説明

撮像装置、および、撮像装置の制御方法

【課題】撮像装置における測距の効率を向上させる。
【解決手段】撮像装置は、制御装置および補助光レンズを具備する。制御装置は、撮影レンズの画角に応じた領域において予め設定されている複数の候補領域の中から撮影対象までの距離を測定するための領域を測距領域として選択する。補助光レンズは、測距領域において距離が測定される撮影対象に補助光を照射する。制御装置は、前記補助光が照射された前記撮影対象までの距離を測距領域において測定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、撮像装置、および、撮像装置の制御方法に関する。詳しくは、撮影対象までの距離を測定する撮像装置、および、その撮像装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
撮像装置には、自動的に焦点を合わせる機能、いわゆるAF(Auto Focus)機能が搭載されることが多い。このAF機能において距離を測定する方式は、アクティブ方式とパッシブ方式とに分けられる。アクティブ方式は、撮影対象に赤外線または超音波を照射し、それを照射してから反射波が戻るまでの時間と照射角度とから距離を測定する方式である。一方、パッシブ方式は、撮影対象の明るさを測光して位相差やコントラストを検出することにより距離を測定する方式である。このパッシブ方式を用いる場合、暗い場所では位相差やコントラストの検出が困難となるため、撮像装置は、補助光と呼ばれる光を撮影対象に照射する光源を備えることが多い。
【0003】
ここで、バッテリーで駆動する撮像装置においては、動作時間を長く確保するために、撮像装置の消費電力量の低減が要求されることが多い。そこで、補助光の光源に複数の発光素子を備える場合に、撮影画角や撮影距離に応じてそれらの発光体の点灯数を変えることにより、消費電力量を抑える撮像装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。具体的には、この撮像装置は、撮影画角が小さくなるほど発光体の点灯数を減らすように制御している。また、この撮像装置は、撮影距離が短くなるほど発光体の点灯数が少なくなるように制御している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−126611号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の従来技術では、非効率な測距が行われるおそれがあった。すなわち、パッシブ方式では、画面内の一部の撮影対象のみが測距の対象とされることがあるが、その場合であっても、上述の撮像装置は、撮影画角または撮影距離が変更されない限り、発光体の点灯数を変更しない。この結果、測距されない撮影対象にも補助光が照射されて、その分の電力が無駄に消費され、測距の効率が低下していた。
【0006】
本技術はこのような状況に鑑みて生み出されたものであり、撮像装置における測距の効率を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本技術は、上述の問題点を解消するためになされたものであり、その第1の側面は、撮影レンズの画角に応じた領域において予め設定されている複数の候補領域の中から撮影対象までの距離を測定するための領域を測距領域として選択する測距領域選択部と、上記測距領域において距離が測定される上記撮影対象に補助光を照射する照射部と、上記補助光が照射された上記撮影対象までの距離を上記測距領域において測定する測距部とを具備する撮像装置、および、その撮像装置の制御方法である。これにより、選択された測距領域において距離が測定される撮影対象に補助光が照射されるという作用をもたらす。
【0008】
また、この第1の側面において、上記補助光を照射するレンズである補助光レンズの画角を制御して上記撮影レンズの画角に一致させる補助光レンズ画角制御部をさらに具備してもよい。これにより、補助光レンズの画角が、撮影レンズの画角に一致するという作用をもたらす。
【0009】
また、この第1の側面において、上記補助光レンズ画角制御部は、撮影画素の領域のサイズに対する上記補助光が生成される領域のサイズの比率と上記撮影レンズの焦点距離に対する上記補助光レンズの焦点距離の比率とが同一になるように上記補助光レンズの焦点距離を調整することにより上記補助光レンズの画角を上記撮影レンズの画角に一致させてもよい。これにより、撮影画素の領域のサイズに対する補助光が生成される領域のサイズの比率と撮影レンズの焦点距離に対する補助光レンズの焦点距離の比率とが同一になるように上記補助光レンズの焦点距離が調整されるという作用をもたらす。
【0010】
また、この第1の側面において、上記照射部は、上記複数の候補領域に対応付けた複数の発光体の発光により上記補助光を生成する発光部と、上記複数の発光体のうち上記選択された候補領域に対応する発光体を発光させる発光制御部とを備えてもよい。これにより、複数の発光体のうち選択された候補領域に対応する発光体が発光するという作用をもたらす。
【0011】
また、この第1の側面において、上記照射部は、上記補助光レンズの鏡筒内において上記発光部からの上記補助光を屈曲させてから上記撮影対象に照射してもよい。これにより、補助光レンズの鏡筒内において補助光が屈曲してから照射されるという作用をもたらす。
【0012】
また、この第1の側面において、上記測定された距離に合焦する合焦制御部をさらに具備してもよい。これにより、撮影対象までの距離に合焦されるという作用をもたらす。
【0013】
また、この第1の側面において、上記撮影レンズの画角に応じた領域において所定の対象物を検出する対象物検出部をさらに具備し、上記測距領域設定部は、上記複数の候補領域の中から上記対象物が検出された領域に設定されている候補領域を上記測距領域として選択してもよい。これにより、対象物が検出された領域に設定されている候補領域が測距領域として選択されるという作用をもたらす。
【発明の効果】
【0014】
本技術によれば、撮像装置における測距の効率が向上するという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1の実施の形態における撮像装置の一構成例を示すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態における制御装置の機能構成例を示す図である。
【図3】第1の実施の形態における撮像装置の正面図の一例である。
【図4】第1の実施の形態における撮像装置を側面から見た場合の内部機構例を示す図である。
【図5】第1の実施の形態における撮影倍率について説明するための図である。
【図6】第1の実施の形態における撮影レンズの画角と補助光レンズの画角との関係を説明するための図である。
【図7】第1の実施の形態における焦点距離およびイメージエリアの寸法と画角との関係を説明するための図である。
【図8】第1の実施の形態における撮影レンズの画角と補助光レンズの画角とが一致した状態の一例を示す図である。
【図9】第1の実施の形態における候補領域と発光体との配置の一例を示す図である。
【図10】第1の実施の形態における測距領域と発光体との関係の一例を示す図である。
【図11】第1の実施の形態における発光部の一構成例を示す図である。
【図12】第1の実施の形態における撮像装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図13】第1の実施の形態における変形例の撮像装置を側面または上面から見た場合の内部機構例を示す図である。
【図14】第2の実施の形態における制御装置の一構成例を示すブロック図である。
【図15】第2の実施の形態における撮像装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本技術を実施するための形態(以下、実施の形態と称する)について説明する。説明は以下の順序により行う。
1.第1の実施の形態(選択された測距領域にのみ補助光を照射する例)
2.第2の実施の形態(顔の領域に設定された測距領域を選択する例)
【0017】
<1.第1の実施の形態>
[撮像装置の構成例]
図1は、第1の実施の形態における撮像装置100の一構成例を示すブロック図である。この撮像装置100は、操作部110、バス111、信号処理回路112、画像メモリ113、媒体インターフェース114、記録媒体115、ディスプレイ制御部116、ディスプレイ117、制御装置200、および、カメラ部300を備える。
【0018】
制御装置200は、撮像装置100全体を制御するものであり、処理部201およびメモリ202を備える。カメラ部300は、撮影対象を撮像して画像データを生成するものである。このカメラ部300は、ドライバ310、320、340および351と、撮影レンズ311と、補助光レンズ321と、測光センサ330と、発光部341と、タイミング生成回路350と、撮像素子352と、前処理回路353とを備える。
【0019】
操作部110は、タッチパネルやボタンなどに対するユーザの操作に応じて操作信号を生成し、制御装置200にバス111を介して出力するものである。この操作信号には、シャッターボタンを操作する信号や、ズーム倍率および測距領域を選択する信号が含まれる。ここで、測距領域は、撮影レンズ311の画角に応じた領域において、測光により撮影対象までの距離を測定するために使用される領域である。そして、撮影レンズ311の画角に応じた領域とは、より具体的には、撮影レンズ311の画角に応じて決定された撮影領域であり、例えば、ファインダーに写った画面内の領域である。測距領域は、この画面において予め設定された複数の候補領域の中から、ユーザの操作などにより選択される。
【0020】
バス111は、操作部110、信号処理回路112、媒体インターフェース114、ディスプレイ制御部116、および、制御装置200が相互にデータを交換するための共通の経路である。
【0021】
処理部201は、設定されたズーム倍率に応じて、信号線203およびドライバ310を介して、撮影レンズ311の画角を制御する。また、処理部201は、信号線203およびドライバ320を介して、補助光レンズ321の画角を制御して撮影レンズ311の画角に一致させる。そして、処理部201は、ユーザの操作に従って候補領域の中から測距領域を選択する。
【0022】
さらに、処理部201は、シャッターボタンの所定の操作(例えば、半押し)に応じて、ドライバ340を介して発光部341を制御して、測距領域において距離が測定される撮影対象にのみ補助光を照射させる。そして、処理部201は、測光センサ330から、測光により得られた測光値を受け取り、その測光値から撮影レンズ311の合焦位置を算出し、その合焦位置に撮影レンズ311を移動させる。また、処理部201は、シャッターボタンの所定の操作(例えば、全押し)に応じて、タイミング生成回路350およびドライバ351を介して撮像素子352を制御し、画像を撮像させる。
【0023】
そして、処理部201は、画像データを信号処理回路112から受け取ると、バス111および媒体インターフェース114を介して記録媒体115にアクセスして、画像データを記録媒体115に保存する。また、処理部201は、記録媒体115に記憶された画像データを読み出し、バス111およびディスプレイ制御部116を介してディスプレイ117を制御して画像データをディスプレイ117に表示させる。
【0024】
メモリ202は、処理部201において実行されるプログラムや、処理に必要になるデータを一時的に記憶するための作業領域として用いられる。プログラムを記憶する領域をフラッシュROM(Read Only memory)により構成し、処理に必要になるデータを一次記憶する領域をRAM(Random Access Memory)により構成してもよい。
【0025】
ドライバ310は、制御装置200の制御に従って、撮影レンズ311の位置を変更するものである。撮影レンズ311は、撮影対象の像を撮像素子352に結像するものである。この撮影レンズ311は、複数枚のレンズを備え、これらのレンズの位置を変更することにより、焦点距離を一定の範囲内で変えることができる。撮影レンズ311は、例えば、フォーカスレンズ、バリエータ、コンペンセータ、および、マスターレンズを備える、いわゆる4群ズームレンズである。なお、撮像装置100は、焦点距離を変更できるレンズであれば、2群ズームレンズや3群ズームレンズなど、4群ズームレンズとは異なる構成のレンズを撮影レンズ311として用いてもよい。
【0026】
ドライバ320は、制御装置200の制御に従って、補助光レンズ321の位置を変更するものである。補助光レンズ321は、発光部341からの補助光を撮影対象に照射するものである。また、補助光レンズ321も、撮影レンズ311と同様に、焦点距離を一定の範囲内で変更することができるレンズ(例えば、4群ズームレンズ)である。
【0027】
測光センサ330は、候補領域における撮影対象の明るさを測定するものである。測光センサ330においては、例えば、撮影レンズ311を通過した入射光を測光するTTL(Through-the-Lens)測光方式で測光が行われる。測光センサ330は、測光した結果を示すセンサ信号を制御装置200に出力する。なお、撮像装置100は、撮像装置100の前面に設けた受光窓で受光した光を測光する外光式で測光を行ってもよい。
【0028】
ドライバ340は、制御装置200の制御に従って、発光部341を発光させるものである。発光部341は、補助光を発光するものである。
【0029】
タイミング生成回路350は、シャッターボタンの操作内容およびシャッタースピードに基づいてドライバ351および撮像素子352を駆動させるタイミングを生成するものである。ドライバ351は、生成されたタイミングに従って撮像素子352を駆動して撮影対象の画像を撮像させるものである。撮像素子352は、撮影レンズ311からの光を光電変換して電気信号を前処理回路353に出力するものである。この撮像素子352は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサなどにより、実現することができる。
【0030】
前処理回路353は、撮像素子352から供給された電気信号の画像情報に対して、CDS(Correlated Double Sampling)処理やAGC(Automatic Gain Control)処理を行うものである。CDS処理は信号ノイズ比(S/N比)を良好に保つための処理であり、AGC処理は利得を制御するための処理である。前処理回路353は、このようにして得られた信号に対してA/D(Analog/Digital)変換を行って、デジタル信号による画像データを形成して信号処理回路112に出力する。
【0031】
信号処理回路112は、前処理回路353からの画像データに対して、AE(Auto Exposure)、AWB(Auto White Balance)などのカメラ信号処理を施すものである。また、信号処理回路112は、このようにして種々の調整がされた画像データを必要に応じてデータ圧縮して、制御装置200に出力する。この圧縮処理の際に必要なデータ領域として画像メモリ113が使用される。
【0032】
媒体インターフェース114は、記録媒体115に対する画像データの書込みおよび記
録媒体115からの画像データの読出しを行うものである。記録媒体115としては、半
導体メモリを用いたいわゆるメモリカード、記録可能なDVD(Digital Versatile Disk
)や記録可能なCD(Compact Disc)等の光記録媒体、磁気ディスクなどの種々のものを
用いることができる。
【0033】
ディスプレイ制御部116は、供給された画像データからディスプレイ117に対する画像信号を形成し、これをディスプレイ117に供給するものである。これにより、記録媒体115に記録されている画像データに応じた画像が、ディスプレイ117の表示画面に表示される。
【0034】
[制御装置の機能構成例]
図2は、第1の実施の形態における制御装置200の機能構成例を示す図である。制御装置200は、操作信号解析部210、撮影レンズ画角制御部220、補助光レンズ画角制御部230、測距領域選択部240、発光制御部250、距離演算部260、および、合焦制御部270を備える。
【0035】
操作信号解析部210は、操作部110からの操作信号を解析するものである。操作信号解析部210は、操作信号の解析結果に基づいて、ズーム倍率設定信号、測距領域設定信号、または、撮像操作信号を生成する。ズーム倍率設定信号は、設定されたズーム倍率を示す信号である。測距領域設定信号は、選択された測距領域を示す信号である。撮像操作信号は、シャッターボタンの操作内容を示す信号である。操作信号解析部210は、ズーム倍率設定信号を撮影レンズ画角制御部220および補助光レンズ画角制御部230に出力する。また、操作信号解析部210は、測距領域設定信号を測距領域選択部240に出力し、撮像操作信号をタイミング生成回路350に出力する。
【0036】
撮影レンズ画角制御部220は、ズーム倍率に応じて撮影レンズ311の画角を制御するものである。詳細には、撮影レンズ画角制御部220は、撮影レンズ311が変更できる範囲内の最短の焦点距離にズーム倍率を乗じた値に撮影レンズ311の焦点距離fを一致させることにより画角を制御する。例えば、最短(広角端)の焦点距離が5ミリメートル(mm)で、ズーム倍率が2倍に設定されたとき、撮影レンズ画角制御部220は、撮影レンズ311の焦点距離fを10ミリメートル(mm)にする。また、撮影レンズ画角制御部220は、撮影レンズ311の焦点距離の制御に応じて、焦点が合った状態が維持されるように、ズームトラッキング曲線に従って撮影レンズ311のフォーカスレンズの位置を制御する。ここで、ズームトラッキング曲線とは、焦点が合った状態における撮影レンズ311の焦点距離とフォーカスレンズの位置との間の関係を示す曲線である。
【0037】
補助光レンズ画角制御部230は、補助光レンズ321の画角θを制御して撮影レンズ311の画角θに一致させるものである。θおよびθの単位は、例えば、「度(deg)」とする。詳細には、補助光レンズ画角制御部230は、後述の関係式に基づいて、撮影レンズ311の画角θと同一の画角が得られる補助光レンズ321の焦点距離fを算出する。そして、補助光レンズ画角制御部230は、補助光レンズ321の焦点距離を制御して、算出したfに一致させる。
【0038】
測距領域選択部240は、測距領域設定信号に従って、候補領域の中から測距領域を選択するものである。測距領域選択部240は、選択した測距領域を特定するための情報である測距領域情報を発光制御部250および距離演算部260に出力する。
【0039】
発光制御部250は、発光部341を制御して、測距領域において測距される撮影対象にのみ補助光を照射させるものである。発光部341は、例えば、複数の発光体を備える。これらの発光体からの補助光は、複数の照射領域に照射される。発光制御部250は、予め、発光体のそれぞれを、照射領域内の候補領域に対応付けておき、候補領域が選択されると、選択された候補領域に対応する発光体のみを発光させる。発光体は、例えば、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)である。候補領域と発光体との対応付けの例については、後述する。なお、発光部341、発光制御部250、および、補助光レンズ321の光学系は、特許請求の範囲に記載の照射部の一例である。
【0040】
距離演算部260は、測光値の中から測距領域における測光値を抽出して、抽出した測光値に対して所定の演算を行うことにより撮影対象までの距離を算出するものである。距離演算部260は、例えば、位相差検出方式を使用して距離を算出する。位相差検出方式においては、セパレータレンズにより分けられた2つの像の光量分布のずれ(すなわち、位相差)から、撮影対象までの距離が求められる。また、この位相差検出方式では、受光素子を一列に並べたラインセンサなどが測光センサ330として使用される。距離演算部260は、算出した距離を示す距離情報を合焦制御部270に出力する。なお、距離演算部260は、位相差検出方式以外の方式により、距離を算出してもよい。例えば、距離演算部260は、コントラストが最も高い距離を求めるコントラスト検出方式により、撮影対象までの距離を算出してもよい。また、測光センサ330が候補領域において測光し、距離演算部260が、その測光値の中から測距領域の測光値を抽出しているが、測光センサ330が測距領域のみにおいて測光を行う構成とすることもできる。この構成の場合、測距領域選択部240は、距離演算部260の代わりに測光センサ330へ測距領域情報を出力すればよい。また、測光センサ330および距離演算部260は、特許請求の範囲に記載の測距部の一例である。
【0041】
合焦制御部270は、距離情報の示す距離に焦点を合わせるものである。具体的には、合焦制御部270は、撮影レンズ311のフォーカスレンズの位置を制御して、撮影レンズ311から物体の像までの距離(像距離)を調整することにより合焦を行う。
【0042】
図3は、第1の実施の形態における撮像装置100の正面図の一例である。撮像装置100の正面には、シャッターボタン101、撮影レンズ311、および、補助光レンズ321が装着される。このシャッターボタン101は、撮像操作および合焦操作を行うためのボタンである。シャッターボタン101が半押しされると、撮像装置100は補助光レンズ321から、必要な光量の補助光を照射して焦点合わせを開始する。焦点が合った後にシャッターボタン101が全押しされると、撮像装置100は、画像データの撮像を開始する。また、撮影レンズ311は、レンズマウントに装着され、補助光レンズ321は、撮影レンズ311の近傍に配置される。
【0043】
図4は、第1の実施の形態における撮像装置100を上面から見た場合の内部機構例を示す図である。撮像装置100内部には、撮影レンズ311、フォーカルプレーンシャッター354、撮像素子352、補助光レンズ321、および、発光部341を含む部品が配置される。また、撮像装置100の背面には、ズームボタン102が配置される。このズームボタン102は、ズーム倍率を変更するためのボタンである。また、撮影レンズ311は、撮像装置100のレンズマウントに装着され、撮像素子352は、撮影レンズ311からの入射光が結像される面に配置される。フォーカルプレーンシャッター354は、撮影レンズ311と撮像素子352との間に配置される。補助光レンズ321は、撮像装置100の前面に配置される。発光部341は、補助光レンズ321の主面に平行な面に配置される。ここで、補助光レンズ321は、補助光を撮影対象に照射する必要があるため、入射光の光軸に対して補助光の光軸にわずかに角度をつけて補助光レンズ321が配置される。
【0044】
続いて、図5を参照して、撮影倍率の定義について説明する。図5は、撮影倍率について説明するための図である。ある対象物510の像520が撮影レンズ311により結像されるとき、理想的な条件において、レンズの公式より、以下の式1で表わされる関係が成立する。ただし、以下の式1において、aは、対象物510から撮影レンズ311までの距離(物体距離)である。bは、撮影レンズ311から像520までの距離(像距離)である。a、b、および、fの単位は、例えば、ミリメートル(mm)とする。
1/a+1/b=1/f 式1
【0045】
一方、補助光レンズ321においても、レンズの公式より、以下の式2が成立する。ただし、以下の式2において、aは、対象物510から補助光レンズ321までの距離(物体距離)である。bは、補助光レンズ321から像520までの距離(像距離)である。
1/a+1/b=1/f 式2
ここで、撮影レンズ311の撮影倍率mは、以下の式3で定義される。
=b/a 式3
また、補助光レンズ321の撮影倍率mは、以下の式4で定義される。
=b/b 式4
【0046】
次に、図6を参照して、撮影レンズ311および補助光レンズ321の画角が一致するように補助光レンズ321の焦点距離fを算出する方法について説明する。図6は、第1の実施の形態における撮影レンズ311の画角θと補助光レンズ321の画角θとの関係を説明するための図である。ここで、撮像素子352において画像の撮影に使用される領域(以下、「イメージエリア」と称する。)の対角寸法をdとする。また、発光部341において発光する領域(以下、「発光領域」と称する。)の対角寸法をdとする。イメージエリアに結像される対象物の実際の対角寸法をLとする。d、d、および、Lの単位は、例えば、ミリメートル(mm)である。
【0047】
この図6において、Lを底辺、撮影レンズ311の主点を頂点とする高さaの三角形は、dを底辺、撮影レンズ311の主点を頂点とする高さbの三角形と相似であるため、以下の式5が成立する。
L:a=d:b 式5
そして、撮影レンズ311の画角θと、補助光レンズ321の画角θとが等しい場合、dを底辺、補助光レンズ321の主点を頂点とする高さbの三角形は、Lを底辺、補助光レンズ321の主点を頂点とする高さaの三角形と相似になる。このため、以下の式6が成立する。
L:a=d:b 式6
式5および式6からLを消去して以下の式7が得られる。
×(d/b)=a×(d/b) 式7
【0048】
式3、式4、および、式7からa、b、a、および、bを消去して以下の式8が得られる。
=m×(d/d) 式8
式1乃至式4、および、式8から、a、a、mおよびmを消去して以下の式9が得られる。
(b−f)/f=d(b−f)/(d) 式9
【0049】
ここで、図6より、撮影レンズ311および補助光レンズ321の画角が一致する場合、底辺がdで、頂点が撮影レンズ311の主点である三角形と、底辺がdで、頂点が補助光レンズ321の主点である三角形とが相似であるため、以下の式10が成立する。
:d=b:d 式10
この式10を変形して以下の式11が得られる。
=b×d/d 式11
【0050】
式9および式11から、bを消去すると、以下の式12が得られる。
=d/{d(b−f)+d} 式12
撮影レンズ311の焦点距離fから、ズームトラッキング曲線に基づいて撮影レンズ311のフォーカスレンズの位置が得られるため、そのフォーカスレンズの位置からbが得られる。また、dおよびdは固定値であるから、焦点距離fの撮影レンズ311と画角が一致するときの補助光レンズ321の焦点距離fが、式12から算出される。
【0051】
上述の例では、式12により焦点距離fを算出する方法を例示したが、以下の例ではより簡易に焦点距離fを算出する方法を示す。図7は、第1の実施の形態における焦点距離およびイメージエリアの寸法と画角との関係を説明するための図である。図7(a)は、焦点距離および像の寸法と画角との間の関係を示す図である。対象物510が画角θの範囲で、撮影レンズ311により像距離bの面に結像された像の寸法をxとする。ここで、撮影倍率mが比較的小さい場合は、bは焦点距離fに近似できるため、角度θ/2の正接は、三角関数より、以下の式13で定義される。
【数1】

この式13を変形して以下の式14が得られる。
【数2】

【0052】
図7(b)は、像が結像されるイメージエリアの寸法の一例を示す図である。イメージエリアの対角寸法をd、水平寸法をw、および、垂直寸法をhとすると、式14のxに、これらの寸法とfとを代入することにより、対角線画角、水平画角、垂直画角が得られる。
【0053】
補助光レンズ321の画角についても、同様に、以下の式15から算出される。ただし、式15において、θは補助光レンズの画角であり、xは発光部341の発光領域の寸法であり、fは補助光レンズ321の焦点距離である。
【数3】

【0054】
式14および式15において、イメージエリアおよび発光領域の寸法は、撮像装置100の機種ごとに固定の値である。このため、撮像装置100が焦点距離fおよびfを制御することにより、画角θおよびθを制御することができる。そして、画角θおよびθを一致させるには、式14および式15より、xに対するxの比率とfに対するfの比率とが一致するようにfを制御すればよい。具体的には、式14および式15から得られる以下の式16から、fを算出する。
=f(x/x) 式16
とxとの比率は一定であるから、撮影倍率mが比較的小さい場合は、この式16より、撮影倍率mにおける、おおよその焦点距離fを容易に算出することができる。撮影倍率mが比較的大きい場合や精密さが要求される場合には、焦点距離fは式12から算出される。
【0055】
図8は、撮影レンズ311の画角と補助光レンズ321の画角とが一致した状態の一例を示す図である。図8(a)は、撮影レンズ311の画角の一例を示した図である。図8(b)は、補助光レンズ321の画角の一例を示した図である。撮影レンズ311および補助光レンズ321の画角を一致させることにより、図8(a)におけるイメージエリアに結像される像の範囲と、図8(b)における発光部341が補助光を照射可能な範囲とが等しくなる。このように、撮影レンズ311および補助光レンズ321の画角を一致させることにより、補助光が撮影対象の領域の外に照射されることがなくなり、効率的な測距が可能となる。
【0056】
図9は、第1の実施の形態における候補領域と発光体との配置の一例を示す図である。図9(a)は、ファインダーに写る撮影領域610において予め設定されている候補領域の一例を示す図である。候補領域として、例えば、P1乃至P3と、P4aおよびP4bと、P5a乃至5dと、P6aおよびP6bと、P7乃至P9との15個の領域が設定される。なお、撮像装置100は、15個以外の個数の候補領域を設定しておいてもよい。
【0057】
一方、図9(b)は、発光部341に配置されている発光体の一例を示す図である。同図(b)に示すように、発光部341には、例えば、L1乃至L9の9個の発光体が配置されている。これらの発光体が発光した補助光は、補助光レンズ321を介して、撮影対象に照射される。発光体L1乃至L9が発光した補助光のそれぞれの照射領域を、I1乃至I9とする。図9(a)に示すように、照射領域I1乃至I3には、それぞれ候補領域P1乃至P3が含まれ、照射領域I4には候補領域P4aおよびP4bが含まれる。候補領域I5には候補領域P5a乃至P5dが含まれ、照射領域I4には候補領域P4aおよびP4bが含まれる。そして、照射領域I6には、候補領域P6aおよびP6bが含まれ、照射領域I7乃至I9には、それぞれ候補領域P7乃至P9が含まれる。
【0058】
発光体L1乃至L9は、発光した補助光の照射領域内の候補領域と予め対応付けられる。例えば、発光体L1は、発光した補助光の照射領域I1内の候補領域P1と対応付けられる。撮像装置100は、測距領域として選択した候補領域に対応する発光体のみを発光させる。例えば、撮像装置100は、候補領域P1およびP2を選択した場合、発光体L1およびL2のみを発光させる。
【0059】
図10は、第1の実施の形態における測距領域と発光体との関係の一例を示す図である。撮影領域610において、候補領域P1が測距領域として選択された場合を考える。この場合、撮像装置100は、発光部341において、候補領域P1に対応する発光体L1のみを発光させる。この発光体L1からの補助光は、補助光レンズ321を介して、候補領域P1を含む照射領域I1に照射される。このように、測距領域として選択された候補領域の撮影対象のみに補助光が照射されるため、効率的な測距が可能となる。
【0060】
なお、図9および図10において、発光部341が9個の発光体を備える構成を例示しているが、発光部341は、9個以外の個数の発光体を備えてもよい。例えば、図11に例示するように、発光部341は、6行、10列で配置された60個の発光体を備えてもよい。
【0061】
[撮像装置の動作例]
図12は、撮像装置100の動作の一例を示すフローチャートである。この動作は、例えば、撮像装置100の電源が投入されたときに開始する。撮像装置100は、設定されているズーム倍率を取得する(ステップS901)。そして、撮像装置100は、撮影レンズ311の焦点距離を制御して、撮影レンズ311の画角をズーム倍率に応じた角度θに制御する(ステップS902)。撮像装置100は、式11に基づいて補助光レンズ321の焦点距離fを制御して、補助光レンズ321の画角θをθに一致させる(ステップS903)。
【0062】
続いて撮像装置100は、候補領域を選択する操作がなされたか否かを判断する(ステップS904)。候補領域を選択する操作がなされていなければ(ステップS904:No)、撮像装置100は、ステップS904に戻る。候補領域を選択する操作がなされたのであれば(ステップS904:Yes)、撮像装置100は、操作に従って候補領域を測距領域として選択する(ステップS905)。そして、撮像装置100は、発光部341において測距領域に対応する発光体を発光させる(ステップS906)。
【0063】
撮像装置100は、シャッターボタン101が押下されたか否かを判断する(ステップS907)。シャッターボタン101が押下されていなければ(ステップS907:No)、撮像装置100は、ステップS907に戻る。シャッターボタン101が押下されたのであれば(ステップS907:Yes)、撮像装置100は、シャッターボタン101の半押しに応じて測距領域において測距を行い、撮影対象に焦点を合わせる(ステップS908)。そして、撮像装置100は、シャッターボタン101の全押しに応じて画像を撮像する(ステップS909)。ステップS909の後、撮像装置100は、撮像のための動作を終了する。
【0064】
このように本技術の第1の実施の形態によれば、撮像装置100は、複数の候補領域の中から測距領域を選択して、その測距領域において測定される撮影対象のみに補助光を照射し、撮影対象の明るさを測距領域において測定することができる。これにより、効率的な測距が実現される。具体的には、測距領域の撮影対象にのみ補助光が照射されるため、撮像装置100の消費電力を低減することができる。また、補助光を照射する面積を最小限にするため、撮影領域全体に補助光を照射する場合と比較して、光量(ルーメン・秒)当たりの照度(ルーメン毎平方メートル)が向上する。この結果、光量(言い換えれば、その光量の出力に必要な消費電力)当たりの測定可能な距離が長くなる。
【0065】
なお、撮像装置100は、シャッターボタン101の半押しに応じて合焦を行い、全押しに応じて撮像を行っているが、これらとは異なる操作に応じて合焦および撮像を行ってもよい。例えば、撮像装置100は、シャッターボタン101の押下に応じて合焦を行い、合焦が完了すると撮像を行ってもよい。また、撮像装置100にシャッターボタン101とは別にAFボタンを設けておき、撮像装置100が、AFボタンの押下に応じて合焦を行い、シャッターボタン101の押下に応じて撮像を行ってもよい。
【0066】
[変形例]
図13を参照して第1の実施の形態における変形例の撮像装置について説明する。図13は、第1の実施の形態における変形例の撮像装置100を側面または上面から見た場合の内部機構例を示す図である。変形例の撮像装置100は、補助光を屈曲させる屈曲光学系を用いる点において第1の実施の形態と異なる。図13(a)は、変形例の撮像装置100を側面から見た場合の内部機構例を示す図である。変形例の撮像装置100は、補助光レンズ321の鏡筒325内に反射部324をさらに備える。また、補助光レンズ321は、レンズ群322およびレンズ群323からなる。図13(b)は、変形例の撮像装置100を上面から見た場合の内部機構例を示す図である。発光部341からの補助光は、例えば、水平方向(X軸方向)にレンズ群323を介して反射部324に照射される。反射部324は、照射された補助光を撮像装置100の前方(Z軸方向)に向けて反射する。反射された補助光は、レンズ群322を介して撮影対象に照射される。
【0067】
このように変形例によれば、撮像装置100は、補助光レンズ321の鏡筒325内において発光部341からの補助光を屈曲させてから撮影対象に照射する。このため、撮像装置100において、補助光を屈曲させない場合と比較して奥行きに余裕が生じる。この奥行きの余裕を利用して、撮像装置100を薄くすることができる。
【0068】
<2.第2の実施の形態>
[制御装置の機能構成例]
次に図14および図15を参照して、第2の実施の形態の撮像装置100について説明する。第2の実施の形態の撮像装置100は、測距領域を自動設定する点において第1の実施の形態と異なる。図14は、第2の実施の形態の制御装置200の機能構成例を示す図である。第2の実施の形態の制御装置200は、顔検出部280をさらに備える点において第1の実施の形態と異なる。また、第2の実施の形態の制御装置200は、シャッターボタン101が半押しされた場合と全押しされた場合との両方において撮像素子352に画像を出力させる。半押し時の画像は、ファインダーへの表示や測距領域の自動設定に用いられ、全押し時の画像は、記録のために用いられる。
【0069】
顔検出部280は、信号処理回路112からの画像データにおいて人物の顔を検出するものである。詳細には、この顔検出部280は、例えば、画像データにおいて、被写体の色や形状などから顔と思われる被写体の領域を抽出する。そして、顔検出部280は、その領域と予めデータベースに登録しておいたテンプレート画像とのマッチングを行うことにより、その領域が顔であるか否かを判断する。顔検出部280は、検出した顔の領域内の画素群の座標のデータを顔領域情報として測距領域選択部240へ出力する。第2の実施の形態の測距領域選択部240は、顔が検出された領域に設定されている候補領域を測距領域として選択する。なお、顔検出部280は、特許請求の範囲に記載の対象物検出部の一例である。また、顔検出部280は、上述のテンプレートマッチング法とは別の手法で顔を検出することもできる。
【0070】
[撮像装置の動作例]
図15は、第2の実施の形態の撮像装置100の動作の一例を示すフローチャートである。第2の実施の形態の撮像装置100の動作は、ステップS904およびS905の代わりにステップS914およびS915を実行する点において第1の実施の形態と異なる。補助光レンズ321の画角θをθに一致させる処理(ステップS903)の後、撮像装置100は、画像データにおいて顔を検出する(ステップS914)。そして、撮像装置100は、検出された顔の領域に設定された候補領域を測距領域として選択する(ステップS915)。
【0071】
このように第2の実施の形態によれば、撮像装置100は、顔を検出して、その顔の領域に設定された候補領域を測距領域として選択することができる。これにより、ユーザが測距領域を選択する必要がなくなる。
【0072】
なお、撮像装置100は、人物の顔を検出しているが、人物の顔以外の対象物を検出して測距領域を選択することもできる。撮像装置100は、例えば、動物や自動車などを検出して測距領域を選択してもよい。
【0073】
また、上述の実施の形態は本技術を具現化するための一例を示したものであり、実施の形態における事項と、特許請求の範囲における発明特定事項とはそれぞれ対応関係を有する。同様に、特許請求の範囲における発明特定事項と、これと同一名称を付した本技術の実施の形態における事項とはそれぞれ対応関係を有する。ただし、本技術は実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において実施の形態に種々の変形を施すことにより具現化することができる。
【0074】
また、上述の実施の形態において説明した処理手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えてもよく、また、これら一連の手順をコンピュータに実行させるためのプログラム乃至そのプログラムを記憶する記録媒体として捉えてもよい。この記録媒体として、例えば、CD(Compact Disc)、MD(MiniDisc)、DVD(Digital Versatile Disk)、メモリカード、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc(登録商標))等を用いることができる。
【0075】
なお、本技術は以下のような構成もとることができる。
(1)撮影レンズの画角に応じた領域において予め設定されている複数の候補領域の中から撮影対象までの距離を測定するための領域を測距領域として選択する測距領域選択部と、
前記測距領域において距離が測定される前記撮影対象に補助光を照射する照射部と、
前記補助光が照射された前記撮影対象までの距離を前記測距領域において測定する測距部と
を具備する撮像装置。
(2)前記補助光を照射するレンズである補助光レンズの画角を制御して前記撮影レンズの画角に一致させる補助光レンズ画角制御部をさらに具備する
前記(1)記載の撮像装置。
(3)前記補助光レンズ画角制御部は、撮影画素の領域のサイズに対する前記補助光が生成される領域のサイズの比率と前記撮影レンズの焦点距離に対する前記補助光レンズの焦点距離の比率とが同一になるように前記補助光レンズの焦点距離を調整することにより前記補助光レンズの画角を前記撮影レンズの画角に一致させる
前記(2)記載の撮像装置。
(4)前記照射部は、
前記複数の候補領域に対応付けた複数の発光体の発光により前記補助光を生成する発光部と、
前記複数の発光体のうち前記選択された候補領域に対応する発光体を発光させる発光制御部と
を備える前記(3)記載の撮像装置。
(5)前記照射部は、前記補助光レンズの鏡筒内において前記発光部からの前記補助光を屈曲させてから前記撮影対象に照射する前記(4)記載の撮像装置。
(6)前記測定された距離に合焦する合焦制御部をさらに具備する前記(1)乃至(5)のいずれかに記載の撮像装置。
(7)前記撮影レンズの画角に応じた領域において所定の対象物を検出する対象物検出部をさらに具備し、
前記測距領域設定部は、前記複数の候補領域の中から前記対象物が検出された領域に設定されている候補領域を前記測距領域として選択する
前記(1)乃至(6)のいずれかに記載の撮像装置。
(8)測距領域選択部が、撮影レンズの画角に応じた領域において予め設定されている複数の候補領域の中から撮影対象までの距離を測定するための領域を測距領域として選択する測距領域選択手順と、
照射部が、前記測距領域において距離が測定される前記撮影対象に補助光を照射する照射手順と、
測距部が、前記補助光が照射された前記撮影対象までの距離を前記測距領域において測定する測距手順と
を具備する撮像装置の制御方法。
【符号の説明】
【0076】
100 撮像装置
101 シャッターボタン
102 ズームボタン
110 操作部
111 バス
112 信号処理回路
113 画像メモリ
114 媒体インターフェース
115 記録媒体
116 ディスプレイ制御部
117 ディスプレイ
200 制御装置
201 処理部
202 メモリ
210 操作信号解析部
220 撮影レンズ画角制御部
230 補助光レンズ画角制御部
240 測距領域選択部
250 発光制御部
260 距離演算部
270 合焦制御部
280 顔検出部
300 カメラ部
310、320、340、351 ドライバ
311 撮影レンズ
321 補助光レンズ
322、323 レンズ群
324 反射部
330 測光センサ
341 発光部
350 タイミング生成回路
352 撮像素子
353 前処理回路
354 フォーカルプレーンシャッター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影レンズの画角に応じた領域において予め設定されている複数の候補領域の中から撮影対象までの距離を測定するための領域を測距領域として選択する測距領域選択部と、
前記測距領域において距離が測定される前記撮影対象に補助光を照射する照射部と、
前記補助光が照射された前記撮影対象までの距離を前記測距領域において測定する測距部と
を具備する撮像装置。
【請求項2】
前記補助光を照射するレンズである補助光レンズの画角を制御して前記撮影レンズの画角に一致させる補助光レンズ画角制御部をさらに具備する
請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記補助光レンズ画角制御部は、撮影画素の領域のサイズに対する前記補助光が生成される領域のサイズの比率と前記撮影レンズの焦点距離に対する前記補助光レンズの焦点距離の比率とが同一になるように前記補助光レンズの焦点距離を調整することにより前記補助光レンズの画角を前記撮影レンズの画角に一致させる
請求項2記載の撮像装置。
【請求項4】
前記照射部は、
前記複数の候補領域に対応付けた複数の発光体の発光により前記補助光を生成する発光部と、
前記複数の発光体のうち前記選択された候補領域に対応する発光体を発光させる発光制御部と
を備える請求項3記載の撮像装置。
【請求項5】
前記照射部は、前記補助光レンズの鏡筒内において前記発光部からの前記補助光を屈曲させてから前記撮影対象に照射する請求項4記載の撮像装置。
【請求項6】
前記測定された距離に合焦する合焦制御部をさらに具備する請求項1記載の撮像装置。
【請求項7】
前記撮影レンズの画角に応じた領域において所定の対象物を検出する対象物検出部をさらに具備し、
前記測距領域設定部は、前記複数の候補領域の中から前記対象物が検出された領域に設定されている候補領域を前記測距領域として選択する
請求項1記載の撮像装置。
【請求項8】
測距領域選択部が、撮影レンズの画角に応じた領域において予め設定されている複数の候補領域の中から撮影対象までの距離を測定するための領域を測距領域として選択する測距領域選択手順と、
照射部が、前記測距領域において距離が測定される前記撮影対象に補助光を照射する照射手順と、
測距部が、前記補助光が照射された前記撮影対象までの距離を前記測距領域において測定する測距手順と
を具備する撮像装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−68761(P2013−68761A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−206817(P2011−206817)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】