説明

撮像装置、撮像システム

【課題】 撮像装置によって撮像した画像をパソコン側に送信している場合、さらに音声信号をすべて転送すると、画像を送信するための通信帯域が圧迫されてしまうし、音声信号の転送のためのシーケンスを実行する必要があり、通信処理が複雑になってしまう。
【解決手段】 画像要求指示を受信する前の所定期間における音声信号のレベルの最大値を検出し音声信号のレベルに関する情報として送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置または、撮像システムに関し、特に、撮像した画像を外部装置に送信することができる撮像装置または、撮像システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、撮像装置には、パソコンなどの外部装置と接続し、パソコン側からのシャッタ指示によって、撮像装置で撮像した画像をパソコンに送信する機能が搭載されてきている。これらの撮像装置では、
撮影モードに移行すると、撮像部から出力された画像をパソコン側に一定周期で送信していた(例えば、特許文献1)。
【0003】
一方、近年では、撮像装置にマイクロフォンを内蔵させ、マイクロフォンにより得られた音声を収録する機能も搭載されてきている。これらの撮像装置では、収録する音声のレベルが小さすぎたり大きすぎたりしないように、マイクロフォンにより得られた音声信号に与えるゲインを音声のレベルに応じて自動的に調整していた(例えば、特許文献2)。また、ユーザの指示によって、音声信号に与えるゲインを調整するものもあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−345095号公報
【特許文献2】特開2003−259479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1のように、パソコン側を操作しながら撮影を行う場合において、ユーザの指示で音声信号に与えるゲインを調整する場合、撮像装置のマイクロフォンで得られた音声信号のレベルパソコン側で確認する必要がある。そのためには、撮像装置のマイクロフォンにより得られた音声信号をすべてパソコン側に送信することが必要である。しかし、撮像装置によって撮像した画像をパソコン側に送信している場合、転送レート、音声信号の転送情報量によっては、画像を送信するための通信帯域が圧迫されてしまう。また、音声信号の転送のための指示をパソコン側から別途送信したりするシーケンスを実行しなければならず、通信処理が複雑になってしまうことになる。
【0006】
そこで、本発明は、通信処理の複雑化を防止しつつ、ユーザに撮像装置のマイクロフォンでの集音レベルを表示させることができる撮像装置または、撮像システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、かかる目的を達成するために、撮像装置と、画像表示装置とからなる撮像システムであって、前記撮像装置は、画像データを取得する画像取得手段と、音声信号を取得する音声取得手段と、前記音声信号のレベルを検出する検出手段と、前記画像表示装置と通信する第1の通信手段と、前記検出手段を制御する制御手段とからなり、前記画像表示装置は、前記撮像装置と通信する第2の通信手段と、前記第1の通信手段を介して、前記撮像装置に静止画データを要求する画像要求指示を出力する指示手段と、前記撮像装置から送信された静止画データを表示する表示手段とからなり、前記制御手段は、前記画像要求指示を受信したことに応じて、前記第1の通信手段を介して、前記静止画データを前記画像表示装置に送信するとともに、前記検出手段により検出された前記音声信号のレベルに関する情報を前記画像表示装置に送信し、前記制御手段は、前記画像要求指示を受信してから次に受信するまでの間の前記音声信号のレベルの最大値を検出するよう前記検出手段を制御し、前記音声信号のレベルに関する情報として前記画像表示装置に送信する構成とした。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、例えば、マイクロフォンを内蔵した撮像装置とパソコンなどの外部装置を接続して撮影を行う際、画像の送信のための通信帯域の圧迫を避けつつ、マイクロフォンにより得られた音声のレベルを外部装置側に送信し、表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例1のカメラ100とパソコン200の構成を示すブロック図である。
【図2】実施例1の撮像システム動作フロー図である。
【図3】カメラ制御プログラムの画面を示す図である。
【図4】音声取得部131に入力される音声レベルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明するが、この発明は以下の実施の形態に限定されない。また、この発明の実施の形態は発明の好ましい形態を示すものであり、発明の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0011】
本実施例では、カメラ(撮像装置)とパソコン(画像表示装置)とを互いの通信部を介して接続して使用する撮像システムを例にとって説明する。本実施例において、カメラ100は、撮像部によって撮像された画像を画像データに変換し、パソコン200からの画像要求を受信するごとに、画像データをパソコン200に送信することができる。そして、パソコン200は、受信した画像データを再生して、表示装置に表示させることができる。
【0012】
この撮像システムでは、パソコン200からカメラ100に記録の指示(または撮像の指示)がなされると、カメラ100は、撮像部により得られた画像を動画データまたは静止画データとして、カメラ100に備えられた記録媒体に記録する。すなわち、遠隔地に配置されたカメラ100における撮影をパソコン200を用いて実行することができるのである。
【0013】
さらに、本実施例のカメラ100は、周囲の音声を集音して音声データを生成するマイクロフォンが内蔵または外付けされており、特定の期間に得られた音声データの音量(または音圧、音声信号レベル)のピーク値を検出することができる。そして、上述したパソコン200からの画像要求を受信すると画像データとともに、検出された、特定の期間に得られた音声データの音量(または音圧、音声信号レベル)に関する情報をパソコン200に送信するようにしている。ここで、音量(または音圧、音声信号レベル)に関する情報とは、特定の期間に得られた音声データの音量(音圧、音声信号レベル)のピーク値(最大値)を含み、さらに、パソコン200から画像要求を受信した時の音声データの音量の値を含んでも良い。当然、音声データの音圧の値、音声信号レベルの値を含んでも良い。本実施例においては、特定の期間とは、パソコン200からの「画像要求」を受信してから、次にパソコン200からの「画像要求」を受信するまでの間の期間である。また、それよりも長い期間であれば良い。
【0014】
パソコン200は、受信した画像データを再生して表示装置に表示すると共に、受信した特定の期間に得られた音声データの音量(または音圧、音声信号レベル)のピーク値を表示装置に表示させることができる。また、パソコン200は、ピーク値以外にも画像要求を送信したときの音声データの音量(音圧、音声信号レベル)を表示装置に表示させることもできる。
【0015】
本実施例では、特定の期間に得られた音声データの音量(音圧、音声信号レベル)のピーク値(以後、特定期間ピーク値)は、画像データのヘッダに格納した状態で送信される例について説明する。しかし、「画像要求」の指示を受けたことに応じて、静止画データを送信するとともに音量のピーク値を示す情報を送信すればよい。たとえば、静止画データとは別に特定期間ピーク値を送信しても良いし、画像データの示す画像に特定期間ピーク値のレベルをユーザが判別できるように画像として重畳した状態で送信しても良い。また、特定期間ピーク値のレベルを画像に重畳する場合には、パソコン200からの「撮影開始」要求があると、特定期間ピーク値のレベルを重畳するのを中止する。さらに、画像データのヘッダに格納して送信するように切り換えたり、画像データとは別に送信するように切り換えたりしても良い。また、パソコン200にインストールされたコンピュータプログラムによって以下に説明するパソコン200上での処理の一部または全てをコンピュータに実行させるものであっても良い。
【0016】
以下、図1を用いて、本実施例の撮像システムの主な構成を説明する。
図1は、カメラ100とパソコン200とからなる撮像システムを示している。カメラ100とパソコン200は、各々の通信部を介して有線または無線にて接続されている。パソコン200は、カメラ100に画像を要求する指示を送信でき、カメラ100は、その指示に応じて撮像部で撮像した画像データをパソコン200に送信することができる。また、パソコン200は、ユーザの操作によって、「撮影開始」の指示をカメラ100に送信することができ、カメラ100は、「撮影開始」の指示を受信すると、静止画撮影または動画撮影を行い、記録媒体に記録することができる。このとき、周囲の音声をマイクロフォンにより集音して、得られた音声データを静止画データまたは、動画データと関連づけて記録媒体に記録しても良い。本実施例では、「撮影開始」の指示としたが、「記録開始」の指示であってもよい。
【0017】
本実施例のカメラ100は、「画像要求」する指示を受信すると、特定の期間に取得した音声信号レベルのピーク値(最大値)を音量を示す情報として、撮像部で撮像した画像データと共にパソコン200に送信する。
【0018】
図1において、制御部111は、カメラ100の各機能ブロックを制御するものであって、CPUとメモリやマイクロコンピュータ、マイコンチップなどにより構成されている。また、操作部112は、ユーザの指示を受け付け、制御部111に指示信号を送信するものである。操作部112は、例えば、ボタンスイッチやダイヤルスイッチ、タッチパネルなどの様々のうちいずれのものでもよい。またバス115は、画像データや音声データ、また、画像データや音声データに関する情報、制御信号、その他各種データをカメラ100の各ブロックに送るためのものである。
【0019】
また、撮像部121は、撮影レンズにより取り込まれた被写体の光学像をCCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子により画像信号に変換し、得られたアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換をして、画像処理部122に送信する。撮像素子は、光学像を電気信号に変換することができればどのようなものであっても良い。画像処理部122は、入力されたデジタル画像信号に、設定値に基づいてホワイトバランスや色、明るさ、その他の調整をする画質調整処理を行う。画像処理部122は、撮像部121により得られたデジタル画像から、静止画データ、動画データを生成することができる。生成された静止画データは、制御部111の制御の元、後述の通信部161を介して、パソコン200に送信される。
【0020】
また、音声取得部131は、内蔵されたマイクユニットまたは音声入力端子を介して接続された外部マイクユニット等により得られた、カメラ100の周辺の音声を示す音声信号を取得する。そして、取得されたアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換し、音声処理部132に送信する。ここで、外部マイクユニットは、デジタル信号を音声取得部に131に入力するものであっても良く、その場合は、音声取得部131は、取得したデジタル音声信号を音声処理部132に送信する。また、ここで、マイクユニットは、単一マイクであっても良いし、複数のマイクを備えたものであっても良い。また、指向性マイクであっても無指向性マイクであっても良い。音声処理部132は、入力されたデジタル音声信号のレベルの適正化処理、特定周波数の低減処理等の音声に関する処理を行う。また、音声取得部131から送信されたデジタル音声信号が示す音声の音量(または音圧、レベル)を検出して、音量(または音圧、レベル)を示す情報を出力することができる。
【0021】
また、画像処理部122により得られた画像データ(静止画データ、動画データ)及び音声処理部132により得られた音声データは、制御部111のRAM上の記録バッファに一時的に記憶され、所定の単位で順次記録再生部141に送信される。記録再生部141は、受信した画像データ及び音声データを順次、記録媒体142に記録していく。また、画像データを圧縮する場合には、制御部111によって、圧縮処理が実行されることになるが、別の圧縮処理チップで、この動作が実行されても良い。また、音声データのみを記録媒体142に記録することもできる。ここで、記録媒体142は、画像データ、音声データ、等を記録することができれば、磁気ディスク、光学式ディスク、半導体メモリなどのあらゆる方式の記録媒体であってよく、複数の記録媒体であってもよい。また、記録再生部141は、記録媒体142から、音声データや画像データを読出すこともできる。
【0022】
また、表示部151は、カメラ100の外装などに取付けられた液晶ディスプレイなどであって、表示制御部152によって操作画面や警告画面などを表示する。表示部151は、画像を表示できればどのようなものであっても良い。例えば、CRTディスプレイ、有機ELディスプレイ、LEDディスプレイであって良い。
【0023】
また、通信部161は、例えば、パソコン200等の外部装置から制御信号を受信したり、画像データ、音声データ、画像に関する情報、音声に関する情報、その他の情報を送信したりするものである。例えば、無線有線LAN、USB、Bluetooth(登録商標)などのあらゆる通信が可能である。また、カメラ100から、パソコン200に画像データを送信するHDMI(High−Definition Multimedia Interface)(登録商標)端子であってもよい。この場合には、パソコン200の画像を受信する側のHDMI端子とHDMIケーブルを介して接続することになり、その場合にはCEC通信を用いて、パソコン200とカメラ100とは通信を行うことができる。
【0024】
本実施例においては、カメラ100の通信部161は、パソコン200の通信部221と通信を行う。
【0025】
また、図1において、パソコン200の制御部211は、パソコン200の各機能ブロックを制御するものであって、CPUとメモリやマイクロコンピュータ、マイコンチップなどにより構成されている。また、操作部212は、ユーザの指示を受け付け、制御部211に指示信号を送信するものであって、キーボードやマウス、タッチパネルなどの様々なもののうち、いずれかのものであればよい。またバス215は、画像データや音声データ、画像に関する情報、音声に関する情報、制御信号、その他の信号、情報などをパソコン200の各ブロックに送るためのものである。
【0026】
また、通信部221は、例えば、カメラ100等の外部装置に制御信号を送信したり、画像データ、音声データ、画像に関する情報、音声に関する情報等を受信したりするものである。例えば、無線有線LAN、USB、Bluetooth(登録商標)などのあらゆる通信が可能である。また、カメラ100から、パソコン200に送信された画像データを受信するHDMI(High−Definition Multimedia Interface)(登録商標)端子であってもよい。この場合には、カメラ100の画像データを送信する側のHDMI端子とHDMIケーブルを介して接続することになり、その場合にはCEC通信を用いて、パソコン200とカメラ100とは通信を行うことができる。
【0027】
また、表示部231は、パソコン200に内蔵または接続されたディスプレイなどの表示装置であって、パソコン200の操作に必要なグラフィックユーザインタフェースなどを示させるものである。また、表示制御部232は、制御部211の指示に従って、パソコン200の操作に必要なグラフィックユーザインタフェースなど表示部231に表示させるものである。表示部231は、画像を表示できればどのようなものであっても良い。例えば、CRTディスプレイ、有機ELディスプレイ、LEDディスプレイであって良い。
【0028】
また、記録再生部241は、記録媒体242に記録されたパソコン200に本実施例で説明する処理を実行させるためのプログラムを再生するものである。また、画像データ、音声データなどを記録、再生させることもできる。ここで、記録媒体242は、磁気ディスク、光学式ディスク、半導体メモリなどのあらゆる方式の記録媒体であってよく、複数の記録媒体であってもよい。
【0029】
ここで、本実施例の撮像システムの動作について図2、3を用いて説明する。図2は、本実施例の撮像システムの動作の流れを示すフロー図である。図2において、カメラ100の動作は、制御部111が制御し、パソコン200の動作は、制御部211が制御する。
【0030】
まず、パソコン200の操作部212の電源ボタンが操作されると、不図示の電源部からパソコン200の各ブロックに電源が供給される(S201)。次に、同じくカメラ100の操作部112の電源ボタンが操作されると、不図示の電源部からカメラ100の各ブロックに電源が供給される(S251)。
【0031】
そして、ユーザがカメラ100の通信部161と、パソコン200の通信部221とをUSBケーブルなどによって接続することで、カメラ100とパソコン200の通信が可能となる。このとき、通信を開始するために、制御部111と制御部211とは、通信部161、通信部221を介して、お互いの機種名や能力に関する情報をやりとりしたり、所定の通信プロトコルによって通信が可能か否かを確かめたりする(S202、S252)。この動作は、本発明特徴とは関係ないため、本実施例では公知の方法を用いるものとして、説明を省略する。また、有線USBによる通信を説明したが、無線有線LAN、Bluetooth(登録商標)、HDMI等、これ以外の無線通信、有線通信であっても良い。また、通常はパソコン200がホスト、カメラ100がクライアントとなるように接続することが多いが、本実施例においてはどちらがホストであっても、どちらがクライアントであってもかまわない。また、ホスト−クライアントの概念のない接続であっても良い。
【0032】
パソコン200の制御部211は、通信部221を介してカメラ100が接続されていることを識別する。そうすると、パソコン211の記録媒体242にインストールされているカメラ制御プログラム読出すよう記録再生部241を制御し、読出されたカメラ制御プログラム(リモートライブビュープログラム)を、RAM上に展開させる(S253)。
【0033】
このとき制御部211は、表示制御部232にプログラムを操作するため、図3のようなグラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)の画面を表示させる。この画面には、カメラ100から送信される静止画データの画像を表示する領域410や、静止画データに関する情報としてヒストグラムなどを表示する領域420、カメラの設定を操作するための設定領域430などが用意されている。また、カメラ100のマイクにより得られた音声データに関する情報を表示する領域440も用意されている。本実施例においては、カメラ100の音声処理部132で検出された、音量(または音圧、音声信号レベル)を示す情報をパソコン200側に送信する。パソコン200側では、受信した音量(または音圧、音声信号レベル)を示す情報を表示部231に表示する。
【0034】
ユーザはこの領域440に表示された画面を見ながらカメラ設定を行うGUIの表示されている領域430のマニュアル音量調整領域を、操作部212を用いて、操作することにより、カメラ100の音声取得部131の音声取得レベルを調整することができる。このレベル調整は、まず、パソコン200の制御部211が、マニュアル音声調整領域の状態を確認し、通信部211を介して、カメラ100に、通常の音声取得レベルから、たとえば数dB(デシベル)低下させるように指示を出力する。そして、この指示を受信したカメラ100の制御部111は、音声信号のレベルを数dB低下させるように制御する。このような処理により実現される。
【0035】
次に、パソコン200の制御部211は、カメラ制御プログラムの起動が完了したことを通信部221を介してカメラ100に通知する。カメラ100の制御部111は、通信部161を介して、カメラ制御プログラムの起動が完了した通知を受信すると、撮像部121に画像取得準備を、画像処理部122に画像データの生成準備を開始させる。さらに、音声取得部131には、音声取得動作を開始させ、音声処理部132には取得された音声信号の音量(または音圧、レベル)の検出動作等を開始させる(S203)。
【0036】
次に、ユーザがパソコン200の操作部212を操作して、図4のグラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)をもちいて、撮影調整を開始する指示を入力する。そうすると、制御部211は、「画像要求」の指示を通信部221を通してカメラ100に送信する(S254)。撮影調整とは、撮影を開始する前に、ユーザがカメラの設定を図4の領域430等を用いて調整することをいい、そのためには、画像を確認する必要があるため、静止画データをカメラ100から受信するために「画像要求」の指示を出力している。
【0037】
カメラ100の制御部111は、通信部161を介して受信した「画像要求」の指示に応じて、撮像部121で撮像された画像を示す静止画データを画像処理部122から取得し、通信部161を通してパソコン200に送信する。このとき、カメラ100の制御部111は、通信部161から「画像要求」の指示を受信したことに応じて、静止画データと共に、音声処理部132で検出された、音量(または音圧、レベル)を示す情報を取得し、通信部161を通してパソコン200に送信する(S204)。本実施例においては、S203において音量が検出されはじめてから「画像要求」を受信するまでの間の最も音量が大きいときの音量を示す情報を静止画データとともに出力するものとする。また、本実施例においては、カメラ100の制御部111は、音量を示す情報を静止画データのヘッダ領域に格納し、その静止画データを通信部161を介してパソコン200へ送信している。
【0038】
次に、パソコン200の制御部211は、通信部221を通して受信中の静止画データ、音量の情報の受信が完了したか否かを監視し(S255)、受信が完了すると、再び「画像要求」の指示を通信部221を通してカメラ100に送信する(S256)。また、パソコン200の制御部211は、このとき、受信した静止画データに基づいて、図3の領域410に画像を表示するよう表示制御部232を制御する。また、受信した静止画データのヘッダ領域に格納された音量に関する情報を抽出し、図3の領域440に音量を示すレベルメータ、グラフ、数値などを表示するよう前記表示制御部232を制御する。
【0039】
カメラ100の制御部111は、通信部161を介して受信した「画像要求」の指示に応じて、撮像部121で撮像された画像を示す静止画データを画像処理部122から取得し、通信部161を通してパソコン200に送信する。このとき、カメラ100の制御部111は、通信部161から「画像要求」の指示を受信したことに応じて、静止画データと共に、音声処理部132で検出された、音量(または音圧、レベル)を示す情報を取得し、通信部161を通してパソコン200に送信する(S205)。本実施例においては、前回、S254の「画像要求」を受信したときから、S256の「画像要求」を受信するまでの間の最も音量が大きいときの音量を示す情報を静止画データとともに出力するものとする。言い換えれば、制御部111は、静止画データと共に音量を示す情報を送信してから、次に「画像要求」を受信するまでの間の最も音量が大きいときの音量を示す情報を音声処理部132に検出させる。
【0040】
このような、特定の区間における音量の最大値を音声処理部132が検出するには、まず、音量を検出してメモリに記憶し、次に検出した音量がメモリに記憶されている音量より大きいか否かを検出する。そして、大きい場合には、新たに検出した音量をメモリに記憶し、そうでない場合には、新たに検出した音量をメモリに記憶しない。そして、「画像要求」の指示を受信したことで、制御部111が音量を示す情報を要求すると、音声処理部132は、メモリに記憶されている音量を制御部111に受け渡し、メモリ内の音量に関するデータをリセットする。その後また、同様の動作を繰り返す。こうすることで、「画像要求」を受信してから次に「画像要求」を受信するまでの間の最大音量を検出することができる。
【0041】
また、本実施例においては、カメラ100の制御部111は、音量を示す情報を静止画データのヘッダ領域に格納し、その静止画データを通信部161を介してパソコン200へ送信している。
【0042】
このとき、パソコン200の制御部211は、カメラ100から受信した静止画データに基づいて、図3の領域410に画像を表示するよう表示制御部232を制御する。また、受信した静止画データのヘッダ領域に格納された音量に関する情報を抽出し、図3の領域440に音量を示すレベルメータ、グラフ、数値などを表示するよう前記表示制御部232を制御する。
【0043】
次に、パソコン200の制御部211は、ユーザが操作部212を操作することにより、撮像開始の指示が入力されたか否かを監視する(S257)。そして、撮像開始の指示が入力されていなければ(S257でNo)、S255に戻り、受信完了の監視を行う。また、撮像開始の指示が入力されていれば(S257でYes)、制御部211は、「撮像開始」の指示を通信部221を通してカメラ100に送信する(S258)。ここで、本実施例では、S257において、撮像開始の指示の監視をする例について説明したが、カメラ制御プログラムの起動(S253)以降であればどのタイミングで監視を行っても良い。
【0044】
S258でパソコン200から出力された「撮像開始」の指示を受信すると、カメラ100の制御部111は、撮像部121により得られたデジタル画像から動画データを生成するよう画像処理部122を制御する。そして、さらに、制御部111は、画像処理部122により得られた動画データを記録再生部141に送り、順次記録媒体142に記録するように記録再生部141を制御する(S206)。
【0045】
カメラ100の制御部111は、「撮像終了」の指示を受信するまでは、撮像動作を継続するよう、撮像部121、画像処理部122、記録再生部141を制御する。
【0046】
そして、パソコン200の制御部211は、ユーザが操作部212を操作することにより、撮像終了の指示が入力されると、「撮像終了」の指示を通信部221を通してカメラ100に送信する(S259)。パソコン200から出力された「撮像終了」の指示を受信すると、カメラ100の制御部111は、撮像部121により得られたデジタル画像から動画データを生成する動作を停止するよう画像処理部122を制御する。そして、さらに、制御部111は、画像処理部122により得られた動画データを記録媒体142に記録し終えてから記録動作を停止するよう記録再生部141を制御する(S207)。
【0047】
パソコン200の制御部211は、「撮像終了」の指示を出力した後、カメラ制御プログラムの終了の指示がなければ、S254へ戻り(不図示)、S254からS259の処理を繰り返すことになる。そして、ユーザがパソコン200の操作部212を制御し、カメラ制御プログラムの終了の指示をすると、制御部211は、通信部221を介して「終了通知」をカメラ100に送信する(S260)。
【0048】
カメラ100の制御部111は、「終了通知」を受信すると、撮像を終了するよう画像処理部122、撮像部121を制御し、さらに、集音を終了するよう音声処理部132、音声取得部131を制御する(S208)。
【0049】
この後、USBケーブルがどちらか一方から抜かれると、接続が物理的にも、論理的にも切断されることになるが、接続自体を論理的に切断しても良い。また論理的切断は行わなくても良い。
以上のように、本実施例の撮像システムは、パソコン200を用いて、カメラ100を制御して、撮像動作をさせ、動画データの記録をすることができる。
【0050】
前述したように、本実施例のS254や、S256の「画像要求」の指示がパソコン200の制御部211から通信部221を介して、カメラ100に送信されると、カメラ100の制御部111は、静止画データと共に音量に関する情報を送信する。このとき、前述したように、カメラ100の制御部111は、S204においては、S203において音量が検出されはじめてから「画像要求」を受信するまでの間の最も音量が大きいときの音量を示す情報を静止画データとともに出力する。また、S205においては、S254の「画像要求」を受信したときから、S256の「画像要求」を受信するまでの間の最も音量が大きいときの音量を示す情報を静止画データとともに出力する。
【0051】
ここで、本実施例において、「画像要求」を受けてから次に「画像要求」を受けるまでの期間の音量の最大値を示す情報を送信する理由について説明する。
【0052】
図4は、カメラの音声取得部131に入力される音声のレベルを縦軸に、経過時間を横軸に示した図である。図4では、説明のため、約0.1秒ごとのレベルを示している。
図4において、マーク510から517は、「画像要求」の指示がパソコン200の制御部211からカメラ100に送信されたタイミングを示している。
【0053】
たとえば、S205の場合、「画像要求」を受信した間における音量の最大値を示す情報を音量を示す情報として送信している。すなわち、マーク512に対応する「画像要求」を受信したときには、マーク511に対応する「画像要求」を受信してから、マーク512に対応する「画像要求」を受信するまでの間の期間における音量の最大値を示す情報を音量を示す情報として送信する。図4をからわかるように、マーク510からマーク511の間における音量の最大値は、レベル520である。
【0054】
同様に、マーク511からマーク512の間における音量の最大値は、レベル521である。
すなわち、本実施例における音量を示す情報とは、「画像要求」を受けてから次に「画像要求」を受けるまでの期間である。本実施例では、「画像要求」を受信すると、その時に撮像している静止画データとともに、音量を示す情報を送信するようにしている。本実施例のように、「画像要求」を受けてから次に「画像要求」を受けるまでの期間における音量の最大値を音量を示す情報として送信するので、パソコン200において、マニュアルで音量調整をするときにユーザは、調整の目安がわかりやすくなる。
【0055】
なぜなら、たとえば、マーク514に対応する「画像要求」の指示に対応する瞬間の音量550は、マーク513からマーク514の間における最大値に比べ、かなり低い。これサンプリングした音量を目安にユーザがマニュアルで音量調整をした場合には、ゲインを大きく上げてしまうことになる。そうすると、たとえばこの期間の最大音量の音声がより増幅されてしまい、聞きづらい音声が記録されてしまうことになりかねない。これに対し本発明では、このような「画像要求」を受けてから次に「画像要求」を受けるまでの期間における最大値を、音量を示す情報として送信している。これにより、ある瞬間にサンプリングした音量にとらわれることなく、大きい音量の音声を無視してボリューム調整をしてしまうようなことがなくなり、調整の目安がわかりやすくなる。
【0056】
さらに、本発明では、「画像要求」の指示が入力されたときに、音量を示す情報を同時に送信するので、パソコン200が「音量要求」の指示をしなくて済み、通信の複雑化を避けることができる。
【0057】
また、音量を示す情報として、「画像要求」を受けてから次に「画像要求」を受けるまでの期間における音量の最大値を示す情報を送信するため、音声データをすべて送信したりするよりも通信量が少なくて済む。
【0058】
また、本実施例のS204や、S205で静止画データと共に音量を示す情報を送信する方法としては、たとえば、静止画データに続けて、音量を示す情報を送信しても良い。また、音量を示す情報に基づいて、レベルメータ表示や、音量を示す数値などを、送信する静止画データの示す静止画に重畳してもよい。音量を示す情報に基づいて、レベルメータ表示や音量を示す数値などを、送信する静止画データの示す静止画に重畳する場合には、制御部111は、音声処理部132より取得した音量を示す情報に基づくレベルメータなどの画像を画像処理部122に送信する。そして、制御部111は、画像処理部122に、送信したレベルメータなどの画像と、静止画とを重畳させてから、通信部161より、パソコン200に送信する。そして、パソコン200の制御部211は、受信した静止画データをそのまま表示部231に表示するよう表示制御部232を制御する。このとき、「撮像開始」の指示が入力されると、画像へのレベルメータ画像の重畳処理を中止させても良い。
【0059】
また、本実施例では、「画像要求」を受けてから次に「画像要求」を受けるまでの期間における音量の最大値を示す情報を送信していた。しかし、「画像要求」を受けてから次に「画像要求」を受けるまでの期間よりも長い期間における音量の最大値を示す情報を送信してもよい。このようにすることによっても、大きい音量を示す値がユーザに表示されないようにすることもできる。
【0060】
また、本実施例では、パソコン200の制御部211は、図3の領域440のように、過去10秒間の音声データの音量を示す情報を表示するとともに、過去10秒間における音量を示す情報の最大値を識別可能に表示部231に表示させている。ユーザはこのような表示により、突発的な最大音量が発生しているか否かを確認することができ、さらに、音量の調整がしやすくなる。
【0061】
[その他の実施例]
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置と、画像表示装置とからなる撮像システムであって、
前記撮像装置は、
画像データを取得する画像取得手段と、
音声信号を取得する音声取得手段と、
前記音声信号のレベルを検出する検出手段と、
前記画像表示装置と通信する第1の通信手段と、
前記検出手段を制御する制御手段とからなり、
前記画像表示装置は、
前記撮像装置と通信する第2の通信手段と、
前記第1の通信手段を介して、前記撮像装置に静止画データを要求する画像要求指示を出力する指示手段と、
前記撮像装置から送信された静止画データを表示する表示手段とからなり、
前記制御手段は、前記画像要求指示を受信したことに応じて、前記第1の通信手段を介して、前記静止画データを前記画像表示装置に送信するとともに、前記検出手段により検出された前記音声信号のレベルに関する情報を前記画像表示装置に送信し、
前記制御手段は、前記画像要求指示を受信してから次に受信するまでの間の前記音声信号のレベルの最大値を検出するよう前記検出手段を制御し、前記音声信号のレベルに関する情報として前記画像表示装置に送信することを特徴とする撮像システム。
【請求項2】
前記制御手段は、前記画像要求指示を受信したことに応じて、前記音声信号のレベルに関する情報を前記静止画データのヘッダ領域に格納して、前記画像表示装置に送信することを特徴とする請求項1記載の撮像システム。
【請求項3】
静止画データを取得する画像取得手段と、
音声信号を取得する音声取得手段と、
前記音声信号のレベルを検出する検出手段と、
前記検出手段を制御する制御手段と、を有し
前記制御手段は、前記静止画データを要求する画像要求指示を受信したことに応じて、前記静止画データを前記画像要求指示の送信もとに送信するとともに、前記検出手段により検出された前記音声信号のレベルに関する情報を前記画像要求指示の送信もとに送信し、
前記制御手段は、前記画像要求指示を受信してから次に受信するまでの間の前記音声信号のレベルの最大値を検出するよう前記検出手段を制御し、前記音声信号のレベルに関する情報として前記画像要求指示の送信もとに送信することを特徴とする撮像装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記画像要求指示を受信したことに応じて、前記音声信号のレベルに関する情報を前記静止画データのヘッダ領域に格納して、前記画像要求指示の送信もとに送信することを特徴とする請求項3記載の撮像装置。
【請求項5】
撮像装置と、画像表示装置とからなる撮像システムであって、
前記撮像装置は、
画像データを取得する画像取得手段と、
音声信号を取得する音声取得手段と、
前記音声信号のレベルを検出する検出手段と、
前記画像表示装置と通信する第1の通信手段と、
前記検出手段を制御する制御手段とからなり、
前記画像表示装置は、
前記撮像装置と通信する第2の通信手段と、
前記第1の通信手段を介して、前記撮像装置に画像データを要求する画像要求指示を出力する指示手段と、
前記撮像装置から送信された画像データを表示する表示手段とからなり、
前記制御手段は、前記画像要求指示を受信したことに応じて、前記第1の通信手段を介して、前記画像データを前記画像表示装置に送信するとともに、前記画像要求の指示を受信する前の所定期間において、前記検出手段によって検出された前記音声信号のレベルの最大値を含む情報を前記画像表示装置に送信することを特徴とする撮像システム。
【請求項6】
前記所定期間とは、前記画像要求の指示を受信してから次に受信するまでの期間以上の期間であることを特徴とする請求項5記載の撮像システム。
【請求項7】
前記所定期間とは、前記画像要求の指示を受信してから次に受信するまでの期間であることを特徴とする請求項6記載の撮像システム。
【請求項8】
前記制御手段は、前記画像要求指示を受信したことに応じて、前記音声信号のレベルに関する情報を前記静止画データのヘッダ領域に格納して、前記画像表示装置に送信することを特徴とする請求項5から7のいずれか1項記載の撮像システム。
【請求項9】
画像データを取得する画像取得手段と、
音声信号を取得する音声取得手段と、
前記音声信号のレベルを検出する検出手段と、
前記検出手段を制御する制御手段と、を有し
前記制御手段は、前記画像データを要求する画像要求指示を受信したことに応じて、前記画像データを前記画像要求指示の送信もとに送信するとともに、前記画像要求指示を受信する前の所定期間において、前記検出手段によって検出された前記音声信号のレベルの最大値を含む情報を前記画像要求指示の送信もとに送信することを特徴とする撮像装置。
【請求項10】
前記所定期間とは、前記画像要求の指示を受信してから次に受信するまでの期間以上の期間であることを特徴とする請求項9記載の撮像装置。
【請求項11】
前記所定期間とは、前記画像要求の指示を受信してから次に受信するまでの期間であることを特徴とする請求項10記載の撮像装置。
【請求項12】
前記制御手段は、前記画像要求指示を受信したことに応じて、前記音声信号のレベルに関する情報を前記静止画データのヘッダ領域に格納して、前記画像要求指示の送信もとに送信することを特徴とする請求項9から11のいずれか1項記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−44587(P2012−44587A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−186065(P2010−186065)
【出願日】平成22年8月23日(2010.8.23)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】