ、13-1,23-1,43-1,53-1…フォトダイオード部、13-2,23-2,43-2,53-2…電荷転送部、13-3,23-3,43-3,53-3…コントローラ、13-4,23-4,43-4,53-4…スイッチ部、13-6,23-6,43-6,53-6…OSゲート、23-7,43-7,53-7,53-8…カウンタ、53-9…演算器。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像面に配置され、それぞれ直列に接続された複数の撮像素子を制御して、1つの画像を撮像するための撮像素子の駆動方法であって、
前記複数の撮像素子のうち、初段の撮像素子に対して、2回の走査期間でそれぞれ有効となる第1走査開始信号および第2走査開始信号を含む素子選択制御信号を与え、
前記素子選択制御信号によって選択された撮像素子に対して、前記第1走査開始信号に対応して、光信号を電気信号に変換する光電変換部で得た信号電荷の電荷転送部への転送、および、前記電荷転送部からの画像信号の出力を禁止し、
前記素子選択制御信号によって選択された撮像素子に対して、前記第2走査開始信号に対応して、前記光電変換部で得た信号電荷の前記電荷転送部への転送、および、前記電荷転送部からの画像信号の出力を許可し、
非選択とされた撮像素子の、前記電荷転送部での信号電荷の水平転送を禁止するとともに、
前記素子選択制御信号によって選択された撮像素子より、前記第2走査開始信号に対応して、非選択状態にある次段の撮像素子に前記素子選択制御信号を出力させる
ことを特徴とする撮像素子の駆動方法。
【請求項2】
撮像面に配置され、それぞれ直列に接続された複数の撮像素子を制御して、1つの画像を撮像するための撮像素子の駆動方法であって、
前記複数の撮像素子のうち、初段の撮像素子に対して、当該撮像素子が選択されたことを示す素子選択制御信号を与え、
前記素子選択制御信号によって選択された撮像素子に対して、第1の走査開始信号に対応して、光信号を電気信号に変換する光電変換部で得た信号電荷の電荷転送部への転送、および、前記電荷転送部からの画像信号の出力を禁止し、
前記素子選択制御信号によって選択された撮像素子に対して、第2の走査開始信号に対応して、前記光電変換部で得た信号電荷の前記電荷転送部への転送、および、前記電荷転送部からの画像信号の出力を許可し、
非選択とされた撮像素子の、前記電荷転送部での信号電荷の水平転送を禁止するとともに、
前記素子選択制御信号によって選択された撮像素子より、前記第2の走査開始信号に対応して、非選択状態にある次段の撮像素子に前記素子選択制御信号を出力させる
ことを特徴とする撮像素子の駆動方法。
【請求項3】
撮像面に配置され、それぞれ並列に接続された複数の撮像素子を制御して、1つの画像を撮像するための撮像素子の駆動方法であって、
前記複数の撮像素子にそれぞれ固有の識別情報を割り当て、
前記固有の識別情報と走査開始信号のカウント値との一致により、当該撮像素子が選択されたことを判断し、
選択された前記撮像素子に対して、1回目の走査時には、光信号を電気信号に変換する光電変換部で得た信号電荷の電荷転送部への転送、および、前記電荷転送部からの画像信号の出力を禁止し、
選択された前記撮像素子に対して、2回目の走査時には、前記光電変換部で得た信号電荷の前記電荷転送部への転送、および、前記電荷転送部からの画像信号の出力を許可するとともに、
非選択とされた撮像素子の、前記電荷転送部での信号電荷の水平転送を禁止する
ことを特徴とする撮像素子の駆動方法。
【請求項4】
撮像面に配置され、それぞれ直列に接続された複数の撮像素子を制御して、1つの画像を撮像するための撮像素子の駆動方法であって、
前記複数の撮像素子のうち、初段の撮像素子に対して、カウント値に応じて当該撮像素子が選択されたことを示す素子選択制御信号を与え、
前記素子選択制御信号のカウント値と走査開始信号のカウント値との一致により、当該撮像素子が選択されたことを判断し、
選択された前記撮像素子に対して、1回目の走査時には、光信号を電気信号に変換する光電変換部で得た信号電荷の電荷転送部への転送、および、前記電荷転送部からの画像信号の出力を禁止し、
選択された前記撮像素子に対して、2回目の走査時には、前記光電変換部で得た信号電荷の前記電荷転送部への転送、および、前記電荷転送部からの画像信号の出力を許可し、
非選択とされた撮像素子の、前記電荷転送部での信号電荷の水平転送を禁止するとともに、
選択された前記撮像素子より、非選択状態にある次段の撮像素子に対して、前記カウント値が“1”だけ変化する素子選択制御信号を出力させる
ことを特徴とする撮像素子の駆動方法。
【請求項5】
選択された前記撮像素子の、前記電荷転送部での信号電荷の水平転送は、前記電荷転送部に対する電荷転送クロックの供給を制御することにより、走査時のみ許可されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の撮像素子の駆動方法。
【請求項1】
撮像面に配置され、それぞれ直列に接続された複数の撮像素子を制御して、1つの画像を撮像するための撮像素子の駆動方法であって、
前記複数の撮像素子のうち、初段の撮像素子に対して、2回の走査期間でそれぞれ有効となる第1走査開始信号および第2走査開始信号を含む素子選択制御信号を与え、
前記素子選択制御信号によって選択された撮像素子に対して、前記第1走査開始信号に対応して、光信号を電気信号に変換する光電変換部で得た信号電荷の電荷転送部への転送、および、前記電荷転送部からの画像信号の出力を禁止し、
前記素子選択制御信号によって選択された撮像素子に対して、前記第2走査開始信号に対応して、前記光電変換部で得た信号電荷の前記電荷転送部への転送、および、前記電荷転送部からの画像信号の出力を許可し、
非選択とされた撮像素子の、前記電荷転送部での信号電荷の水平転送を禁止するとともに、
前記素子選択制御信号によって選択された撮像素子より、前記第2走査開始信号に対応して、非選択状態にある次段の撮像素子に前記素子選択制御信号を出力させる
ことを特徴とする撮像素子の駆動方法。
【請求項2】
撮像面に配置され、それぞれ直列に接続された複数の撮像素子を制御して、1つの画像を撮像するための撮像素子の駆動方法であって、
前記複数の撮像素子のうち、初段の撮像素子に対して、当該撮像素子が選択されたことを示す素子選択制御信号を与え、
前記素子選択制御信号によって選択された撮像素子に対して、第1の走査開始信号に対応して、光信号を電気信号に変換する光電変換部で得た信号電荷の電荷転送部への転送、および、前記電荷転送部からの画像信号の出力を禁止し、
前記素子選択制御信号によって選択された撮像素子に対して、第2の走査開始信号に対応して、前記光電変換部で得た信号電荷の前記電荷転送部への転送、および、前記電荷転送部からの画像信号の出力を許可し、
非選択とされた撮像素子の、前記電荷転送部での信号電荷の水平転送を禁止するとともに、
前記素子選択制御信号によって選択された撮像素子より、前記第2の走査開始信号に対応して、非選択状態にある次段の撮像素子に前記素子選択制御信号を出力させる
ことを特徴とする撮像素子の駆動方法。
【請求項3】
撮像面に配置され、それぞれ並列に接続された複数の撮像素子を制御して、1つの画像を撮像するための撮像素子の駆動方法であって、
前記複数の撮像素子にそれぞれ固有の識別情報を割り当て、
前記固有の識別情報と走査開始信号のカウント値との一致により、当該撮像素子が選択されたことを判断し、
選択された前記撮像素子に対して、1回目の走査時には、光信号を電気信号に変換する光電変換部で得た信号電荷の電荷転送部への転送、および、前記電荷転送部からの画像信号の出力を禁止し、
選択された前記撮像素子に対して、2回目の走査時には、前記光電変換部で得た信号電荷の前記電荷転送部への転送、および、前記電荷転送部からの画像信号の出力を許可するとともに、
非選択とされた撮像素子の、前記電荷転送部での信号電荷の水平転送を禁止する
ことを特徴とする撮像素子の駆動方法。
【請求項4】
撮像面に配置され、それぞれ直列に接続された複数の撮像素子を制御して、1つの画像を撮像するための撮像素子の駆動方法であって、
前記複数の撮像素子のうち、初段の撮像素子に対して、カウント値に応じて当該撮像素子が選択されたことを示す素子選択制御信号を与え、
前記素子選択制御信号のカウント値と走査開始信号のカウント値との一致により、当該撮像素子が選択されたことを判断し、
選択された前記撮像素子に対して、1回目の走査時には、光信号を電気信号に変換する光電変換部で得た信号電荷の電荷転送部への転送、および、前記電荷転送部からの画像信号の出力を禁止し、
選択された前記撮像素子に対して、2回目の走査時には、前記光電変換部で得た信号電荷の前記電荷転送部への転送、および、前記電荷転送部からの画像信号の出力を許可し、
非選択とされた撮像素子の、前記電荷転送部での信号電荷の水平転送を禁止するとともに、
選択された前記撮像素子より、非選択状態にある次段の撮像素子に対して、前記カウント値が“1”だけ変化する素子選択制御信号を出力させる
ことを特徴とする撮像素子の駆動方法。
【請求項5】
選択された前記撮像素子の、前記電荷転送部での信号電荷の水平転送は、前記電荷転送部に対する電荷転送クロックの供給を制御することにより、走査時のみ許可されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の撮像素子の駆動方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−119020(P2010−119020A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−292218(P2008−292218)
【出願日】平成20年11月14日(2008.11.14)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(301063496)東芝ソリューション株式会社 (1,478)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月14日(2008.11.14)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(301063496)東芝ソリューション株式会社 (1,478)
【Fターム(参考)】
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