説明

撮像装置およびその制御方法、プログラム、並びに記憶媒体

【課題】記録先の記録媒体に関連しない項目をメニューに表示しないことで、ユーザが混乱を招くことなく、現在の記録先の記録媒体に合致したメニュー操作を行える技術の実現。
【解決手段】通信機能を有しない通常記録媒体と通信機能付き記録媒体とが着脱可能である撮像装置であって、撮影された画像データの記録先の記録媒体を選択する選択手段と、前記選択手段により選択された記録先の記録媒体に関する設定画面を表示する表示手段と、前記通常記録媒体が記録先として選択された場合、前記設定画面において前記通信機能付き記録媒体に関する通信機能の設定項目を選択できないよう前記表示手段を制御する制御手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信機能付き記録媒体を含む複数の記録媒体が着脱可能な撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、記録媒体としての機能と無線LANなどの通信機能とを併せ持った記録媒体が存在する。この通信機能付き記録媒体は、CF(登録商標)カードやSDカードといった通常の半導体メモリカードと同様に、カメラのカードスロットに対して着脱可能である。通信機能付き記録媒体は、当然カメラで撮影した画像データを記録する記録媒体としても使用可能であり、記録した画像ファイルを無線LANなどの通信機能を介して予め設定したデータ転送先へ自動的に転送することが可能である。
【0003】
また、複数の記録媒体が着脱可能な複数のスロットを持つカメラにおいて、通信機能付き記録媒体を使用する際に、記録先の記録媒体を選択し、通信機能をメニューから設定できる技術がある。例えば、特許文献1には、撮影した画像データを記録する記録媒体の優先順位を、撮影日時、撮影モード、撮影内容などに応じて設定し、設定した優先順位を記憶し、記憶した優先順位に従って撮影画像データの記録先の記録媒体を選択する。
【0004】
また、ユーザが撮影した画像データの記録方法を選択することで、複数の記録媒体に同時に記録したり、記録先の記録媒体の空き容量が少なくなると、別の記録媒体に自動的に切り替えたり、画像データサイズによって記録媒体を使い分ける技術もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−134377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記複数のスロットを持つカメラの場合、通信機能に関する項目を表示するか否かを決定するためには、単に通信機能付き記録媒体の装着の有無だけでなく、通信機能付き記録媒体が記録先として選択されているか否かも考慮する必要がある。つまり、通信機能に関する設定を行う必要がない場合に通信機能に関する項目がメニュー表示されると、ユーザはメニュー操作において混乱してしまう可能性がある。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされ、その目的は、ユーザが混乱を招くことなくメニュー操作を行える技術を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、通信機能を有しない通常記録媒体と通信機能付き記録媒体とが着脱可能である撮像装置であって、撮影された画像データの記録先の記録媒体を選択する選択手段と、前記選択手段により選択された記録先の記録媒体に関する設定画面を表示する表示手段と、前記通常記録媒体が記録先として選択された場合、前記設定画面において前記通信機能付き記録媒体に関する通信機能の設定項目を選択できないよう前記表示手段を制御する制御手段と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザが混乱を招くことなくメニュー操作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態の一眼レフデジタルカメラの外観図。
【図2】本実施形態の一眼レフデジタルカメラの内部構造を示す側断面図。
【図3】本実施形態の一眼レフデジタルカメラのブロック図。
【図4】本実施形態の一眼レフデジタルカメラのメニュー表示処理を説明する概念図。
【図5】実施形態1のメニュー表示処理を示すフローチャート。
【図6】実施形態2のメニュー表示処理を示すフローチャート。
【図7】実施形態3のメニュー表示処理を示すフローチャート。
【図8】実施形態4のメニュー表示処理を説明する概念図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、本発明を実現するための一例であり、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正又は変更されるべきものであり、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0012】
以下に、本発明の撮像装置を、一眼レフデジタルカメラ(以下、カメラ)に適用した実施形態について説明する。なお、本実施形態では一眼レフデジタルカメラを例にしたが、いわゆるコンパクトデジタルカメラや、デジタルビデオカメラ、カメラ付き携帯電話などにも適用することが可能である。
【0013】
[実施形態1]先ず、図1ないし図3を参照して、実施形態1のカメラの構成について説明する。
【0014】
図1において、カメラ本体100の上部には、ファインダ観察用の接眼窓111、AE(自動露出)ロックボタン112、AF(自動焦点調整)の測距点選択ボタン113が設けられている。また、撮影に関する指示をするためのレリーズボタン114が設けられており、半押し状態(SW1)と全押し状態(SW2)の2段階の入力が可能となっている。
【0015】
さらに、ユーザが各種の設定値を選択するための電子ダイヤル311、撮影モード選択ダイヤル117および外部表示装置309が設けられている。外部表示装置309は、例えば、液晶表示パネルから構成され、シャッタースピード、絞り、現像モードなどの撮影条件その他の情報を表示する。
【0016】
カメラ本体100の背面には、撮影した画像や補正処理を行った画像、メニュー画面などの各種設定項目を表示する液晶表示部317が設けられている。
【0017】
さらに、カメラ本体100の背面には、液晶表示部317をオン/オフするためのモニタスイッチ121、十字配置スイッチ116、およびメニューボタン124が設けられている。
【0018】
十字配置スイッチ116は、上下左右に配された4つのボタンと、中央に配されたSETボタンを有し、ユーザが液晶表示部317に表示される設定項目などの選択や実行をカメラに指示するために用いられる。
【0019】
モードダイヤル117は、ユーザがダイヤルを回すことで、撮影モードを変更することができる。例えば、シャッタースピード優先モード、プログラム撮影モード、夜景モードなどがある。
【0020】
メニューボタン124は、液晶表示部317にカメラの各種設定を行うためのメニュー画面を表示させるためのボタンである。例えば、液晶表示部317に表示されるカメラの設定を変更する場合は、このメニューボタン124を押した後、十字配置スイッチ116の上下左右のボタンを操作し、所望のモードが選択された状態でSETボタンを押すことにより設定する。
【0021】
本実施形態の液晶表示部317は透過型であるため、液晶表示パネルの駆動だけでは画像を視認することはできず、必ずその背面には図2に示すようなバックライト照明装置316が必要である。このように液晶表示部317とバックライト照明装置316が表示装置を構成している。
【0022】
図2において、撮像光学系である撮影レンズ200はカメラ本体100に対してレンズマウント202を介して着脱可能である。図2において201は撮影光軸、203はクイックリターンミラーである。
【0023】
クイックリターンミラー203は撮影光路中に配置され、撮影レンズ200からの被写体光をファインダ光学系に導く位置(図2に示す位置、斜設位置と呼ぶ)と撮影光路外に退避する位置(退避位置と呼ぶ)との間で移動可能である。
【0024】
ピント板204上にはクイックリターンミラー203からファインダ光学系に導かれる被写体光が結像される。205はファインダの視認性を向上させるためのコンデンサレンズ、206はペンタゴナルダハプリズムであり、ピント板204およびコンデンサレンズ205を通った被写体光をファインダ観察用の接眼レンズ208および測光センサ207に導く。
【0025】
209、210はそれぞれシャッターを構成する後幕と先幕で、これら後幕209、先幕210の開放によって後方に配置されている、被写体像を光電変換する固体撮像素子である撮像素子318が必要時間だけ露光される。撮像素子318によって画素毎の電気信号に変換された撮影画像は、後述のA/Dコンバータ323や画像処理回路325などによって処理され、画像データとして記録媒体330〜332に記録される。撮像素子318は、その前面に光学ローパスフィルタ318aが配設されており、撮像素子318に結像する被写体像の空間周波数を調整している。
【0026】
撮像素子318はプリント基板211に保持されている。このプリント基板211の後方には、もう1枚のプリント基板である表示基板215が配置されている。この表示基板215の反対側の面に液晶表示部317およびバックライト照明装置316が配置されている。
【0027】
319は記録媒体330〜332にアクセス可能な記録媒体I/Fであり、217は電池(携帯用電源)である。この記録媒体I/F319に挿入される記録媒体330〜332および電池217は、カメラ本体100に対して着脱可能である。
【0028】
図3は、本実施形態のカメラの回路構成を示すブロック図である。
【0029】
図3において、マイクロコンピュータ(以下、マイコン)302は、撮像素子318から出力される撮像信号の信号処理や、液晶表示部317の表示制御をはじめ、カメラ全体の動作を制御する。
【0030】
スイッチ(SW1)305は、レリーズボタン114の半押し状態でオンになり、スイッチ(SW1)305がオンすると撮影準備状態になる。スイッチ(SW2)306は、レリーズボタン114が全押しされた状態でオンし、スイッチ(SW2)306がオンすると撮影動作を開始する。
【0031】
レンズ制御回路307は、撮影レンズ200との通信およびオートフォーカス(AF)時の撮影レンズ200の駆動制御や絞り羽根の駆動制御を行う。
【0032】
また図3において、外部表示制御回路308は、外部表示装置(OLC)309や、ファインダ内の表示装置(不図示)の制御を行う。スイッチセンス回路310は、カメラに設けられた電子ダイヤル311を含む多数のスイッチ類の信号をマイコン302に伝える。
【0033】
ストロボ調光制御回路312は、X接点を介して接地されており、外部ストロボの制御を行う。測距回路313は、AFのための被写体に対するデフォーカス量を検出する。測光回路314は、被写体の輝度を測定する。
【0034】
シャッター制御回路315はシャッターの駆動を制御し、撮像素子318に対して適正な露光を行う。
【0035】
記録媒体インタフェース(I/F)319は、例えばカメラ本体100に着脱可能なハードディスクドライブ(HDD)や半導体メモリカードなどの複数の記録媒体330〜332をアクセス可能に接続する。本実施形態は、複数の記録媒体I/F319を搭載しており、複数の着脱可能な記録媒体を装着可能である。なお、後述する通信機能付き記録媒体も記録媒体I/F319に装着可能である。
【0036】
また、マイコン302には、A/Dコンバータ323、画像バッファメモリ324、DSPなどからなる画像処理回路325、撮像素子内の所定画素そのものに欠陥があることを記憶している画素欠陥位置メモリ326が接続されている。また、ゴミによる画像不良を起こしている撮像素子内の画素位置を記憶しているゴミ位置メモリ327も接続されている。
【0037】
メモリ328は、マイコン302が実行するプログラムなどを記憶する不揮発性のメモリである。
【0038】
また、外部I/F304は外部機器を通信可能に接続するインターフェースであり、無線あるいは有線による通信が可能である。
【0039】
ここで、通信機能付き記録媒体について説明する。通信機能付き記録媒体とは、それ自体にアンテナなどの無線通信部を有する記録媒体をいい、例えばPCMCIAカードやCFカード、SDカード内に無線通信部を有するものや、無線通信機能を有するEye−Fi(登録商標)カードである。通信機能付き記録媒体はマイコンを内蔵し、自機に書き込まれたデータを外部機器に転送可能である。また、マイコン302はCPUと通信することで、カメラとの間で制御指令などを送受信することも可能である。以下、このような無線通信機能を有する記録媒体を「通信機能付き記録媒体」、無線通信機能を有さない記録媒体を「通常記録媒体」と呼びつつ説明を行う。
【0040】
図4は本実施形態のカメラに表示されるメニュー画面(GUI)の一例であり、スロット1に通常記録媒体が、スロット2に通信機能付き記録媒体が挿入されている。メニュー画面401は画像データの記録先選択画面である。メニュー画面401では記録先としてスロット1が選択されている。
【0041】
図4(a)、(b)は、撮影した画像データの記録先となる記録媒体を選択するためのメニュー画面を例示している。ユーザが画面を操作することにより、画像データの記録先の記録媒体を選択可能である。メニュー画面中の選択肢にはスロット名が表示され、選択されたスロットに挿入されている記録媒体が記録先として設定される。
【0042】
図4(c)、(d)は、記録媒体に関する機能を設定するためのメニュー画面を例示している。ユーザが画面を操作することにより、記録先の記録媒体の機能を設定可能である。本例では、図4(c)には通信機能に関する設定項目が表示されていないのに対し、図4(d)には通信機能に関する設定項目が表示されている。通信機能に関する設定項目が選択されると、図4(e)に示す転送機能の設定画面が表示され、通信機能付き記録媒体の通信機能をオンまたはオフにすることができる。
【0043】
このように、図4(c)または(d)の2種類のメニュー画面を表示する理由は以下の通りである。すなわち、通信機能に関する設定を行う必要がない場合に通信機能に関する項目が選択可能に表示されると、ユーザはメニュー画面の操作において混乱してしまう可能性がある。そこで、本実施形態では、ユーザを混乱させないよう、通信機能に関する設定項目を表示しない図4(c)の画面が用意されている。
【0044】
さらに図4(c)と(d)のメニュー画面の使い分けについて説明する。例えば、単一の記録媒体しか装着できないカメラであれば、通信機能付き記録媒体が装着されている場合、図4(d)のメニュー画面を表示し、装着されていなければ図4(c)のメニュー画面を表示するように制御することが想定できる。
【0045】
しかしながら、本実施形態のように、複数の記録媒体が装着可能かつ記録先の記録媒体を選択可能な場合は、上記のような制御では十分ではない。例えば、記録先がスロット1の通常記録媒体である場合は、たとえスロット2に通信機能付き記録媒体が装着されていたとしても、通信機能に関する設定項目を表示しない方がユーザの混乱を防止する観点からは好ましい。
【0046】
そこで本実施形態では、通信機能付き記録媒体が装着されているか否かの判定結果と、記録先の記録媒体の種別に応じて、図4(c)または(d)のメニュー画面を表示するように制御する。なお、本実施形態では、図4(c)のように通信機能に関する設定項目を非表示としたが、必ずしも非表示という形態をとる必要はない。例えば、通信機能に関する設定項目をグレーアウトしたり、カーソル等による選択対象から除外したり、カーソル等で選択すると警告を表示したりしてもよい。つまり、ユーザが、通信機能に関する設定項目を実質的に選択できないようにすればよい。
【0047】
以下、図5のフローチャートを参照して、実施形態1のメニュー表示処理について説明する。図5の処理は、ユーザにより記録先を選択するためのメニュー画面を表示する操作がなされると、マイコン302がメモリ328に格納されたプログラムを読み出して実行し、各部の入力信号やプログラムに従ってカメラの各部を制御することにより実現される。
【0048】
図5において、ユーザが液晶表示部317に表示されたメニュー画面から、電子ダイヤル311を操作することで記録先の記録媒体のスロットを選択すると、マイコン302はユーザ操作に応じた記録先に設定・変更する(S501)。この場合の記録先の選択項目は記録媒体の種類を選択してもよいし、各記録媒体に割り当てられたドライブレターのような記号を表示し選択してもよい。
【0049】
本実施形態では、記録媒体330として通常記録媒体が、記録媒体331として通信機能付き記録媒体が記録媒体I/F319の各スロットに装着されているものとする。
【0050】
S501で記録先が選択されると、マイコン302は記録媒体の変更があったか判定する。ここでは、通常記録媒体330から通信機能付き記録媒体331への変更か、通信機能付き記録媒体331から通常記録媒体330への変更があったか否かを判定する(S502)。記録媒体の変更がない場合はS501にリターンする。
【0051】
一方、記録先の記録媒体に変更があった場合(S502)、マイコン302は記録媒体I/F319を介して、変更後の記録先の記録媒体との通信を試みて、変更後の記録媒体が通信機能付き記録媒体か否かを判定する(S503)。ここで、まず通常記録媒体330から通信機能付き記録媒体331へ記録先が変更された場合を考える。この場合、マイコン302は、記録媒体I/F319を介して通信機能付き記録媒体331と通信する。具体的には、マイコン302は通信機能付き記録媒体331の通信機能モジュールと通信できるプロトコルを使用し通信を行う。通信機能付き記録媒体331はマイコン302からのリクエストに対して、通信機能を有することを示す所定の応答を行う。所定の応答については、例えば通信機能付き記録媒体331がメーカーコードとプロダクトコードを返信し、それらの各情報に応じてマイコン302が通信機能付き記録媒体か否かを判定する。もちろん、別の応答内容または別の通信方法によって判定してもよい。
【0052】
マイコン302は通信機能付き記録媒体であると判定すると(S503)、記録媒体に関する設定項目を表示する際に通信機能に関する設定項目を表示するよう内部状態を設定し、保持する。なお、この内部状態は記録媒体を選択するごとに更新してもよいし、カメラの起動時に装着されている記録媒体の種類をチェックし、内部状態を設定してもよい。また、スロット開閉蓋が開いたことに応じて既に設定されていた内部状態をクリアし、新たな内部状態に更新してもよい。
【0053】
S503で通信機能付き記録媒体であると判定すると、マイコン302は図4(d)に示す通信機能に関する設定項目を表示する(S504)。この処理により、ユーザはメニュー画面に表示されている設定項目を見ながら、電子ダイヤル311を操作して、必要な設定項目を選択し設定を指示することが可能となる。そしてマイコン302は、ユーザの操作に基づき設定を行う(S505)。
【0054】
なお、本実施形態では通信機能に関する設定項目として、通信機能付き記録媒体の通信機能のオンまたはオフを例示したが、これに限られない。例えば、通信機能の消費電力を制御するパラメータなど、他の設定を行えるようにしてもよい。
【0055】
次に、S501にて通信機能付き記録媒体331から通常記録媒体330に記録先が変更された場合について説明する。
【0056】
ユーザが記録先の記録媒体を選択・変更する操作を行うと、マイコン302は変更後の記録先が通信機能付き記録媒体か否かを判定する(S503)。ここで変更後の記録媒体330は通常記録媒体ではあるが、この時点でマイコン302はそれを知ることはできないため、まず記録先の記録媒体330が通信機能付き記録媒体であるとみなして通信を試みる。すなわち、通信機能付き記録媒体331の通信機能モジュールと通信できるプロトコルを使用し通信を試みる。ところが、通常記録媒体330は通信機能を有さないため、マイコン302へ通信機能付き記録媒体としての所定の応答を行うことはできない。このため、マイコン302は所定の応答が得られなかったことで、変更後の記録媒体330が通常記録媒体であると判定する(S503)。
【0057】
マイコン302は記録媒体330が通信機能を有さないと判定すると、記録媒体に関する設定項目を表示する際に通信機能に関する設定項目を表示しないよう内部状態を設定し、保持する。
【0058】
S503で通常記録媒体であると判定すると、マイコン302は図4(c)に示す設定項目を表示する(S504)。この処理により、ユーザはメニュー画面に表示されている設定項目を見ながら、電子ダイヤル311を操作して、必要な設定項目を選択し設定を指示することが可能となる。そしてマイコン302は、ユーザの操作に基づき設定を行う(S505)。
【0059】
[実施形態2]上述した実施形態1では、記録先の記録媒体が通信機能を有するか否かに応じて、メニュー画面を表示する際に記録媒体に関する設定項目を制御していた。ここで、通信機能付き記録媒体から通常記録媒体へ記録先が変更されたとすると、通信機能付き記録媒体によるデータ転送中に記録先の記録媒体が変更される可能性がある。この場合、データ転送中であることをユーザへ通知しなければ、ユーザは既に記録先の記録媒体を変更したことを理由に、データ転送中の通信機能付き記録媒体をカメラ本体100から取り外してしまうおそれがある。
【0060】
このような事態に対処するため、実施形態2では、通信機能付き記録媒体から通常記録媒体へ記録先が変更された場合に、データ転送中である旨の警告表示を行うようにしたものである。
【0061】
以下、図6のフローチャートを参照して、実施形態2のメニュー表示処理について説明する。図6の処理は、ユーザにより記録先を選択するためのメニュー画面を表示する操作がなされると、マイコン302がメモリ328に格納されたプログラムを読み出して実行し、各部の入力信号やプログラムに従ってカメラの各部を制御することにより実現される。
【0062】
なお、図6のS601〜S605の処理は、図5のS501〜S505と同様であるので、以下では本実施形態に特有の処理についてのみ説明する。
【0063】
マイコン302は、記録先が通信機能付き記録媒体331から通常記録媒体330に変更されたと判定すると(S603)、変更前の通信機能付き記録媒体331と通信を行い、その応答により現在の状態がデータ転送中か否かを判定する(S606)。ここで通信機能付き記録媒体331がデータ転送中でない場合、マイコン302は通常記録媒体330が記録先に選択されたこと、通信機能に関する設定項目を表示しない図4(c)のメニュー画面を表示するように内部状態を設定、保持する(S610)。
【0064】
一方、通信機能付き記録媒体331がデータ転送中であった場合、メニュー画面にデータ転送中であることを示す警告表示と、ユーザにデータ転送を中断するか否かを選択させる警告表示を表示する(S607)。ここで、ユーザがメニュー画面からデータ転送を中断することを選択した場合、マイコン302は通信機能付き記録媒体331へ通信中断処理要求を送り、記録媒体331に対して通信中断処理を行う(S608)。同時に、マイコン302は通信機能に関する設定項目を表示する図4(d)のメニュー画面を表示するように内部状態を設定し、保持する(S609)。
【0065】
また、ユーザが警告表示において、データ転送を中断しないことを選択した場合は、マイコン302は通信機能付き記録媒体331に対して、現在のデータ転送が終了するまで通信を継続するように指示を出す(S611〜S613)。なお、通信機能付き記録媒体331への通信継続指示は現在転送中の画像データを対象としても、未転送の画像データを対象としてもよい。
【0066】
そして、データ転送が終了すると、マイコン302は通常記録媒体330が記録先に選択されたこと、通信機能に関する設定項目を表示しない図4(c)のメニュー画面を表示するように内部状態を設定、保持する(S610)。
【0067】
[実施形態3]以下、図7のフローチャートを参照して、実施形態3のメニュー表示処理について説明する。図7の処理は、ユーザにより記録先を選択するためのメニュー画面を表示する操作がなされると、マイコン302がメモリ328に格納されたプログラムを読み出して実行し、各部の入力信号やプログラムに従ってカメラの各部を制御することにより実現される。
【0068】
なお、図7のS701〜S703、S706〜S707の処理は、図5のS501〜S505と同様であるので、以下では本実施形態に特有の処理についてのみ説明する。また、図7のS708は、図5のS506または図6のS606〜613の処理に相当する。
【0069】
図7において、マイコン302は、記録先が通常記録媒体330から通信機能付き記録媒体331に変更されたと判定すると(S703)、通信機能に関する設定項目を表示する図4(d)のメニュー画面を表示するように内部状態を設定し、保持する。また、マイコン302は変更後の通信機能付き記録媒体中に通信機能に関する他の追加情報が存在するか判定する(S704)。例えば、マイコン302は記録媒体中に、HTTPサーバの画面に関するhtmlファイルを見つけた場合、HTTPサーバに関する設定項目をメニュー画面に表示する。上記追加情報は、マイコン302はHTTPサーバのアクセスアカウントファイルを通信機能付き記録媒体中に見つけると、通信機能に関する設定項目に追加してアカウント設定項目や設定内容の表示を行う。
【0070】
なお、ここではHTTPサーバ機能に関して記載したが、本機能はホットスポットなどの通信接続先情報やアカウント情報など、通信機能と関連して使用する機能の設定もしくは関連情報であってもよい。
【0071】
[実施形態4]次に、図8を参照して、実施形態4のメニュー表示処理について説明する。本実施形態は、カメラに装着された記録媒体が全て通信機能付き記録媒体の場合、記録先として選択している記録媒体によって、記録先の記録媒体に関する設定項目を選択的に表示し、選択されていない記録媒体に関する設定項目は表示しないように制御する。
【0072】
例えば、図8に示す通信機能付き記録媒体330のメニュー画面803と通信機能付き記録媒体331のメニュー画面804で説明する。
【0073】
メニュー画面803は例えばタブ形式の表示方法で表示され、記録先として選択されている記録媒体に関する設定項目だけを表示する。そのため、電子ダイヤル311の操作によってメニュー画面804へ表示を切り替えることはできない。
【0074】
ユーザがメニュー画面において記録先の記録媒体を変更する(801、802)までメニュー画面804は表示されない。
【0075】
通信機能に関する設定項目も、記録媒体330、331の機能情報に応じて、記録先の記録媒体803、804ごとにメニュー画面801、802に表示される。
【0076】
[他の実施形態]本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信機能を有しない通常記録媒体と通信機能付き記録媒体とが着脱可能である撮像装置であって、
撮影された画像データの記録先の記録媒体を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された記録先の記録媒体に関する設定画面を表示する表示手段と、
前記通常記録媒体が記録先として選択された場合、前記設定画面において前記通信機能付き記録媒体に関する通信機能の設定項目を選択できないよう前記表示手段を制御する制御手段と、を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記選択手段により前記通常記録媒体が記録先として選択された場合、変更前の記録先が前記通信機能付き記録媒体であったならば、当該通信機能付き記録媒体がデータ転送中か否かを判定する判定手段を更に有し、
前記表示手段は、前記通信機能付き記録媒体がデータ転送中であった場合、その旨の警告表示を行うことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記表示手段は、前記通信機能付き記録媒体がデータ転送中であった場合、当該データ転送を中断するか否かをユーザに選択させる警告表示を行うことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記通信機能の設定項目は、通信機能のオンまたはオフであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記表示手段は、前記通信機能の設定画面に、前記記録先の記録媒体に記録されているデータに関する項目を表示することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記表示手段は、前記通信機能の設定画面に、前記記録先の記録媒体の通信接続先に関する項目を表示することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記制御手段は、複数の前記通信機能付き記録媒体が接続されている場合、記録先として選択されている記録媒体に関する設定項目を前記通信機能の設定画面に表示し、記録先として選択されていない記録媒体に関する設定項目は前記通信機能の設定画面に表示しないよう前記表示手段を制御することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項8】
通信機能を有しない通常記録媒体と通信機能付き記録媒体とが着脱可能である撮像装置の制御方法であって、
撮影された画像データの記録先の記録媒体を選択する選択工程と、
前記選択された記録先の記録媒体に関する設定画面を表示部に表示する表示工程と、
前記通常記録媒体が記録先として選択された場合、前記設定画面において前記通信機能付き記録媒体に関する通信機能の設定項目を選択できないよう前記表示部を制御する制御工程と、を有することを特徴とする制御方法。
【請求項9】
コンピュータを、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の撮像装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項10】
コンピュータを、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の撮像装置の各手段として機能させるためのプログラムを記憶したコンピュータによる読み取りが可能な記憶媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2013−30938(P2013−30938A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−164764(P2011−164764)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】