説明

撮像装置及び画像検索プログラム

【課題】モザイク画像に対象のタイル画像が用いられているか否かを判定するのに時間がかかる。
【解決手段】撮像装置は、例えば、デジタルカメラなどであって、複数のタイル画像を並べて生成されたモザイク画像を光学的に撮像した撮像画像を取得する撮像画像取得部と、検索対象となる対象画像を取得する対象画像取得部と、前記撮像画像において前記対象画像がタイル画像のいずれかとして用いられているか否かを検索する検索部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置及び画像検索プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のタイル画像を並べて生成されたモザイク画像を拡大または縮小して、目視により目的のタイル画像を探す技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
[特許文献1] 特開2010−4167号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、モザイク画像に対象のタイル画像が用いられているか否かを判定できないといった課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様においては、複数のタイル画像を並べて生成されたモザイク画像を光学的に撮像した撮像画像を取得する撮像画像取得部と、検索対象となる対象画像を取得する対象画像取得部と、前記撮像画像において前記対象画像がタイル画像として用いられているか否かを検索する検索部とを備える撮像装置を提供する。
【0005】
本発明の第2の態様においては、 複数のタイル画像を並べて生成されたモザイク画像を光学的に撮像した撮像画像を取得する撮像画像取得段階と、検索対象となる対象画像を取得する対象画像取得段階と、前記撮像画像において前記対象画像がタイル画像として用いられているか否かを検索する検索段階とをコンピュータに実行させる画像検索プログラムを提供する。
【0006】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】モザイク画像システムの全体構成図である。
【図2】モザイク画像MGを説明する図である。
【図3】モザイク画像生成装置12によって生成された1個のタイル画像TGを説明する図である。
【図4】モザイク画像生成装置12が生成した識別データベースを説明する図である。
【図5】撮像装置16の全体構成図である。
【図6】モザイク画像システム10によるイベントの流れを説明する図である。
【図7】撮像装置16における対象画像AGの検索動作を説明するフローチャートである。
【図8】対象画像取得部60が対象画像AGの識別情報28または識別データベース30を取得した場合に、検索部64が実行する識別情報28による対象画像検索処理(S106)を説明するフローチャートである。
【図9】対象画像検索処理における表示部22の画像表示を説明する図である。
【図10】対象画像検索処理における表示部22の画像表示を説明する図である。
【図11】対象画像検索処理における表示部22の画像表示を説明する図である。
【図12】対象画像検索処理における表示部22の画像表示を説明する図である。
【図13】対象画像取得部60が対象画像AGの対象画像情報66を取得した場合に、検索部64が実行するパターンマッチングによる対象画像検索処理(S108)を説明するフローチャートである。
【図14】対象画像検索処理における表示部22の画像表示を説明する図である。
【図15】対象画像検索処理における表示部22の画像表示を説明する図である。
【図16】検索部64による検索結果の他の表示例を説明する図である。
【図17】対象画像取得部60が対象画像AGの識別情報28、識別データベース30及び対象画像情報66を取得した場合における対象画像検索処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0009】
図1は、モザイク画像システムの全体構成図である。モザイク画像システム10は、例えば、イベント主催者ESがイベント会場等でモザイク画像MGを生成及び表示するとともに、来場者等のユーザがモザイク画像MGからタイル画像TGを検索するために利用される。図1に示すように、モザイク画像システム10は、モザイク画像生成装置12と、モザイク画像表示装置14と、撮像装置16とを備える。
【0010】
モザイク画像生成装置12は、パーソナルコンピュータ等を適用できる。モザイク画像生成装置12は、モザイク画像生成プログラムを実行して、複数のユーザUSから送られた提供画像SGからサイズ変換等によりタイル画像TGを生成する。モザイク画像生成装置12は、複数のタイル画像TGを組み合わせて全体として視覚的に意味のある1つの大きな画像として形成されたモザイク画像MGを生成する。
【0011】
モザイク画像表示装置14は、モザイク画像生成装置12が生成したモザイク画像MGを、モザイク画像生成装置12から取得する。モザイク画像表示装置14は、その取得したモザイク画像MGを表示する。モザイク画像表示装置14は、液晶プロジェクタ等の投影装置18及び投影装置18からモザイク画像MGが投影されるスクリーン20を有する。尚、モザイク画像表示装置14として、液晶表示装置、プラズマ表示装置、有機EL表示装置等を適用してもよい。
【0012】
撮像装置16の一例は、デジタルカメラである。撮像装置16は、モザイク画像表示装置14によって表示されているモザイク画像の全体または一部を撮像して、撮像画像PGを生成する。撮像装置16は、その撮像画像PGから目的のタイル画像TGである対象画像AGを検索する。例えば、対象画像AGは、ユーザUSが提供した提供画像SGから生成されたタイル画像TGである。撮像装置16は、背面に設けられ、撮像画像PGを表示する表示部22を有する。撮像装置16は、対象画像AGの検索結果を撮像画像PGとともに表示部22に表示する。
【0013】
図2は、モザイク画像MGを説明する図である。モザイク画像生成装置12は、モザイク画像MGの基礎となるベース画像BGを境界線によって囲まれた複数の分割領域Aに分割する。モザイク画像生成装置12は、ユーザUSから提供された提供画像SGからタイル画像TGを生成する。モザイク画像生成装置12は、各分割領域Aに生成したタイル画像TGを嵌め込む。これにより、モザイク画像生成装置12は、境界線によって囲まれた分割領域Aに複数のタイル画像TGが嵌め込まれたモザイク画像MGを生成する。
【0014】
次に、モザイク画像生成装置12によるモザイク画像MGの各分割領域Aに嵌め込まれるタイル画像TGの選択方法を説明する。
【0015】
モザイク画像生成装置12は、ベース画像BGの分割領域Aの特徴値Dv、及び、提供画像SGから生成されたタイル画像TGの特徴値TDvを算出する。例えば、輝度に基づいて特徴値Dv、TDvを算出する場合、特徴値Dv、TDvは、色を表す基本色のそれぞれについて空間的な平均値を算出することにより得られる。基本色の一例は、RGBであり、他の例はYUVである。
【0016】
基本色がRGBの場合における分割領域Aの特徴値Dvの算出方法について説明する。尚、位置を(x,y)として、分割領域の位置を特定する必要がある場合、分割領域を「Axy」と記載して、位置を特定する必要がない場合、分割領域を「A」と記載する。下記の式に示すように、分割領域Axyにおいて赤色を表示している各ドットの階調レベルDrの総和(ΣDr)を、分割領域Axyの総ドット数Dtで除することにより、当該分割領域Aの赤色の輝度の特徴値Rxyが算出される。
Rxy=(ΣDr)/Dt
分割領域Axyの緑色の特徴値Gxy及び青色の特徴値Bxyに関しても同様に算出される。これにより、当該分割領域Axyの特徴値Dvxy=(Rxy、Gxy、Bxy)が算出される。
【0017】
次に、タイル画像TGの特徴値TDvの算出方法について説明する。尚、「n」を整数として、いずれかのタイル画像であるかを特定する必要がある場合、タイル画像を「TGn」と記載して、いずれかのタイル画像であるかを特定する必要がない場合、タイル画像を「TG」と記載する。下記の式に示すように、タイル画像TGnの赤色が表示されている各ドットの階調レベルTDrの総和(ΣTDr)を、1枚のタイル画像TGnの総ドット数TDtで除することにより、タイル画像TGnの赤色の輝度の特徴値TRnが算出される。
TRn=(ΣTDr)/TDt
タイル画像TGnの緑色の特徴値TGn及び青色の特徴値TBnに関しても同様に算出される。これにより、当該タイル画像TGnの特徴値TDvn=(TRn、TGn、TBn)が算出される。
【0018】
モザイク画像生成装置12は、算出した複数の特徴値Dvxyを該当する分割領域Axyと関連付けて記憶する。また、モザイク画像生成装置12は、算出した複数の特徴値TDvnを該当するタイル画像TGnと関連付けて記憶する。
【0019】
モザイク画像生成装置12は、提供画像SGから生成した複数のタイル画像TGのうち、ベース画像BGを複数に分割した複数の分割領域Aのそれぞれに対応するタイル画像TGを選択する。例えば、モザイク画像生成装置12は、いずれかの分割領域Axyの特徴値Dvxyと、複数のタイル画像TGのいずれかのタイル画像TGnとの特徴値TDvnとの差分に基づいて、当て嵌めるタイル画像TGnを選択する。これにより、モザイク画像生成装置12は、当該差分の小さいタイル画像TGを選択する。
【0020】
図3は、モザイク画像生成装置12によって提供画像SGから生成された1個のタイル画像TGを説明する図である。図3に示すようにタイル画像TGは、画像領域24と、識別領域26とを有する。画像領域24には、ユーザUSが提供した提供画像SGが特定の形状に変形されて表示される。モザイク画像生成装置12は、画像領域24の提供画像SGの特徴値をタイル画像TGnとの特徴値TDvnとして用いて、分割領域Aに嵌めこむタイル画像TGを選択する。識別領域26は、画像領域24の外周を囲むように形成されている。識別領域26は、分割領域Aの境界線上に形成される。識別領域26には、タイル画像TGの種々の情報を含む識別情報28が表示される。識別情報28は、例えば、一次元バーコード、二次元バーコード等によって記載される。尚、識別領域26は、適宜省略してよい。
【0021】
図4は、モザイク画像生成装置12が生成した識別データベースを説明する図である。モザイク画像生成装置12は、モザイク画像MGを生成する場合、合わせて識別データベース30を生成してもよい。図4に示すように、識別データベース30は、モザイク画像MGを構成する各タイル画像TGの識別情報28によって構成される。識別情報28は、シリアルNo、X座標、Y座標、画像ファイル名、ユーザ名、モザイク名の情報を含む。シリアルNoは、モザイク画像MGにおいてタイル画像TGを識別するための番号である。X座標及びY座標は、モザイク画像MGにおいて、当該タイル画像TGが嵌め込まれている分割領域Aの位置を示す座標である。画像ファイル名は、当該タイル画像TGを生成するための提供画像SGを提供したユーザUSが付与したファイル名である。ユーザ名は、当該タイル画像TGを生成するための提供画像SGを提供したユーザUSの名前である。モザイク名は、モザイク画像MGを識別するための情報である。これらの情報は、一例であり、他の情報によって識別データベース30を構成してもよい。モザイク画像生成装置12は、生成した識別データベース30を通信または記憶媒体等によって、ユーザUSの撮像装置16に提供する。
【0022】
図5は、撮像装置16の全体構成図である。撮像装置16は、レンズ駆動部42と、レンズ部44と、撮像部46と、通信部48と、二次記憶媒体50と、記憶部52と、制御部54とを備える。
【0023】
レンズ駆動部42は、複数のレンズを有するレンズ部44を駆動させる。これにより、レンズ部44は、被写体、例えば、モザイク画像MGまたはモザイク画像MGの一部に合焦する。また、レンズ部44は、モザイク画像MGの一部にズームする。
【0024】
撮像部46は、CCD(Charge Coupled Device)センサ、または、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等の光電変換素子を有する。光電変換素子は、レンズ部44の光軸上に配置されている。撮像部46は、被写体像を光電変換して生成したアナログの画像信号をデジタル信号の撮像画像に変換して制御部54へと出力する。
【0025】
通信部48は、無線通信または有線通信によって、種々の情報を入出力する。二次記憶媒体50は、撮像装置16に着脱可能に設けられている。二次記憶媒体50は、制御部54が読み出し可能及び書き込み可能に種々の情報を格納することができる。
【0026】
表示部22は、制御部54からの画像情報に基づいて、種々の画像を表示する。表示部22が表示する画像は、撮像部46によって撮像された撮像画像PG、通信部48及び二次記憶媒体50を介して取得した画像、及び、設定を入力するメニュー等である。
【0027】
制御部54は、CPU等を有して、撮像装置16の制御全般を司る。制御部54は、対象画像取得部60と、撮像画像取得部62と、検索部64とを有する。
【0028】
対象画像取得部60は、通信部48または二次記憶媒体50を介して、検索対象となる対象画像AGの情報を取得する。例えば、対象画像取得部60は、モザイク画像MGにおける対象画像AGの座標情報を含む識別情報28、対象画像AGの識別情報28を含む識別データベース30及び対象画像AGの画像情報である対象画像情報66のいずれかを取得する。画像情報は、画像に含まれる各画素の色の階調等の情報を含む。対象画像取得部60は、対象画像を検索するための画像検索プログラム68を取得する。対象画像取得部60は、取得した情報を記憶部52に格納する。
【0029】
撮像画像取得部62は、光学的に撮像した撮像部46によって撮像された撮像画像PGを取得する。例えば、撮像画像取得部62は、複数のタイル画像TGを並べて生成されたモザイク画像MGまたはモザイク画像MGの一部を光学的に撮像した撮像画像PGを取得する。
【0030】
検索部64は、モザイク画像MGまたはモザイク画像MGの一部を撮像した撮像画像PGにおいて対象画像AGがタイル画像TGとして用いられているか否かを検索する。例えば、対象画像取得部60が、識別情報28または識別データベース30を取得した場合、検索部64は、撮像画像PGのタイル画像TGの識別領域26に含まれる識別情報28の座標情報を抽出する。検索部64は、抽出した座標情報と、識別情報28に含まれる座標情報とに基づいて、対象画像AGを検索する。また、対象画像取得部60が、識別情報28を取得できず、対象画像AGの対象画像情報66を取得した場合、検索部64は、対象画像情報66に基づいて、撮像画像PGのタイル画像TGをパターンマッチングすることにより、対象画像AGを検索する。検索部64は、対象画像AGの検索結果を表示部22に表示する。例えば、検索部64は、対象画像AGがタイル画像TGとして用いられていると判定すると、表示部22に表示されている撮像画像PGに、対象画像AGとして用いられているのがいずれのタイル画像TGかを示す。また、検索部64は、対象画像AGがタイル画像TGとして用いられていないと判定すると、表示部22に表示されている撮像画像PGに、その旨を表示する。検索部64は、検索済みの撮像画像PGの情報、例えば画像情報を検索済み情報として記憶部52に格納してもよい。この場合、検索部64は、記憶部52を参照して、対象画像取得部60が新たに取得した撮像画像PGが記憶部52に格納されている場合、検索済みである旨を表示部22に出力する。
【0031】
記憶部52は、制御部54が読み出して実行するファームウエア等を電力の供給なしに保持する不揮発性記録媒体、及び、読出専用記録媒体の少なくとも一方を含む。また、記憶部52は、制御部54が作業領域として利用するRAMを含む。記憶部52は、例えば、対象画像取得部60が取得した対象画像AGの識別情報28、識別データベース30及び対象画像情報66のうち、少なくとも1つを記憶する。また、記憶部52は、対象画像取得部60が取得した画像検索プログラム68を記憶する。
【0032】
図6は、モザイク画像システム10によるイベントの流れを説明する図である。まず、イベント主催者ESが、複数のユーザUSにイベント案内を郵便またはメール等によって通知する(SE10)。ユーザUSは、イベント案内を受領すると、タイル画像TGとして使用されることを希望する提供画像SGの画像情報をイベント主宰者ESにメール等により送付する(SU30)。
【0033】
イベント主宰者ESは、モザイク画像生成装置12により複数のユーザUSから送信された提供画像SGを収集して、提供画像SGからタイル画像TGを生成する(SE12)。イベント主宰者ESは、モザイク画像MGの基礎となるベース画像BSを選択する(SE14)。イベント主宰者ESは、モザイク画像生成装置12によって、複数のタイル画像TGからモザイク画像MGを生成する(SE16)。
【0034】
イベント主宰者ESは、生成したモザイク画像MGを形成する各タイル画像TGの識別情報28を生成するとともに(SE18)、タイル画像TGを送付したユーザUSにそのタイル画像TGに該当する識別情報28をネットワークまたはFLASHメモリ等の記憶媒体によって送付する(SE20)。
【0035】
また、イベント主宰者ESは、生成したモザイク画像MGを形成するタイル画像TGの全ての識別情報28を含む識別データベース30を生成するとともに(SE22)、タイル画像TGを送付した全てのユーザUSに識別データベース30をネットワークまたはFLASHメモリ等の記憶媒体によって送付する(SE24)。
【0036】
尚、イベント主宰者ESは、識別情報28、識別データベース30のいずれか一方のみを生成または送付してもよい。識別情報28及び識別データベース30は、テキスト形式でもよいが、情報セキュリティを考慮して、暗号化されていることが好ましい。イベント主宰者ESは、提供画像SGがモザイク画像MGのタイル画像TGとして採用されたユーザにのみ識別情報及び識別データベース30を送付してもよい。
【0037】
イベント主宰者ESは、モザイク画像用の画像検索プログラム68をユーザUSに送付する(SE26)。画像検索プログラム68は、イベント開催期間のみ実行可能にしてもよい。
【0038】
そして、イベント主宰者ESは、イベントを開催して(SE28)、モザイク画像表示装置14によりモザイク画像MGを表示する。
【0039】
尚、イベント主宰者ESは、開催されているイベントで、識別情報28、識別データベース30、画像検索プログラム68をユーザUSに配布してもよい。配布方法の一例として、イベント主宰者ESは、ユーザUSから撮像装置16を借り受けて、識別情報28、識別データベース30、画像検索プログラム68を撮像装置16に入力してセットアップしてもよい。この場合、イベント主宰者ESは、提供画像SGと引き換えで事前にユーザUSにユーザIDを配布して、そのユーザID等によってユーザの撮像装置16を特定してもよい。また、セットアップ用の端末をイベント会場に設置して、ユーザが各自で識別情報28、識別データベース30、画像検索プログラム68をセットアップしてもよい。更には、イベント主宰者ESが、識別情報28、識別データベース30を印刷して配布して、ユーザUSは撮像装置16のタッチパネル、または、着脱可能に取り付けられたキーボード等のインターフェースを介して、識別情報28、識別データベース30を入力してもよい。
【0040】
また、イベント主宰者ESは、Webのホームページ等に識別情報28、識別データベース30及び画像検索プログラム68をアップロードして、その旨をユーザUSに伝えてもよい。これにより、ユーザUSは、ユーザID及びパスワード等を利用して、識別情報28、識別データベース30、及び画像検索プログラム68をダウンロードすればよい。
【0041】
一方、ユーザUSは、識別情報28及び識別データベース30、または、いずれか一方を取得して、撮像装置16に入力する(SU32、34)。また、ユーザUSは、画像検索プログラム68を取得して、撮像装置16に入力する(SU36)。この後、ユーザUSは、撮像装置16を持参して、モザイク画像MGが表示されるイベントに参加する(SU38)。
【0042】
図7は、撮像装置16における対象画像AGの検索動作を説明するフローチャートである。
【0043】
対象画像取得部60は、検索対象となる対象画像AGの情報、例えば、識別情報28または対象画像情報66を取得する対象画像取得処理を実行する(S100)。撮像画像取得部62は、複数のタイル画像TGを並べて生成されたモザイク画像MG、または、モザイク画像MGの一部を光学的に撮像した撮像画像PGを取得する撮像画像取得処理を実行する(S102)。検索部64は、対象画像取得部60が取得した識別情報28を取得したか否かを判定した後(S104)、その判定結果に基づいて、撮像画像PGにおいて対象画像AGが当該タイル画像TGとして用いられているか否か、及び、対象画像AGの位置を検索する対象画像検索処理を実行する。検索部64は、対象画像取得部60が対象画像AGの識別情報28を取得したと判定すると(S104:Yes)、識別情報28による対象画像検索処理を実行する(S106)。尚、ここでいう識別情報28の取得とは、対象画像AGの識別情報28を含む識別データベース30を取得した場合も含む。検索部64は、識別情報28を取得していないと判定すると(S104:No)、対象画像情報66を用いたパターンマッチングによる対象画像検索処理を実行する(S106)。これらの処理は、画像検索プログラム68が、制御部54に読み込まれることによってコンピュータに実行される。
【0044】
図8は、対象画像取得部60が対象画像AGの識別情報28または識別データベース30を取得した場合に、検索部64が実行する識別情報28による対象画像検索処理(S106)を説明するフローチャートである。図9、図10、図11及び図12は、対象画像検索処理における表示部22の画像表示を説明する図である。尚、対象画像AGは、図1に符号「AG」で示す木の画像とする。
【0045】
図8に示すように、対象画像検索処理では、検索部64は、例えば図9に示すように撮像画像PGを表示部22に表示させる(S110)。検索部64は、撮像画像取得部62が取得した撮像画像PGの各タイル画像TGに含まれる識別領域26に記載されている識別情報28を認識する(S112)。ここで撮像画像PGが複数のタイル画像TGを含む場合、いずれか1つのタイル画像TGの識別情報28を取得してもよい。
【0046】
次に、検索部64は、対象画像取得部60が取得した対象画像AGの識別情報28に含まれるモザイク名と、撮像画像PGから取得した識別情報28に含まれるモザイク名とを比較して、対象画像AGがモザイク画像MGに含まれるか否かを判定する(S114)。
【0047】
検索部64は、モザイク名が一致しない場合、撮像画像PGを含むモザイク画像MGに対象画像AGが含まれていないと判定して(S114:No)、図10に示すように、対象画像AGが含まれていない旨を表示部22に表示する。
【0048】
一方、検索部64は、撮像画像PGを含むモザイク画像MGに対象画像AGが含まれていると判定すると(S114:Yes)、対象画像AGが撮像画像PGに含まれるか否かを判定する(S118)。
【0049】
例えば、検索部64は、対象画像AGの識別情報28に含まれる座標情報と、撮像画像PGに含まれる各タイル画像TGの座標情報とを比較して、対象画像AGが含まれるか否かを判定してもよい。また、検索部64は、対象画像AG及び撮像画像PGの識別情報28に含まれるシリアルNoによって、対象画像AGが含まれるか否かを判定してもよい。
【0050】
検索部64は、例えば、対象画像AGの座標情報と撮像画像PGの座標情報とが一致して、対象画像AGが撮像画像PGに含まれると判定すると(S118:Yes)、撮像画像PGに含まれる複数のタイル画像TGのうち、いずれが対象画像AGかを表示する(S120)。いずれが対象画像AGかを表示する方法として、図11に示すように、対象画像AGを点線で囲んでもよい。他の表示方法として、対象画像AGを点滅させてもよい。また、撮像画像PGが、多数のタイル画像TGを含み、対象画像AGが小さく表示されている場合、対象画像AGを拡大して表示部22に表示してもよい。
【0051】
一方、検索部64は、対象画像AGが撮像画像PGに含まれないと判定すると(S118:No)、対象画像AG及び撮像画像PGの識別情報28に含まれる座標情報に基づいて、撮像画像PGに対する対象画像AGの方向を認識する。そして、検索部64は、撮像画像PGの方向を矢印70により表示する(S122)。尚、検索部64は、撮像されている領域が対象画像AGの領域よりも遠い場合、近い場合よりも矢印70を大きくまたは長く表示してもよい。また、矢印70の代わりに、音声によって対象画像AGの方向を表示させてもよい。この後、検索部64は、対象画像AGが撮像されるまで、ステップ102以降を繰り返す。
【0052】
図13は、対象画像取得部60が対象画像AGの対象画像情報66を取得した場合に、検索部64が実行するパターンマッチングによる対象画像検索処理(S108)を説明するフローチャートである。尚、パターンマッチングによる対象画像検索処理は、タイル画像TGが識別情報28を含まない場合にも有効である。図14及び図15は、対象画像検索処理における表示部22の画像表示を説明する図である。
【0053】
図13に示すように、検索部64は、撮像画像PGを表示部22に表示する(S130)。次に、検索部64は、撮像画像PGに含まれる各タイル画像TGの画像情報を認識する(S132)。
【0054】
検索部64は、撮像画像PGに含まれる画像情報と、記憶部52に格納されている検索済み情報とを比較して、撮像画像PGが既に検索済みか否かを判定する(S134)。尚、検索済み情報とは、検索部64が既に検索した撮像画像PGの画像情報のことである。
【0055】
検索部64は、撮像画像PGが既に検索済みと判定すると(S134:Yes)、図14に示すように検索済みである旨を表示して(S136)、ステップS102以降を繰り返す。検索部64は、撮像画像PGがまだ検索されていないと判定すると(S134:No)、対象画像取得部60が取得した対象画像AGの対象画像情報66と、撮像画像PGに含まれる各タイル画像TGの画像情報とをパターンマッチングして、撮像画像PGに対象画像AGが含まれるか否かを判定する(S138)。
【0056】
検索部64は、対象画像AGが撮像画像PGのタイル画像TGに含まれると判定すると(S138:Yes)、図11に示すように、いずれが対象画像AGかを表示部22に表示する(S140)。
【0057】
一方、検索部64は、対象画像AGが撮像画像PGに含まれないと判定すると(S138:No)、図15に示すように、対象画像AGがない旨を表示部22に表示する(S142)。その後、検索部64は、撮像画像PGの画像情報を検索済み情報として記憶部52に格納した後(S144)、ステップS102以降を繰り返す。
【0058】
図16は、検索部64による検索結果の他の表示例を説明する図である。図16に示すように、検索部64は、対象画像AGがタイル画像TGとして用いられていると判定すると、レンズ駆動部42を駆動させて、撮像画像PGを縮小する。これにより、検索部64は、撮像画像取得部62を介して、モザイク画像MGの全体の撮像画像を取得する。そして、検索部64は、モザイク画像MGの全体を表示部22に表示させつつ、対象画像AGの位置を示す。
【0059】
図17は、対象画像取得部60が対象画像AGの識別情報28を含む識別データベース30及び対象画像情報66を取得した場合における対象画像検索処理を説明するフローチャートである。尚、本実施形態では、識別データベース30が、各タイル画像TGの画像情報を含む。一方、タイル画像TGは、識別情報を含まない。図8及び図13と同様のステップには、同じステップ番号を付与して説明を簡略化する。
【0060】
この対象画像検索処理では、ステップS130からS138が実行される。次に、検索部64は、対象画像AGが撮像画像PGに含まれていると判定すると(S138:Yes)、対象画像AGが表示される(S140)。一方、検索部64は、対象画像AGが撮像画像PGに含まれていないと判定すると(S138:No)、撮像画像PGの座標情報を認識する(S148)。具体的には、検索部64は、撮像画像PGに含まれるタイル画像TGと、識別データベース30に含まれる画像情報とをパターンマッチングする。検索部64は、パターンマッチングされた撮像画像PGに含まれるタイル画像TGの座標情報を識別データベース30から認識する。次に、検索部64は、撮像画像PGの座標情報と、対象画像AGの座標情報とを比較して(S150)、撮像画像PGに対する対象画像AGの方向を認識する(S152)。次に、検索部64は、例えば図12に示すように、対象画像AGがない旨、及び、対象画像AGの方向を矢印70により表示する(S122)。この後、ステップS102以降を繰り返す。
【0061】
上述したように、撮像装置16では、検索部64が撮像画像PGにおいて対象画像AGがタイル画像TGとして用いられているか否かを判定するので、ユーザUSは対象画像AGの有無を短時間で判定できる。
【0062】
撮像装置16では、検索部64が識別情報28、識別データベース30、または、対象画像情報66のいずれかによって、撮像画像PGに対象画像AGが含まれているか否かを判定する。これにより、ユーザUSは撮像画像PGに対象画像AGが含まれているか否かをより正確に、かつ、迅速に判断できる。
【0063】
撮像装置16では、検索部64が撮像画像PGの識別領域26に表示された座標情報と、対象画像AGの識別情報28または識別データベース30の座標情報に基づいて、撮像画像PGに対する対象画像AGの方向を認識して、表示部22にその方向を表示する。これにより、ユーザUSは、対象画像AGをより迅速に探すことができる。
【0064】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0065】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0066】
10 モザイク画像システム
12 モザイク画像生成装置
14 モザイク画像表示装置
16 撮像装置
18 投影装置
20 スクリーン
22 表示部
24 画像領域
26 識別領域
28 識別情報
30 識別データベース
42 レンズ駆動部
44 レンズ部
46 撮像部
48 通信部
50 二次記憶媒体
52 記憶部
54 制御部
60 対象画像取得部
62 撮像画像取得部
64 検索部
66 対象画像情報
68 画像検索プログラム
70 矢印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のタイル画像を並べて生成されたモザイク画像を光学的に撮像した撮像画像を取得する撮像画像取得部と、
検索対象となる対象画像を取得する対象画像取得部と、
前記撮像画像において前記対象画像がタイル画像として用いられているか否かを検索する検索部と
を備える撮像装置。
【請求項2】
前記撮像画像を表示する表示部を更に備え、
前記検索部は、前記対象画像が前記タイル画像として用いられていると判定すると、前記表示部に表示されている前記撮像画像にいずれのタイル画像かを示す
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記検索部は、前記対象画像が前記タイル画像として用いられていると判定すると、前記モザイク画像全体の撮像画像を取得して前記対象画像の位置を示す
請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記対象画像取得部は、前記モザイク画像における前記対象画像の座標情報を取得して、
前記検索部は、前記座標情報に基づいて、前記対象画像を検索する
請求項1から3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記モザイク画像は座標情報を含み、
前記検索部は、前記撮像画像から座標情報を抽出して、前記対象画像を検索する
請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記対象画像取得部は、前記対象画像の対象画像情報を取得して、
前記検索部は、前記対象画像情報に基づいて、前記撮像画像内の前記タイル画像をパターンマッチングする
請求項1から5のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記検索部が、検索済みの前記撮像画像の情報を格納する記憶部を更に備え、
前記検索部は、前記記憶部を参照して、前記対象画像取得部が新たに取得した撮像画像が前記記憶部に格納されている場合、検索済みである旨を出力する
請求項6に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記モザイク画像は境界線に沿って分割された分割領域を有し、
前記タイル画像は、前記境界線に囲まれた前記分割領域に嵌め込まれている
請求項1から7のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項9】
複数のタイル画像を並べて生成されたモザイク画像を光学的に撮像した撮像画像を取得する撮像画像取得段階と、
検索対象となる対象画像を取得する対象画像取得段階と、
前記撮像画像において前記対象画像がタイル画像として用いられているか否かを検索する検索段階と
をコンピュータに実行させる画像検索プログラム。

【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図17】
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【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−3752(P2013−3752A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−132893(P2011−132893)
【出願日】平成23年6月15日(2011.6.15)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】