説明

撮像装置、制御方法及びプログラム

【課題】撮影時に顔認識することで対象者毎の撮影枚数をカウントし、特定人物のみに偏って撮影することを防ぐ仕組みを提供する。
【解決手段】顔認識を用いて被写体を撮影する撮像装置は、被写体の情報と、顔認識により特定された被写体の顔画像とを紐付けて識別情報として登録し、登録した被写体の識別情報と、被写体が撮影されている画像の枚数とを紐付けて記憶管理し、撮影時に被写体を検出し、検出した被写体の識別情報が、既に登録されている被写体の識別情報と一致するか否かを判定し、被写体の識別画像が登録されている被写体の顔画像と一致すると判定された場合に、被写体が撮影された画像の枚数を表示し、被写体の撮影枚数に応じて、前記被写体の撮影枚数に関する警告を行うことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置を用いた画像の撮影方法に関する。具体的には、被写体の画像を撮像する撮像部と、前記撮像された画像から顔を検出する顔検出部と、前記検出された顔の照合を行う人物照合部と、照合した画像をカウントする計測部とを備える撮影機器の制御に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、顔認識技術を利用して、撮影時に人物の顔を認識して焦点を自動で合わせることを可能とする、所謂「顔認識フォーカス」機能が提案されている。これにより、顔に対して効果的に焦点を合わせることで、撮影者の意図しないボケを防ぐことが可能となっている。
【0003】
例えば、特許文献1では顔認識技術を利用し、撮影予定人数を設定することで被写体が撮影予定人数に達した場合に、自動で撮像を実行するなどの機能が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−329602号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1には、集合写真等の撮影や特定人物の撮影を容易に行なえる技術が開示されているが、例えば、旅行等で写真撮影を行った際、参加者を均等に撮影したい場合がある。しかし、撮影者が意図しなくとも、特定人物のみが偏って撮影されていることがある。
【0006】
また、小学校の遠足などに行った際、教師が複数の生徒と行動を共にしながら撮影するため、撮影した写真に各生徒が何枚ずつ写っているか把握することは不可能である。その為、特定の生徒が多く写っていたり、逆に、少なかったりとした問題が発生する。
【0007】
本発明は、予め対象者の情報を登録しておき、撮影時に顔認識することで対象者毎の撮影枚数をカウントし、特定人物のみに偏って撮影することを防ぐ仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
即ち、本発明の撮像装置は、顔認識を用いて被写体を撮影する撮像装置において、前記被写体の情報と、前記顔認識により特定された前記被写体の顔画像とを紐付けて識別情報として登録する識別情報登録手段と、前記識別情報登録手段で登録した前記被写体の識別情報と、該被写体が撮影されている画像の枚数とを紐付けて記憶管理する記憶管理手段と、撮影時に被写体を検出する検出手段と、前記検出手段で検出した前記被写体の識別情報が、前記識別情報登録手段で登録されている前記被写体の識別情報と一致するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段で前記被写体の識別画像が前記識別情報登録手段で登録されている前記被写体の顔画像と一致すると判定された場合に、該被写体が撮影された画像の枚数を表示する撮影枚数表示手段と、前記表示手段で表示した前記被写体の撮影枚数に応じて、前記被写体の撮影枚数に関する警告を行う警告手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明の撮像装置は、前記記憶管理手段で記憶管理している前記被写体が撮影されている画像の枚数を、該被写体毎に撮影枚数が識別可能な形式で表示する撮影枚数表示手段を更に備えることを特徴とする。
また、本発明において前記判定手段は、前記検出手段で検出した前記被写体の識別情報が撮影された画像の枚数の値と、予め設定されている最低撮影枚数の値を比較する比較手段を備え、前記警告手段は、前記比較手段で前記識別情報が撮影された枚数の値が、前記予め設定されている撮影枚数の値よりも大きい場合には、前記識別情報は既に最低枚数の撮影がなされている旨を警告し、また、前記比較手段で前記識別情報が撮影された枚数の値が、前記予め設定されている撮影枚数の値よりも小さい場合には、前記識別情報が最低撮影枚数に到達するために必要な枚数を警告することを特徴とする。
また、本発明は、撮影時に被写体の検出を行う対象とする識別グループと前記識別グループに属する識別情報の画像が撮影された期間の選択を受け付ける選択受付手段を更に備え、前記検出手段は、前記選択受付手段で受け付けた前記識別グループに属する識別情報の画像の検出を行うことを特徴とする。
また本発明は、画像を撮影する撮像手段を更に備え、前記撮像手段で撮影した画像に前記識別情報登録手段で登録した前記被写体が撮影されている場合、当該被写体が顔認識された部位と、認識された当該被写体を識別する情報を表示する撮影結果表示手段を更に備えることを特徴とする。
また本発明において前記識別情報登録手段は、前記被写体をグループに分類する識別グループの情報を前記識別情報として登録することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、予め対象者の情報を登録しておき、撮影時に顔認識することで対象者毎の撮影枚数をカウントし、特定人物のみに偏って撮影することを防ぐ仕組みを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る撮影装置のハードウェア構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る撮影装置で動作するプログラムのモジュールを示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る撮影装置が保持する識別情報データテーブルの一例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る撮影装置が保持する顔認識情報データテーブルの一例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る撮影装置が保持する識別グループデータテーブルの一例を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る撮影装置が保持する識別情報カウントデータテーブルの一例を示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係る撮影装置が保持する画像データテーブルの一例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係る撮影装置の表示部で表示される識別情報登録モードへ変更する画面の一例を示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係る撮影装置の表示部で表示される識別情報登録画面へ変更する画面の一例を示す図である。
【図10】本発明の実施形態に係る撮影装置の表示部で表示される識別情報登録画面の一例を示す図である。
【図11】本発明の実施形態に係る撮影装置の表示部で表示される識別グループを登録する画面の一例を示す図である。
【図12】本発明の実施形態に係る撮影装置の表示部で表示される識別グループを選択する画面の一例を示す図である。
【図13】本発明の実施形態に係る撮影装置の表示部で表示される撮影時に識別情報と一致した場合の画面の一例を示す図である。
【図14】本発明の実施形態に係る撮影装置の表示部で表示される撮影時に被写体の撮影枚数に応じて表示される警告の一例を示す図である。
【図15】本発明の実施形態に係る撮影装置の表示部で表示される撮影時に識別情報と一致しない場合の画面の一例を示す図である。
【図16】本発明の実施形態に係る撮影装置の表示部で表示される最低撮影枚数以下の識別結果を表示する画面の一例を示す図である。
【図17】本発明の実施形態に係る撮影装置で識別情報の登録時に実行するフローチャートである。
【図18】本発明の実施形態に係る撮影装置で撮影時、及び、識別結果判定時に実行するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明に係る撮影装置の概略構成を示すブロック図である。図1において、撮影装置は、いわゆるデジタルカメラから成り、撮影用のレンズ101、撮像素子(以下、「CCD」と称する)102、カメラ信号処理部(以下、「ADC」と称する)103、画像処理部104、コントローラ110、バッファメモリ111、フラッシュROM112、インターフェース回路(以下、「I/F回路」と称する)113、カードホルダ114、記録媒体115、ディスプレイドライバ116、および操作部120を備える。
【0012】
図1は、本実施形態に係る情報付加装置を適用した撮像装置の構成を示す図である。撮像装置は、レンズ101と、撮像素子(CCD)102と、カメラ信号処理部103と、画像処理部104と、記録媒体115と、レンズ制御部127と、コントローラ110と、操作部120とを含んで構成される。
【0013】
レンズ101は、レンズ等であり、対物レンズ、ズームレンズ、およびフォーカスレンズなどで構成される。ズームレンズおよびフォーカスレンズについては、不図示の駆動機構により光軸方向へ駆動される。
【0014】
撮像素子102は、レンズ101から入射した撮像光をを結像し、電気信号(アナログ信号)に変換するして出力するCCDイメージセンサで構成される。
【0015】
カメラ信号処理部(ADC)103は、撮像素子102から受けた電気信号にデジタル変換やホワイトバランス調整などの信号処理を行なって、デジタル信号に変換する機能を有する。
【0016】
コントローラ110は、画像処理部104、バッファメモリ111、フラッシュROM112、I/F回路113、ディスプレイドライバ116、サウンドドライバ118、LEDドライバ128、および操作部120に接続されている
【0017】
画像処理部104は、前処理部105、YC処理部106、電子ズーム処理部107、圧縮部108、および伸長部109を備え、カメラ信号処理部103から出力されるデジタル信号から画像データを生成し、各種画像処理を行う機能を有する。
【0018】
前処理部105は、入力される画像データに基づく画像のホワイトバランスを調整するホワイトバランス処理や画像のガンマ補正処理を行う機能を有する。ホワイトバランス処理は、画像の色合いを、実物の色合いに近くなるように調整したり、光源(蛍光灯や太陽光など)に合った適正な色に調整したりする処理である。ガンマ補正処理は、画像のコントラストを調整する処理である。なお、前処理部105は、ホワイトバランス処理およびガンマ補正処理以外の画像処理を実行することも可能である。
【0019】
YC処理部106は、入力される画像データに基づく画像を、輝度情報「Y」と、輝度信号と青色の色差情報「Cb」と、輝度信号と赤色の色差情報「Cr」とに分離する機能を有する。電子ズーム処理部107は、画像の一部(例えば中央部)を所定の大きさでトリミングし、トリミングした画像を信号処理で元画像の大きさに拡大する機能を有する。電子ズーム処理部107は、例えば、撮影された1600×1200ドットの画像から中央の1024×768ドットの画像を切り出し、データ補間を行いながら1600×1200ドットのサイズに拡大することができる。
【0020】
圧縮部108は、画像データをJPEG(Joint Photographic Expert Group)方式などの圧縮形式によって圧縮する機能を有する。伸長部109は、圧縮されている画像データを伸長する機能を有する。例えば、画像データをJPEG方式で圧縮する場合、まず、画像データの高周波成分と低周波成分の割合を数値化する離散コサイン変換処理が行われる(DCT処理)。次に、画像の階調やグラデーションを表現する段階を数値(量子化ビット数)で表現する量子化処理が行われる。最後に、ハフマン符号化処理で画像データが圧縮される。
【0021】
具体的には、画像データの信号文字列が一定のビット毎に区切られ、出現頻度が高い文字列に対してより短い符号が与えてられてゆく。なお、圧縮処理を行わないで画像データを記録する方式の場合は、圧縮部108および伸長部109を省略することができる。また、画像データの圧縮形式は、JPEG方式に限らず、GIF(Graphical Interchange Format)形式などであっても、同様に処理を行うことができる。
【0022】
バッファメモリ111には、画像処理部104において画像処理が行われる際に、一時的に画像データが保存される。フラッシュROM112には、撮影装置の各種設定情報や、後述するユーザ認証情報が保存される。I/F回路113は、コントローラ110から出力される画像データを、記録媒体115に記録可能なデータ形式に変換する。また、I/F回路113は、記録媒体115から読み出された画像データ等を、コントローラ110で処理可能なデータ形式に変換する。
【0023】
カードホルダ114は、記憶媒体である記録媒体115を撮影装置に着脱可能にする機構を備えると共に、記録媒体115との間でデータ通信が可能な電気接点を備える。また、カードホルダ114は、撮影装置で利用される記憶媒体の種類に応じた構造を有する。記録媒体115は、フラッシュメモリなどの半導体記憶素子を内蔵し、カードホルダ114に着脱可能なカード型の記憶媒体である。記録媒体115には、撮影装置で撮影された画像データを記録することができる。
【0024】
ディスプレイドライバ116は、コントローラ110から出力される画像データをディスプレイ117で表示可能な信号に変換する。具体的には、ディスプレイドライバ116は、コントローラ110から出力されるデジタルの画像データをアナログ画像信号に変換する処理を行い、次に画像サイズをディスプレイ117の表示可能エリアのサイズに適したサイズに変換する処理を行う。
【0025】
サウンドドライバ118は、コントローラ110から出力される音声データをスピーカ219で鳴動可能な信号に変換する処理を行う。LED(Light Emitting Diode)ドライバ128は、コントローラ110から出力される命令に従いランプ129の制御を行う。
【0026】
操作部120は、電源スイッチ121、モードダイヤル122、撮影ボタン123、カーソルキー124、ズームボタン125、および閲覧(再生)ボタン126を備え、ユーザからの操作入力を受け付けて、操作内容に応じた信号をコントローラ110に出力する。なお、操作部120には、図示の操作ボタン以外の操作ボタン類も含まれるが、それらの説明は省略する。
【0027】
モードダイヤル(選択ボタン)122は、撮影動作のモードを切り替えるための回転可能なダイヤルである。ユーザはモードダイヤル122を操作することで、複数の撮影動作モードを選択することが可能である。なお、本発明の実施形態において、モードダイヤルは、ダイヤル式機構として記載をするが、例えば、ダイヤルではなくスライド式のボタンであってもよい。つまり、モードダイヤル122について、その機構はダイヤルに限定されず、カメラのモードを切り替えられるための機構を備えていることが本質である。
【0028】
閲覧ボタン126は、撮影した画像データを閲覧する閲覧モード(再生モード)に切り替えるためのボタンである。閲覧ボタン126が押下されると、撮影モードから閲覧モードに移行する。なお、閲覧モードへの切替方法については、閲覧ボタン126の押下に限定されず、ディスプレイ117上のタッチパネル(不図示)などによる移行方法であってもよい。
【0029】
閲覧モードでは、コントローラ110が、I/F回路113を介して、カードホルダ114に装着されている記録媒体115から設定情報と画像データを読み出す。設定情報は、現在装着されている記録媒体115に記録されている画像の枚数および記録されている画像データの容量などである。読み出される画像データは、例えば、画像1枚分の画像データまたはサムネイルデータである。なお、記録媒体115から読み出される画像データは、上述したように所定の圧縮形式で圧縮されている。
【0030】
記録媒体115から読み出された画像データは、I/F回路113およびコントローラ110を介して、ディスプレイドライバ116へ入力される。ディスプレイドライバ116は、入力された画像データをディスプレイ117に表示させる。
【0031】
カーソルキー124は、ユーザが撮影装置に対する所定の指示や機能選択を行うためのキーである。ユーザは、カーソルキー124により、撮影装置に対する各種設定情報やユーザ認証情報などの操作入力を行うことができる。また、カーソルキー124により、ディスプレイ117にメニュー画面を表示させたり、撮影装置が有する所定の機能を選択することができる。さらに、カーソルキー124により、撮影装置で撮影された画像データをディスプレイ117上にレビュー表示させることができる。レビュー表示とは、撮影装置200で撮影した画像を、その直後にディスプレイ117に表示させる機能である。
【0032】
なお、レビュー表示については、ディスプレイ117上に撮影した画像を1枚のみ表示する構成に限定されず、サムネイル画像を含む複数の画像を表示するように構成してもよい。また、レビュー表示の切り替えについては、カーソルキー124の押下に限らず、他のボタンの押下などの一般的な方法を利用して切り替えられる構成にしてもよい。また、レビュー表示画面において、レビュー表示画像の削除や編集などが行えるように構成してもよい。
【0033】
レンズ制御部127は、レンズ101のレンズに対して、ズーム、フォーカス、絞り等の制御を行う。また、撮影装置は、被写体を撮像して画像データを得る撮影モードと当該撮影モードで得た画像データを表示する閲覧(再生)モードとを備える。
【0034】
なお、音声についてはマイクやスピーカを用いることで、撮像装置と同様に記録、及び再生が可能である。また、映像(動画)記録時には、通常音声記録も同時に行われ、圧縮部108および伸長部109において、映像と音声が多重化される。
【0035】
また、撮影装置200における撮影動作について図1を用いて説明する。まず、ユーザが電源スイッチ121を操作し、撮影装置200の電源をONにする。すると、撮影装置200に内蔵されているバッテリー(不図示)から各回路へ電源供給されて、撮影装置200の起動処理(レンズバリアを開く動作制御およびマイクロコンピューターのリセット処理など)が行われる。撮影装置200は、電源OFF時に電源スイッチ121が押下されると電源ONとなり、自動的に撮影モードとなるように構成されている。また、電源OFF時に閲覧ボタンが押下されると電源ONとなり、自動的に閲覧モードとなるように構成されている。
【0036】
撮影装置200が撮影モードに移行すると、光学画像がレンズ101を介して撮影装置内へ入射し、撮像素子(CCD)102に結像される。CCD102は、入射される光学画像を電気信号に変換して、カメラ信号処理部(ADC)103へ出力する。ADC103は、入力される電気信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換する。ADC103から出力されるデジタル信号は画像処理部104に入力される。
【0037】
画像処理部104内の前処理部105では、入力されるデジタル信号に基づき画像データを生成し、ホワイトバランス処理およびガンマ補正処理などが行われる。画像処理部104内のYC処理部106では、画像データが輝度信号Yと色差信号CrおよびCbとに分離され、色差信号CrおよびCbの情報量を減らす処理が行われる。色差信号CrおよびCbの情報量の削減処理は、例えば、画像の主走査方向の色情報を間引く「4:2:2ダウンサンプリング処理」や、画像の縦横方向の色情報を間引く「401ダウンサンプリング処理」などがある。なお、前処理部105およびYC処理部106において画像処理を行う際は、画像データを一時的にバッファメモリ111に保存し、随時バッファメモリ111に保存されている画像データを読み出しながら画像処理が行われる。
【0038】
画像処理部104から出力される画像データ(非圧縮)はコントローラ110に入力される。コントローラ110は、画像処理部104から出力される画像データを、ディスプレイドライバ116へ出力する。ディスプレイドライバ116は、入力される画像データ(デジタル信号)をアナログ画像信号に変換すると共に、アナログ画像信号に基づく画像のサイズをディスプレイ117で表示可能なサイズに調整する。
【0039】
また、ディスプレイドライバ116は、ディスプレイ117に画像を表示させるよう制御する。このとき、ディスプレイ117に表示される画像は、CCD102、ADC103、および画像処理部104において、連続的に信号処理されて生成される画像(スルー画像)である。
【0040】
ディスプレイ117にスルー画像が表示されている状態で、ユーザが希望のタイミングで撮影ボタン123を操作すると、コントローラ110は画像処理部104に制御信号を出力する。画像処理部104に制御信号が入力されると、圧縮部108は、前処理部105およびYC処理部106において画像処理された画像データをバッファメモリ111へ保存し、圧縮処理を行う。
【0041】
具体的には、画像データの高周波成分と低周波成分の割合を数値化する離散コサイン変換処理(DCT処理)や、画像の階調やグラデーションを表現する段階を量子化ビット数で表現する量子化処理や、画像データの信号文字列を一定のビット毎に区切り、出現頻度が高い文字列に対して、より短い符号を与えてゆくハフマン符号化処理などが実行される。圧縮された画像データは、コントローラ110およびディスプレイドライバ116を介してディスプレイ117に表示される。また、圧縮された画像データは、カードホルダ114を介して記録媒体115に記録される。
【0042】
撮影ボタン123が操作される前にズームボタン125が操作されると、コントローラ110は光学ズーム処理や電子ズーム処理を実行し、画像の大きさを拡大または縮小させることができる。そして、ズームボタン125の操作後、撮影ボタン123が操作されると、拡大または縮小された画像の画像データが記録媒体115へ記録される。
以上、図1を用いて本発明を実施する撮像装置のハードウエア構成および撮影機能について説明した。
【0043】
次に、本発明の処理工程について、図2〜図18を用いて説明する。まず、図2は、本発明の実施形態に係る撮影装置で動作するプログラムのモジュールを示す図である。
【0044】
識別情報登録モジュール201は、撮影された画像から人物の顔画像を認識する機能を有し、認識した顔画像から識別情報を生成し、識別情報データと、顔認識情報データと、識別グループデータへ登録する機能を有する。識別情報照合モジュール202は、撮影された画像から人物の顔画像を認識する機能を有し、認識した顔画像と識別情報へ登録された特徴が一致するか照合する機能を有する。照合後、後述する撮影数カウントモジュール203を実行する。
【0045】
撮影数カウントモジュール203は、識別情報照合モジュール202によって照合された結果を基に、識別情報カウントデータテーブルへ撮影枚数を記録する機能を有する。識別結果表示モジュール204は、識別情報カウントデータと、識別情報データと、顔認識情報データと、識別グループデータを参照し、識別ID単位に識別枚数を一覧で表示する機能を有する。
【0046】
図3は、本発明の実施形態に係る撮影装置が保持する識別情報データテーブルの一例を示す図である。識別情報データテーブルは、識別したい人物単位に1レコードを作成する。
【0047】
識別情報データテーブルの識別ID301は、識別情報データテーブル内で一意となる文字列を設定する。識別情報データテーブルの名前302は、識別ID単位に任意の英数仮名を設定する。設定された文字が認識結果をディスプレイに表示する際に表示される。識別グループ303は、図10の識別情報登録画面で設定される、本実施の形態で識別情報を分類するためのグループである。なお、図3の識別情報データテーブルの名前302、識別グループ303の情報は、後述の図10の識別情報登録画面を通して設定される。
【0048】
図4は、本発明の実施形態に係る撮影装置が保持する顔認識情報データテーブルの一例を示す図である。顔認識情報データテーブルは、識別情報データテーブルの識別ID401ごとに1レコードを作成する。識別ID401は、顔認識情報データテーブル内で一意となる文字列を設定する。画像名402は、後述の図10の識別情報登録画面において、識別情報として登録した顔画像のファイル名で設定する。
【0049】
図5は、本発明の実施形態に係る撮影装置が保持する識別グループデータテーブルの一例を示す図である。識別グループデータテーブルは、撮影者が計測したい単位に被写体の識別情報をグループ化したデータである。本図では、「Aグループ」と「Bグループ」という2つのグループに分類されている。
【0050】
識別グループID501は、識別グループデータテーブルで一意となる文字列を設定する。グループ名502は、識別グループID501に対して任意の文字列によりグループ名を設定する。設定された文字が識別グループを選択する際に、ディスプレイ上に表示される。識別グループの登録および選択の方法については後述の図11で説明する。
【0051】
識別ID503は、識別グループの対象とする識別情報データテーブルの識別ID301の値を設定する。複数設定する場合は半角カンマで区切って設定する。また、ここでは例として識別ID301の値が設定されているが、識別情報データテーブルの名前302の値を用いることも勿論可能である。
【0052】
最低撮影枚数504は、各グループに所属する被写体の写真を、最低何枚撮影すればいいかを示す最低撮影枚数が設定されている。本実施の形態において、最低撮影枚数は、図11で、各識別グループごとに設定される方法となっている。この方法のほかには、例えば、図10の識別情報登録画面において、各被写体ごとに最低撮影枚数を設定する方法も可能である。この場合、図3の識別情報データテーブルにも、各識別情報(被写体)ごとに、最低撮影枚数の値が追加されることとなる。
【0053】
図6は、本発明の実施形態に係る撮影装置が保持する識別情報カウントデータテーブルの一例を示す図である。識別情報カウントデータテーブルは、識別対象として選択された識別グループに属する識別ID単位にレコードを作成する。
【0054】
識別ID601は、識別対象として選択した識別グループデータの識別ID503に設定された識別IDを設定する。また、本図の識別ID601は、先述の図3の識別ID301と同じ値を持つ。
【0055】
カウント602は、識別ID601単位に初期値は0で設定されており、撮影数カウントモジュール303により照合の結果の数値を設定する。
【0056】
図7は、本発明の実施形態に係る撮影装置が保持する画像データテーブルの一例を示す図である。画像データテーブルは、撮影後、撮影された画像単位にレコードを作成する。画像ファイル701は、撮影された画像ファイル名を設定する。
【0057】
識別ID702は、画像ファイル名701に対して識別情報照合モジュール202により、照合の結果、一致した場合の識別IDを設定する。つまり、一つの画像内で、顔認識の結果識別できた人物の情報を設定する。識別の結果、複数の識別IDが存在する場合、半角カンマ区切りで全ての識別IDを設定する。
【0058】
なお、上述の図3〜図7の各データテーブルは、夫々同じ項目名を持つものがある(例えば図3の「識別ID」301と図6の「識別ID」601と図7の「識別ID」702、など)。このことより、図3乃至図7のデータテーブルはそれぞれリレーショナルデータベースとして構成されていることがわかる。また、これらのデータテーブルは、次に説明をするフローチャートの各ステップで設定されるものである。
【0059】
次に、図17および図18を用いて本発明の撮影のための設定処理および、撮影処理について説明をする。図17は、本発明の実施形態に係る撮影装置で識別情報の登録時に実行するフローチャートである。
【0060】
まず、識別情報を登録するために、ステップS1701において、撮像装置100は、モード選択画面において「顔認識登録」のボタン押下を受け付ける。または、モードダイヤル122で設定モードが選択されて、設定画面(不図示)が表示されている時に、「識別情報登録」の項目選択を受け付ける。この時に撮像装置の表示部に表示されるのは、図8のモード選択画面である。
【0061】
図8は、本発明の実施形態に係る撮影装置の表示部で表示される識別情報の登録を行う、識別情報登録モードへ変更する画面の一例を示す図である。
【0062】
「撮影モードを選択」のボタン801は、通常の撮影を行う(「撮影モード」を起動する)場合に押下を受け付けるボタンである。「カウント撮影モードを選択」のボタン802は、本発明の撮像装置に登録する識別情報(顔認識情報)を使用して、人物の照合をしながら撮影を行う(「カウント撮影モード」を起動する)場合に押下を受け付けるボタンである。
【0063】
「識別情報登録モードを選択」のボタン803は、ステップS1701で、識別情報の登録を行う(「識別情報登録モード」を起動する)場合に押下を受け付けるボタンである。「識別情報登録モード」ボタン803の押下を受け付けると、撮像装置100は、更に図9で示す「識別情報登録内容選択画面」を表示する。
【0064】
図9は、本発明の実施形態に係る撮影装置の表示部で表示される、識別情報の登録を行う、識別情報登録画面へ変更する画面の一例を示す図である。
【0065】
「識別グループを登録する」のボタン901は、新規に識別グループを作成する場合に選択する。識別グループとは、識別情報(顔認識情報)を登録する際に同時に選択をする被写体のグループカテゴリである。例えば、本発明を団体旅行で使用する撮像装置として考える場合に、バスの1号車、2号車それぞれに乗っている旅行客を、図9の識別グループ登録の機能で分類しておくことで、被写体(団体旅行の参加者)の撮影枚数の管理を実行することが可能になる。
【0066】
902は識別情報登録ボタンであり、撮影した画像に対して識別情報(被写体の情報)を設定する場合に選択する。
【0067】
901の「識別グループ登録ボタン」の押下を受け付けると、撮像装置100は、表示部に「識別グループ登録画面(不図示)」を表示し、グループ名の登録を受け付ける。
【0068】
引き続き図17の説明に戻り「識別情報登録モード」が選択されると、ステップS1702において、識別情報として登録したい人物の顔を撮影する。ステップS1702で撮影された画像は、図4の顔認識情報データテーブルの顔認識画像402に設定し、顔認識情報ID401に一意となる文字列を設定して登録する。
【0069】
複数人の識別情報を登録したい場合には、ステップS1703において、対象者が他にもいるかどうかの確認を促し、登録する対象者が他にもいる場合には、ステップS1702に戻って撮影を実行し、ステップS1702〜S1703の繰り返す。
【0070】
全ての対象者の撮影が終了したと判断されたら(撮影後の確認画面(不図示)で、対象者が他にもいるか?の問いに対し、「いいえ(全て撮影した)」ボタンの選択を受け付けると)、ステップS1704へ進み、撮像装置100は、撮影した画像を基に図3の識別情報データテーブルを登録する。この時に撮像装置100のディスプレイ117に表示されるのが、図10の識別情報登録画面である。
【0071】
ここで、図10の識別情報登録画面について説明をする。図10は、本発明の実施形態に係る撮影装置の表示部で表示される識別情報の登録を行う「識別情報登録画面」の一例を示す図である。
【0072】
撮影画像1001は、識別情報を登録する人物の顔画像を表示する。この時に表示される顔画像は、図17のステップS1702で撮影し、保存された画像の中で、顔認識された一部分が自動的にトリミングされたものである。また、トリミングを行っていない状態(撮影時のまま)の画像であってもよい。識別IDラベル1002は、識別情報に対して一意となるように付与する識別IDを表示する。この識別IDラベル1002で設定される文字列は、撮像装置100で自動的に採番される文字列であっても、ユーザにより任意に設定されるものであってもよい。
【0073】
名前ラベル1003は、識別情報に対して設定する任意の文字列を表示する箇所である。本項目を設定する際には、撮像装置100の表示部に、ソフトウエアキーボードが表示されて、名前の設定を受け付ける。識別グループドロップダウンリスト1004は、識別情報をどの識別グループに所属するか表示する。識別グループドロップダウンリスト1004を選択し、表示される識別グループから選択する。識別グループについては、別途図9のUIで詳細に説明をする。
【0074】
登録ボタン1005は、当識別情報登録画面で設定した識別ID1002、名前ラベル1003、識別グループドロップダウンリスト1004の内容を識別情報として登録するためのボタンである。キャンセルボタン1006は、名前ラベル1003、識別グループドロップダウンリスト1004に設定した内容をキャンセルするためのボタンであり、識別情報の登録は実行されない。また、キャンセルボタン1006の押下を受け付けると、ステップS1702で登録した画像は自動的に記録媒体から削除される。
【0075】
また、図11は、本発明の実施形態に係る撮影装置の表示部で表示される、識別グループを登録する画面の一例を示す図である。図11の識別グループ登録画面は、図9の識別グループ情報登録ボタン901の押下を受け付けることにより表示される。
識別グループ名1101は、登録した識別グループ名を表示する。
【0076】
最低撮影枚数1102は、識別グループに登録した識別情報(被写体)ごとの最低撮影枚数が表示される。最低撮影枚数増減ボタン1103は、「+」表示されたボタンを押下すると最低撮影枚数1102に表示されている値を1増加させ、「−」表示されたボタンを押下すると最低撮影枚数1102に表示されている値を1減少させる。
【0077】
登録ボタン1104は、識別グループ名1101、最低撮影枚数1102に設定した内容を識別グループ情報として登録する。
【0078】
キャンセルボタン1105は、識別グループ名1101、最低撮影枚数1102に設定した内容をキャンセルし、識別グループ情報の登録はせずに図9の識別情報登録内容選択画面に戻る。
【0079】
引き続き、図17の説明に戻り、ステップS1704で、撮像装置100は、図10の識別情報登録画面を表示する。この時には、先述のステップS1702で撮影をした時に設定をした図4の顔認識情報データテーブルのうち「識別ID401」の情報をキーにして、図3の識別情報データテーブルの「識別ID301」に同じ値を設定する。名前302は名前ラベル1003に表示された内容を設定し、画像名403にはステップS1702で撮影した、画像が設定される。ステップS1704の登録処理により図3の識別情報データテーブルが生成される。
【0080】
次に、図18は、本発明の実施形態に係る撮影装置で撮影時、及び、識別結果判定時に実行するフローチャートである。
【0081】
まず、識別情報を使用して、人物の照合をしながら撮影を行うために、ステップS1801において、撮像装置100は、図8のモード選択画面を表示し「顔認識登録」のボタン押下を受け付ける。または、モードダイヤル122で設定モードが選択されて、設定画面(不図示)が表示されている時に、「カウント撮影モード」の項目選択802を受け付ける。この時に撮像装置の表示部に表示されるのは、図8のモード選択画面である。また、モード選択画面を表示しない場合には、モードダイヤル122が「カウント撮影モード」に設定されていることを確認し、設定されていればステップS1802へ進む。
【0082】
ステップS1802において、撮像装置100は、「カウント撮影モード」を実行するために撮影する識別グループの選択を受け付ける。この時に表示されるのが、図12の識別グループ選択画面である。
【0083】
図12は、本発明の実施形態に係る撮影装置の表示部で表示される識別情報を使用して、人物の照合をしながら撮影を行う場合に、識別グループを選択する画面の一例を示す図である。グループボタン1201および1202は、撮影を行う時に、撮影する対象とする識別グループを選択するボタンであり、選択された識別グループが照合対象に設定される。本実施例では、「Aグループ」と「Bグループ」の二つが識別グループとして図9および識別グループ設定画面(不図示)で設定されていることを図9では示している。
【0084】
また、識別グループに属する識別情報が撮影された期間を選択することにより、選択された期間内で何枚撮影されたのかを判断することが可能になる。例えば、団体旅行などで、各旅行客を一日最低5枚は画像に収めなければならない場合など、撮影期間を当日(例えば2011年4月1日から2011年4月1日まで、など)に設定しておけば、撮影日当日で各識別情報が撮影された枚数を抽出することが可能である。
【0085】
ステップS1802で、撮影カウントを行いたい被写体の識別グループと、被写体(識別情報)が撮影された期間の選択を受け付ける(ボタン1201若しくは1202の押下を受け付ける)と、図5の識別グループデータテーブルから、選択を受け付けた識別グループに設定されている(所属している)識別ID503の値を基に識別情報カウントデータテーブル(図6)を作成する。
【0086】
識別グループの選択と、識別グループに属する被写体の撮影された期間の設定が終わると、撮像装置100は撮影状態でスタンバイとなり、ステップS1803にて撮影を開始する。シャッターの押下を受け付け、半押し状態にすると、撮像装置の焦点機能が作動し、
レンズでとらえた被写体の検出をして、顔認識を行う。
【0087】
ステップS1804において、撮像装置100の識別情報照合モジュール202が、図4の顔認識情報データテーブルに記憶されている顔認識情報から、撮影した画像で顔認識できた部分と一致する識別情報があるか否かの判定を行う。判定の結果、識別情報が記憶されている場合には、ステップS1806に進む。識別情報が記憶されていいない場合にはステップS1805に進む。
【0088】
ステップS1806へ進むと、撮像装置100は、表示部(ディスプレイ117)に、識別情報画像1301と識別被写体1302を表示する。この時に表示される画面例が、図13の顔認識情報が一致した場合の撮影画像確認画面である。
【0089】
図13は、本発明の実施形態に係る撮影装置の表示部で表示される、識別情報を使用して、人物の照合をしながら撮影を行う場合に、撮影時に顔認識情報データテーブルに記憶されている被写体の識別情報と一致した場合の画面の一例を示す図(撮影枚数表示画面)である。撮像装置100のディスプレイ117に撮影画像が表示され、撮影時に識別情報照合モジュール202にて保存されている識別情報と照合結果が一致した顔認識情報が、1302に示すように識別可能に表示されている(例えば、顔認識された部位を太点線で囲むなど)。また、一致した顔認識情報は、1301に示すとおり、顔画像(識別情報)とともに名前とステップS1802で選択した期間内にこの識別情報が撮影された画像の枚数が表示される。この表示方法によれば、誰が被写体として識別されているのか、またそれぞれの被写体(識別情報)が今まで何枚撮影されてきたのかを瞬時に確認することが可能である。
【0090】
また、ステップS1805に進むと、撮像装置は、表示部(ディスプレイ117)に、非識別被写体を表示する。この時に表示される画面例が、図13の顔認識情報と一致しない場合の撮影画像確認画面である。
【0091】
図15は、本発明の実施形態に係る撮影装置の表示部で表示される、識別情報を使用して人物の照合をしながら撮影を行う場合に、撮影時に識別情報と一致しない場合の画面の一例を示す図である。
【0092】
非識別被写体1401は、撮影時に識別情報照合モジュール302にて識別情報と照合結果が一致しなかった場合、一致しなかった被写体の周りを点線で囲み、表示する。また、識別情報カウントデータテーブルに非識別データとして、識別ID601に『ZZZZZ』を設定し、カウント602に非識別被写体1501の合計数を加算した値を設定し、登録する。
【0093】
引き続き図18の説明に戻り、ステップS1807において、撮像装置100は、認識した被写体(識別情報)がステップS1802で設定した期間内に撮影された枚数を取得し、最低撮影枚数に達しているかの判定を行う。
【0094】
方法としては、すでに被写体として識別されている識別情報の識別IDをキーにして、図7の画像データテーブルから画像を抽出する。例えば、今回の撮影で識別IDが「00002」の人が被写体として識別されているとしたら、図7の画像データテーブルからは、s木別情報「00002」を含む画像が抽出される。
【0095】
次に、抽出された画像の中から、先のステップS1802で設定した期間内に撮影された画像の抽出を行う。ステップS1802で、「2011年4月1日から2011年4月4日まで」と設定した場合には、「IM00001.jpg」と「IM00003.jpg」が抽出される。ここで抽出された撮影画像枚数が、図5で設定されている最低撮影枚数504の値よりも大きいか否かを判定することとなる。最低撮影枚数に撮影画像枚数が達している場合(YES)には、ステップS1808へ進み、達していない場合(NO)には、ステップS1809に進む。
【0096】
ステップS1808で、撮像装置100は、被写体として識別されている識別情報は、すでに最低撮影枚数に達している旨の警告を行う。例えば、図14では、“識別まる子”さんがすでに7枚の画像に撮影されているため、1403では、「識別まる子さんは既に最低枚数撮影されています。」という旨の警告文が表示されている。
【0097】
またステップS1809で、撮像装置100は、被写体として識別されている識別情報が、最低撮影枚数に達していない旨の警告を行う。例えば、図14では、“識別出来田”さんが1枚の画像にしか撮影されていないため、「識別出来田さんをあと4枚撮影してください」という警告文が表示されている。この時に、“あと○枚”という具体的な指示を表示させるとよりバランスよく、多くの識別情報を画像に収めることが可能である。
【0098】
ステップS1810で、撮像装置100は、検出した被写体(識別情報)全ての撮影枚数確認が終わったか否かの判定を行う。すなわち、検出された全ての被写体(識別情報)に対して、ステップS1808もしくはステップS1809で何らかの警告を行ったか否かの判定を行う。全ての被写体に対する警告が終わっている場合(YES)には、ステップS1811に進む。全ての被写体に対する警告が終わっていない場合(NO)には、ステップS1807に戻る。
【0099】
ステップS1811で、撮像装置100は、シャッターの全押し指示を受け付け、画像の撮影を行う。撮影された画像は、画像データテーブル(図7)に記憶され、さらに、画像の被写体として識別されていた識別情報の撮影回数が、図6の識別情報カウントデータテーブルにおいてカウントアップされる。
【0100】
識別情報を使用した人物の撮影を終了するかステップS1812にて判断(具体的には、メニューの切り替え指示や、電源オフの指示を受け付けたかを判断)し、撮影を継続する場合、ステップS1803〜S1811の処理を繰り返す。継続しない場合はステップS1813に進み、撮影結果を表示する。
【0101】
ステップS1813では、識別情報カウントデータテーブル、識別情報データテーブル、顔認識情報データテーブルを参照し、被写体毎の撮影枚数を表示した図16の識別結果一覧表示画面を表示する。
【0102】
図16は、本発明の実施形態に係る撮影装置の表示部で表示される、識別情報を使用して、人物の照合をしながら撮影を行った場合に、識別結果を表示する画面の一例を示す図である。
【0103】
識別情報の名前1601は、画像に撮影された識別情報の名前が表示され、撮影画面で被写体を識別したときに、図13の1301などに表示される名前と同一である。識別情報画像1602は、図10で設定される識別情報ごとの画像である。撮影枚数1603は、識別情報が今までに撮影された枚数を示す。撮影状況表示文1604は、1603の撮影枚数と、各識別グループ(もしくは各識別情報)ごとに設定されている最低撮影枚数との差を表すものであり、すでに最低撮影枚数に達している場合には、「既に最低撮影枚数撮影されています。」が表示される。また、最低撮影枚数に届いていない場合には、「最低撮影枚数まであと○枚です。」が表示される。
【0104】
以上で、本発明の撮像装置で実行する処理の説明を終える。なお、本発明の実施形態では、撮像装置の表示部(ディスプレイ)6が、タッチパネル機能を有しているものであれば、ユーザからの指示受付は、操作入力部のカーソルキーによる操作を受け付けではなく、表示部(ディスプレイ)6へ押下を直接受け付けることにより、制御を実行することが可能である。
【0105】
以上、本発明によれば、予め対象者の情報を登録しておき、撮影時に顔認識することで対象者毎の撮影枚数をカウントし、特定人物のみに偏って撮影することを防ぐ仕組みを提供することが可能となる。
【0106】
具体的に、本発明の撮像装置は、顔認識を用いて被写体を撮影する撮像装置において、前記被写体の情報と、前記顔認識により特定された前記被写体の顔画像とを紐付けて識別情報として登録する識別情報登録手段(図17のステップS1701〜S1704)と、前記識別情報登録手段で登録した前記被写体の識別情報と、該被写体が撮影されている画像の枚数とを紐付けて記憶管理する記憶管理手段(図3、図4、図5、図6、図7)と、撮影時に被写体を検出する検出手段(図18のステップS1803)と、前記検出手段で検出した前記被写体の識別情報が、前記識別情報登録手段で登録されている前記被写体の識別情報と一致するか否かを判定する判定手段(図18のステップS1804)と、前記判定手段で前記被写体の識別画像が前記識別情報登録手段で登録されている前記被写体の顔画像と一致すると判定された場合に、該被写体が撮影された画像の枚数を表示する撮影枚数表示手段(図18のステップS1808、S1809)と、前記表示手段で表示した前記被写体の撮影枚数に応じて、前記被写体の撮影枚数に関する警告を行う警告手段(図18のステップS1808、S1809)とを備えることを特徴とする。
【0107】
以上説明したように、本発明におけるプログラムは、図17および図18に示すフローチャートの処理に従って撮像装置としてコンピュータが実行可能なプログラムであり、本発明の記憶媒体は図17および図18の処理方法を撮像装置が実行可能なプログラムを記憶されている。なお、本発明におけるプログラムは図17および図18の各装置の処理方法ごと、別の独立したプログラムであってもよい。
【0108】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0109】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,DVD−ROM,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROM,EEPROM,シリコンディスク等を用いることができる。
【0110】
また、撮像装置が読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0111】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0112】
また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0113】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ、データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0114】
また上記のソフトウェアで実現する各処理を、ファームウェアやハードウェア構成にして、各処理を各手段として実現することも可能であり、本発明の技術的範囲はこのようなファームウェアやハードウェア構成による実現も含むものである。
【符号の説明】
【0115】
100 撮像装置
101 光学系(レンズ)
102 撮像素子(CCD)
103 カメラ信号処理部
110 システムコントローラ
117 ディスプレイ
120 操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顔認識を用いて被写体を撮影する撮像装置において、
前記被写体の情報と、前記顔認識により特定された前記被写体の顔画像とを紐付けて識別情報として登録する識別情報登録手段と、
前記識別情報登録手段で登録した前記被写体の識別情報と、該被写体が撮影されている画像の枚数とを紐付けて記憶管理する記憶管理手段と、
撮影時に被写体を検出する検出手段と、
前記検出手段で検出した前記被写体の識別情報が、前記識別情報登録手段で登録されている前記被写体の識別情報と一致するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段で前記被写体の識別画像が前記識別情報登録手段で登録されている前記被写体の顔画像と一致すると判定された場合に、該被写体が撮影された画像の枚数を表示する撮影枚数表示手段と、
前記撮影枚数表示手段で表示した前記被写体の撮影枚数に応じて、前記被写体の撮影枚数に関する警告を行う警告手段と
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記判定手段は、前記検出手段で検出した前記被写体の識別情報が撮影された画像の枚数の値と、予め設定されている最低撮影枚数の値を比較する比較手段を備え、
前記警告手段は、前記比較手段で前記識別情報が撮影された枚数の値が、前記予め設定されている撮影枚数の値よりも大きい場合には、前記識別情報は既に最低枚数の撮影がなされている旨を警告し、また、前記比較手段で前記識別情報が撮影された枚数の値が、前記予め設定されている撮影枚数の値よりも小さい場合には、前記識別情報が最低撮影枚数に到達するために必要な枚数を警告することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
撮影時に被写体の検出を行う対象とする識別グループと前記識別グループに属する識別情報の画像が撮影された期間の選択を受け付ける選択受付手段を更に備え、
前記検出手段は、前記選択受付手段で受け付けた前記識別グループに属する識別情報の画像の検出を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項4】
画像を撮影する撮像手段を更に備え、
前記撮像手段で撮影した画像に前記識別情報登録手段で登録した前記被写体が撮影されている場合、当該被写体が顔認識された部位と、認識された当該被写体を識別する情報を表示する撮影結果表示手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記識別情報登録手段は、前記被写体をグループに分類する識別グループの情報を前記識別情報として登録することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載に撮像装置。
【請求項6】
被写体の識別情報と、該被写体が撮影されている画像の枚数とを紐付けて記憶管理する記憶管理手段を備え、顔認識を用いて被写体を撮影する撮像装置の制御方法であって、
前記撮像装置の識別情報登録手段が、前記被写体の情報と、前記顔認識により特定された前記被写体の顔画像とを紐付けて識別情報として登録する識別情報登録ステップと、
前記撮像装置の検出手段が、撮影時に被写体を検出する検出ステップと、
前記撮像装置の判定手段が、前記検出ステップで検出した前記被写体の識別情報が、前記識別情報登録ステップで登録されている前記被写体の識別情報と一致するか否かを判定する判定ステップと、
前記撮像装置の撮影枚数表示手段が、前記判定ステップで前記被写体の識別画像が前記識別情報登録手段で登録されている前記被写体の顔画像と一致すると判定された場合に、該被写体が撮影された画像の枚数を表示する撮影枚数表示ステップと、
前記撮像装置の警告手段が、前記撮影枚数表示ステップで表示した前記被写体の撮影枚数に応じて、前記被写体の撮影枚数に関する警告を行う警告ステップ
とを含むことを特徴とする制御方法。
【請求項7】
被写体の識別情報と、該被写体が撮影されている画像の枚数とを紐付けて記憶管理する記憶管理手段を備え、顔認識を用いて被写体を撮影する撮像装置を制御するプログラムであって、
前記撮像装置を、
前記被写体の情報と、前記顔認識により特定された前記被写体の顔画像とを紐付けて識別情報として登録する識別情報登録手段と、
撮影時に被写体を検出する検出手段と、
前記検出手段で検出した前記被写体の識別情報が、前記識別情報登録手段で登録されている前記被写体の識別情報と一致するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段で前記被写体の識別画像が前記識別情報登録手段で登録されている前記被写体の顔画像と一致すると判定された場合に、該被写体が撮影された画像の枚数を表示する撮影枚数表示手段と、
前記撮影枚数表示手段で表示した前記被写体の撮影枚数に応じて、前記被写体の撮影枚数に関する警告を行う警告手段
として機能させることを特徴とするコンピュータで読み取り実行可能なプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−235273(P2012−235273A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−101889(P2011−101889)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(390002761)キヤノンマーケティングジャパン株式会社 (656)
【出願人】(312000206)キヤノンMJアイティグループホールディングス株式会社 (259)
【出願人】(592135203)キヤノンITソリューションズ株式会社 (528)
【Fターム(参考)】