説明

撮像装置及び撮像方法

【課題】予め決められた複数の撮像シーンを撮像する際に、簡便に撮り忘れを防止可能な撮像装置及び撮像方法を提供すること。
【解決手段】予め登録された文字列が複数格納されたファイルを読み込む読み込み手段と、該読み込み手段により読み込まれた複数の文字列の中のいずれか1を表示する表示手段と、前記複数の文字列の中から、所望の1の文字列を選択する選択手段と、該選択手段が所望の1の文字列を選択して撮像した場合、当該選択された1の文字列に撮像済み情報を設定する設定手段と、を有し、前記表示手段は、前記複数の文字列の中で前記撮像済み情報が設定された文字列を表示したときには、併せて撮像済みであることを表示することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置及び撮像方法に関し、より詳しくは、文字列が格納されたファイルを読み込んで利用可能な撮像装置及び撮像方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラには多様な機能が付加されるようになり、一般的なユーザーのみならず、その利用者の対象となる範囲は拡大の一途を辿っている。
これらの中でも、撮像するシーン(構図)を予め複数個所決めておき、この複数の撮像シーン全てについて撮り忘れがなく撮像するように利用するユーザーが増加している。例えば、工事現場などで必要とされる撮像シーンがあり、この撮像シーンを漏れなく撮像しなくてはならないようなユーザーが一例として挙げられる。
しかしながら、簡便に撮り忘れを防止する撮像装置に係る技術は未だ充分に開発されてはいなかった。
【0003】
ここで、特許文献1(特開2009−239696号公報)では、予めデジタルカメラを用いてユーザーが撮像することで取得した文字列を、撮像画像と関連付けて保存可能な撮像装置が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の撮像装置では、所望する文字列はユーザーが撮像して取得することを要し、煩雑な操作が必要となる。また、特許文献1に記載の撮像装置では撮り忘れを防止するための機能がなく、簡便に撮り忘れを防止することはできなかった。
【0004】
また、特許文献2(特許第4124402号公報)では、撮像リストを受け付けて記憶し、この記憶された撮像リストを表示・選択した後、さらに選択された撮像リスト内のカット名を表示し、次いで表示されたカット名の中の1を選択して撮像を行った場合、当該カット名の中の1に対応した撮像が行われたことが表示される撮像装置が開示されている。
しかしながら、特許文献2に記載の撮像装置では、撮像リストとカット名をそれぞれ選択する必要があり、処理の煩雑さが問題となる。また、特許文献2に記載の撮像装置では、撮像リストに含まれるカット名全てを撮像することが前提となっていて、撮像リストの選択の際や、電源オフの際に撮像済み情報が全てクリアされるため、使い勝手が悪かった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、予め決められた複数の撮像シーンを撮像する際に、簡便に撮り忘れを防止可能な撮像装置及び撮像方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明に係る撮像装置及び撮像方法は、具体的には下記(1)〜(6)に記載の技術的特徴を有する。
(1):予め登録された文字列が複数格納されたファイルを読み込む読み込み手段と、該読み込み手段により読み込まれた複数の文字列の中のいずれか1を表示する表示手段と、前記複数の文字列の中から、所望の1の文字列を選択する選択手段と、該選択手段が所望の1の文字列を選択して撮像した場合、当該選択された1の文字列に撮像済み情報を設定する設定手段と、を有し、前記表示手段は、前記複数の文字列の中で前記撮像済み情報が設定された文字列を表示したときには、併せて撮像済みであることを表示することを特徴とする撮像装置である。
(2):撮像済み情報をクリアする消去手段を有し、該消去手段は、前記表示手段が前記複数の文字列の中で前記撮像済み情報が設定された文字列を表示したときに、当該表示されている撮像済み情報が設定された文字列の撮像済み情報をクリアすることを特徴とする上記(1)に記載の撮像装置である。
(3):撮像済み情報をクリアする消去手段を有し、該消去手段は、前記設定手段により設定された前記撮像済み情報の全てをクリアすることを特徴とする上記(1)に記載の撮像装置である。
(4):予め登録された文字列が複数格納されたファイルを読み込む読み込み工程と、該読み込み工程により読み込まれた複数の文字列の中のいずれか1を表示する表示工程と、前記複数の文字列の中から、所望の1の文字列を選択する選択工程と、該選択工程が所望の1の文字列を選択して撮像した場合、当該選択された1の文字列に撮像済み情報を設定する設定工程と、を有し、前記表示工程は、前記複数の文字列の中で前記撮像済み情報が設定された文字列を表示したときには、併せて撮像済みであることを表示することを特徴とする撮像方法である。
(5):撮像済み情報をクリアする消去工程を有し、該消去工程は、前記表示工程が前記複数の文字列の中で前記撮像済み情報が設定された文字列を表示したときに、当該表示されている撮像済み情報が設定された文字列の撮像済み情報をクリアすることを特徴とする上記(4)に記載の撮像方法である。
(6)撮像済み情報をクリアする消去工程を有し、該消去工程は、前記設定工程により設定された前記撮像済み情報の全てをクリアすることを特徴とする上記(4)に記載の撮像方法である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、予め決められた複数の撮像シーンを撮像する際に、簡便に撮り忘れを防止可能な撮像装置及び撮像方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係る撮像装置の一実施の形態におけるデジタルカメラの外観の構成を示す概略図である。
【図2】本発明に係る撮像装置の一実施の形態におけるデジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明に係る撮像装置において用いられる分類項目とカメラメモ内容の一例を示す図である。
【図4】本発明に係る撮像装置において用いられるカメラメモファイルの一例を示す図である。
【図5】本発明に係る撮像装置におけるカメラメモ表示の一例を示す図である。
【図6】本発明に係る撮像装置におけるカメラメモ表示のその他の例を示す図である。
【図7】図6に示すカメラメモ表示に併せて撮像済み表示がされた例を示す図である。
【図8】撮像済み情報のクリアの実行を選択するための画面例を示す図である。
【図9】セットアップメニューから撮像済み情報のオールクリアを実行するための画面への移行を選択するための画面例を示す図である。
【図10】撮像済み情報のオールクリアの実行を選択するための画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係る撮像装置は、予め登録された文字列が複数格納されたファイルを読み込む読み込み手段と、該読み込み手段により読み込まれた複数の文字列の中のいずれか1を表示する表示手段と、前記複数の文字列の中から、所望の1の文字列を選択する選択手段と、該選択手段が所望の1の文字列を選択して撮像した場合、当該選択された1の文字列に撮像済み情報を設定する設定手段と、を有し、前記表示手段は、前記複数の文字列の中で前記撮像済み情報が設定された文字列を表示したときには、併せて撮像済みであることを表示することを特徴とする。
また、本発明に係る撮像装置は、予め登録された文字列が複数格納されたファイルを読み込む読み込み工程と、該読み込み工程により読み込まれた複数の文字列の中のいずれか1を表示する表示工程と、前記複数の文字列の中から、所望の1の文字列を選択する選択工程と、該選択工程が所望の1の文字列を選択して撮像した場合、当該選択された1の文字列に撮像済み情報を設定する設定工程と、を有し、前記表示工程は、前記複数の文字列の中で前記撮像済み情報が設定された文字列を表示したときには、併せて撮像済みであることを表示することを特徴とする。
次に、本発明に係る撮像装置及び撮像方法についてさらに詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は以下の説明において本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0010】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態につき説明する。
図1は、本発明の撮像装置の一例であるデジタルカメラの外観図である。また、図2は、本発明の撮像装置の一例であるデジタルカメラのブロック図である。
図1に示すように、デジタルカメラ上面にはユーザーのレリーズを受け付けるレリーズシャッター(SW1)と、ユーザーによるモード切替を可能とするモードダイアル(SW2)とが配置されている。また、サブLCD(1)が設けられ、後述するSUB−CPU(109)により制御される。
デジタルカメラ正面には鏡胴ユニット(7)、リモコン受光部(6)、CPUブロック(104−3)により制御される測距ユニット(5)、光学ファインダ(4)、ストロボ回路(114)を介してCPUブロック(104−3)により制御されるストロボ発光部(3)が設けられ、また側面にはSDカード/電池蓋(2)が設けられてなる。
デジタルカメラ背面には、LCDモニタ(10)、光学ファインダ(4)、AF LED(8)、ストロボLED(9)が設けられ、ユーザーからの操作を受け付ける各種スイッチ(SW3〜SW13)が設けられている。
【0011】
さらに、図1,図2を使用して、本発明の撮像装置の一例であるデジタルカメラの動作を説明する。
【0012】
図1及び図2において、鏡胴ユニット(7)は、被写体の光学画像を取り込むズームレンズ(7−1a)、ズーム駆動モータ(7−1b)からなるズーム光学系(7−1)、フォーカスレンズ(7−2a)、フォーカス駆動モータ(7−2b)からなるフォーカス光学系(7−2)、絞り(7−3a)、絞りモータ(7−3b)からなる絞りユニット(7−3)、メカシャッタ(7−4a)、メカシャッタモータ(7−4b)からなるメカシャッタユニット(7−4)、各モータを駆動するモータドライバ(7−5)を有する。
【0013】
鏡胴ユニット(7)は、カメラ本体に着脱可能であり、カメラには、様々なズーム倍率、CCDサイズの鏡胴ユニットが着脱できる。
そして、モータドライバ(7−5)は、リモコン受光部(6)入力や操作部Keyユニット(SW1〜SW13)の操作入力に基づく、後述するデジタルスチルカメラプロセッサ(104)内にあるCPUブロック(104−3)からの駆動指令により駆動制御される。
【0014】
ROM(108)には、CPUブロック(104−3)にて解読可能なコードで記述された、制御プログラムや制御するためのパラメータが格納されている。このデジタルカメラの電源がオン状態になると、前記プログラムは不図示のメインメモリにロードされ、前記CPUブロック(104−3)はそのプログラムに従って装置各部の動作を制御するとともに、制御に必要なデータ等を、一時的に、RAM(107)、及び後述するデジタルスチルカメラプロセッサ(104)内にあるLocalSRAM(104−4)に保存する。ROM(108)に書き換え可能なフラッシュROMを使用することで、制御プログラムや制御するためのパラメータを変更することが可能となり、機能のVerUpが容易に行える。
【0015】
CCD(101)は、光学画像を光電変換するための固体撮像素子であり、F/E(フロントエンド)−IC(102)は、画像ノイズ除去用相関二重サンプリングを行うCDS(102−1)、利得調整を行うAGC(102−2)、デジタル信号変換を行うA/D(102−3)、CCD1信号処理ブロック(104−1)より、垂直同期信号(以下、VDと記す。)、水平同期信号(以下、HDと記す。)を供給され、CPUブロック(104−3)によって制御されるCCD(101)、及びF/E−IC(102)の駆動タイミング信号を発生するTG(102−4)を有する。
【0016】
デジタルスチルカメラプロセッサ(104)は、CCD(101)よりF/E―IC(102)の出力データにホワイトバランス設定やガンマ設定を行い、又、前述したように、VD信号、HD信号を供給するCCD1信号処理ブロック(104−1)、フィルタリング処理により、輝度データ・色差データへの変換を行うCCD2信号処理ブロック(104−2)、前述した装置各部の動作を制御するCPUブロック(104−3)、前述した制御に必要なデータ等を、一時的に、保存するLocalSRAM(104−4)、パソコンなどの外部機器とUSB通信を行うUSBブロック(104−5)、パソコンなどの外部機器とシリアル通信を行うシリアルブロック(104−6)、JPEG圧縮・伸張を行うJPEGCODECブロック(104−7)、画像データのサイズを補間処理により拡大/縮小するRESIZEブロック(104−8)、画像データを液晶モニタやTVなどの外部表示機器に表示するためのビデオ信号に変換するTV信号表示ブロック(104−9)、撮像された画像データを記録するメモリカードの制御を行うメモリカードコントローラブロック(104−10)を有する。
【0017】
SDRAM(103)は、前述したデジタルスチルカメラプロセッサ(104)で画像データに各種処理を施す際に、画像データを一時的に保存する。保存される画像データは、例えば、CCD(101)から、F/E−IC(102)を経由して取りこんで、CCD1信号処理ブロック(104−1)でホワイトバランス設定、ガンマ設定が行われた状態の「RAW−RGB画像データ」やCCD2信号処理ブロック(104−2)で輝度データ・色差データ変換が行われた状態の「YUV画像データ」、JPEGCODECブロック(104−7)で、JPEG圧縮された「JPEG画像データ」などである。
【0018】
メモリカードスロットル(121)は、着脱可能なメモリカードを装着するためのスロットルである。また、LANカードや無線LANカード、Bluetoothカードも挿入可能な構成としても良い。
【0019】
内蔵メモリ(120)は、前述したメモリカードスロットル(121)にメモリカードが装着されていない場合でも、撮像した画像データを記憶できるようにするためのメモリである。
【0020】
また、内蔵メモリ(120)には、ストロボモード設定や、画質設定、撮像画像サイズ設定などの各種情報を記憶することができ、カメラの電源をオフしても、再度電源投入時にこれらの情報を読み出して設定することにより、各種設定を保持することができる。
【0021】
LCDドライバ(117)は、後述するLCDモニタ(10)を駆動するドライブ回路であり、TV信号表示ブロック(104−9)から出力されたビデオ信号を、LCDモニタ(10)に表示するための信号に変換する機能も有している。
【0022】
LCDモニタ(10)は、撮像前に被写体の状態を監視する、撮像した画像を確認する、メモリカードや前述した内蔵メモリ(120)に記録した画像データを表示する、などを行うためのモニタである。
【0023】
ビデオAMP(118)は、TV信号表示ブロック(104−9)から出力されたビデオ信号を、75Ωインピーダンス変換するためのアンプであり、ビデオジャック(119)は、TVなどの外部表示機器と接続するためのジャックである。
【0024】
USBコネクタ(122)は、パソコンなどの外部機器とUSB接続を行う為のコネクタである。
【0025】
シリアルドライバ回路(123−1)は、パソコンなどの外部機器とシリアル通信を行うために、前述したシリアルブロック(104−6)の出力信号を電圧変換するための回路であり、RS−232Cコネクタ(123−2)は、パソコンなどの外部機器とシリアル接続を行う為のコネクタである。
【0026】
SUB−CPU(109)は、ROM・RAMをワンチップに内蔵したCPUであり、操作Keyユニット(SW1〜13)やリモコン受光部(6)の出力信号をユーザーの操作情報として、前述したCPUブロック(104−3)に出力したり、前述したCPUブロック(104−3)より出力されるカメラの状態を、後述するサブLCD(1)、AFLED(8)、ストロボLED(9)、ブザー(113)の制御信号に変換して、出力する。
【0027】
サブLCD(1)は、例えば、撮像可能枚数など表示するための表示部であり、LCDドライバ(111)は、前述したSUB−CPU(109)の出力信号より、前述したサブLCD(1)を駆動するためのドライブ回路である。
【0028】
AFLED(8)は、撮像時の合焦状態を表示するためのLEDであり、ストロボLED(9)は、ストロボ充電状態を表すためのLEDである。尚、このAFLED(8)とストロボLED(9)を、メモリカードアクセス中などの別の表示用途に使用しても良い。
【0029】
操作Keyユニット(SW1〜13)は、ユーザーが操作するKey回路であり、リモコン受光部(6)は、ユーザーが操作したリモコン送信機の信号の受信部である。
【0030】
音声記録ユニット(115)は、ユーザーが音声信号を入力するマイク(115−3)、入力された音声信号を増幅するマイクAMP(115−2)、増幅された音声信号を記録する音声記録回路(115−1)からなる。
【0031】
音声再生ユニット(116)は、記録された音声信号をスピーカーから出力できる信号に変換する音声再生回路(116−1)、変換された音声信号を増幅し、スピーカーを駆動するためのオーディオAMP(116−2)、音声信号を出力するスピーカー(116−3)からなる。
【0032】
電子水準器(130)は、カメラの水平の傾き角度を検出できるものである、電子水準器からは、カメラの水平の傾き角度が出力される。
【0033】
次に、デジタルカメラにおける文字列情報の利用方法の具体例について以下に述べる。
<文字列情報のファイル(カメラメモファイル)への登録>
まず、ユーザーは予めデジタルカメラで表示する文字列情報を登録したカメラメモファイルを作成する。作成はパーソナルコンピュータ等を用いてユーザーが独自のカメラメモファイルを作成してもよく、また、所定のカメラメモファイルをダウンロードして作成してもよい。
ここで、文字列情報とは、単数の文字列を、あるいは文字列の組み合わせを意味し、詳細は後述する。
【0034】
カメラメモファイルには、メモの項目として設定する「分類項目」と、それぞれの分類項目に対するメモとして使用する「カメラメモ内容」と、を登録しておく。
図3に、登録された分類項目とカメラメモ内容との一例を示す。図3に示す例では、分類項目として、1つ目に都道府県、2つ目に市区町村、3つ目に地域がそれぞれ登録されている。また、カメラメモ内容は1〜6まで登録されていて、カメラメモ内容は1〜6のそれぞれについて、1〜3つ目の分類項目ごとのメモが登録されている。
より具体的には、カメラメモ内容1では、1つ目の分類項目である都道府県(分類項目1)に神奈川県(第1の文字列)が、2つ目の分類項目である市区町村(分類項目2)に横浜市(第2の文字列)が、3つ目の分類項目である地域(分類項目3)に北部(第3の文字列)が、それぞれ対応付けられて登録されている。
なお、図3に示す例では、文字列情報として、文字列の組み合わせを用いるものであり、この文字列の組み合わせであるカメラメモ内容がカメラメモファイルに複数(6つ)格納されてなる態様である。
【0035】
カメラメモファイルのフォーマットの一例を図4に示す。
カメラメモファイルはテキストで記載され、「//**」の後が1つの数字の場合は、その後の文字が、数字番目の分類項目名となる。また、「//**」の後の数字部が「数字−数字」となっている場合は、その後の文字が、ハイフンの前の数字番目の分類項目における、ハイフンの後の数字番目のカメラメモ内容となる。
このカメラメモファイルは、「.mta」という拡張子である。また、カメラメモファイルは、メモリカードのようなデジタルカメラに着脱自在である記録媒体に保存され、このメモリカードからデジタルカメラが読み込むことで利用されることが好ましい。
【0036】
なお、デジタルカメラ本体に着脱自在なメモリカードにカメラメモファイルを保存することで、例えばメモリカード毎に異なるカメラメモ内容を保存し、必要に応じて適切なメモリカードを用いることで、様々なシチュエーションに応じてメモリカードを入れ替えることのみで取り忘れを防止することができるため好ましい。また、メモリカード毎に必要最小限のカメラメモ内容を保存すればよく、こうすることでカメラメモ内容の呼び出しの際に、不必要なカメラメモ内容が呼び出されることがなく、簡便な操作で取り忘れを防止することができるため好ましい。
【0037】
<カメラメモファイルをデジタルカメラで表示>
上記の「分類項目」と「カメラメモ内容」とを登録した、カメラメモファイルをSDカードに保存し、デジタルカメラを起動する。
ここで、操作SW(右SW(SW8))を押すと、デジタルカメラが具備する読み込み手段によりカメラメモファイルが読み込まれ、デジタルカメラの画面(表示手段としてのLCD(10))上に、カメラメモ内容が表示される。
【0038】
最初は、各分類項目における1番目のカメラメモ内容(例えば、図3に示す例ではカメラメモ内容1)が表示される(図5)。なお、本実施の形態では、カメラメモ内容に併せて分類項目もLCD(10)に表示されている。また、以下においてカメラメモ内容と分類項目とが併せて表示された画面を、カメラメモ画面と称することもある。
【0039】
ここでさらに選択手段としての右SW(SW8)を押すと、各分類項目と併せて、対応する2番目のカメラメモ内容(例えば、図3に示す例ではカメラメモ内容2)が表示される(図6)。そして、右SW(SW8)を押すごとに、順に各分類項目における3番目のカメラメモ内容、各分類項目における4番目のカメラメモ内容、各分類項目における5番目のカメラメモ内容、・・・と昇順にカメラメモ内容を表示できる。一方、他の選択手段としての左SW(SW11)を押すと、上記右SW(SW8)とは逆に(降順に)カメラメモ内容の画面表示を切り換えて表示できる。
【0040】
このカメラメモファイルには、図3に示すように、カメラメモ内容が6個登録されているので、カメラメモ画面は、1番目から6番目まで表示でき、選択手段としての右SW(SW8)と左SW(SW11)とを用いて表示手段としてのLCD(10)上に所望のカメラメモ画面を表示できる。
【0041】
カメラメモ画面を表示して選択した状態、即ちカメラメモ撮像モードで撮像すると、表示しているカメラメモ内容が、撮像画像ファイルに記録される。また、このとき併せて分類項目がカメラメモ内容に対応付けられて撮像画像ファイルに記録される。
【0042】
なお、図5及び図6に示すが如く、デジタルカメラのモニタリング中において、カメラメモ画面は被写体の光学画像と共にLCDモニタ(10)に表示されてなることが好ましいが、カメラメモ画面のみが表示される態様であってもよい。
【0043】
<撮像済み情報の記録>
そして、カメラメモ撮像モードにおいて例えば、2番目の内容(カメラメモ内容2)の表示画面(図6)で撮像すると、この2番目の内容に対して設定手段により撮像済み情報がカメラメモファイルに記録される(図4)。
撮像済み情報は、図4に示すカメラメモファイルの最後の行に記録される。左から順に、1番目のカメラメモ内容の撮像済み情報(0が未撮像、1が撮像済みを示す)、2番目のカメラメモ内容の撮像済み情報、3番目のカメラメモ内容の撮像済み情報、・・・、右端が6番目のカメラメモ内容の撮像済み情報というような対応関係で記録される。
【0044】
なお、撮像済み情報の記録はカメラメモファイルに行われる。即ち、撮像済み情報の所在はカメラメモファイルが保存されているSDカードにある。このため、例えば撮像済み情報が保存されているSDカードを、撮像を実際に行ったデジタルカメラとは異なる他のデジタルカメラに挿入し読み込みを行ったとしても、撮像を行ったデジタルカメラと同様に撮像済み情報を確認することができる。
【0045】
ここで、上記特許文献2に記載の撮像装置と本発明に係る撮像装置との差異についてより詳細に説明する。
特許文献2に記載の撮像装置では、撮像画像データがカット名と対応付けられて保存されるものであり、この対応関係が特許文献2における撮像済み情報として用いられるものであり、撮像済み情報を独自のデータとして利用する本発明とは相違するものである。即ち、特許文献2に記載の撮像装置では、撮像画像データと撮像済み情報とを独立させて管理(複製、移動等)することができないという問題があった。
例えば、特許文献2に記載の撮像装置では、撮像リストに含まれるカット名に対応する撮像済み情報を削除するためには、撮像画像データを削除することを要するものであるなど、撮像画像データと撮像済み情報とが一体不可分ものである。一方、本発明に係る撮像装置では、撮像画像データは削除することなく、撮像済み情報を独立したデータとして消去手段により削除することができる。また、本発明では撮像画像データのみを別の記憶媒体などに移動した場合であっても、カメラメモファイルに保存された撮像済み情報を移動することなく残しておき、撮像画像データがなくとも撮像済み情報を表示することも可能である。
【0046】
<撮像済み情報の表示>
デジタルカメラでは、カメラメモ画面をLCDモニタ(10)に表示するとき、カメラメモファイルに記録された撮像済み情報(図4)を読み込み、撮像済みのカメラメモ内容の場合は、併せて<撮影済み>という表示がされる(図7)。
【0047】
<撮像済み情報のクリア(1)>
撮像済み情報のクリアの第1の実施の形態について説明する。なお、ここでは1のカメラメモ内容に対応して設定された撮像済み情報を削除する態様について説明する。
先ず、撮像済みのカメラメモ内容を表示中(図7)に、セルフタイマ/削除SW(SW5)を押すと、当該撮像済みのカメラメモ内容に対応して設定された撮像済み情報をクリアする(「はい」)か否か(「いいえ」)の確認画面が表示される(図8)。
このとき、「はい」を選択して、MENU/OKSW(SW12)を押すと、この撮像済み情報が削除される。即ち、図4に示すカメラメモファイルでの対応する撮像済み情報のフラグが0になる。
【0048】
<撮像済み情報のクリア(2)>
撮像済み情報のクリアの第2の実施の形態について説明する。なお、ここではカメラメモファイルに記録された撮像済み情報の全てを削除する態様について説明する。
先ず、SETUPメニューより、「撮像済み削除」を選択する(図9)。
次いで、MENU/OKSW(SW12)を押すと、撮像済み情報をクリアする(「はい」)か否か(「いいえ」)の確認画面が表示される(図10)。
このとき、「はい」を選択して、MENU/OKSW(SW12)を押すと、撮像済み情報がすべて削除される。即ち、図4に示すカメラメモファイルでの撮像済み情報のフラグがすべて0になる。
【0049】
以上説明したようなデジタルカメラを用いると、例えば、工事現場などで、予め撮像するシーンが決められている場合(10シーン等)において、予め撮像しなければならないシーンをカメラメモファイルに登録しておくことができる。そして、このカメラメモファイルを用いることで、実際の現場で、カメラメモ画面を表示させ、その表示されたカメラメモ内容に対応した構図での撮像を行い、全てのカメラメモ画面で撮像済みになれば、撮像忘れを防ぐことができる。
即ち、同じシーン(カメラメモ内容に対応した構図)で複数撮像することがなくなる。また、撮像していないシーン(カメラメモ内容に対応した構図)がわかり、撮像の取りこぼしを防ぐことができる。
【符号の説明】
【0050】
1 サブLCD
2 SDカード/電池蓋
3 ストロボ発光部
4 光学ファインダ
5 測距ユニット
6 リモコン受光部
7 鏡筒ユニット
8 AF LED
9 ストロボLED
10 LCDモニタ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0051】
【特許文献1】特開2009−239696号公報
【特許文献2】特許第4124402号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め登録された文字列が複数格納されたファイルを読み込む読み込み手段と、
該読み込み手段により読み込まれた複数の文字列の中のいずれか1を表示する表示手段と、
前記複数の文字列の中から、所望の1の文字列を選択する選択手段と、
該選択手段が所望の1の文字列を選択して撮像した場合、当該選択された1の文字列に撮像済み情報を設定する設定手段と、を有し、
前記表示手段は、前記複数の文字列の中で前記撮像済み情報が設定された文字列を表示したときには、併せて撮像済みであることを表示することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
撮像済み情報をクリアする消去手段を有し、
該消去手段は、前記表示手段が前記複数の文字列の中で前記撮像済み情報が設定された文字列を表示したときに、当該表示されている撮像済み情報が設定された文字列の撮像済み情報をクリアすることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
撮像済み情報をクリアする消去手段を有し、
該消去手段は、前記設定手段により設定された前記撮像済み情報の全てをクリアすることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
予め登録された文字列が複数格納されたファイルを読み込む読み込み工程と、
該読み込み工程により読み込まれた複数の文字列の中のいずれか1を表示する表示工程と、
前記複数の文字列の中から、所望の1の文字列を選択する選択工程と、
該選択工程が所望の1の文字列を選択して撮像した場合、当該選択された1の文字列に撮像済み情報を設定する設定工程と、を有し、
前記表示工程は、前記複数の文字列の中で前記撮像済み情報が設定された文字列を表示したときには、併せて撮像済みであることを表示することを特徴とする撮像方法。
【請求項5】
撮像済み情報をクリアする消去工程を有し、
該消去工程は、前記表示工程が前記複数の文字列の中で前記撮像済み情報が設定された文字列を表示したときに、当該表示されている撮像済み情報が設定された文字列の撮像済み情報をクリアすることを特徴とする請求項4に記載の撮像方法。
【請求項6】
撮像済み情報をクリアする消去工程を有し、
該消去工程は、前記設定工程により設定された前記撮像済み情報の全てをクリアすることを特徴とする請求項4に記載の撮像方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−39174(P2012−39174A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−174416(P2010−174416)
【出願日】平成22年8月3日(2010.8.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】