説明

撮像装置、及びその制御方法

【課題】様々な方向からリモコンにより遠隔操作がされる場合であっても適切な設定ができる撮像装置を提供する。
【解決手段】撮像装置は、遠隔操作装置から送信された信号を受信する複数の受信部と、複数の受信部により受信された各々の受信信号の信号レベルに基づいて、自装置に対する遠隔操作装置の角度を検出する角度検出部と、表示情報を表示する表示部と、角度検出部により検出された検出角度に基づいて、表示情報の表示を変更して表示部に表示させる表示制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置、及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、操作者がリモコン(遠隔操作装置)により撮像装置を遠隔操作する技術がある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−43523号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、リモコンにより撮像装置を遠隔操作する操作者の位置が変わった場合、撮像装置は、適切な制御ができないことがあった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、様々な方向からリモコンにより遠隔操作がされる場合であっても適切な制御ができる撮像装置、及びその制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、遠隔操作装置から送信された信号を受信する複数の受信部と、前記複数の受信部により受信された各々の受信信号の信号レベルに基づいて、自装置に対する前記遠隔操作装置の角度を検出する角度検出部と、表示情報を表示する表示部と、前記角度検出部により検出された検出角度に基づいて、前記表示情報の表示を変更して前記表示部に表示させる表示制御部とを備えることを特徴とする撮像装置である。
【0007】
また、この発明は、遠隔操作装置から送信された信号を受信する複数の受信部と、前記複数の受信部により受信された各々の受信信号の信号レベルに基づいて、自装置に対する前記遠隔操作装置の角度を検出する角度検出部と、前記角度検出部により検出された検出角度に基づいて、前記レリーズ信号に基づくレリーズタイミングを、所定の時間遅延させるタイミング遅延部とを備えることを特徴とする撮像装置である。
【0008】
また、この発明は、表示情報を表示する表示部を備える撮像装置の制御方法であって、
複数の受信部が、遠隔操作装置から送信された信号を受信する手順と、角度検出部が、前記複数の受信部により受信された各々の受信信号の信号レベルに基づいて、前記自装置に対する前記遠隔操作装置の角度を検出する手順と、表示制御部が、前記角度検出部により検出された検出角度に基づいて、前記表示情報の表示を変更して前記表示部に表示させる手順とを備えることを特徴とする撮像装置の制御方法である。
【0009】
また、この発明は、複数の受信部が、遠隔操作装置から送信された信号を受信する手順と、角度検出部が、前記複数の受信部により受信された各々の受信信号の信号レベルに基づいて、前記自装置に対する前記遠隔操作装置の角度を検出する手順と、タイミング遅延部が、前記角度検出部により検出された検出角度に基づいて、前記レリーズ信号に基づくレリーズタイミングを、所定の時間遅延させる手順とを備えることを特徴とする撮像装置の制御方法である。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、撮像装置は、様々な方向からリモコンにより遠隔操作がされる場合であっても適切な制御ができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態による撮像装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図2】撮像装置における3つの受信部の配置の一例を示す概略外観図である。
【図3】撮像装置に対するリモコンの操作方向を示す説明図である。
【図4】検出角度の方向から部材により遮られる表示領域を示す図である。
【図5】本実施形態における表示位置の制御処理を示すフローチャートである。
【図6】本実施形態における表示色調の制御処理を示すフローチャートである。
【図7】本実施形態におけるレリーズタイミングの制御処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態による撮像装置100の構成を示す概略ブロック図である。ここでは、本実施形態における撮像装置100が、複数の受信部として3つの受信部を備えている例について説明する。
図1に示す撮像装置100は、撮像部2、制御部3、画像処理部4、記憶部5、バッファメモリ部6、表示部7、音出力部8、発光部9、受信部A10a、受信部B10b、受信部C10c、操作部11、カードコネクタ12、及びバス15を備えている。
【0013】
撮像部2は、レンズ部21、撮像素子22、及びA/D変換部23を備えており、被写体を撮像して画像データを生成する。この撮像部2は、設定された撮像条件(例えば絞り値、露出等)に基づいて制御部3により制御され、レンズ部21を介して入力された被写体の光学像を、撮像素子22の撮像面上に結像させる。また、撮像部2は、撮像素子22から出力されたアナログ信号をA/D変換部23においてデジタル信号に変換し、画像データを生成する。
なお、上述したレンズ部21は、撮像装置100に取り付けられて一体とされていてもよいし、撮像装置100に着脱可能に取り付けられてもよい。
【0014】
撮像素子22は、撮像面に結像された光学像を光電変換したアナログ信号を、A/D変換部23に出力する。A/D変換部23は、撮像素子22から入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換し、この変換したデジタル信号である画像データを出力する。
【0015】
例えば、撮像部2は、操作部11における静止画撮影操作に応じて、撮像した静止画の画像データを出力する。また、撮像部2は、操作部11における動画撮影操作に応じて、所定の間隔で連続的に撮像した動画の画像データを出力する。そして、撮像部2によって撮像された静止画の画像データ及び動画の画像データは、制御部3の制御により、バッファメモリ部6や画像処理部4を介して記憶媒体200に記録される。また、撮像部2は、操作部11における撮影操作がされていない撮影待機状態の場合、所定の間隔で連続的に得られる画像データをスルー画像データ(スルー画)として出力する。そして、撮像部2によって得られたスルー画像データは、制御部3の制御により、バッファメモリ部6や画像処理部4を介して表示部7に表示される。
【0016】
制御部3は、撮像装置100が備えている各部を制御する。本実施形態における制御部3の構成についての詳細は後述する。
【0017】
画像処理部4は、記憶部5に記憶されている画像処理条件に基づいて、バッファメモリ部6に記憶されている画像データに対して画像処理を実行する。ここで、バッファメモリ部6に記憶されている画像データとは、例えば、撮像部2によって撮像された静止画の画像データ、スルー画像データ、もしくは動画の画像データ、または記憶媒体200から読み出された画像データである。
【0018】
記憶部5には、撮像装置100を制御するための、予め設定された、撮影条件、画像処理条件、再生制御条件、表示制御条件、記録制御条件、及び出力制御条件などが記憶されている。例えば、記憶部5は、ROM(Read Only Memory)である。
なお、記憶部5には、撮像された動画の画像データ及び静止画の画像データが記録されてもよい。この場合、例えば、記憶部5は、フラッシュメモリ等であってもよい。
【0019】
バッファメモリ部6は、制御部3が撮像装置100を制御する際の作業領域として利用される。撮像部2によって撮像された静止画の画像データ、スルー画像データ、もしくは動画の画像データ、または記憶媒体200から読み出された画像データは、制御部3の制御による画像処理の過程においてバッファメモリ部6に一時的に記憶される。バッファメモリ部6は、例えばRAM(Random Access Memory)である。
【0020】
表示部7は、表示情報を表示する。表示部7は、例えば、液晶ディスプレイであり、撮像部2によって撮像された画像データに基づく画像、もしくは記憶媒体200から読み出された画像データに基づく画像、またはメニュー画面、もしくは撮像装置100の動作状態や設定に関する情報等を表示する。ここで、撮像装置100の動作状態や設定に関する情報は、例えば、AF(Auto Focus)動作、シャッタースピード、絞り、ISO感度、記録画素数、記録可残能枚数、または撮影シーンモード等に関する情報である。
【0021】
受信部A10a、受信部B10b、及び受信部C10cは、リモコン300(遠隔操作装置)から送信された信号を受信する。そして、受信部A10a、受信部B10b、及び受信部C10cは、各々が受信した信号に基づく受信信号を電気信号として制御部3に出力する。例えば、受信部A10a、受信部B10b、及び受信部C10cは、リモコン300から送信された赤外線信号を受信し、各々が受信した赤外線信号を電気信号に変換して制御部3に出力する。また、リモコン300は、撮像装置100を遠隔操作する遠隔操作装置である。例えば、リモコン300は、レリーズスイッチ301を備えており、操作者がレリーズスイッチ301を操作した場合、レリーズスイッチ301の操作を示すレリーズ信号を赤外線信号として送信する。
【0022】
図2は、撮像装置100における3つの受信部の配置の一例を示す概略外観図である。図2(a)に示すように、撮像装置100の背面側には、表示部7、受信部A10a、受信部B10b、及び操作部11が配置されている。また、図2(b)に示すように、撮像装置100の前側には、レンズ部21、及び受信部C10cが配置されている。
【0023】
図2(a)に示すように、3つの受信部のうち2つの受信部(受信部A10a、及び受信部B10b)は、表示部7が配置されている撮像装置100の背面側の異なる位置に配置されている。例えば、2つの受信部は、表示部7に対して水平方向に離れた位置に配置されており、受信部A10aが左側に、受信部Bが右側に各々配置されている。
【0024】
よって、リモコン300が撮像装置100の表示部7に対する正面方向よりも右方向から操作された場合と左方向から操作された場合とにおいては、2つの受信部(受信部A10a、及び受信部B10b)により受信された各々の受信信号の信号レベルは、異なる信号レベルになる。例えば、リモコン300が表示部7に対する正面方向よりも右方向から操作された場合、左側に配置されている受信部A10aの受信信号の信号レベルは、右側に配置されている受信部B10bの受信信号の信号レベルよりも低い信号レベルになる。また、リモコン300が表示部7に対する正面方向よりも左方向から操作された場合、左側に配置されている受信部A10aの受信信号の信号レベルは、右側に配置されている受信部B10bの受信信号の信号レベルよりも高い信号レベルになる。
【0025】
一方、図2(b)に示すように、3つの受信部のうち1つの受信部(受信部C10c)は、撮像装置100の前側、すなわち、撮像装置100が撮像する側に対面し被写体からの光学像がレンズ部21に入力される側に配置されている。よって、リモコン300が撮像装置100の前方(前側の方向)から操作された場合と後方(背面側の方向)から操作された場合とにおいては、3つの受信部(受信部A10a、受信部B10b、及び受信部C10c)により受信された各々の受信信号の信号レベルは、異なる信号レベルになる。例えば、リモコン300が撮像装置100の前方から操作された場合、前側に配置されている受信部C10cの受信信号の信号レベルは、背面側に配置されている受信部A10a及び受信部B10bの各々の受信信号の信号レベルよりも高い信号レベルになる。また、リモコン300が撮像装置100の後方から操作された場合、背面側に配置されている受信部A10a及び受信部B10bの各々の受信信号の信号レベルは、前側に配置されている受信部C10cの受信信号の信号レベルよりも高い信号レベルになる。
【0026】
図1に戻り、操作部11は、撮像装置100に対して操作者が操作入力するための操作スイッチを備えている。例えば、操作部11は、電源スイッチ、レリーズスイッチ、モードスイッチ、メニュースイッチ、上下左右選択スイッチ、確定スイッチ、取消スイッチ、及びその他の操作スイッチを備えている。操作部11が備えている上述のそれぞれのスイッチは、操作されることに応じて、それぞれの操作に対応した操作信号を制御部3に出力する。
【0027】
カードコネクタ12には、カードメモリ等の着脱可能な記憶媒体200が挿入される。カードコネクタ12を介して、この記憶媒体200に画像データの書込み、読み出し、または消去が実行される。
記憶媒体200は、撮像装置100に対して着脱可能に接続される記憶部であり、例えば、撮像部2で撮像されて生成された画像データが記録される。
【0028】
バス15は、撮像部2、制御部3、画像処理部4、記憶部5、バッファメモリ部6、表示部7、受信部A10a、受信部B10b、受信部C10c、操作部11、カードコネクタ12、と接続され、各部から出力された画像データや制御信号等を転送する。
【0029】
次に、本実施形態の撮像装置100における制御部3の構成について説明する。図1に示すように制御部3は、角度検出部31、表示制御部32、及びタイミング遅延部33を備えている。角度検出部31は、リモコン300からの受信信号の信号レベルに基づいて撮像装置100に対するリモコン300の角度を検出する。また、表示制御部32、及びタイミング遅延部33は、角度検出部31により検出された検出角度に基づいて、各々表示部7に表示される表示情報を変更する制御、及びレリーズ信号のレリーズタイミングを遅延させる制御を実行する。以下、制御部3が備えている各部についての詳細を説明する。なお、タイミング遅延部33による制御については、後述の第3実施形態において説明する。
【0030】
角度検出部31は、3つの受信部(受信部A10a、受信部B10b、及び受信部C10c)により受信された各々の受信信号の信号レベルに基づいて、撮像装置100対するリモコン300の角度を検出する。つまり、3つの受信部(受信部A10a、受信部B10b、及び受信部C10c)は、リモコン300から送信された信号(例えば、赤外線信号)を受信し、受信した各々の受信信号を電気信号として角度検出部31に出力する。角度検出部31は、3つの受信部(受信部A10a、受信部B10b、及び受信部C10c)により受信された各々の受信信号の信号レベルに基づいて、撮像装置100に対するリモコン300の角度を検出する。
【0031】
図3は、撮像装置100に対するリモコン300の操作方向を示す説明図である。この図3のうちの図3(a)は、リモコン300が、撮像装置100の前方から操作された場合の方向を示す説明図である。この前方とは、撮像装置100においてレンズ部21が配置されている前側の方向である。また、図3(b)は、撮像装置100の後方から操作された場合の方向を示す説明図である。この後方とは、撮像装置100において表示部7が配置されている背面側の方向である。
【0032】
例えば、前側に配置されている受信部C10cの受信信号の信号レベルが、背面側に配置されている受信部A10a及び受信部B10bの各々の受信信号の信号レベルよりも高い信号レベルである場合、角度検出部31は、撮像装置100に対するリモコン300の角度が撮像装置100に対する前方の角度であると検出する。すなわち、この場合、角度検出部31は、リモコン300が撮像装置100の前方から操作されたと検出する(図3(a)に示す方向)。一方、背面側に配置されている受信部A10a及び受信部B10bの各々の受信信号の信号レベルが、前側に配置されている受信部C10cの受信信号の信号レベルよりも高い信号レベルである場合、角度検出部31は、撮像装置100に対するリモコン300の角度が撮像装置100に対する後方の角度であると検出する。すなわち、この場合、角度検出部31は、リモコン300が撮像装置100の後方から操作されたと検出する(図3(b)に示す方向)。
【0033】
また、角度検出部31は、リモコン300が撮像装置100の後方から操作されたと検出した場合、更に、撮像装置100の背面側に配置されている2つの受信部(受信部A10a及び受信部B10b)により受信された各々の受信信号の信号レベルに基づいて、撮像装置100に対するリモコン300の角度を検出する。すなわち、角度検出部31は、撮像装置100の背面側に配置されている表示部7に対するリモコン300の角度を検出する。
【0034】
例えば、撮像装置100の背面側において、左側に配置されている受信部A10aの受信信号の信号レベルが、右側に配置されている受信部B10bの受信信号の信号レベルよりも低い信号レベルである場合は、リモコン300が表示部7に対する正面方向よりも右方向から操作された場合である。また、左側に配置されている受信部A10aの受信信号の信号レベルが、右側に配置されている受信部B10bの受信信号の信号レベルよりも高い信号レベルである場合は、リモコン300が表示部7に対する正面方向よりも左方向から操作された場合である。
【0035】
つまり、例えば、受信部A10aと受信部B10bとが、表示部7の中心に対して水平方向に左右対称の距離に配置されている場合であって、受信部A10aと受信部B10bとの受信信号の信号レベルが同じである場合、撮像装置100に対するリモコン300の角度は、撮像装置100の表示部7に対する正面方向の角度である。また、受信部A10aと受信部B10bとの受信信号の信号レベルの差が大きくなるに対応して、撮像装置100に対するリモコン300の角度は、撮像装置100の表示部7に対する正面方向の角度に対して、右方向に大きい角度または左方向に大きい角度に変化する。よって、角度検出部31は、2つの受信部(受信部A10a及び受信部B10b)により受信された各々の受信信号の信号レベルに基づいて、撮像装置100の背面側に配置されている表示部7に対するリモコン300の角度を検出する。
【0036】
なお、角度検出部31は、上述の角度を検出する場合、受信信号の信号レベルに対応付けられた受信部とリモコン300との距離と、受信部A10a及び受信部B10bの間の距離とに基づいて上述の角度を検出してもよい。また、角度検出部31は、受信部A10a及び受信部B10bの各々の受信信号の信号レベルの比に応じて、上述の角度を検出してもよい。また、受信部A10a及び受信部B10bの各々の受信信号の信号レベルに対応付けられた角度データが記憶部5に予め記憶されており、角度検出部31は、その対応付けられた角度データを参照することにより上述の角度を検出してもよい。また、受信部A10aと受信部B10bとが、表示部7の中心に対して水平方向に左右対称の距離に配置されていない場合は、角度検出部31は、撮像装置100における各々の受信部の位置に基づいて上述の角度を検出してもよい。
【0037】
なお、撮像装置100に対するリモコン300の角度によっては、3つ受信部(受信部A10a、受信部B10b、及び受信部C10c)のうち、全ての受信部においてリモコン300から送信された信号を受信できるとは限らない。その場合は、角度検出部31は、3つ受信部(受信部A10a、受信部B10b、及び受信部C10c)のうち、受信した受信部のみの信号レベルに基づいて角度を検出してもよい。また、角度検出部31は、3つ受信部(受信部A10a、受信部B10b、及び受信部C10c)のうち、受信できなかった受信部の信号レベルを0レベルとして角度を検出してもよい。
【0038】
次に、表示制御部32が検出角度に基づいて表示部7における表示情報の表示を変更する場合について説明する。
表示制御部32は、角度検出部31により検出された検出角度に基づいて、表示情報の表示を変更して表示部7に表示させる。つまり、角度検出部31は、3つの受信部(受信部A10a、受信部B10b、及び受信部C10c)により受信された各々の受信信号の信号レベルに基づいて、撮像装置100に対するリモコン300の角度を検出する。そして、表示制御部32は、角度検出部31により検出された検出角度に基づいて、当該検出角度の方向から、すなわち、撮像装置100に対するリモコン300の方向から表示情報が見えやすいように、当該表示情報の表示を変更して表示部7に表示させる。
【0039】
表示制御部32は、リモコン300の方向から表示情報が見えやすいようにする場合、角度検出部31により検出された検出角度に基づいて、表示部7において当該検出角度の方向から見えにくい表示領域に表示される表示情報の表示位置を、表示部7において当該検出角度の方向から見えやすい表示領域に変更して表示部7に表示させる。また、表示制御部32は、角度検出部31により検出された検出角度と撮像装置100に備えられている各部材の配置とに基づいて、表示部7の表示領域において当該検出角度の方向から当該各部材により遮られる表示領域であるか否かを判定することにより、表示部7において当該検出角度の方向から見えにくい表示領域と見えやすい表示領域とを判定する。そして、見えにくい表示領域と判定した表示領域に表示される表示情報の表示位置を、見えやすい表示領域と判定した領域に変更して表示部7に表示させる。
【0040】
ここで、図4を用いて、表示制御部32が、検出角度に基づいて表示情報の表示位置を変更する例について説明する。
図4は、表示部7において、検出角度の方向から部材により遮られる表示領域を示す図である。この図4は、撮像装置100を上面視した図であり、撮像装置100の前側にはレンズ部21が配置され、背面側には表示部7が配置されていることを示している。撮像装置100の背面側において、表示部7の左右に受信部A10a、及び受信部B10bが各々配置されており、リモコン300から送信された信号を受信する。また、図4は、撮像装置100の背面側において、表示部7の右側には表示部7の表示面よりも後方に突出している操作部11が配置されている場合についての例を示している。
【0041】
図4に示すように、リモコン300は、撮像装置100に対して角度θ1の方向から操作者によって操作されたとする。この角度θ1は、上述した角度検出部31が受信部A10a、及び受信部B10bの受信信号の信号レベルに基づいて検出した検出角度である。この場合、表示部7において、検出角度θ1の方向から見られた場合に操作部11により遮られる表示領域がある。例えば、図4に示すように、表示制御部32は、表示部7の表示面から操作部11の後方への突出寸法dhと検出角度θ1とに基づいて、操作部11の左端から表示部7の方向に操作部11により遮られる寸法d1を算出する。そして、表示制御部32は、操作部11の左端から表示部7の右端までの寸法を、寸法d1から減算することにより、表示部7の表示領域において操作部11により遮られる寸法d2を算出する。よって、表示制御部32は、リモコン300の方向から撮像装置100の表示部7を見た場合、表示部7の右端から寸法d2までの間の表示領域を、操作部11により遮られることにより見えにくい表示領域として判定する。また、表示制御部32は、表示部7の表示領域のうち、表示部7の右端から寸法d2までの間の表示領域以外の表示領域を、見えやすい表示領域として判定する。
【0042】
そして、表示制御部32は、表示部7の右端から寸法d2までの間の表示領域に表示させている表示情報の表示位置を、表示部7の右端から寸法d2までの間の表示領域以外の表示領域に変更する。すなわち、表示制御部32は、操作部11により遮られることにより見えにくい表示領域に表示させている表示情報の表示位置を、見えやすい表示領域に変更する。例えば、表示制御部32は、撮像装置100の動作状態や設定に関する情報を、表示部7の右端から寸法d2までの間の表示領域の中に表示させている場合、当該領域の左側の領域に表示位置を変更する。
【0043】
なお、表示制御部32は、撮像装置100の動作状態や設定に関する情報の表示位置を変更する場合、情報の表示サイズを変更して表示位置を変更してもよいし、また、表示する情報に予め設定された優先度に基づいて、表示する情報の項目数を変更して表示位置を変更してもよい。また、表示制御部32は、撮像装置100の動作状態や設定に関する情報に限らず、画像データに基づく画像の表示位置を変更してもよい。その場合、表示制御部32は、画像の表示倍率を縮小して表示位置を変更してもよいし、また、画像の縦横比を変更して表示位置を変更してもよい。また、実際は、リモコンの位置と操作者の目の位置とは一致しない場合があるため、撮像装置100に対するリモコン300の角度と撮像装置100に対する操作者の目の角度とは、一致しない場合がある。そのため、図4において、表示部7の右端から寸法d2までの間の表示領域を、操作部11により遮られることにより見えにくい表示領域としたが、これに限らず、例えば、寸法d2に所定の寸法を加算した寸法に基づいた表示領域を見えにくい表示領域としてもよい。また、図4において、表示部7の表示領域の一部が操作部11により遮られる場合の例について示したが、操作部11以外の部材であってもよく、例えば、表示部7の表示領域の一部が表示部7の表示面と撮像装置100の背面とに段差があることにより遮られる場合であってもよい。
【0044】
次に、本第1実施形態における撮像装置100の動作を説明する。
図5は、本第1実施形態における表示位置の制御処理を示すフローチャートである。以下、図5のフローチャートを用いて、撮像装置100が検出角度に基づいて表示位置を変更する制御処理について説明する。
【0045】
撮像装置100は、リモコン300から送信された信号を受信するリモコン動作モードに設定され、リモコン300から送信された信号を受信可能である受信待機状態になる(ステップS11)。撮像装置100の制御部3は、受信部A10a、受信部B10b、または受信部C10cから受信信号が入力されたか否かにより、受信部A10a、受信部B10b、または受信部C10cがリモコン300からの信号を各々受信したか否かを検出する(ステップS12)。制御部3に受信部A10a、受信部B10b、または受信部C10cから受信信号が入力された場合、すなわち、受信部A10a、受信部B10b、または受信部C10cがリモコン300からの信号を受信した場合(YES)、制御部3は、ステップS13に処理を進める。また、制御部3に受信部A10a、受信部B10b、及び受信部C10cから受信信号が入力されない場合、すなわち、受信部A10a、受信部B10b、及び受信部C10cがリモコン300からの信号を受信しない場合(NO)、制御部3は、ステップS11に処理を戻し、受信待機状態を継続する。
【0046】
ステップS13において、制御部3の角度検出部31は、3つの受信部(受信部A10a、受信部B10b、及び受信部C10c)から入力された各々の受信信号の信号レベルを検出する(ステップS13)。そして、角度検出部31は、3つの受信部(受信部A10a、受信部B10b、及び受信部C10c)から入力された各々の受信信号の信号レベルに基づいて、撮像装置100に対するリモコン300の角度を検出する(ステップS14)。
【0047】
次に、表示制御部32は、角度検出部31により検出された検出角度と撮像装置100に備えられている各部材の配置とに基づいて、表示部7の表示領域において当該検出角度の方向から当該各部材により遮られる表示領域を算出する。すなわち、表示制御部32は、検出角度の方向から各部材により遮られる表示領域を見えにくい表示領域として判定する。また、表示制御部32は、表示部7の表示領域のうち、検出角度の方向から各部材により遮られる表示領域以外の表示領域を見えやすい表示領域として判定する(ステップS15)。
【0048】
そして、表示制御部32は、表示部7において、検出角度の方向から各部材により遮られる表示領域、すなわち見えにくい表示領域の中に、表示情報を表示させているか否かを判定する(ステップS16)。表示制御部32は、見えにくい表示領域の中に表示情報を表示させていないと判定した場合(NO)、表示情報の表示位置を変更しない(ステップS18)。一方、表示制御部32は、見えにくい表示領域の中に表示情報を表示させていると判定した場合(YES)、見えにくい表示領域と判定した表示領域の中に表示させている表示情報の表示位置を、見えやすい表示領域と判定した領域に変更して表示部7に表示させる(ステップS17)。
【0049】
これにより、表示部7において、リモコン300の角度の方向から見えにくい表示領域に表示されている情報が見えやすい表示領域に表示位置が変更されて表示される。
例えば、操作者は、撮像装置に対して様々な方向からリモコンにより遠隔操作する場合がある。そのため、操作者が撮像装置の表示部に対して正面視の方向とは異なる方向から操作する場合、操作者にとって、撮像装置の表示部に表示されている情報が見づらいことがあった。これに対して、本第1実施形態における撮像装置100によれば、表示部7において、リモコン300の角度の方向から見えにくい表示領域に表示されている情報が見えやすい表示領域に表示位置が変更されて表示される。そのため、撮像装置100は、リモコン300を操作する操作者に、表示部7に表示されている情報を視認させやすくすることができる。よって、撮像装置100は、様々な方向からリモコン300により遠隔操作がされる場合であっても、リモコン300の方向に対して適切な制御ができる。
【0050】
<第2実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態において、表示制御部32が検出角度に基づいて表示部7における表示情報の表示位置を変更する場合について説明した。本第2実施形態においては、表示制御部32が検出角度に基づいて表示部7における表示色調を変更する場合について説明する。
【0051】
本第2実施形態による撮像装置100の構成を示す概略ブロック図は、図1に示す概略ブロック図と同様でありその説明を省略し、相違点についてのみ説明する。
制御部3の表示制御部32は、表示部7に表示させた表示情報が角度検出部31により検出された検出角度の方向から見られた場合に、表示部7に表示させた表示情報が表示部7に対して正面視された場合の色調に近づくように、検出角度に基づいて表示情報の色調を変更して表示部7に表示させる。すなわち、表示制御部32は、表示部7に表示させた表示情報が撮像装置100に対するリモコン300の方向から見られた場合に、表示部7に表示させた表示情報が表示部7に対して正面視された場合の色調に近づくように、検出角度に基づいて表示情報の色調を変更して表示部7に表示させる。
【0052】
つまり、表示部7が、例えば液晶ディスプレイ等の場合であって、斜め方向から見られると正面視に対して色調が変化する場合、表示制御部32は、検出角度に基づいて表示情報の色調を変更して表示部7に表示させる。例えば、表示部7における角度に対する色調の変化特性に基づいて、色調の補正値と検出角度とが関連付けられたテーブルが、記憶部5に予め記憶されている。そして、表示制御部32は、このテーブルを記憶部5から読み出して参照することにより、検出角度に対応した色調の補正値を決定する。そして、表示制御部32は、決定した色調の補正値に基づいて、表示部7に表示させる表示情報の色調を補正する。
【0053】
なお、表示制御部32は、表示部7に表示させる表示情報の色調を補正する場合、例えば、表示部7に出力する表示データのR(赤)、G(緑)、B(青)のガンマカーブ(階調特性)を、補正値に基づいて変更することにより色調を補正してもよい。また、表示情報の色調を補正する場合、表示制御部32は、表示させる画像データのデジタル値に対して色調の補正値を演算する処理を画像処理部4に実行させることにより、色調を補正した画像データを生成してもよい。
【0054】
なお、表示制御部32が、色調の補正値と角度とが関連付けられたテーブルを参照することにより、検出角度に対応した色調の補正値を決定する場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、表示制御部32は、角度に対する色調の補正値を算出するために予め設定された演算式を用いることにより、検出角度に対応した色調の補正値を算出して決定してもよい。
【0055】
図6は、本実施形態における表示色調の制御処理を示すフローチャートである。以下、図6のフローチャートを用いて、撮像装置100が検出角度に基づいて表示色調を変更する制御処理について説明する。
図6のステップS21からステップS24は、図5のステップS11からステップS14と各々対応しており、撮像装置100の各部が同様の処理を実行するため、その説明を省略する。
【0056】
表示制御部32は、ステップS24において検出された検出角度に基づいて、表示情報の色調を変更する。つまり、表示制御部32は、角度検出部31により検出された検出角度の方向から見られた場合、すなわち、撮像装置100に対するリモコン300の方向から見られた場合の色調が、表示部7に対して正面視された場合の色調に近づくように、検出角度に基づいて表示情報の色調を変更して表示部7に表示させる(ステップS25)。
【0057】
これにより、表示部7において、リモコン300の角度の方向から見た場合の色調が、正面視した場合の色調に近い色調に補正されて表示される。そのため、撮像装置100は、リモコン300を操作する操作者に、表示部7に表示されている情報を視認させやすくすることができる。よって、撮像装置100は、様々な方向からリモコン300により遠隔操作がされる場合であっても、リモコン300の方向に対して適切な制御ができる。
【0058】
<第3実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態においては、タイミング遅延部33が検出角度に基づいてレリーズ信号のレリーズタイミングを遅延させる場合について説明する。
【0059】
本第3実施形態による撮像装置100の構成を示す概略ブロック図は、図1に示す概略ブロック図と同様でありその説明を省略し、相違点についてのみ説明する。
制御部3のタイミング遅延部33は、受信されたレリーズ信号に基づくレリーズタイミングを、所定の時間遅延させる制御をする。そして、タイミング遅延部33は、角度検出部31により検出された検出角度が撮像装置100に対する前方の角度である場合であって、リモコン300からレリーズ信号が受信された場合、受信されたレリーズ信号に基づくレリーズタイミングを所定の時間遅延させる制御を実行する。一方、タイミング遅延部33は、角度検出部31により検出された検出角度が、撮像装置100に対する前方の角度でない場合は、受信されたレリーズ信号に基づくレリーズタイミングを所定の時間遅延させる制御を実行しない。
【0060】
よって、撮像装置100の前方からリモコン300のレリーズスイッチ301の操作がされた場合、タイミング遅延部33がレリーズタイミングを所定の時間遅延させることにより、レリーズスイッチ301が操作されたタイミングに対して所定の時間経過後に撮像装置100において撮影がされる。一方、撮像装置100の前方以外からリモコン300のレリーズスイッチ301の操作がされた場合、タイミング遅延部33がレリーズタイミングを所定の時間遅延させないため、レリーズスイッチ301が操作されたタイミングに基づいて撮像装置100において通常の撮影と同様のタイミングにより撮影がされる。
【0061】
ここで、上述の所定の時間とは、撮像装置100において予め設定された所定の時間である。例えば、タイミング遅延部33は、記憶部5に記憶されている予め設定された所定の時間を読み出して参照することにより、上述のレリーズタイミングを所定の時間遅延させる制御を実行する。また、上述の所定の時間は、例えば、操作者が撮像装置100の前方からリモコン300を操作して操作者自身を含む撮影を行う場合において、操作者がリモコン300のレリーズスイッチ301を操作してからリモコン300を隠すまでの時間を考慮して設定されている。すなわち、上述の所定の時間は、操作者がリモコン300が撮影されてしまわないようにするために必要な時間として予め設定されている。
【0062】
図7は、本第3実施形態におけるレリーズタイミングの制御処理を示すフローチャートである。以下、図7のフローチャートを用いて、撮像装置100が検出角度に基づいてレリーズタイミングを制御する処理について説明する。
図7のステップS31からステップS34は、図5のステップS11からステップS14と各々対応しており、撮像装置100の各部が同様の処理を実行するため、その説明を省略する。
【0063】
角度検出部31は、各々の受信信号の信号レベルに基づいて検出した検出角度が撮像装置100に対する前方の角度であるか否かを判定する(ステップS35)。角度検出部31により検出角度が撮像装置100に対する前方の角度であると判定された場合(YES)、タイミング遅延部33は、リモコン300からレリーズ信号が受信された際、受信されたレリーズ信号に基づくレリーズタイミングを、所定の時間遅延させる制御を実行する。つまり、撮像装置100において、受信されたレリーズ信号に対して所定の時間遅延されたタイミングにより撮影される(ステップS36)。
【0064】
一方、角度検出部31により検出角度が撮像装置100に対する前方の角度でないと判定された場合(NO)、タイミング遅延部33は、リモコン300からレリーズ信号が受信された際、受信されたレリーズ信号に基づくレリーズタイミングを、所定の時間遅延させる制御を実行しない。つまり、撮像装置100において、受信されたレリーズ信号のタイミングにより撮影される(ステップS37)。
【0065】
これにより、操作者が撮像装置100に対して前方からリモコン300によりレリーズスイッチ301を操作した場合、その操作のタイミングから所定の時間経過した後に撮影がされる。
【0066】
例えば、操作者が撮像装置の前方の位置からリモコンを操作して操作者自身を撮影する場合、リモコンも撮影されてしまう可能性があった。この場合、操作者が撮像装置の位置まで移動して撮像装置の設定をセルフタイマー撮影に設定することで回避できるが、リモコンにより遠隔操作している状況においては非常に煩わしかった。これに対して、本第3実施形態の撮像装置100によれば、操作者が撮像装置100に対して前方からリモコン300によりレリーズスイッチ301を操作した場合、その操作のタイミングから所定の時間経過した後に撮影がされる。そのため、操作者は、リモコン300を撮影されないように隠すことができる。よって、撮像装置100は、様々な方向からリモコン300により遠隔操作がされる場合であっても、リモコン300の方向に対して適切な制御ができる。
【0067】
以上のように、本第1実施形態における撮像装置100は、撮像装置100に対するリモコン300の角度に基づいて、表示部7において、リモコン300の角度の方向から見えにくい表示領域に表示されている情報を見えやすい表示領域に表示位置を変更する。また、本第2実施形態における撮像装置100は、撮像装置100に対するリモコン300の角度に基づいて、表示部7において、リモコン300の角度の方向から見られた場合の色調を、正面視された場合の色調に近づける補正をする。よって、撮像装置100は、リモコン300の角度の方向に対して、表示部7の表示を視認しやすいように設定することができる。また、本第3実施形態における撮像装置100は、操作者により撮像装置100に対して前方からリモコン300によりレリーズスイッチ301の操作がされた場合、レリーズタイミングを所定の時間遅延させて撮影する。よって、操作者がリモコン300を用いて操作者自身を撮影する場合、撮影画像にリモコン300が撮影されてしまうことを防止できる。
このように、撮像装置100は、様々な方向からリモコン300により遠隔操作がされる場合であっても、リモコン300の方向に対して適切な制御ができる。
【0068】
なお、本実施形態において、3つの受信部のうち1つの受信部が撮像装置100の前側に配置され、2つの受信部が撮像装置100の背面側に配置されている例について説明したが、これに限られるものではない。例えば、受信部が撮像装置100の前側または背面側のどちらか一方に配置されていてもよく、撮像装置100は、撮像装置100に対する前方または後方のどちらか一方の角度を検出してもよい。
【0069】
また、撮像装置100において、2つの受信部が撮像装置100の背面側の水平方向の異なる位置に配置されているのに代えて、垂直方向の異なる位置に配置されていてもよい。この場合、撮像装置100は、垂直方向の異なる位置に配置されている2つの受信部により受信された受信信号の信号レベルに基づいて、垂直方向の角度を検出してもよい。
【0070】
また、撮像装置100には、撮像装置100の前側に2つ以上の受信部、背面側に3つ以上の受信部が配置されていてもよい。また、撮像装置100は、撮像装置100の前側または背面側に3つ以上の受信部が配置されている場合であって、3つ以上の受信部の各々の受信部が水平方向の異なる位置と垂直方向の異なる位置との両方を含む位置関係に各々配置されている場合、水平方向の角度と垂直方向の角度との両方の角度を検出してもよい。
【0071】
また、撮像装置100は、撮像装置100の前側に2つ以上の受信部が配置されている場合であって、撮像装置100の前方の角度を検出する場合、撮像装置100によりレンズ部21を介して撮像される撮影領域に対応した角度と検出角度とを比較してもよい。この場合、検出角度が撮像装置100により撮影される撮影領域に対応した角度の範囲内である場合において、リモコン300からレリーズ信号を受信した場合、タイミング遅延部33は、レリーズ信号に基づくレリーズタイミングを所定の時間遅延させる制御をしてもよい。これにより、操作者が撮像装置100の撮影領域に対応した角度の範囲内からリモコン300によりレリーズスイッチ301を操作した場合、その操作のタイミングから所定の時間経過した後に撮影がされる。よって、操作者は、レリーズスイッチ301を操作してから撮影されるまでの時間において、リモコン300が撮影されないように隠すことができるとともに、撮影される姿勢の準備をすることができる。なお、撮像装置100は、レンズ部21のレンズ情報及びズーム位置の情報等に基づいて、検出角度と比較するための撮影領域に対応した角度を変更してもよい。
【0072】
なお、本実施形態において、表示部7が撮像装置100の背面に配置されている例について説明したが、これに限られるものではない。例えば、表示部7は、撮像装置100に対して表示面の向きが変更可能なバリアングルタイプであってもよい。表示部7がバリアングルタイプである場合、表示部7の向き(例えば、撮像装置100の前方に表示面が向く向き)とリモコン300の操作の角度(例えば、撮像装置100の前方からリモコン300を操作する場合)とによっては、例えば、表示部7の表示領域において、レンズ部21または撮像装置100本体により遮られる表示領域が見えにくい表示領域と判定される場合もある。この場合、表示制御部32は、レンズ部21または撮像装置100本体により遮られる表示領域に表示させている表示情報の表示位置を、レンズ部21または撮像装置100本体により遮られる表示領域以外の表示領域に変更する。
【0073】
また、表示部7がバリアングルタイプである場合であって、モータ等により駆動されることによって表示部7が撮像装置100に対する位置または向きを変更可能な場合、撮像装置100は、以下のような制御を実行してもよい。例えば、撮像装置100に対するリモコン300の方向から見えにくい表示領域に表示されている表示情報を見やすくするために、撮像装置100は、見えにくい表示領域が見えやすい表示領域になるように、表示部7の位置または向きを変更する制御をしてもよい。
【0074】
また、表示部7がバリアングルタイプである場合、受信部が撮像装置100の背面側に配置されているのに代えて、表示部7の表示面側に配置されていてもよい。これにより、撮像装置100は、表示部7の表示面が向いている方向からリモコン300により送信される信号を受信し、受信した信号に基づいて、表示部7に対するリモコン300の角度を検出することができる。
【0075】
なお、本実施形態において、表示制御部32、及びタイミング遅延部33が、角度検出部31により検出された検出角度に基づいて、表示制御及びタイミング制御をする例について説明したが、検出角度に対応している受信信号の信号レベルに基づいて、表示制御及びタイミング制御をする設計としても同様の制御であり同様の効果が得られる。
【0076】
なお、図1における制御部3における角度検出部31、表示制御部32、及びタイミング遅延部33は専用のハードウェアにより実現されるものであってもよく、また、メモリおよびCPU(Central Processing Unit)により構成され、上述の各部の機能を実現するためのプログラムをメモリにロードして実行することによりその機能を実現させるものであってもよい。
【0077】
また、図1における上述の各部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述の各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0078】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0079】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0080】
3 制御部、7 表示部、10a 受信部A、10b 受信部B、10c受信部C、31 角度検出部、32 表示制御部、33 タイミング遅延部、100 撮像装置、300 リモコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔操作装置から送信された信号を受信する複数の受信部と、
前記複数の受信部により受信された各々の受信信号の信号レベルに基づいて、自装置に対する前記遠隔操作装置の角度を検出する角度検出部と、
表示情報を表示する表示部と、
前記角度検出部により検出された検出角度に基づいて、前記表示情報の表示を変更して前記表示部に表示させる表示制御部と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、
前記検出角度に基づいて、前記検出角度の方向から前記表示情報が見えやすいように、前記表示情報の表示を変更して前記表示部に表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、
前記検出角度に基づいて、前記表示部において前記検出角度の方向から見えにくい表示領域に表示される前記表示情報の表示位置を、前記表示部において前記検出角度の方向から見えやすい表示領域に変更して前記表示部に表示させる
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、
前記検出角度と前記自装置に備えられている各部材の配置とに基づいて、前記表示部の表示領域において前記検出角度の方向から前記各部材により遮られる表示領域であるか否かを判定することにより、前記表示部において前記検出角度の方向から見えにくい表示領域と見えやすい表示領域とを判定し、
前記見えにくい表示領域と判定した表示領域に表示される前記表示情報の表示位置を、前記見えやすい表示領域と判定した領域に変更して前記表示部に表示させる
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、
前記表示部に表示させた前記表示情報が前記検出角度の方向から見られた場合に、前記表示部に表示させた前記表示情報が前記表示部に対して正面視された場合の色調に近づくように、前記検出角度に基づいて前記表示情報の色調を変更して前記表示部に表示させる
ことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記複数の受信部のうち2つ以上の受信部は、前記表示部が配置されている側の異なる位置に配置されており、
前記角度検出部は、
前記2つ以上の受信部により受信された各々の受信信号の信号レベルに基づいて、前記自装置に対する前記遠隔操作装置の角度を検出する
ことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記複数の受信部のうち1つ以上の受信部は、前記自装置における前側に配置されており、
前記検出角度が、前記自装置に対する前方の角度である場合において、前記遠隔操作装置からレリーズ信号を受信した場合、前記レリーズ信号に基づくレリーズタイミングを、所定の時間遅延させるタイミング遅延部
を備えることを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記タイミング遅延部は、
前記検出角度が、前記自装置により撮影される撮影領域に対応した角度の範囲内である場合において、前記遠隔操作装置からレリーズ信号を受信した場合、前記レリーズ信号に基づくレリーズタイミングを所定の時間遅延させる
ことを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
【請求項9】
遠隔操作装置から送信された信号を受信する複数の受信部と、
前記複数の受信部により受信された各々の受信信号の信号レベルに基づいて、自装置に対する前記遠隔操作装置の角度を検出する角度検出部と、
前記角度検出部により検出された検出角度に基づいて、レリーズ信号に基づくレリーズタイミングを、所定の時間遅延させるタイミング遅延部と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項10】
表示情報を表示する表示部を備える撮像装置の制御方法であって、
複数の受信部が、遠隔操作装置から送信された信号を受信する手順と、
角度検出部が、前記複数の受信部により受信された各々の受信信号の信号レベルに基づいて、自装置に対する前記遠隔操作装置の角度を検出する手順と、
表示制御部が、前記角度検出部により検出された検出角度に基づいて、前記表示情報の表示を変更して前記表示部に表示させる手順と、
を備えることを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項11】
複数の受信部が、遠隔操作装置から送信された信号を受信する手順と、
角度検出部が、前記複数の受信部により受信された各々の受信信号の信号レベルに基づいて、自装置に対する前記遠隔操作装置の角度を検出する手順と、
タイミング遅延部が、前記角度検出部により検出された検出角度に基づいて、レリーズ信号に基づくレリーズタイミングを、所定の時間遅延させる手順と、
を備えることを特徴とする撮像装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−186546(P2012−186546A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−46566(P2011−46566)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】