説明

撮像装置、撮像方法、及び撮像プログラム

【課題】最適な電子手ぶれ補正画像を取得する。
【解決手段】撮像装置において、撮像素子により連続した複数の撮影画像を取得する画像取得制御手段と、前記画像取得制御手段により得られた複数の撮影画像の画像サイズを、前記複数の撮影画像のうち、少なくとも1つの撮影画像に対する撮影情報に基づいて設定された画像サイズに変更する画像サイズ変更手段と、前記画像サイズ変更手段により得られたサイズ変更画像に基づいて各撮影画像同士の動きベクトルを検出する動きベクトル検出手段と、前記動きベクトル検出手段により検出された動きベクトル情報に基づいて前記サイズ変更画像を補正し、補正された複数の前記サイズ変更画像を合成する合成手段とを有することにより、上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置、撮像方法、及び撮像プログラムに係り、特に最適な電子手ぶれ補正画像を取得するための撮像装置、撮像方法、及び撮像プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルカメラ等の撮像装置において手ぶれを抑制する技術としては、撮像面又は撮像面に対するレンズの位置を手ぶれ方向と反対方向にシフトすることにより手ぶれをキャンセルする光学的手ぶれ補正方式や、高速シャッターを用いて複数枚の時分割画像を撮影し、被写体の特徴点を基準にして各画像を合成することによる電子手ぶれ補正方式が既に知られている。上述した電子手ぶれ補正方式では、手ぶれに対して撮像面やレンズを作動させる必要がないためメカ機構が不要であり、撮像装置のスペースやコストが節約できる等のメリットがある。
【0003】
なお従来では、手ぶれを補正する目的で、複数枚の撮影画像のうち一つの基準画像をもとに、それ以外の画像に対して動きベクトルの検出、画像合成を行うための手段が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、従来の電子手ぶれ補正方式では、撮影した複数の画像の動きベクトル検出を行い、画像合成を行うことで撮影画像を生成する。つまり、撮影した複数枚の画像の動きベクトル検出を行う際、撮影画像を任意のサイズに縮小して動きベクトル検出を行うが、その際の画像サイズは、大きいほど精度のよい動きベクトル検出を行うことが可能となるが、処理時間は画像サイズに比例して長くなる。そこで、従来の手法では、動きベクトル検出用の画像のサイズは、撮影画像や撮像条件によらずに一定のサイズで動きベクトル検出を行っていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、例えば撮影画像や撮影条件によって高精度な動きベクトル検出を行う必要がある場合や、動きベクトル検出精度は必要ないが高速に画像を作成したい場合等には、動きベクトル検出で使用する画像サイズを最適化できないという問題があった。
【0006】
また、上述した特許文献1に示される技術は、手ぶれを補正する目的で画像合成を行っているが、動きベクトル検出を行う際の画像サイズに関する記載はなく、上述したように撮影画像や撮影条件等によって、動きベクトル検出で使用する画像サイズを最適化することはできなかった。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、最適な電子手ぶれ補正画像を取得するための撮像装置、撮像方法、及び撮像プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本件発明は、以下の特徴を有する課題を解決するための手段を採用している。
【0009】
本発明は、撮像装置において、撮像素子により連続した複数の撮影画像を取得する画像取得制御手段と、前記画像取得制御手段により得られた複数の撮影画像の画像サイズを、前記複数の撮影画像のうち、少なくとも1つの撮影画像に対する撮影情報に基づいて設定された画像サイズに変更する画像サイズ変更手段と、前記画像サイズ変更手段により得られたサイズ変更画像に基づいて各撮影画像同士の動きベクトルを検出する動きベクトル検出手段と、前記動きベクトル検出手段により検出された動きベクトル情報に基づいて前記サイズ変更画像を補正し、補正された複数の前記サイズ変更画像を合成する合成手段とを有することを特徴とする。
【0010】
また本発明は、撮像装置により撮影された画像に対する手ぶれ補正を行うための撮像方法において、前記撮像装置が備える撮像素子により連続した複数の撮影画像を取得する画像取得ステップと、前記画像取得制御ステップにより得られた複数の撮影画像の画像サイズを、前記複数の撮影画像のうち、少なくとも1つの撮影画像に対する撮影情報に基づいて設定された画像サイズに変更する画像サイズ変更ステップと、前記画像サイズ変更ステップにより得られたサイズ変更画像に基づいて各撮影画像同士の動きベクトルを検出する動きベクトル検出ステップと、前記動きベクトル検出ステップにより検出された動きベクトル情報に基づいて前記サイズ変更画像を補正し、補正された複数の前記サイズ変更画像を合成する合成ステップとを有することを特徴とする。
【0011】
また本発明は、コンピュータを、上述した撮像装置として機能させることを特徴とする撮像プログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、最適な電子手ぶれ補正画像を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態における撮像装置の外観の一例を示す図である。
【図2】本実施形態における撮像装置の内部システム構成の一例を示す図である。
【図3】CPUブロックの機能構成の一例を示す図である。
【図4】撮像装置の手ぶれ補正制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図5】電子手ぶれ補正処理を説明するための図である。
【図6】画像合成を行う際の重ね合わせの内容を説明するための図である。
【図7】本実施形態における手ぶれ補正制御処理の第1の実施例を示すフローチャートである。
【図8】本実施形態における手ぶれ補正制御処理の第2の実施例を示すフローチャートである。
【図9】本実施形態における手ぶれ補正制御処理の第3の実施例を示すフローチャートである。
【図10】本実施形態における手ぶれ補正制御処理の第4の実施例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<本発明について>
本発明は、例えば電子手ぶれ補正方式等の手ぶれ補正手法において、撮影画像や撮影条件等の撮影情報によって必要な動きベクトル検出精度を自動的に判断し、動きベクトル検出を行う際の画像サイズを動的に設定することで、動きベクトル検出精度及び処理時間等の観点に基づいて最適な動きベクトル検出を行い、その検出結果に基づいて画像を合成する電子手ぶれ補正処理を行う。
【0015】
つまり、本発明は、撮影画像や撮影条件等によって、高精度な動きベクトル検出を行う必要がある場合や、動きベクトル検出精度は必要ないが高速に画像を作成したい場合に、どのような精度での位置合わせが最適であるかを、その撮影画像や撮影条件等の撮影情報から判断し、それにより位置合わせ処理で使用する縮小画像サイズを変更する。また、本発明は、高精度で動きベクトル検出を行うか、高速で動きベクトル検出を行うかを選択することで、最適な動きベクトル検出を行い、それにより高精度な手ぶれ補正を実現する。
【0016】
以下に、本発明における撮像装置、撮像方法、及び撮像プログラムを好適に実施した形態について、図面を用いて説明する。なお、以下に示す説明では、撮像装置の一例としてデジタルカメラを用い、処理内容の実施例として電子手ぶれ補正方式を用いることとするが、本発明における撮像装置の装置構成や処理内容についてはこれに限定されるものではない。
【0017】
<撮像装置:外観例>
まず、本実施形態における撮像装置について図を用いて説明する。図1は、本実施形態における撮像装置の外観の一例を示す図である。なお、図1(A)は、撮像装置の上面図の一例を示し、図1(B)は、撮像装置の正面図の一例を示し、図1(C)は、撮像装置の背面図の一例を示している。なお、以下に示す実施形態では、撮像装置の一例としてデジタルカメラを示すが本発明においては、これに限定されるものではなく、また形状や構成のレイアウト等についてもこれに限定されるものではなく、本発明の適用範囲に応じて任意に設定されるものである。
【0018】
図1(A)〜図1(C)に示す撮像装置1は、サブ液晶ディスプレイ(以下、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)を「LCD」という)11と、メモリカード/電池装填部12と、ストロボ発光部13と、光学ファインダ14と、測距ユニット15と、リモコン受光部16と、鏡胴ユニット17と、AF用LED18と、ストロボ用LED19と、LCDモニタ20と、スイッチ(以下、「SW」という)1〜13とを有するよう構成されている。
【0019】
<撮像装置:内部システム構成例>
また、図2は、本実施形態における撮像装置の内部システム構成の一例を示す図である。図2に示す撮像装置1は、サブLCD11と、ストロボ発光部13と、測距ユニット15と、リモコン受光部16と、鏡胴ユニット17、AF用LED18と、ストロボ用LEDと、LCDモニタ20と、CCD(Charge Coupled Device)31と、F/E−IC32と、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)33と、デジタルスチルカメラプロセッサ(以下、「プロセッサ」という)34と、RAM35と、内蔵メモリ36と、ROM(Read Only Memory)37と、音声入力ユニット38と、音声再生ユニット39と、ストロボ回路40と、LCDドライバ41と、サブCPU(Central Processing Unit、中央演算装置)42と、操作キーユニット43と、ブザー44と、加速度センサ45と、USB(Universal Serial Bus)コネクタ46と、シリアルドライバ回路47と、RS−232Cコネクタ48と、LCDドライバ49と、ビデオアンプ50と、ビデオジャック51と、メモリカードスロットル52と、メモリカード53とを有するよう構成されている。
【0020】
また、図2において、鏡胴ユニット17は、例えば、ズームレンズ17−1a及びズームモータ17−1bからなるズーム光学系17−1と、フォーカスレンズ17−2a及びフォーカスモータ17−2bからなるフォーカス光学系17−2と、絞り17−3a及び絞りモータ17−3bからなる絞りユニット17−3と、メカシャッタ17−4a及びメカシャッタモータ17−4bからなるメカシャッタユニット17−4と、モータドライバ17−5とを有するよう構成されている。
【0021】
また、図2において、F/E−IC(フロントエンド−集積回路)32は、画像ノイズの除去のために相関二重サンプリングを行うCDS(Correlated Double Sampling)32−1と、自動利得制御を行うAGC(Automatic Gain Control)32−2と、アナログ−デジタル変換を行うA/D変換部32−3と、垂直同期信号VD・水平同期信号HDに基づいて駆動タイミング信号を生成するTG(タイミングジェネレータ)32−4とを有するよう構成されている。
【0022】
また、図2において、プロセッサ34は、I2C(Inter Integrated Circuit)ブロック34−1、CCD1信号処理ブロック34−2、CCD2信号処理ブロック34−3、CPUブロック34−4、ローカルSRAM(Static Random Access Memory)34−5、USBブロック34−6、シリアルブロック34−7、JPEG圧縮・伸長を行うJPEGコーデックブロック34−8、画像データのサイズを拡大・縮小するリサイズブロック34−9、TV信号表示ブロック34−10、メモリカードコントローラブロック34−11を有しており、これらの各ブロック34−1〜34−11は、バスラインを介して相互に接続されている。
【0023】
また、図2において、音声入力ユニット38は、音声記録回路38−1と、マイクアンプ38−2と、マイク38−3とを有すように構成されている。また、図2において、音声再生ユニット39は、音声再生回路39−1と、オーディオアンプ39−2と、スピーカ39とを有するよう構成されている。
【0024】
ここで、図1、図2における撮像装置1は、デジタルカメラとしての機能を有している。
具体的には、図1(A)に示すように、撮像装置1の上部には、サブLCD11、レリーズ用のSW1、モードダイアル用のSW2が設けられている。
【0025】
また、図1(B)に示すように、撮像装置1の側部には、撮影された画像データ等を格納するメモリカードや撮像装置1の電源をONして一連のシステムを駆動させるためのメモリカード/電池装填部12の蓋が設けられている。また、撮像装置1の正面側には、撮影時のストロボを発光させるストロボ発光部13、光学レンズを介して被写体の位置を視認する光学ファインダ14、測距ユニット15、別体のリモコン装置からの赤外線等によるリモコン信号を受光する受光部16、及び撮影レンズを備えた鏡胴ユニット17が設けられている。
【0026】
また、図1(C)に示すように、撮像装置1の背面側には、光学ファインダ14、AF用LED18、ストロボ用LED19、LCDモニタ20、広角ズーム(WIDE)用のSW3、望遠ズーム(TELE)用のSW4、撮影した画像や映像の再生用のSW5、セルフタイマ設定/解除用のSW6、メニュー及びOKスイッチ用のSW7、ディスプレイであるLCDモニタ20のON/OFF用のSW8、上移動/ストロボ設定用のSW9、右移動用のSW10、下移動/マクロ設定用のSW11、左移動/画像確認用のSW12、電源ON/OFF用のSW13が設けられている。
【0027】
また、図2において、プロセッサ34は、CPUを内蔵しており、撮像装置1の各部はプロセッサ34によって制御されている。プロセッサ34の外部には、SDRAM33、RAM35、撮影された画像の画像データを記憶する内蔵メモリ36、本実施形態における各種機能を実行させるための各種の制御プログラムやパラメータ等が格納されたROM37が設けられており、これらもバスラインを介してプロセッサ34に接続されている。
【0028】
なお、SDRAM33には、撮影された画像データの他にも、例えば画像データから変換されたRAW−RGB画像データ(ホワイトバランス補正、γ補正が行われた画像データ)、YUV画像データ(輝度データと色差データとに変換された画像データ)、JPEG画像データ(JPEG圧縮された画像データ)等が保存される。
【0029】
本実施形態では、電源ON/OFF用のSW13をONにした際に、ROM37に格納された制御プログラムがプロセッサ34内のメモリ又はプロセッサ34に接続されたメモリ等にロードされて実行され、撮像装置1の各部は、この制御プログラムによって制御される。なお、本実施形態では、制御プログラムが実行される際には、例えばRAM35のメモリが制御プログラムの作業用メモリとして使用される。つまり、必要に応じて、RAM35のメモリに対して制御プログラムの制御データやパラメータ等が書き込まれ、また読み出しが行われる。後述される全ての処理は、この制御プログラムを実行することにより、主にプロセッサ34によって実行される。
【0030】
鏡胴ユニット17は、ズームレンズ17−1a、フォーカスレンズ17−2a、絞り17−3a、メカシャッタ17−4aを、それぞれズームモータ17−1b、フォーカスモータ17−2b、絞りモータ17−3b、メカシャッタモータ17−4bによって駆動させる。また、鏡胴ユニット17は、これらの各モータ18−1b〜18−4bを、モータドライバ17−5によって駆動させる。モータドライバ17−5は、プロセッサ34のCPUブロック34−4によって制御される。
【0031】
本実施形態では、上述した広角ズーム(WIDE)用のSW3や望遠ズーム(TELE)用のSW4の操作等を行い、鏡胴ユニット17の各光学系18−1,18−2によりCCD31の受光部に被写体像を結像させる。結像された被写体像は、CCD31によって画像信号に変換され、この画像信号がF/E−IC32に出力される。
【0032】
F/E−IC32において、CDS32−1は、取得した画像信号を相関二重サンプリングする。また、AGC32−2は、CDS32−1から得られる画像信号に対して自動的に利得の調整を行う。また、A/D変換部32−3は、AGC32−2から出力されるアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換する。つまり、F/E−IC32は、CCD31から出力されたアナログ画像信号にノイズ低減の処理や利得調整の処理等の所定の処理を施し、更にアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換して、プロセッサ34のCCD1信号処理ブロック34−2に出力する。
【0033】
TG32−4は、プロセッサ34のCCD1信号処理ブロック34−2からフィードバックされるVD(垂直同期)信号・HD(水平同期)信号に基づいて、F/E−IC32による画像信号のサンプリング等のタイミング処理を行う。
【0034】
I2Cブロック34−1は、電子回路におけるシリアル通信方式によりIC間において高速通信を行う。CCD1制御ブロック34−2は、CCD31よりF/E―IC32の出力データにホワイトバランス設定やガンマ設定を行い、また上述したVD信号、HD信号を供給する。CCD2制御ブロック34−3は、例えば入力されるデータに対するフィルタリング処理により、輝度データ、色差データへの変換を行う。CPUブロック34−4は、撮像装置1の各部の動作を制御する。なお、CPUブロック34−4についての具体的な機能構成については後述する。
【0035】
ローカルSRAM34−5は、例えば撮像装置1における制御に必要な各種データを一時的に保存する。USBブロック34−6は、例えばパソコン等の外部機器とUSB通信を行う。シリアルブロック34−7は、パソコン等の外部機器とシリアル通信を行う。JPEGコーデックブロック34−8は、例えばJPEG圧縮、伸張を行う。
【0036】
リサイズブロック34−9は、後述するように画像データのサイズに対して拡大又は縮小処理を行って所定のサイズに変更したり、画像データに対する補間処理等を行う。TV信号表示ブロック34−10は、画像データを液晶モニタやTV等の外部表示機器に表示するためのビデオ信号に変換する。また、メモリカードコントローラブロック34−11は、撮影された画像データを記録するメモリカードの制御を行う。
【0037】
ここで、プロセッサ34のCPUブロック34−4は、F/E−IC32、モータドライバ17−5、音声記録回路38−1、音声再生回路39−1、ストロボ発光部13を発光させるストロボ回路40、測距ユニット15、サブCPU42に接続されている。したがって、上述した各構成は、CPUブロック34−4によって制御される。
【0038】
また、音声入力ユニット38及び音声再生ユニット39について説明すると、マイク38−3によって取り込まれた音声信号は、マイクアンプ38−2によって増幅され、音声記録回路38−1によってデジタル信号に変換されて、CPUブロック34−4の制御命令に基づいて、例えば内蔵メモリ36やメモリカード53等に記録される。また、音声再生回路39−1は、CPUブロック34−4の制御命令に基づいて、例えばROM37等に予め記録されている適宜の音声データを音声信号に変換し、オーディオアンプ39−2によって増幅し、スピーカ39−3から出力させる。
【0039】
測距ユニット15は、例えば測距センサとしての2次元センサ等を有し、2次元センサ等を用いて撮像装置1の撮影エリアに含まれる所定の被写体までの距離を計測する測距手段である。なお、測距手段とは、例えば複数の2次元センサ等を用いた測距方式等を示し、例えば2つのレンズ及びCCD等の撮像素子から得られる画像の視差を用いて三角測量等によって距離の測定を行うものである。
【0040】
サブCPU42は、LCDドライバ49を介してサブLCD11、AF用LED18、ストロボ用LED19、リモコン受光部16、上述したSW1〜SW13からなる操作キーユニット43、及びブザー44等が接続されている。したがって、上述した各構成は、サブCPU42によって制御される。また、サブCPU42は、リモコン受光部16に対する信号の入力状態や、操作キーユニット(例えば、上述したSW1〜SW13等)に対する入力状態を監視する。
【0041】
また、I2Cブロック34−1には、加速度計測手段としての加速度センサ45が接続されている。加速度センサ45は、プリント回路基板(PCB(Printed Circuit Board))上に実装され、直交する2軸X、Y方向の加速度データ、及び温度データTを出力する。そのデータからカメラのロール角、ピッチ角等の傾きを演算し、I2Cブロック34−1に出力して、最終的にはLCDモニタ20等に表示される。なお、加速度センサ45の水平に対するロール角θは、以下の式(1)で表される。
θ[deg]=180/π×arctan((Y0−G0)/(X0−G0)) ・・・(1)
なお、上記式(1)において、G0は重力ゼロ時の出力を示している。
【0042】
ここで、本実施形態においては、撮像装置1が図1(B),図1(C)の姿勢の場合に、撮像装置1のロール角θが0度であるとし、例えばLCDモニタ20が時計回り方向に傾いた場合に正の傾き、また反時計回りに傾いた場合に負の傾きであるとする。
【0043】
また、USBブロック34−6は、例えばUSBコネクタ46に接続されている。また、シリアルブロック34−7は、例えばシリアルドライバ回路47を介してRS−232Cコネクタ48に接続されている。したがって、本実施形態における撮像装置1は、上述したUSBブロック34−6やシリアルブロック34−7によって、撮像装置1に接続された外部機器との間でデータ通信を行う。
【0044】
TV信号表示ブロック34−10は、LCDモニタ20を駆動するためのLCDドライバ49、ビデオ信号を増幅すると共にインピーダンス整合を行うためのビデオアンプ50が接続されている。また、LCDドライバ49には、LCDモニタ20が接続されている。また、ビデオアンプ50には、TV等の外部モニタ機器に接続するためのビデオジャック51が接続されている。つまり、TV信号表示ブロック34−10は、画像データをビデオ信号に変換し、LCDモニタ20やビデオジャック51に接続された外部モニタ機器等の表示手段等に出力する。
【0045】
また、LCDモニタ20は、撮影中の被写体のモニタや、撮影された画像の表示、メモリカード53又は内蔵メモリ36等に記録された画像の表示等に使用される。なお、LCDモニタ20は、タッチパネル等による入出力機能を有していてもよく、その場合には、ユーザ等のタッチ入力に基づいて、所定の被写体の特定や各種指示入力を行うことができる。
【0046】
メモリカードコントローラブロック34−11は、メモリカードスロットル52が接続されている。したがって、撮像装置1は、メモリカードスロットル52に挿入された増設用のメモリカード53との間で画像データのやり取りを行う。
【0047】
なお、上述した撮像装置1の構成において、例えば鏡胴ユニット17、CCD31、F/E−IC32、及びCCD1信号処理ブロック34−2は、本実施形態における撮像手段に相当する。また、上述した図2に示す構成では、被写体光像を光電変換するための固体撮像素子としてCCD31を用いたが、本発明においてはこれに限定されるものではなく、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)を用いてもよい。その場合には、CCD1信号処理ブロック34−2及びCCD2信号処理ブロック34−3は、それぞれCMOS1信号処理ブロック34−2及びCMOS2信号処理ブロック34−3に置き換えて同様の処理を行わせることになる。
【0048】
<CPUブロック34−4の機能構成>
次に、上述したCPUブロック34−4の本実施形態における具体的な機能構成例について図を用いて説明する。図3は、CPUブロックの機能構成の一例を示す図である。図3に示すCPUブロック34−4は、画像取得制御手段34−4aと、画像サイズ変更手段34−4bと、動きベクトル検出手段34−4cと、合成手段34−4dと、画像記録制御手段34−4eとを有するよう構成されている。
【0049】
画像取得制御手段34−4aは、例えば上述したCCD31等の撮像素子から連続して予め設定された複数枚の撮影画像を取得するように画像取得制御を行う。なお、画像取得制御手段34−4aは、上述した処理を行う前に、例えば電子手ぶれ補正を行う電子手ぶれ補正モードが設定されているか否かを判断してもよい。この場合、画像取得制御手段34−4aは、ユーザ等により設定されたモードが、電子手ぶれ補正モードであった場合には上述の処理を行い、電子手ぶれ補正モードでなかった場合には通常撮影モードとして1枚の撮影画像のみを取得するように画像取得制御を行う。なお、上述したモード設定は、例えば図1に示すモードダイアル用のSW2等をユーザが操作することにより行われる。
【0050】
画像サイズ変更手段34−4bは、画像取得制御手段34−4aにより取得された複数の撮影画像の各画像サイズを撮影情報等に基づいて所定のサイズに変更する。具体的には、画像サイズ変更手段34−4bは、撮影情報として、例えば画像取得制御手段34−4aによる撮像時の設定情報等に基づいて設定される拡大率又は縮小率等により、生成される画像サイズを設定する。なお、上述した撮像時の設定情報としては、例えば撮像装置1における撮影時のズームポジション、フォーカスポジション、レンズF値、ISO感度、ホワイトバランスのパラメータ、ガンマ補正で使うガンマカーブ、アパーチャ補正、ノイズリダクション、及びディストーション補正値等から、1又は複数の設定情報を用いることができるが、本発明においてはこれに限定されるものではない。
【0051】
なお、設定情報としては、特にズームポジションを用いることが好ましい。その理由は、例えばズームポジションが望遠側にある場合には、大きな手ぶれが発生しにくく、また被写体も細かい描写で撮影できるため、より高精度な動き検出が必要となるからである。したがって、ズームポジションを含む設定情報に対応させて画像サイズの拡大率又は縮小率等を設定するのが好ましい。なお、本発明においてはこれに限定されるものではない。
【0052】
また、画像サイズ変更手段34−4bは、撮影情報として、撮影画像に対する特徴情報に基づいて、拡大又は縮小等により生成される画像サイズを設定する。なお、上述した特徴情報としては、例えば撮影画像のコントラストの高さや、撮影画像に人物の顔やその他の特定形状、構造物や動物等の物体(オブジェクト)等が含まれているか否か等から、1又は複数の特徴情報を用いることができるが、本発明においてはこれに限定されるものではない。
【0053】
なお、特定情報としては、コントラストの高さを用いることが好ましい。その理由は、例えばコンントラストが高い場合には、被写体間の境界がより鮮明になるため、より高精度な動き検出が必要とされるからである。したがって、コントラストの高さを含む特徴情報に対応させて画像サイズの拡大率又は縮小率等を設定するのが好ましい。なお、本発明においてはこれに限定されるものではない。
【0054】
また、動きベクトル検出手段34−4cは、画像サイズ変更手段34−4bにより生成された画像に基づいて撮影画像同士の動きベクトルを検出する。また、動きベクトル検出手段34−4cは、動きベクトル検出を行う画像サイズを、画像サイズ変更手段34−4bから得られる撮像装置1に対する設定情報に基づいて変更し、その変更した領域内における動きベクトルを検出する。これにより、撮像装置1の設定情報から、自動的に最適な動きベクトル検出方法で動きベクトル検出を行うことができる。
【0055】
また、動きベクトル検出手段34−4cは、動きベクトル検出を行う画像サイズを、画像サイズ変更手段34−4bから得られる撮像装置1が撮影した撮影画像の特徴情報に基づいて変更させ、その変更した領域内における動きベクトルを検出する。これにより、撮像装置1の撮影画像から、自動的に最適な動きベクトル検出方法で動きベクトル検出を行うことができる。なお、動きベクトル検出手段34−4cは、上述した撮影情報としての設定情報と特徴情報とを両方用いて、動きベクトル検出を行うための画像サイズを設定し、設定した画像サイズに変更してもよい。
【0056】
合成手段34−4dは、動きベクトル検出手段34−4cにより検出された動きベクトルを補正し、補正された複数の画像を加算して合成し、合成した1又は複数の画像を出力する。
【0057】
画像記録制御手段34−4eは、画像取得制御手段34−4aにより取得した画像、画像サイズ変更手段34−4bにより撮影画像毎にサイズ変更された画像、合成手段34−4dにより生成された合成画像等をSDRAM33やRAM35、内蔵メモリ36、メモリカードスロットル52に挿入されたメモリカード53等に記録させる画像記録制御等を行う。
【0058】
なお、上述したCPUブロック34−4による各機能構成により、本実施形態における手ぶれ補正を実現することができる。本実施形態における手ぶれ補処理の具体的な処理内容については後述する。
【0059】
<手ぶれ補正制御手法について>
次に、撮像装置1を用いた本発明における手ぶれ補正制御手法について説明するが、本発明における手ぶれ補正制御手法をより明確にするため、まず一般的な手ぶれ補正制御処理手順について説明する。
【0060】
図4は、撮像装置の手ぶれ補正制御処理手順の一例を示すフローチャートである。図4の例では、まず画像取得制御により、ある被写体等の物体(オブジェクト)に対して連続して4枚の画像を撮影する(S01)。次に、S01の処理により取得された撮影画像から、予め設定されたサイズ(ここでは一例として縮小サイズとする)の画像を作成する(S02)。
【0061】
次に、S02の処理により得られた4枚の縮小画像を時系列に並べ、連続する画像間を比較し、各画像に含まれる撮影された物体(オブジェクト)等の動き検出を行う(S03)。次に、S03に処理得られる動き検出結果に基づいて縮小する前の4枚の画像に対して画像合成を行い(S04)、得られた合成画像をメモリ等に保存する(S05)。
【0062】
つまり、図4の例では、電子手ぶれ補正処理を行う際、まず連続して4枚の画像を撮影し、それらの撮影画像からサイズの小さい縮小画像を作成する。次に作成した縮小画像を元に4枚の画像の相対的な動きベクトルの検出を行う。その後、動きベクトル検出結果を元に、縮小する前の4枚の撮影画像に対する合成を行い、合成結果画像を内蔵メモリ36やメモリカードスロットル52に挿入されたメモリカード53等に記録手段に記録する。
【0063】
ここで、図5は、電子手ぶれ補正処理を説明するための図である。撮像装置1により連続的に撮影された複数(例えば、4枚等)の画像61−1〜64−4は、それぞれが所定のサイズに縮小され、縮小画像62−1〜62−4が生成される。この縮小画像62−1〜62−4は、手ぶれ補正における位置合わせ用の画像である。その後、縮小画像62−1〜62−4に基づいて全画像の位置合わせ処理を行い、その位置合わせされた縮小画像63の位置合わせ結果に基づいて、縮小前の連続した画像61−1〜61−4に対して画像合成処理を行い、その合成画像64を内蔵メモリ36やメモリカード53等の記録手段に記録する。
【0064】
ここで、本実施形態では、通常、動きベクトル検出を行う際の画像サイズが大きい方が精度のよい動きベクトル検出を行うことができ、画像合成時の位置ずれを低減することができる。しかしながら、上述の場合、動きベクトル検出の処理に時間がかかってしまう。そのため、例えばVGA程度のサイズ(例えば、横640×縦480、ピクセル総数307200ピクセル等)に画像を縮小し、縮小した画像に対して動きベクトル検出を行うのが一般的である。
【0065】
また、撮影条件や撮影対象物によっては、VGAサイズの画像で動きベクトル検出をする場合よりも精度の高い動きベクトル検出が必要な場合や、動きベクトル検出の精度が低くてもよい場合があり、それにあわせて動きベクトル検出時の画像サイズを変動させることが望ましい。
【0066】
そこで、本実施形態では、電子手ぶれ補正を行う場合に、CPU34−4においてレリーズシャッターSW1が押されたと判断すると、4枚の画像を連続してSDRAM33等に取り込む。また、本実施形態では、SDRAM33への撮影画像の取り込みが完了すると、CPU34−4において撮影条件や撮影画像等を含む撮影情報等から、動きベクトル検出の必要精度の計算を行う。
【0067】
また、本実施形態では、必要精度の計算結果に基づいて撮影画像の縮小を行い、動きベクトル検出を行って、その結果に基づく画像合成により1枚の画像を生成する。
【0068】
<画像合成時の重ね合わせのイメージ例>
ここで、図6は、画像合成を行う際の重ね合わせの内容を説明するための図である。なお、図6の例では、画像合成前の4枚の画像61−1〜61−4の画角は、それぞれ異なるが、画像合成を行う際は1枚目に撮影した領域が基準となり、他の画像と重なっている領域が合成される。つまり、2枚以上が重なっている領域が合成可能面積となり、全ての領域で4枚合成を行う必要はなく、部分的に1枚〜4枚の少なくとも1つ画像を合成する。
【0069】
図6に示す梨字模様で囲まれた領域は、合成した結果作成される画像61−1〜61−4の画角71を示している。なお、図5のフローチャートでは、連続撮影する枚数は4枚としましたが、2枚以上であれば何枚でもよく、合成可能面積も上述したように2枚以上が重なっている領域に限定されず、例えば3枚以上、4枚以上等が重なっている領域と定義してもよい。また、上述の例では、基準画像を1枚目の画像として定義したが、本発明においてはこれに限定されるものではなく、例えば連続撮影した画像のうち、2枚目以降の任意の画像を選択してもよい。
【0070】
また、画像合成により生成された画像は、例えば内蔵メモリ36又はメモリカードスロットル52に挿入されたメモリカード53等の記録手段に記録する。
【0071】
なお、上述した動きベクトル検出や画像合成手法については、上述した内容に限定されるものではなく、例えば特許文献1に示されている技術や、その他にも例えば特開2006−157568号公報等に示されている技術を広く適用することができる。
【0072】
次に、本実施形態における手ぶれ補正の実施例についてフローチャートを用いて説明する。
【0073】
<本実施形態における手ぶれ補正制御処理:第1の実施例>
図7は、本実施形態における手ぶれ補正制御処理の第1の実施例を示すフローチャートである。通常、撮影を行う際に、撮像装置1(カメラ)のズームポジション(設定情報)が広角側にある場合は、同条件で望遠側にある場合と比べて、一般に被写体が小さく撮影され、また解像度も高い撮影となる。そのため、電子手ぶれ補正を行う際は、広角撮影の方が、より精度の高い動きベクトル検出が必要となる。
【0074】
そこで、第1の実施例では、図7に示す処理を行う。まず、CPU34−4は、撮像装置1に電子手ぶれ補正を行う電子手ぶれ補正モードが設定されているか否かを判断する(S11)。この判断の結果、電子手ぶれ補正モードであると判断した場合(S11において、YES)、CPU34−4は、レリーズシャッターSW1が押された時点で複数枚(例えば、4枚)連続で撮影を行い(S12)、撮影された画像を例えばSDRAM33等に取り込む。
【0075】
そして、CPU34−4は、SDRAM33等に取り込まれた4枚の画像が撮影された際のズームポジション(設定情報)を確認し、確認したズームポジションに応じて動きベクトル検出を行う際の画像サイズを設定する(S13)。
【0076】
その後、CPU34−4は、撮影した4枚の画像サイズから、S13の処理にて設定された画像サイズに縮小を行い、動きベクトル検出処理用の画像を作成し、作成した画像による設定した画像サイズでの動きベクトル検出処理を行う(S14)。
【0077】
次に、CPU34−4は、S14の処理により得られた動きベクトル検出結果に基づいて、画像サイズを変更する前の撮影画像に対して画像合成を行う(S15)。
【0078】
なお、上述したS11の処理において、電子手ぶれ補正モードでないと判断した場合(S11において、NO)、CPU34−4は、レリーズシャッターSW1が押された時点で通常の撮影時と同様に1枚の画像撮影(通常撮影)を行う(S16)。
【0079】
次に、S15又はS16の処理が終了後、生成された画像を内蔵メモリ36又はメモリカードスロットル52に挿入されたメモリカード53等に保存する(S17)。
【0080】
以上説明したように、第1の実施例によれば、CPU34−4は、ズームポジション(設定情報)により、最適な精度で、より高速に動きベクトル検出処理を行った電子手ぶれ画像を作成することが可能となる。なお、図7に示す例では、連続撮影する枚数の例を4枚としたが、本発明においてはこれに限定されるものではなく、2枚以上であれば何枚でもよい。
【0081】
<本実施形態における手ぶれ補正制御処理:第2の実施例>
図8は、本実施形態における手ぶれ補正制御処理の第2の実施例を示すフローチャートである。通常、撮影を行う際に、撮像装置1(カメラ)のISO感度の設定値(設定情報)が高いと、同条件下ではISO感度設定が低い場合と比べて、画像ノイズのS/N比が悪くなったりシャッタスピードが速くなる等の特徴がある。また、画像ノイズのS/N比が高い場合、画像合成を行う際の位置合わせ精度が少々悪くても、画像ノイズの影響で撮影画像のブレが目立たない傾向がある。そのため、電子手ぶれ補正を行う際にISO感度の設定値が低い際は、ISO感度の設定値が高い際と比べて、より精度の高い動きベクトル検出が必要となる。
【0082】
そこで、第2の実施例では、図8に示す処理を行う。まず、CPU34−4は、撮像装置1に電子手ぶれ補正を行う電子手ぶれ補正モードが設定されているか否かを判断する(S21)。この判断の結果、電子手ぶれ補正モードであると判断した場合(S21において、YES)、CPU34−4は、レリーズシャッターSW1が押された時点で複数枚(例えば、4枚)連続で撮影を行い (S22)、撮影された画像を例えばSDRAM33等に取り込む。
【0083】
そして、CPU34−4は、SDRAM33等に取り込まれた4枚の画像が撮影された際のISO感度の設定値を確認し、確認したISO感度の設定値に応じて動きベクトル検出を行う際の画像サイズを設定する(S23)。
【0084】
その後、CPU34−4は、撮影した4枚の画像から、S23の処理にて設定された画像サイズに縮小を行い、動きベクトル検出処理用の画像を作成し、作成した画像による設定した画像サイズでの動きベクトル検出処理を行う(S24)。
【0085】
次に、CPU34−4は、S24の処理により得られた動きベクトル検出結果に基づいて、画像サイズを変更する前の撮影画像に対して画像合成を行う(S25)。
【0086】
なお、上述したS21の処理において、電子手ぶれ補正モードでないと判断した場合(S21において、NO)、CPU34−4は、レリーズシャッターSW1が押された時点で通常の撮影時と同様に1枚の画像撮影(通常撮影)を行う(S26)。
【0087】
次に、S25又はS26の処理が終了後、生成された画像を内蔵メモリ36又はメモリカードスロットル52に挿入されたメモリカード53等に保存する(S27)。
【0088】
以上説明したように、第2の実施例によれば、CPU34−4は、ISO感度の設定値により、最適な精度で、より高速に動きベクトル検出処理を行った電子手ぶれ画像を作成することが可能となる。なお、図8に示す例では、連続撮影する枚数の例を4枚としたが、本発明においてはこれに限定されるものではなく、2枚以上であれば何枚でもよい。
【0089】
また、上述した第1及び第2の実施例では、撮影時に得られる設定情報の一例として、ズームポジション及びISO感度の設定情報を用いたが、本発明においてはこれに限定されるものではなく、他の設定情報を用いてもよく、また複数の設定情報を組み合わせてもよい。
【0090】
<本実施形態における手ぶれ補正制御処理:第3の実施例>
図9は、本実施形態における手ぶれ補正制御処理の第3の実施例を示すフローチャートである。通常、撮影画像のコントラストが高い場合は、明部と暗部の境界が鮮明であるため、電子手ぶれ処理を行った際に位置ずれがあった場合に視認され易い。そのため、動きベクトル検出処理を行う際に必要な精度は高くなるので、動きベクトル検出処理を行う際の画像サイズは大きくする方が望ましい。
【0091】
逆に、コントラストが低い場合は、明部と暗部の境界が不鮮明であるので、電子手ぶれ処理を行った際に位置ずれがあった場合でも視認しづらくなる。そのため、動きベクトル検出処理を行う際に高い精度は必要なく、動きベクトル検出処理を行う際の画像サイズを小さくして処理時間を短くするのが望ましい。
【0092】
そこで、第3の実施例では、図9に示す処理を行う。まず、CPU34−4は、撮像装置1に電子手ぶれ補正を行う電子手ぶれ補正モードか設定されているか否かを判断する(S31)。この判断の結果、電子手ぶれ補正モードであると判断した場合(S31において、YES)、CPU34−4は、レリーズシャッターSW1が押された時点で複数枚(例えば、4枚)連続で撮影を行い(S32)、撮影された画像を例えばSDRAM33等に取り込む。
【0093】
そして、CPU34−4は、SDRAM33等に取り込まれた4枚の画像のうち、1枚目の画像のコントラストを解析し、例えば解析したコントラストの高さに応じて、動きベクトル検出を行う際の画像サイズを設定する(S33)。
【0094】
なお、S33の処理では、上述した手法の他に、例えば撮影された4枚の画像のうち、複数枚(例えば、1枚目(最初)と4枚目(最後)等)の画像を用いてコントラストを解析し、解析したコントラストを平均化してもよい。これにより、撮影した複数枚の画像全体に対するコントラストを高精度に取得することができる。
【0095】
その後、CPU34−4は、撮影した4枚の画像から、S33の処理にて設定された画像サイズに縮小を行い、動きベクトル検出処理用の画像を作成し、作成した画像による設定した画像サイズでの動きベクトル検出処理を行う(S34)。
【0096】
次に、CPU34−4は、S34の処理により得られた動きベクトル検出結果に基づいて、画像サイズを変更する前の撮影画像に対して画像合成を行う(S35)。
【0097】
なお、上述したS31の処理において、電子手ぶれ補正モードでないと判断した場合(S31において、NO)、CPU34−4は、レリーズシャッターSW1が押された時点で通常の撮影時と同様に1枚の画像撮影(通常撮影)を行う(S36)。
【0098】
次に、S35又はS36の処理が終了後、生成された画像を内蔵メモリ36又はメモリカードスロットル52に挿入されたメモリカード53等に保存する(S37)。
【0099】
以上説明したように、第3の実施例によれば、CPU34−4は、撮影画像のコントラスト(特徴情報)に応じて、最適な精度で、より高速に動きベクトル検出処理を行った電子手ぶれ画像を作成することが可能となる。なお、図9に示す例では、連続撮影する枚数の例を4枚としたが、本発明においてはこれに限定されるものではなく、2枚以上であれば何枚でもよい。
【0100】
<本実施形態における手ぶれ補正制御処理:第4の実施例>
図10は、本実施形態における手ぶれ補正制御処理の第4の実施例を示すフローチャートである。通常、撮影画像に人物の顔(特徴情報)が含まれている場合、顔の細部を表現するために繊細な描写が必要となる場合が多い。繊細な描写を保ったまま電子手ぶれ処理を行うには、動きベクトル検出処理を行う際に高精度で位置ずれ検出を行い、画像合成を行う必要がある。したがって、動きベクトル検出処理を行う際の画像サイズは大きくする方が望ましい。
【0101】
そこで、第4の実施例では、図10に示す処理を行う。まず、CPU34−4は、撮像装置1に電子手ぶれ補正を行う電子手ぶれ補正モードか設定されているか否かを判断する(S41)。この判断の結果、電子手ぶれ補正モードであると判断した場合(S41において、YES)、CPU34−4は、レリーズシャッターSW1が押された時点で複数枚(例えば、4枚)連続で撮影を行い(S42)、撮影された画像を例えばSDRAM33等に取り込む。
【0102】
そして、CPU34−4は、SDRAM33等に取り込まれた4枚の画像のうち、1枚目の撮影時に人物の顔が含まれているか否かを検出し、例えば検出結果として得られた顔の有無に応じて、動きベクトル検出を行う際の画像サイズを設定する(S43)。
【0103】
なお、S43の処理では、上述した手法の他に、例えば撮影された4枚の画像全てで顔検出を行い、少なくとも1枚の画像で顔が検出された場合に、その検出情報に基づいて画像サイズを設定してもよい。また、複数の画像で顔が検出された場合には、検出された複数の画像のうち、例えば最初に検出した画像等を1枚選択し、その選択した画像の顔検出結果に応じて画像サイズを設定してもよい。
【0104】
また、S43の処理では、画像から顔が検出された場合に、その顔の大きさや位置、数等に応じて画像サイズを設定してもよい。更に、S43の処理では、人物の顔に限定されず、予め設定された物体(オブジェクト)を検出し、その物体の有無や形状、大きさ、数等の物体検出情報により変更する画像サイズを設定してもよい。
【0105】
その後、CPU34−4は、撮影した4枚の画像から、S43の処理にて設定された画像サイズに縮小を行い、動きベクトル検出処理用の画像を作成し、作成した画像による設定した画像サイズでの動きベクトル検出処理を行う(S44)。
【0106】
次に、CPU34−4は、S44の処理により得られた動きベクトル検出結果に基づいて、画像サイズを変更する前の撮影画像に対して画像合成を行う(S45)。
【0107】
なお、上述したS41の処理において、電子手ぶれ補正モードでないと判断した場合(S41において、NO)、CPU34−4は、レリーズシャッターSW1が押された時点で通常の撮影時と同様に1枚の画像撮影(通常撮影)を行う(S46)。
【0108】
次に、S45又はS46の処理が終了後、生成された画像を内蔵メモリ36又はメモリカードスロットル52に挿入されたメモリカード53等に保存する(S47)。
【0109】
以上説明したように、第4の実施例によれば、CPU34−4は、撮影画像に人物の顔が撮影されているか否かによって、その特徴情報を用いて、最適な精度で、より高速に動きベクトル検出処理を行った電子手ぶれ画像を作成することが可能となる。なお、図10に示す例では、連続撮影する枚数の例を4枚としたが、本発明においてはこれに限定されるものではなく、2枚以上であれば何枚でもよい。
【0110】
また、上述した第3及び第4の実施例では、撮影画像から得られる特徴情報の一例として、コントラスト及び人物の顔検出を用いたが、本発明においてはこれに限定されるものではなく、他の特徴情報を用いてもよく、また複数の特徴情報を組み合わせてもよい。
【0111】
更に、本実施形態においては、上述した第1〜第4の各実施例は、適宜組み合わせて用いても同様の効果を得ることができる。したがって、上記の実施例の他にも、例えば設定情報と特徴情報とを含む撮影情報を用いて手ぶれ補正制御処理を行うこともできる。
【0112】
なお、上述した各実施例における画像サイズを設定する際の拡大率又は縮小率については、例えばズームが広角端である場合には、より精度が必要となるため、例えば縮小率を撮影時の画像サイズに対して縦横1/2サイズ(縮小率25%)に設定し、その縮小サイズで動き検出を行う。また、例えばズームが望遠端である場合には、精度がそれほど必要ではないため、縮小率を撮影時の画像サイズに対して縦横1/4サイズ(縮小率6.25%)に設定し、その縮小サイズで動き検出を行う。なお、本発明においては、上記の例に限定されるものではなく、各種条件に基づき他の拡大率や縮小率等を設定することができる。
【0113】
また、上述の各実施例に示すような撮像装置1を用いた手ぶれ補正制御処理は、各処理をコンピュータに実行させることができる制御プログラム(撮像プログラム)を生成し、例えば、上述した図2に示すようなハードウェア構成に撮像プログラムをインストールし、プロセッサ34等により、撮像プログラムを実行することにより、本実施形態における手ぶれ補正制御処理を容易に実現することができる。
【0114】
上述したように、本発明によれば、最適な電子手ぶれ補正画像を取得することができる。具体的には、例えば撮影画像や撮影条件等の撮影情報によって、高精度な動きベクトル検出を行う必要がある場合や、動きベクトル検出精度は必要ないが高速に画像を作成したい場合、どのような精度での位置あわせが最適であるかを撮影画像や撮影条件から判断を行い、それにより位置あわせ処理で使用する縮小画像サイズを変更し、高精度で動きベクトル検出を行うか、高速で動きベクトル検出を行うかを選択することで、最適な動きベクトル検出を行う。これにより、最適な電子手ぶれ補正処理を行うことができる。
【0115】
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【符号の説明】
【0116】
1 撮像装置
11 サブ液晶ディスプレイ
12 メモリカード/電池装填部
13 ストロボ発光部
14 光学ファインダ
15 測距ユニット
16 リモコン受光部
17 鏡胴ユニット
18 AF用LED
19 ストロボ用LED
20 LCDモニタ
31 CCD
32 F/E−IC
33 SDRAM
34 デジタルスチルカメラプロセッサ
35 RAM
36 内蔵メモリ
37 ROM
38 音声入力ユニット
39 音声再生ユニット
40 ストロボ回路
41 LCDドライバ
42 サブCPU
43 操作キーユニット
44 ブザー
45 加速度センサ
46 USBコネクタ
47 シリアルドライバ回路
48 RS−232Cコネクタ
49 LCDドライバ
50 ビデオアンプ
51 ビデオジャック
52 メモリカードスロットル
53 メモリカード
61,64 画像
62,63 縮小画像
71 画角
【先行技術文献】
【特許文献】
【0117】
【特許文献1】特開2007−226643号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像素子により連続した複数の撮影画像を取得する画像取得制御手段と、
前記画像取得制御手段により得られた複数の撮影画像の画像サイズを、前記複数の撮影画像のうち、少なくとも1つの撮影画像に対する撮影情報に基づいて設定された画像サイズに変更する画像サイズ変更手段と、
前記画像サイズ変更手段により得られたサイズ変更画像に基づいて各撮影画像同士の動きベクトルを検出する動きベクトル検出手段と、
前記動きベクトル検出手段により検出された動きベクトル情報に基づいて前記サイズ変更画像を補正し、補正された複数の前記サイズ変更画像を合成する合成手段とを有することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記画像サイズ変更手段は、
前記撮影情報として、前記少なくとも1つの撮影画像に対する撮像時の設定情報に基づいて、画像サイズを設定することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記画像サイズ変更手段は、
前記撮影情報として、前記少なくとも1つの撮影画像に対する特徴情報に基づいて、前記画像サイズを設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記設定情報は、
前記複数の撮影画像に対する撮影時のズームポジション及び/又はISO感度を含むことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記特徴情報は、
前記複数の撮影画像に対するコントラスト及び/又は物体検出情報を含むことを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項6】
撮像装置により撮影された画像に対する手ぶれ補正を行うための撮像方法において、
前記撮像装置が備える撮像素子により連続した複数の撮影画像を取得する画像取得ステップと、
前記画像取得制御ステップにより得られた複数の撮影画像の画像サイズを、前記複数の撮影画像のうち、少なくとも1つの撮影画像に対する撮影情報に基づいて設定された画像サイズに変更する画像サイズ変更ステップと、
前記画像サイズ変更ステップにより得られたサイズ変更画像に基づいて各撮影画像同士の動きベクトルを検出する動きベクトル検出ステップと、
前記動きベクトル検出ステップにより検出された動きベクトル情報に基づいて前記サイズ変更画像を補正し、補正された複数の前記サイズ変更画像を合成する合成ステップとを有することを特徴とする撮像方法。
【請求項7】
前記画像サイズ変更ステップは、
前記撮影情報として、前記少なくとも1つの撮影画像に対する撮像時の設定情報に基づいて、画像サイズを設定することを特徴とする請求項6に記載の撮像方法。
【請求項8】
前記画像サイズ変更ステップは、
前記撮影情報として、前記少なくとも1つの撮影画像に対する特徴情報に基づいて、前記画像サイズを設定することを特徴とする請求項6又は7に記載の撮像方法。
【請求項9】
前記設定情報は、
前記複数の撮影画像に対する撮影時のズームポジション及び/又はISO感度を含むことを特徴とする請求項7に記載の撮像方法。
【請求項10】
前記特徴情報は、
前記複数の撮影画像に対するコントラスト及び/又は物体検出情報を含むことを特徴とする請求項8に記載の撮像方法。
【請求項11】
コンピュータを、請求項1乃至5の何れか1項に記載された撮像装置として機能させることを特徴とする撮像プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−199691(P2012−199691A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−61631(P2011−61631)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】