撮像装置、撮像方法及び撮像処理の制御プログラム
【課題】 装着された光学フィルタの情報を基にして特殊効果画像処理を変更することにより、光学フィルタの特殊効果と特殊効果画像処理とが同時に行なわれたとしても、より効果的な特殊効果を付加した特殊画像データを得ることができる。
【解決手段】 撮像装置は、被写体を撮影して撮影画像データを取得する撮像部と、前記被写体からの光に第1の特殊効果を付加する光学フィルタを検出する光学フィルタ検出部と、前記光学フィルタ検出部による前記光学フィルタの検出結果に応じた第2の特殊効果を前記撮影画像データに付加した特殊画像データを生成する特殊効果画像処理部とを具備する。
【解決手段】 撮像装置は、被写体を撮影して撮影画像データを取得する撮像部と、前記被写体からの光に第1の特殊効果を付加する光学フィルタを検出する光学フィルタ検出部と、前記光学フィルタ検出部による前記光学フィルタの検出結果に応じた第2の特殊効果を前記撮影画像データに付加した特殊画像データを生成する特殊効果画像処理部とを具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ本体に装着されている光学フィルタに応じた画像処理を行う撮像装置、撮像方法及び撮像処理の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
カメラで被写体を写真撮影するときに、レンズと被写体の間に光学的なフィルタを挿入することで、高輝度な被写体の周辺にクロスパターンを追加したり、全体的にぼけたような特殊な効果のある画像(以下、特殊画像データと称する)を得ることができる。
現在、デジタルカメラでは、光学的なフィルタを挿入していない場合でも、光学的なフィルタを装着したような特殊な効果を付加した特殊画像データを画像処理によって取得することができる。画像処理による特殊画像データを取得する技術としては、例えば特許文献1、2がある。
【0003】
特許文献1は、ある閾値を超える輝点を検索し、検索された輝点の周辺をさらに検索して光源と考えられる領域の中心を算出し、クロスパターンを描画することで、クロスフィルタ効果を画像処理で実現する方法について開示する。
特許文献2は、画像データからぼかし画像データを生成し、画像データとぼかし画像データとをある合成係数に基づいて合成することによってソフトフィルタを用いたような軟調系の効果を画像処理で実現する方法について開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4207124号公報
【特許文献2】特開2004−030370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
デジタルカメラでは、光学フィルタの装着の有無を問わずに、特殊画像データを得るための特殊効果画像処理が選択されている状況であれば、当該選択された設定に従った特殊効果画像処理を行なって特殊画像データの生成を行なっている。
このため、光学フィルタが装着されている状態に、光学フィルタによる特殊効果と特殊効果画像処理とが同時に付加された画像データが生成されることになり、特殊画像データにおいて特殊効果画像処理による特殊効果の性能を十分に発揮できなくなってしまうことがある。
【0006】
本発明は、装着された光学フィルタの情報を基にして特殊効果画像処理を変更することにより、光学フィルタの特殊効果と特殊効果画像処理とが同時に行なわれたとしても、より効果的な特殊効果を付加した特殊画像データを得ることができる撮像装置、撮像方法及び撮像処理の制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の主要な局面に係る撮像装置は、被写体を撮影して撮影画像データを取得する撮像部と、前記被写体からの光に第1の特殊効果を付加する光学フィルタを検出する光学フィルタ検出部と、前記光学フィルタ検出部による前記光学フィルタの検出結果に応じた第2の特殊効果を前記撮影画像データに付加した特殊画像データを生成する特殊効果画像処理部とを具備する。
【0008】
本発明の主要な局面に係る撮像方法は、被写体を撮影して撮影画像データを取得し、前記被写体からの光に第1の特殊効果を付加する光学フィルタを検出し、前記光学フィルタの検出結果に応じた第2の特殊効果を前記撮影画像データに付加した特殊画像データを生成する。
本発明の主要な局面に係る撮像処理の制御プログラムは、撮像装置に内蔵されたコンピュータに、被写体を撮影して撮影画像データを取得する画像データ取得機能と、前記被写体からの光に第1の特殊効果を付加する光学フィルタを検出する光学フィルタ検出機能と、前記光学フィルタの検出結果に応じた第2の特殊効果を前記撮影画像データに付加した特殊画像データを生成する特殊画像データ生成機能とを実現させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、装着された光学フィルタの情報を基にして特殊効果画像処理を変更することにより、光学フィルタの特殊効果と特殊効果画像処理とが同時に行なわれたとしても、より効果的な特殊効果を付加した特殊画像データを得ることができる撮像装置、撮像方法及び撮像処理の制御プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る撮像装置としてのデジタメカメラの第1の実施の形態を示すブロック構成図。
【図2】同カメラの特殊画像処理部において撮像画像データに付加して特殊効果を得るための各種パターンデータを示す摸式図。
【図3】同カメラのメイン動作のフローチャート。
【図4】同カメラの撮影処理フローチャート。
【図5】同カメラの画像処理フローチャート。
【図6】同カメラの特殊画像処理設定フローチャート。
【図7】同カメラにおける特殊画像処理としてクロスフィルタの一例を示す図。
【図8】同カメラにソフトフィルタが装着された場合の特殊画像処理部での処理の一例を示す図。
【図9】同カメラに周辺効果フィルタが装着された場合の特殊画像処理部での処理の一例を示す図。
【図10】同カメラに多重効果フィルタが装着された場合の特殊画像処理部での処理の一例を示す図。
【図11】本発明に係る撮像装置としてのデジタメカメラの第2の実施の形態を示すブロック構成図。
【図12】同カメラの画像処理フローチャート。
【図13】同カメラによる撮影画像データからのクロスフィルタの検出を説明するための摸式図。
【図14】同カメラによるソフトフィルタの検出を説明するための摸式図。
【図15】同カメラによる周辺効果フィルタの検出を説明するための摸式図。
【図16】同カメラによる多重効果フィルタの検出を説明するための摸式図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は撮像装置としてのデジタメカメラのブロック構成図を示す。本カメラは、交換式レンズ100と、カメラ本体200とを有するレンズ交換式デジタルカメラの例を示す。なお、以下に説明する本発明の実施形態に係る技術は、コンパクト式デジタルカメラやレンズ一体型デジタルカメラ、携帯電話、携帯情報端末、ゲーム機器等にも適用可能である。
交換式レンズ100は、レンズ101と、絞り102と、ドライバ103と、レンズマイクロコンピュータ104と、フラッシュ(Flash)メモリ105とを有する。交換式レンズ100がカメラ本体200に装着された際に、交換式レンズ100のレンズマイクロコンピュータ104は、インターフェイス(I/F)106aを介してカメラ本体200の本体マイクロコンピュータ215と通信可能に接続される。
【0012】
レンズ101は、フォーカスレンズやズームレンズ等の1つ以上のレンズから構成されており、被写体からの光学像(被写体像)をカメラ本体200の撮像素子202に集光する。絞り102は、撮像素子202に集光される被写体像の光量を調節する。
ドライバ103は、モータ等を有し、レンズマイクロコンピュータ104の制御の下、レンズ101を構成するフォーカスレンズやズームレンズをその光軸方向に駆動する。また、ドライバ103は、レンズマイクロコンピュータ104の制御の下、絞り102を開閉する。
【0013】
レンズマイクロコンピュータ104は、カメラ本体200の本体マイクロコンピュータ215の制御に従って交換式レンズ100の動作を制御する。また、レンズマイクロコンピュータ104は、Flashメモリ105に記憶されているレンズ情報を本体マイクロコンピュータ215に送信することも行う。Flashメモリ105は、レンズ101の収差といったレンズ情報等の交換式レンズ100の各種情報を記憶している。
【0014】
交換式レンズ100における被写体像を入射する開口部には、着脱可能な光学フィルタ106が装着されている。この光学フィルタ106は、被写体からの被写体像に光学的な特殊効果(第1の特殊効果)を付加するもので、例えばクロスフィルタ、ソフトフィルタ、多重効果フィルタ、周辺効果フィルタ等である。光学フィルタ106は、他に、例えば偏光フィルタ、NDフィルタ、色彩強調フィルタであってもよい。
交換式レンズ100には、光学フィルタ検出部107が設けられている。この光学フィルタ検出部107は、光学フィルタ106が交換式レンズ100に装着されているか否かである装着の有無を検出する。又、光学フィルタ検出部107は、光学フィルタ106の種類、例えばクロスフィルタ、ソフトフィルタ、多重効果フィルタ、周辺効果フィルタ等を検出する。
【0015】
この光学フィルタ検出部107は、交換式レンズ100への光学フィルタ106の装着の有無を接点の接触・非接触により検出する。例えば光学フィルタ106と光学フィルタ検出部107とには、それぞれ電気的な接点が設けられている。光学フィルタ106が交換式レンズ100に装着されることにより上記各接点が互いに接触し、各接点が電気的に導通する。光学フィルタ検出部107は、各接点の電気的な導通を検出することにより、光学フィルタ106の装着を検出する。なお、光学フィルタ検出部107は、各接点の電気的な導通を検出しなければ、光学フィルタ106が装着されていないことを検出する。
【0016】
変形例として、光学フィルタ検出部107は、交換式レンズ100への光学フィルタ106の装着の有無を通信により検出してもよい。すなわち、光学フィルタ106は、マイクロコンピュータを搭載する。光学フィルタ検出部107は、光学フィルタ106が装着されたときに、当該光学フィルタ106のマイクロコンピュータとの間でデータ交換を行って光学フィルタ106の装着を検出する。なお、光学フィルタ検出部107は、光学フィルタ106のマイクロコンピュータとの間でデータ交換が行われなければ、光学フィルタ106が装着されていないことを検出する。
【0017】
又、光学フィルタ検出部107は、光学フィルタ106の種類を接点の接触・非接触により検出する。例えば、光学フィルタ106には、例えば、当該光学フィルタ106の種類に応じた個数の接点が設けられている。光学フィルタ検出部107は、光学フィルタ106に設けられた接点の個数から光学フィルタ106の種類を検出する。
変形例として、光学フィルタ検出部107は、光学フィルタの種類を通信により検出してもよい。すなわち、光学フィルタ106は、光学フィルタの種類の情報を記憶するマイクロコンピュータを搭載する。光学フィルタ検出部107は、光学フィルタ106が装着されたときに、当該光学フィルタ106のマイクロコンピュータから光学フィルタの種類の情報を読み取って光学フィルタ106の種類を検出する。
光学フィルタ検出部107は、光学フィルタ106の回転角度を検出する。例えばクロスフィルタ、偏光フィルタ等は、回転させることにより特殊効果を変化させることが可能である。クロスフィルタは、当該クロスフィルタ自体を回転させることによりクロスパターン画像の角度を可変できる。偏光フィルタは、当該偏光フィルタ自体を回転させることにより反射光の除去や、コントラストの調整等が可能である。
【0018】
一方、カメラ本体200は、メカシャッタ201と、撮像素子202と、アナログ処理部203と、アナログ/デジタル(A/D)変換部204と、バス205と、SDRAM206と、通常画像処理部207と、AE処理部208と、AF処理部209と、画像圧縮展開部210と、メモリインターフェイス(I/F)211と、記録媒体212と、表示(LCD)ドライバ213と、表示(LCD)部214と、本体マイクロコンピュータ215と、操作部216と、フラッシュ(Flash)メモリ217と、カメラ設定変更部218と、特殊効果画像処理部(以下、特殊画像処理部と称する)219とを有する。
【0019】
メカシャッタ201は、撮像素子202の光電変換面を遮光状態又は露出状態とすることで撮像素子202の露光時間を調節する機械的機構である。
撮像素子202は、レンズ101を介して集光された被写体像を撮像し、被写体像を電気信号(以降、アナログ撮像信号と称する)として出力する。この撮像素子202は、被写体像をアナログ撮像信号に変換するための光電変換面を有する。この光電変換面は、2次元平面状に配列された複数のフォトダイオードと、これらフォトダイオードの前面に設けられたカラーフィルターとを有する。カラーフィルターは、例えば原色系ベイヤ配列のカラーフィルターである。この撮像素子202は、CMOS方式の撮像素子でもCCD方式の撮像素子でも良い。また、撮像素子202は、露光時間を電子的に制御する電子シャッタ機能を有していることが望ましい。なお、撮像素子202は、ベイヤ配列に限らず、他の形式の撮像素子、例えばFoveonのような積層型の撮像素子でも良い。
【0020】
アナログ処理部203は、撮像素子202から出力されたアナログ撮像信号に対して各種のアナログ処理を行う。このアナログ処理は、例えばリセットノイズの低減処理、波形整形処理、ゲイン制御処理等である。
A/D変換部204は、アナログ処理部203から出力されたアナログ撮像信号をデジタル信号(以降、撮像画像データと称する)に変換する。この撮像画像データは、画像処理部207による画像処理前のデジタル画像であり、RAWデータとも呼ばれる。なお、アナログ処理部203やA/D変換部204は、撮像素子202と一体型でも良い。
バス205は、カメラ本体200の内部で発生した各種のデータを転送する。SDRAM206は、カメラ本体200内部で発生した各種のデータを一時的に記憶する。
【0021】
通常画像処理部207は、撮像画像データに対する各種の画像処理を行って画像データを生成する。この画像処理部207は、オプティカルブラック(OB)減算処理と、ホワイトバランス(WB)補正処理と、同時化処理と、カラーマトリクス演算処理と、ガンマ・色再現処理と、エッジ強調処理と、ノイズ低減(NR)処理等の処理を行う。OB減算処理は、撮像画像データにおける暗電流成分の影響を除去するためのOB減算を行う。WB補正処理は、撮像データの色バランスを補正するWB補正処理を行う。同時化処理は、1画素が1つの色成分に対応している撮像データを、1画素が3つの色成分に対応している撮像画像データに変換する同時化処理を行う。カラーマトリクス演算処理は、撮像画像データ全体の色相や彩度の調節を行う。ガンマ・色再現処理は、撮像画像データに対するガンマ変換処理、色再現処理を行う。エッジ強調処理は、撮像画像データにおけるエッジ成分を強調するエッジ強調処理を行う。NR処理は、撮像データにおけるノイズ成分を除去するNR処理を行う。
【0022】
AE処理部208は、撮像画像データを用いて被写体の輝度を算出し、この被写体の輝度に応じて、撮影時における撮像素子202の感度(ISO感度)、撮影時における絞り102の開口量(絞り値)、撮影時における撮像素子202の露光時間(シャッタ速)を決定する。なお、測光センサを用いて被写体の輝度を検出してもよい。
AF処理部209は、撮像画像データから高周波成分の信号を取り出し、この取り出した高周波成分の信号を積算してAF用の合焦評価値を取得する。なお、AF処理部209は、位相差方式を用いてもよい。
画像圧縮展開部210は、画像の記録時において、通常画像処理部207における画像処理によって得られた撮像画像データに対してJPEG方式等の静止画圧縮処理又はMotion−JPEGやMPEG方式等の動画圧縮処理を施す。また、画像圧縮展開部210は、画像の再生時において、圧縮処理が施された撮像画像データに対して展開(伸張)処理を施す。
メモリI/F211は、本体マイクロコンピュータ215が記録媒体212にアクセスするためのインターフェイスである。記録媒体212は、例えばカメラ本体200に着脱自在になされたメモリカードであって、画像圧縮展開部210によって圧縮された画像データを含む画像ファイル等が記録される。
表示ドライバ213は、通常画像処理部207で得られた撮像画像データ、画像圧縮展開部210で伸張された画像データ、又は特殊画像処理部219により生成された特殊画像データを映像信号に変換して表示部214に出力する。この表示部214は、例えば液晶ディスプレイ(LCD)であり、表示ドライバ213からの映像信号に基づく画像を表示する。
【0023】
本体マイクロコンピュータ215は、メカシャッタ201や撮像素子202の動作制御等のカメラ本体200の各種シーケンスを統括的に制御する。また、本体マイクロコンピュータ215は、交換式レンズ100の装着時に交換式レンズ100の動作も制御する。本体マイクロコンピュータ215には、操作部216と、Flashメモリ217とが接続されている。
操作部216は、例えば電源ボタン、レリーズボタン、再生ボタン、動画ボタン、各種入力キー等の操作部材である。この操作部216は、タッチパネル等で構成されていても良い。ユーザにより操作部216の操作がなされると、本体マイクロコンピュータ215は、操作部216の操作に対応したシーケンスを実行する。又、各種の撮影モード、例えば通常の撮影モード、特殊画像処理モード等の設定を行う。
【0024】
Flashメモリ217は、例えばホワイトバランス補正用のホワイトバランスゲイン、カラーマトリクス演算用のカラーマトリクス係数、ガンマ変換用のガンマテーブルといった通常画像処理部207の動作に必要なパラメータ等の、カメラ本体200の動作に必要な各種のパラメータを記憶している。
さらに、Flashメモリ217は、特殊画像処理部219において撮像画像データに付加して特殊効果(第2の特殊効果)を得るためのパターンデータを記録する。このパターンデータは、例えば図2(a)に示すクロスパターンである。このクロスパターンは、中心部から放射状に伸びる複数の直線、例えば中央部から伸びる4本の直線で構成されている。クロスパターンを構成する4本の直線は、それぞれ、中央部からの距離に応じて輝度値が低下するとともに線の太さが細くなっている。
【0025】
クロスパターンを構成する直線の本数は4本に限るものではなく、任意の複数本で良い。例えば、図2(b)はスノークロスパターンを示し、このスノークロスパターンは、中央部から伸びる6本の直線でパターンを構成されている。図2(c)はサニークロスパターンを示し、このサニークロスパターンは、中央部から伸びる8本の直線でパターンを構成されている。また、直線の他に曲線を含めるようにしてパターンを構成するようにしても良い。例えば、図2(d)で示すような星型のパターンや、図2(e)で示すようなハート型のパターン等、各種の形状のパターンをFlashメモリ217に記憶させるようにして良い。さらに、図2(a)〜図2(e)で示したパターンを示すパターンデータは、図2(a)〜図2(e)で示したパターンを含む矩形データとして構成しておいても良い。
【0026】
又、Flashメモリ217は、本体マイクロコンピュータ215が実行する種々のプログラム、例えば撮像処理の制御プログラムも記憶する。この撮像処理の制御プログラムは、本体マイクロコンピュータ215に、被写体を撮影して撮影画像データを取得させる画像データ取得機能と、被写体からの光に第1の特殊効果を付加する光学フィルタ106を検出させる光学フィルタ検出機能と、光学フィルタの検出結果に応じた第2の特殊効果を撮影画像データに付加した特殊画像データを生成させる特殊画像データ生成機能とを実現させる。このうち画像データ取得機能は、交換式レンズ100や、撮像素子202、アナログ処理部203、A/D変換部204、通常画像処理部207等を動作させて一連の撮像を行って撮影画像データを取得させる。光学フィルタ検出機能は、光学フィルタ検出部107を動作させて光学フィルタ106の装着の有無、種類を検出させる。又、撮像処理の制御プログラムは、光学フィルタ106による第1の特殊効果と画像処理による第2の特殊効果とを阻害しないように特殊画像データを生成するときのカメラ設定を変更させるカメラ設定変更機能を実現させる。
【0027】
特殊画像処理部219は、光学フィルタ検出部107による光学フィルタ106の検出結果、すなわち光学フィルタ106の装着の有無、光学フィルタ106の種類に応じた第2の特殊効果を撮影画像データに付加した特殊画像データを生成する。
例えば、この特殊画像処理部219は、通常画像処理部207で得られた撮像画像データにおける高輝度画素(輝点)を検索し、この検索された輝点に応じて輝点座標の近傍にパターンデータ、例えばFlashメモリ217に記憶されている図2(a)〜(e)に示すようなクロスパターン等を付加(合成)して特殊画像データを生成する。
【0028】
カメラ設定変更部218は、光学フィルタ検出部107の検出結果、例えば光学フィルタ106の装着の有無、光学フィルタ106の種類に応じて特殊画像処理部219で使用する第2の特殊効果の付加処理のためのカメラ設定を変更する。この場合、カメラ設定変更部218は、光学フィルタ106による第1の特殊効果と特殊画像処理部219による第2の特殊効果とを阻害しないようにカメラ設定を変更する。
光学フィルタ106の種類別に説明すると、光学フィルタ検出部107により検出された光学フィルタ106の種類がクロスフィルタであれば、カメラ設定変更部218は、第2の特殊効果が第1の特殊効果に重ならないようにカメラ設定を変更する。
【0029】
光学フィルタ検出部107により光学フィルタ106の回転角度を検出すると、カメラ設定変更部218は、光学フィルタ106の回転角度に応じて第2の特殊効果が第1の特殊効果と重ならないように特殊画像処理部219で使用するカメラ設定の角度を変更する。
光学フィルタ検出部107により検出された光学フィルタ106の種類がソフトフィルタであれば、カメラ設定変更部218は、例えば、特殊画像処理部219によるぼかし効果を弱くするようにカメラ設定を変更する。
光学フィルタ検出部107により検出された光学フィルタ106の種類が多重効果フィルタであれば、カメラ設定変更部218は、例えば、特殊画像処理部219による多重効果を弱くするようにカメラ設定を変更する。
光学フィルタ検出部107により検出された光学フィルタ106の種類がフィルタ周辺部に第1の特殊効果を掛けるものであれば、カメラ設定変更部218は、例えば、フィルタ周辺部に対応する撮影画像データ中の画像部分に付加する特殊画像処理部219による第2の特殊効果を弱くするようにカメラ設定を変更する。
【0030】
次に、上記の如く構成されたデジタルカメラの動作について図3に示すメイン動作のフローチャートを参照して説明する。このメイン動作のフローチャートは、例えばユーザによって操作部216の電源ボタンが押されて本カメラの電源がオンされた場合に行われる。
【0031】
電源投入後等において、ステップS1において、マイクロコンピュータ215は、先ず、自身が有するレジスタに設定されている記録中フラグをオフ(Off)にする。記録中フラグは、動画記録中であるか否かを示すフラグである。記録中フラグがOffになっている間は、動画記録中でないことを示す。一方、記録中フラグがオン(On)になっている間は、動画記録中であることを示す。
【0032】
次に、マイクロコンピュータ215は、ステップS2において、ユーザによって操作部216の再生ボタンが押されたか否かを判定する。この判定の結果、再生ボタンが押された場合、マイクロコンピュータ215は、ステップS4において、例えば記録媒体212に記録されている画像ファイルの再生処理を実行する。
再生処理の実行後又は上記ステップS2での判定の結果、再生ボタンが押されていない場合、マイクロコンピュータ215は、ステップS4において、ユーザによって操作部216の動画ボタンが押されたか否かを判定する。この判定の結果、動画ボタンが押された場合、マイクロコンピュータ215は、ステップS5において、記録中フラグを反転させる。すなわち、マイクロコンピュータ215は、記録中フラグがOffの場合にはOnに、Onの場合にはOffにする。
【0033】
記録中フラグの反転後又は上記ステップS4の判定の結果、動画ボタンが押されていない場合、マイクロコンピュータ215は、ステップS6において、現在、動画記録中であるか否か、すなわち記録中フラグがOnであるか否かを判定する。この判定の結果、記録中フラグがOnである場合、マイクロコンピュータ215は、ステップS7において、AE処理部208によってAE処理を行い、ステップS8において、動画撮影の処理を実行する。
【0034】
上記ステップS6の判定の結果、記録中フラグがOffである場合、マイクロコンピュータ215は、ステップS9において、ユーザによって操作部216のレリーズボタンが半押しされてレリーズボタンの状態がOff状態から1stレリーズスイッチのOn状態に遷移したか否かを判定する。この判定の結果、レリーズボタンの状態が1stレリーズスイッチのOn状態に遷移した場合、マイクロコンピュータ215は、ステップS10において、AE処理部208に対してAE処理の指示を送る。このAE処理部208は、撮像画像データを用いて被写体の輝度を算出し、この被写体の輝度に応じて撮影時における撮像素子202の感度(ISO感度)、撮影時における絞り102の開口量(絞り値)、撮影時における撮像素子202の露光時間(シャッタ速)等を決定する。
【0035】
次に、マイクロコンピュータ215は、ステップS11において、AF処理部209に対してAF処理の指示を送る。このAF処理部209は、撮像画像データから高周波成分の信号を取り出し、取り出した高周波成分の信号を積算してAF用の合焦評価値を取得する。マイクロコンピュータ215は、AF処理部209で取得された合焦評価値により撮像画像データにおけるコントラストを評価しながらレンズ101のフォーカスレンズを微少量ずつ駆動させるようにレンズマイクロコンピュータ104に指示する。この後、マイクロコンピュータ215は、コントラストが最大となった時点でフォーカスレンズの駆動を停止させるようにレンズマイクロコンピュータ104に指示する。このようなAF処理は、所謂コントラスト方式のAF処理である。AF処理として位相差AF処理を用いるようにしても良い。
【0036】
上記ステップS9の判定の結果、レリーズボタンの状態がOffから1stレリーズスイッチのOn状態に遷移した場合ではない場合、マイクロコンピュータ215は、ステップS12において、ユーザによって操作部216のレリーズボタンが全押しされてレリーズボタンの状態が2ndレリーズスイッチのOn状態となっているか否かを判定する。この判定の結果、レリーズボタンの状態が2ndレリーズスイッチのOn状態である場合、マイクロコンピュータ215は、ステップS13において、静止画の撮影を行う。この静止画処理は、レリーズボタンの状態が2ndレリーズスイッチのOn状態である間は実行されるものである。例えば、1枚の静止画像が記録された後であってもレリーズボタンの状態が2ndレリーズスイッチのOn状態であれば、次の静止画撮影を実行する。この静止画撮影では、AE処理において決定されたISO感度、絞り値、シャッタ速に応じて撮像素子202の露光を行う。この静止画撮影により取得された撮像データは、SDRAM206に記憶される。
【0037】
上記ステップS12の判定の結果、レリーズボタンの状態が2ndレリーズスイッチのOn状態でない場合、マイクロコンピュータ215は、ステップS7からステップS8に移って動画の撮影を行う。この動画の撮影では、マイクロコンピュータ215は、ISO感度に応じてゲイン制御量(増幅率)を設定するとともに、絞り値をレンズマイクロコンピュータ104に送信する。このレンズマイクロコンピュータ104による制御による絞り102の駆動と同期してシャッタ速に応じて撮像素子202の電子シャッタ機能を動作させて撮像素子202の露光量を制御する。
【0038】
上記ステップS8、S13の後、マイクロコンピュータ215は、ステップS14において、静止画又は動画の撮影の後に実行される撮影後処理を行う。
又、上記ステップS11、S14の後、マイクロコンピュータ215は、ステップS15において、ユーザによって操作部216の電源ボタンが押される等してデジタルカメラの電源がオフされたか否かを判定する。この判定の結果、デジタルカメラの電源がオフされていない場合、マイクロコンピュータ215は、上記ステップS1に戻る。一方、デジタルカメラの電源がオフされた場合、マイクロコンピュータ215は、メイン動作のフローチャートの処理を終了する。
【0039】
次に、撮影後処理(ステップS14)について図4に示す撮影処理フローチャートを参照して説明する。
静止画又は動画の撮影の後、マイクロコンピュータ215は、ステップS20において、撮影の結果としてSDRAM206に記憶された撮像データに対する画像処理を実行する。具体的にマイクロコンピュータ215は、撮像により取得された撮像データ、例えばBayerデータを画像処理し、YCbCrデータに変換する。
【0040】
画像処理の後、マイクロコンピュータ215は、ステップS21において、画像処理の結果としてSDRAM206に記憶された画像データを表示するように表示ドライバ213に指示する。この指示を受けて表示ドライバ213は、SDRAM206から画像データを読み出し、読み出した画像データを映像信号に変換して表示部214に出力する。この表示部214は、この映像信号に基づいて画像を表示する。具体的にマイクロコンピュータ215は、画像処理後のYCbCrデータをレックビュー画像又はライブビュー画像として表示部214であるLCDに表示する。
【0041】
次に、マイクロコンピュータ215は、ステップS22において、現在、動画記録中であるか否か、即ち記録中フラグがOnであるか否かを判定する。この判定の結果、記録中フラグがOffである場合、マイクロコンピュータ215は、動画処理を終了する。又、記録中フラグがOnである場合、マイクロコンピュータ215は、ステップS23において、画像処理の結果としてSDRAM206に記憶された画像データを動画ファイルとして記録する。具体的には、マイクロコンピュータ215は、動画記録中であれば、画像圧縮展開部210により動画ファイルの形式に合わせた圧縮を行い、記録媒体212に動画ファイルとして記録する。この動画ファイルとしては、例えばMotion−JPEG形式、MPEG形式、AVCHD形式などがある。
【0042】
次に、マイクロコンピュータ215は、ステップS24において、現在、静止画処理であるか否か、即ちステップS13に続く処理か否かを判定する。この判定の結果、ステップS13に続く処理である場合、マイクロコンピュータ215は、ステップS25において、画像処理の結果として記録媒体212に記憶された画像データを静止画ファイルとして記録する。上記ステップS13に続く処理でない場合、マイクロコンピュータ215は、静止画処理でないと判定する。具体的にマイクロコンピュータ215は、YCbCrデータをJPEG形式で圧縮し、画像サイズ、撮像条件などのヘッダ情報を付加してJPEGファイルを生成し、当該JPEGファイルを例えば記録媒体212に記録する。また、後述する光学フィルタ106の装着有無の検出結果や、装着されている場合は検出したその種類の情報をヘッダ情報に含めて記録する。
【0043】
次に、画像処理(ステップS20)について図5に示す画像処理フローチャートを参照して説明する。
マイクロコンピュータ215は、ステップS30において、Flashメモリ217に記憶されている通常画像処理部207の動作に必要な通常の画像処理パラメータを読み込む。
次に、マイクロコンピュータ215は、ステップS31において、通常画像処理部207に対して通常の画像処理の指示を発する。この通常画像処理部207は、撮像画像データに対する各種の画像処理を行って画像データを生成するもので、通常の画像処理パラメータでYC画像を生成するための現像処理を行う。この通常の画像処理としては、オプティカルブラック(OB)減算処理と、ホワイトバランス(WB)補正処理と、同時化処理と、カラーマトリクス演算処理と、ガンマ・色再現処理と、エッジ強調処理と、ノイズ低減(NR)処理等である。
【0044】
次に、マイクロコンピュータ215は、ステップS32において、光学フィルタ106が装着されているか否かを検出する。すなわち、光学フィルタ検出部107は、光学フィルタ106が交換式レンズ100に装着されているか否かである装着の有無を検出し、かつ光学フィルタ106の種類、例えばクロスフィルタ、ソフトフィルタ、多重効果フィルタ、周辺効果フィルタ等を検出する。これら検出結果は、レンズマイクロコンピュータ104からインターフェイス(I/F)106aを通してカメラ本体200の本体マイクロコンピュータ215に送られる。なお、この光学フィルタ106の種類の検出は、例えば光学フィルタ106の種類を接点の接触・非接触により検出する。例えば、光学フィルタ106には、例えば、当該光学フィルタ106の種類に応じた個数の接点が設けられている。光学フィルタ検出部107は、光学フィルタ106に設けられた接点の個数から光学フィルタ106の種類を検出する。
【0045】
次に、マイクロコンピュータ215は、ステップS33において、特殊画像処理モードに設定されているか否かを判定する。マイクロコンピュータ215は、操作部216に特殊画像処理モードが設定されていなければ、画像処理フローチャートを終了する。そして、マイクロコンピュータ215は、撮影後処理フローチャートのステップS21において、通常画像処理部207により処理された撮像画像データをそのまま表示するように表示ドライバ213に指示する。
【0046】
一方、操作部216に特殊画像処理モードが設定されていれば、マイクロコンピュータ215は、ステップS34において、特殊画像処理の設定を行う。この特殊画像処理の設定では、選択された画像処理モードに応じた設定を読み込み、光学フィルタ106の装着の有無及び光学フィルタ106の種類に応じて特殊画像処理を行うためにカメラ設定を変更する。
【0047】
この特殊画像処理の設定は、図6に示す特殊画像処理設定フローチャートに従って行う。
マイクロコンピュータ215は、ステップS40において、上記光学フィルタ検出部107により検出された光学フィルタ106を装着しているか否か判定する。
【0048】
この判定の結果、光学フィルタ106を装着していれば、マイクロコンピュータ215は、ステップS41において、特殊画像処理のパラメータの自動調整がオン(ON)であるか否かを判定する。
この判定の結果、特殊画像処理のパラメータの自動調整がオン(ON)であれば、マイクロコンピュータ215は、ステップS42において、ユーザが操作部216で指定した特殊画像処理部219のカメラ設定を、光学フィルタ106の装着の有無と、光学フィルタ106の種類とに応じて特殊画像処理部219で使用するための設定に変更する。すなわち、特殊画像処理部219は、光学フィルタ検出部107による光学フィルタ106の検出結果、すなわち光学フィルタ106の装着の有無、光学フィルタ106の種類に応じた第2の特殊効果を適用するように設定を行う。
【0049】
カメラ設定変更部218は、光学フィルタ検出部107の検出結果、例えば光学フィルタ106の装着の有無、光学フィルタ106の種類に応じて特殊画像処理部219で使用する第2の特殊効果の付加処理のためのカメラ設定を変更する。この場合、カメラ設定変更部218は、光学フィルタ106による第1の特殊効果と特殊画像処理部219による第2の特殊効果とを阻害しないようにカメラ設定を変更する。
【0050】
光学フィルタ106の種類別に例を説明すると、光学フィルタ検出部107により検出された光学フィルタ106の種類がクロスフィルタであれば、カメラ設定変更部218は、第2の特殊効果が第1の特殊効果に重ならないようにカメラ設定を変更する。
光学フィルタ検出部107により光学フィルタ106の回転角度を検出すると、カメラ設定変更部218は、光学フィルタ216の回転角度に応じて第2の特殊効果が第1の特殊効果と重ならないように特殊画像処理部219で使用するカメラ設定の角度を変更する。
光学フィルタ検出部107により検出された光学フィルタ106の種類がソフトフィルタであれば、カメラ設定変更部218は、特殊画像処理部219によるぼかし効果を弱くするようにカメラ設定を変更する。
光学フィルタ検出部107により検出された光学フィルタ106の種類が多重効果フィルタであれば、カメラ設定変更部218は、特殊画像処理部219による多重効果を弱くするようにカメラ設定を変更する。
光学フィルタ検出部107により検出された光学フィルタ106の種類がフィルタ周辺部に第1の特殊効果を掛けるものであれば、カメラ設定変更部218は、フィルタ周辺部に対応する撮影画像データ中の画像部分に付加する特殊画像処理部219による第2の特殊効果を弱くするようにカメラ設定を変更する。
【0051】
以上のように、上記ステップS34の特殊効果画像処理設定の処理を終了すると、ステップS35に移行して特殊効果画像処理を実行する。
ここで、特殊効果画像処理および設定変更の一例を説明する。
図7はクロスフィルタの場合を示す。例えば、特殊画像処理部219においてクロスフィルタのモードの設定がされ、かつ光学フィルタ106としてクロスフィルタが装着されていることを検出した場合、カメラ設定変更部218は、クロスフィルタ像が光学フィルタ106のクロスフィルタ像に重ならないようにクロスフィルタ像の角度θ等を変更するようにカメラ設定の変更を行う。さらに、カメラ設定変更部218は、クロスフィルタ像の長さLを長くするように選択していた場合、同クロスフィルタ像の長さLを短くするようにカメラ設定の変更を行う。又は、特殊画像処理部219でのクロスフィルタの処理を行わないように設定する。
カメラ設定変更部218によって画像処理によるクロスフィルタ像が光学フィルタ106のクロス像フィルタの中間に位置するようなクロスフィルタ像の角度θにカメラ設定の変更を行うとともに、クロスフィルタ像の長さLを光学フィルタのクロスフィルタ象の長さに一致するようにカメラ設定の変更を行った場合、特殊画像処理部219は、例えば図7に示すような光学フィルタ106によるクロスパターンFa、Fbと画像処理によるクロスパターンPa、Pbとを含む画像を得る。
【0052】
図8はソフトフィルタの場合を示す。画像S1は光学フィルタ106としてソフトフィルタの装着がなく、画像処理によるソフトフィルタ処理が無い通常の画像である。画像S2は、画像S1に対して光学フィルタ106としてソフトフィルタを装着しているものである。この画像S2は、画像S1よりも少しボケた画像となっている。画像S3は、画像S1に対して画像処理によるソフトフィルタを掛けているものである。この画像S3は、画像S1よりも大きくボケた画像となっている。画像S4は、画像S1に対して光学フィルタ106としてソフトフィルタを装着し、かつ画像処理によるソフトフィルタを掛けているものである。この画像S4は、画像S3よりもボケた画像となっている。
【0053】
しかるに、光学フィルタ106のぼかし効果と、特殊画像処理部219によるソフトフィルタの処理との双方の付加処理によって意図しない強過ぎるぼかし処理の強度になることがある。このため、ぼかし過ぎないように特殊画像処理部219によるソフトフィルタの処理のぼかしを補正することになる。
ソフトフォーカス処理を追加する画像処理を選択している状態で、ソフトフィルタの装着が検出された場合には、カメラ設定変更部218は、ぼかし過ぎないように、例えば画像処理によるソフトフィルタの処理でのぼかし効果を弱める、又は行わないようにカメラ設定を変更する。特殊画像処理部219は、図8に示すように光学ソフトフィルタによる画像S2に対して画像処理によるソフトフィルタ処理を行い、光学ソフトフィルタと画像処理によるソフトフィルタとを合わせた画像S4を得る。
【0054】
図9は周辺効果フィルタの場合を示す。周辺効果フィルタが装着されていれば、画像周辺部に対応する撮影画像データ中の画像部分に付加する特殊画像処理部219による第2の特殊効果を弱くするようにカメラ設定を変更する。画像S10は光学フィルタ106である周辺効果フィルタの装着がなく、特殊画像処理も無いもの、画像S11は周辺効果フィルタの装着により画像S10に対して周辺をぼかしているもの、画像S12は、画像S11に対して特殊画像処理部219による周辺の減光処理を行ったものである。画像S13は、画像S11に対して特殊画像処理部219による周辺の減光処理を行ったもので、かつ上記の特殊画像処理部219による第2の特殊効果である周辺の減光処理を弱くするようなカメラ設定に基づき当該周辺の減光処理を弱くする補正を行ったものである。
【0055】
図10は多重効果フィルタの場合を示す。多重効果フィルタであれば、カメラ設定変更部218は、特殊画像処理部219による多重効果を弱くするようにカメラ設定を変更する。多重効果フィルタでは、被写体が多重になる画像処理を選択している状態に、多重効果フィルタの装着が検出されると、多重効果が多くなりすぎないように、特殊画像処理部219による多重効果を抑えぎみにするようにカメラ設定を変更する。画像S20は、多重効果フィルタなしの通常の画像である。画像S21は、光学フィルタ106を装着しての多重効果を示す。画像S22は、カメラ設定変更前の特殊画像処理部219による多重効果を示す。画像S23は、カメラ設定変更後の特殊画像処理部219による多重効果を示す。画像S24は、カメラ設定変更後の光学フィルタ106を装着しての多重効果と特殊画像処理部219による多重効果とを合わせた画像を示す。
【0056】
このように上記第1の実施の形態によれば、光学フィルタ106による第1の特殊効果と特殊画像処理部219による第2の特殊効果とを阻害しないようにカメラ設定を変更するようにしたので、光学フィルタ106の特殊効果と特殊効果画像処理とが同時に行なわれたとしても、より効果的な特殊効果を付加した特殊画像データを得ることができる。例えば、クロスフィルタであれば、第2の特殊効果が第1の特殊効果に重ならないようにカメラ設定を変更する。光学フィルタ106の回転角度を検出すると、当該光学フィルタ106の回転角度に応じて第2の特殊効果が第1の特殊効果と重ならないように特殊画像処理部219で使用するカメラ設定の角度を変更する。ソフトフィルタであれば、特殊画像処理部219によるぼかし効果を弱くするようにカメラ設定を変更する。多重効果フィルタであれば、特殊画像処理部219による多重効果を弱くするようにカメラ設定を変更する。フィルタ周辺部に第1の特殊効果を掛けるものであれば、フィルタ周辺部に対応する撮影画像データ中の画像部分に付加する特殊画像処理部219による第2の特殊効果を弱くするようにカメラ設定を変更する。
この結果、例えば光学フィルタ106が装着されている状態に、光学フィルタ106による特殊効果と特殊効果画像処理とが同時に付加された画像データが生成されることになり、例えば特殊効果画像処理による特殊効果がかえって特殊画像データにおける特殊効果の性能を十分に発揮できなくなるようなことは無くなる。
【0057】
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図1と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図11は撮像装置としてのデジタメカメラのブロック構成図を示す。光学フィルタ検出部300は、カメラ本体200内に設けられている。この光学フィルタ検出部300は、バス205を介して本体マイクロコンピュータ215に接続されている。この光学フィルタ検出部300は、撮影画像データやAF処理部209におけるコントラスト検出結果等を解析して少なくとも光学フィルタ106の装着の有無と、光学フィルタ106の種類とを検出する。
【0058】
この光学フィルタ検出部300は、撮影画像データから高輝度点を一定方向に連なって検出し、かつ当該高輝度点の連なりが複数存在することを検出すると、光学フィルタ106としてクロスフィルタが装着されていることを検出する。
光学フィルタ検出部300は、撮影画像データの周波数成分の分布のうち所定の割合以上が低周波成分であると、光学フィルタ106としてソフトフィルタが装着されていることを検出する。
光学フィルタ検出部300は、AF処理部209におけるコントラスト検出により検出されたコントラストが撮影画像データの中心部に比べて周辺部が低いと、当該周辺部に特殊効果を掛けるフィルタが装着されていることを検出する。なお、AF処理部209は、撮影画像データにおけるコントラストを検出するコントラスト検出部を有する。
光学フィルタ検出部300は、撮影画像データを解析して相関の高い部分が複数あると、多重効果を掛けるフィルタが装着されていることを検出する。
【0059】
次に、画像処理(ステップS20)について図12に示す画像処理フローチャートを参照して説明する。なお、図5と同一部分はその説明を簡単化する。
マイクロコンピュータ215は、ステップS30において、Flashメモリ217に記憶されている通常画像処理部207の動作に必要な通常の画像処理パラメータを読み込み、ステップS31において、通常画像処理部207に対して通常の画像処理の指示を発する。
【0060】
次に、マイクロコンピュータ215は、ステップS32において、光学フィルタ106が装着されているか否かを検出する。すなわち、光学フィルタ検出部300は、バス205を介して本体マイクロコンピュータ215に接続されている。この光学フィルタ検出部300は、撮影画像データを解析して少なくとも光学フィルタ106の装着の有無と、光学フィルタ106の種類とを検出する。
【0061】
この光学フィルタ検出部300は、撮影画像データから高輝度点を一定方向に連なって検出し、かつ当該高輝度点の連なりが複数存在することを検出すると、光学フィルタ106としてクロスフィルタが装着されていることを検出する。図13はクロスフィルタの検出の摸式図を示す。撮影画像データ内での高輝度点の検索は、撮影画像データの端末から行ってもよいし、ランダムな位置から行ってもよい。
この光学フィルタ検出部300は、撮影画像データの周波数成分の分布のうち所定の割合以上が低周波成分であると、光学フィルタ106としてソフトフィルタが装着されていることを検出する。このソフトフィルタの検出では、撮影画像データを周波数解析、例えばフーリエ変換によってそのときの分布の中心における分布の割合が周辺の分布の割合に比べて一定以上大きくなっているか否かを確認する。図14(a)は通常の撮影画像データのデータ分布を示し、同図(b)はソフトフィルタを通して取得された撮影画像データの解析後のデータ分布を示す。
【0062】
この光学フィルタ検出部300は、AF処理部209におけるコントラスト検出により検出されたコントラストが撮影画像データの中心部に比べて周辺部が低いと、当該周辺部に特殊効果を掛ける周辺効果フィルタが装着されていることを検出する。この周辺効果フィルタの検出では、図15に示すようにAF処理部209におけるコントラスト検出により検出されたコントラストが撮影画像データの中心部C1に比べて周辺部C2が低いと、周辺効果フィルタが装着されていることを検出する。
【0063】
この光学フィルタ検出部300は、撮影画像データを解析して相関の高い部分が複数あると、多重効果を掛けるフィルタが装着されていることを検出する。具体的には図16に示すように撮影画像データS30内に例えば検出パターン画像Spが複数存在するか否かを検出する。この検出パターン画像Spは、撮影画像データS30内で主要被写体を判別し、この主要被写体を検出パターンの画像として設定する。
【0064】
次に、マイクロコンピュータ215は、ステップS33において、特殊画像処理モードに設定されているか否かを判定し、特殊画像処理モードが設定されていなければ、画像処理フローチャートを終了する。そして、通常画像処理部207により処理された撮像画像データをそのまま表示するように表示ドライバ213に指示する。
一方、操作部216に特殊画像処理モードが設定されていれば、マイクロコンピュータ215は、ステップS34において、特殊画像処理の設定を行う。この特殊画像処理の設定では、選択された画像処理モードに応じた設定を読み込み、光学フィルタ106の装着が検出されていると、この光学フィルタ106の装着の有無及び光学フィルタ106の種類に応じて特殊画像処理を行うためにカメラ設定を変更する。
【0065】
このように上記第2の実施の形態によれば、光学フィルタ検出部300をカメラ本体200内に設け、この光学フィルタ検出部300により撮影画像データを解析して少なくとも光学フィルタ106の装着の有無と、光学フィルタ106の種類とを検出し、光学フィルタ106による第1の特殊効果と特殊画像処理部219による第2の特殊効果とを阻害しないようにカメラ設定を変更するようにしたので、上記第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、静止画記録時に記録媒体212に記録したRAWデータと光学フィルタ検出結果(フィルタ種類や角度)を読出し、カメラ本体200に内蔵されたRAW編集機能により特殊画像処理部219を動作させて同様に画像処理しても良い。あるいは、カメラ以外の画像処理装置により、静止画記録時に記録媒体212に記録したRAWデータとフィルター検出結果をカメラ本体200と通信して読み出し、上記カメラ以外の画像処理装置により同様に画像処理しても良い。
【符号の説明】
【0066】
100:交換式レンズ、200:カメラ本体、101:レンズ、102:絞り、103:ドライバ、104:レンズマイクロコンピュータ、105:フラッシュ(Flash)メモリ、106a:インターフェイス(I/F)、215:本体マイクロコンピュータ、202:撮像素子、106:光学フィルタ、107:光学フィルタ検出部、200:カメラ本体、201:メカシャッタ、203:アナログ処理部、204:アナログ/デジタル(A/D)変換部、205:バス、206:SDRAM、207:通常画像処理部、208:AE処理部、209:AF処理部、210:画像圧縮展開部、211:メモリインターフェイス、212:記録媒体、213:表示(LCD)ドライバ、214:表示(LCD)部、215:本体マイクロコンピュータ、216:操作部、217:フラッシュ(Flash)メモリ、218:カメラ設定変更部、219:特殊効果画像処理部(特殊画像処理部)、300:光学フィルタ検出部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ本体に装着されている光学フィルタに応じた画像処理を行う撮像装置、撮像方法及び撮像処理の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
カメラで被写体を写真撮影するときに、レンズと被写体の間に光学的なフィルタを挿入することで、高輝度な被写体の周辺にクロスパターンを追加したり、全体的にぼけたような特殊な効果のある画像(以下、特殊画像データと称する)を得ることができる。
現在、デジタルカメラでは、光学的なフィルタを挿入していない場合でも、光学的なフィルタを装着したような特殊な効果を付加した特殊画像データを画像処理によって取得することができる。画像処理による特殊画像データを取得する技術としては、例えば特許文献1、2がある。
【0003】
特許文献1は、ある閾値を超える輝点を検索し、検索された輝点の周辺をさらに検索して光源と考えられる領域の中心を算出し、クロスパターンを描画することで、クロスフィルタ効果を画像処理で実現する方法について開示する。
特許文献2は、画像データからぼかし画像データを生成し、画像データとぼかし画像データとをある合成係数に基づいて合成することによってソフトフィルタを用いたような軟調系の効果を画像処理で実現する方法について開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4207124号公報
【特許文献2】特開2004−030370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
デジタルカメラでは、光学フィルタの装着の有無を問わずに、特殊画像データを得るための特殊効果画像処理が選択されている状況であれば、当該選択された設定に従った特殊効果画像処理を行なって特殊画像データの生成を行なっている。
このため、光学フィルタが装着されている状態に、光学フィルタによる特殊効果と特殊効果画像処理とが同時に付加された画像データが生成されることになり、特殊画像データにおいて特殊効果画像処理による特殊効果の性能を十分に発揮できなくなってしまうことがある。
【0006】
本発明は、装着された光学フィルタの情報を基にして特殊効果画像処理を変更することにより、光学フィルタの特殊効果と特殊効果画像処理とが同時に行なわれたとしても、より効果的な特殊効果を付加した特殊画像データを得ることができる撮像装置、撮像方法及び撮像処理の制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の主要な局面に係る撮像装置は、被写体を撮影して撮影画像データを取得する撮像部と、前記被写体からの光に第1の特殊効果を付加する光学フィルタを検出する光学フィルタ検出部と、前記光学フィルタ検出部による前記光学フィルタの検出結果に応じた第2の特殊効果を前記撮影画像データに付加した特殊画像データを生成する特殊効果画像処理部とを具備する。
【0008】
本発明の主要な局面に係る撮像方法は、被写体を撮影して撮影画像データを取得し、前記被写体からの光に第1の特殊効果を付加する光学フィルタを検出し、前記光学フィルタの検出結果に応じた第2の特殊効果を前記撮影画像データに付加した特殊画像データを生成する。
本発明の主要な局面に係る撮像処理の制御プログラムは、撮像装置に内蔵されたコンピュータに、被写体を撮影して撮影画像データを取得する画像データ取得機能と、前記被写体からの光に第1の特殊効果を付加する光学フィルタを検出する光学フィルタ検出機能と、前記光学フィルタの検出結果に応じた第2の特殊効果を前記撮影画像データに付加した特殊画像データを生成する特殊画像データ生成機能とを実現させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、装着された光学フィルタの情報を基にして特殊効果画像処理を変更することにより、光学フィルタの特殊効果と特殊効果画像処理とが同時に行なわれたとしても、より効果的な特殊効果を付加した特殊画像データを得ることができる撮像装置、撮像方法及び撮像処理の制御プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る撮像装置としてのデジタメカメラの第1の実施の形態を示すブロック構成図。
【図2】同カメラの特殊画像処理部において撮像画像データに付加して特殊効果を得るための各種パターンデータを示す摸式図。
【図3】同カメラのメイン動作のフローチャート。
【図4】同カメラの撮影処理フローチャート。
【図5】同カメラの画像処理フローチャート。
【図6】同カメラの特殊画像処理設定フローチャート。
【図7】同カメラにおける特殊画像処理としてクロスフィルタの一例を示す図。
【図8】同カメラにソフトフィルタが装着された場合の特殊画像処理部での処理の一例を示す図。
【図9】同カメラに周辺効果フィルタが装着された場合の特殊画像処理部での処理の一例を示す図。
【図10】同カメラに多重効果フィルタが装着された場合の特殊画像処理部での処理の一例を示す図。
【図11】本発明に係る撮像装置としてのデジタメカメラの第2の実施の形態を示すブロック構成図。
【図12】同カメラの画像処理フローチャート。
【図13】同カメラによる撮影画像データからのクロスフィルタの検出を説明するための摸式図。
【図14】同カメラによるソフトフィルタの検出を説明するための摸式図。
【図15】同カメラによる周辺効果フィルタの検出を説明するための摸式図。
【図16】同カメラによる多重効果フィルタの検出を説明するための摸式図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は撮像装置としてのデジタメカメラのブロック構成図を示す。本カメラは、交換式レンズ100と、カメラ本体200とを有するレンズ交換式デジタルカメラの例を示す。なお、以下に説明する本発明の実施形態に係る技術は、コンパクト式デジタルカメラやレンズ一体型デジタルカメラ、携帯電話、携帯情報端末、ゲーム機器等にも適用可能である。
交換式レンズ100は、レンズ101と、絞り102と、ドライバ103と、レンズマイクロコンピュータ104と、フラッシュ(Flash)メモリ105とを有する。交換式レンズ100がカメラ本体200に装着された際に、交換式レンズ100のレンズマイクロコンピュータ104は、インターフェイス(I/F)106aを介してカメラ本体200の本体マイクロコンピュータ215と通信可能に接続される。
【0012】
レンズ101は、フォーカスレンズやズームレンズ等の1つ以上のレンズから構成されており、被写体からの光学像(被写体像)をカメラ本体200の撮像素子202に集光する。絞り102は、撮像素子202に集光される被写体像の光量を調節する。
ドライバ103は、モータ等を有し、レンズマイクロコンピュータ104の制御の下、レンズ101を構成するフォーカスレンズやズームレンズをその光軸方向に駆動する。また、ドライバ103は、レンズマイクロコンピュータ104の制御の下、絞り102を開閉する。
【0013】
レンズマイクロコンピュータ104は、カメラ本体200の本体マイクロコンピュータ215の制御に従って交換式レンズ100の動作を制御する。また、レンズマイクロコンピュータ104は、Flashメモリ105に記憶されているレンズ情報を本体マイクロコンピュータ215に送信することも行う。Flashメモリ105は、レンズ101の収差といったレンズ情報等の交換式レンズ100の各種情報を記憶している。
【0014】
交換式レンズ100における被写体像を入射する開口部には、着脱可能な光学フィルタ106が装着されている。この光学フィルタ106は、被写体からの被写体像に光学的な特殊効果(第1の特殊効果)を付加するもので、例えばクロスフィルタ、ソフトフィルタ、多重効果フィルタ、周辺効果フィルタ等である。光学フィルタ106は、他に、例えば偏光フィルタ、NDフィルタ、色彩強調フィルタであってもよい。
交換式レンズ100には、光学フィルタ検出部107が設けられている。この光学フィルタ検出部107は、光学フィルタ106が交換式レンズ100に装着されているか否かである装着の有無を検出する。又、光学フィルタ検出部107は、光学フィルタ106の種類、例えばクロスフィルタ、ソフトフィルタ、多重効果フィルタ、周辺効果フィルタ等を検出する。
【0015】
この光学フィルタ検出部107は、交換式レンズ100への光学フィルタ106の装着の有無を接点の接触・非接触により検出する。例えば光学フィルタ106と光学フィルタ検出部107とには、それぞれ電気的な接点が設けられている。光学フィルタ106が交換式レンズ100に装着されることにより上記各接点が互いに接触し、各接点が電気的に導通する。光学フィルタ検出部107は、各接点の電気的な導通を検出することにより、光学フィルタ106の装着を検出する。なお、光学フィルタ検出部107は、各接点の電気的な導通を検出しなければ、光学フィルタ106が装着されていないことを検出する。
【0016】
変形例として、光学フィルタ検出部107は、交換式レンズ100への光学フィルタ106の装着の有無を通信により検出してもよい。すなわち、光学フィルタ106は、マイクロコンピュータを搭載する。光学フィルタ検出部107は、光学フィルタ106が装着されたときに、当該光学フィルタ106のマイクロコンピュータとの間でデータ交換を行って光学フィルタ106の装着を検出する。なお、光学フィルタ検出部107は、光学フィルタ106のマイクロコンピュータとの間でデータ交換が行われなければ、光学フィルタ106が装着されていないことを検出する。
【0017】
又、光学フィルタ検出部107は、光学フィルタ106の種類を接点の接触・非接触により検出する。例えば、光学フィルタ106には、例えば、当該光学フィルタ106の種類に応じた個数の接点が設けられている。光学フィルタ検出部107は、光学フィルタ106に設けられた接点の個数から光学フィルタ106の種類を検出する。
変形例として、光学フィルタ検出部107は、光学フィルタの種類を通信により検出してもよい。すなわち、光学フィルタ106は、光学フィルタの種類の情報を記憶するマイクロコンピュータを搭載する。光学フィルタ検出部107は、光学フィルタ106が装着されたときに、当該光学フィルタ106のマイクロコンピュータから光学フィルタの種類の情報を読み取って光学フィルタ106の種類を検出する。
光学フィルタ検出部107は、光学フィルタ106の回転角度を検出する。例えばクロスフィルタ、偏光フィルタ等は、回転させることにより特殊効果を変化させることが可能である。クロスフィルタは、当該クロスフィルタ自体を回転させることによりクロスパターン画像の角度を可変できる。偏光フィルタは、当該偏光フィルタ自体を回転させることにより反射光の除去や、コントラストの調整等が可能である。
【0018】
一方、カメラ本体200は、メカシャッタ201と、撮像素子202と、アナログ処理部203と、アナログ/デジタル(A/D)変換部204と、バス205と、SDRAM206と、通常画像処理部207と、AE処理部208と、AF処理部209と、画像圧縮展開部210と、メモリインターフェイス(I/F)211と、記録媒体212と、表示(LCD)ドライバ213と、表示(LCD)部214と、本体マイクロコンピュータ215と、操作部216と、フラッシュ(Flash)メモリ217と、カメラ設定変更部218と、特殊効果画像処理部(以下、特殊画像処理部と称する)219とを有する。
【0019】
メカシャッタ201は、撮像素子202の光電変換面を遮光状態又は露出状態とすることで撮像素子202の露光時間を調節する機械的機構である。
撮像素子202は、レンズ101を介して集光された被写体像を撮像し、被写体像を電気信号(以降、アナログ撮像信号と称する)として出力する。この撮像素子202は、被写体像をアナログ撮像信号に変換するための光電変換面を有する。この光電変換面は、2次元平面状に配列された複数のフォトダイオードと、これらフォトダイオードの前面に設けられたカラーフィルターとを有する。カラーフィルターは、例えば原色系ベイヤ配列のカラーフィルターである。この撮像素子202は、CMOS方式の撮像素子でもCCD方式の撮像素子でも良い。また、撮像素子202は、露光時間を電子的に制御する電子シャッタ機能を有していることが望ましい。なお、撮像素子202は、ベイヤ配列に限らず、他の形式の撮像素子、例えばFoveonのような積層型の撮像素子でも良い。
【0020】
アナログ処理部203は、撮像素子202から出力されたアナログ撮像信号に対して各種のアナログ処理を行う。このアナログ処理は、例えばリセットノイズの低減処理、波形整形処理、ゲイン制御処理等である。
A/D変換部204は、アナログ処理部203から出力されたアナログ撮像信号をデジタル信号(以降、撮像画像データと称する)に変換する。この撮像画像データは、画像処理部207による画像処理前のデジタル画像であり、RAWデータとも呼ばれる。なお、アナログ処理部203やA/D変換部204は、撮像素子202と一体型でも良い。
バス205は、カメラ本体200の内部で発生した各種のデータを転送する。SDRAM206は、カメラ本体200内部で発生した各種のデータを一時的に記憶する。
【0021】
通常画像処理部207は、撮像画像データに対する各種の画像処理を行って画像データを生成する。この画像処理部207は、オプティカルブラック(OB)減算処理と、ホワイトバランス(WB)補正処理と、同時化処理と、カラーマトリクス演算処理と、ガンマ・色再現処理と、エッジ強調処理と、ノイズ低減(NR)処理等の処理を行う。OB減算処理は、撮像画像データにおける暗電流成分の影響を除去するためのOB減算を行う。WB補正処理は、撮像データの色バランスを補正するWB補正処理を行う。同時化処理は、1画素が1つの色成分に対応している撮像データを、1画素が3つの色成分に対応している撮像画像データに変換する同時化処理を行う。カラーマトリクス演算処理は、撮像画像データ全体の色相や彩度の調節を行う。ガンマ・色再現処理は、撮像画像データに対するガンマ変換処理、色再現処理を行う。エッジ強調処理は、撮像画像データにおけるエッジ成分を強調するエッジ強調処理を行う。NR処理は、撮像データにおけるノイズ成分を除去するNR処理を行う。
【0022】
AE処理部208は、撮像画像データを用いて被写体の輝度を算出し、この被写体の輝度に応じて、撮影時における撮像素子202の感度(ISO感度)、撮影時における絞り102の開口量(絞り値)、撮影時における撮像素子202の露光時間(シャッタ速)を決定する。なお、測光センサを用いて被写体の輝度を検出してもよい。
AF処理部209は、撮像画像データから高周波成分の信号を取り出し、この取り出した高周波成分の信号を積算してAF用の合焦評価値を取得する。なお、AF処理部209は、位相差方式を用いてもよい。
画像圧縮展開部210は、画像の記録時において、通常画像処理部207における画像処理によって得られた撮像画像データに対してJPEG方式等の静止画圧縮処理又はMotion−JPEGやMPEG方式等の動画圧縮処理を施す。また、画像圧縮展開部210は、画像の再生時において、圧縮処理が施された撮像画像データに対して展開(伸張)処理を施す。
メモリI/F211は、本体マイクロコンピュータ215が記録媒体212にアクセスするためのインターフェイスである。記録媒体212は、例えばカメラ本体200に着脱自在になされたメモリカードであって、画像圧縮展開部210によって圧縮された画像データを含む画像ファイル等が記録される。
表示ドライバ213は、通常画像処理部207で得られた撮像画像データ、画像圧縮展開部210で伸張された画像データ、又は特殊画像処理部219により生成された特殊画像データを映像信号に変換して表示部214に出力する。この表示部214は、例えば液晶ディスプレイ(LCD)であり、表示ドライバ213からの映像信号に基づく画像を表示する。
【0023】
本体マイクロコンピュータ215は、メカシャッタ201や撮像素子202の動作制御等のカメラ本体200の各種シーケンスを統括的に制御する。また、本体マイクロコンピュータ215は、交換式レンズ100の装着時に交換式レンズ100の動作も制御する。本体マイクロコンピュータ215には、操作部216と、Flashメモリ217とが接続されている。
操作部216は、例えば電源ボタン、レリーズボタン、再生ボタン、動画ボタン、各種入力キー等の操作部材である。この操作部216は、タッチパネル等で構成されていても良い。ユーザにより操作部216の操作がなされると、本体マイクロコンピュータ215は、操作部216の操作に対応したシーケンスを実行する。又、各種の撮影モード、例えば通常の撮影モード、特殊画像処理モード等の設定を行う。
【0024】
Flashメモリ217は、例えばホワイトバランス補正用のホワイトバランスゲイン、カラーマトリクス演算用のカラーマトリクス係数、ガンマ変換用のガンマテーブルといった通常画像処理部207の動作に必要なパラメータ等の、カメラ本体200の動作に必要な各種のパラメータを記憶している。
さらに、Flashメモリ217は、特殊画像処理部219において撮像画像データに付加して特殊効果(第2の特殊効果)を得るためのパターンデータを記録する。このパターンデータは、例えば図2(a)に示すクロスパターンである。このクロスパターンは、中心部から放射状に伸びる複数の直線、例えば中央部から伸びる4本の直線で構成されている。クロスパターンを構成する4本の直線は、それぞれ、中央部からの距離に応じて輝度値が低下するとともに線の太さが細くなっている。
【0025】
クロスパターンを構成する直線の本数は4本に限るものではなく、任意の複数本で良い。例えば、図2(b)はスノークロスパターンを示し、このスノークロスパターンは、中央部から伸びる6本の直線でパターンを構成されている。図2(c)はサニークロスパターンを示し、このサニークロスパターンは、中央部から伸びる8本の直線でパターンを構成されている。また、直線の他に曲線を含めるようにしてパターンを構成するようにしても良い。例えば、図2(d)で示すような星型のパターンや、図2(e)で示すようなハート型のパターン等、各種の形状のパターンをFlashメモリ217に記憶させるようにして良い。さらに、図2(a)〜図2(e)で示したパターンを示すパターンデータは、図2(a)〜図2(e)で示したパターンを含む矩形データとして構成しておいても良い。
【0026】
又、Flashメモリ217は、本体マイクロコンピュータ215が実行する種々のプログラム、例えば撮像処理の制御プログラムも記憶する。この撮像処理の制御プログラムは、本体マイクロコンピュータ215に、被写体を撮影して撮影画像データを取得させる画像データ取得機能と、被写体からの光に第1の特殊効果を付加する光学フィルタ106を検出させる光学フィルタ検出機能と、光学フィルタの検出結果に応じた第2の特殊効果を撮影画像データに付加した特殊画像データを生成させる特殊画像データ生成機能とを実現させる。このうち画像データ取得機能は、交換式レンズ100や、撮像素子202、アナログ処理部203、A/D変換部204、通常画像処理部207等を動作させて一連の撮像を行って撮影画像データを取得させる。光学フィルタ検出機能は、光学フィルタ検出部107を動作させて光学フィルタ106の装着の有無、種類を検出させる。又、撮像処理の制御プログラムは、光学フィルタ106による第1の特殊効果と画像処理による第2の特殊効果とを阻害しないように特殊画像データを生成するときのカメラ設定を変更させるカメラ設定変更機能を実現させる。
【0027】
特殊画像処理部219は、光学フィルタ検出部107による光学フィルタ106の検出結果、すなわち光学フィルタ106の装着の有無、光学フィルタ106の種類に応じた第2の特殊効果を撮影画像データに付加した特殊画像データを生成する。
例えば、この特殊画像処理部219は、通常画像処理部207で得られた撮像画像データにおける高輝度画素(輝点)を検索し、この検索された輝点に応じて輝点座標の近傍にパターンデータ、例えばFlashメモリ217に記憶されている図2(a)〜(e)に示すようなクロスパターン等を付加(合成)して特殊画像データを生成する。
【0028】
カメラ設定変更部218は、光学フィルタ検出部107の検出結果、例えば光学フィルタ106の装着の有無、光学フィルタ106の種類に応じて特殊画像処理部219で使用する第2の特殊効果の付加処理のためのカメラ設定を変更する。この場合、カメラ設定変更部218は、光学フィルタ106による第1の特殊効果と特殊画像処理部219による第2の特殊効果とを阻害しないようにカメラ設定を変更する。
光学フィルタ106の種類別に説明すると、光学フィルタ検出部107により検出された光学フィルタ106の種類がクロスフィルタであれば、カメラ設定変更部218は、第2の特殊効果が第1の特殊効果に重ならないようにカメラ設定を変更する。
【0029】
光学フィルタ検出部107により光学フィルタ106の回転角度を検出すると、カメラ設定変更部218は、光学フィルタ106の回転角度に応じて第2の特殊効果が第1の特殊効果と重ならないように特殊画像処理部219で使用するカメラ設定の角度を変更する。
光学フィルタ検出部107により検出された光学フィルタ106の種類がソフトフィルタであれば、カメラ設定変更部218は、例えば、特殊画像処理部219によるぼかし効果を弱くするようにカメラ設定を変更する。
光学フィルタ検出部107により検出された光学フィルタ106の種類が多重効果フィルタであれば、カメラ設定変更部218は、例えば、特殊画像処理部219による多重効果を弱くするようにカメラ設定を変更する。
光学フィルタ検出部107により検出された光学フィルタ106の種類がフィルタ周辺部に第1の特殊効果を掛けるものであれば、カメラ設定変更部218は、例えば、フィルタ周辺部に対応する撮影画像データ中の画像部分に付加する特殊画像処理部219による第2の特殊効果を弱くするようにカメラ設定を変更する。
【0030】
次に、上記の如く構成されたデジタルカメラの動作について図3に示すメイン動作のフローチャートを参照して説明する。このメイン動作のフローチャートは、例えばユーザによって操作部216の電源ボタンが押されて本カメラの電源がオンされた場合に行われる。
【0031】
電源投入後等において、ステップS1において、マイクロコンピュータ215は、先ず、自身が有するレジスタに設定されている記録中フラグをオフ(Off)にする。記録中フラグは、動画記録中であるか否かを示すフラグである。記録中フラグがOffになっている間は、動画記録中でないことを示す。一方、記録中フラグがオン(On)になっている間は、動画記録中であることを示す。
【0032】
次に、マイクロコンピュータ215は、ステップS2において、ユーザによって操作部216の再生ボタンが押されたか否かを判定する。この判定の結果、再生ボタンが押された場合、マイクロコンピュータ215は、ステップS4において、例えば記録媒体212に記録されている画像ファイルの再生処理を実行する。
再生処理の実行後又は上記ステップS2での判定の結果、再生ボタンが押されていない場合、マイクロコンピュータ215は、ステップS4において、ユーザによって操作部216の動画ボタンが押されたか否かを判定する。この判定の結果、動画ボタンが押された場合、マイクロコンピュータ215は、ステップS5において、記録中フラグを反転させる。すなわち、マイクロコンピュータ215は、記録中フラグがOffの場合にはOnに、Onの場合にはOffにする。
【0033】
記録中フラグの反転後又は上記ステップS4の判定の結果、動画ボタンが押されていない場合、マイクロコンピュータ215は、ステップS6において、現在、動画記録中であるか否か、すなわち記録中フラグがOnであるか否かを判定する。この判定の結果、記録中フラグがOnである場合、マイクロコンピュータ215は、ステップS7において、AE処理部208によってAE処理を行い、ステップS8において、動画撮影の処理を実行する。
【0034】
上記ステップS6の判定の結果、記録中フラグがOffである場合、マイクロコンピュータ215は、ステップS9において、ユーザによって操作部216のレリーズボタンが半押しされてレリーズボタンの状態がOff状態から1stレリーズスイッチのOn状態に遷移したか否かを判定する。この判定の結果、レリーズボタンの状態が1stレリーズスイッチのOn状態に遷移した場合、マイクロコンピュータ215は、ステップS10において、AE処理部208に対してAE処理の指示を送る。このAE処理部208は、撮像画像データを用いて被写体の輝度を算出し、この被写体の輝度に応じて撮影時における撮像素子202の感度(ISO感度)、撮影時における絞り102の開口量(絞り値)、撮影時における撮像素子202の露光時間(シャッタ速)等を決定する。
【0035】
次に、マイクロコンピュータ215は、ステップS11において、AF処理部209に対してAF処理の指示を送る。このAF処理部209は、撮像画像データから高周波成分の信号を取り出し、取り出した高周波成分の信号を積算してAF用の合焦評価値を取得する。マイクロコンピュータ215は、AF処理部209で取得された合焦評価値により撮像画像データにおけるコントラストを評価しながらレンズ101のフォーカスレンズを微少量ずつ駆動させるようにレンズマイクロコンピュータ104に指示する。この後、マイクロコンピュータ215は、コントラストが最大となった時点でフォーカスレンズの駆動を停止させるようにレンズマイクロコンピュータ104に指示する。このようなAF処理は、所謂コントラスト方式のAF処理である。AF処理として位相差AF処理を用いるようにしても良い。
【0036】
上記ステップS9の判定の結果、レリーズボタンの状態がOffから1stレリーズスイッチのOn状態に遷移した場合ではない場合、マイクロコンピュータ215は、ステップS12において、ユーザによって操作部216のレリーズボタンが全押しされてレリーズボタンの状態が2ndレリーズスイッチのOn状態となっているか否かを判定する。この判定の結果、レリーズボタンの状態が2ndレリーズスイッチのOn状態である場合、マイクロコンピュータ215は、ステップS13において、静止画の撮影を行う。この静止画処理は、レリーズボタンの状態が2ndレリーズスイッチのOn状態である間は実行されるものである。例えば、1枚の静止画像が記録された後であってもレリーズボタンの状態が2ndレリーズスイッチのOn状態であれば、次の静止画撮影を実行する。この静止画撮影では、AE処理において決定されたISO感度、絞り値、シャッタ速に応じて撮像素子202の露光を行う。この静止画撮影により取得された撮像データは、SDRAM206に記憶される。
【0037】
上記ステップS12の判定の結果、レリーズボタンの状態が2ndレリーズスイッチのOn状態でない場合、マイクロコンピュータ215は、ステップS7からステップS8に移って動画の撮影を行う。この動画の撮影では、マイクロコンピュータ215は、ISO感度に応じてゲイン制御量(増幅率)を設定するとともに、絞り値をレンズマイクロコンピュータ104に送信する。このレンズマイクロコンピュータ104による制御による絞り102の駆動と同期してシャッタ速に応じて撮像素子202の電子シャッタ機能を動作させて撮像素子202の露光量を制御する。
【0038】
上記ステップS8、S13の後、マイクロコンピュータ215は、ステップS14において、静止画又は動画の撮影の後に実行される撮影後処理を行う。
又、上記ステップS11、S14の後、マイクロコンピュータ215は、ステップS15において、ユーザによって操作部216の電源ボタンが押される等してデジタルカメラの電源がオフされたか否かを判定する。この判定の結果、デジタルカメラの電源がオフされていない場合、マイクロコンピュータ215は、上記ステップS1に戻る。一方、デジタルカメラの電源がオフされた場合、マイクロコンピュータ215は、メイン動作のフローチャートの処理を終了する。
【0039】
次に、撮影後処理(ステップS14)について図4に示す撮影処理フローチャートを参照して説明する。
静止画又は動画の撮影の後、マイクロコンピュータ215は、ステップS20において、撮影の結果としてSDRAM206に記憶された撮像データに対する画像処理を実行する。具体的にマイクロコンピュータ215は、撮像により取得された撮像データ、例えばBayerデータを画像処理し、YCbCrデータに変換する。
【0040】
画像処理の後、マイクロコンピュータ215は、ステップS21において、画像処理の結果としてSDRAM206に記憶された画像データを表示するように表示ドライバ213に指示する。この指示を受けて表示ドライバ213は、SDRAM206から画像データを読み出し、読み出した画像データを映像信号に変換して表示部214に出力する。この表示部214は、この映像信号に基づいて画像を表示する。具体的にマイクロコンピュータ215は、画像処理後のYCbCrデータをレックビュー画像又はライブビュー画像として表示部214であるLCDに表示する。
【0041】
次に、マイクロコンピュータ215は、ステップS22において、現在、動画記録中であるか否か、即ち記録中フラグがOnであるか否かを判定する。この判定の結果、記録中フラグがOffである場合、マイクロコンピュータ215は、動画処理を終了する。又、記録中フラグがOnである場合、マイクロコンピュータ215は、ステップS23において、画像処理の結果としてSDRAM206に記憶された画像データを動画ファイルとして記録する。具体的には、マイクロコンピュータ215は、動画記録中であれば、画像圧縮展開部210により動画ファイルの形式に合わせた圧縮を行い、記録媒体212に動画ファイルとして記録する。この動画ファイルとしては、例えばMotion−JPEG形式、MPEG形式、AVCHD形式などがある。
【0042】
次に、マイクロコンピュータ215は、ステップS24において、現在、静止画処理であるか否か、即ちステップS13に続く処理か否かを判定する。この判定の結果、ステップS13に続く処理である場合、マイクロコンピュータ215は、ステップS25において、画像処理の結果として記録媒体212に記憶された画像データを静止画ファイルとして記録する。上記ステップS13に続く処理でない場合、マイクロコンピュータ215は、静止画処理でないと判定する。具体的にマイクロコンピュータ215は、YCbCrデータをJPEG形式で圧縮し、画像サイズ、撮像条件などのヘッダ情報を付加してJPEGファイルを生成し、当該JPEGファイルを例えば記録媒体212に記録する。また、後述する光学フィルタ106の装着有無の検出結果や、装着されている場合は検出したその種類の情報をヘッダ情報に含めて記録する。
【0043】
次に、画像処理(ステップS20)について図5に示す画像処理フローチャートを参照して説明する。
マイクロコンピュータ215は、ステップS30において、Flashメモリ217に記憶されている通常画像処理部207の動作に必要な通常の画像処理パラメータを読み込む。
次に、マイクロコンピュータ215は、ステップS31において、通常画像処理部207に対して通常の画像処理の指示を発する。この通常画像処理部207は、撮像画像データに対する各種の画像処理を行って画像データを生成するもので、通常の画像処理パラメータでYC画像を生成するための現像処理を行う。この通常の画像処理としては、オプティカルブラック(OB)減算処理と、ホワイトバランス(WB)補正処理と、同時化処理と、カラーマトリクス演算処理と、ガンマ・色再現処理と、エッジ強調処理と、ノイズ低減(NR)処理等である。
【0044】
次に、マイクロコンピュータ215は、ステップS32において、光学フィルタ106が装着されているか否かを検出する。すなわち、光学フィルタ検出部107は、光学フィルタ106が交換式レンズ100に装着されているか否かである装着の有無を検出し、かつ光学フィルタ106の種類、例えばクロスフィルタ、ソフトフィルタ、多重効果フィルタ、周辺効果フィルタ等を検出する。これら検出結果は、レンズマイクロコンピュータ104からインターフェイス(I/F)106aを通してカメラ本体200の本体マイクロコンピュータ215に送られる。なお、この光学フィルタ106の種類の検出は、例えば光学フィルタ106の種類を接点の接触・非接触により検出する。例えば、光学フィルタ106には、例えば、当該光学フィルタ106の種類に応じた個数の接点が設けられている。光学フィルタ検出部107は、光学フィルタ106に設けられた接点の個数から光学フィルタ106の種類を検出する。
【0045】
次に、マイクロコンピュータ215は、ステップS33において、特殊画像処理モードに設定されているか否かを判定する。マイクロコンピュータ215は、操作部216に特殊画像処理モードが設定されていなければ、画像処理フローチャートを終了する。そして、マイクロコンピュータ215は、撮影後処理フローチャートのステップS21において、通常画像処理部207により処理された撮像画像データをそのまま表示するように表示ドライバ213に指示する。
【0046】
一方、操作部216に特殊画像処理モードが設定されていれば、マイクロコンピュータ215は、ステップS34において、特殊画像処理の設定を行う。この特殊画像処理の設定では、選択された画像処理モードに応じた設定を読み込み、光学フィルタ106の装着の有無及び光学フィルタ106の種類に応じて特殊画像処理を行うためにカメラ設定を変更する。
【0047】
この特殊画像処理の設定は、図6に示す特殊画像処理設定フローチャートに従って行う。
マイクロコンピュータ215は、ステップS40において、上記光学フィルタ検出部107により検出された光学フィルタ106を装着しているか否か判定する。
【0048】
この判定の結果、光学フィルタ106を装着していれば、マイクロコンピュータ215は、ステップS41において、特殊画像処理のパラメータの自動調整がオン(ON)であるか否かを判定する。
この判定の結果、特殊画像処理のパラメータの自動調整がオン(ON)であれば、マイクロコンピュータ215は、ステップS42において、ユーザが操作部216で指定した特殊画像処理部219のカメラ設定を、光学フィルタ106の装着の有無と、光学フィルタ106の種類とに応じて特殊画像処理部219で使用するための設定に変更する。すなわち、特殊画像処理部219は、光学フィルタ検出部107による光学フィルタ106の検出結果、すなわち光学フィルタ106の装着の有無、光学フィルタ106の種類に応じた第2の特殊効果を適用するように設定を行う。
【0049】
カメラ設定変更部218は、光学フィルタ検出部107の検出結果、例えば光学フィルタ106の装着の有無、光学フィルタ106の種類に応じて特殊画像処理部219で使用する第2の特殊効果の付加処理のためのカメラ設定を変更する。この場合、カメラ設定変更部218は、光学フィルタ106による第1の特殊効果と特殊画像処理部219による第2の特殊効果とを阻害しないようにカメラ設定を変更する。
【0050】
光学フィルタ106の種類別に例を説明すると、光学フィルタ検出部107により検出された光学フィルタ106の種類がクロスフィルタであれば、カメラ設定変更部218は、第2の特殊効果が第1の特殊効果に重ならないようにカメラ設定を変更する。
光学フィルタ検出部107により光学フィルタ106の回転角度を検出すると、カメラ設定変更部218は、光学フィルタ216の回転角度に応じて第2の特殊効果が第1の特殊効果と重ならないように特殊画像処理部219で使用するカメラ設定の角度を変更する。
光学フィルタ検出部107により検出された光学フィルタ106の種類がソフトフィルタであれば、カメラ設定変更部218は、特殊画像処理部219によるぼかし効果を弱くするようにカメラ設定を変更する。
光学フィルタ検出部107により検出された光学フィルタ106の種類が多重効果フィルタであれば、カメラ設定変更部218は、特殊画像処理部219による多重効果を弱くするようにカメラ設定を変更する。
光学フィルタ検出部107により検出された光学フィルタ106の種類がフィルタ周辺部に第1の特殊効果を掛けるものであれば、カメラ設定変更部218は、フィルタ周辺部に対応する撮影画像データ中の画像部分に付加する特殊画像処理部219による第2の特殊効果を弱くするようにカメラ設定を変更する。
【0051】
以上のように、上記ステップS34の特殊効果画像処理設定の処理を終了すると、ステップS35に移行して特殊効果画像処理を実行する。
ここで、特殊効果画像処理および設定変更の一例を説明する。
図7はクロスフィルタの場合を示す。例えば、特殊画像処理部219においてクロスフィルタのモードの設定がされ、かつ光学フィルタ106としてクロスフィルタが装着されていることを検出した場合、カメラ設定変更部218は、クロスフィルタ像が光学フィルタ106のクロスフィルタ像に重ならないようにクロスフィルタ像の角度θ等を変更するようにカメラ設定の変更を行う。さらに、カメラ設定変更部218は、クロスフィルタ像の長さLを長くするように選択していた場合、同クロスフィルタ像の長さLを短くするようにカメラ設定の変更を行う。又は、特殊画像処理部219でのクロスフィルタの処理を行わないように設定する。
カメラ設定変更部218によって画像処理によるクロスフィルタ像が光学フィルタ106のクロス像フィルタの中間に位置するようなクロスフィルタ像の角度θにカメラ設定の変更を行うとともに、クロスフィルタ像の長さLを光学フィルタのクロスフィルタ象の長さに一致するようにカメラ設定の変更を行った場合、特殊画像処理部219は、例えば図7に示すような光学フィルタ106によるクロスパターンFa、Fbと画像処理によるクロスパターンPa、Pbとを含む画像を得る。
【0052】
図8はソフトフィルタの場合を示す。画像S1は光学フィルタ106としてソフトフィルタの装着がなく、画像処理によるソフトフィルタ処理が無い通常の画像である。画像S2は、画像S1に対して光学フィルタ106としてソフトフィルタを装着しているものである。この画像S2は、画像S1よりも少しボケた画像となっている。画像S3は、画像S1に対して画像処理によるソフトフィルタを掛けているものである。この画像S3は、画像S1よりも大きくボケた画像となっている。画像S4は、画像S1に対して光学フィルタ106としてソフトフィルタを装着し、かつ画像処理によるソフトフィルタを掛けているものである。この画像S4は、画像S3よりもボケた画像となっている。
【0053】
しかるに、光学フィルタ106のぼかし効果と、特殊画像処理部219によるソフトフィルタの処理との双方の付加処理によって意図しない強過ぎるぼかし処理の強度になることがある。このため、ぼかし過ぎないように特殊画像処理部219によるソフトフィルタの処理のぼかしを補正することになる。
ソフトフォーカス処理を追加する画像処理を選択している状態で、ソフトフィルタの装着が検出された場合には、カメラ設定変更部218は、ぼかし過ぎないように、例えば画像処理によるソフトフィルタの処理でのぼかし効果を弱める、又は行わないようにカメラ設定を変更する。特殊画像処理部219は、図8に示すように光学ソフトフィルタによる画像S2に対して画像処理によるソフトフィルタ処理を行い、光学ソフトフィルタと画像処理によるソフトフィルタとを合わせた画像S4を得る。
【0054】
図9は周辺効果フィルタの場合を示す。周辺効果フィルタが装着されていれば、画像周辺部に対応する撮影画像データ中の画像部分に付加する特殊画像処理部219による第2の特殊効果を弱くするようにカメラ設定を変更する。画像S10は光学フィルタ106である周辺効果フィルタの装着がなく、特殊画像処理も無いもの、画像S11は周辺効果フィルタの装着により画像S10に対して周辺をぼかしているもの、画像S12は、画像S11に対して特殊画像処理部219による周辺の減光処理を行ったものである。画像S13は、画像S11に対して特殊画像処理部219による周辺の減光処理を行ったもので、かつ上記の特殊画像処理部219による第2の特殊効果である周辺の減光処理を弱くするようなカメラ設定に基づき当該周辺の減光処理を弱くする補正を行ったものである。
【0055】
図10は多重効果フィルタの場合を示す。多重効果フィルタであれば、カメラ設定変更部218は、特殊画像処理部219による多重効果を弱くするようにカメラ設定を変更する。多重効果フィルタでは、被写体が多重になる画像処理を選択している状態に、多重効果フィルタの装着が検出されると、多重効果が多くなりすぎないように、特殊画像処理部219による多重効果を抑えぎみにするようにカメラ設定を変更する。画像S20は、多重効果フィルタなしの通常の画像である。画像S21は、光学フィルタ106を装着しての多重効果を示す。画像S22は、カメラ設定変更前の特殊画像処理部219による多重効果を示す。画像S23は、カメラ設定変更後の特殊画像処理部219による多重効果を示す。画像S24は、カメラ設定変更後の光学フィルタ106を装着しての多重効果と特殊画像処理部219による多重効果とを合わせた画像を示す。
【0056】
このように上記第1の実施の形態によれば、光学フィルタ106による第1の特殊効果と特殊画像処理部219による第2の特殊効果とを阻害しないようにカメラ設定を変更するようにしたので、光学フィルタ106の特殊効果と特殊効果画像処理とが同時に行なわれたとしても、より効果的な特殊効果を付加した特殊画像データを得ることができる。例えば、クロスフィルタであれば、第2の特殊効果が第1の特殊効果に重ならないようにカメラ設定を変更する。光学フィルタ106の回転角度を検出すると、当該光学フィルタ106の回転角度に応じて第2の特殊効果が第1の特殊効果と重ならないように特殊画像処理部219で使用するカメラ設定の角度を変更する。ソフトフィルタであれば、特殊画像処理部219によるぼかし効果を弱くするようにカメラ設定を変更する。多重効果フィルタであれば、特殊画像処理部219による多重効果を弱くするようにカメラ設定を変更する。フィルタ周辺部に第1の特殊効果を掛けるものであれば、フィルタ周辺部に対応する撮影画像データ中の画像部分に付加する特殊画像処理部219による第2の特殊効果を弱くするようにカメラ設定を変更する。
この結果、例えば光学フィルタ106が装着されている状態に、光学フィルタ106による特殊効果と特殊効果画像処理とが同時に付加された画像データが生成されることになり、例えば特殊効果画像処理による特殊効果がかえって特殊画像データにおける特殊効果の性能を十分に発揮できなくなるようなことは無くなる。
【0057】
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図1と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図11は撮像装置としてのデジタメカメラのブロック構成図を示す。光学フィルタ検出部300は、カメラ本体200内に設けられている。この光学フィルタ検出部300は、バス205を介して本体マイクロコンピュータ215に接続されている。この光学フィルタ検出部300は、撮影画像データやAF処理部209におけるコントラスト検出結果等を解析して少なくとも光学フィルタ106の装着の有無と、光学フィルタ106の種類とを検出する。
【0058】
この光学フィルタ検出部300は、撮影画像データから高輝度点を一定方向に連なって検出し、かつ当該高輝度点の連なりが複数存在することを検出すると、光学フィルタ106としてクロスフィルタが装着されていることを検出する。
光学フィルタ検出部300は、撮影画像データの周波数成分の分布のうち所定の割合以上が低周波成分であると、光学フィルタ106としてソフトフィルタが装着されていることを検出する。
光学フィルタ検出部300は、AF処理部209におけるコントラスト検出により検出されたコントラストが撮影画像データの中心部に比べて周辺部が低いと、当該周辺部に特殊効果を掛けるフィルタが装着されていることを検出する。なお、AF処理部209は、撮影画像データにおけるコントラストを検出するコントラスト検出部を有する。
光学フィルタ検出部300は、撮影画像データを解析して相関の高い部分が複数あると、多重効果を掛けるフィルタが装着されていることを検出する。
【0059】
次に、画像処理(ステップS20)について図12に示す画像処理フローチャートを参照して説明する。なお、図5と同一部分はその説明を簡単化する。
マイクロコンピュータ215は、ステップS30において、Flashメモリ217に記憶されている通常画像処理部207の動作に必要な通常の画像処理パラメータを読み込み、ステップS31において、通常画像処理部207に対して通常の画像処理の指示を発する。
【0060】
次に、マイクロコンピュータ215は、ステップS32において、光学フィルタ106が装着されているか否かを検出する。すなわち、光学フィルタ検出部300は、バス205を介して本体マイクロコンピュータ215に接続されている。この光学フィルタ検出部300は、撮影画像データを解析して少なくとも光学フィルタ106の装着の有無と、光学フィルタ106の種類とを検出する。
【0061】
この光学フィルタ検出部300は、撮影画像データから高輝度点を一定方向に連なって検出し、かつ当該高輝度点の連なりが複数存在することを検出すると、光学フィルタ106としてクロスフィルタが装着されていることを検出する。図13はクロスフィルタの検出の摸式図を示す。撮影画像データ内での高輝度点の検索は、撮影画像データの端末から行ってもよいし、ランダムな位置から行ってもよい。
この光学フィルタ検出部300は、撮影画像データの周波数成分の分布のうち所定の割合以上が低周波成分であると、光学フィルタ106としてソフトフィルタが装着されていることを検出する。このソフトフィルタの検出では、撮影画像データを周波数解析、例えばフーリエ変換によってそのときの分布の中心における分布の割合が周辺の分布の割合に比べて一定以上大きくなっているか否かを確認する。図14(a)は通常の撮影画像データのデータ分布を示し、同図(b)はソフトフィルタを通して取得された撮影画像データの解析後のデータ分布を示す。
【0062】
この光学フィルタ検出部300は、AF処理部209におけるコントラスト検出により検出されたコントラストが撮影画像データの中心部に比べて周辺部が低いと、当該周辺部に特殊効果を掛ける周辺効果フィルタが装着されていることを検出する。この周辺効果フィルタの検出では、図15に示すようにAF処理部209におけるコントラスト検出により検出されたコントラストが撮影画像データの中心部C1に比べて周辺部C2が低いと、周辺効果フィルタが装着されていることを検出する。
【0063】
この光学フィルタ検出部300は、撮影画像データを解析して相関の高い部分が複数あると、多重効果を掛けるフィルタが装着されていることを検出する。具体的には図16に示すように撮影画像データS30内に例えば検出パターン画像Spが複数存在するか否かを検出する。この検出パターン画像Spは、撮影画像データS30内で主要被写体を判別し、この主要被写体を検出パターンの画像として設定する。
【0064】
次に、マイクロコンピュータ215は、ステップS33において、特殊画像処理モードに設定されているか否かを判定し、特殊画像処理モードが設定されていなければ、画像処理フローチャートを終了する。そして、通常画像処理部207により処理された撮像画像データをそのまま表示するように表示ドライバ213に指示する。
一方、操作部216に特殊画像処理モードが設定されていれば、マイクロコンピュータ215は、ステップS34において、特殊画像処理の設定を行う。この特殊画像処理の設定では、選択された画像処理モードに応じた設定を読み込み、光学フィルタ106の装着が検出されていると、この光学フィルタ106の装着の有無及び光学フィルタ106の種類に応じて特殊画像処理を行うためにカメラ設定を変更する。
【0065】
このように上記第2の実施の形態によれば、光学フィルタ検出部300をカメラ本体200内に設け、この光学フィルタ検出部300により撮影画像データを解析して少なくとも光学フィルタ106の装着の有無と、光学フィルタ106の種類とを検出し、光学フィルタ106による第1の特殊効果と特殊画像処理部219による第2の特殊効果とを阻害しないようにカメラ設定を変更するようにしたので、上記第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、静止画記録時に記録媒体212に記録したRAWデータと光学フィルタ検出結果(フィルタ種類や角度)を読出し、カメラ本体200に内蔵されたRAW編集機能により特殊画像処理部219を動作させて同様に画像処理しても良い。あるいは、カメラ以外の画像処理装置により、静止画記録時に記録媒体212に記録したRAWデータとフィルター検出結果をカメラ本体200と通信して読み出し、上記カメラ以外の画像処理装置により同様に画像処理しても良い。
【符号の説明】
【0066】
100:交換式レンズ、200:カメラ本体、101:レンズ、102:絞り、103:ドライバ、104:レンズマイクロコンピュータ、105:フラッシュ(Flash)メモリ、106a:インターフェイス(I/F)、215:本体マイクロコンピュータ、202:撮像素子、106:光学フィルタ、107:光学フィルタ検出部、200:カメラ本体、201:メカシャッタ、203:アナログ処理部、204:アナログ/デジタル(A/D)変換部、205:バス、206:SDRAM、207:通常画像処理部、208:AE処理部、209:AF処理部、210:画像圧縮展開部、211:メモリインターフェイス、212:記録媒体、213:表示(LCD)ドライバ、214:表示(LCD)部、215:本体マイクロコンピュータ、216:操作部、217:フラッシュ(Flash)メモリ、218:カメラ設定変更部、219:特殊効果画像処理部(特殊画像処理部)、300:光学フィルタ検出部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮影して撮影画像データを取得する撮像部と、
前記被写体からの光に第1の特殊効果を付加する光学フィルタを検出する光学フィルタ検出部と、
前記光学フィルタ検出部による前記光学フィルタの検出結果に応じた第2の特殊効果を前記撮影画像データに付加した特殊画像データを生成する特殊効果画像処理部と、
を具備することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記光学フィルタ検出部の検出結果に応じてカメラ設定を変更するカメラ設定変更部を備え、
前記特殊効果画像処理部は、前記カメラ設定変更部により設定された前記カメラ設定に基づいて前記撮影画像データに対して前記第2の特殊効果を付加した前記特殊画像データを生成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記カメラ設定変更部は、前記特殊効果画像処理部で使用する前記第2の特殊効果の付加処理のための前記カメラ設定を変更することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記光学フィルタ検出部は、少なくとも前記光学フィルタの装着の有無を検出することを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記光学フィルタ検出部は、前記光学フィルタの種類を検出することを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記カメラ設定変更部は、前記光学フィルタ検出部により検出された前記少なくとも光学フィルタの装着の有無に応じて前記特殊効果画像処理部で使用する前記カメラ設定を変更することを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記カメラ設定変更部は、前記光学フィルタ検出部により検出された前記光学フィルタの種類に応じて前記カメラ設定を変更することを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記カメラ設定変更部は、前記光学フィルタによる前記第1の特殊効果と前記特殊効果画像処理部による前記第2の特殊効果とを阻害しないように前記カメラ設定を変更することを特徴とする請求項2乃至7のうちいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記光学フィルタ検出部により検出された前記光学フィルタがクロスフィルタであれば、
前記カメラ設定変更部は、前記第2の特殊効果が前記第1の特殊効果に重ならないように前記カメラ設定を変更することを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記光学フィルタ検出部は、前記光学フィルタの角度を検出し、
前記カメラ設定変更部は、前記光学フィルタの角度に応じて前記第2の特殊効果が前記第1の特殊効果と重ならないように前記特殊効果画像処理部で使用する前記カメラ設定における角度を変更する、
ことを特徴とする請求項9に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記光学フィルタ検出部により検出された前記光学フィルタがソフトフィルタであれば、
前記カメラ設定変更部は、前記特殊効果画像処理部によるぼかし効果を弱くするように前記カメラ設定を変更することを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記光学フィルタ検出部により検出された前記光学フィルタが多重効果フィルタであれば、
前記カメラ設定変更部は、前記特殊効果画像処理部による多重効果を弱くするように前記カメラ設定を変更することを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記光学フィルタ検出部により検出された前記光学フィルタがフィルタ周辺部に前記第1の特殊効果を掛けるものであれば、
前記カメラ設定変更部は、前記フィルタ周辺部に対応する前記撮影画像データ中の画像部分に付加する前記特殊効果画像処理部による前記第2の特殊効果を弱くするように前記カメラ設定を変更することを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
【請求項14】
前記光学フィルタ検出部は、前記少なくとも光学フィルタの装着の有無を接点の接触・非接触により検出することを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項15】
前記光学フィルタ検出部は、前記少なくとも光学フィルタの装着の有無を通信により検出することを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項16】
前記光学フィルタ検出部は、前記少なくとも光学フィルタの種類を接点の接触・非接触により検出することを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項17】
前記光学フィルタ検出部は、前記少なくとも光学フィルタの種類を通信により検出することを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項18】
前記光学フィルタ検出部は、前記撮影画像データを解析して前記少なくとも光学フィルタの装着の有無と、前記光学フィルタの種類とを検出することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項19】
前記光学フィルタ検出部は、前記撮影画像データから高輝度点を一定方向に連なって検出し、かつ当該高輝度点の連なりが複数存在することを検出すると、前記光学フィルタとしてクロスフィルタが装着されていることを検出することを特徴とする請求項18に記載の撮像装置。
【請求項20】
前記光学フィルタ検出部は、前記撮影画像データの周波数成分の分布のうち所定の割合以上が低周波成分であると、前記光学フィルタとしてソフトフィルタが装着されていることを検出することを特徴とする請求項18に記載の撮像装置。
【請求項21】
前記撮影画像データにおけるコントラストを検出するコントラスト検出部を具備し、
前記光学フィルタ検出部は、前記コントラスト検出部により検出された前記コントラストが前記撮影画像データの中心部に比べて周辺部が低いと、前記周辺部に特殊効果を掛けるフィルタが装着されていることを検出することを特徴とする請求項18に記載の撮像装置。
【請求項22】
前記光学フィルタ検出部は、前記撮影画像データを解析して相関の高い部分が複数あると、多重効果を掛けるフィルタが装着されていることを検出することを特徴とする請求項18に記載の撮像装置。
【請求項23】
撮影時の情報を当該撮影時の前記撮影画像データと同時に記録する情報記録部を具備し、
前記光学フィルタ検出部による前記光学フィルタの検出結果を前記情報記録部により記録する、
ことを特徴とする請求項4又は5に記載の撮像装置。
【請求項24】
前記情報記録部は、前記撮影時の情報を前記撮影画像データのヘッダ部に記録することを特徴とする請求項23に記載の撮像装置。
【請求項25】
被写体を撮影して撮影画像データを取得し、
前記被写体からの光に第1の特殊効果を付加する光学フィルタを検出し、
前記光学フィルタの検出結果に応じた第2の特殊効果を前記撮影画像データに付加した特殊画像データを生成する、
ことを特徴とする撮像方法。
【請求項26】
前記光学フィルタによる前記第1の特殊効果と前記第2の特殊効果とを阻害しないように前記特殊画像データを生成するときのカメラ設定を変更することを特徴とする請求項25に記載の撮像方法。
【請求項27】
撮像装置に内蔵されたコンピュータに、
被写体を撮影して撮影画像データを取得する画像データ取得機能と、
前記被写体からの光に第1の特殊効果を付加する光学フィルタを検出する光学フィルタ検出機能と、
前記光学フィルタの検出結果に応じた第2の特殊効果を前記撮影画像データに付加した特殊画像データを生成する特殊画像データ生成機能と、
を実現させる撮像処理の制御プログラム。
【請求項28】
前記光学フィルタによる前記第1の特殊効果と前記第2の特殊効果とを阻害しないように前記特殊画像データを生成するときのカメラ設定を変更するカメラ設定変更機能、
を実現させる請求項27に記載の撮像処理の制御プログラム。
【請求項1】
被写体を撮影して撮影画像データを取得する撮像部と、
前記被写体からの光に第1の特殊効果を付加する光学フィルタを検出する光学フィルタ検出部と、
前記光学フィルタ検出部による前記光学フィルタの検出結果に応じた第2の特殊効果を前記撮影画像データに付加した特殊画像データを生成する特殊効果画像処理部と、
を具備することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記光学フィルタ検出部の検出結果に応じてカメラ設定を変更するカメラ設定変更部を備え、
前記特殊効果画像処理部は、前記カメラ設定変更部により設定された前記カメラ設定に基づいて前記撮影画像データに対して前記第2の特殊効果を付加した前記特殊画像データを生成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記カメラ設定変更部は、前記特殊効果画像処理部で使用する前記第2の特殊効果の付加処理のための前記カメラ設定を変更することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記光学フィルタ検出部は、少なくとも前記光学フィルタの装着の有無を検出することを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記光学フィルタ検出部は、前記光学フィルタの種類を検出することを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記カメラ設定変更部は、前記光学フィルタ検出部により検出された前記少なくとも光学フィルタの装着の有無に応じて前記特殊効果画像処理部で使用する前記カメラ設定を変更することを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記カメラ設定変更部は、前記光学フィルタ検出部により検出された前記光学フィルタの種類に応じて前記カメラ設定を変更することを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記カメラ設定変更部は、前記光学フィルタによる前記第1の特殊効果と前記特殊効果画像処理部による前記第2の特殊効果とを阻害しないように前記カメラ設定を変更することを特徴とする請求項2乃至7のうちいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記光学フィルタ検出部により検出された前記光学フィルタがクロスフィルタであれば、
前記カメラ設定変更部は、前記第2の特殊効果が前記第1の特殊効果に重ならないように前記カメラ設定を変更することを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記光学フィルタ検出部は、前記光学フィルタの角度を検出し、
前記カメラ設定変更部は、前記光学フィルタの角度に応じて前記第2の特殊効果が前記第1の特殊効果と重ならないように前記特殊効果画像処理部で使用する前記カメラ設定における角度を変更する、
ことを特徴とする請求項9に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記光学フィルタ検出部により検出された前記光学フィルタがソフトフィルタであれば、
前記カメラ設定変更部は、前記特殊効果画像処理部によるぼかし効果を弱くするように前記カメラ設定を変更することを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記光学フィルタ検出部により検出された前記光学フィルタが多重効果フィルタであれば、
前記カメラ設定変更部は、前記特殊効果画像処理部による多重効果を弱くするように前記カメラ設定を変更することを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記光学フィルタ検出部により検出された前記光学フィルタがフィルタ周辺部に前記第1の特殊効果を掛けるものであれば、
前記カメラ設定変更部は、前記フィルタ周辺部に対応する前記撮影画像データ中の画像部分に付加する前記特殊効果画像処理部による前記第2の特殊効果を弱くするように前記カメラ設定を変更することを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
【請求項14】
前記光学フィルタ検出部は、前記少なくとも光学フィルタの装着の有無を接点の接触・非接触により検出することを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項15】
前記光学フィルタ検出部は、前記少なくとも光学フィルタの装着の有無を通信により検出することを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項16】
前記光学フィルタ検出部は、前記少なくとも光学フィルタの種類を接点の接触・非接触により検出することを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項17】
前記光学フィルタ検出部は、前記少なくとも光学フィルタの種類を通信により検出することを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項18】
前記光学フィルタ検出部は、前記撮影画像データを解析して前記少なくとも光学フィルタの装着の有無と、前記光学フィルタの種類とを検出することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項19】
前記光学フィルタ検出部は、前記撮影画像データから高輝度点を一定方向に連なって検出し、かつ当該高輝度点の連なりが複数存在することを検出すると、前記光学フィルタとしてクロスフィルタが装着されていることを検出することを特徴とする請求項18に記載の撮像装置。
【請求項20】
前記光学フィルタ検出部は、前記撮影画像データの周波数成分の分布のうち所定の割合以上が低周波成分であると、前記光学フィルタとしてソフトフィルタが装着されていることを検出することを特徴とする請求項18に記載の撮像装置。
【請求項21】
前記撮影画像データにおけるコントラストを検出するコントラスト検出部を具備し、
前記光学フィルタ検出部は、前記コントラスト検出部により検出された前記コントラストが前記撮影画像データの中心部に比べて周辺部が低いと、前記周辺部に特殊効果を掛けるフィルタが装着されていることを検出することを特徴とする請求項18に記載の撮像装置。
【請求項22】
前記光学フィルタ検出部は、前記撮影画像データを解析して相関の高い部分が複数あると、多重効果を掛けるフィルタが装着されていることを検出することを特徴とする請求項18に記載の撮像装置。
【請求項23】
撮影時の情報を当該撮影時の前記撮影画像データと同時に記録する情報記録部を具備し、
前記光学フィルタ検出部による前記光学フィルタの検出結果を前記情報記録部により記録する、
ことを特徴とする請求項4又は5に記載の撮像装置。
【請求項24】
前記情報記録部は、前記撮影時の情報を前記撮影画像データのヘッダ部に記録することを特徴とする請求項23に記載の撮像装置。
【請求項25】
被写体を撮影して撮影画像データを取得し、
前記被写体からの光に第1の特殊効果を付加する光学フィルタを検出し、
前記光学フィルタの検出結果に応じた第2の特殊効果を前記撮影画像データに付加した特殊画像データを生成する、
ことを特徴とする撮像方法。
【請求項26】
前記光学フィルタによる前記第1の特殊効果と前記第2の特殊効果とを阻害しないように前記特殊画像データを生成するときのカメラ設定を変更することを特徴とする請求項25に記載の撮像方法。
【請求項27】
撮像装置に内蔵されたコンピュータに、
被写体を撮影して撮影画像データを取得する画像データ取得機能と、
前記被写体からの光に第1の特殊効果を付加する光学フィルタを検出する光学フィルタ検出機能と、
前記光学フィルタの検出結果に応じた第2の特殊効果を前記撮影画像データに付加した特殊画像データを生成する特殊画像データ生成機能と、
を実現させる撮像処理の制御プログラム。
【請求項28】
前記光学フィルタによる前記第1の特殊効果と前記第2の特殊効果とを阻害しないように前記特殊画像データを生成するときのカメラ設定を変更するカメラ設定変更機能、
を実現させる請求項27に記載の撮像処理の制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−199819(P2012−199819A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−63140(P2011−63140)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】
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