説明

撮像装置及びその制御方法

【課題】自動転送記録媒体から画像ファイルを転送した際に、同一のファイル名を有する画像ファイルの存在により、転送が不可能または上書きしてしまうことを防止する。
【解決手段】自動転送記録媒体が検出された場合に、新たに記録される画像に付されるファイル名を選択可能な複数の命名規則のうち、前回記録した画像ファイルに対して付した番号の次の番号を有するファイル名を生成する命名規則に変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像ファイルのファイル名を生成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラ等の撮像装置で撮像された画像ファイルは、当該撮像装置に接続されている記録媒体に記録され、例えばユーザは記録媒体をPC等の外部装置に接続し、記録した画像ファイルを移動することにより、撮像した画像ファイルを管理している。近年、このような撮像装置に接続されて使用される記録媒体の中には、無線通信手段を有し、外部装置への画像ファイルの転送を、自動的に行うことが可能な自動転送記録媒体がある。
【0003】
しかしながら、このような自動転送記録媒体は、記録されている画像ファイルを、ファイル名を変更することなく自動的に外部装置へ転送するため、次のような問題があった。即ち、例えば外部装置の画像ファイルの格納先に、転送する画像ファイルと同一のファイル名を有する画像ファイルが存在する場合、画像ファイルを転送できない、または画像ファイルを上書きしてしまうことがあった。特許文献1には、このように転送先のディレクトリに同一のファイル名のファイルが存在する場合に、新たなディレクトリを作成して、ファイルの上書きを回避する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−020876号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら特許文献1のような、同一のファイル名のファイルが転送先に存在する度に新たなディレクトリを作成する方法を用いた場合、ユーザが意図しないディレクトリが多数作成されてしまうことが考えられる。即ち、ユーザは転送されたファイルを探すために、複数のディレクトリを参照する必要があり、煩雑な操作が要求される問題があった。
【0006】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、自動転送記録媒体から画像ファイルを転送した際に、同一のファイル名を有する画像ファイルの存在により、転送が不可能または上書きしてしまうことを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述の目的を達成するために、本発明の撮像装置は、以下の構成を備える。
撮像装置であって、記録媒体が接続されたことを検出する検出手段と、検出手段により検出された記録媒体が、当該記録媒体に記録されている画像ファイルを、外部装置に無線で自動的に転送する自動転送記録媒体であるか否かを判別する判別手段と、被写体を撮像し、画像を出力する撮像手段と、撮像手段により出力された画像のファイル名を、前回記録した画像ファイルに対して付した番号の次の番号を有するファイル名を生成する第1の命名規則を含む、複数の命名規則のうちのいずれの命名規則で生成するかをユーザに選択させる選択手段と、選択手段により選択された命名規則で、画像のファイル名を生成する生成手段と、判別手段により記録媒体が自動転送記録媒体であると判別された場合に、生成手段を第1の命名規則でファイル名を生成させるようにし、選択手段を第1の命名規則以外の命名規則を選択不可能にするように制御する制御手段と、生成手段により生成されたファイル名で、画像を記録媒体に画像ファイルとして記録する記録手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
このような構成により本発明によれば、自動転送記録媒体から画像ファイルを転送した際に、同一のファイル名を有する画像ファイルの存在により、転送が不可能または上書きしてしまうことを防止することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態に係るデジタルカメラ及び自動転送メモリカードの機能構成を示したブロック図。
【図2】実施形態1に係る命名規則決定処理のフローチャート。
【図3】実施形態に係る命名規則変更のGUIを説明するための図。
【図4】実施形態2に係るファイル記録処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施形態1)
以下、本発明の好適な一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する一実施形態は、撮像装置の一例としての、画像ファイルに付すファイル名について、複数の命名規則のうちのいずれかの命名規則を選択可能、かつ自動転送機能を有する記録媒体を判別可能なデジタルカメラに、本発明を適用した例を説明する。しかし、本発明は、複数の命名規則のうちのいずれかの命名規則を選択可能、かつ自動転送機能を有する記録媒体を判別可能な任意の機器に適用可能である。
【0011】
また、各実施形態において、「命名規則」とは、日本電子工業振興協会(JEIDA)のDCF規格(Design rule for Camera File system)に準拠した、画像ファイルに付すファイル名を生成する際のルールを表す。なお、DCF規格は、ディレクトリ名及びファイル名に文字列と複数桁の番号を含み、生成するディレクトリ名及びファイル名に付す番号を制御することにより、撮像された画像ファイルを上書きすることなく、それぞれ独立して記録することができる。またDCF規格ではファイル名に記載する番号及び文字列の桁数を定義しており、当該番号の生成順序については規定していないが、一般的なデジタルカメラにおいてはアルゴリズムの簡素化やファイルのソート順序を考慮し、昇順となるよう、順に番号が付される。
【0012】
本実施形態のデジタルカメラでは、DCF規格に準拠した命名規則として「通し番号」及び「オートリセット」の2種類の命名規則をユーザは切り替えて使用できるものとする。通し番号命名規則(第1の命名規則)は、デジタルカメラは前回記録した画像ファイルに付したファイル名が有する番号を記憶しておき、新たに記録する画像ファイルについて、記憶していた番号の次の番号を有するファイル名を生成する命名規則である。また、オートリセット命名規則(第2の命名規則)では、デジタルカメラは、デジタルカメラに接続されたメモリカード等の記録媒体から、当該記録媒体に記録されている画像ファイルに付されているファイル名を検索する。そして、記録媒体に記録されている画像ファイルの、ファイル名が有する番号のうち、最大の番号の次の番号を有するファイル名を生成する。いずれの命名規則であっても、画像ファイルに付すファイル名に含まれるファイル番号が所定の最大値を超えた場合は、記録中のディレクトリのディレクトリ名に含まれるディレクトリ番号の次の番号を付したディレクトリを新たに作成する。そして、当該新たに作成されたディレクトリに、所定の最小値のファイル番号を有するファイル名で画像ファイルを記録する。なお、本実施形態のデジタルカメラは2つの命名規則を切り替えることが可能であるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限らず、少なくとも通し番号命名規則を含む複数の命名規則から1つの命名規則を選択可能な構成であって構わない。
【0013】
図1は、本発明の実施形態に係るデジタルカメラ100の機能構成を示すブロック図である。
制御部101は、例えばCPUであり、フラッシュメモリ102からデジタルカメラ100が備える各ブロックの動作プログラムを読み出し、RAM103に展開して実行することにより、デジタルカメラ100が備える各ブロックの動作を制御する。フラッシュメモリ102は、書き換え可能な不揮発性メモリであり、デジタルカメラ100が備える各ブロックの動作プログラムに加え、各ブロックの動作において必要な設定値や後述する表示部109に表示するGUIデータ等を記憶する。RAM103は、書き換え可能な揮発性メモリであり、デジタルカメラ100が備える各ブロックの動作において、一時的なデータの格納や作業領域として用いられる。本発明において、ファイル名が付される前の画像のデータは、RAM103に一時的に記憶され、接続された記録媒体に記録される際に、ファイル名が付されて画像ファイルとして記録されるものとする。
【0014】
撮像部104は、光学系、CCDやCMOSセンサ等の撮像素子、及びA/D変換回路から構成されるブロックである。具体的には撮像部104は、光学系を介して結像された被写体の光学像を撮像素子で光電変換して出力したアナログ画像信号を、A/D変換回路でA/D変換することによりデジタル画像データを出力し、RAM103に記憶させる。画像処理部105は、撮像部104から出力されたデジタル画像データに対し、例えば色調補正やゲイン調整等の所定の画像処理を適用し、さらに記録形式として予め設定された符号化方式に画像データを符号化して再びRAM103に記憶させる。
【0015】
カードI/F106は、デジタルカメラ100が備える、記録媒体とのデータの読み書きを行うための入出力インタフェースである。カードI/F106には、例えばメモリカードやHDD等の記録装置が着脱可能に接続されるものとし、カードI/F106は記録媒体が接続されたことを検出すると、制御部101に記録媒体の検出を伝送する。カード判別部107は、記録媒体の検出を受け、カードI/F106に接続された記録媒体が、無線通信手段を備える自動転送記録媒体であるか否かを判別する。具体的には、例えばカード判別部107は検出された記録媒体に対して、所定のプロトコルに従ったカード種別を判別するためのコマンド信号を送信し、所定のレスポンス信号を受信した場合に自動転送記録媒体が接続されていると認識することができるものとする。
【0016】
表示部109は、例えば小型LCD等のデジタルカメラ100に備えられた表示装置であり、撮像部104から出力された画像データや記録媒体に記録されている画像ファイルの表示や、フラッシュメモリ102に記憶されているGUIデータ等を表示する。ファイル名生成部108は、デジタルカメラ100が備える、記録する画像データに対して付すファイル名を決定するブロックである。本実施形態のデジタルカメラ100では、ユーザは上述した「通し番号」及び「オートリセット」の2つの命名規則を選択可能であり、ファイル名生成部108は選択された命名規則に従って画像データに付すファイル名を生成する。命名規則の選択は、例えば表示部109に、図3のようなメニュー画面のGUIデータを表示させ、ユーザに選択させればよい。図3(a)、(b)はそれぞれ「通し番号」「オートリセット」の命名規則(ネーミングルール)が選択されている場合の表示を表す。なお、選択されている命名規則の情報は、例えばフラッシュメモリ102に記憶され、デジタルカメラ100の起動時には選択されている命名規則の情報を制御部101が読み出し、ファイル名生成部108に伝送すればよい。
【0017】
また、図1のデジタルカメラ100のブロック図では、自動転送機能を備える記録媒体(自動転送メモリカード)200が接続されている構成となっている。自動転送メモリカード200は、カード制御部201、カードメモリ202及び無線通信部203から構成される。カード制御部201は、自動転送メモリカード200が備える各ブロックの動作を制御するブロックである。なお、カード制御部201は、デジタルカメラ100から所定のプロトコルに従ったカード種別を判別するためのコマンド信号を受信すると、自動転送記録媒体であることを示すレスポンス信号を100に対して送信する。カードメモリ202は、例えばNAND型フラッシュメモリ素子であり、画像ファイル等のデータを記録する。カード制御部201はデジタルカメラ100から書き込みコマンドと共に画像ファイルを受信すると、カードメモリ202に画像ファイルの書き込みを行う。無線通信部203は、例えばRF回路であり、自動転送メモリカード200がデジタルカメラ100に接続された状態で無線通信可能な環境にある場合、カードメモリ202に記憶されている画像ファイルを、ファイル名を維持したまま送信する。無線通信部203により送信された画像ファイルは、予め定められた外部装置の格納先に格納される。
【0018】
(命名規則決定処理)
このような構成をもつ本実施形態のデジタルカメラ100の命名規則決定処理について、図2のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。当該フローチャートに対応する処理は、制御部101が、例えばフラッシュメモリ102に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、RAM103に展開して実行することにより実現することができる。なお、本命名規則決定処理は、例えばデジタルカメラ100に新たに記録媒体が接続されたことがカードI/F106で検出された際に開始されるものとして説明する。
【0019】
S201で、制御部101は、検出された記録媒体の種別を判別する。具体的には、制御部101は、カード判別部107にカード種別を判別するためのコマンド信号を、検出された記録媒体に対してカードI/F106を介して送信させる。そしてS202で制御部101は、検出された記録媒体が自動転送記録媒体であった場合は処理をS203に移し、検出された記録媒体が自動転送記録媒体ではない場合は処理をS205に移す。
【0020】
S203で、制御部101は、画像ファイルの命名規則を「通し番号(第1の命名規則)」に設定し、さらにS204で第1の命名規則以外の命名規則への変更を不可能にする。具体的には、制御部101はフラッシュメモリ102に記憶されている、現在選択されている命名規則の情報を「通し番号」に書き換えると共に、ファイル名生成部108の命名規則の設定を「通し番号」に設定する。また制御部101は、例えば表示部109に表示させる、ユーザに命名規則を設定させるメニュー画面のGUIデータにおいて、命名規則の項目を図3(c)のようにグレーアウト表示して選択不可能にすることで、命名規則の変更を不可能にする。なお、検出された記録媒体が自動転送記録媒体でない場合は、制御部101はS205で命名規則の変更を可能にする。
【0021】
以上説明したように、本実施形態の撮像装置は、自動転送記録媒体が記録された画像ファイルを外部装置に転送する際に、同一のファイル名の存在することによって転送が不可能になったり、当該画像ファイルを上書きしてしまうことを予防することができる。具体的には撮像装置は、自動転送記録媒体が検出された場合に、新たに記録される画像に付されるファイル名を選択可能な複数の命名規則のうち、前回記録した画像ファイルに対して付した番号の次の番号を有するファイル名を生成する命名規則に変更する。
【0022】
このように、自動転送記録媒体が接続された場合に、画像ファイルの命名規則を「通し番号」に設定することで、少なくとも自動転送記録媒体において同一のファイル名を有する画像ファイルが生成されることを防止することができる。即ち、画像ファイルが外部装置に自動転送される際に、少なくとも自動転送記録媒体から既に転送された画像ファイルが原因で転送が不可能になったり、画像ファイルの上書きが発生することを回避することが可能となる。
【0023】
(実施形態2)
上述した実施形態1では、自動転送記録媒体は記録されている画像ファイルを、単に外部装置に転送するものとして説明したが、本実施形態の自動転送記録媒体はさらに以下の機能を有するものとする。本実施形態の自動転送記録媒体は、外部装置において画像ファイルの撮像された時間(例えば、撮像日、撮像月、撮像した時間帯等)により格納されるディレクトリが自動的に分類されるものとする。
【0024】
このように格納されるディレクトリが撮像された時間で変更される場合、DCF規格に準拠したファイル名の命名規則では、次のような問題が起こる。例えば自動転送記録媒体において、画像ファイルに付されるファイル名が有するファイル番号が最大値に到達した場合、ディレクトリ番号が次の番号のディレクトリに、新たにファイル番号の最小値から順にファイル名が生成されて記録される。このとき、自動転送されて格納される外部装置のディレクトリにおいて、画像ファイルのファイル名が有するファイル番号の順番と、画像ファイルが撮像された順とが異なる状況が起こりうる。即ち、本来はファイル番号が昇順に付けられる設定となっているにも関わらず、ファイル名順では時系列順に並ばないため、ユーザは所望の画像ファイルを探すためにソート順を考慮する必要がある。
【0025】
このような状況を回避するために、例えば撮像日ごとに外部装置で格納されるディレクトリが変更される場合は、撮像日が変わる毎に、命名規則で生成されるファイル名が有するファイル番号を、所定の番号に変更する。即ち、本実施形態の撮像装置では、格納先のディレクトリが変更される際に、自動転送記録媒体に記録する画像ファイルのファイル名が有するファイル番号を、ファイル番号の最大値より小さい値から開始させるようにする。なお、所定の番号は、当該所定の番号からファイル番号の最大値までの間で取り得る番号の数が、例えば本実施形態では同一の撮像日に記録されるであろう画像ファイルの数を許容する番号であればよい。これにより、格納先のディレクトリには、画像ファイルを時系列順に並べた際に、ファイル名が有するファイル番号順並ぶように格納されることができる。究極的には、格納先のディレクトリが変更される際に、ファイル名に含めるファイル番号の開始値を、当該ファイル番号の最小値とすることで、格納先のディレクトリで時系列順とファイル名順が異なる可能性を最小とすることができる。
【0026】
しかしながら、格納先のディレクトリが変更される際にファイル番号を所定の番号に変更することで、自動転送記録媒体で画像ファイルが記録されるディレクトリにおいて同一のファイル名の画像ファイルが記録されることがある。このため、本実施形態の撮像装置は、外部装置において画像ファイルが格納されるディレクトリが変更されるタイミングで、自動転送記録媒体においても画像ファイルを記録するディレクトリも変更する。このようにすることで、自動転送先の外部装置において、同一のファイル名を有する画像ファイルの存在により転送が不可能となる、またはファイルを上書きしてしまうことを防止しつつ、ファイル番号の順序を時系列順にすることができる。
【0027】
(ファイル記録処理)
このような構成をもつ本実施形態のデジタルカメラ100のファイル記録処理について、図4のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。当該フローチャートに対応する処理は、制御部101が、例えばフラッシュメモリ102に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、RAM103に展開して実行することにより実現することができる。なお、本ファイル記録処理は、例えばデジタルカメラ100に自動転送記録媒体が接続され、かつ撮像した画像の記録指示がユーザによってなされた際に開始されるものとして説明する。なお、本実施形態においても、上述した実施形態1と同様に、自動転送記録媒体が検出された際にはデジタルカメラ100はファイル名の命名規則を「通し番号」に設定するものとする。また、本実施形態において、自動転送記録媒体に記録されている画像ファイルは、自動転送先の外部装置において、撮像日ごとに異なるディレクトリに分類されて格納されるものとする。
【0028】
S401で、制御部101は、ユーザにより記録指示がなされた画像を取得し、例えばRAM103に記憶させる。具体的には、制御部101は、撮像部104により撮像され、画像処理部105において所定の記録形式に変換されて出力された画像データを取得し、RAM103に記憶させる。
【0029】
S402で、制御部101は、S401で撮像された画像データが出力された時刻を表す撮像された時刻の情報と、前回記録された画像ファイルの撮像された時刻の情報とを比較する。そしてS403で制御部101は、2つの撮像された時刻の情報が、同一の時刻の範囲に含まれる場合は処理をS404へ、異なる時刻の範囲に含まれる場合は処理をS407に処理を移す。具体的には、制御部101は、2つの撮像された時刻の情報が、同一の撮像日を有するか否かを判断する。なお、前回記録された画像ファイルの撮像された時刻の情報は、例えば前回記録された画像ファイルのファイル名に含まれたファイル番号とともに、フラッシュメモリ102に記憶されていればよい。
【0030】
S404で、制御部101は、前回記録された画像ファイルが記録されている、自動転送記録媒体におけるディレクトリとは異なるディレクトリを作成する。なお、当該新たに作成されたディレクトリのディレクトリ名は、本実施形態ではDCF規格に準拠するものとする。即ち、例えば前回記録された画像ファイルが記録されているディレクトリのディレクトリ名が、ディレクトリ番号の最大値999を有する場合、最小値の100のディレクトリが生成されればよい。なお、このとき自動転送記録媒体において、同一のディレクトリ名を有するディレクトリが既に存在する場合は、当該既に存在するディレクトリのディレクトリ名を変更すればよい。
【0031】
S405で、制御部101は、新たに作成されたディレクトリに記録される、S401でRAM103に記憶された画像データに付されるファイル名に含まれるファイル番号が、所定のファイル番号より小さいか否かを判断する。上述したように、本実施形態のデジタルカメラ100は自動転送記録媒体により転送される外部装置の格納先のディレクトリにおいてファイル番号順と時系列順とが同一となるようにする。このため、所定のファイル番号は、当該所定の番号からファイル番号の最大値までの間で取り得る番号の数が、例えば本実施形態では同一の撮像日に記録されるであろう画像ファイルの数を許容する番号であればよい。即ち、所定のファイル番号は、外部装置において画像ファイルの格納先が変更される条件によって、異なる値であってもよい。
【0032】
制御部101は、S401でRAM103に記憶された画像ファイルに付されるファイル名に含まれるファイル番号が、所定のファイル番号より大きい場合は処理をS406に移す。即ち、制御部101は、RAM103に記憶されている、最後に記録した画像ファイルのファイル名が有するファイル番号の次の番号が、所定のファイル番号より大きいか否かを判断する。また、制御部101は、ファイル名生成部108で生成されるファイル名に含まれるファイル番号が所定のファイル番号以下である場合は処理をS408に移す。
【0033】
S406で、制御部101は、RAM103に記憶されている、前回記録した画像ファイルのファイル名が有するファイル番号を、所定の番号の前の番号に変更して記憶する。即ち、制御部101は、次にファイル名生成部108で生成されるファイル名が所定の番号を有するように、前回記録した画像ファイルに付されたファイル名が有するファイル番号の情報を変更する。
【0034】
S407で、制御部101は、S401でRAM103に記憶した画像データに付す、ファイル名をファイル名生成部108に生成させる。具体的には、制御部101はRAM103に記憶されている、前回記録した画像ファイルに付されたファイル名が有するファイル番号の情報をファイル名生成部108に伝送し、ファイル名生成部108に通し番号の命名規則でファイル名を生成させる。
【0035】
S408で、制御部101は、S407でファイル名生成部108に生成させたファイル名を付して、RAM103に記憶されている画像データを、カードI/F106を介して自動転送メモリカード200に画像ファイルとして記録する。
【0036】
このようにすることで、自動転送先の外部装置において、同一のファイル名を有する画像ファイルの存在により転送が不可能となる、またはファイルを上書きしてしまうことを防止しつつ、ファイル番号の順序を時系列順にすることができる。
【0037】
なお、上述した実施形態1及び2では、自動転送記録媒体から外部装置に転送された画像ファイルが、少なくとも自動転送記録媒体から既に転送された画像ファイルが原因で転送が不可能になったり、画像ファイルの上書きが発生することを回避できると説明した。本発明はさらに、撮像装置に接続された記録媒体が自動転送記録媒体である場合とその他の記録媒体である場合とで、ファイル名に含まれる文字列を異ならせることにより、以下の効果を奏する。即ち、自動転送記録媒体から外部装置に転送された画像ファイルが、既に転送された画像ファイルと同一のファイル名を有することにより生じる、画像ファイルを上書きしてしまう等の状況を回避することができる。
【0038】
(その他の実施形態)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置であって、
記録媒体が接続されたことを検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された前記記録媒体が、当該記録媒体に記録されている画像ファイルを、外部装置に無線で自動的に転送する自動転送記録媒体であるか否かを判別する判別手段と、
被写体を撮像し、画像を出力する撮像手段と、
前記撮像手段により出力された前記画像のファイル名を、前回記録した画像ファイルに対して付した番号の次の番号を有するファイル名を生成する第1の命名規則を含む、複数の命名規則のうちのいずれの命名規則で生成するかをユーザに選択させる選択手段と、
前記選択手段により選択された命名規則で、前記画像のファイル名を生成する生成手段と、
前記判別手段により前記記録媒体が前記自動転送記録媒体であると判別された場合に、前記生成手段を前記第1の命名規則で前記ファイル名を生成させるようにし、前記選択手段を前記第1の命名規則以外の命名規則を選択不可能にするように制御する制御手段と、
前記生成手段により生成された前記ファイル名で、前記画像を前記記録媒体に画像ファイルとして記録する記録手段と、を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記外部装置は、前記自動転送記録媒体から自動転送された画像ファイルを、当該画像ファイルの撮像された時刻の範囲ごとに異なるディレクトリに格納するように構成され、
前記判別手段により前記記録媒体が前記自動転送記録媒体であると判別され、かつ前記撮像手段により新たな画像が出力された際に、当該画像が撮像された時刻と、前記自動転送記録媒体に前回記録された画像ファイルの撮像された時刻とが、それぞれ異なる前記時刻の範囲に含まれるのであれば、
前記生成手段は、前記第1の命名規則で生成するファイル名を、前記前回記録された画像ファイルのファイル名が有する番号よりも小さい所定の番号を有するように生成し、
前記記録手段は、前記自動転送記録媒体に新たなディレクトリを作成し、前記生成手段により生成された前記所定の番号を有するファイル名で、前記新たな画像を前記新たなディレクトリに記録することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記所定の番号は、前記ファイル名に含めることができる最小の番号であることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記複数の命名規則は、前記第1の命名規則と、前記記録媒体に記録されている画像ファイルのファイル名が有する番号のうち、最大の番号の次の番号を有するファイル名を生成する第2の命名規則とからなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
撮像装置の制御方法であって、
検出手段が、記録媒体が接続されたことを検出する検出工程と、
判別手段が、前記検出工程において検出された前記記録媒体が、当該記録媒体に記録されている画像ファイルを、外部装置に無線で自動的に転送する自動転送記録媒体であるか否かを判別する判別工程と、
撮像手段が、被写体を撮像し、画像を出力する撮像工程と、
選択手段が、前記撮像工程において出力された前記画像のファイル名を、前回記録した画像ファイルに対して付した番号の次の番号を有するファイル名を生成する第1の命名規則を含む、複数の命名規則のうちのいずれの命名規則で生成するかをユーザに選択させる選択工程と、
生成手段が、前記選択工程において選択された命名規則で、前記画像のファイル名を生成する生成工程と、
制御手段が、前記判別工程において前記記録媒体が前記自動転送記録媒体であると判別された場合に、前記生成工程において前記第1の命名規則で前記ファイル名を生成させるようにし、前記選択工程において前記第1の命名規則以外の命名規則を選択不可能にするように制御する制御工程と、
記録手段が、前記生成工程において生成された前記ファイル名で、前記画像を前記記録媒体に画像ファイルとして記録する記録工程と、を備えることを特徴とする撮像装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−49720(P2012−49720A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−188750(P2010−188750)
【出願日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】