説明

撮像装置及び撮像方法

【課題】撮像しメモリに記憶した画像情報につき、最新の画像情報は低い間引き率、古い画像情報は高い間引き率で広く保存しておくことができる撮像装置と撮像方法を提供する。
【解決手段】画像を撮像して画像情報を出力する撮像部13と、撮像部からの複数の画像情報を各々の記録日時情報と共に記憶領域に記録する記録部28と、現在日時と記録部が記録した記録日時情報とを比較してそれぞれの経過日時を求めて、経過日時が長い方の画像情報を経過日時が短い方の画像情報よりも高い間引き率で削除するべく制御する制御部20とを有する撮像装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、撮像装置に関し、特に、映像信号の画像ファイルの記録時からの経過日時に応じた画像情報間引き処理を行なう撮像装置と撮像方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、デジタル機器の普及に伴い、デジタルカメラ等の画像情報機器についても多くの機種が開発され製造されてきており、CCD(Charge Coupled Device)カメラ等の固体撮像素子の使用が一般化してきている。このような画像情報機器を例えば監視カメラとして連続使用する場合、内部メモリに格納される画像情報がメモリの記憶容量の負担となっていく傾向があり、これへの対策が必要とある。
【0003】
特許文献1は、電子スチルカメラであり、容量が不足した場合に、消去画面をユーザが選択して削除し、その前後の画面を連続する画面とする画像記録装置が示されており、更に、ここでは最も古い画像を自動的に削除することを奨励しており、ユーザの操作の負担を軽減させることができる。
【特許文献1】特開平10−276400号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術の方法では、ユーザが逐一、削除する画像を指定しなければならず、煩雑な操作をユーザに強いることとなる。又、一律に最も古い画像から削除していけば、ユーザの操作する必要はなくなるが、古い画像がメモリ内部から全くなくなってしまうため、以前の画面を参照したいと思っても古い画像を一切参照することができないという問題がある。
【0005】
本発明は、撮像しメモリに記憶した画像情報につき、最新の画像情報から古い画像情報まで広く保存しておくことができる撮像装置及び撮像方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る一実施形態は、上記課題を解決するべく、画像を撮像して画像情報を出力する撮像部と、前記撮像部からの複数の前記画像情報を各々の記録日時情報と共に記憶領域に記録する記録部と、現在日時と前記記録部が記録した前記記録日時情報とを比較してそれぞれの経過日時を求めて、経過日時が長い方の前記画像情報を経過日時が短い方の前記画像情報よりも高い間引き率で削除するべく制御する制御部とを具備することを特徴とする撮像装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、記憶容量の節約と画像情報の利用の利便性とを両立させることが可能な撮像装置及び方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る撮像装置を詳細に説明する。
【0009】
<本発明の一実施形態に係る撮像装置の一例>
(構成)
本発明の一実施形態に係る撮像装置を以下に図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る撮像装置の構成の一実施の形態を示すブロック図、図2は、本発明の一実施形態に係る撮像装置のネットワークとの接続方法の一例を示す説明図、図3は、本発明の一実施形態に係る撮像装置の構成の一実施の形態を示す断面図である。
【0010】
本発明の一実施形態に係る撮像装置10は、図1に示すように、対物レンズ11と、これを通過した入射光を受け、所定の露出値に応じた制御信号を受けこれに応じて機械的な露出補整を行うメカアイリス機構12と、露出補整された入射光を受けこれに応じた検出信号を出力するCCD(Charge Coupled Device)等による固体撮像素子13とを有している。更に、この固体撮像素子13は、タイミングジェネレータ15から、入射光に応じて検出信号を変換する変換処理のタイミングを制御するための制御信号を受けて、変換処理を行うものであり、この制御信号が与えるタイミングに応じても、露出補整が可能である。更に、固体撮像素子13からの検出信号は、ゲイン制御を行うA/Dコンバータ・AGC(Auto Gain Controller)回路14に供給され、デジタル信号に変換され、更に、タイミングジェネレータ15からの制御信号に応じて、適正な値に変換されて出力される。
【0011】
更に、撮像装置10は、A/Dコンバータ・AGC回路14からの出力を受ける画像処理部16と、ここで画像処理された画像信号をMPEG圧縮又はJPEG圧縮等の圧縮処理を行う画像圧縮部17とを有している。画像処理部16では、入力された画像信号に対して、例えば、シャープネス処理、コントラスト処理、ガンマ補正、ホワイトバランス処理、画素加算処理等の画像処理が施される。
【0012】
更に、撮像装置10は、全体の処理動作を制御し、後述する本発明の特徴である画像情報間引き処理を制御するMPU(Main Processing Unit)20と、これらの動作を司るプログラムを格納したり、画像信号の各処理動作を行うためのワークエリアを提供するためのメモリ21、及び、撮像した画像情報や動き検出等の際に記録されるアラーム映像やデータベース等が保存される記録メモリ28とを有している。
【0013】
更に、撮像装置10は、MPU20にデータバスを介して接続されて、イーサネット(Ethernet)(登録商標)通信部18と、無線LAN(Local Area Network)通信部19とを有しており、有線ネットワークN、又は、無線ネットワークを介して、例えば、外部のPC26や他の撮像装置10等との間で通信処理を行う。
【0014】
更に、撮像装置10は、MPU20にデータバスを介して接続され制御される、カメラユニットCをパン方向に駆動するためのパンドライバ22と、ステッピングモータ等のパンモータ24と、更に、カメラユニットCをチルト方向に駆動するためのチルトドライバ23と、ステッピングモータ等のチルトモータ25とを有している。ここで、カメラユニットは、少なくとも、上述した対物レンズCと、メカアイリス機構12と、固体撮像素子13とを有している。
【0015】
更に、撮像装置10は、図2に示すように、ネットワークNを介して、複数台、設けることが可能である。更に、ネットワークNを介して、PC26等により、撮像装置10のパン方向、チルト方向の駆動処理が可能であり、更に、撮像装置10で撮像した画像信号のモニタや、記録・再生処理が可能である。又、PC26は、マウス等のポインティングデバイス27が接続される。
【0016】
更に、撮像装置10は、図3に示すように、カメラユニットCと、これをパン方向に駆動するためのパンモータ24と、チルト方向に駆動するためのチルトモータ25と、更に、それ以外の図1に示した構成を有する電装部10−1とを有している。
【0017】
(基本動作)
このような構成を有する撮像装置10は、以下に述べるような基本動作を行うものである。すなわち、撮像装置10は、被写体からの入射光を受けその撮像画面に応じた画像信号をネットワーク等を介して供給する撮像動作、カメラユニットCの方向を、例えば、パン方向、チルト方向に駆動するカメラ駆動動作、更に、撮像した画像信号に基づく各動作モード(例えば、動き検出動作)や、後述する露出補整方法を設定する等の各種設定動作、自己テスト動作等を行うことができる。
【0018】
すなわち、撮像動作においては、ネットワークN(又は無線ネットワーク)を介して、制御装置であるPC26等から指示信号を受け、メモリ21に格納されている動作プログラムに応じて、MPU20の制御により行われるものである。被写体からの入射光を対物レンズ11を介して受けた固体撮像素子13は、これに応じた検出信号をA/Dコンバータ回路・AGC回路14に供給する。
【0019】
ここで、露出補整は、一例として、メカアイリス機構12、固体撮像素子13及びAGC回路14の制御によりそれぞれ行われる。すなわち、メカアイリス機構12は、MPU20からの露出制御信号を受けて、取り入れる光量を制御することで所望の露出補整を行う。又、固体撮像素子13は、電子シャッター機能としてシャッタースピードが補整されるものであり、同様にMPU20からの露出制御信号を受け、これに応じてタイミングジェネレータ15からタイミング信号が供給される。ここで、固体撮像素子13は、タイミング信号のタイミングに応じて入射光の検出信号への変換処理を行うことにより、シャッタースピードを調節することとなり、これにより露出補整を行うことができる。
【0020】
又、AGC回路14は、同様にMPU20からの露出制御信号を受けたタイミングジェネレータ15から制御信号が供給され、これに応じて、固体撮像素子13から供給された検出信号の利得を制御することで、露出補整を行う。又、ここでは、一例として、3段階の露出補整を示したが、露出補整はこれらのどれか一つによっても可能であり、又、画像処理部16の画素加算処理等によっても行うことができる。
【0021】
又、カメラ駆動動作においては、ステッピングモータであるパンモータ24とチルトモータ25とにおいてゼロ座標調整を経た後は、MPU20が、現在のカメラユニットCの方向を常に認識している。これにより、MPU20は、現在のカメラユニットCが撮像している画面の座標を常に管理するものであり、MPU20からドライバに供給される動作制御信号に応じて、パン方向又はチルト方向にカメラユニットCが駆動され撮像画面が変化すると同時に、MPU20は、現在の撮像画面の座標を常に認識している。従って、ユーザは、ネットワークを介して接続されたPC26等の画面から、現在の撮像装置10が供給しつづけている画像信号に応じた撮像画面を見ながら、カメラユニットCをパン方向又はチルト方向に移動することができ、移動に応じた撮像画面を見ることができる。又、MPU20は、現在の撮像画面の座標を認識し管理するものであり、ユーザも、操作に応じて、現在の撮像画面の座標情報を例えばPC26上にて取得することができる。
【0022】
又、記録動作モードにおいては、画像圧縮部17でJPEG圧縮又はMPEG圧縮等の画像圧縮を施したデータを、ユーザにより設定された任意のタイミングで、ユーザにより設定された任意の枚数、または任意の期間、記録メモリ28に記録する。
【0023】
又、各動作モード、例えば、動き検出動作モードにおいては、ユーザにより設定された任意の領域の画像の動きを撮像装置10が自動検出するものである。すなわち、動き検出動作モードの設定画面において、ユーザの操作に応じて、撮像画面中の動き検出の観察領域が設定されると、その後、設定された期間において、その観察領域に、撮像画面の所定値以上の変化を検出すると、MPU20は、動き検出ありと判断し、例えば、この期間の画像情報を記録メモリ28にアラーム映像として順次格納するという動作が好適である。
【0024】
<本発明の一実施形態に係る撮像装置における画像情報間引き処理>
次に、本発明の一実施形態に係る撮像装置における画像情報間引き処理について、図面を用いて詳細に説明する。図4は、本発明の一実施形態に係る撮像装置における画像情報の削除処理の一例を示す説明図、図5は、同じく撮像装置における画像情報の削除処理の他の一例を示す説明図、図6は、同じく撮像装置における画像情報の経過時間と間引き率との関係の一例を示すグラフ、図7は、同じく撮像装置における画像情報間引き処理の一例を示すフローチャート、図8は、同じく撮像装置における画像情報間引き処理の他の一例を示すフローチャートである。
【0025】
(間引き処理の一実施形態)
初めに、図4の撮像装置において、一つの具体的な画像情報間引き処理を図面を用いて説明する。図4において、撮像装置10の記録メモリ28が、画像ファイル1乃至画像ファイル27を記録する場合を説明する。ここでは、便宜的に、記録メモリ28が10個(10時間分)の画像ファイルしか格納できないものと想定して説明する。
【0026】
図4の表の横方向の画像ファイル番号は、仮に、撮像装置10で取得した1時間分の画像情報にそれぞれ添付された整理番号である。又、縦方向の時間は、開始してからの経過時間を意味しており、この例だと、1時間目画像ファイル乃至27時間目画像ファイルが途中、適宜、間引き処理がなされた上で示されている。
【0027】
ここで、従来の最も古い画像ファイルを順次削除していく方法であると、11時間目から最も古い画像ファイルを削除していくため、27時間目においては、18時間目画像ファイル乃至27時間目画像ファイルが残ることとなる。これでは、最近の10時間分の画像ファイルは詳しく知ることができるとしても、それ以前の画像ファイルについては、全く知ることができない。
【0028】
そこで、この実施形態では、以下の3つのルールに基づいて行なう画像情報間引き処理である。
【0029】
第1ルール:画像情報を削除する際に、最近に記録した3つの画像情報を残す、
第2ルール:最近消した画像情報の次の次に記録した画像情報を削除する、
第3ルール:画像情報を削除しようとすると第1ルールを守れなくなる場合は、第2ルールを無視して最も古い画像情報を削除する。
【0030】
このような3つのルールに従って、図4の画像情報間引き処理が行なわれる。
【0031】
すなわち、図4の表において、1行目の“1”時間目から10行目の“10”時間目までについては、画像ファイルは削除されることはない。
【0032】
11行目について、ディスク(メモリ)が一杯となり、第1ルールに従って、画像ファイル1番を削除する。
【0033】
12行目について、第1ルール及び第2ルールに従って、
“最近消した画像情報(画像ファイル1番)の次の次に記録した画像情報”=
“画像ファイル3番”を削除する。
【0034】
13行目について、第1ルール及び第2ルールに従って、
“最近消した画像情報(画像ファイル3番)の次の次に記録した画像情報”=
“画像ファイル5番”を削除する。
【0035】
このような処理を18行目まで行なうが、
19行目については、第2ルールに従おうにも、
最近消した画像情報(画像ファイル15番)の次の次に記録した画像情報が
“画像ファイル17番”が第1ルールが規定する“最近に記録した3つの画像情報(画像ファイル16〜18番)を残す”に該当するので、第2ルールに従えない。そこで、第3ルールに応じて、“画像情報を削除しようとすると第1ルールを守れなくなる場合は、第2ルールを無視して最も古い画像情報(画像ファイル2番)を削除する”こととなる。
【0036】
20行目乃至26行目は、再び、第1及び第2ルールに従って、該当画像ファイルを削除していく。そして、27行目においては、再び、第1ルールに守られなくなるため、第3ルールに従って、画像ファイル4番を削除するものである。
【0037】
なお、上述した画像情報間引き方法は、本発明の実施形態に係る基本的な考え方である
『記憶領域の所定記憶容量を超えて記録が行なわれたとき、経過日時が長い方の画像情報を、経過日時が短い方の画像情報よりも高い間引き率で削除する』ことに該当する。上記の場合、正確に経過日時に“画像情報間引き率”が当てはめられているわけではないが、経過日時が長い画像情報の方が、経過日時が短い画像情報よりも多く削除されているという傾向は、一貫して存在している。
【0038】
又、更に、以降に説明するように、この他にも画像情報間引き処理の例が示されるものである。
【0039】
(一般的な画像情報間引き処理の実施形態)
一般的な画像情報間引き処理の実施形態を、図面を用いて、以下のように説明する。すなわち、図7のフローチャートは、本発明の一実施形態に係る撮像装置の画像情報間引き処理の概要を説明するものであり、図1に示すMPU20等の制御部20が、例えば、記録メモリ28等の記憶領域が一杯(又は予め与えられた95%等の所定値)となったことを認識する(S11)。そうすると、現在、記録メモリ28等に格納された多くの画像ファイル等を、例えば、現在日時と記録日時とを比較して得られる経過日時に応じて、図5に示すように4段階に分類して、画像情報間引き率aをそれぞれ決定することが好適である(S12)。
【0040】
すなわち、各領域31,32,33,34について、間引き率aと対応する残存率AがMPU20の間引き処理機能により与えられるもので、
領域31は、間引き率a=0、残存率=1となり、
領域32は、間引き率a=1/2、残存率=1/2と決定され、
領域33は、間引き率a=3/4、残存率=1/4と決定され、
領域34は、間引き率a=7/8、残存率=1/8と決定される(S12)。
【0041】
そして、この間引き率aに応じて各領域31,32,33,34の画像ファイルが削除されることにより、古いファイルは高い間引き率で新しいファイルは低い間引き率で間引き処理がなされる(S13)。なお、ここで、各領域の複数の画像ファイルについて、どのような順番で、例えば、間引き率3/4の間引きを実現するのかという問題がある。この場合は、単純に画像ファイルの整理番号を例えば整数“4”で割って、割り切れる番号以外を間引く等の規則性を持たせることが望ましいが、他の方法でも可能である。
【0042】
又、上記の図5乃至図7の例は、本発明の一実施形態に過ぎず、更に多様な方法で画像ファイルの経過日時に応じた異なる間引き率による画像情報間引き処理が可能となることは言うまでもない。
【0043】
以上、説明したように、本発明によれば、例えばメモリ容量が一杯になるタイミングで、従来装置のように単に古い画像から削除していくというのではなく、少なくとも古い画像の間引き率を新しい画像の間引き率より高く設定して、全体の画像情報を削除していくものである。これにより、古い画像が全て削除されるわけではなく、多少を残しながら削除されていくこととなる。これにより、後日、古い画像を適宜参照することも可能となり、記憶容量の節約と画像情報の利用の利便性とを両立させることが可能となるものである。
【0044】
又、この場合の古い画像の削除の仕方に多少工夫して、すなわち、古い複数の画像の中、代表的な画像のみを残しながらも自動的に削除していけば、監視カメラ等の撮像装置に内蔵されるメモリ等の容量も確保しながら、古い画像も代表的なものを残していくことができるので、これらの代表的な画像情報から以前の様子を認識することができる。
【0045】
(他の効果的な間引き処理の実施形態)
更に、一層効果的な画像情報の間引き処理が、図8のフローチャートに示すような処理で可能となるものである。すなわち、図1に示すMPU20等の制御部20が、例えば、記録メモリ28等の記憶領域が一杯(又は予め与えられた95%等の所定値)となったことを認識する(S11)。そうすると、現在、記録メモリ28等に格納された多くの画像ファイル等を、例えば、現在日時と記録日時とを比較して得られる経過日時に応じ、図5に示すように複数段階に分類して、画像情報間引き率aをそれぞれ決定する(S12)。
【0046】
次に、MPU20の間引き処理管理部の働きに応じて、領域の画像ファイル同士を比較して比較結果を導く(S14)。具体的には、前後する画像ファイル同士での画像濃度の変化量や、各座標における画像濃度分布の移動等を測定する(S14)。動きや変化分が大きいということは、画像変化の激しい画像ファイルであって、監視カメラの映像情報であれば、ターゲットが写っているユーザにとって参照する価値が高い画像ファイルであると言えるからである。
【0047】
このような比較処理の結果に応じて、以下のような処理が有効となる(S15)。すなわち、最も古い画像を残すことが好適である。又、更に、画像ファイルを基準データと比較して、極端に黒い画像(濃度が高い)か白い画像(濃度が低い)かを判断することも好適である。黒い画像は何も映っていない暗闇の画像、白い画像もユーザが望むものが何も写っていない画像である可能性が高いからであり、これら極端に白い画像や黒い画像を間引きの対象とすることが好適である。又、更に、フォーカス調整中の画像についても、間引きの対象とすべき価値の低い画像であると言える。又、更に、パン・チルト移動時に、パン・チルト移動速度に対して、シャッター速度が遅い場合、このような画像は使用に耐えないので、この場合の画像も間引きの対象とすることが好適である。更に、過去に参照した履歴に基づいて使用暦のある使用率の高い画像は、再び参照される可能性が高いので、間引きの対象としないという判断が有効となる。
【0048】
このように不要と思われるファイルを一通り削除した後に、先ほど決定された間引き率aを実現するべく、各領域のファイルを間引き処理していくものである(S13)、
このように、本発明の一実施形態に係る撮像装置及び撮像方法によれば、決定した間引き率に応じて、対応する領域の画像ファイルを、一定の基準に基づいて間引き処理を行なうことが、記憶容量の節約と付加価値の高い測定画像情報の活用に有効となるものである。
【0049】
又、更に、これらの変形例として、必ずしも記憶メモリ部の記憶容量の比率が所定量に到達してからこのような間引き処理をする必要はなく、例えば、昨日(所定時刻経過)の画像情報については、全て一律にこのような間引き処理の対象とするという操作であることも有効である。この場合は、例えば、画像情報の経過時間が一定時間を経過すれば、メモリ容量は、一杯になっていなくとも、上述した様々な画像情報の節約処理を施すことが好適となるものである。
【0050】
又、上述した実施形態のように、画像ファイルが記録された経過時間に必ずしも対応させることなく、全ての画像ファイルを一律に、一定条件下の節約モード(間引きモード)によって間引き処理し、節約処理しながら、撮像装置の記録メモリに記録していくという方法が、記憶容量の節約処理について非常に有効となる。すなわち、新しい画像情報も古い画像情報も、一律に、白すぎる画面を削除し黒すぎる画面を削除し、動きのない連続画像を削除し、フォーカス調整の画像を削除し、移動速度がシャッター速度に比べて早い場合(比較的早い場合、所定値よりも早い場合)に、パン移動又はチルト移動中に撮像された画像情報を削除するという方法である。このような方法によれば、予め与えられた一定の記憶メモリの容量を最大限に有効に使用することができ、ユーザは節約のための特別な操作を必要とせず、非常に付加価値の高い画像データベースを構築することが可能となるものであり、これにより、長時間の画像情報を記録し活用することができる。
【0051】
最後に、これらの画像情報間引き処理の仕様においては、使用状況に応じて上記した個々の選択肢を組み合わせて設定することが有効であり、撮像装置のユーザの操作に対応して、MPU20に対する設定処理によって与えられることが好適である。こうすることにより、ユーザは、撮像装置の用途に応じて、適切な画像情報間引き処理を行なうことが可能となるものである。
【0052】
以上記載した様々な実施形態により、当業者は本発明を実現することができるが、更にこれらの実施形態の様々な変形例を思いつくことが当業者によって容易であり、発明的な能力をもたなくとも様々な実施形態へと適用することが可能である。従って、本発明は、開示された原理と新規な特徴に矛盾しない広範な範囲に及ぶものであり、上述した実施形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の一実施形態に係る撮像装置の構成の一実施の形態を示すブロック図。
【図2】同じく撮像装置のネットワークとの接続方法の一例を示す説明図。
【図3】同じく撮像装置の構成の一実施形態を示す断面図。
【図4】同じく撮像装置における画像情報の削除処理の一例を示す説明図。
【図5】同じく撮像装置における画像情報の削除処理の他の一例を示す説明図。
【図6】同じく撮像装置における画像情報の経過時間と間引き率との関係の一例を示すグラフ。
【図7】同じく撮像装置における画像情報間引き処理の一例を示すフローチャート。
【図8】同じく撮像装置における画像情報間引き処理の他の一例を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0054】
11…対物レンズ、12…メカアイリス、13…撮像素子(CCD)、14…A/Dコンバータ・AGC(Auto Gain Controller)、15…タイミング・ジェネレータ、16…画像処理部、17…画像圧縮部、18…イーサネット(登録商標)コントローラ、19…無線LANコントローラ、20…MPU(データベース間引き処理管理部)、21…メモリ、22…ドライバ、23…ドライバ、24…パンモータ、25…チルトモータ、26…PC(Personal Computer)、28…記録メモリ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を撮像して画像情報を出力する撮像部と、
前記撮像部からの複数の前記画像情報を各々の記録日時情報と共に記憶領域に記録する記録部と、
現在日時と前記記録部が記録した前記記録日時情報とを比較してそれぞれの経過日時を求めて、経過日時が長い方の前記画像情報を経過日時が短い方の前記画像情報よりも高い間引き率で削除するべく制御する制御部とを具備することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記画像情報を削除する際に、最近に記録したn個の画像情報を残すという第1ルールと、最近消した画像情報の次の次に記録した画像情報を削除するという第2ルールと、前記画像情報を削除しようとすると前記第1ルールを守れなくなる場合は、前記第2ルールを無視して最も古い画像情報を削除するという第3ルールとに従って、前記記録部が記録した前記複数の画像情報を削除することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記制御部は、最も古い前記画像情報を残すべく制御することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記記録部が記録している前記複数の画像情報を相互に比較した結果に応じて、前記画像情報を削除するかどうかを決定することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記記録部が記録している前記画像情報が前後の画像情報と比較した際に、所定値以上の変化量を示している場合、前記画像情報を優先して残すことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記記録部が記録している前記画像情報がフォーカス調整中の画像情報である場合、前記画像情報を優先して削除するべく制御することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記撮像部のシャッター時間が一定時間以上の場合、前記撮像部のパン移動中又はチルト移動中に撮像した画像情報を優先して削除するべく制御することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記記録部が記録している前記画像情報が第1所定値以上に画面が黒い場合、又、前記画像情報が第2所定値以上に画面が白い場合、前記画像情報を優先して削除するべく制御することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記記録部が記録している前記画像情報につき、利用率が低い画像情報を利用率が高い画像情報に優先して削除するべく制御することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項10】
画像を撮像して画像情報を出力し、
複数の前記画像情報を各々の記録日時情報と共に記憶領域に記録し、
現在日時と前記記録日時情報とを比較してそれぞれの経過日時を求めて、経過日時が長い方の前記画像情報を経過日時が短い方の前記画像情報よりも高い間引き率で削除するべく制御することを特徴とする撮像方法。
【請求項11】
前記画像情報を削除する際に、最近に記録したn個の画像情報を残すという第1ルールと、最近消した画像情報の次の次に記録した画像情報を削除するという第2ルールと、前記画像情報を削除しようとすると前記第1ルールを守れなくなる場合は、前記第2ルールを無視して最も古い画像情報を削除するという第3ルールとに従って、前記複数の画像情報を削除することを特徴とする請求項10記載の撮像方法。
【請求項12】
最も古い前記画像情報を残すことを特徴とする請求項10記載の撮像方法。
【請求項13】
前記複数の画像情報を相互に比較した結果に応じて、前記画像情報を削除するかどうかを決定することを特徴とする請求項10記載の撮像方法。
【請求項14】
前記画像情報が前後の画像情報と比較した際に、所定値以上の変化量を示している場合、前記画像情報を優先して残すことを特徴とする請求項10記載の撮像方法。
【請求項15】
前記画像情報がフォーカス調整中の画像情報である場合、前記画像情報を優先して削除するべく制御することを特徴とする請求項10記載の撮像方法。
【請求項16】
前記撮像時のシャッター時間が一定時間以上の場合、撮像素子ユニットのパン移動中又はチルト移動中に撮像された画像情報を優先して削除するべく制御することを特徴とする請求項10記載の撮像方法。
【請求項17】
前記画像情報が第1所定値以上に画面が黒い場合、又、前記画像情報が第2所定値以上に画面が白い場合、前記画像情報を優先して削除するべく制御することを特徴とする請求項10記載の撮像方法。
【請求項18】
前記画像情報につき、利用率が低い画像情報を利用率が高い画像情報に優先して削除するべく制御することを特徴とする請求項10記載の撮像方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−311387(P2006−311387A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−133602(P2005−133602)
【出願日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】